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中部圏広域防災ネットワーク整備計画(第2次案)

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(1)

                                   

中部圏広域防災ネットワーク整備計画

 

(第2次案)

     

 

 

           

 

 

                                                               

平成 26 年 3 月 31 日

     

中部圏広域防災拠点ワーキンググループ

(2)

1    

 

目 次

1 計画策定の背景・目的等 ... 3 (1)背景 ... 3 (2)目的 ... 3 (3)対象地域 ... 4 (4)社会条件 ... 4 1)中部圏の地域構造と特徴 ... 4 2)ものづくりを中心とした産業の集積 ... 4 3)自然災害への対応と安全・安心な生活の実現 ... 5 2 中部圏における広域防災拠点等の必要性 ... 5 (1)中部圏における広域防災ネットワークの必要性 ... 5 (2)基幹的広域防災拠点の必要性 ... 5 1)司令塔機能(緊急災害現地対策本部の活動)の整備 ... 5 2)高次支援機能の整備 ... 5 3)中部圏における基幹的広域防災拠点配置に関する方針 ... 6 (3)広域防災拠点等の役割 ... 6 1)広域防災拠点の階層構造 ... 6 2)基幹的広域防災拠点(司令塔機能)の役割 ... 7 3)基幹的広域防災拠点(高次支援機能)の役割 ... 7 4)広域防災拠点の役割 ... 9 5)平常時における利用 ... 10 3 中部圏における広域防災ネットワークの形成 ... 10 (1)基幹的広域防災拠点の配置 ... 10 1)基幹的広域防災拠点の配置の考え方 ... 10 2)基幹的広域防災拠点の配置 ... 12 (2)広域防災拠点の配置 ... 12 1)広域防災拠点の配置の考え方 ... 12 2)広域防災拠点(Ⅱ-A)の配置 ... 12 4 基幹的広域防災拠点施設の整備 ... 15 (1)三の丸地区 ... 15 1)拠点の役割 ... 15 2)対象とする拠点施設 ... 15 3)名古屋合同庁舎第2号館の改修 ... 17 (2)静岡県庁 ... 18 1)拠点の役割 ... 18 2)拠点施設の設備 ... 18 (3)名古屋港 ... 19 1)拠点の役割 ... 19 2)対象とする拠点施設 ... 19 3)基幹的広域防災拠点(高次支援機能)の設備 ... 21 4)拠点整備に係る検討事項 ... 21 (4)県営名古屋空港 ... 22 1)拠点の役割 ... 22 2)基幹的広域防災拠点(高次支援機能)の設備 ... 23 (5)富士山静岡空港 ... 24 1)拠点の役割 ... 24 2)基幹的広域防災拠点(高次支援機能)の設備 ... 25 (6)拠点施設の当面の活用方針及び運用 ... 27

(3)

2     1)基幹的広域防災拠点施設の当面の活用方針 ... 27 2)発災直後における基幹的広域防災拠点の運用イメージ ... 29 3)基幹的広域防災拠点(高次支援機能)の運用イメージ ... 31 5 広域防災拠点施設の整備 ... 35 (1)広域防災拠点施設の選定 ... 35 (2)拠点施設の役割・機能 ... 36 6 今後検討すべき課題 ... 39 (1)基幹的広域防災拠点 ... 39 (2)広域防災拠点 ... 40 参 考 資 料 ... 41

(4)

3  

1 計画策定の背景・目的等

(1)背景

静岡県、愛知県、三重県の太平洋沿岸は、東海・東南海・南海地震の震源に近いことから、 揺れが大きいとともに津波到達時間が短いことが予想され、また、沿岸部だけでなく強い揺れ が予想される岐阜県、長野県においても甚大な被害が想定されている。 中部圏全体の防災・安全性の向上を図るためには、大規模な地震災害等に対して県境を越え る圏域の防災体制の充実、都市構造の特性を踏まえた広域防災拠点を含む広域防災ネットワー クの整備などによりさらなる安全・安心な圏域の形成が急務となっている。 中部圏においては、名古屋圏広域防災ネットワーク整備・連携方策検討委員会を立ち上げ、 平成 16 年 7 月7日に名古屋圏広域防災ネットワーク整備基本構想を公表した。 その後、平成 23 年 3 月 11 日に発生した東日本大震災を踏まえ東海・東南海・南海地震対策 中部圏戦略会議を設立し、運命を共にする中部圏の国、地方公共団体、学識経験者、地元経済 界が幅広く連携し、東海・東南海・南海地震等の巨大地震に対して総合的かつ広域的視点から 一体となって重点的・戦略的に取り組むべき事項を「中部圏地震防災基本戦略」(最終とりま とめ)として平成 24 年 11 月に公表した。 この中では、基幹的広域防災拠点及び県境を越える圏域で活動する広域防災拠点について位 置づけがなされた。 基幹的広域防災拠点とは、大規模かつ広域的な災害が発生した際、災害対策活動の核となる 現地対策本部機能を確保するために、東京圏臨海部における整備及び大阪圏における必要性の 検討が都市再生プロジェクト(平成 13 年、都市再生本部)において決定された拠点である。 この基幹的広域防災拠点に相当する災害対策活動拠点の必要性等を本会議においても検討し、 5 箇所の基幹的広域防災拠点及び 22 箇所の広域防災拠点の候補地域が選定された。 今後、これらの基幹的広域防災拠点及び広域防災拠点について、整備を進めていくにあたっ ては、解決すべき様々な課題を検討し早急に実運用できる体制を構築する必要がある。

(2)目的

中部圏広域防災ネットワーク整備計画(第1次案)は、以上の背景を受け、中部圏において 大規模災害時における安全・安心な地域を支えるための広域防災ネットワークの整備に関する 基本的な考え方及び今後検討すべき課題について定めたものである。 なお、整備計画(第1次案)は、東海・東南海・南海地震対策中部圏戦略会議に設けられた、 「防災拠点ネットワーク形成に向けた検討会」の成果を引き継ぎ、「中部圏広域防災拠点ワー キンググループ(中部圏基幹的広域防災拠点ワーキング、長野県広域防災拠点ワーキング、岐 阜県広域防災拠点ワーキング、静岡県広域防災拠点ワーキング、愛知県広域防災拠点ワーキン グ、三重県広域防災拠点のあり方ワーキンググループ)」がとりまとめたものである(表 1)。 その後、整備計画(第1次案)に、基幹的広域防災拠点施設の当面の活用方針及び運用イメ ージ等を追記し、中部圏広域防災ネットワーク整備計画(第2次案)(以下、「本整備計画」 という)として改訂した。 今後、さらに検討を進め、適宜見直しを行い、東海・東南海・南海地震対策中部圏戦略会議 に報告を行っていく。

(5)

4   表 1 中部圏広域防災ネットワーク整備計画検討体制 本整備計画の見出し 記載の根拠となる報告や検討会、ワーキンググループ1 1.計画の背景・目的等 中部圏地震防災基本戦略(最終とりまとめ) 2.中部圏における広域防災拠点等の必要性 防災拠点ネットワーク形成に向けた検討会 3.中部圏における広域防災ネットワークの形成 防災拠点ネットワーク形成に向けた検討会 4.基幹的広域防災拠点施設の整備 中部圏基幹的広域防災拠点ワーキング 5.広域防災拠点施設の整備 長野県広域防災拠点ワーキング、岐阜県広域防災拠点ワーキ ング、静岡県広域防災拠点ワーキング、愛知県広域防災拠点ワ ーキング、三重県広域防災拠点のあり方ワーキンググループ2 6.今後検討すべき課題 中部圏基幹的広域防災拠点ワーキング、長野県広域防災拠点 ワーキング、岐阜県広域防災拠点ワーキング、静岡県広域防災 拠点ワーキング、愛知県広域防災拠点ワーキング、三重県広域 防災拠点のあり方ワーキンググループ

(3)対象地域

本整備計画における広域的な災害対応活動を展開する地域は、中部圏がひとつとなり広域連 携しながら応急復旧・復興を進めていく必要があるため、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県お よび三重県の5県を対象とする。

(4)社会条件

1)中部圏の地域構造と特徴 中部圏は、三大都市圏の一つである名古屋大都市圏3のほか、2つの政令指定都市、中核市4 や地方中小都市5が核となった地域が、歴史的背景や地理的条件の下、それぞれの都市圏を構 成する多極分散型の地域構造となっている。 このため、名古屋大都市圏への一極集中傾向は東京圏、関西圏と比較して弱く、また、中部 圏は、我が国の東西交通の要衝に位置し、中部圏を縦横断する東海道新幹線、東名高速道路、 名神高速道路、新東名高速道路及び中央自動車道等の高速交通ネットワークが、大都市圏相互 間をはじめとする多様な交流を支えている。 2)ものづくりを中心とした産業の集積 中部圏は、有利な地政学的条件等のもと輸送用機械産業をはじめ、高度部材等の素材産業、 工作機械機器製造業等のものづくり産業が集積する、我が国を代表する「ものづくり圏域」で ある。工業統計調査における5県の製造品出荷額合計が日本全体の 27%(2007 年時点)を占め、 特に輸送用機械、ゴム製品など愛知県、静岡県、三重県が製造品出荷額の全国上位を占めてお り、地域内総生産額としては約 77 兆円(2006 年)で首都圏、近畿圏に次いで第3位と、全国 有数の経済規模を誇っている。 こうした中部圏のものづくり産業は、層の厚い関連企業群が連携することにより、優れた技 術力と価格競争力を背景とした高い国際競争力を発揮し、中部圏だけでなく我が国全体の経済 成長を支えている。 近年では、自動車産業のほか航空宇宙産業、精密機械産業、電子・電機産業等の成長も著し く、中部圏における基幹産業の一翼を担うようになりつつある。 このような背景から、中部圏内で甚大な被害が生じるような災害は、我が国全体の経済社会         1 検討会委員、ワーキング構成員については巻末の参考資料に記載した。 2 三重県広域防災拠点のあり方ワーキンググループは、三重県主催のワーキングに中部圏広域防災拠点ワーキンググルー プの事務局が委員として参加した。 3 大都市圏:広域的な都市地域を規定するため行政区域を越えて設定した統計上の地域区分であり、中心市及びこれに社 会・経済的に結合している周辺市町村によって構成する。 4 中核市:地方自治法第 252 条の 22 第 1 項に定める政令による指定を受けた市。日本の大都市制度の一つである。現在の 指定要件は、法定人口が 30 万人以上であること。 5 地方中小都市:地方圏において人口 5 万人程度以下の都市のこと。

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5   活動にも深刻な影響を及ぼすことが想定されている。 3)自然災害への対応と安全・安心な生活の実現 中部圏は、濃尾平野に我が国最大のゼロメートル地帯を有するなど、津波・高潮・洪水に対 して脆弱な地形であるとともに、東海・東南海・南海地震のような周期的な大規模海溝型地震 の発生が想定されており、大規模災害に対する備えが特に必要とされる圏域である。また、近 年では、地球温暖化等の影響もあり豪雨・高潮等風水害による自然災害の増加や激甚化、干ば つによる渇水の発生が懸念されている。 このため中部圏は、災害に強い地域づくり、重要なライフラインや交通ネットワークの冗長 化等の被害を最小限に食い止める減災対策をソフト・ハード一体的に推進し、地域防災力を向 上させることで災害を克服していく必要がある。

2 中部圏における広域防災拠点等の必要性

(1)中部圏における広域防災ネットワークの必要性

中部圏においては、その広い範囲にわたって稠密な市街地が連たん、人口集中地区が広範囲 に分布し、一体として生活圏、経済圏が成り立っていることから、広域的で甚大な地震災害等 が発生した際には、圏域全体として災害対応活動を行う必要がある。 こうした状況においては、各地方公共団体および指定公共機関(ライフライン事業者等)が 実施する地域的な災害対応活動とともに、それらの活動のための緊急支援物資の中継・分配、 広域支援部隊の受入れ、災害医療支援、海外からの緊急支援物資・支援人員の受入れ等の広域 的なネットワークによる災害対応活動を行う必要がある。 広域的なネットワークを活用した災害対応活動は、複数県、市町村をまたぎ広域的で圏域全 体にわたり行われる活動であり、国、県、市町村、地区レベルで連携・連動して行われる必要 がある。 これを実現するためには、大規模な災害時に広域的な支援を円滑に実施するための防災拠点 の整備とこれらを広域的に結ぶ陸・海・空の交通基盤及び情報通信基盤の整備が必要となる。

(2)基幹的広域防災拠点の必要性

1)司令塔機能(緊急災害現地対策本部の活動)の整備 大規模な地震災害等の発生直後においては、被害情報、広域支援に関する情報の集約・分析 に基づき、緊急支援物資等の確保・分配や広域支援部隊の活動などを円滑かつ迅速に実施する ことが求められる。 これを実現するには、被災地域全体に関わる広域的な災害対応活動の調整を行う機能が必要 であり、現地の司令塔として、国、地方公共団体等からなる緊急災害現地対策本部(以下、現 地対策本部という)を設置する必要がある。 「現地対策本部」には、中部圏全体の情報収集、情報共有を可能にする設備の配備、150 人 程度の構成員のための活動空間が必要である。 現地対策本部は、非常事態において確実に機能する必要があるため、その施設は、大規模広 域災害時にあっても被災リスクの小さい土地にあり、構成員が即時に参集できるよう、官庁の 近くにあること、中央官庁の構成員や機材を受け入れるためのヘリポートが近傍にあることや 緊急輸送道路網が近いことが求められるほか、情報共有のために必要となる衛星通信などの情 報通信基盤の設置に支障がないことなどが求められる。 2)高次支援機能の整備 中部圏において、大規模な地震災害等が発生した際には、単独の県、市町村で対応すること

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6   は困難であり、県市等の枠組みを超えて、国・県・市等が協力・連携し、政府調達物資や、DMAT6 自衛隊、海上保安庁、緊急消防援助隊、TEC-FORCE7、警察災害派遣隊8などに代表される国の広 域支援部隊を陸・海・空の交通手段を問わず、受け入れる必要がある。 このため、陸・海・空の交通の要所に、県の広域防災拠点と連携して高次支援機能の役割を 果たすことを目的とした施設が求められる。 3)中部圏における基幹的広域防災拠点配置に関する方針 司令塔機能、高次支援機能をもつ基幹的広域防災拠点については、特に広域的な災害が想定 される南海トラフ巨大地震対応を基本に、東海地震や直下型地震、スーパー伊勢湾台風、富士 山の噴火などの広域防災活動を勘案し、将来構想を含めた中部圏全体の道路交通ネットワーク、 重要港湾、空港からのアクセス、官庁の集積度などに配慮した施設配置選定を行う。

(3)広域防災拠点等の役割

1)広域防災拠点の階層構造 各広域防災拠点の役割を明確にし、緊急支援物資、広域支援部隊および指定公共機関(ライ フライン事業者等)等を円滑かつ迅速に動かすため、また、特に災害発生直後に重要となる、 プッシュ型の支援を行うためには予め階層構造を計画しておく必要があることから、以下のと おり整理した。 ■カテゴリⅠ:基幹的広域防災拠点 Ⅰ-A:基幹的広域防災拠点(司令塔機能) ・司令塔機能を有する拠点 Ⅰ-B:基幹的広域防災拠点(高次支援機能) ・広域防災拠点を支援する機能(高次支援機能)を有する拠点 ・空港・港湾などを活用し、発災直後から極めて広い範囲を支援 ・海外からの緊急支援物資・支援人員の受入れ 注)高次支援機能:広域防災拠点を支援し、県境を越える圏域で広域的な災害対応活動を展開する ことを可能とするための機能 ■カテゴリⅡ:広域防災拠点(各県の地域防災計画に関する拠点等) Ⅱ-A:広域防災拠点(広域・甚大災害に対して県境を 越える圏域で活動する拠点 ・高次支援機能と連携した緊急支援物資の受取り、 国の広域支援部隊の一次参集拠点 ・県境を越える圏域で、国と県および指定公共機関 (ライフライン事業者等)が協力して活動する 拠点 Ⅱ-B:広域防災拠点 ・市町村を越えた広域行政圏等における応急 復旧活動の展開拠点 ■カテゴリⅢ:防災拠点(市町村の物資、活動拠点等) ・各市町村に設けられる地域のための防災拠点         6 DMAT(災害派遣医療チーム):災害急性期(概ね発災後 48 時間以内)に災害現場へできるだけ早期に出向いて救命医療を 行うためのトレーニングを受けた医療救護班のこと。 7 TEC-FORCE(緊急災害対策派遣隊):被災地域の地方整備局や地方公共団体が、十分な災害対応を講じることが困難とな るような大規模自然災害等において、災害対応を支援する国土交通省の組織のこと。即時対応として被災状況を把握す る先遣班、道路、河川、砂防等の被災状況を確認する被災状況調査班、通信手段を失った地方公共団体に回線を提供す る情報通信班、排水ポンプ車や照明車等緊急的な応急復旧を支援する応急対策班、高度な技術が必要な被災箇所に対し て技術的な指導を行う高度技術指導班等で編成する。 8 警察災害派遣隊:大規模災害発生時において、全国警察から直ちに被災地へ派遣する部隊のこと。長期間にわたって警 察活動を行う部隊のこと。広域緊急援助隊、広域警察航空隊、機動警察通信隊、緊急災害警備隊からなる即応部隊と、 特別警備部隊、特別交通部隊等8つの部隊からなる一般部隊で編成する。

Ⅰ-A

Ⅰ-B

Ⅱ-A

Ⅱ-B

Ⅰ-A

Ⅰ-B

Ⅱ-A

Ⅱ-B

防災拠点のカテゴリ 県境を越え る圏域で連 携し後方支 援活動を行 う拠点

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7   なお、Ⅰ-B 及びⅡ-A の階層に位置づける広域防災拠点については、ひとつの拠点で全ての 機能を満たすことが困難な場合は、東日本大震災の際の遠野市に置かれた広域防災拠点のよう に、周辺複数拠点で相互補完して機能を発揮するよう計画するものとする。 2)基幹的広域防災拠点(司令塔機能)の役割 司令塔とは、大規模な地震災害等の発生直後において、被害情報、広域支援に関する情報の 集約・分析を行い、救命活動の調整、緊急支援物資の調達、広域支援部隊やボランティア活動 等の調整を円滑かつ迅速に実施するための役割を担う。 [必要な要件] 司令塔に必要な要件は以下のとおりである。 ○大規模な地震災害等による地震動、液状化、津波、高潮による被害等、甚大な被害の危 険性の低い土地にある。 ○大規模災害時において国及び被災した県・市町村等の関係機関の非常参集が円滑かつ迅 速に行え、現地対策本部を立ち上げることができる。 ○中部圏全体の情報を集約・分析し、その情報を緊急災害対策本部に伝えることができる。 ○応急復旧の期間、施設に対する補給が絶たれても活動できる燃料・食糧等の十分な備蓄 を確保することができる。 3)基幹的広域防災拠点(高次支援機能)の役割 基幹的広域防災拠点(高次支援機能)は、広域防災拠点を支援する a)高次支援機能を有し た拠点であり、このほか、b) 海外からの緊急支援物資・支援人員の受入れ機能、c) 広域支援 部隊の一次集結・ベースキャンプ機能、d)緊急支援物資の中継・分配機能、e) 災害医療支援 機能、f)災害ボランティア活動支援機能を有する拠点である。 a)高次支援機能  司令塔と情報共有を行い、他の広域防災拠点を支援し、県境を越える圏域で広域的な緊急支 援物資の配送、広域支援部隊の活動を支援する役割を担う。 [必要な要件] 高次支援に必要な要件は以下のとおりである。 ○大規模な地震災害等による地震動、液状化、津波、高潮による被害等、甚大な被害の危 険性の低い土地にある。 ○甚大な被害が発生する可能性が高い稠密な市街地の広がりとの近接性を確保した位置に 配備し被害の大きい自治体に対する後方支援を行うことができる。 ○航空機の離発着、船艇離着桟にかかる管制・運用の調整ができる。 ○陸・海・空の交通ネットワークとの連携が図られ、県境を越える圏域で人員・物資の調 達・調整ができる。 ○司令塔と一体となって円滑かつ迅速な活動が行えるよう情報共有ができる。 b)海外からの緊急支援物資・支援人員の受入れ機能   海外からの緊急支援物資・支援人員を受け入れる役割を担う。 [必要な要件] ○海外からの緊急支援物資・支援人員等については、手続きの簡素化により円滑に受入れ を行うことができる。

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8   c) 広域支援部隊等の一次集結・ベースキャンプ機能   広域支援部隊(DMAT、自衛隊、海上保安庁、緊急消防援助隊、TEC-FORCE、警察災害派 遣隊等)や指定公共機関(ライフライン事業者等)の一次集結・ベースキャンプのスペー ス及び施設を提供する。 [必要な要件] ○物資と同様に、被災地域外から被災地域内への中継地点となるよう、高速道路のインタ ーチェンジやジャンクションの近傍にあり広域的な支援を行うことができる。 ○電気、水、トイレ、情報・通信設備等があり広域支援部隊のベースキャンプとして活用 できる。 ○テント等の野営が可能なスペースがある。 ○広域支援部隊や指定公共機関(ライフライン事業者等)の活動を支援するための燃料・ 食糧等の備蓄を行うことができる。 d) 緊急支援物資の中継・分配機能   各種交通基盤のネットワーク、情報ネットワークと連携した、被災地域外から被災地域 内への緊急支援物資の中継、集積、荷捌き、分配等の役割を担う。 [必要な要件] ○被災地域外から被災地域内への物資輸送の中継地点となるよう、高速道路のインターチ ェンジやジャンクションの近傍にあり広域的な支援を行うことができる。 ○分配する場所には、風雨を凌ぐための屋根を設置でき、フォークリフトを活用したパレ タイズ9により効率的に物資の仕分けができる。 e)災害医療支援機能   医薬品、医療用機材・設備の提供等の支援、搬送用ヘリコプターの確保・運用、ヘリ ポートの確保等、災害医療を支援する役割を担う。 [必要な要件] ○緊急時におけるヘリコプターの離発着が可能なスペースや施設を確保することができる。 ○SCU(広域搬送拠点臨時医療施設)10の活動スペースを確保することができる。 ○搬送用ヘリコプターや救護班等の派遣のための情報共有が可能である。 ○災害拠点病院と連携しながら活動できる位置にある。 f)災害ボランティア活動支援機能   ボランティア活動を必要とする地域と災害ボランティアとの需給関係を調整するととも に、宿泊施設・移動手段の調整等の役割を担う。 [必要な要件] ○災害ボランティアの受付窓口を設置し、関係機関との情報の共有を行い、NPO やボラン ティア団体のリーダー・コーディネーターとの連携を図るための場所を確保できる。         9 パレタイズ:入荷した物資を保管・移動するためにパレットに積み付けること。

10 SCU(Staging Care Unit):広域搬送拠点臨時医療施設:災害時における医療提供体制の確保を図るため、被災地域内 での治療が困難な重症患者を、被災地域外の医療施設へ迅速に搬送し、治療を行うための拠点。

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9   4)広域防災拠点の役割 広域防災拠点は、緊急支援物資の広域輸送、備蓄、広域支援部隊のベースキャンプ、災害医 療支援等、主として人員や物資の広域的な流れを扱う拠点であり、a) 海外からの緊急支援物 資・支援人員の受入れ機能、b) 広域支援部隊の一次集結・ベースキャンプ機能、c)緊急支援 物資の中継・分配機能、d) 災害医療支援機能、e)災害ボランティア活動支援機能、f)物資等 の備蓄機能の全てまたは一部を有する拠点である。 広域防災拠点に求められる機能と必要な要件及び設備は、以下のとおりである。 a)海外からの緊急支援物資・支援人員の受入れ機能  海外からの緊急支援物資・支援人員を受入れる役割を担う。 [必要な要件] ○海外からの緊急支援物資・支援人員等については、手続きの簡素化により円滑に受入れ を行うことができる。 b) 広域支援部隊等の一次集結・ベースキャンプ機能  広域支援部隊(DMAT、自衛隊、海上保安庁、緊急消防援助隊、TEC-FORCE、警察災害派 遣隊等)や指定公共機関(ライフライン事業者等)の一次集結・ベースキャンプのスペー ス及び施設を提供する。 [必要な要件] ○物資と同様に、被災地域外から被災地域内への中継地点となるよう、高速道路のインタ ーチェンジやジャンクションの近傍にあり広域的な支援を行うことができる。 ○電気、水、トイレ、情報・通信設備等があり広域支援部隊のベースキャンプとして活用 できる。 ○テント等の野営が可能なスペースがある。 ○広域支援部隊や指定公共機関(ライフライン事業者等)の活動を支援するための燃料・ 食糧等の備蓄を行うことができる。 c) 緊急支援物資の中継・分配機能  各種交通基盤のネットワーク、情報ネットワークと連携した、被災地域外から被災地域内へ の緊急支援物資の中継、集積、荷捌き、分配等の役割を担う。 [必要な要件] ○被災地域外から被災地域内への物資輸送の中継地点となるよう、高速道路のインターチ ェンジやジャンクションの近傍にあり広域的な支援を行うことができる。 ○分配する場所には、風雨を凌ぐための屋根を設置でき、フォークリフトを活用したパレ タイズにより効率的に物資の仕分けができる。 d)災害医療支援機能  医薬品、医療用機材・設備の提供等の支援、搬送用ヘリコプターの確保・運用、ヘリ ポートの確保等、災害医療を支援する役割を担う。 [必要な要件] ○緊急時におけるヘリコプターの離発着が可能なスペースや施設を確保できる。 ○SCU(広域搬送拠点臨時医療施設)の活動スペースを確保できる。

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10   ○搬送用ヘリコプターや救護班等の派遣のための情報共有が可能である。 ○災害拠点病院と連携しながら活動できる位置にある。 e)災害ボランティア活動支援機能  ボランティア活動を必要とする地域と災害ボランティアとの需給関係を調整するととも に、宿泊施設・移動手段の調整等の役割を担う。 [必要な要件] ○ボランティアの受付窓口を設置し、関係機関との情報の共有を行い、NPO やボランティ ア団体のリーダー・コーディネーターとの連携を図るための場所を確保できる。 f)物資等の備蓄機能  即時対応として被災地に物資等を搬送することを目的に、水、食糧、医薬品、応急復旧 用資機材等の備蓄をする役割を担う。 [必要な要件] ○ 水、食糧、医薬品、応急復旧用資機材等の備蓄を行うことができる。 5)平常時における利用 基幹的広域防災拠点(司令塔機能・高次支援機能)及び広域防災拠点の利用については、災 害時のみならず、平常時の利活用がなされることが重要であり、安全で快適な都市の形成に資 するものであることが求められる。 平常時における利用については、市民の憩いの場としての利用、市民の防災意識の向上を図 るための教育・啓発の場としての利用、防災機関等の訓練・研修の場としての利用のほか、 NPO・ボランティアの活動支援、研究開発等の場として活用していくことが重要である。 なお、大規模な地震災害等が発生した場合には瞬時に防災拠点としての円滑な運用が図られ るよう、災害時には一般利用を制限できるようにすることなど、平常時利用から災害時利用へ の速やかな移行に支障がないよう整備する。

中部圏における広域防災ネットワークの形成

中部圏において、県境を越える圏域で連携し、広域的な防災ネットワークによる後方支援活 動を実現するための拠点(Ⅰ-A・Ⅰ-B・Ⅱ-A)の配置候補地域については、以下の考え方に基 づき検討した。

(1)基幹的広域防災拠点の配置

1)基幹的広域防災拠点の配置の考え方 基幹的広域防災拠点の配置の考え方は、以下のとおりとした。 [司令塔機能を迅速かつ的確に発揮するために必要な配置の要件] ○南海トラフ巨大地震規模の場合には、対象範囲が東西方向に広域なため、東西にそれぞ れ1箇所設けて対応できること。 ○大規模広域災害時にあっても被災リスクの小さい土地・建物内にあること。 ○構成員や機材を受け入れるためのヘリポートが近傍にあり、発災後であっても本部員の 非常参集が円滑かつ迅速に行える場所であること。 ○陸路を活用したリエゾン11の活動等を円滑に行うため、緊急輸送道路網の近傍にあるこ         11 リエゾン:災害時の連絡要員のこと。

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11   と。 ○広域支援部隊との連絡調整を円滑かつ迅速に行うため、周辺に各省庁の出先機関等が多 くあること。 ○150 人程度の構成員のための活動空間が確保できること。 ○衛星通信などの情報通信基盤の設置や CCTV12の映像情報の取得など、中部圏全体の情報 収集・情報共有を可能にする設備の配備ができること。 ○応急復旧の期間、施設に対する補給が絶たれても活動できる燃料・食糧等の十分な備蓄 を確保することが可能であること。 [高次支援機能を迅速かつ的確に発揮するために必要な配置の要件] ○大規模な地震災害等による地震動、液状化、津波、高潮による被害等、甚大な被害の危 険性の低い土地にあること。 ○甚大な被害が発生する可能性が高く、混乱が予想される政令指定都市等の稠密な市街地 を避けつつ被災地域への円滑かつ迅速な到達対応が可能となるよう、市街地の周縁部に 配置すること。 ○他の広域防災拠点とのネットワークを構築する際に中核的な位置にあること。 ○全国各方面から被災地域へのアクセスを確保するため、インターチェンジ、港湾、空港 等の交通の結節点付近に配置し、これらの輸送基盤を最大限活用できること。 ○緊急支援物資、広域支援部隊の活動スペースが十分に確保できること。 ○司令塔と一体となって円滑かつ迅速な活動が行えるよう情報共有設備を配備可能である こと。 ○広域支援部隊の活動を支援するための燃料・食糧等の備蓄を行うことができること。         12 CCTV(Closed-circuit Television): 防災・防犯など、様々な目的で監視をするためのビデオカメラ、およびカメラ で取得した映像の伝送・処理および表示機能を含む監視システムのこと。 

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12   2)基幹的広域防災拠点の配置 基幹的広域防災拠点の配置の考え方を踏まえ、中部圏における基幹的広域防災拠点を配置す る地区(施設)を表 2 のとおり選定した。 表 2 基幹的広域防災拠点の配置 広域防災拠点カテゴリ  地区(施設名)    司令塔機能(Ⅰ‐A)    三の丸地区  静岡県庁      高次支援機能(Ⅰ‐B)    名古屋港  県営名古屋空港13   富士山静岡空港14  ※ 配置位置については、広域防災拠点(Ⅱ-A)と併せて図 1 に掲載

(2)広域防災拠点の配置

1)広域防災拠点の配置の考え方 広域防災拠点の配置の考え方は、以下のとおりとした。 ○津波浸水の可能性が低い地域を選定すること。 ○各地域における緊急支援物資等の需要を考慮した配置とすること。 ○関東、北陸、関西方向からの支援を考慮した配置とすること。 ○高速道路のジャンクションやインターチェンジ付近など交通の要所にあること。 ○県の防災拠点など既に共用されている施設を優先的に選択すること。 ○被災人口が多くなる DID 地区15の外縁にあたる地域であること。 ○内陸直下型地震や大規模土砂災害などの際には前線基地になることにも留意すること。 ○災害時に専用で活用できる情報共有基盤(国土交通省の光ファイバ網16等)の近傍に配 置すること。 ○15ha 程度のオープンスペースの確保が可能であること。 2)広域防災拠点(Ⅱ-A)の配置 広域防災拠点の配置の考え方を踏まえた、中部圏における広域防災拠点の配置候補エリアは、 図 1 及び表 3 のとおりである。         13 正式名称は、愛知県名古屋飛行場。 14 正式名称は、静岡空港。 15 DID 地区:国勢調査における統計上の人口集中地区のこと。 16 国土交通省の光ファイバ網:国土交通省が整備した全国を繋ぐ高速のインターネット基盤のこと。専用線であり災害時 でも輻輳しない特性を持つ。現地対策本部が利用する中央防災無線網と繋げる訓練について既に実施している。

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50

100km

0

三の丸地区 県営名古屋空港 名古屋港 静岡県庁 富士山 静岡空港 2 3 1 5 6 7 8 9 10 12 13 15 16 21 19 4 11 18 20 22 17 14 高速道路等 鉄道(JR) 東海道新幹線 私鉄(主要路線) 貨物取扱駅 ※路線はイメージ図 高速道路等 鉄道(JR) 東海道新幹線 私鉄(主要路線) 貨物取扱駅 ※路線はイメージ図 図 1 広域防災拠点配置候補エリア   県防災拠点 15ha以上のオープン スペースを有する施設 司令塔機能 高次支援機能 ・広域防災拠点の支援 ・広域災害対策活動の拠点 拠点配置範囲 (半径概ね5km) SA・PA 基幹的広域防災拠点 広域防災拠点

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    表 3 Ⅰ-B 及びⅡ-A 拠点の配置理由       (IC:インターチェンジ、JCT:ジャンクション)  地域 主要交 通結節 点付近 オープン スペース 15ha以上 の施設 県拠点 の有無 津波浸水 可能性 低い DID地区 の外縁 光ファ イバ網 摘要 富士山 静岡空港 静岡中部 ○ ○ ○ ○ ○ 東名高速道路と金谷御前崎連絡道路の結節点 県営名古屋 空港 尾張 ○ ○ ○ ○ ○ 楠JCT(名古屋第二環状自動車道、名古屋高速道路1号楠線、名古屋高速道路11号小牧線)、 小牧JCT(東名高速道路、中央自動車道) 名古屋港 名古屋 ○ ○ ○ ○ ○ 名古屋第二環状自動車道、名古屋高速道路3号大高線、名古屋高速道路4号東海線、 伊勢湾岸自動車道、知多半島道路の結節点 1 ○ ○ ○ ○ ○ ○ JCT(長野自動車道、中部縦貫自動車道)、南松本駅、村井駅、松本空港 2 ○ ○ ○ ○ ○ ○ JCT(中央自動車道、三遠南信自動車道) 3 ○ ○ ○ ○ ○ 飛騨エアパーク、飛騨清見IC(東海北陸自動車道) 4 ○ ○ ○ ○ ○ 美濃関JCT(東海北陸自動車道、東海環状自動車道) 5 ○ ○ ○ ○ ○ 土岐JCT(東海環状自動車道、中央自動車道) 6 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 川島PA(災害時にはハイウェイオアシスから東海北陸自動車道へ直接アクセスが可能) 7 ○ ○ ○ ○ ○ 養老JCT(名神高速道路、東海環状自動車道)、大垣西IC(東海環状自動車道) 8 ○ ○ ○ ○ ○ 長泉沼津IC(新東名高速道路)、沼津IC(東名高速道路)が隣接 沼津駅、三島駅 9 ○ ○ 下田港 10 ○ ○ ○ ○ ○ 新清水JCT(新東名高速道路、中部横断自動車道)、静岡貨物駅 11 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 東名高速道路と金谷御前崎連絡道路の結節点 12 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 掛川IC(東名高速道路)、沢田IC(国道1号掛川バイパス、袋井バイパス)が隣接 13 ○ ○ ○ ○ 浜松いなさJCT(新東名愛知県区間、三遠南信自動車道)、浜松IC・浜松西IC(東名高速道路) 14 ○ ○ ○ ○ ○ 新東名高速道路IC(新城ICを建設中) 15 ○ ○ ○ ○ ○ 豊川IC(東名高速道路) 16 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 岡崎IC(東名高速道路) 17 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 長久手IC(名古屋瀬戸道路) 18 尾張 ○ ○ ○ ○ ○ 半田中央JCT(知多半島道路、知多横断道路)、半田埠頭駅 19 名古屋 ○ ○ ○ ○ ○ 名古屋南JCT(伊勢湾岸自動車道、名古屋第二環状自動車道)、名古屋駅 20 北勢 ○ ○ ○ ○ ○ 四日市東IC(東名阪自動車道)、四日市JCT(東名阪自動車道、伊勢湾岸自動車道)、四日市駅 21 伊賀 ○ ○ ○ ○ ○ ○ 上野IC(名阪国道) 22 伊勢志摩 ○ ○ ○ ○ ○ 伊勢IC(伊勢自動車道) 配置候補 エリア Ⅰ-B Ⅱ-A 長野 岐阜 静岡東部 静岡中部 静岡西部 東三河 西三河

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4 基幹的広域防災拠点施設の整備

(1)三の丸地区

1)拠点の役割 三の丸地区は、基幹的広域防災拠点(司令塔機能)として、南海トラフ巨大地震等の大規 模な災害時に現地対策本部を設置することで、現地における被災情報の収集・とりまとめや、 地方公共団体の状況や要請を緊急災害対策本部に繋ぐなど、災害応急対策に係る連絡調整を 迅速かつ的確に実施する施設である。 災害の規模に応じて静岡県庁に設置する現地対策本部とも連携し、管轄地域の分担等によ り効果的に即応体制を構築する。 名古屋港 (金城地区) 県営名古屋空港 豊山南IC 豊山北IC 丸の内IC 名港中央IC 三の丸地区 約8㎞ 約15㎞ 伊勢湾岸自動車道 図 2 三の丸地区の立地状況  2)対象とする拠点施設 三の丸地区は、施設へのアクセス性(周辺の関係機関やヘリポートからの近接性)が確保 されており、津波、高潮、洪水、液状化被害等の危険性が少ないため、基幹的広域防災拠点 を設置する場所として適している。 施設の選定の必須条件は以下のとおりである。 ア)耐震安全性・耐火性が確保されている イ)現地対策本部の構成員 150 人程度の活動スペースが確保できる。 ウ)衛星通信設備の設置ができる。 エ)一般利用者の施設への入場制限が可能である。 これを踏まえて、三の丸地区にある次の 8 つの評価対象施設について検討を行った。 基幹的広域防災拠点 司令塔機能 高次支援機能

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    16 ①名古屋市役所西庁舎(名古屋市所有) ②愛知県庁本庁舎(愛知県所有) ③愛知県庁西庁舎(愛知県所有) ④愛知県自治センター(愛知県所有) ⑤愛知県庁三の丸庁舎(愛知県所有) ⑥中部経済産業局総合庁舎(経済産業省所有) ⑦名古屋合同庁舎第1号館(法務省所有) ⑧名古屋合同庁舎第2号館(国土交通省所有)   拠点施設の選定にあたっては、下記の項目に配慮し評価を行った。 ①施設整備に係る費用が安価で、整備期間が短いこと。 ②主要な活動スペースの設置位置が低層階にまとまってあること。 ③広報活動、休憩等のためのスペースを確保できること。 ④停電時であっても非常用発電機が利用できるほか、断水時であっても給水のための貯水 槽が備えられていること。 ⑤関係機関と情報共有を行うための冗長性を確保した光ファイバ、無線網が敷設・接続 (工事)されていること。 ⑥駐車場や周辺における駐車スペースが十分に確保できること。 ⑦現地対策本部としての利用手続きに時間がかからないこと。 ⑧機材の搬出入路に支障がないこと。 ⑨現地対策本部の構成員が活動するための机、椅子等が確保されていること。 ⑤愛知県三の丸庁舎 ⑥中部経済産業局総合庁舎 ⑧名古屋合同庁舎第2号館 ⑦名古屋合同庁舎第1号館 ④愛知県自治センター ①名古屋市役所西庁舎 ②愛知県庁本庁舎 ③愛知県庁西庁舎 設置可能な  既存の施設  評価施設 凡例 図 3 三の丸地区にある評価対象施設 

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    17 ⑩現地対策本部の構成員の休養スペース(仮眠室)が確保できること。 ⑪被災状況等について情報共有を行うための設備を備えていること。 その結果、唯一、名古屋合同庁舎第2号館において、上記の必須条件を満たし現地対策本 部を設置できることが確認できた。 3)名古屋合同庁舎第2号館の改修 名古屋合同庁舎第2号館については、現在、現地対策本部の活動スペースとして使用でき る部屋が中高層階にあり、かつ分散していることや、活動に必要な情報通信機能を確保する ための設備が確保されていないことから、現地対策本部がより円滑に活動できる事を目的と した内部改修の方法について検討を進めるものとする。 名称 名古屋合同庁舎第2号館 竣工 昭和42年 構造・階数 鉄骨鉄筋コンクリート造 地上8階(地下2階)建 建築面積 2,285㎡ 延床面積 24,378㎡ 管理者 中部地方整備局 図 4 名古屋合同庁舎第2号館の概要 

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(2)静岡県庁

1)拠点の役割 静岡県庁は、東海地震等の大規模な広域災害時に現地対策本部を設置する司令塔の役割を 担う施設である。また、災害の規模に応じて三の丸地区に置く現地対策本部とも連携し、管 轄地域の分担等により効果的に即応体制を構築する。 既に東海地震応急対策活動要領の中で現地対策本部としての位置づけがなされ、必要な施 設が整備されている。 吉田IC 富士山静岡空港 島田金谷IC 藤枝岡部IC 焼津IC 静岡SASIC 静岡IC 静岡県庁 相良牧之原IC 約30㎞ 図 5 静岡県庁の立地状況  2)拠点施設の設備 現地対策本部を設置するためのオペレーションルーム、現地対策本部会議室、会議室につ いては、既に整備されている。また、中央防災無線の回線を利用した訓練なども既に実施さ れており情報共有に関する設備も整備されている。 また、当初から静岡県災害対策本部を設けるために建設された静岡県庁別館内にあること により災害発生時に必要とされる非常用電源や給水等の基本的な機能は既に確保されている。 基幹的広域防災拠点 司令塔機能 高次支援機能

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(3)名古屋港

1)拠点の役割 名古屋港は、大規模地震発災時に道路や鉄道が被災し、陸上輸送による大量の緊急支援物 資の輸送が不可能となった場合、耐震強化岸壁を活用した緊急支援物資の集積や荷捌きを行 うとともに、建設重機や緊急車両等の集結拠点や、広域支援部隊(自衛隊、海上保安庁、 TEC-FORCE 等)のベースキャンプ地として利用される高次支援機能の役割を担うことが可能な 施設である。 伊勢湾岸自動車道 3km 飛鳥IC 名古屋環状2 号線 東海JCT 東海IC 名古屋臨港 高速鉄道 名古屋港 (金城地区) 耐震強化岸壁 (計画) 第一次緊急 輸送道路 第二次緊急 輸送道路 潮凪ふ頭 耐震強化岸壁 名港中央IC 名港潮見IC 図 6 名古屋港(金城地区)の立地状況  2)対象とする拠点施設 名古屋港内の基幹的広域防災拠点(高次支援機能)の具体的な整備地区の選定にあたり、 オープンスペースの確保等から4つの地区(①内港地区、②金城地区、③西部地区、④南部 地区)を整備候補地区とし、耐震強化岸壁との位置関係、津波で被災した場合の航路啓開等 の応急復旧活動、広域市街地への物資輸送の利便性、道路・鉄道とのアクセス性、災害拠点 病院との位置関係、発災時の関係機関の参集時間等について評価した結果、金城地区(空見 ふ頭・金城ふ頭)を適地として選定した。 基幹的広域防災拠点 司令塔機能 高次支援機能 地方整備局  港湾空港部  図の修正 

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    21 3)基幹的広域防災拠点(高次支援機能)の設備 今後、想定される地震を考慮した土地の改良、及び以下の施設整備について検討するもの とする。 ○船舶により大量輸送された緊急支援物資等の中継・分配機能として、オープンスペース 及び荷捌き用テント・照明機器等の収納倉庫 ○運搬用車両のための燃料の備蓄・補給機能 ○広域支援部隊の一次集結・ベースキャンプ機能として、防災緑地の整備等によるオープ ンスペース ○広域医療搬送、広域復旧支援部隊の輸送及び緊急支援物資の輸送のためのヘリポート等 ○現地対策本部との情報共有機能として、通信設備を備えた活動支援棟 4)拠点整備に係る検討事項 ○船舶燃料及び車両燃料の確保・供給方法について検討する。 ○海上保安庁第四管区海上保安本部は、名古屋港を拠点として活動することが想定される ため、海上保安庁の活動に必要な施設・設備の整備について検討する。 ○拠点施設すべての完成までに10年程度の期間を要することが想定されるため、現状で 利用可能な既存の耐震強化岸壁や、民間施設のオープンスペースの活用等による当面の 運用方針を検討する。 ○航路啓開の実施に先立ち、海上保安庁による航路障害物、漂流船等の確認が行われるた め、これらに要する日数を踏まえて拠点の利用開始時期を想定する。 図 8 名古屋港基幹的広域防災拠点(高次支援機能)の活用イメージ 

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(4)県営名古屋空港

1)拠点の役割 県営名古屋空港は、小牧ジャンクション、楠ジャンクションのほぼ中間に位置し、名神高 速道路の小牧インターチェンジ、名古屋高速道路 11 号小牧線の豊山北出入口・豊山南出入口 に近接しており、東名・名神高速道路、中央自動車道、名古屋高速道路など複数の高速道路 の活用が期待できること、地震による被災の可能性が低いこと、津波による被災の恐れがな いことなどの条件とともに、現地対策本部を持つ三の丸地区と情報共有を行い、航空機を活 用して他の広域防災拠点を支援するための、緊急支援物資の中継・仕分け、広域支援部隊 (DMAT、緊急消防援助隊、TEC-FORCE、警察災害派遣隊等)の一次集結・ベースキャンプ、燃 料・食糧等の備蓄の役割を担うことが可能な施設である。 また、空港東側に位置し、自衛隊による物資輸送の支援の拠点となる航空自衛隊小牧基地 と連携して、災害対応を行うことができる。 さらに、空港に隣接する民間企業に対しても、災害時の後方支援機能を担っていただくよ う働きかけ、拠点としての機能強化を図っていく。 豊山北IC 名古屋第二環状 自動車道 県営名古屋空港 2km 豊山南IC 航空自衛隊小牧基地 名神高速道路 小牧JCT 楠JCT 図 9 県営名古屋空港の立地状況 基幹的広域防災拠点 司令塔機能 高次支援機能

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    23 2)基幹的広域防災拠点(高次支援機能)の設備 a)現状で確保されている設備  ○緊急支援物資・支援人員の受入れ機能として、また、他地域への災害支援機能として、 緊急支援物資や支援人員を集結し、被災地への航空機による搬送・派遣のために滑走 路・駐機スペースが利用できる。 ○災害医療支援機能として、SCU(広域搬送拠点臨時医療施設)用機材を確保しており SCU として活用できる。また、付近に複数の災害拠点病院が存在しており、他県が被災 した場合の被災地域外広域搬送拠点としても活用ができる。 ○海外救援物資・人員の受入れ機能としてビジネス機ターミナルの CIQ17(税関、出入国 管理、検疫)の設備を利用できる。 b)今後整備を検討する設備  以下の施設整備の必要性を検討するものとする。 ○現地対策本部と空港の情報共有機能として通信設備等(合同指揮所として県営名古屋空 港管理庁舎の空きスペースの活用も検討) ○航空機駐機スペースについては、既存スペース及び平成25年度末取得予定の空港隣接 国有地の活用を検討する。 ○広域支援部隊の仮眠スペース、水・食糧等の備蓄施設(県営名古屋空港管理庁舎の空き スペースの活用も検討) ○広域支援部隊のうち自衛隊部隊の受入スペースについては、航空自衛隊小牧基地におい て相当規模の確保が可能。 ○緊急支援物資等を一時的に保管する場所、SCU(広域搬送拠点臨時医療施設)の活動ス ペースの拡充 ○災害時の航空機燃料、自動車燃料等の給油機能の確保については、整備場所や管理方法        

17 CIQ (Customs,Immigration and Quarantine) : 税関、出入国管理、検疫を指す。出入国の際の必須手続きのこと。 

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    24 などを検討 ・航空機等の整備、燃料補給については、民間事業者との協定締結を検討するため、民 間事業者との調整を行う。 ○災害支援医療体制の支援(SCUの活動スペース)については、空港内での確保方策を 検討するため民間事業者等との調整を行う。

(5)富士山静岡空港

1)拠点の役割 富士山静岡空港は、東名高速道路の相良牧之原インターチェンジ、吉田インターチェンジ、 新東名高速道路の島田金谷インターチェンジ、重要港湾の御前崎港に近接し、さらには、空 港直下を新幹線が通過し長期的には高速鉄道との連結も期待できること、また、地震による 被災の可能性が低く高台に位置するため津波による被災の恐れがないことなどの条件ととも に、高次支援機能を持つ臨空防災センターとして、航空機を活用した緊急支援物資の受入 れ・集積・荷捌き・分配等の物流支援、広域支援部隊(DMAT、自衛隊、海上保安庁、緊急消 防援助隊、TEC-FORCE、警察災害派遣隊等)の一次集結・ベースキャンプ、災害医療支援、海 外からの緊急支援物資・支援人員の受入れ、災害ボランティアの活動支援の役割を担うこと が可能な施設である。 さらに、位置的特性から、切迫性が指摘されている首都直下地震発生時においては、首都 圏への西側の支援拠点としての役割を期待できる施設となる。 相良牧之原IC 吉田IC 島田金谷IC 富士山静岡空港 5km 図 11 富士山静岡空港の立地状況 基幹的広域防災拠点 司令塔機能 高次支援機能

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    25 2)基幹的広域防災拠点(高次支援機能)の設備 a)現状で確保されている設備  ○緊急支援物資・支援人員の受入れ機能として滑走路が利用できる。 ○ヘリポート・駐機場として、既存の滑走路及び誘導路が活用できる。 ○海外救援物資・支援人員の受入れ機能として CIQ(税関、出入国管理、検疫)の設備を 利用できる。 ○他地域への災害支援機能として、緊急支援物資や支援人員を集積・集結し、被災地へ搬 送・派遣することができる。 ○災害医療支援機能として SCU(広域搬送拠点臨時医療施設)の活動スペースを既存の空 港消防車庫に確保できる。 ○燃料供給機能として、備蓄している 100 キロリットルの航空機燃料を使用できる。また、 既存の車両燃料供給施設の活用ができる。 なお、基幹的広域防災拠点整備予定敷地内に原子力防災機能の移転(オフサイトセン ター及び環境放射線監視センター)を進めており、防災拠点として活用を検討するとと もに、空港内での航空燃料の備蓄拡充(200 キロリットルタンク1基増設)を進めるこ ととしている。また、平成 26 年夏頃の事業開始を目途に民間企業が整備を進めている 格納庫について、大規模災害時における使用についての調整を進めている。 b)今後整備を検討する設備  以下の施設整備の必要性を検討するものとする。 ○緊急支援物資等の荷捌き機能として、荷捌き場、物資集積場、駐車場のためのオープン スペース及びテント等の収納倉庫設備の拡充。 ○広域支援部隊の一次集結・ベースキャンプ機能として、野営地、活動広場、駐車場の拡 充。 ○県外及び海外ボランティアの受け入れ機能として、情報提供、配置調整、宿泊機能を有 するボランティアセンター。 ○発災直後における緊急支援物資等の供給機能として、航空機で搬送する支援物資等の備 蓄倉庫。 ○現地対策本部、静岡県との情報共有機能として、通信設備等の拡充。

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図 12 富士山静岡空港整備イメージ 

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(6)拠点施設の当面の活用方針及び運用

1)基幹的広域防災拠点施設の当面の活用方針 早急に基幹的広域防災拠点を機能させるため、各拠点が現状で保有する施設・設備を相互 に連携させることにより、当面は中部圏全体として、基幹的広域防災拠点に必要とされる全 ての機能を確保しているか検討した。その結果、現状において中部圏全体で司令塔機能・高 次支援機能を発揮可能であることが確認できた(図 13)。 中長期的には、三の丸地区、静岡県庁の2拠点で司令塔機能を、名古屋港、県営名古屋空 港、富士山静岡空港の3拠点で高次支援機能を確保する。 基幹的広域防災拠点(高次支援機能)の面積は、南海トラフ巨大地震の被害想定結果より 算出した、中部圏全体で必要な広域防災拠点の面積(約 280ha)の2割程度とし、県営名古屋 空港、富士山静岡空港、名古屋港の3拠点の合計で約 60ha 確保することを目安とする。 (参考)南海トラフ巨大地震による中部圏の被害量及び基幹的広域防災拠点(高次支援機 能)の必要規模 中部圏において必要となる基幹的広域防災拠点(高次支援機能)の規模について、以 下の方法により算出した。 ■物資輸送に必要な拠点規模 ・中央防災会議「南海トラフ巨大地震の被害想定について」(第二次報告)による中部 圏の避難者数より救援物資量を算出し、物資輸送に必要なスペース規模を算出する。 ・発災1週間後において、中部圏の避難者数は約 380 万人※1。一人当たりの救援物資 量を 11.5kg とすると※2、中部圏全体で必要となる救援物資量は約 44,000 トン/日。 物資1トン当たりの輸送に必要なスペースを 60m2とすると※2、中部圏全体で物資輸 送に必要な拠点規模は約 260ha。 ■広域支援に必要な拠点規模 ・中央防災会議「『東南海・南海地震応急対策活動要領』に基づく具体的な活動内容に 係る計画」による広域支援部隊の集結数から、一次集結用地の必要規模を算出する。 ・発災後 24 時間において、広域支援部隊の最大一次集結数 25,050 人※3のうち、半数 の 12,525 人が集結するものとし、要員一人当たりの必要スペースを 15m2とすると※2 中部圏全体で広域支援に必要な拠点規模は約 20ha。 拠点の必要規模は合計で約 280ha となり、その2割程度に相当する 60ha を基幹的広域 防災拠点(高次支援機能)で分担することとした。 ※1 中央防災会議「南海トラフ巨大地震の被害想定について」(第二次報告)より (地震動:陸側ケース、津波ケース①、冬夕方、風速 8m/s) ※2 京阪神都市圏広域防災拠点整備検討委員会 第7回資料等 ※3 中央防災会議「東南海・南海地震応急対策活動要領」に基づく具体的な活動内容に係る計画 (平成 19 年 3 月 20 日)

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      28 基幹的広域防災拠点 施設・設備の整備状況(平成26年度末時点) 各拠点の整備状況 (1)司令室・ オペレー ション室 (2)非常用通 信手段・ 発電機 (3)執務室※1 (机、椅子、電 話回線など) (4)ヘリポート (5)物資集積・ 荷捌き スペース (6)部隊宿営ス ペース (7)駐車場 (大型車両用) (8)燃料の備 蓄・補給 施設※2 司令塔 機能 三の丸地区 既存施設(名古屋合同庁舎第2号館)活用予定 周辺施設利用可 H26年度設計予定 静岡県庁 既設施設利用 既設施設利用 既設施設利用 整備済 (代替施設利 用可) 既設施設利用等 高次支援 機能 名古屋港 検討中 検討中 検討中 (代替施設利 用可) 検討中 検討中 検討中 検討中 要整備 県営名古屋空港 検討中 検討中 (空港施設 利用可) 既設施設 利用 検討中 (自衛隊との 連携を検討) 検討中 代替施設 利用可 検討中 一部要整備 富士山静岡空港 検討中 (追加整備予 定有(H26)) 検討中 (空港施設会 議室利用可) 既設施設 利用 検討中 (既存スペース約20ha) 代替施設 利用可 整備済 増設整備中 一部要整備 中部圏全5拠点 利用可 利用可 利用可 利用可 利用可(約20ha) (必要面積:60ha) 利用可 利用可 司令塔機能:利用可 高次支援機能:利用可 司令塔機能に必須の施設・設備 高次支援機能に必須の施設・設備 名古屋港: 高次支援機能 三の丸地区: 司令塔機能 県営名古屋空港: 高次支援機能 富士山静岡空港: 高次支援機能 静岡県庁: 司令塔機能 中部圏全体で司令塔機能・高次支援機能を発揮可能 ※1 執務室には指揮室・休憩室等の機能を含む。 ※2 災害時の航空機燃料(空港)、船舶燃料(港湾)、自動車燃料等の給油機能の確保については、整備場所や管理方法などを引き続き 検討。 図 13 中部圏における基幹的広域防災拠点の機能の確保状況及び当面の活用方針 

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    29 2)発災直後における基幹的広域防災拠点の運用イメージ a)基幹的広域防災拠点(司令塔機能) 基幹的広域防災拠点(司令塔機能)は、緊急災害対策本部との連絡調整のもと、中部圏の 被害情報や広域支援に関する情報の集約・分析を行い、基幹的広域防災拠点(高次支援機 能)へ物資輸送や支援人員の配分等に係る指示を伝達する(図 14)。 b)基幹的広域防災拠点(高次支援機能) 基幹的広域防災拠点(高次支援機能)は、国内外からの緊急支援物資・支援人員の受入れ 機能や、広域支援部隊の一次集結・ベースキャンプ機能、緊急支援物資の中継・分配機能を 有するが(図 15)、空港と港湾では、拠点としての機能の特性や、機能を発揮する時期が異 なるため、各拠点が相互に補完することにより、基幹的広域防災拠点(高次支援機能)の機 能を発災直後から発揮する(図 16)。 ○大津波を伴う巨大地震の場合、発災直後から基幹的広域防災拠点の機能を発揮可能な拠 点は県営名古屋空港、富士山静岡空港の2空港であるため、部隊展開及び物資輸送に必 要な施設・設備及びオープンスペースを確保する。 ○県営名古屋空港及び富士山静岡空港は、空港に設置された SCU の活用、発災直後からの 医薬品の輸送、孤立集落への空路による支援等により、人命救助の機能を発揮する。 ○港湾では大量の物資や大型物資の受入れが可能である。海上保安庁による航路障害物や 漂流船等の確認、及びその後の航路啓開作業を経て、燃料やバルク品等をはじめとする 物資を受け入れること想定し、名古屋港の拠点整備や応急復旧対策について検討する。 図 14 基幹的広域防災拠点(司令塔機能)の運用イメージ  緊急災害 対策本部 基幹的広域防災拠点 (司令塔機能) 【政府現地対策本部】 基幹的広域防災拠点 (高次支援機能) 情報共有 中部圏の被害情報・広域支 援に関する情報の集約・分析 ⇒・救命活動の調整 ・緊急支援物資の調達 ・広域支援部隊やボラン ティア活動等の調整 ⇒ 基幹的広域防災拠点(高 次支援機能)へ指示 司令塔と情報共有分析 ⇒司令塔からの指示に基づき、 被災地ニーズに即した物資 輸送・支援人員配備を早期 に実施 全国の被害情報・広域支 援に関する情報の集約・ 分析・調整

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    30 図 16 発災後の基幹的広域防災拠点の運用イメージ  基幹的広域 防災拠点 (高次支援 機能) 空港 港湾 機能 機能 3日 7日 3日 7日 施設点検 施設点検・航路障害物点検 航路啓開 ・SCU  ・医薬品の輸送 ・早期の物資輸送 ・支援人員の受け入れ ・緊急物資、資機材等 の大量受け入れ 基幹的広域 防災拠点 (司令塔機能) 情報 共有 通信 発災 発災 基幹的広域防災 拠点(高次支援 機能)への指示 県営名古屋空港 富士山静岡空港 名古屋港 三の丸地区 静岡県庁 ・救援物資輸送の開始 図 15 基幹的広域防災拠点(高次支援機能)の運用イメージ  県営名古屋空港において 広域医療搬送訓練を行う DMAT(2013年8月31日) 平成 25 年南海トラフ巨大地震対策中部ブロッ ク協議会「広域連携防災訓練」 写真提供:愛知県 名古屋港において救助搬送 訓練を行うヘリと大型浚渫兼油 回収船「清龍丸」(災害支援船) (2013年9月1日) 平成 25 年南海トラフ巨大地震対策中部ブロック協議 会「広域連携防災訓練」 写真提供:国土交通省中部地方整備局企画部防災課 富士山静岡空港における自衛隊のベース キャンプ設置等訓練(2012年9月3日) 写真提供:静岡県 名古屋港 富士山 静岡空港 県営 名古屋空港 国内からの支援 海外からの支援 国内からの支援 海外からの支援 国内外からの支援(物資・人員等) 中部圏内における支援(物資・人員等) 中部圏外に及ぶ支援(物資・人員等) 堺泉北港堺2区 基幹的広域防災拠点 東京湾臨海部 基幹的広域防災拠点

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    31 3)基幹的広域防災拠点(高次支援機能)の運用イメージ 基幹的広域防災拠点(高次支援機能)の運用イメージについて、以下の時系列シナリオを 踏まえて検討する。 <基幹的広域防災拠点(高次支援機能)の運用時系列シナリオ【空港】> ①発災から3時間 災害医療支援機能(広域搬送):重篤者の広域搬送の開始 広域支援部隊等の一次集結機能:広域支援部隊が順次拠点に一次集結 ②発災後3時間から1日 災害医療支援機能(広域搬送):重篤者の広域搬送の本格化 災害医療支援機能(医薬品提供):医薬品の輸送開始 広域支援部隊等の一次集結機能:広域支援部隊が順次拠点に一次集結、被災地に投入 緊急支援物資の中継・分配機能:飲料水、食料、毛布、仮設トイレの輸送開始 ③発災後1日から3日 災害医療支援機能(広域搬送):重篤者の広域搬送の継続 災害医療支援機能(医薬品提供):医薬品の輸送拡大 広域支援部隊等のベースキャンプ機能:広域支援部隊が拠点をベースキャンプとして使用 緊急支援物資の中継・分配機能:飲料水、食料、毛布、仮設トイレの輸送拡大 ④発災後3日から1週間 災害医療支援機能(広域搬送):重篤者の広域搬送は徐々に収束 災害医療支援機能(医薬品提供):医薬品の輸送の継続 広域支援部隊等のベースキャンプ機能:広域支援部隊が拠点をベースキャンプとして使用 緊急支援物資の中継・分配機能:飲料水、食料、毛布、仮設トイレ、生活必需品等の輸送 海外からの緊急支援物資・支援人員の受入れ機能:海外からの支援の受入れ開始 ⑤発災後1週間~ 災害医療支援機能(医薬品提供):医薬品の輸送の継続 広域支援部隊等のベースキャンプ機能:広域支援部隊が拠点をベースキャンプとして使用 緊急支援物資の中継・分配機能:飲料水、食料、毛布、仮設トイレ、生活必需品等の輸送 海外からの緊急支援物資・支援人員の受入れ機能:海外からの支援の拡大

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    32 <基幹的広域防災拠点(高次支援機能)の運用時系列シナリオ【港湾】> ① 発災から3時間 大津波警報・津波警報・津波注意報等に基づく警戒態勢   ② 発災後3時間から1日 広域支援部隊等の一次集結機能:広域支援部隊が順次拠点に一次集結 災害医療支援機能(医薬品提供):医薬品の輸送開始 ③発災後1日から3日 広域支援部隊等の一次集結機能:広域支援部隊が順次拠点に一次集結、被災地に投入 災害医療支援機能(広域搬送):重篤者の広域搬送 災害医療支援機能(医薬品提供):医薬品の輸送拡大 ④発災後3日から1週間 災害医療支援機能(広域搬送):重篤者の広域搬送は徐々に収束 災害医療支援機能(医薬品提供):医薬品の輸送の継続 広域支援部隊等のベースキャンプ機能:広域支援部隊が拠点をベースキャンプとして使用 緊急支援物資の中継・分配機能:飲料水、食料、毛布、仮設トイレ、生活必需品等の 大量輸送 海外からの緊急支援物資・支援人員の受入れ機能:海外からの支援の受入れ開始 ⑤発災後1週間~ 災害医療支援機能(医薬品提供):医薬品の輸送の継続 広域支援部隊等のベースキャンプ機能:広域支援部隊が拠点をベースキャンプとして使用 緊急支援物資の中継・分配機能:飲料水、食料、毛布、仮設トイレ、生活必需品等の 大量輸送 海外からの緊急支援物資・支援人員の受入れ機能:海外からの支援の拡大

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    33 表 4 基幹的広域防災拠点(高次支援  拠点 拠点機能 ①発災から3時間 ②発災後3時間から1日 空 港 災害医療支援機能 (広域搬送、医薬品提供) 中部圏内へのDMAT・ 緊急消防援助隊 ・自衛隊の派遣 愛鷹広域公園 SCU 伊勢志摩 広域防災拠点SCU 中部圏外への 広域搬送 中部圏内へのDMAT・ 緊急消防援助隊 ・自衛隊の派遣 松本空港SCU 航空自衛隊 浜松基地SCU 県営 名古屋空港 SCU 航空自衛隊 岐阜基地SCU 富士山静岡空港 SCU 広域支援部隊等の ベースキャンプ機能 (災害ボランティア活動支 援機能を含む) 広域支援部隊の集結 初動機における半島部や 中山間地等の孤立地域への 広域支援には空路を活用 広域支援部隊の集結 緊急支援物資の中継・ 分配機能 (海外からの緊急支援物資・ 支援人員の受入れ機能を 含む)   緊急支援物資の集結 港 湾 広域支援部隊等の ベースキャンプ機能 (災害ボランティア活動支 援機能を含む)   緊急支援物資の中継・ 分配機能 (海外からの緊急支援物資・ 支援人員の受入れ機能を 含む)   DMATの参集・広域搬送 広域支援部隊の一次集結

参照

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