各種植物の剥離表皮におけるエンバク冠さび菌
夏胞子のin董bction structure
内藤中人,山本弘幸
Ⅰ 緒 ロ さび菌の夏胞子・さび胞子における寄主侵入では,一腰に,気孔部の附着器から伸長する侵入菌糸が気孔 を通過して,気孔7の呼吸脛に気孔下嚢をつくり,さらにこれから感染菌糸を周辺に伸長するとされてい る..この場合,附着舘は気孔部にだけ形成されるとは限るまいから,侵入不能に終る附着岸もかなりあるは ずであろうが,このようなもののその後の動静についてはあまり論じられていないように考える小肇者らは かねて,エンバク冠さび菌夏胞子がinftctionstructureと形態的(1)ならびに核学的(8)に相同の器官を人工培 地上に形成することから,天然葵の附着器でも侵入不能のものは気孔下盤・感染菌糸に相当する器官を表皮 の外面に形成す・るのではなかろうかとの疑念を抱いていた,また,培地上における該器官の形成を述べた既 報(4)では,天然菓に形成される真の器官との詳細な形態的比較までには至らなかったい さらにまた,さび菌 の夏胞子・さび胞子は特定客主以外の植物の菓にも気孔侵入することがあるという(7).そこで,エンバク冠 さび菌夏胞子につき以上の諸点を究明する一偏として,今回ほまず,各種植物の剥離表皮におけ■るinfむtion structureの形成状態を検討するとともに,エンバク天然柔・人工培地のものとも比較考察した巾 ここにその 結果を報告する.. なお,本報皆の大要は昭和41年度日本植物病理学会関西部会で講演発表した(5). Ⅱ 実験材料と方法 ェンバクの葉。禁輸・茎・穎,および按作の容易な他植物の柔から表皮約1cm2を剥離し,わずか湿らせ た折紙の上に並べてそのちぢれを防ぐ.ついで,水を添加することなく剥離表皮の外面に直接エンバク冠さ び菌(タ〟〟紘厄〃冊那加CoRDA)の夏胞子(発芽率80%以上)を目測上なるべく均一選となるよう針でおき, 乾いた毛蟹で全面に広げる“これを接種面が上になるよう温室ベトリ皿のスライド上水備に20◇C暗黒で浮 かべ,24時間後に附着器・気孔下垂。感染菌糸を観察したい ただし,エンバクの頴では表皮剥離がⅠ召難なた めそのまま供試し,その茎では剥離のさい表皮以外も一部瀾儲してくるので,検鏡のとき表皮だけの部分を 選んで槻察したい なお,特記のほか葉では裏面,葉職では外面の表皮を刺激した“後述のとおり,表皮の外 面には附着器のほかに気孔下惑・感染菌糸にそれぞれ酷似する器官が形成されるので,これらの器官を観察 するときは外面(接種面)が上になるように,また,気孔下窺。感染菌糸のように表皮の下がわに形成される 器官の場合には,逆に内面が上になるよう表皮を載物台にのせて検鏡し,要すればさらに,微動装置による 焦点の合致ぐあいから,形成位置が表皮の上下いずれであるかを確認した、またエンバクだけについてほ, 天然のinftctionstructureと比較するため,20OC・螢光燈・飽和湿度の接種箱で接種した天然葉から24時間 後に表皮を剥離して検鏡するとともに,ペプトン加用合成液*に同温・暗黒 ̄F■で24・48時間胞子を浮遊して 形成させたものとも比較した小 Ⅲ 実 験 結 果 1ェンバクにおけるinreclion如r11(!t11r(∋ (1)各部位における附着器形成状態 エンバクの薬・葉鞘・茎から剥離した表皮,および穎について,主として附着答の形成程度と形成位置をしらべた..その結果,各植物部位とも胞子発芽は良好であったが,発
*ペプトン1%,KH2PO。005%,MgSO4・7H20002%,薦糖5%(役薗後のpH68∼L70)芽胞子のうち接種24時間までに 附着器を形成したものは第1表 のとおり葉,葉鞘でそれぞれ 19」1,15」6%と多く,茎,頴で は53,6∴7%と劣る一.また,附 着器の形成位置はすべて気孔部 か縫合部に限られるが,そのい ずれに多いかば植物部位によっ 第1表 エンバク各部位における附着器の形成 管 附着器 同形成 同位置別比率 り数 形成数 率(%) (気孔部:縫合部) 6 0 1 4 2 5 2 2 0 0 0 0 6 2 0 6 6 3 4 3 9 う ぅ 6 1 6 3 7 81:19 49:51 35:65 68:32 て異なり,菓・頴では気孔部に 多く,とくに葉では約8剖が気孔部に位置するに対し,蛮では縫合部に多く,葉鞘では両者がほぼ相半ばし た.なお,気孔部の附着器は気孔長径とほぼ直角に形成され,気孔長径の方向から表皮の表面を伸長してき た発芽管でも,気孔部の縁辺を多少迂廻し■てから上記の位F馴こ附着器を形成し(図版Figul′}3),気孔部1 個当りの形成数はト}4個である. (2)菓の別離表皮における気孔下嚢・感染菌糸の形成状態 エンバク葉の剥離表皮について気孔下垂・ 感染菌糸の形成状態をしらべた結果,気孔下蛮・感染菌糸にそれぞれ酷似する器官が表皮上に形成される場 合もあることを確認した一後述のとおり,該酷似器官は形態・大きさなどの点で表皮下の真の器官と識別し がたいだけでなく,両者は核学的にも相同の器官と考えられるので(8),ここでは酷似器官もそれぞれ気孔下 褒・感染菌糸の名称で取扱い,表皮の上下いずれの位荘引こ形成されるかでさらに細別することとした. 前項のとおり,附着器の形成位置は気孔部・縫合部に限定されるが,第2表のとおり,気孔部の附着器で は85.1%のものに気孔下垂が形 第2表 エンバク某における気孔下褒の形成 成され,そのうち約86%は表皮 下に,他は表皮上に位置する 一・方縫合部の附着器では607 %のものが気孔下嚢を形成する が,この場合はすべて表皮上に 附着器 気孔下褒 同形成 同位置別比率 観測数 形成数 率(%) (表皮上:表皮下) 附着器 の位置 気孔部 縫合部 8う.1 14:86 60‘7 100:0 336 286 226 137 形成されるい 表皮上の気孔下垂 も,表皮下のものと同じくやがて感染菌糸を仲良するが,表皮上の気孔下垂・感染菌糸に・よる侵入例はまっ たく認められない. (3)各部位におけるiIlreetion由・netmreの形態 エンバクに形成される附潜器・気孔下垂・感染菌糸 の各形態は菓・葉鴇・茎・穎のいずれのものもほぼ同一・で,気孔部・縫合部の両形成位眉による差異もほと んどみられないいl明着器ほ卵円形。楕円形で,表面ほほ平滑であるか,あるいは突起を有す(図版fig・1∼ 第3表 エンバク各部位におけるinfectionstructureの大きさ(各供試数20∼95佃) (1)附着器(〃) 縫 合 部 附 着 岸 気 孔 部 附 着 器 供 試 材 料 範 囲 平 均 範 囲 平 均 15nO∼27‖,5×J7.5∼18∴7 22い3×ほ4 12‥5∼2J7.5× 75∼17.5 18.8×ほ4 15.0∼25い0×100∼15.0 199×11.9 200∼27。,5×10.0∼17‥5 221×il∴7
12.5∼250× 7.5∼17‖,5 18‖8×12‥5 12.5∼25い0× 7‥5′−1.5.0 16∴7×11.6
125.)25.0×10い0∼20.0 19.9×125 12.う∼22い5×100∼1.5り0 17∴7×11..9
12.5∼22。‥5×10‖0∼15‖0 1′7い4×11..6 150∼250×100∼175 17“9×12.5 葉茎穎 範囲125∼27.5×100∼1‘7.5(平均188×11い6) 〝 12.5∼27,5×10.0∼20」0(〝 20・8×11い9) 人工i24時間後 培地148 〝(2)気孔下褒(〃) 表皮下の気孔下塗 表皮上の気孔下垂 供 試 材 料 範 囲 平 均 範 囲 平 均 12.5′}35.0×50∼12,5 24.7× 8.9 12.5′)37い5× L7.5′・、′12.5 27.5× 85 10。0∼325×5‖0′}12い5 22‖4× 83 200′・J325× 7‖5′)12.5 26−0× 8.8 17.5∼375× 7.5′}10.0 280× 8‖2 7.5′〉45…0×、7‥5′〉12‖う 27小5× 9“8 12.5∼40.0× 7…5′〉15.0 26‖8× 92 7“5(ノ27い5× 7‖5′叫h′15.0 195× 9.6 75∼250× 7け5′〉10.0 163× 8ひ7 剥離表皮 天 然 鞠 葉茎穎 範囲 200∼450×7‥5∼12」・5(平均29い8×90) 〝 200′h・/40.0×7.5∼125(〝 29.9×90) 24時間後 48 〝 (3)感染菌糸(〃) 表皮下の感染菌糸 表皮上の感染菌糸 供 試 材 料 範 囲 平 均 粒 一 囲 平 均 50∼375×2..5 89×2.5 7。5∼1.550×2,5 57、8×2,.5 7.,5∼75.0×2.5 3,56×2い5 37.5一、.75小0×2り5 58.3×2‖5 範囲125∼112.15×25(平均38.8×25) 〝 125′)225.0×215(〝 73.6×215) 3,6∼8).気孔下褒は棍棒状のものが多 く,そのほか三角状。Y字状のものもあ る(図版fig4,5,7,8,10(ノ14)..感染 菌糸は発芽管に比べて暗が約与ろにすぎず (図版Fig5,8,12∼拍),また,発芽管と 異なりときと、き隔膜も認められる.なお, 附着器は最初は橙黄色であるれ 気孔下 垂・感染菌糸の形成にともない色末がし だいにそのほうに移るため,長い感染菌 糸ではすべて無色となる. つぎに各部位における附着器・気孔下 褒・感染菌糸の大きさをその形成位置 別に比較してみたところ,第3表のとお り,葉鞘・茎の表皮下の気孔下褒,およ び表皮下の感染菌糸がいくぶん短い以外 は,植物部位・形成位馴こよる差異をほ とんどみいだせないい 天然築・ペプトン 加用合成液(4)に形成される諸器官と比べ ても,形態・大きさともにほぼ同様であ る.比較のため第1区=こ一・部代表例を示 しておくけ 既述のとおり,以上の実験はすべて剥 髄表皮の外面に按称したのであるが,エ ンバク薫から剥離した表皮の内面にも按 縫合部上 気孔上 人工培地上 第1図 エンづク剥離表皮・人工培地における代表的 infectlOn StruCtureの比較(気孔下の器官だ けは表皮の内面がわから描写) a付着器 ,V気孔下垂,i感染菌糸
種してみたところ,同じく附着器は接種面に,気孔下垂。感染菌糸は両面に形成され,その形態・大きさも 外面接種のものと同一であった.CHAKRAVARTI(1)もコムギの葉から表皮を不完全に,すなわち一偏がなお 菜に接続するよう剥離し,乗組織に直接ぞ〟“∠乃ぎαgrαm∠乃さ−打力滋iの夏胞子を接種後に再び表皮でおおうと, 表皮細胞・柔細胞壁に附着器が形成されると報じている.. 2・各種植物葉の剥離表皮におけるまnf−eeti(〉n鈍r11(〕覆Ⅶre 本菌夏胞子の日本における寄主植物としては,エンバク(マカラスムギ)(血β花α・!仇流用∵L)のほかに,カ ラスムギ(d/お加L),ノガリヤス(CαJα招岬∂∼桁α7緋蔚朋明αRoT‡壬.Var.gg花〟ま花αHACX)サイトウガヤ(Cい βr〟〝dさ乃αJβαVar小1J査〟rOi♂β;HACK),シラダガヤ(励J‘鋸ム∽融加L),ネズミムギ(エ∂Jfαm∽〟Jg≠/わr〟m LA加L),ラ イダラス類(上¢JZα∽Spp・),フェスク類(タβ血‘αSpp・)が知られている(2・6).一方,さび菌の夏胞子・さび胞子 は特定寄主以外の確物葉にも発芽管がしばしば気孔侵入して呼吸厳に気孔下盤を形成し,あるいは未形成の まま伸長してときには柔細胞壁のところで末端が膨大する場合もあるという(7). そこで,エンバク以外の植物の薫から剥離した表皮における本薗夏胞子inftctionstructureの形成状態を 明らかにする−・端として,イネ科11種,マメ科2種,キク科1種計14種の植物につき前項に準ずる調査を行 なってエンバク葉の場合と比較するとともに,1視野(倍率600倍)あたり気孔数もしらべて参考に資した. (1)附着器。気孔下垂の形成状憑 胞子発芽はいずれの場合も良好で,目測では植物の種類による差異 はあまりないようであった.附着器はすべての植物に形成され,しかもその形成程度は第4表のとおりエン バク葉と大差なく,形成位置も同じく気孔部・縫合部に限定されたり しかし,エンバク実のように気孔部に 附着器が多いとは限 らず,イタリアンラ イダラス,メドゥフ ェスク,トールオ■J−・ トグラスでは縫合部 のほうがはるかに多 いい 一・般に夏胞子・ さび胞子の侵入には 気孔数も影響すると されているが,附着 器総数に対する気孔 部附着器の割合と気 孔数とは必らずしも 相関しないようであ った.気孔部の附着 器が気孔下垂・感染 菌糸を表皮の上下に 形成するに対し,縫 合部の附着器では表 皮上にだけこれを形 成する点は,各植物 第4衰 各種借物薬における附着器・気孔下垂の形成 附 着 器 1視野当 気孔下鄭)の 伏 試 植 物 形幣1’(覧夏空儲誌 位置別比率 )気孔数(表皮下‥表皮上) 1911 81:19 3∼4 86:14 (イネ科)エンバク* オオムギ コムギ チモシ・− オ・−チャードグラス* ベレエアルライグラス* イタリアンライダラス* トーソレフェスク* メドゥフェスク* トーソレオ■−トグラス カ・モジグサ スズメノチノポウ (マメ科)ソテマメ ェンドゥ (キク科)ノゲシ 17.5 71:29 16い4 75:25 31‖0 78:22 21.8 65:35 14い3 70:30 17‖8 24:76 20,3 60:40 12.8 25:75 12一0 33:67 15,.8 79:21 293 80:20 15‖3 80:20 16.2 89:11 211 88:12 ウJ 3 3 5 4 1 6 2 6 4 ’l 1 4 ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ 3 2 1 ∼ ∼ ∼ ∼ ∼ 1 5 3 2 2 2 4▲ ︵3 0 5 81:19 86:14 91:9 84:16 62:38 77:23 83:1‘7 28:′72 87:13 88:12 88:12 75:25 81:19 88:12 形成発芽管の観測発芽管数(300∼660佃)に * 日本における寄主植物1) 対する割合 2)観測数210∼627佃 8)気孔部附着器の形成する気孔下褒 (観測数107∼304個) ともエンバクと同一・ である一.しかし,気孔部の附着器がエンバク葉のときのように表皮上よりも表皮下に気孔下蛮・感染菌糸を 多く形成するとは限らず,メドゥフェスクでは表皮上に形成されるもののほうがはるかに多い“ただし,表 皮上の気孔下垂・感染菌糸による侵入は,エンバク同様いずれの植物にもみられなかった一. 本菌寄主としての可能性のまったく考えられないソテマメ・エンドウ・ノゲシでも,気孔直下の気孔下立
形成がほぼェンバクと同程度なことから,寄主植物でとくに気孔侵入が容易とも考えがたいので,さらにこ の点を確かめるため,イネ科以外の下記13科23植物について同様の方法で大ざっばに観察した. (キク科)ダーリア;(ウリ科)キ.コ.ウリ;(ナ・ス科)ジャガイモ・ナス・トマト;(マメ科)インゲン; (アブラナ科)ダイコン・カンテン;(・ユキノシタ科)アジサイ;(キンポウゲ科)シヤクヤク;(タデ科)ギ シギシ・ハルクデ・ソバ;(ダンドク科)ハナカンナ;(ヒガンバナ科)スイセン;(ユリ科)ノビル・タマ ネギ・ネギ・ラッキョウ;(ツ.ユクサ科)ツエクサ・ムラサキツエクサ;(サトイモ科)カラー・・サトイモ付 その結果,タマネギ・ネギ・カラーー・ツエ・クサ・ムラサキツユクサ・ハナカンナ・シヤクヤクで稀なほか は,附着器・気孔下褒の形成はかなり普遍的で,その形成位置も上述の実験とまったく−・致し,形態も検銃 上ではあまり差異を感じなかった..しかし,エンバクに比べてとくに形成の良好なものもないけ なお,スイ セン,カラ・−では,附岩音を形成せずに発芽管が直接気孔に侵入して,気孔下嚢も未形成のままさらに伸長 している例を稀に認めた..また,ハナカンナ・ツユ・クサ・ムラサキツエクサ・カンラン・イネ科植物では, 剥離直後・器官検鏡のいずれのときもほとんどの気孔が閉じていたが,このうちカンラン・イネ科植物だけ は同気孔にも良好に侵入していたル (2)infeetionstru¢もⅦreの形態 葉の剥離表皮に形成される附着器・気孔下垂・感染菌糸の各形態は 各植物ともほぼ同山・のよう観察されたが,第4表にかかげた植物についてはとくに各器官の大きさをその形 成位置別にしらべてみた..その結果,第5表のとおり,ソラマメ・エンドウで表皮下の気孔下意が表皮上の 第1う表 各種植物葉におけ−るinftctionstructureの大きさ平均(FL) 附 着 器 気 孔 下 垂 感 染 菌 糸 供 試 植 物
気孔部 縫合部 表皮下 表皮上 表皮下 表皮上
89×2。5 96×2.5 96×2.5 9.1×25 4.8×25 8 0x2 5 4 9x2 5 18 8x12 4 17 7×131 204×13“5 16 年×‖8 175×121 176×123 16 7x10 888 19 4x12 O 18 2x12 222 17 5x11 8 17 9x12 5 171×12り2 174×119 14 9x11 8 16 2x11 7 27。,5× 9い8 32.0× 8い7 29.0×10.1 279× 9い0 27 5×10.3 22,3× 99 186× 9.9 242× 9∴7 190× 9。0 213× 9“3 22け1× 98 2う9×106 13 6x 9 6 I3 1xlO 777 19 Ox 9 5 24 7x8 9 28.1×81 27う×85 26。0×96 26 8x8 4 23 8x8 8 24 3x8 8 274×88 57‖8×25 43‖0×25 40.6×2,う 59り6×25 31.3×25 44.4×25 305×2。5 223×124 228×128 214×135 210×123 202×120 218×122 210〉く111 22 2x11 3 20 lXll 8 20.6×109 20 6x11 4 20小7×132 184×11.4 186×106 195〉(120 エンバク オオムギ コムギ チモシーー オ・−・チヤ−ドグラス ベレエアルライダラス イタリアンライダラス トールフェスク メドゥフェスク トールオーートグラス カモジグサ スズメノテノポウ ソラマメ ェンドゥ ノゲシ 26.5×87 24.0×87 28、2×94 26り9×86 4.0×2.5 72.4×2う 26 0x8 1 27 0x8 3 27.0×92 (註)槻測数はそれぞれ気孔,縫合部附着器が30∼95,25∼65;表皮下,表皮上気孔下垂が25∼95, 20∼60;表皮下,表皮上感染菌糸が15∼28,20∼35凧. ものに比べて短かく,また,感染菌糸も表皮下のほうが各植物とも短かいなど多少の差異はあるが,全般を 通じると,植物の柾類・形成位置は各器官の形態にあまり本筋的影響をおよぼさないといえよう. Ⅳ 考 察 エンバクなどの寄主植物もふくめ14科38囁の植物から剥離した表皮を主として供試し,その両面における エンバク冠さび菌夏胞子のinftctionstructure形成状態を検討した.その結果,気孔部以外からの侵入はま ったく認められないが,附着器・気孔下垂はすべての植物に形成された‖ 夏胞子。さび胞子がこのように特定寄主以外の植物にもしばしば気孔侵入することばすでに指摘されているところであるが(7),ただ,この現 象が本菌ではかなり普遍的な点は注目してよかろう小 また,ソラマメ。エンドウ・ノゲシのように本菌寄主 としての可能性のまったく考えられない植物の葉でも,エンバク葉とほiま同程度に気孔下垂が気孔下に形成 されることをあわせ考えると,寄主植物でとくに気孔侵入が容易とも考えがたい.なお,気孔侵入は気孔の 開いているときに多いとの報告がある小 供試植物のうちハナカンナ・ツエクサ・ムラ・サヰツユクサ・カンラ ン・イネ科植物の剥離表皮では,剥離値後・器官検鏡時のいずれもほとんどの気孔が閉じていたが,このう ちハナカンナ・ツエクサ・ムラサキツエクサでば表皮下の気孔下垂形成が不良であるに対し,カンラン・イ ネ科植物では良好であったから,気孔開閉の侵入におよぼす影響も植物の種類によって異なるもののようで ある.なお,各inftctionstructureは植物樺類・剥離部位・形成位置などによって本質的な形態的差異をあ まり示さず,人工培地・天然のものともほぼ同一であった¶ 附着器の形成位置はすべて気孔部・縫合部に限定されるが,葉の場合には,イタリアンライダラス。メド ゥフ、エスク。トールフトートグラスで縫合部にはるかに多いほかは,気孔部のほうに多かった..しかし,その いずれに多いかば植物部位によっても異なるようで,∴エンバグの葉・頴では気孔部に,茎では縫合部に多く, 葉鞘では両者がほぼ相半ばしたひ 夏胞子・さび胞子の気孔侵入にあたっては,気孔部の附着器だけが侵入菌 糸を伸長して気孔を通過後,気孔下の呼l汲脛に気孔下垂をつくり,さらに感染菌糸を周辺に伸長することば 周知のところである… しかし,気孔部以外に形成されたために侵入にあずからない附着掛こついては,その ままに終るのか,あるいはこれにもなんらかの器官が形成されるのかが従来はっきりしていない.そこで縫 合部附着器の形成後における動向にはとくに留意した結果,この場合には,形態的に気孔下垂と酷似の器官 が表皮の外面に形成されることを確認したり 該器官からは感染菌糸に酷似の器官が同じく表皮外面に伸長す る植物もかなりあるが,気孔下垂に酷似の器官の場合のように,全植物にば形成されない.しかしこれほ接 種24時間後の結果で,したがって以後に形成される可能性もあるから,同酷似菌糸の形成相物数は実際には さらに増加するこ.とも予想される1−・方,気孔部の附着器では,その多くが気孔下蛮・感染菌糸を表皮下に 形成するが,なかには表皮上に両酷似器官を形成するものもあり,とくにメドゥフェスクでは後者のほうが はるかに多かった.. 表皮上に形成される該酷似器′酌ま,既報(旨)のとおり,表皮下の気孔下垂・感染菌糸とそれぞれ核学的にも 相同であるり すなわち,休止胞子は・−・般に2核でこれ以上の核数のものはなく,発芽管の核も胞子からの移 行核にすぎぬため同じく2核までである..これに刺し,附着器では4核,気孔下褒・同酷似器官ではともに 8核のものまで認められ,したがって核分裂は附着器に始まり,気孔下垂でもひきつづくと解される.一方, 感染菌糸・同酷似器′宙ではともに多核で,隔膜形成後1細胞2核となる..培地上でも該酷似器官の形成され ることは既報(i)のとおりであるが,この場合でもそれぞれの器官の核数ほ上述の関係にある(3)サ以上の形態 的。核学的な諸事実からして,人工培地。表皮上のいずれの酷似器官もそれぞれ表皮下の気孔下褒・感染菌 糸と相同の器官で,形成位眉が基質の表面か 内部かば本質的な問題でないと考えるほうがむしろ合理的のよ うに思われるいそこで本報でば,該酷似器官もそ叫ぞれ気孔下褒・感染菌糸の名称で取扱い,要すれば形成 位置で区別した..ただし,表皮」二に形成される気孔下垂・感染菌糸は侵入能力をもたないのであるから,そ のような器官にまで従来の用語をそのままあてることば,字の本来の意味からして不適当とのそしりもあろ うが,これほ,現在のところ表皮・人工培地上の器官に特別の名称を新設するには及ぶまいと考えたのと, 侵入の立場からは従来の用語の適当なことに変りないからこれを重視したためである. Ⅴ 摘 要 (1)14科,38種植物の剥離表皮を主として供試し,エンバク冠さび菌(A肌f乃まα√βr〃乃αJ〃CoRDA)の夏胞子 におけるinftctionstruCture(附着器・気孔下褒・感染菌糸)の形成状態を調査した. (2)附着器・気孔下或はすべての髄物に形成され,気孔侵入の段階では,特定寄主と他種物との間に本質 的差異をみいだしがたい.. (3)附着器の形成位眉は気孔部か縫合部に限定されるが,いずれに多いかば植物の種類,部位により異な
る. (4)附着器は気孔下嚢・感染菌糸を表皮下に形成するほか,両器官にそれぞれ相同の器官を表皮上にも形 成する.しかし,該相同券官による寄主侵入は認められない〃 (5)inftctionstructureの形態・大きさほ植物の秤類によりあまり変動せず,天然・人工培地のものとも ほぼ同一である. 引 用 文 献 (1)CHAKRAVARTI,BいP.:Attempts to alterin−
ftctionprocesses and aggressivenessofPuccin
grαmさ花言‡Varい′rさJ∠(‘,ア砂J呼α才力oJβgグ,56(2),223− (5) 菌夏胞子の人工培地におけるinftction−tYpe StIuCture,香川大農学報,18(1),44−49(1964) ,山本弘幸:各移植物の剥離表皮上に 229(1966).・ (2)平塚直秀:植物践歯学研究,309−310,東京, 笠井出版(19・55)‖ (3)内藤中人,尾上孝利‥3種さび病菌夏胞子の fし1Sion bodyおよびinftctionstructureにおけ る核,日植病報,32(5),321(1966)‖(講演要 旨)
(4)+
,谷 利一・,戸出英輝:エンバク冠鋳 おけるエンバク冠さび菌夏胞子のinfヒction StruCture,日植病報,32(5),321(1966)い(講 演要旨) (6)日本植物病理学会:日本有用植物病名目録,Ⅰ, 21(1960);Ⅱ,247,249,255,東京(1965) (7)栃内書彦:植物病理学通論,209,束京,誠文堂 新光社(1956)Infectionstructuresproducedonpeeledepidermisofplants
byfbcciniacoronatauredospores
NakatoNA工TOandHiroyukiYAMAMOTO
S11mmary
Ur・edosporesofPucciniacoronataCoRDAwerechieflysownontheouter surfaceofepider−mispeeledoutof38speciesplants belonglngtO14familiesin order to make a studyof
theinftctionstructur・eSprOducedonbothsidesofepidermis・・Appressoriumandsubstomatal VeSiclewer・efbrmedon allthe plants used suggestlng that there would be no essentialdif−
ference between the hosts and other plants at least at the stage of stomatal penetration.
Appr・eSSOria・Whichlie on the stomatalpart or boundingline ofepidermis cells,are nOt always abundant on the fbrmer but abundant on thelatter・inleaves of scvcralkinds of Plantsandstemsofoat・Substomatalvesiclesandinfbctionhyphaear・efbImedonthe outer aswellasinner・Surfよce ofepidermis whereasin nocasetheinvasion bythetwoorgans on
thcouter・SurfAcetakesplace・Infbctionstr・uCtur・eSOnPeCledepidermisareallaboutthesame in mor・phology r・eSPeCtivelyln Splte Ofthe diffもrence ofthe kind ofplants,theplaceofa Plant where epidermis was peeled,andthe site of■infbction structur・eS PrOduced・These Or・ganS On Peeled epidermis arealmostidenticaleven when comparedwiththose produced
ondiseasedplantsinnatureoronpeptone−Saltssolution・(4)
エン1ヾク薫の剥離表皮におけるinftctionstructure(×560)
Figl1∼3気孔部に形成された附着器.FigA,5。気孔部附着器が表皮上に形成した気孔下垂り Fig6∼8縫 合部附着器が表皮上に形成した気孔下垂・感染菌糸.Fig9∼14安ほL部附着器が気孔下に形成した気孔下垂
・感染菌糸,Fig”9は初期のもの‖(Fig・1∼8は表皮外面,Figl9∼14は表皮内面のがわから撮影) a 附着器,g 発芽管,Ⅴ 気孔下褒,i感染菌糸,S 夏胞子.