高知県土佐郡土佐町東石原毛知田における
強度間伐によるスギ林の鳥類群集 Ⅱ
山 本 正 幸
〒761−0194 高松市春日町960 高松大学生涯学習教育センターBirdcommunltyOnHeavythinnedstandsofCT:yPtOmeY’la]qPOnicaatMotida,
Higasiisihara,Tosarcho,Tosa−gun,KochiPrefectureⅡ
MasayⅦ貼Yamamoto,且方お〝5わ〝Ce〃Je/,7bたα∽αf5〟U〝jve′5よ仇 夕∂q助5〟gβ−Cん07七々d∽dJ5〟C∫軌乃才一Oブタ4,ノ叩d〝 間伐を行なわず放置されているスギ林の鳥類 調査も実施したので報告する。 調査地とその環境 強度に間伐したスギ林における鳥類の調査 地は,推定林齢26∼49年のスギC′脚わ刑e′ね ノ呼¢〝jcdを主体とした土佐町東石原毛知田の穴郷林道沿いと県道高知本山線沿いの面積
84…14haの山地である(図1)。この調査地
は,図2に示すように強度の間伐によってス ギ林の林床には日照があり各種の低木や草本 などが自生している。 また,強度の間伐が行なわず放置されてい るスギ林(以下,未間伐スギ林という)は, 土佐町和田の町道和田中央線浴いに位置した 民有林で標高約500mである(図1)。この調 査地は図3に示すようにスギ林の林床には殆 ど日照がなく低木やシダ類などが僅かに散在して生育する環境である。その周囲には約
50%の強度に間伐した町有林や民有林が隣接 している。 は じめ に 高知県土佐郡土佐町東石原毛知田のスギ林 では,平成11年度から平成15年度にかけて−, 間伐率45‖7∼69.5%という従来よりも強度の 間伐による生態系に配慮した「豊かな森づく り施業モデル林」を目指して−いる。 著者は,それに関建して財団法人四国建設 弘済会の調査研究事業である強度間伐後の環 境調査の一・環として2004年から2006年にかけ て鳥類の調査をし,毛知田における強度に間 伐したスギ林で7日,19科,29種の鳥類を確 認した(山本,2007)。その場合の繁殖期にお ける生息密度は12.65∼23一.32Noい/1kmであり, 香川県におけるスギ林と広葉樹林との混交林 の生息密度に比べると低い値であったが,間 伐の効果が生態系の回復に期待できることも報告した。この値は,強度の間伐が行なわれ
ず放置されたスギ林に比べると高い値になる のではないかと推測した。 今回,東石原毛知田の強度に間伐したスギ 林において鳥類調査を継続して実施すると同 時に,その対照区として−土佐町和田で強度の −11一図1高知県土佐郡土佐町における鳥類調査地.
いては,表1−1,1…2,1−3に示す。 この季節は留鳥のほかにツツドリ,カツコ ウ,ホトトギス,オオルリなどの夏鳥が加わ り,3回の調査でそれぞれ16種,15種,16種 が出現し,3回の調査で23種を記録した。こ のうち,2007年5月24日の調査で新たにコ ジュケイが確認されたので表5の出現種リスト に追加した。 繁殖期における3回の調査のうち,個体群 密度が最も高い値を示したのはウグイスで, それぞれ7.51恥./1km,7.51No./1knl,軋72 Noノ1knlであった。この季節のウグイスは,雌 雄ともにスギ林の林床に生育する低木内で行 動するために全てを目視することは困難であ る。しかし.雄は自らの「なわばり」内で嘲っ ていることが多い。それ故に,今回の調査で のウグイスの個体数は,目視と嘲りによっ て,雄の個体数を表したものである。した がって,ウグイスの個体群密度は雄の個体群 密度を表したものであり,目視が困難で嘲ら ない雌は含まれていない。さらに,この場合 のウグイスの個体群密度は,この調査コース 内における各ウグイスの「なわばり」数に相 当すると考えてよい。 ところで,強度に間伐した毛知田のスギ林 に生息するウグイスの個体群密度は,他の地 調査方法 鳥類の調査方法は,予め設定した調査コー スにおいて,幅約50mのroadside census法に よって出現種と出現個体数を調べた。 強度に間伐したスギ林における調査コース は,2004年以来の調査と同じ方法で,図4で 示すように東石原毛知田穴郷林道のA点かⅠ 点までと県道高知本山線のⅠ点からJ点に至 る全長2.53kmとした。この調査コースでは鳥 類の繁殖期に当たる2007年4月27日,2007年 5月24日,2007年6月27日に調査し,非繁殖 期は2007年11月8日に調査した。 また,未間伐スギ林の調査コースは,図5 に示すように町道和田中央線のA点からB 点,C点,D点を経てE点に至る全長土5如lで ある。このうち,C点からD点までの0.37km が未間伐スギ林である。この調査コースにお いて繁殖期に当たる2007年5月27日に鳥類の 調査をした。 調査結果と考察 1.衰石原毛知田における強度に間伐したス ギ林の鳥類の調査結果と考察 (1)繁殖期の調査結果と生息密度 このコースにおける繁殖期の調査結果につ 図3.土佐町和田における未間伐スギ林. (2007.5.27撮影) 図2.土佐町東石原毛知田における強度に 間伐したスギ林. (平成12年間伐区,2007.軋27撮影) ー13・一
図4土佐町東石原毛知田におけるスギ林の年度別間伐区と鳥類調査コ・−スり
図5..土佐町和田における未間伐スギ林(点線で囲む)の鳥類調査コ・一ス..
表1−1.泉石原毛知田スギ林における繁殖期の鳥額調査結果1.. 環境区 2007‖ 4一.27..(晴れ後薄曇り) 距 離 2.53km 時 間 8:00∼10:40(160分) 番 号 種 名 出現個体数 個体群密度 優占度 Noり No./1km % 1 ヤマドリ 0‖40 1.85 2 アオバト 2 0…79 3“70 3 ツツドリ 0..40 1.85 4 オオアカゲラ 2 0い79 3.70 5 キセキレイ 0..40 1..85 6 ヒヨドリ 8 3.16 14‖81 7 ミソサザイ 4 1..58 7り41 8 ウグイス 19 7‥51 35‖19 9 オオルリ 0‖40 1.85 10 エナガ 1 0…40 1.85 ヒガラ 3 L19 5..56 12 ヤマガラ 2 0‖79 3..70 13 シジュウカラ 4 1..58 7..14 14 ホオ・ジロ 3 1…19 5..56 15 カケス 0..40 1…85 16 ハシボソガラス 0.40 1.85 計 16種 54 21..34 100.00 表1−2..東石原毛知田スギ林における繁殖期の鳥類調査結果2 環境区 強度に間伐したスギ林 年月月 2007.5..24..(晴れ後金り) 距 離 2一.5別皿 時 間 8:00′、JlO:50(170分) 番 号 種 名 出現個体数 個体群密度 優占度 No No../1km % 1 コジュケイ 0…40 1り69 2 キジバト 5 1..98 8.47 3 カツコウ 0小40 1.69 4 ツツドリ 2 0,79 3.39 5 ホトトギス 0‖40 169 6 オオアカゲラ 0..40 1..69 7 ヒヨドリ 8 3‖16 13.56 8 ミソサザイ 5 1..98 8‖47 9 ウグイス 19 7..51 32‖20 10 オオルリ 0..40 1..69 ヒガラ 4 1。58 6..78 12 シジュウカラ 2 0.79 3‖39 13 ホオジロ 5 1.98 8‖47 14 カケス 2 0..79 3.39 15 ハシブトガラス 2 0.79 3.39 計 15種 59 23.32 100,.00 −15 −
表1−3.東石原毛知田スギ林における繁殖期の鳥類調査結果3. 環境区 強度に間伐したスギ林 年月日 2007..6.27.(晴れ) 距 離 2“53km 時 間 7:30∼10:20(170分) 番 号 種 名 出現個体数 個体群密度 優占度 No、 Noい/1km % 1 ヤマドリ 2 0.79 3.92 2 キジバト 0い40 1.96 3 カツコウ 0…40 1.96 4 ホトトギス 2 0..79 3.92 5 オオアカゲラ 3 1小19 5..88 6 ヒヨドリ 7 2.77 13小73 7 ミソサザイ 3 1い19 5.88 8 クロツグミ 0.40 1.96 9 ウグイス 17 6一.72 33.33 10 オオ/レリ 0“40 1.96 ヒガラ 0,.40 1.96 12 シジュウカラ 0.40 1り96 13 メジロ 0い40 1.96 14 ホオジロ 3 1‖19 5“88 15 カケス 5 198 9..80 16 ハシブトガラス 2 0.79 3.92 計 16種 51 20=16 100一.00 表2.強度に間伐した泉石原毛知田のスギ林における繁殖期の鳥類の 出現種数・出現個体数・生息密度(2004一−2007)“ 調査年月日 出現種数 出現個体数 生息密度 No. No小/1km 2004..4.、25 12 32 12.65 2004..5..27 17 52 20.55 2004一6…29 12 46 18..18 2005り 4..30 14 41 16..21 2005“6り1 17 36 14‖23 2005い 6り25 15 39 15..42 2006..4..26 13 34 13…44 2006.5..29 13 46 18.18 2006“6..28 16 59 23..32 2007..4..27 16 54 21‖34 2007.5=24 15 59 23一.32 2007..6..27 16 51 20.16 ー16 一
あるために限界があるものと推測する。 (2)非繁殖期の調査結果と生息密度 土佐町東石原毛知田の強度に間伐したスギ 林における非繁殖期の鳥類調査の結果は,表 3に示す。出現した鳥類は6種,25個体であ り,生息密度は9い88No‖/1kmであった。この季 節は,夏鳥が渡去し,冬鳥が渡来中の時期で
ある。また,本調査コースは標高564∼839m
であるために冬期は留鳥の多くが山麓や平野 部へ漂行している。その影響により生息密度 の値が低くなるのは当然である。加えて調査 当日は霧が発生するなどの天候不順により鳥 類の行動が活発でなかったことも影響している。この傾向は表4で示すように,過去3年
間の例においても表れている。 今回の調査で,個体群密度が高い値を示し たのはホオジロの4−35No./1km,ヒヨドリの 3..56No…/1kmで両者とも留鳥である。また,ウ グイスは大部分が山麓や平野部へ移動してい て1個体のみが出現したが,繁殖期のような 噛りは見られなかったし,冬期には移動して 去るものと考える。 (3)束石原毛知田スギ林における鳥類の出現 種リスト 強度に間伐した束石原毛知田スギ林の鳥類調査を始めた2004年から4年間に,表5で示
すように7日,19科,30種の鳥類を記録し
た。この借は,今後スギ林の林床植生が変化
すれば,さらに増えるものと考え強度の間伐効果が期待される。しかし,長い時間の経過
を必要とするために,今後もモニタリング調 査を継続する必要がある。 また,今回の調査においても高知県レッド データブック(2002年)に指定されている貴重な種が出現している。例えば,準絶滅危倶の
カツコウ,オオアカゲラ,クロツグミ,オオ ルリ,情報不足のヤマドリ,アオジなどである。このうち,高知県に生息するヤマドリは
域のウグイスの個体群密度に比較するとどう であろうか。前述の鳥類の生息密度が比較的 高かった香川県讃岐山脈の例によると(山本, 1994),ウグイスの個体群密度は大滝山3.86 Noノ1km・4…7川0.ノ1km,竜王山9.60Noり/1km・ 8.00No‖/1km,大川山5い88Noノ1kmである。こ の例と比較すると,繁殖期における強度に間 伐した毛知田のスギ林のウグイスの個体群密 度の倍は安定して高い値を示し,少なくとも ウグイスについては強度の間伐効果が現われ ているものと考える。 また,同様なことがミソサザイの個体群密 度についても言える。強度に間伐した毛知田 のスギ林における個体群密度は,Ⅰ…58No./1 km・Ⅰリ98No.ノ1km・1‖19No.ノ1kmであった。前 述の讃岐山脈の例によると,大滝山1一.29No“/1 km・1.14No.ノ1km,竜王山0.80No.ノ1km・2“80 No./lkm,大川山2‖94No./1km・3..53No./lkmなどの値と比べると,必ずしも低い値ではな
い。毛知田のスギ林内には穴郷川の渓流があ り,ミソサザイはスギ林の有無にかかわらず そのような環境を好む習性があるために,こ のような個体群密度の値になったのであろう。 −・方,繁殖期における鳥類全体の生息密度 は3回の調査の結果,それぞれ21..34No.ノ1km ・23い32No.ノ1km・20..16Noり/1kmの結果を得た。この値は表2で示すように調査を始めた
2004年以来よりもやや高くなっている。しか し,前回に報告したように(山本,2007),ス ギ林と広葉樹の二次林が混生している讃岐山 脈の4043∼53..20N仇/1kmに比べると,かなり低い値である。これは,スギ林という特殊な
環境のためであり,ウグイスやミソサザイ以 外の鳥類の個体群密度の値が低いので,鳥類全体の生息密度が低い値になった結果であ
る。 しかし,今後,強度に間伐したスギ林にお いて時間が経過し林床の埴生がさらに多様に なれば,鳥類の生息密度の値もある程度は高 くなると思うが,スギ林という特殊な環境で 一17 −表3.東石原毛知田スギ林における非繁殖期の鳥類調査結呆.. 環境区 強度に間伐したスギ林 年月日 2007..11い 8“(雰) 距 離 2.53h 時 間 8:10′、ノ10:10(120分) 番 号 種 名 出現個体数 個体群密度 優占度 No. No./1km % 1 ヒヨドリ 9 3.56 36..00 2 ウグイス 0.40 4り00 3 ヒガラ 0..40 4.00 4 ホオジロ 4‖35 44一.00 5 アオ・ジ 2 0.79 8.00 6 ∠、シプトガラス 0.40 4.00 計 6種 25 9.88 100..00 表4小 強度に間伐した東石原毛知田のスギ林における非繁殖期の鳥類の 出現種数・出現個体数・生息密度(2004−2007),. 出現個体数 生息密度 No.. No./1km 33 13.04 12 4い74 39 15.42 25 9,,88 日 調査年月 2004..11.29 2005..11..27 2006..11い 2 2007.11‖ 8 2亜種があり,広く分布するシコクヤマドリ ざyr∽d如〟550e∽椚e′〃〝g∼上∼〝Je′椚e肋sと南西部の みに狭く分布するウスアカヤマドリ亭y/∽αf∼c〟∫ 50e〝刑e/′加g∼よ5〟ムJゆ5が知られている(酒楼, 1980)。今回,泉石原毛知田のスギ林で4月7
日に1個体,6月27日に2個体出現したが,
分布上からシコクヤマドリと思われるが確認できなかった。とくに6月27日の2個体は雌
雄で,図4に示す平成13−14年度間伐の境界近 ぐで著者の位置から4m離れた林床から雌雄が同時に飛び上がり,7m離れたモミの枝に
止まり(図6),数秒後には谷に向かって滑空 した,このときの目視では雄の体色からシコ クヤマドリと考えるが詳細に観察する時間的 な余裕がなかったことも付記しておく。 2一.土佐町和田における未間伐スギ林の鳥類 の調査結果と考察 未間伐スギ林を含む土佐町和田の調査コー スにおける繁殖期の鳥類調査結果は表6に示 す−。この調査コ・一スでは8種,10個体が出現し,生息密度は6.67No./1kmであった。ただ
し,この調査コースのうちC∼Dの未聞伐ス ギ林内では鳥類が出現しなかった。したがっ て,表6で示された鳥類は全て未間伐スギ林 以外のコ、・・・・・スで出現したものである。 今回の調査で未間伐スギ林での鳥類の生息 は皆無であったが,著者の経験から考えると このような環境でも特定の鳥類は生息するも のと思う。例えば,表6のキビタキは未間伐 −18 −表5一東石原毛知田スギ林における鳥類の出現種リスト(2004−2007年).. ツミdcc帥ねrg〟ね′由 ヤマドリ秒間戚のm制叩傲椚幼が■ コジュケイβα椚あび加ゎ娩orαCgCα ツツドリ C以仁〃血ざぶαねrαねば アオゲラタおぴの仰 ヒヨドリ 御車eお∫〃∽抑¢励 ミソサザイル昭わ砂ねざか叩Jゆfe∫ カヤクグリタ㍑∽d先=〟∂んね ジョウビタキクゐoe乃お祝r〟∫α祝rOアマ〟∫ クロツグミ乃〝血∫Cαr(払 ウグイス α〝ぬ(卸血刀e オオルリqⅥ乃甲鋤くγα乃0椚eね〝d ヤマガラ グα柑∫Ⅴαrぬ∫ シジュウカラ劫川=明ゆ・ メジロ肋絶′−甲ノ卸0乃お〟∫ ホオジロ且∽ムgrおαCよ0∼(お∫ アオジ且mムg′加平0ゐc甲如才α カワラヒワαrゐeJ∼∫∫jわねα カケスGαrr〟ゎびgね〝血rj〟∫ ハシボソカラスConJ揖COrO刀e −19 −
表6,土佐町和田の未間伐スギ林における繁殖期の鳥類調査結果, 環境区 未間伐スギ林(対照区) 年月日 2007.5.27.(晴れ) 距 離 1.5km 時 間 7:45∼9:00(75分) 番 号 種 名 出現個体数 個体群密度 優占度 No. No./1km % 1 アオバト 0.67 10.00 2 ヒヨドリ 3 2.00 30.00 3 ウグイス 0.67 10.00 4 キビタキ 0.67 10.00 5 ヒガラ 0.67 10.00 6 シジュウカラ 0.67 10.00 7 ホオジロ 0.67 10.00 8 ハシブトガラス 0,67 10.00 計 8種 10 6.67 100.00 調査は1回のみであったので,続けて調査す る必要があるし,さらにその他の未間伐スギ 林のノ鳥類調査が必要があると考えている。 要 約 高知県土佐那土佐町衆石原毛知田の強度に 間伐したスギ林において2007年に4回の鳥類 の生息調査をした。また,その対照区として 土佐町和田の未間伐スギ林において2007年に 1回鳥類の生息調査をした。それらの結果は 次のとおりである。 1)強度に間伐したスギ林における繁殖期 の3回の調査では23種の鳥類が出現した。 そのうち,個体群密度の値が高かったのは ウグイスで7.51No./1knl,7.5川0./1knl, 6.72No./1l(nlなどであった。次いで個体群 密度の値が高かったのはミソサザイで 1.58Noノ1km,1.98/1km,1.19Noノ1kmなど であった。また,繁殖期における鳥類全体 の生息密度は21.34No./1km,23.32No./1 lくm,20.1鉛眈/1kmなどであり,過去3年間 よりはやや高い値は示すが,他の地域のス ギ林と広葉樹林との混交林に比べるとその 値は低かった。 2)強度に間伐したスギ林における非繁殖 スギ林に接した民有林で出現したものである が,薄暗い林相を好む習性があるので未間伐 スギ林に出現しても不思議ではない。 いずれにしろ,強度に間伐したスギ林の対 照区としての土佐町和田における未開伐スギ 林の鳥類調査をしたが,ここでは鳥類が出現 しなかった。 以上の結果から考えると,東石原毛知田の ように強度に間伐したスギ林では鳥類の生息 環境としてある程度の効果があったと確かに 言える,勿論,土佐町和田未間伐のスギ林の 図6.モミの樹蔭に止まるヤマドリの雄. 長い尾が見える. (2007.6.27撮影) … 20 −
期の調査では,6種の鳥類が出現し生息密 度は9い88Noい/1kmであり,過去3年間と同 様に低い値であった。 3)強度に間伐した東石原毛知田のスギ林 の鳥類は,2004−2007年の4年間に7目19 科30種が出現した。そのうち,今回の調査 においてもかソコウ,オオアカゲラ,クロ ツグミ,オオルリ,ヤマドリ∴アオジなど 高知県指定による貴重な種が含まれてい た。 4)強度に間伐した土庄町東石原毛知田の スギ林の対照区として,未間伐スギ林を含 む土佐町和田のスギ林において繁殖期の鳥 類を調査した結果,8種が出現し,生息密 度は6.67No./1kmであった。ただし,この 調査コ・一スのうち未間伐スギ林内では鳥類 が出現しなかった。 以上のことから,束石原毛知田のスギ林に おける強度の間伐は,現段階では鳥類の生息