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Microsoft PowerPoint - 13economics5_2.pptx

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経済学概論

資料5(2)改訂版

吉川卓也 6.3 寡占 1.寡占と複占 • 寡占とは、ある産業で財・サービスを供給する 企業の数が少数しかなく、それぞれの企業が 価格支配力をある程度もっており、他の企業の 行動によって影響される状態をいう。 • 寡占のなかで、企業数が2の場合を複占という。 • たとえば、日本ではビール産業は事実上4社の 寡占である。外国では多数の企業が生産をお こなっている。 2

• 他方で、日本酒の市場は多くのメーカーが

競合している。

• 同じ酒類の産業でこのように市場が異なる

のは、ビールの生産に対する規制の影響

が大きい。

3 表6 完全競争と寡占 4 完全競争 寡占 複占 企業数 無数 少数 2社 価格支配 力 なし あり あり 余剰 消費者、企 業とも最大 消費者余剰 を犠牲にし て、企業の 利潤が増加 消費者余剰 を犠牲にし て、企業の 利潤が増加

2.同質財と差別財

• 寡占市場では、同質財と差別財が取引され

る。

• 同質財とは、複数の企業の生産する財が

需要者にとって同じ財であり、どの企業が

生産したかは無関係な財のことである。

• 差別財とは、個々の企業の生産する財が、

たとえ機能的にほとんど同じ財であっても、

需要者にとって異なる財であり、どの企業

が生産したかが意味をもつ財のことである。

• 寡占市場では、資本財(機械など)や中間

財(部品など)のように企業に販売される財

には、同質財が多くある。

• 逆に消費者に販売される財には、差別財が

多い。

(2)

• 同質財の場合は、競争相手企業の価格設定が 自分の企業の価格設定に影響する。 • 他の企業より高い価格を設定すると、その財を市 場で販売できなくなるからである。 • 他方、差別財の場合は、他の企業の価格設定の 影響は小さく、ある程度自由に、自分の企業の価 格を設定できる。 • 他の企業より多少高い価格を設定しても、その財 を市場でまったく販売できなくなるわけではない。 7 3.屈折需要曲線の理論 • 寡占市場での企業は、完全競争市場や独占市 場での企業と違い、他の企業の行動が問題にな る。 • 企業間の相互依存関係が、寡占市場での価格 形成、生産水準に影響を与える。 • 寡占市場における差別財の価格硬直性を説明 するのが、屈折需要曲線という概念である。(図 6.8) • 寡占企業の直面する需要曲線DADは、A点で屈 折している。 8 図6.8 屈折需要曲線 9 限界収入MR 限界費用MC 価格p 生産量y O 限界費用MC PA yA G D(需要曲線) F A H D • この企業は、現在A点(生産量yA、価格PA)で操業 しているとする。 • この企業が価格を引き上げると、需要が大きく落 ち込むため、A点より左方(現行価格PAより高い価 格)では需要曲線の傾きは水平に近くなる。(需 要が価格に対して弾力的) • この企業が価格を引き下げると、価格競争力が なくなるのを恐れて他の企業も価格を引き下げて くるので、需要はあまり増えないため、A点より右 方(現行価格PAより低い価格)では需要曲線の傾 きはかなり急になる。(需要が価格に対して非弾 力的) 10 • このように価格を引き上げると需要が大きく減り、 価格を引き下げると需要があまり増えない状況 では、この寡占企業の価格設定は硬直的になる。 3.1.企業の利潤極大化行動 • 寡占企業は、屈折需要曲線DADに直面している。 • 利潤極大化条件は、限界収入MR=限界費用MC。 • 屈折需要曲線DADに対応する限界収入曲線は、 DHおよびGFとなる。 • したがって、限界費用曲線MCがHG上で限界収 入曲線と交わっている限り、外生的ショックなどで 限界費用曲線がシフトしても、利潤が極大となる 生産量yAと価格PAは変化しない。(価格が硬直 的である)

(3)

図6.9 価格の硬直性 13 限界収入MR 限界費用MC 価格p 生産量y O 限界費用MC PA yA G D(需要曲線) F A H D 限界費用MC’ 4.カルテル • 寡占市場では、寡占企業間で協力が可能である。 • 生産量や価格について合意形成できれば、独占 企業と同様の独占利潤を寡占企業全体として獲 得できる。 • それを企業間で分配すれば、協力しないで生産 や価格決定をおこなうより、各企業の利潤は大き くなる。 14 • したがって、寡占企業はカルテルを結んで、協調 して価格を上昇させたり、生産量を抑制させたり する動機がある。 • とくに、同質財を生産している場合は、価格競争 を避けるためにカルテルを形成する誘因が大き い。 15 • しかし、カルテルは参加企業に強制力を持たせ て維持するのが困難なものである。 • 他の企業がカルテルを維持するなら、カルテルを 破棄して生産を拡大した方が、その企業にとって 利潤が増えるからである。 • その理由は以下の通り。 16 • カルテルは生産を抑制することなので、企業に とっては限界収入>限界費用の状態にある。(限 界収入=限界費用までは生産を拡大すれば利 潤が増える) • その状態で1企業だけが価格を引き下げて生産 を拡大すれば、大きな利潤が得られる。 • ただし、ほかのすべての企業が生産を拡大すれ ば、カルテルを維持するより個々の企業が得る 利潤は少なくなる。 5.囚人のジレンマ • カルテル行為の問題は、囚人のジレンマという ゲーム理論の問題として考えることができる。 • 囚人のジレンマというゲームは以下の通り。 • 共犯として捕まった2人の囚人には、取り調べに 対して、「自白する」「自白しない」という2つの戦 略がある。 ① 自分が自白しないと相手の囚人の利益になる。 ② 互いに自白しないと2人とも利益を受ける。 ③ しかし、自分だけ自白して、相手が自白せず罪 をかぶせると、自分だけ大きな利益を得る。

(4)

• このとき、自分の利益が大きくなるのは、「自分だ けが自白して相手が自白しない」場合である。 • 2人が合理的に行動すると、2人とも自白すること になり、2人とも損をするという結果になる。 19 表6.6A 囚人のジレンマのゲーム 20 囚人2の戦略

自白しない

自白する

囚人1の 利得 囚人2の 利得 囚人1の 利得 囚人2の 利得 囚人 1の 戦 略

自白しない

10

10

0

20

自白する

20

0

5

5

表6.6 カルテルのゲーム 21 企業2の戦略

協力

(生産抑制)

非協力

(生産拡大)

企業1の 利潤 企業2の 利潤 企業1の 利潤 企業2の 利潤 企業 1の 戦 略 協力 (生産抑制)

10

10

0

20

非協力 (生産拡大)

20

1

5

5

• カルテル・ゲームの企業の戦略は、「2つの企業 が協力して、生産量を抑制し、価格を上昇させる カルテルを結ぶ」か「協力しないで、自らの生産 量を拡大して、自分の利益のみを確保する」かで ある。 • 企業1,企業2の利潤(ペイオフ)は、以下の通りと する。 ① カルテルを結べば、両社とも10の利潤を得る。 ② 自分だけカルテルを抜ければ、自分だけ20の利 潤を得る。 ③ 両者ともカルテルを抜ければ、両者ともカルテル を結ぶときより少ない5の利潤しか得られない。 22 • このとき、企業1,企業2の利潤は、表6.6のように なる。 • その結果、両者ともカルテルを抜けてしまい、カ ルテルは成立しない。 6.長期的な運命共同体 • 無限の将来まで考慮すると、カルテルは長期的 に維持される。 • ルールは、「前回相手が非協力的でなければ、 自分も協力する」(相手がカルテルを維持するな ら、自分も維持する)、「前回相手が非協力的で あれば、今回以降永遠に自分も非協力を選択す る」(相手がカルテルを抜けるなら、自分も抜け る)(トリガー戦略)

(5)

• 利潤については、以下のように考える。 ① 今回カルテルから抜けるとその回だけ20の利潤 がある。 ② しかし来期以降は、利潤は5に減少する。 ③ カルテルを維持していると、10の利潤が続く。 • このゲームでは、企業の利潤は表6.7のようにな る。 25 表6.7 長期的なゲーム 26

1

2

3

4

5

非協力

20

5

5

5

5

協力

10

10

10

10

10

• 2つの戦略(「カルテルを維持する」、「カルテルか ら抜ける」)の利潤を比較すると、現在の利潤より 将来の利潤を重視する限り、カルテルを抜けない 戦略からの利潤の方が大きくなる。 • このような長期的なゲームが当てはまるのは、寡 占市場での企業数が固定されていて、同じ企業 間で長期的にカルテル行為が可能な運命共同体 のような状況がある市場である。 • それに対し、他の産業から企業が参入したり、退 出したりしている市場では、長期的なカルテルの 損得を考えることが困難となり、カルテル行為は 形成されにくい。 27 7.ゲーム理論の紹介:繰り返しゲームとフォーク定 理 • ここで紹介したゲームでは、各プレイヤーが選択 できる戦略、その結果としての利得(ペイオフ)を 前提とし、ゲームの構造(選択可能な戦略やペイ オフ)や、各プレイヤーが合理的に行動すること を全員が知っていると仮定している。 • 無限回繰り返しゲーム(ここでは長期的なゲー ム)では、利得の割引現在価値合計の割引率が 高くなければ、協力するという回が得られる。 28 • 「前回相手が協力すれば今回自分も協力するが、 前回相手が非協力であれば今回以降永遠に非 協力を選択する」というトリガー戦略と呼ばれる 戦略をとるなら、最適戦略(プレイヤーがとるべき 行動)は、お互いトリガー戦略をとり、結果として 永遠に協力し続けることが最適戦略(行動)とな る。 • 割引率が小さいほど、現在より将来の利得を重 視するので、協力解がナッシュ均衡と呼ばれる均 衡解になる可能性が高くなる。 • フォーク定理とは、無限回繰り返しゲームでは、 囚人のディレンマゲームの非協力解以上の利得 を、ナッシュ均衡解として実現できるという命題の ことである。

参照

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