農業研究センター果樹研究所
常緑果樹研究室 相川博志
講義内容
• カンキツ「不知火」の生産・販売状況
• カンキツの貯蔵方法およびMA包装について
• MA個装(Pプラス)「不知火」果実の収穫及び
貯蔵中の品質区分
• MA個装「不知火」果実の長期貯蔵に適する
温度
カンキツ「不知火」
の生産・販売状況
カンキツ「不知火」について
• 「清見」と「ポンカン」の雑種
• 果皮もじょうのうも薄く、糖度が高く、
味は抜群(商標名:
デコポン
)
• 露地栽培 収穫期:1月中旬~
出荷時期:3月上旬~
• 栽培面積および生産量とも熊本県が全国
1位 (平成23年産実績 1,286ha、19,829t)
「不知火」の果実と着果状況
熊本県育成品種
「肥の豊」
<特徴>
・従来の「不知火」より
樹勢が強く
、樹冠拡大が
早い。
・「不知火」に比べ
クエン酸
が低く
、糖度は変わらない。
2003年3月に品種登録
全国の「不知火」栽培面積・
生産量の推移
0 500 1,000 1,500 2,000 2,500 3,000 3,500 3 5 7 9 11 14 16 18 20 0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 生産量 栽培面積 (年次) 栽培面積(ha) 生産量(t) 図 全国の「不知火」栽培面積、生産量の推移(「肥の豊」除く)*
全国的に
「不知火」
の生産量は増加傾向
京浜市場における「不知火」の入荷量の推移 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 月 ( t) H17H18 H19 H20 H21 京浜市場における「不知火」の販売単価の推移 0 200 400 600 800 1000 1200 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 月 円 ( kg ) H17 H18 H19 H20 H21
京浜市場における「不知火」の入荷量と販売単価
加温 無加温 露 地30 105 587 880 173 46 0 61 117 934 2297 1765 163 12 455 723 1522 1758 1538 782 81 0 500 1000 1500 2000 2500 12月計 1月計 2月計 3月計 4月計 5月計 6月上旬 t 22年産 デコポン四大市場 県別販売実績 和歌山 愛媛 熊本 単位:t 県名 12月計 1月計 2月計 3月計 4月計 5月計 6月上旬 合計 シェアー 和歌山 30 105 587 880 173 46 0 1,823 10.8 愛媛 61 117 934 2,297 1,765 163 12 5,349 31.7 佐賀 198 321 547 486 415 54 1 2,022 12.0 大分 74 18 28 32 8 160 0.9 宮崎 14 4 14 4 0 1 37 0.2 熊本 455 723 1,522 1,758 1,538 782 81 6,859 40.6 鹿児島 113 127 132 138 96 21 627 3.7 22年産 四大市場県別実績
熊本「デコポン」の時期別販売量と単価
図 熊本デコポンの販売数量と単価の推移(21年産) 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 4000 12 月 1 月 2 月 3 月 4月 5月 6月 月 販売数量( t) 0 100 200 300 400 500 600 700 800 販売単価( 円/k g) 数量 単価 出荷量が3月、4月に集中し、 単価下がる ・出荷時期の分散・平準化 ・価格の維持・向上 0 5 1 0 1 5 2 0 2 5 3 0 3 5 1 2 1 2 3 4 5 6 7 現状(H21) Pプラス普及後 (月) 「不知火」の月別出荷割合 出 荷 割 合 (% )7月まで
出荷期間を
拡大
カンキツの貯蔵方法
および
カンキツの貯蔵方法について
収穫
→ 予措 → 貯蔵
<予措>
果実重量を3~5%減少させる。
(果皮の水分を少なくする)
貯蔵中の呼吸、養分、重量の減少、腐敗の発生
を抑制する。
カンキツ「不知火」の貯蔵
• 1月に収穫・予措後、3月まで常温貯蔵庫で
貯蔵する(庫内温度:8~10℃、湿度:90%)。
• 長期貯蔵する果実は、
ポリエチレン袋
に1個
ずつ入れる(
ポリ個装
)。
• 4月以降に出荷する果実は、
低温貯蔵庫で貯蔵し、5月下旬
まで出荷する。
予措および貯蔵方法の違いが酸含量
に及ぼす影響(広島県:1996)
処理区 減量歩合 クエン酸含量 3/15 4/12 5/9 無予措 裸 果 12.1% 1.34 1.23 0.98 ポリ個装 1.9% 1.27 1.15 0.76 予措 裸 果 12.5% 1.34 1.26 0.93 ポリ個装 5.9% 1.32 1.26 0.87貯蔵時(2/21)の酸含量:1.35%
・ポリ個装で減量が抑制され、減酸がやや早い ・予措後にポリ個装した果実は、予措による減量のため減酸が抑制される長期貯蔵の問題点
• 品質低下および腐敗果の増加
4月以降、常温貯蔵庫内の温度
が上昇し、果実の呼吸の高まりと
水分蒸散により
袋内のガス環境が
悪化
高湿度、嫌気状態による腐敗の
増加
果皮障害(こはん症など)、ヘタ枯
れ、貯蔵臭、食味の変化(異味)
常温貯蔵庫内温度の推移
5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 3/5 3/12 3/19 3/26 4/2 4/9 4/16 4/23 4/30 5/7 5/14 5/21 5/28 6/4 6/11 6/18 6/25 7/2 7/9 7/16 7/23 7/30 日最高温度 ゚C 日最小温度 ゚C 日平均温度 ゚C 庫 内 温 度 (℃) 図 常温貯蔵庫内温度の推移 5月中旬以降の最高 温度は20℃以上 6月に入ると最低 温度も20℃以上MA(Modified Atmosphere)包装について
• 青果物の呼吸
と包装フィルムの
ガス透過性
の
相互
作用
で、袋内酸素濃度と、二酸化炭素濃度を
調整
し、袋内のガス組織を抑制する包装の手法
「
低酸素・高二酸化炭素
」状態で
は青果物の呼吸が抑えられる
長期貯蔵が可能
品質低下のスピードがゆるやかになる
P-プラス
• フィルムにミクロの穴があり、ガス透過性をコントロールできる
• 青果物の種類によって穴の量は異なる
○密封包装することで、袋内を
低酸素・高二酸化炭素
(MA)
状態にできる鮮度保持フィルム
ポリプロピレンフィルム(ハード) ポリエチレンフィルム(ソフト)P-プラス個装した「不知火」の
腐敗果発生状況
第1表 「不知火」の貯蔵方法・包装資材の違いが腐敗果率に及ぼす影響 貯蔵 方法 処理区 腐敗果率(%) 累積腐敗果率(%) 3/19 4/21 5/22 6/25 3/19 4/21 5/22 6/25 P-プラス 0.0 2.6 0.0 0.0 0.0 2.6 2.6 2.6 常温 ポリフィルム 0.0 2.6 7.7 5.9 0.0 2.6 10.3 16.1 裸 0.0 5.1 5.1 8.8 0.0 5.1 10.3 19.1 低温 P-プラス 0.0 2.5 0.0 5.7 0.0 2.5 2.5 8.2 ポリフィルム 0.0 0.0 0.0 2.9 0.0 0.0 0.0 2.9 裸 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 注1)平成20年1月16日収穫、2月上旬個装処理 2)低温区は2月7日から、温度5~10℃、湿度90~95% ○常温貯蔵では、ポリ個装や裸貯蔵に比べ腐敗の発生は少ない(6月まで) ○低温貯蔵(5~10℃)では、常温貯蔵に比べ腐敗の発生は少ない ○P-プラス個装果実は常温貯蔵に比べ低温貯蔵で腐敗が多い(結露による水腐れ症)MA個装(Pプラス)
「不知火」果実の収穫及び
MA個装「不知火」果実の
糖度
および
クエン酸濃度
の推移
<材料及び方法>
供試果実:所内 M-16A「不知火」、「不知火」
1月中旬に樹冠赤道部の果実を樹ごとに採取。
果実分析後、
クエン酸濃度で
1.8%,1.6%,1.3%,1.1%
で区分
予措後、常温貯蔵庫で貯蔵。
3月上旬にMA個装
気温が高くなる5月中旬から16℃の定温庫で貯蔵
○収穫から予措・常温貯蔵中の糖度は「1度」上昇 ○MA個装後の糖度の上昇は見られず横ばいで推移し、 6月以降やや低下
収穫時の酸レベルで区分したときの
糖度
の推移
10.0 11.0 12.0 13.0 14.0 1/19 3/6 4/14 5/15 6/16 7/15 1.8% 1.6% 1.3% 1.1% 糖 度 図 酸濃度の異なる「不知火」果実の収穫後における 糖度の推移( 平成2 0 年産) 収穫時 個装時 16℃定温貯蔵 常温貯蔵 収穫時のクエン 酸 ( 月/日)収穫時の酸レベルで区分したときの
クエン酸
の推移
0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 1/19 3/6 4/14 5/15 6/16 7/15 1.8% 1.6% 1.3% 1.1% ク エ ン 酸 ( %) 図 酸濃度の異なる「不知火」果実の収穫後におけるクエン酸の推移 (平成20年産) 注)収穫からM A個装ま では裸果で貯蔵 16℃定温貯蔵 収穫時 個装時 常温貯蔵 (月/ 日) 収穫時のクエン酸 収穫時のクエン酸濃度 クエン酸濃度1%となる時期 1.8% 7月中旬 1.6% 6月中旬 1.3% 4月中旬 貯蔵中に減酸7月までの出荷
に向けたMA個装「不知火」
果実の
収穫
および
貯蔵中
の
品質区分
<目 的>
7月
の暑い時期に
美味しいと感じる品質レベル
を
明らかにし、収穫時や貯蔵中の糖度およびクエン
酸に基づいた
出荷適期
を明らかにする。
<材料及び方法>
供試果実:所内
M-16A「不知火」、「不知火」、「肥の豊」の果実
1月中旬に収穫・予措後、常温貯蔵庫で貯蔵。
3月上旬にMA個装し、 気温が高くなる5月中旬
以降は16℃の定温庫で貯蔵
<試食アンケート>
平成21年7月15日~29日にかけて、MA個装して
貯蔵した品質の異なる果実について食味調査を
実施(試食した果実の一部を糖酸分析機で測定)
表 アンケート調査対象者の性別、年齢別一覧
10代 20代 30代 40代 50代 不明 計
男性 6
3
7
5
23
1
45
女性 0
6
4
5
15
1
31
計 6
9
11
10
38
2
76
糖酸度別の食味調査
食味調査項目
調査項目
5
4
3
2
1
甘さ評価 甘い やや甘い 普通 あまり 甘くない 甘くない 酸っぱさ評価 酸っぱく ない あまり 酸っぱく ない 普通 やや 酸っぱい 酸っぱい 総合評価 (食味) おいしい まあ おいしい 普通 あまり おいしくない まずい糖酸度別の食味調査結果(1)
甘さ
◎:50%以上の人が甘いと感じた ○:40%以上の人が甘いと感じた △:30%以上の人が甘くないと感じた ×:50%以上の人が甘くないと感じた糖度
13度以上
、
クエン酸
1.1%以下
糖度
11度以上
、
クエン酸
0.6%未満
50%以上の人が
甘いと感じた
11.0~11.9 12.0~12.9 13.0~<0.6
◎
◎
◎
ク
0.6~
△
○△
◎
エ
0.7~
△
△
◎
ン
0.8~
△
◎
酸
0.9~
×
△
◎
1.0~1.1
×
―
◎
糖 度
甘 さ
糖酸度別の食味調査結果(2)
酸っぱさ
◎:80%以上の人が酸っぱくないと感じた ○:40%以上の人が酸っぱくないと感じた △:40%以上の人が酸っぱいと感じた ×:60%以上の人が酸っぱいと感じた糖度
11度以上
クエン酸
0.7%未満
は、
酸っぱくない
11.0~11.9 12.0~12.9 13.0~<0.6
◎
◎
◎
ク
0.6~
◎
○
◎
エ
0.7~
○
△
○
ン
0.8~
×
△
○
酸
0.9~
×
×
△
1.0~1.1
×
―
△
糖 度
酸っぱさ
糖度
11度台
クエン酸
0.8%以上
糖度
12度台
クエン酸
0.9%以上
は、
酸っぱい
糖酸度別の食味調査結果(3)
11.0~11.9 12.0~12.9 13.0~<0.6
◎
◎
◎
0.6~
○△
◎
0.7~
○△
○
0.8~
○△
○
0.9~
×
○
1.0~1.1
×
―
△
糖 度
食味評価
ク
エ
ン
酸
濃
度
(
%
)
総合評価
◎:50%以上の人が美味しいと感じた ○:40%以上の人が美味しいと感じた △:30%以上の人が美味しくないと感じた ×:50%以上の人が美味しくないと感じた糖度
13度以上
、
クエン酸
1%以下
糖度
11度以上
、
クエン酸
0.6%以下
は
美味しい
糖度
12度以下
、
クエン酸
0.9%以上
は
美味しくない
収穫時の酸レベルで区分したときの
クエン酸
の推移
0.4 0.6 0.8 1.0 1.2 1.4 1.6 1.8 2.0 1/19 3/6 4/14 5/15 6/16 7/15 1.8% 1.6% 1.3% 1.1% ク エ ン 酸 ( %) 図 酸濃度の異なる「不知火」果実の収穫後におけるクエン酸の推移 (平成20年産) 注)収穫からM A個装ま では裸果で貯蔵 16℃定温貯蔵 収穫時 個装時 常温貯蔵 (月/ 日) 収穫時のクエン酸収穫時のクエン酸濃度 クエン酸濃度1%となる時期
1.8% 7月中旬
1.6% 6月中旬
1.3% 4月中旬
収穫期およびMA個装時の
クエン酸濃度
と
出荷基準(常温貯蔵、16℃)
収穫期
MA個装時点
(1月中旬)
(3月上旬)
5月中旬
1.4%以下
1.3%以下
6月中旬
1.6%以下
1.5%以下
7月中旬
1.8%以下
1.6%以下
注)出荷時期のクエン酸濃度1%以下
出荷時期
MA個装「不知火」果実の
長期貯蔵
に
適する温度
MA個装「不知火」果実の鮮度保持や果実品質が
良好になる貯蔵温度について検討
MA個装した果実の貯蔵温度と果実品質
との関係
1 目的
長期貯蔵において果実品質が保持できる適正な
温度を明らかにする。
2 材料及び方法
供試果実:所内 露地「不知火」の果実
2010年、2011年の3月下旬に収穫・予措した果実を
MA個装し、貯蔵温度
8℃、12℃、16℃、20℃
および
常温
の5区を設定し、4月上旬から7月中旬まで貯
蔵後、果実品質および食味について調査した。
0.34 0.35 0.36 0.37 0.38 0.39 0.40 8℃ 12℃ 16℃ 20℃ 常温 -2.0 0.0 2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 貯蔵前 貯蔵後 増加率 a / b 値 a / b 値 の 増 加 率 ( % ) 貯蔵温度 第1図 MA個装した「 不知火」 の貯蔵前後の果皮色( a/ b値) の変化
注1) 数値は2010年と2011年の平均値 2) 3月下旬に果実を収穫し、MA包装資材で個装。温度処理期間は4月上旬~7月中旬
果皮色(a/b値)は,
16℃以下
で増加し、
12℃
が最も高い
20℃
および
常温
では差がない
図貯蔵温度の違いと果皮色
8℃
12℃
16℃
20℃
常温
貯蔵温度の違いがMA個装した‘不知火’の果実品質に及ぼす影響 ○糖度,クエン酸には,貯蔵温度の違いによる有意な差はなかった。 ○果肉色は,12℃区が最も優れ,20℃区,常温区が劣った。 食味 貯蔵臭 g % % 8℃ 293 78.1 14.5 0.91 16.2 8.2 3.5 0.2 12℃ 277 78.0 14.5 0.92 15.9 8.4 4.0 0.0 16℃ 297 77.6 14.0 0.93 15.1 7.4 3.5 0.7 20℃ 286 78.8 13.9 0.99 14.1 6.1 3.2 1.0 常 温 279 78.9 14.1 0.88 16.2 6.1 3.4 1.5 注1)2010年、2011年ともに3月下旬収穫、7月中旬調査(数値は2010年と2011年の平均値) 2) 果肉色はカラーチャート値で数値が大きいほど濃い 3)食味(2011のみ)は、まずい(1)、ややまずい(2)、ふつう(3)、ややおいしい(4)、おいしい(5)の平均値 4)貯蔵臭(2011のみ)は、全く感じない(0)、わずかに感じる(1)、感じる(2)、強く感じる(3)の平均値 貯蔵 温度 1果重 果肉 歩合 味の評価 糖度 (Brix) クエン酸 濃度 糖酸比 果肉色
貯蔵温度の違いと果肉色
12℃
16℃
20℃
常温
果肉色は,
12℃区
が最も
優れ
,20℃区,常温区が劣った
12℃
常温
貯蔵温度の違いがMA個装した‘不知火’の果実品質に及ぼす影響 ○食味は,12℃区が最も評価が高く,貯蔵臭もなかった。 20℃区と常温区はわずかに貯蔵臭が感じられた 食味 貯蔵臭 g % % 8℃ 293 78.1 14.5 0.91 16.2 8.2 3.5 0.2 12℃ 277 78.0 14.5 0.92 15.9 8.4 4.0 0.0 16℃ 297 77.6 14.0 0.93 15.1 7.4 3.5 0.7 20℃ 286 78.8 13.9 0.99 14.1 6.1 3.2 1.0 常 温 279 78.9 14.1 0.88 16.2 6.1 3.4 1.5 注1)2010年、2011年ともに3月下旬収穫、7月中旬調査(数値は2010年と2011年の平均値) 2) 果肉色はカラーチャート値で数値が大きいほど濃い 3)食味(2011のみ)は、まずい(1)、ややまずい(2)、ふつう(3)、ややおいしい(4)、おいしい(5)の平均値 4)貯蔵臭(2011のみ)は、全く感じない(0)、わずかに感じる(1)、感じる(2)、強く感じる(3)の平均値 貯蔵 温度 1果重 果肉 歩合 味の評価 糖度 (Brix) クエン酸 濃度 糖酸比 果肉色
MA個装した果実の貯蔵温度と貯蔵性と
の関係
1 目的
長期貯蔵において貯蔵性に優れた温度を明らかに
する。
2 材料及び方法
供試果実:所内 露地栽培‘不知火’の果実
2010年の3月下旬に収穫・予措した果実をMA個装
し、貯蔵温度
8℃、12℃、16℃、20℃
および
常温
の5
区を設定し、4月上旬から7月中旬まで貯蔵。
貯蔵後(2010年7月15日)、果実の減量歩合、腐敗
、果皮障害、ヘタ枯れ発生率を調査。
ヘタ枯れ
こはん症
貯蔵中に発生した果実の腐敗
常温区
第2表 貯蔵温度の違いがMA個装した「不知火」の減量と障害発生に及ぼす影響(2010) 貯蔵 温度 4/1~ 6/4 4/1~ 7/15 4/1~ 6/4 4/1~ 7/15 4/15 6/4 7/15 6/4 7/15 8℃ 0.52 0.84 3.3 3.3 0.0 0.0 0.0 6.7 26.7 12℃ 0.79 0.91 0.0 3.3 0.0 0.0 0.0 6.7 6.7 16℃ 1.33 1.83 10.0 10.0 3.3 13.3 16.7 13.3 13.3 20℃ 1.73 2.36 6.7 6.7 0.0 3.3 3.3 13.3 16.7 常温 1.50 2.04 20.0 26.7 0.0 13.3 13.3 6.7 23.3 コハン症発生率(%) 減量歩合(%) 累積腐敗果率(%) ヘタ枯れ発生率(%) 貯蔵温度の違いがMA個装した‘不知火’の減量と障害発生に及ぼす影響