• 検索結果がありません。

スポーツ競技における速度測定方法に関する研究 ボールその他の測定方法の歴史 学籍番号 12A0049 学生氏名植野裕大 1. はじめにボール競技において パフォーマンスを評価する上でボール速度は 良い指標の一つとなりゆることは容易に想像がつく ボールの速度はきわめて高く その軌道も固定されていないこ

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "スポーツ競技における速度測定方法に関する研究 ボールその他の測定方法の歴史 学籍番号 12A0049 学生氏名植野裕大 1. はじめにボール競技において パフォーマンスを評価する上でボール速度は 良い指標の一つとなりゆることは容易に想像がつく ボールの速度はきわめて高く その軌道も固定されていないこ"

Copied!
15
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

日本体育大学 卒業抄録

1.はじめに

野球、サッカーをはじめとするボール競技において、パ

フォーマンスを評価する上でボール速度は、良い指標の一

つとなり得ることは容易に想像がつく。ピッチャーが投げ

る球が速ければ、バッターが球をとらえることは困難にな

り、サッカーのシュートが速ければ、ゴールキーパーがセ

ーブする可能性が低くなる。したがって、ボールの速度を

測定することは、競技者のパフォーマンスを評価する上で

重要な一要因であると考えられる。

一方で、スポーツ競技におけるボールの速度はきわめ

て高く、その軌道も固定されていないことが多い。そのた

めボール速度の測定は困難であった。しかしながら、近年

パーソナルコンピュータおよび電子機器の普及によりボ

ール速度の検出や処理が容易になりつつある。また、デジ

タル映像機器の進歩によりコンピュータ上の、画像データ

からボール位置座標を検出し、速度をはじめとする様々な

データを導き出すことが可能になってきた。

しかしながら高速度ビデオカメラ画像による

DLT 法

解析は時間がかかったり、装置が高価であることから汎用

的ではなく日常的に測定することが難しい。

本研究は、ゴルフ競技におけるドライバースイングパ

フォーマンスを容易に評価するため、ボールおよびドライ

バー速度を測定するシステムを考察することを目的とす

る。

2.方 法

加速度センサーを用いたゴルフ用スイング測定装置を

ドライバーのグリップ部に固定しドライバースイング速

度を計測する。

EPSON 社製ゴルフスイング解析システム:M-Tracer

被験者:一般大学生3名

(IN、TM、UY)

試技:各被験者ごとに3球ずつスイングをおこないクラブ

ヘッド速度およびクラブシャフトの回転角度、インパ

クト時のクラブフェイス面の角度を得る。

3.結 果

4 は EPSON 社製ゴルフスイング解析システム:

M-Tracer をドライバーに装着した写真である。ドライバ

ーグリップ部に小型のセンサーを装着し

Bluetooth を用い

てタブレット端末にデータ処理結果を表示している。

タブレットに表記されているスピードは、ドライバーの

ヘッドスピードを指し、単位はメートル毎秒で表されてい

る。回転はシャフトの回転角のことで、単位は

degree で

示される。また、インパクトは、インパクトのフェース角

のことで、単位は

degree である。

表1は被験者3人が3球打った時のスピード、回転、イ

ンパクトをそれぞれ記録した表で、とりわけ回転に関して

IN は大きな値を示しており、更に大きくばらつきがみら

れる。

4.考 察

M-tracer を使用することにより自らのスイングを客観

視することができ、継続することでスイングの修正が可能

であると考えられる。

ゴルフはホールするまでの打数が少ない方が良いとい

う競技であることから、ドライバーショットの安定を図る

ことは重要となるが、回転の数値が低くかつばらつきがな

いことがショットの安定性の条件であると考えられる。回

転は

50 度以内で安定させるのが理想的だとされており、

表示されたデータを見ながらショットを修正していくこ

とで安定したショットを目指すことができ、効果的な練習

のツールとして

M-tracer の使用に期待が持てるのではな

いだろうか。

5.まとめ

以上から、

M-tracer を使用することで修正すべきポイ

ントが数値化され、自身のスイングを客観視することがで

きるため、ショット技術の向上に役立たせることができる

と考えられる。より簡易的でかつ緻密なスイングの分析が

可能になることは、個人のパフォーマンス向上に大いに役

立つだけでなく、ゴルフ界全体の競技力向上に繋がるであ

ろう。

情報学研究室

指導教員 林 忠男准教授

学籍番号

12A0046

学生氏名 岩田 直樹

ゴルフ競技におけるドライバースイングのパフォーマンス評価

の研究

(2)

1.はじめに ボール競技において、パフォーマンスを評価する上でボール速 度は、良い指標の一つとなりゆることは容易に想像がつく。ボー ルの速度はきわめて高く、その軌道も固定されていないことが多 い。そのためボール速度の測定は困難であったが、デジタル映像 機器の進歩によりコンピュータ上の、画像データからボール位置 座標を検出し、様々なデータを導き出すことが可能になってきた。 本研究は、これらの背景からスポーツ競技におけるボール速度 の測定の歴史をまとめ、現状の問題点と可能性を検討することを 目的とする。 2.スピードガンによる測定 スピード測定器は、運動する物体の速度の特定方向成分を測定 する測定機器である。現在、最も分かりやすいスピードガンの例 は、プロ野球中継で表示される「ピッチャーのスピード表示」で ある。しかしスピードガンは元々、「自動車の速度違反を取り締 まる」ために開発されたと言われている。 −1.スピードガンの仕組みについて… スピード測定の基本原理は「ドップラーの原理」を利用してい る。マイクロ波の電波を対象物に向かって当て、動く物体から反 射した電波の周波数は反射した電波の周波数と早さ、方向に応じ て異なることを利用し、対象物の速度を算出している。 −2.ドップラー効果の概要 発生源が近づく場合には波の振動がつめられて周波数が高く なり、逆に遠ざかる場合は波の振動が伸ばされて周波数が低くな る。 −3.日本での導入経緯 スピードガンが日本に初めて伝わったのは1976 年秋のこと。 テレビの野球中継において球速表示がされるようになったのは 1979 年 4 月 1 日巨人対阪神戦が初。球場の電光掲示板において 球速表示がされるようになったのは1980 年 4 月 5 日のナゴヤ球 場である。 3.画像データによる測定 −1.DLT 法による測定 画像上にスケールを映し込み、物体の長さや距離を測定する技 術をDLT(Direct Linear Transformation)法という。一般的に はスポーツの場面では精度よくスケール上を移動させることが 難しいため3次元DLT 法を用いて任意方向への移動を測定する。 これにより実際の試合や不特定な場所での測定が可能になる。 −2.PITCHf/x メ ジ ャ ー リ ー グ で は ス ピ ー ド ビ ジ ョ ン 社 の 開 発 し た 「PITCHf/x」という投球解析装置が 2006 年のポストシーズンか らメジャーリーグ各球場へ設置され始めた。「PITCHf/x」は現在 メジャーリーグ全球場に共通の機種が設置されており、MLB 公 式ホームページの1 球速報「Gameday」やアメリカの野球デー タサイト「FanGraphs」などでデータが一般公開されている。3 方向から投球を解析するこの導入により、球速に限らず投手のリ リースポイントやボールの回転数、変化球の曲がり具合、落差な どを解析することが可能となり、スピードガンの問題点であった 機種や設置場所による精度の違いを克服した。 4.加速度センサーによる測定 加速度センサーは身近なところでは、自動車のカー・ナビゲー ション・システムやゲーム機のコントローラーなど、実に多くの 機器に組み込まれている。

MEMS(micro electro mechanical systems)技術の発達によ り革新的な小型軽量化した加速度センサーが開発された(図 2、 ADXL330 2011 発売など)。ADXL330 の開発によりスポーツパ フォーマンス測定ツールへの応用が可能になった。以下に代表的 な二つのツールを挙げる。 −1.Sony 社製スイング測定システム:スマートテニスセンサー (2014.05.30 発売) 約 8gのセンサーユニットをグリップエン ドに装備し、各ショットのフォア/バックハンド等のスイング種 別や、ラケットでボールを捉えた位置、スイング速度、ボール速 度、回転量を測定し、得られる情報をスマートフォン及びタブレ ット端末に表示する。 − 2.EPSON 社製ゴルフスイング解析システム:M-Tracer (2014.04.10 発売) スイング時のインパクトフェース角度、 クラブヘッドのスピード、回転、テンポ等のスイングデータを測 定し、ライブラリ化し、スイング技術の向上を図るシステム。約 15gのセンサーユニットをクラブグリップに装備しスイングす ることで、得られる上記データをスマートフォン及びタブレット 端末に表示する。1 秒間に 1000 サンプルを計測し、細やかな筋 肉運動まで計測が可能となる。

情報学研究室

指導教員 林 忠男准教授

学籍番号

12A0049

学生氏名 植野 裕大

スポーツ競技における速度測定方法に関する研究

〜ボールその他の測定方法の歴史〜

(3)

野球競技の打撃動作における

3 次元動作分析

〜理想の打撃動作の追求〜

情報学研究室

指導教員 林 忠男准教授

12A0054 4 年 A03 組 馬越 瑛

1.はじめに 野球競技における打撃動作は、一流の選手を比較しても 全く同じ打撃動作の選手は存在しない。しかし、一流の選 手の打撃動作には共通するいくつかの打撃動作のポイント がみられることが一般的に知られている。そこで、本研究 では自身の打撃動作の分析を行い、その打撃動作のポイン トに関して一流選手の打撃動作と比較し、自身の打撃パフ ォーマンスの向上と、今後の指導に役立てることを目的と する。 2.研究の方法 10 月 21 日 日本体育大学 ブルペン練習場において 被験者:本人および 6 名の大学生野球部員自身の撮影され た全打撃の画像をコンピューターに取り込み、その中の 1 試技の撮影画像について分析を行った。関節ポイントを中 心に、全身23 ポイントおよびバットの先端、ボールのデジ タイジング(画像上の座標点)を行い、各ポイントの 3 次 元データを作成した。 3. 結果 図 1 は自身の打撃動作における右肩、右肘、右手、バッ トの先端、ボールの速度の変化を表したものである。63 フ ェーズ目(63/300 秒)がインパクトの瞬間を表している。 この試技で、インパクト以前のバットの先端の最高速度は 55 フェーズ目(55/300 秒)に、94.4km/h、ボールの最高 速度はインパクト後の 68 フェーズ目(68/300 秒)に、 118.8km/h に達していた。ボールの最高速度がバットの先 端の最高速度を上回っていることから、力の伝達が上手く 行われていることがわかる。図 2-1~3 は自身の打撃動作に おける XYZ 立体投影成分のスティックピクチャーである。 図 2-1 はインパクトの瞬間およびボールの軌跡を表したも のである。図 2-2 はトップが完成した瞬間およびバットの 先端の軌跡を表したものである。図 2-3 はフィニッシュの 瞬間およびボール、バットの先端の軌跡を表したものであ る。図3 は自身の打撃動作における XY、YZ、ZX 平面投影 成分のスティックピクチャーである。 4.考察 今回の研究から、一流の選手に共通する打撃動作のポイ ントを自身の打撃動作では完全には行えていないことがわ かった。自身の打撃動作は、打撃動作の中で最も重要とさ れるインサイドアウトができており、軸が安定しているこ とでインパクトのポイントが安定し、ボールを捉える正確 性が高く、高めにやや不安があるが全てのコースに対応で きるスイングになっている。しかし、スイングスピードが 遅く、バットの先端の軌跡が投手の方向に広い楕円形にな っておらず、インパクトのポイントが狭く、緩急に弱いス イングになっている。さらにスイングスピードが遅いこと に加え、左肩が下がった状態でスイングしており、バック スピンをかけるためのスイングができておらず、飛距離が 出にくいスイングにもなっている。スイングスピードを速 くし、インパクトのポイントを広くすることができれば、 さらなる飛距離のアップと緩急に強いスイングができるよ うになる。今後はいかにスイングスピードを速くすること ができるかが一番の課題であろう。

0

500

1000

1500

2000

2500

3000

3500

1 15 29 43 57 71 85 99

113

右肩

右ひじ

右手グリッ

バット先端

ボール

(4)

1.はじめに 野球競技の打撃動作は十人十色であり、全く同じ打撃動作の選 手は存在しない。また、打撃動作は状況によってホームランを打 とうと考えている場合や、ゴロを打とうと考えている場合で、最 善と思われる動作が異なる。また、球種や投球コース、カウント、 前打者の状況からも打撃動作は異なる。私が指導する高校の生徒 も打ち方はそれぞれ異なり、それぞれに良い点や悪い点がある。 そこで、被験者A の打撃動作の分析を行い、被験者 A の打撃パ フォーマンスの向上と、今後の教員としての指導力向上に役立て ることを目的とする。 2.方 法 バッティング動作を複数代のハイスピードカメラにより撮影 し3次元DLT 法を用いた3次元動作分析をおこなった。打撃方 向に対して前後および 5〜10m の距離から複数のハイスピード カメラにより、各試技を同時に撮影した。関節ポイントを中心に、 全身23 ポイントおよびバットの先端、ボールのデジタイジング (画像上の座標点)を行い、2 次元データを作成した後、X、Y、 Z 軸のキャリブレーションデータと合わせ、各ポイントの 3 次元 データを作成し、3 次元データから、ポイント速度およびボール 速度データを作成し、スイングスピード、下半身と上半身の動き、 フォロースルーと打球方向について比較した。 3.結 果 図1 は被験者 A の打撃動作における左肩、左肘、左グリップ、 バットの先端、ボールの速度の変化を表したものである。57/300 秒がインパクトの瞬間を表している。この試技で、インパクト以 前のバットの最高速度は57/300 秒に、3500[cm/sec]、ボールの 最高速度はインパクト後の64/300 秒に、2500[cm/sec]に達して いた。バットの先端の速度よりボールの最高速度のほうが下回っ ておりボールに上手く力の伝達が行われていないことが分かる。 図 2 は被験者 A のバッティング動作の打ち始めから打ち終わ りまでのスティックピクチャーである。図2-1 が真上からの動作 を表し、図2-2 は真横から、図 2-3 は真後ろからを表している。 どれも20/300 秒ごとの状態(フェーズ)を時間の経過に従って 右に列挙したものである。図2-2 の 4 フェーズ目では左の肘が体 幹部よりも離れてスイングしており、力の伝達がうまく行われて いないことが分かる。 図3 は被験者 A のバッティング動作における打球方向とスイ ングの終わりを表している。図から分かるように、バットの先端 が一度ボールよりも下側を通過し、ボールの上半分をミートして いるため、ゴロになっていることが分かる 4.考察 バッティングの動作では 一般的にインサイドアウト でスイングすることが力を 効率よく伝えていくために は良いとされている。インサ イドアウトとは肘から手首までが体幹部に近い部分を通過する。 したがって、インパクトの瞬間までは肘は伸びきらずに、腕およ びバットが体に巻きついたようなスイングになる。インサインド アウトでスイングする利点としては肘を曲げているのでインパ クト後も押し込むことができ力強い打球を打てる点だ。もう一つ の利点としては、肘がインパクトの瞬間まで伸びきらないので、 どのコースへも対応できることだ。このことからインサイドアウ トのスイングができるとことは、力の伝達といった点からも良い とされる。また投球コース、カウント、球種、試合の状況に応じ たバッティングといった点からも良いと考えられる。 それらのことから被験者A の図 2 の 1~3 フェーズ目まで両肘 が体幹部に近いところを通過しインサイドアウトできているよ うに見える。しかし、図2-2 の 4 フェーズ目は左肘が体幹部分か ら離れていることが分かる。そのため、図1の57/300 秒にバッ トの先端部分は最高速度に達しているが、その力がボールにうま く伝わらず、64/300 秒でボールの速度が 2500[cm/sec]に留まっ てしまったと考えられる。また図1 の左グリップの速度がインパ クトの57/300 秒の瞬間から低下傾向にあり、インパクトの瞬間 から左手の押し込みが弱いと考えられる。左手の押し込みが弱い 分、右手のグリップで押し込もうという力が働き、一般的に言わ れる手首が返るという打撃動作になったのだと思われる。手首が 返ることにより前に押し出す力、すなわちボールの推進力が低下 することにつながる。 また図 3 ではバットが一度ボールの下側を通りボールの上半 分を捉えていることが分かる。その結果ゴロになったと考えられ る。スイングの軌道に対してボールの軌道が異なっている点もス イングの力をうまくボールに伝えられていないと考えられる。ス イングの力を効率よくボールに伝える場合、ボールの下半分を捉 えることが理想とされている。一般的にボールの下半分を捉えボ ールにバックスピンの回転をかけることが良いとされる。バック スピンをかけることにより揚力がうまれる。しかしながらこの揚 力は上に上がろうとする力で前に飛ぶ推進力にはならない。ボー ルの下半分を捉えバックスピンをかけることはボールの芯とバ ットの芯を外すということにもつながり、推進力を低下させてし まうということにもつながる。 被験者A はインサイドアウトがうまくできていない点や、ボー ルの捉え方から、打率が上がらない傾向にあると予測される。飛 距離を重視するだけではなくインパクトまでのバットの出し方 や、ボールを捉える正確性などを高めていくことが今後課題にな ると考える。

情報学研究室

指導教員 林 忠男准教授

学籍番号

12A0122

学生氏名 木村 愼平

3次元解析による打撃フォームの分析

(5)

日本体育大学 卒業抄録

1. はじめに 野球競技の打撃は、一流の選手でも全打席ヒットを打つことは 出来ない。打撃動作は十人十色であり、全く同じ打撃動作の選 手は存在しない。しかし、一流の選手の打撃動作には共通する ポイントがみられることが一般的に知られている。そこで、自 身の打撃動作の分析を行い、一流の選手に共通するポイントと 比較し、自身の打撃パフォーマンスの向上と、今後の指導に役 立てることを目的とする。 2.方 打者方向に対して前後および右側5〜10m の距離から複数 のハイスピードカメラにより試技を同時に撮影し、自身の撮影 された全打撃の画像をコンピューターに読み込み、その中の1 試技の撮影画像について分析を行った。関節ポイントを中心に、 全身23ポイントおよびバットの先端、ボールのデジタイジン グ(画像上の座標点)を行い、2次元データを作成した後、X、 Y、Z 軸のキャリブレーションデータと合わせ、各ポイントの3 次元データを作成した。さらに3次元データから、ポイント速 度およびボール速度データを作成し、分析を行った。 3.結 果 図1は自身の打撃動作における左肩、左肘、左グリップ、バ ットの先端、ボールの速度の変化を表したものである。61フ ェーズ目(61/300秒)がインパクトの瞬間を表している。 この試技で、インパクト以前のバットの先端の最高速度は54 フェーズ目(54/300秒)に、3674[cm/sec]であること に対し、ボールの最高速度は81フェーズ目(81/300秒) に、2999[cm/sec]であった。ボールの最高速度がバットの先 端の最高速度を下回っていることから、力の伝達が上手く行わ れていないことがわかる。 図2は自身の打撃動作におけるトップの位置からフォロースル ーまでの一連の動きを上(図 2-1)、後ろ(図 2-2)、横(2- 3)方向から スティックピクチャーで表したものである。上(図 2-1)、後ろ(図 2-2)では、グリップの位置が身体からやや離れていることがわか る。横(2- 3)では、上半身と下半身の動きが連動していないこと がわかる。 図3は自身の打撃動作におけるフォロースルーのスティックピ クチャーを3Dにしたものとボールの軌道を表したものである。 フォロースルーが大きく行えている。しかし、ボールの軌道が ゴロまたは、低 い弾道を表し ている。 4.

バットの先端の速度 がインパクト時の前に 最高速度に達しており、 インパクト時には減速 しているのが図1から読み取れる。そのためにボールへの力の 伝達がうまくできておらず、ボールの最高速度がバットの先端 の最高速度より劣っている。ボールへバットの速度(力)を伝 えるためには、バットの最高速度時にインパクトをむかえるの が理想的であると考える。そのため、バットの速度(力)がボ ールへ伝わらず、ボールの 最高速度がバットの先端の 最高速度より劣っていると 考えられる。 図2-1および図2-2のステ ィックピクチャーからは、 グリップの位置が身体から やや離れていることがわかる。脇を締めてグリップが身体に巻 き付くようにバットを振り、フォロースルーを反対方向(右打 者ならライト方向、左打者ならレフト方向)に押し出すように 振るスイング(インサイドアウト)が理想的である。しかし、 図2-1、図2-2ではグリップが身体から離れていてインサイドアウ トができていないことがわかる。これは、脇を締めきれずイン パクトまで進んでしまうことが原因だと考えられる。図2- 3では、 上半身が回旋運動を始めているのに対して、下半身は動いてい ないことが図2−3から読み取れる。これは、下半身の回旋運動 の力が伝わっておらず、上半身の力だけで打撃していることに なる。そのため、ボールへの力の伝達がうまくできず、ボール の最高速度がバットの先端の最高速度の到達していないと思わ れる。 図3におけるフォロースルーとボールの軌道では、フォロー スルーは大きく行えているため良い点だと考えられる。しかし、 ボールの軌道が下方向に向かっており、バットがボールの上を 捉えていると考えられる。理由としては、インパクト時以前に 力を入れすぎており、バットコントロールに影響が出てしまっ たことと、身体の回旋運動が早く、しっかりとボールを見てい なかったためではないかと考える。上体を正面ではなくボール を捉える方向に向け、インパクト時に力を入れることができれ ば、ボールの軌道を上げ良い結果を得ることができるのではな いかと考える。

情報学研究室

指導教員 林 忠男准教授

学籍番号 12A0145 学生氏名 近藤 貴弘

野球競技の打撃動作における分析

〜理想の打撃動作のために〜

(6)

1.はじめに 野球、サッカーをはじめとするボール競技において、パフォー マンスを評価する上でボール速度は、良い指標の一つとなりゆる ことは容易に想像がつく。ピッチャーが投げる球が速ければ、バ ッターが球をとらえることは困難になり、サッカーのシュートが 速ければ、ゴールキーパーがセーブする可能性が低くなる。した がって、ボールの速度を測定することは、競技者のパフォーマン スを評価する上で重要な一要因であると考えられる。近年パーソ ナルコンピュータおよび電子機器の普及によりボール速度の検 出や処理が容易になりつつある。また、デジタル映像機器の進歩 によりコンピュータ上の、画像データからボール位置座標を検出 し、速度をはじめとする様々なデータを導き出すことが可能にな ってきた。バドミントン競技においてはスマッシュのシャトル初 速は400km/h と非常に高い上に、ラケットからシャトルが放出 された直後から速度の二乗に比例した空気抵抗を受け減速が生 じる。そのため他競技のボール測定装置を用いてもスマッシュの シャトル速度を測定することは極めて困難であり、主に撮影画像 から3次元DLT 法を用いて速度を測定する方法がとられてきた。 本研究は、バドミントン競技におけるスマッシュパフォーマンス を容易に評価するため、シャトルおよびラケット速度を測定する システムを考察することを目的とする。 2.方 法 −1.スピードガンによる測定 スピード測定の基本原理は「ドップラーの原理」を利用し ている。マイクロ波(短い波長)の電波を対象物に向かって 当て、動く物体から反射した電波の周波数は反射した電波の 周波数と早さ、方向に応じ て異なること(ドップラー の原理)を利用し、対象物 の速度を算出している。現 在では自動車の速度計測に とどまらず、野球を始め多 くのスポーツ、災害防止の ための多くの実験などに利用されている。スピードガン: D&M 社製:PR1000:ポケットレーダー(図5:測定可能速 度11km/h〜600km/h)、被験者:大学生バドミントン男子選 手2名、試技:約3.0m 高にテグスでつり下げられたシャトル を20 球ずつスマッシュし上記スピードガン:PR1000 によっ て速度測定をおこなう −2.加速度センサーによるラケットスイングの測定 加速度センサーを用いた テニス用ラケットスイング 測定装置をバドミントンラ ケットのグリップ部に固定 しバドミントンラケットス イング速度を計測する。 Sony 社製テニスラケットスイング測定装置:Smart Tennis Sensor、被験者:大学生バドミントン男子選手2名 (TM, IN)+一般大学生(UY:バドミントン未経験者)+ 一般バドミントン愛好者(HT)、試技:各被験者ごとにネッ ト反対側からあげられたトスに対して10 本のスマッシュシ ョットをおこないスイング速度を測定する。 3.結 果 図5のD&M 社製スピードガン:PR1000 ポケットレーダーは 左図のフラット面から電磁波を照射し直後の反射波を受光する。 照射波と反射波の周波数差から対象物の速度を計算するもので ある。計算結果は右図のモニタ部に表示される。PR1000 の測定 可能範囲は11km/h〜600km/hでありバドミントンスマッシュの 最大初速といわれている450km/h も測定可能範囲であることか ら測定を試みた。被験者である大学生バドミントン男子選手はい ずれも画像を用いた3 次元 DLT 法による測定では 300km/h 前後 を値を示した。しかしながらPR1000 を用いた 20 球の測定では いずれの場合も50km/h〜188km/h の値で非常にばらついた。図 3はSONY 製スイング測定システム:Smart Tennis Sensor を バドミントンラケットに装着した写真である。ラケットグリップ エンドに半球型のセンサーを装着し Bluetooth を用いてタブレ ット端末にデータ処理結果を表示している写真である。表1は本 装置によりスマッシュショットを測定した結果である。単位はい ずれもkm/h である。TM 選手は測定表示が 0km/h と表示される ことが多かったため力を抜いたショットをおこなった結果であ る。 4.考 察 スピードガンによる測定では、インパクトの瞬間にタイムリー にマイクロ波を当てる必要があった為、測定としては、非常に困 難であった。一方、加速度センサーによる測定では、何度か 0km/h と表示された。考えられる理由としては、スイングスピードが 200km/h 以上を超えたためだと思われる。テニスでのスイングス ピードはプロの選手でも、200km/h を超えることは稀な為、Smart Tennis Sensor では 200km/h 以上の測定が出来ない事が考えられ る。そのため TM 選手は、力を抜いての測定となった。一方、 200km/h 以下の測定は精度よく行えたことから女子大学エリート バドミントン選手のようにほとんどが 200km/h 以下の選手にお いては日常的に測定出来ると考えられ、パフォーマンスの向上に 役立てられるツールと考えられる。

情報学研究室

指導教員 林 忠男准教授

学籍番号

12A0204

学生氏名 棚原 元希

バドミントン競技におけるスマッシュパフォーマンスの研究

(7)

日本体育大学 卒業抄録

はじめに 野球競技の打撃は、一流の選手でも全打席ヒットを打つことは 出来ない。打撃動作は十人十色であり、全く同じ打撃動作の選手 は存在しない。また打撃動作は、状況によってホームランを打と うと考えている場合や、ゴロを打とうと考えている場合で、最善 と思われる動作が異なる。また、球種や投球コース、カウント、 前打者の状況からも打撃動作は異なる。しかし、一流の選手の打 撃動作には共通する打撃動作のポイントがみられることが一般 的に知られている。そこで、本研究での打撃動作の分析を行い、 その打撃動作のポイントと比較し、自身の打撃パフォーマンスの 向上と、今後の社会人として役立てることを目的とする。 方 法 ティーバッティング動作をハイスピードカメラにより撮影し、 コンピュータに取り込んだ後、3 次元 DLT 法を用いて全身およ びバット、ボールの3次元座標を構築しバッティング動作を解析 する。撮影日時は平成27年10月21日、場所は日本体育大学 ブルペン練習場、被験者は本人および6名の大学生野球部試技は 被験者ごとに2〜3回のティーバッティング撮影は打者方向に 対して前後および右側5〜10m の距離から複数のハイスピー ドカメラにより、各試技を同時に撮影分析は自身の撮影された全 打撃の画像をコンピュータに読み込み、その中の1試技の撮影画 像について分析を行った。関節ポイントを中心に、全身23ポイ ントおよびバットの先端、ボールのデジタイジング(画像上の座 標点)を行い、2次元データを作成した後、X、Y、Z 軸のキャ リブレーションデータと合わせ、各ポイントの3次元データを作 成した。さらに3次元データから、ポイント速度およびボール速 度データを作成し、スイングスピードおよび効率よく力を伝えて いるかについて分析を行った

結 果 図1は自身のバッティング動作の打ち初めから打ち終わ りまでのスティックピクチャーである。図1-1が上面図を表し 図1-2が側面図を表し、図1-3は背面図を表している。どれ も20/300 秒毎の状態(フ

ーズ)を時間の経過に従って右に 列挙したものである。 図2は自身のバッティング動作における打球方向とスイン グの終わりを表している。図から分かるように右肩が下がり左腰 は上がっているのが見て取れる。 図3はバッティング動作における身体の各関節(右肩、左腰、 左肘)およびバットのスイングスピード、ボールの速度変化を表 し て い る 。 こ の 試 技 で バ ッ ト の 最 高 速 度 が 57/300 秒 に 4500cm/sec で あ る の に 対し て ボ ール を 打 つイ ン パ ク ト 時 (60/300 秒)に 2500cm/sec になっていることが読みととれる。 考 察 今回の研究から、自身のバッティング動作はボールに対して力 を上手く伝えきれてないことが分かる。また自身のスイングスピ ー ド が 最 高 速 度 の 時 に ボ ー ル に 当 た っ て な い こ と が 分 かった。 自 身 の 理 想 と す る ス イ ン グは自身の体の近くでボールを捉え、効率よく力を伝えることの できるインサイドアウトを利用しスイングスピードを速める為 のひねりを生み出すための左下半身の内転筋を締め、また自身の ポイントで打つための地面に対して平行に回る腰などが体幹を 通して連動性によって力を発揮するものである。今回の分析結果 から自身の理想とするバッティング動作とは遠い結果が出てい ることが確認できた。 自身はもう野球とは離れバッティングを行う機会が減るだろ う。しかしこれから社会人となり会社での仕事を行う上で理想と する結果を求めていくことは変わらないのでこれからも分析し、 理想を求めていければよいのではないのだろうか。

情報学研究室

指導教員 林 忠男准教授

学籍番号

12A0216

学生氏名 辻 啓佑

野球競技におけるバッティング動作の映像分析

DLT 法を用いた3次元解析〜

(8)

1.はじめに

野球競技の打撃は、一流の選手でも全打席ヒットを

打つことは出来ない。打撃動作は十人十色であり、全く

同じ打撃動作の選手は存在しない。また打撃動作は、状

況によってホームランを打とうと考えている場合や、ゴ

ロを打とうと考えている場合で、最善と思われる動作が

異なる。また、球種や投球コース、カウント、前打者の

状況からも打撃動作は異なる。しかし、一流の選手には

共通する打撃動作のポイントがみられることが一般的

に知られている。そこで、自身の打撃動作の分析を行い、

一流選手に共通するポイントと比較し、自身の打撃パフ

ォーマンスの向上と、今後の指導に役立てることを目的

とする。

.方法

バッティング動作を複数台のハイスピードカメラに

より撮影し3次元

DLT 法を用いて3次元動作分析を行

い、自身の撮影された全打撃の画像をコンピューターに

読み込み、その中の1試技の撮影画像について分析を行

った。関節ポイントを中心に、全身23ポイントおよび

バットの先端、ボールのデジタイジング(画像上の座標

点)を行い、2次元データを作成した後、

X、Y、Z 軸

のキャリブレーションデータと合わせ、各ポイントの3

次元データを作成した。さらに3次元データからポイン

ト速度およびボール速度データを作成し、スイングスピ

ード、下半身と上半身の動き、フォロースルーと打球方

向について比較した。

.結果

図1は自身の打撃動作における左肩、左肘、左グリ

ップ、バットの先端、ボールの速度の変化を表したグラ

フである。60フェーズ目(60

/300秒)がインパ

クトの瞬間を表している。この試技で、インパクト以前

のバットの最高速度は49フェーズ目(49

/300秒)

に約3500㎝

/秒、ボールの最高速度はインパクト後

の71フェーズ目(71

/300秒)に、約3000㎝/

秒に達していた。バットの先端の速度がボールの最高速

度を上回っている。また、インパクトの直前に最高速度

に達しており、インパクト時は最高速度より減速してい

ることがわかる。

図2は自身の打撃動作におけるトップの位置からフ

ォロースルーまでの一連の動きを上(図2-1)、後ろ

(図2-2)

、横(図2-3)方向からのスティックピ

クチャーで表したものである。横(図2-3)方向から

のスティックピクチャーにおいて下半身の動きよりや

や上半身の動きのほうが早く動き出していることがわ

かる。また、左ひじで引く動作が先に始まっている。後

ろ(図2-2)方向また上(図2−1)方向からのステ

ィックピクチャーではグリップの位置が身体からやや

離れているのがわかる。

図3は自身の打撃動作におけるフォロースルーの3

D スティッククピクチャーとボールの軌道を表したも

のである。フォロースルーが大きく行えている。しかし、

ボールの軌道がゴロまたは、低い弾道になっている。

.考察

図1におい

てバット先端

がインパクト

前に最高速度

に到達しイン

パクト時には

やや減速して

いる。またボ

ール速度がバット先端の最高速度より劣っていること

がわかる。これらのことから、バットの速度(力)がボ

ールにうまく伝わっていないと考えられる。

図2のスティックピクチャーにおいて下半身の動作

より手の動きがやや

早く動き出している、

そのため、下半身か

らの回旋の力が上半

身に伝わっていない。

また、身体とバット

が遠いため体重(重

心)移動は出来てい

ても回旋運動の力が

伝わりにくのではないかと考えられる。また、打撃の動

作として重要となってくるのが体重(重心)移動と回旋

運動の組み合わせである。自身の打撃動作では体重(重

心)移動はうまくできている。しかし、回旋運動の力が

うまく伝わっていないのではないかと考えられる。また

バットが身体から遠いというのは、ボールを捉えるポイ

ント(インパクト)が身体に離れているためだと考えら

れる。

図3のフォロースルーと

ボールの軌道において、フォ

ロースルーは大きく行えて

いるため良い点だと考えら

れるが、ボールの軌道が下方

向に向かっているため、バッ

トがボールの上を捉えてい

ると考えられる。理由としてボールを捉える(インパク

ト)時以前に力を入れてしまいバットコントロールに影

響が出たのではないかと考えられる。

情報学研究室

指導教員 林 忠男准教授

学籍番号

12A0251

学生氏名 野口 真

打撃動作の三次元分析

〜パフォーマンス向上のために〜

(9)

日本体育大学 卒業抄録

はじめに

自転車を用いる競技として、一周

250〜500m の競技場

走路を周回するトラック競技をはじめ、一般道路を走るロ

ードレース、山道を走るマウンテンバイク、ランニングお

よびスイミングとロードレースを連続しておこなうトラ

イアスロン競技などが挙げられる。このうちロードレース

とトライアスロンはロードバイクと言われる競技用自転

車を用いてタイムや順位を競う競技である。特徴としてペ

ダルの回転トルクを変更できるように変速機が付いてお

り様々な勾配の道路でも他の動力無しで容易に移動でき

るようなバイク本体構造となっている。

またロードバイクのハンドルはドロップハンドル

(図1)と

言われる

S 字型の独特な形状をしており競技者が姿勢を

容易に変えられる。これによりペダルにかかる負荷の変化

に 対 し て よ り 大 き

な力を発揮したり、

身 体 疲 労 度 あ る い

は 身 体 が 受 け る 空

気 抵 抗 に 応 じ て 空

気 抵 抗 や 疲 労 の 軽

減 を 可 能 に し て い

る。

目的

ロードバイク競技におけるハンドリング位置の違いに

よる動作の変化を分析し効果的なペダリング動作を明ら

かにすること。

実験方法

ローラー台と言われるロードバイク練習用の器具を用

いてほとんど定位置でのロードバイク運転動作を図2の

ように

2〜3 台のハイスピードカメラで高速度撮影し、パ

ーソナルコンピュータ

に取り込んだ動画像を

もとに被験者の身体ポ

イント

21 点およびロー

ドバイク上の固定点

6

点、合計

27 点のデジタ

イジングをおこない、

DLT 法を用いて 3 次元

座標を構築し定量分析

をおこなう。

結果

今回の実験で男子ロードレース競技者と女子トライア

スロン競技者では、ペダリ

ングに関する動作ならびに

乗車姿勢(フォーム)に関

して(図

3)も違いがある

ことがわかった。

主な違いとしては、ペダ

リング動作における力の使

い方、力の掛かり方や掛ける

方向の違いであり、これは各

競技における特性を考え、ア

タックなどのスピードの変

化が多くあるロードレース

とペースを維持しながら走

行することの多いトライア

スロン競技における、競技内

容の違いによって生まれており、フォームに関してもロー

ドレース競技者がサドルの後方に重心を置くのに対して、

トライアスロン競技者はサドルの前方に重心を置く傾向

があることもわかった。

考察

ペダリング動作に関しては、急激なスピード変化が多い

ロードレースではペダルを上死点から下死点まで踏み降

ろすような漕ぎ方となっており、その後は下死点まで来た

ペダルを引き上げる動作で大きな円を描くようなペダリ

ングを行っている。これは急な動作を行いそれに伴った筋

肉の疲労を被ってでも、瞬間的にパワーを生み出せるよう

なペダリングと言える。集団での走行が基本であり、アタ

ックなどの突然のペースアップなど、周りに速度域を合わ

せる場面が多いロードレースではこのような行為が必要

な場面が多くあるため、そうなるのかと思われる。しかし

ながら、トライアスロン競技では急激なスピード変化が少

なく、ペースを維持しながらの走行が多いため、瞬間的に

パワーを生み出す場面はあまりない。そのため、ロードレ

ース競技者とは違い、ペダルを上死点から下死点手前まで

前に蹴り飛ばすようなペダリングを行っており、パワーを

長時間持続するため、またその後のランニング競技への影

響を少なくするためでもあると思える。

乗車姿勢(フォーム)に関しては、ロードレース競技者

がサドルの後方に重心を置き、体感を安定させ、ペダリン

グ動作をスムーズに行うことを重視した結果であると考

えられ、また、トライアスロン競技者は前方に重心を置く

傾向があり、これはペース走で重要な平均スピードを上げ

る行為に多く関わってくる空気抵抗を減らすため、前傾姿

勢を取りやすくするためであると思われる。

情報学研究室

指導教員 林 忠男准教授

学籍番号

12A0343

学生氏名 山﨑

新太郎

男子ロードレース競技者の三次元動作分析

図1.ドロップハンドル形状

上部ハンドリング位 置 下部ハンドリング位置

(10)

はじめに

自転車を用いる競技として、一周

250〜500m の競技場

走路を周回するトラック競技をはじめ、一般道路を走るロ

ードレース、山道を走るマウンテンバイク、ランニングお

よびスイミングとロードレースを連続しておこなうトラ

イアスロン競技などが挙げられる。このうちロードレース

とトライアスロンはロードバイクと言われる競技用自転

車を用いてタイムや順位を競う競技である。特徴としてペ

ダルの回転トルクを変更できるように変速機が付いてお

り様々な勾配の道路でも他の動力無しで容易に移動でき

るようなバイク本体構造となっている。

またロードバイクのハンドルはドロップハンドル

(図1)と

言われる

S 字型の独特な形状をしており競技者が姿勢を

容易に変えられる。これによりペダルにかかる負荷の変化

に対してより大きな

力を発揮したり、身

体疲労度あるいは身

体が受ける空気抵抗

に応じて空気抵抗や

疲労の軽減を可能に

している。

目的

ロードバイク競技におけるハンドリング位置の違いに

よる動作の変化を分析し効果的なペダリング動作を明ら

かにすること。

実験方法

ローラー台と言われるロードバイク練習用の器具を用

いてほとんど定位置でのロードバイク運転動作を図2の

ように

2〜3 台のハイス

ピードカメラで高速度

撮影し、パーソナルコン

ピュータに取り込んだ

動画像をもとに被験者

の身体ポイント

21 点お

よびロードバイク上の

固定点

6 点、合計 27 点のデジタイジングをおこない、DLT

法を用いて

3 次元座標を構築し定量分析をおこなう。

結果および考察

図3は男子トライアスリートにおける体感負荷

50%ペ

ダリングと体感負荷

80%ペダリングの全身スティックピ

クチャーとバイクフォームおよびペダリング軌跡を示し

ている。

骨盤の動きは、ペダリングのスピードが速ければ上下

に大きく前後に小さい直線的な動きになり、ペダリングが

遅ければ上下に小さく前後に大きい曲線的な動きになる

と考えられるが、図3の男子トライアスリートでは曲線的

な動きになっていた。このことから男子トライアスリート

はペダリングのパワー伝達のロスに繋がってしまってい

る可能性が高い。

自転車競技選手は、どれだけ速く、自転車を走らせるか

で勝負が決まる。故に一踏みのパワーが大きい。だから踏

み込み時間が少なくても十分にパワーを伝達出来る。トラ

イアスロン選手は、バイク後にランニングが控えているた

め大きいパワーを使いたくないのと、なるべく少ないパワ

ーで進みたいので少ないエネルギーで自転車を進ませる

為にパワーを加える時間が当然長くなる。

今回、初めて自転車競技選手とトライアスロン選手の違

いを動作分析してわかった事は、上半身のブレはお互い変

わらずであったが、ペダリングには競技の特性がそのまま

出ていたと考えられる。

情報学研究室

指導教員 林 忠男准教授

学籍番号

12A0377

学生氏名 阿部 嵩大

トライアスロン競技におけるバイクパートの動作分析

〜大学生エリートアスリートの強度別三次元分析〜

図1.ドロップハンドル形状

上部ハンドリング位 置 下部ハンドリング位置

(11)

ゴルフ初心者におけるスイング動作解析

情報学研究室

指導教員 林 忠男准教授

12A0379 4 年 A21 組 荒川 弘樹

1.はじめに

ゴルフ初心者の多くの人が、打球がスライスしてしま

うようだ。打球を真っ直ぐに飛ばせるようになることで

ボールを思い通りにコントロール出来るようになり、技

術向上・スコア向上に繋がると考えた。

したがって本研究では、ゴルフ初心者におけるスウィ

ング動作解析を行い、打球を真っ直ぐに飛ばす為にはど

うしたら良いかを明らかにすることを目的とする。

2.研究の方法

日時:10月8日午前10時

場所:日本体育大学健志台キャンパスゴルフ練習場

被験者:

H.A ゴルフ歴なし

スウィングの軌跡、ボールの軌跡、全身の動きを解析

し、現在の自らのスウィングの分析をする。

W(ドライバー)を使用してスウィングをし、ハイ

スピードカメラ3台を使い、前方向と右方向と後方向の

3方向から300コマ/秒で撮影する。映像をコンピュ

ーターに取り込み、ムービーファイルから身体関節点2

1ポイント及びグリップ、1

W 先端、ボールの計25ポ

イントをデジタイジングし、三次元座標を構築する。

3.結果と考察

図1はスウィング動作におけるゴルフクラブヘッドと

ボールの軌跡の上面図である。スウィングの軌跡とボー

ルの軌跡が一直線になっている。そして、ボールが打ち

出しから右に飛び出していることが分かる。これはスウ

ィングがインサイドアウトになっているか、オープンフ

ェースになっているかのどちらかである。図

1 でスウィ

ングの軌跡を確認してみると、インサイドアウトではな

くインサイドインになっていることが分かる。スウィン

グの軌跡によって打球が右に飛んでいるという訳ではな

いので、オープンフェースになっていると考えられる。

次に図

2 を見てみよう。図 2 は横方向のスウィング全

体をコマ送りにしたものである。インパクト時のスウィ

ングを見てみると上半身が開きすぎてしまい、ヘッドが

遅れていることが分かる。つまり、オープンフェースに

なっている。打球を真っ直ぐに飛ばすにはヘッドを走ら

せ、インパクトの瞬間にスクエアフェースでボールを打

ち出す必要がある。

現在のスウィングでの打球では、ボールが打ち出しか

ら右へ飛び出し、さらにオープンフェースで打っている

ことからボールにスライス回転がかかっていると考えら

れる。これは最も良くない打球である。

4.これからの課題

このままでは打ち出しから右へ飛び出し、右に曲がって

いく打球になるため

OB の打球になる確率がかなり高い。

改善するためにはヘッドを走らせ、インパクトの瞬間が

スクエアフェースにする必要がある。

ヘッドを走らせるためには、➀インパクトの瞬間まで

ボールを見て、上半身が開かないよう左脚で踏ん張るこ

とで、上半身が早く開かないようにする。➁手首の角度

をアドレス時からスクエアフェースにする。リストコッ

クが、手首を横方向に折ってしまうとフェースの向きが

変わってしまうので、縦方向に動かす。以上2点を踏ま

え、練習することで打球を真っ直ぐに飛ばせるようにす

る。

図1

図2

(12)

1. はじめに ゴルフという競技は、コースにおいてクラブといわれるスティ ック状の道具で静止したボールを打ち、ホールと呼ばれる直径 108mm の穴にいかに少ない打数でボールを入れられるかを競う 球技の一種であり、老若男女問わずプレーすることができる生涯 スポーツの一つである。しかし、メジャーなスポーツでありなが ら実際にゴルフに触れたことがある人は少ない。 本研究では、ゴルフ経験者と未経験者のティーショットにおけ る動作分析を行うことにより、未経験者への改善点を考察するこ とによって技術向上に繋げることを目的とする。 2. 研究の方法 経験者A および未経験者 B の1W(ドライバー)によるティーシ ョットのスイングをハイスピードカメラ3台を用い、正面、右側 面、背面の3方向から300 コマ/秒で撮影し、コンピューター上 で分析する。 被験者A:日本体育大学 1 年 ゴルフ部所属 ゴルフ歴6 年 月平均ラウンド数 8 回 被験者B:日本体育大学4年 アクアスポーツ研究会所属 ゴル フ歴0 年 場所:日本体育大学 健志台キャンパス ゴルフ練習場 分析方法:ムービーファイルから身体関節点21 ポイントおよび クラブの先端(リーディングエッジ)、グリップ、ボールをデジタ イジングし、3 次元座標を構築するとともに、左肩、左肘、左グ リップ、クラブヘッド、ボールの速度グラフを作成する。 3. 結果 図3 は被験者 A のゴルフスイングの 2D スティックピクチャー であり、【右側面】から体軸が左右にずれることなくスイングが コンパクトにまとまっていることがわかる。 図4 は、被験者 B のゴルフスイングの 2D スティックピクチ ャーであり、【右側面】において重心が右足から左足へと大きく 移動しており、体軸が左右に移動していることや、インパクト 時に腰が入っておらず腕打ちになってしまっていることがわか る。 4. 考察 被験者A のようなしっかりとしたティーショットを行うため にはどのようなポイントが必要かを考察していく。スイング時 は被験者A のように体軸を左右に動かすことなく、インパクト直 前にダウンスイングとともに腰が入りインパクトさせることで 力が伝わり、速度や飛距離に繋がる。(図 3.⑤) そして、左肩の 開くタイミングが重要である。被験者A は左肩をインパクト直前 に開いていくことにより、腕ではなく全身でスイングできていて、 クラブに力が乗り速度がでるほか最下点範囲が広くなりボール にミートしている。逆にインパクト後に左肩を開いている被験者 B は腕打ちになりクラブ速度が出ておらず、最下点範囲が狭くな っているためミートすることなくボール上部をこすり、トップ現 象を起こしているのである。(図 3.④〜⑥) 被験者A のスイングはコンパクトにまとまっている。それに 比べ被験者B は、飛ばすことを意識しすぎて体を大きく全力で動 かしているため結果的にインパクトがずれてしまっている。これ はメンタル面とも深く関係しており、経験者である被験者 A は 『落ち着いて、迷うことなく気持ちよく振ることだけを心掛けて いる。』と話しており、遠くに飛ばすことを考えると力んでしま うため、クラブを良いポイントでボールの中心に当てることだけ を意識することが大切なのである。フォームに関しても気持ちが 関与しているための結果であると思われる。 5. 結論 考察から、体軸左右にぶれることがないよう重心を固定しスイ ングすること、左肩を開きながらインパクトさせること、腕では なく全身でスイングを行う ことの3 つのポイントをテ ィーショット時に取り入れ ることにより最下点範囲、 インパクトポイント、クラ ブの軌跡・速度が改善され コンパクトで無駄のないフ ォームになるだろう。被験 者B のような未経験者に指 導する場合には、上記のポ イントを意識するほか、ボ ールを飛ばす意識からフォ ームを意識させることによ り技術向上に繋がる。

情報学研究室

指導教員 林 忠男准教授

学籍番号

12A0389

学生氏名 石﨑

竜星

ゴルフ競技のティーショットにおける動作分析

~経験者と未経験者の比較・考察~

(13)

日本体育大学 卒業抄録

はじめに ゴルフ競技において初心者が陥る失敗の一つにトップ現象が あるトップ現象とはクラブのリーディングエッジがゴルフボー ルの中心を軸とした地面との平行線よりも上部でインパクトし、 地面に接したのちその弾性により前方に飛んでいくか、前方に転 がる場合とのことを言う。本研究では、被験者A(未経験者)の ゴルフ競技のドライバーショットにおけるトップ現象の動作分 析を行い、そのメカニズムおよび原因を明らかにし、トップ現象 の改善について考察することを目的とする。 研究の方法 ゴルフ未経験者の 1w(ドライバー)によるスイングをハイス ピードカメラ3 台を使用し【正面】【右側面】【背面】の 3 方向か ら撮影し、コンピュータ上で分析する。 日時 :2015 年 10 月 8 日 12:00 場所 :日本体育大学 健志台キャンパス ゴルフ練習場 被験者A:日本体育大学 4 年 ゴルフ歴 0 年未経験者 分析 :ムービーファイルから身体関節点21 ポイントおよび クラブの先端(リーディングエッジ)、グリップ、ボ ールをデジタイジングし、3 次元座標を構築するとと もに、速度グラの作成ならびに、左右肩、左右腰の傾 きのグラフを作成する。 結果 図 1 のクラブヘッドの 軌跡とボールの軌跡の接 点から主に見られるのは、 停止いているボールの上 部をクラブヘッドが通過 し、その後下方向に飛ん でいる。典型的なトップ 現象である。 図2 は、被験者 A はイ ンパクト時に打球の進行 方向を向いておらずしっ かりとインパクトまで線 はボールにある。 図 3 は、【右側面】【背 面】において膝の伸展は みられない。以上の点か ら被験者A のトップ現象 は一般的な原因によるも のではないと言える。 考察 被験者A のトップ現象について他の観点から考察していく。結 果としてトップ現象が起きていることは図 1 のクラブのヘッド の軌跡とボールの軌跡の接点から明らかである。まず図4 の速度 表のクラブのヘッドの速度とボールの速度に着目してみるとイ ンパクトの前にヘッドが最高速をむかえていることがわかる。振 り子の原理によりクラブのヘッドは一番下で最高速になるこの ことから、最下位置でインパクトしてないと仮定される。この仮 定をふまえて図 1 を見てみると若干ではあるが最下位置を過ぎ てインパクトしていることがみてとれる。このことからインパク トの瞬間、ゴルフボールの中心に対して下から上に向かってイン パクトしているといえる。この場合クラブのヘッドがボールの下 部をとらえなければトップ現象が起きてしまうがボールは地表 近くにあるためボールの下部をとらえることは容易ではない。 以上のことからクラ ブのヘッドが最下位 置を過ぎてインパク トしていることが被 験者A のトップ現象 の原因の一つである。 次に、クラブのヘッドが描く弧に着目すると図1 のクラブのヘ ッドの軌跡はインパクトまでは奇麗な弧を描いているがインパ クトの少し前から急な弧に変化していることがわかる。これは、 インパクトの少し前から弧の半径が小さくなっているか、弧の中 心が変わっていると仮定される。この仮定をふまえて図3【右側 面】を見てみると①から②かけては肩、③から⑥にかけては肘に 弧の中心が変化していることに加え、インパクトの際に平行にな ることが望ましいとされる肩と腰が③から⑤にかけて大きく動 いてしまっていることも見て取れる。図5 の左右肩、左右腰の傾 きのグラフからもインパクト前に肩腰ともに大きく開いてしま っているのが見て取れる。以上のことからインパクト前に肩腰と もに大きく開いてしまっている為にクラブのヘッドの描く弧が インパクトの少し前から急な弧に変化し結果ヘッドの位置が上 がってしまいボールの中心を軸とした地面との平行線よりも上 部 で ボ ー ル と イ ン パ クトしていることが、 被験者 A のトップ現 象の原因である。 結論 被験者A がトップ現象を引き起こした原因は、インパクト前に 肩腰ともに大きく開いてしまっている為にクラブのヘッドの描 く弧がインパクトの少し前から急な弧に変化し結果ヘッドの位 置が上がってしまい最下位置を過ぎてボールの中心を軸とした 地面との平行線よりも上部でボールとインパクトした為である。

情報学研究室

指導教員 林 忠男准教授

学籍番号

12A0394

学生氏名 井上 海輝

ゴルフ競技のドライバーショットにおける

3 次元動作分析

〜被験者 A のトップ現象についての考察〜

(14)

1.はじめに ゴルフの技術は体型、体力、過去の運動経験やゴルフの経験な どによる個人差がある。また、ゴルフ入門書や技術解説書などに もいろいろな特徴がみられる。初心者は、基本的な技術に、より 的確な指導が求められる。そこで本研究は、ゴルフ初心者におけ るスイングの動作解析を行い、メカニズムを明らかにすることに よって、今後の指導に役立たせようとするものである。 2.研究の方法 −1.被験者 日本体育大学4年生 ゴルフ初心者の3名(うち1名を分析) −2.撮影の方法 ドライバーを使用してスイングをし、ハイスピードカメラ3台 を使い前方向と後方、右の3方向から撮影し、うち2台の映像か ら3 次元 DLT 法を用いて3次元分析をおこなう。 −3.分析の方法 今現在のクラブ、ボールの速度、重心の移動、腰と肩のねじれ などの値を求める。映像をコンピューターに取り込み、ムービー ファイルから身体関節点21ポイントおよびグラフ先端、グリッ プ、ボールをデジタイジングし、三次元座標を構築する。 3.結果と考察

図1はトップからフィニッシュまでの身体とクラ

ブの動きを示している。図1において被験者はテイクバ

ック時にしっかりと後方に真直ぐクラブを引いていな

い、またクラブがトップの位置まできていなのが分かっ

た。ゴルフは体を回転させてボールを打つ、そして、そ

のために腕を振るのだが、被験者の場合はダウンスイン

グ時に腕の動き出しが早いため、腕でクラブを振ってボ

ールを打つ、そして、そのために体を一緒に動かすとい

うスイングになってしまっている。初心者の多くはこの

スイングになってしまっているので、結果として、正確

性もパワーも不足し、悪いゴルフ・スイングの典型にな

ってしまう。それと同時に肩も回っていないように見え

る。

さらに被験者の場合、トップ時に極端に右に体重が乗っ

ているように見える。たしかにゴルフでは体重移動を意

識するといったことは耳にするが、体重を右に乗せすぎ

てしまうとスイングの軸を崩してしまう。

図2および図3はスイング時の正面と上方向からの

3次元画像でありクラブヘッド、ボールの軌跡、および

フィニッシュの際の身体の動きが描かれている。上級者

の軌跡を見ると綺麗な円を描いていることが多いが被

験者の場合、インパクト時に軌跡が曲がっているのが分

かる。これはボールを上げようと意識してしまい、すく

い打ちになってしまっていることが原因である。またこ

のような打ち方をしている人の共通点はボールの手前

にクラブヘッドのエッジが入っていくということであ

る。スイングには必ず最下点があり、≪「最下点」とは

スイングしてクラブヘッドが一番下がったところ。≫

本来は最下点の手前にボールを置いて打つのだが、すく

い打ちをする人は最下点の向こうにボールを置いて打

ってしまう。初心者の間違いはボールを右に置くことで

ある。すると最下点も右に寄り、体重が右に残り上手く

フォローが取れない。図の被験者は体重移動がしっかり

と出来ていないのが分かる。

図3において被験者はインサイドアウトでインパク

トを迎えてフォロー時に急にアウト側に持ってこよう

としているのが分かる。スイングの軌道はインサイドイ

ンが基本であり身体が回転運動をしている限り、胸と身

体が同調していればヘッドは自然とインサイドから降

りてきて、インサイドに抜けていく。ボールの軌道を見

るとプッシュアウトしているのが分かる。これはインサ

イドアウトのスイングだからである。インサイドアウト

でインパクトを迎えてフォロー時に急にアウト側に持

ってこようとしているということは、ボールを上に上げ

ようと意識していると考えられる。つまりこの時に肘や

手首に余計な力が加わっているのだろう。

4.結論 被験者の課題としては、まず腰と肩の動きの改善だろう。腕で クラブを持っていくのではなく、腰と肩もしっかりと回転させる ことを意識し、ダウンスイングの際に腰で上半身をもう少し先導 し、頭と右足だけが残るようスイングすることも心掛ける必要が ある。ゴルフでは「左手は飛距離、右手は方向性」なので初心者 に教える際は右手でダウンスイングを行い、肘が体についてから 左背筋でクラブを引っ張るスイングが適正だろう。

情報学研究室

指導教員 林 忠男准教授

学籍番号

12A0406

学生氏名 大橋 凉祐

ゴルフのスイングに関する考察

初心者のスイング動作について

参照

関連したドキュメント

大きな要因として働いていることが見えてくるように思われるので 1はじめに 大江健三郎とテクノロジー

実際, クラス C の多様体については, ここでは 詳細には述べないが, 代数 reduction をはじめ類似のいくつかの方法を 組み合わせてその構造を組織的に研究することができる

これはつまり十進法ではなく、一進法を用いて自然数を表記するということである。とは いえ数が大きくなると見にくくなるので、.. 0, 1,

つの表が報告されているが︑その表題を示すと次のとおりである︒ 森秀雄 ︵北海道大学 ・当時︶によって発表されている ︒そこでは ︑五

は、金沢大学の大滝幸子氏をはじめとする研究グループによって開発され

は、金沢大学の大滝幸子氏をはじめとする研究グループによって開発され

ここで,図 8 において震度 5 強・5 弱について見 ると,ともに被害が生じていないことがわかる.4 章のライフライン被害の項を見ると震度 5

「文字詞」の定義というわけにはゆかないとこ ろがあるわけである。いま,仮りに上記の如く