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遺伝子組み換えヒト骨形成因子(rhBMP-2)による骨誘導過程におけるニコチン・喫煙の影響

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Academic year: 2021

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(1)Title. Author(s). Citation. Issue Date. URL. The effect of nicotine and smoking on osteoinduction by recombinant human bone morphogenetic protein-2( Abstract_要旨 ) Tamura, Kayo. Kyoto University (京都大学). 2014-07-23. http://hdl.handle.net/2433/189662. Right. Type. Textversion. Thesis or Dissertation. none. Kyoto University.

(2) 京都大学 博士(医学). 氏 名. 田村 佳代. The effect of nicotine and smoking on osteoinduction by recombinant human bone. 論文題目. morphogenetic protein-2 (遺 伝 子 組 み 換 え ヒ ト 骨 形 成 因 子 ( r h B M P - 2 ) に よ る 骨 誘 導 過 程 に お け るニコチン・喫煙の影響). (論文内容の要旨) 喫煙は、がん、循環器疾患(心臓病、脳卒中)、呼吸器疾患(肺気腫、喘息)などの多 くの病気の要因であることはよく知られている。タ バ コ に は 約 4 0 0 0 種 類 の 化 学 物 質 が 含 ま れ 、 そ の う ち 200 種 類 以 上 は ニ コ チ ン な ど の 有 害 物 質 と さ れ て いる。 歯科分野において近年の歯科インプラント治療の普及に伴い、喫煙者への歯科インプラ ント埋入および歯槽骨再生の機会が年々増加している。日常臨床においては禁煙を推奨し ているものの、喫煙の影響について未だ不明なことが多い。本 研 究 で は 、遺 伝 子 組 換 え 型 ヒ ト 骨 形 性 因 子( r h B M P - 2 )に よ る 骨 誘 導 検 定 系 を 用 い 、ニ コ チ ン と 喫煙の骨形成への影響について検討した。 Ⅰ. ニ コ チ ン の 影 響 に つ い て 本研究では、タバコに含まれるニコチンの骨形成への影響について検 討した。 i n v i t r o で は 、r h B M P - 2 が マ ウ ス 筋 芽 細 胞 株 C 2 C 1 2 細 胞 の 成 熟 筋 細 胞 へ の分化を抑制し、骨芽細胞への分化を誘導する過程に、ニコチンを投与 して検討した。この過程でのニコチンによる細胞毒性と明らかな骨分化 への影響は認められなかった。 i n v i v o で は 、骨 形 成 に お け る ニ コ チ ン の 影 響 を 検 討 す る た め 、r h B M P - 2 に よ る 骨 誘 導 検 定 系 を 用 い 検 討 し た 。 5μg の rhBMP-2 を 1ml の コ ラ ー ゲ ン 溶 液 ( 3mg/ml) と 混 和 し 、 凍 結 乾 燥 し た 。 こ れ を 、 直 径 4.0mm、 厚 さ 1 . 5 m m の 円 板 状 に 成 形 し 、1 0 週 齢 雄 性 W i s t a r 系 ラ ッ ト の 右 側 下 腿 部 腓 腹 筋内に埋入した。同時にニコチン溶液を浸透圧ミニポンプにて低・中・ 高 濃 度 で 投 与 ( 0.1, 1.0, 10.0mg/kg/day) し 、 骨 形 成 に つ い て 検 索 し た 。 その結果、生化学的所見ではニコチン濃度が中・高濃度群においてアル カリフォスファターゼ活性とカルシウム含有量が減少していた。また、 ヘ マ ト キ シ リ ン −エ オ ジ ン 染 色 と フ ォ ン コ ッ サ 染 色 に よ り ニ コ チ ン 高 濃 度群では明らかに骨形成が抑制され、免疫組織染色においても新生骨周 囲の血管新生が抑制されていた。しかし、有意差がみられたニコチン濃 度は喫煙者でも一時的にしか達しえない血中濃度であり、ニコチンが骨 形成に直接与える影響は少ないと考えられた。 そこで、次に喫煙が骨形成に与える影響について検討した。 Ⅱ. 喫 煙 の 影 響 に つ い て 本研究では、骨形成における喫煙の影響を検討するため、喫煙装置を 用 い て 、 た ば こ ( ニ コ チ ン 2 . 4 m g ) を 3 0 本 / 回 ( 2 0 分 間 )、 1 日 1 回 を 受 動 喫 煙 さ せ 、 in vivo で の ニ コ チ ン 投 与 研 究 と 同 様 の 骨 誘 導 検 定 系 を 用 い 検討した。その結果、生化学的・組織学的所見では喫煙群では明らかに 骨 形 成 が 抑 制 さ れ て い た 。 ま た 、 rhBMP-2 埋 入 7 日 後 か ら 喫 煙 群 で は 血 管新生の抑制を認め、局所血流量測定でも喫煙による一過性の血流減少 を認めた。 本 研 究 よ り 、喫 煙 に よ る 血 管 新 生 の 抑 制 お よ び 血 管 の 収 縮 が 血 流 量 を. 減少させ、骨形成を抑制している可能性が示唆された。 以 上 よ り 、ニ コ チ ン の 高 濃 度 持 続 投 与 に よ る 骨 形 成 へ の 影 響 に 増 し て 、 間歇的な喫煙による血管新生の抑制および末梢血管の収縮が局所の血流 量を減少させ、局所的な骨形成を抑制している可能性が示唆された。. (論文審査の結果の要旨) 申請者は骨形成過程におけるニコチン・喫煙の影響について、骨形成因子による骨誘導 実験系を用い検討した。 in vitro において BMP-2 によるマウス筋芽細胞株 C2C12 細胞の骨芽細胞への分化誘導過 程では、ニコチンの影響は認められなかった。また、in vivo においてニ コ チ ン の 影 響 を 検 討 す る た め 、B M P - 2 に よ る 骨 誘 導 検 定 系 を 用 い 検 討 し た 。5 μ g B M P - 2 を ラ ッ ト の 腓 腹 筋 内 に 埋 入 し 、同 時 に 、ニ コ チ ン ( 0 . 1 , 1 . 0 , 1 0 . 0 m g / k g / d a y ) を 腹 腔 内 に 持 続 投 与 し た 。 そ の 結 果 、 ニコチンが骨形成を抑制した濃度は、ヘビ ースモーカーでも達しえないほどの高濃度(1 0 . 0 m g / k g / d a y ) であり、ニコチンの骨形成に 直接与える影響は少ないと考えられた。さらに、より臨床に近い環境での実験として、喫 煙装置を用いてラットに 1 日 1 回喫 煙 さ せ (3 0 本 / 回 )、 i n v i v o で の ニ コ チ ン 投 与 研 究 と 同 様 の 骨 誘 導 検 定 系 を 用 い て 検 討 し た 。そ の 結 果 、喫煙者が達する 可能性のあるニコチン濃度の喫煙において骨形成が抑制されることが示された。本 研 究 で 得 ら れ た 「 ニコチンは骨形成過程への影響は少ない」が「喫煙は骨形成を抑制する」 という結果により、喫煙によるニコチン以外の様々な有害物質が骨形成を抑制する可能性 が示唆された。 以上の研究は、禁煙指導が骨形成の面からも有用であることを示しており、さらに、今 後は禁煙期間などについて検討することで患者指導に役立てることが期待できる。 したがって、本論文は博士( 医学 )の学位論文として価値あるものと認める。 なお、本学位授与申請者は、平成 26 年 5 月 28 日実施の論文内容とそれに関連した 試問を受け、合格と認められたものである。. 要旨公開可能日. 年. 月. 日.

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