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セルフメディケーションにおける運動について 理事古屋敏雄 生活者を主体とする病気の予防 治療 健康の維持 増進を図り 保健 医療又は福祉の増進に寄与することを目的として発足した SMAC は その目的を達成するために各種の事業活動を続けております 今回は 来る10 月 21 日 ~22 日に行われる

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「セルフメディケーションにおける運動について」

1. 健康づくり運動の推進

(1)身体活動・運動について

ア、 健康日本21の掲げる目標

イ、 SMAC 活動への提案

(2)アドバイザーとしての役割

ア、 身体活動意識の向上と運動のすすめ

イ、 運動習慣者の増加と運動実施上の留意事項

ウ、 健康寿命を伸ばす

エ、 生活習慣病の予防

2. 運動処方

(1)運動とダイエット

(2)ストレッチ、筋トレ、ウォーキング

ア、 ストレッチ

イ、 筋力トレーニング

ウ、 ウォーキング

3. まとめ

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「セルフメディケーションにおける運動について」 理事 古屋敏雄 生活者を主体とする病気の予防・治療、健康の維持・増進を図り、保健、 医療又は福祉の増進に寄与することを目的として発足したSMAC は、その 目的を達成するために各種の事業活動を続けております。 今回は、来る10月21日∼22日に行われる第4回学会におけるメイン テーマ「セルフメディケーションを科学する」サブタイトルとして「健康意 識の高まりをサポートする」ならびに「メタボリックシンドロームにおける 運動の役割」の仮題のもとに肥満改善に対する運動の重要性、方法などにつ いて提案を行います。その資料として運動について考察してみました。 1. 健康づくり運動の推進 急速な少子高齢化時代を迎え、社会は勿論個人における健康づくりの必 要性はますます高まっております。行政の第三次健康づくりの施策として 「21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)の推進について」 がスタートしております。 がん、心臓病、脳卒中、糖尿病等の生活習慣病やその原因となる生活習慣 の改善等に関する課題を選定し、行政のみならず広く国民の健康づくりを 支援する民団体等の積極的な支援のもとに、国民が主体的に取り組む健康 づくり運動の総合的な推進を図らんとするものであります。 国民の栄養、運動、喫煙面での健全な生活習慣の形成に向け、内臓肥満 型肥満に着目したメタボリックシンドロームの概念の導入によって、国民 や関係者の「予防」の重要性に対する理解を深めることが必要となっており ます。健康づくりの推進のためには、関係者に充分かつ適切な情報の提供と、 対象者の特性やニーズを把握しながらの効果的な健康づくりの推進が必要 であります。 私達SMAC の活動におきましても、各職域団体及び関係者各位が生活 者の立場に立って身体活動と運動の必要性について積極的なアドバイスを 行うことによって健康日本21の達成に寄与することが必要であると思い ますます。 (1)身体活動・運動について ア、 健康日本21の掲げる目標 健康日本21の施策の一つに「身体活動・運動」が示され、日常の 生活における健康づくり意識の向上と運動習慣の達成目標を、成人と 高齢者に分けて次のように示されております。 1.

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成人の目標 1) 意識的に運動を心がけている人の増加を男女とも63%以上 2) 日常生活における歩数の増加 男性 9,200歩以上 女性 8,300歩以上 3) 運動習慣者の増加 男性 39%以上 女性 35%以 高齢者の目標 1) 外出について積極的な態度を持つ人の増加 60歳以上 男女とも70%以上 80歳以上 男女とも56%以上 2) 何らかの地域活動を実施している者の増加 男性 58%以上 女性 50%以上 3) 日常生活における歩数の増加 男性 6、700歩以上 女性 5、900歩以上 イ、SMAC 活動への提案 S M A C の 活 動 分 野 は 広 く 職 域 も 多 い の で す が 、SMAC 関系 者 が 身体活動・運動を推進するために必要と考えられる事項について次の提 案を行います。 1) 関係者が先ず自身の為にも、生活者のためにも身体活動・運 動の必要性を強く認識することが必要であります。 2) 関係者が身体活動・運動に関する基礎知識の修得と身近な運動 の実践を体得して、まず自分自身の健康づくりを行ない、その 結果を踏まえて生活者へのアドバイスを展開することを可能と することが必要であります。 3) アドバイザーとしての役割を可能にする為には、関係者に対し て情報の提供、資料の配布、運動の実践体験等が必要でありま す。 具体的施策については別途検討を行いますが、まずは関係図書 を活用して知識の修得が必要であります。当会監修の図書 「セルフメディケーションで治す未病145」(和田高士編纂) の関係項目内におけるの生活改善ポイント3の活用等が必要で. また、運動実践指導を効果的に行なうためには必要に応じて、 2.

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専門の運動指導者(健康運動指導士、健康運動実践指導者) の活用等も必要であります。 (2)アドバイザーとしての役割 ア、 身体活動意識の向上と運動のすすめ アドバイザーは日頃から日常生活の中で、自分の健康の維持・増 進を図る意識を強くもって生活し機会を求めて運動を実践すること が大切です。 身体活動の手段として多くの運動種目がありますが、まずは身 近な運動としてウォーキングの実践をおすすすめいたします。 ウォーキングは心臓や肺を強くして持久力を上げたり、血液中の 糖や脂肪をエネルギー源として使ったり、体脂肪や内臓脂肪を減 らしたり、筋肉量を維持したり、免疫力を高めたりといった多く の効果が見られる有酸素運動です。 イ、 運動習慣者の増加と運動実施上の留意事項 運動習慣は通常頻度、時間、強度、期間から決められますが、 理想的運動習慣としては、頻度は週2回以上、時間は1日30分以 上、強度は自覚的に息が軽く弾む程度、期間は継続して実施する事 が必要であります。 女性の場合は、女性特有の要因に加え社会的要因がありますの で運動実施に際しては特に留意することが必要です。中後年の女 性に多い健康問題として骨粗しょう症がありますので、運動習慣 を取り入れる場合は運動処方を適切に行う配慮が必要になります。 高齢者の場合は下肢の機能低下が見られますので、体幹部と下 肢部のストレッチングや筋力トレーニング、そしてレジャー活動 や軽いスポーツについての適切な運動処方が必要となり有効であ ります。 ウ、 健康寿命を伸ばす 日本人の平均寿命は男性が78.64歳、女性が85.59歳 (04年簡易生命表、厚生労働省)となっておりますが、健康で いきいきとして自立して暮らせる健康寿命は男性が72.3歳、女 性が77.7歳(WHOワールドヘルスレポート03年)となって おります。平均寿命より健康寿命の年齢が低いのは、高齢になると 介助が必要になったり、寝たきりになったりする人が多いこと を示しております。 健康日本21においては健康寿命を伸ばすことを最終目標として 3.

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日々の暮らしにおける運動や睡眠や栄養などの生活習慣を見直して 疾病の予防を図ることを提唱しております。SMAC の活動も生活習 慣の改善を我々自身が行い、また、推進していかなければなりません。 ヱ、 生活習慣病の予防 がん、心臓病、脳卒中、糖尿病などの生活習慣病は私達のQOL を甚だしく損ねかねません。確かに私たちの身体機能は20歳ごろ を頂点として低下(老化)し始めます。30歳代、40歳代は自 分の身体状況を考えるゆとりが少ない時代ですが、実はこの時代 が健康面から大切な時代と言われております。 「老化は止められない、仕方ないのだ」という固定概念を捨てて 日常生活において健康維持・増進に必要な生活習慣を確立してい くことによって、病気ばかりでなく老化の予防が出来るのではな いかと思います。老化のスピードを緩め、脳に適度な刺激を与え 体力・気力を充実して若々しさを保って「ボケない、老けない病 氣にならない生活」の実現への努力こそセルフメディケーションだ と思います。 2. 運動処方 (1)運動とダイエット 運動によってエネルギー消費量が増ばかりでなく運動終了後も しばらくは体脂肪の燃焼は続きます。ダイエット効果をうるため には日常生活の中で身体を動かす習慣をつけ、1回10分間の運 動を一日の合計で30分以上行うことと、そして身体活動を継続 して実施することによってその効果が期待されます。食事だけに よるダイエットは逆効果で、必要なエネルギーを摂取しながらの 運動の実施による内臓脂肪の燃焼を高める事が必要です。 運動によるエネルギー消費量は、運動強度×運動時間です。 体脂肪を減少させるには1日200∼300kcalを運動で 消費することが理想とされております。 例えば、60kgの男性と50kgの女性の運動時間と消費 エネルギー(kcal)は次のとおりです。 種 目 時 間(分)男 性 女 性 階段昇降 10 59 49 速歩 20 95 79. 平泳ぎ 20 227 190 ダンス 30 127 106 4.

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種 目 時 間 男 性 女 性 エアロビック 30 158 132 ボーリング 45 167 140 自転車 45 172 143 テニス 60 437 365 ゴルフ 60 254 212 ゆっくり歩き 60 160 136 (2)ストレッチ、筋トレ、ウォーキング ウォーミングアップやクールダウンにはストレッチングを行う習 慣をつける事が必要です。使用する筋肉をほぐしたり柔軟性を高め ます。運動によって必要な筋肉を鍛えたり、平素からウォーキング などの有酸素運動で心肺機能を高めることが必要です。 40歳を過ぎると運動を行わないと筋肉量の減少、体力の低下、 ホルモン分泌の減少が始まり基礎代謝が低下します。このような体 力の低下で特に筋肉の衰えを防ぐ為には、ストレッチング、筋肉ト レーニングそしてウォーキング等を組み合わせた運動を行う習慣を 身につけることが必要です。 ア、 ストレッチ 運動開始前には筋肉を伸ばし暖めることによって筋肉の柔軟性を 高め肉離れなどの事故を防ぎます。また、運動後にも行い筋肉の疲 労回復を図ります。 実施にあたっての注意事項として 1) 反動をつけて必要以上(限界)に伸ばさないこと。1ヶ所を 10∼20秒かけて2∼3回ゆっくりと行い、全身の筋肉の ストレッチ行うことが望ましい。 2) 転倒予防のため座って行うか固定物につかまって行う。 3) 2人組で行ない無理な力を加えないこと。 運動の前後に行うばかりでなく、柔軟性の維持・向上のため起床後 や就寝前に行うことも大切です。 イ、 筋力トレーニング 運動不足のため知らない間に筋肉は衰えていきます。生活習慣の 中で必要なことは筋力の低下を防ぐ為の運動を行うことです。運動 の継続的な実施によって筋力を維持し高める効果もあります。 ポイントは、大腿部、腹部、背部、腰部の筋肉のトレーニング が必要です。筋肉トレーニングの効果が現れるには長期間かかります。 5.

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安全面から 1)1回の運動量を少なくし長期間継続すること 2)運動の前後には必ずストレッチングを行うこと ア)大腿部の筋肉トレーニング 大腿部の前面にある大腿四頭筋は下半身を支える大きな筋肉 です。衰えやすく膝関節痛の原因になりやすいので大腿部の筋 肉トレーニングは大切です。 トレーニング方法として膝の曲げ伸ばしを行ない、それぞれ 10回から20回行います。 ア)立ったまま腰に両手を当てて膝の曲げ伸ばしを行う 又、両手を頭の後ろに組んで曲げ伸ばしを行う イ)椅子の背もたれを両手でつかみ立ったまま膝の曲げ伸ば しを行う ウ)椅子に座ったり立ったりして膝の曲げ伸ばしを行う イ)腹部と背筋部の筋肉トレーニング 腹筋と背筋のトレーニングは腹部の脂肪を減らし腰痛予防に 効果があります。 背筋部のトレーニング方法 うつ伏せになって肩巾に広げた両手と両足を息を吐きなが ら同時に上げて一旦停止してからゆっくりおろす動作を繰り 返し行う。 腹部のトレーニング方法 寝た姿勢で両手を頭のうしろに組み、膝を腰巾に立てる。 息を吐きながら上体を起こしおなかを引っ込めて起こした 姿勢を10秒位保つた後もとの姿勢に戻る動作を繰り返すし 行う。実施回数は無理をしないで出来る回数とします。 ウ)腰部の筋肉トレーニング 腰部にある大殿筋は腰の周りにある大きい筋肉です。この 筋肉のトレーニングは転倒予防と老化防止のために必要です。 トレーニング方法は太ももをしっかり上げて階段の昇降を行 なったり、背筋を伸ばして意識して太ももを上げて歩巾を広 げてのウォーキングなどによって行います。 ウ、ウォーキング ウォーキングは大変多くの人々に親しまれている運動です。 体力の無い人でも安全に手軽に取り組める魅力があり気分転換 6.

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にもなります。 ウォーキングばエアロビックス(有酸素運動)として心肺機 能を高める効果ばかりか、筋力や柔軟性を高める基礎体力の高 上などの効果もあります。 特に、中高年の人の肩、腰、脚の筋力トレーニングとして多 くの効果が認められておりますので、ぜひ皆様にお奨めしたい 運動です。 ウォーキングのトレーニング方法 ア) 正しいフォームで歩くこと 1) 頭の位置は一定に保ち左右に振らない 2) 目線はまっすぐ10∼20メートル先を見る 3) 呼吸は自分のリズムで 4) 肩はリラックスする 5) 腕は肘を軽く曲げて大きくリズミカルに振る 6) 背筋は伸ばす 7) 腰は回転させながら一直線を歩くようにする 8) 膝はしっかり伸ばし、踵から着地し、つま先で地面 を蹴り上げて前に出すようにする イ) スピードと歩行時間 普通に歩いているよりやや速く、1回の時間は10分以上 で1日合計で30分以上とし、慣れるに従って距離と時間を 伸ばし、週に2∼3回行うことが理想です。 3. まとめ 健康日本21の推進における生活習慣病対策、健康寿命の延伸策 そしてメタボリックシンドロームの概念を導入した対策等の健康づ くりの国民運動化に、SMAC がどのように係わっていけば良いのか 更に検討を重ねて具体的施策を立案しその展開が必要であります。 第4回の「日本セルフメディケーション学会」において一つの方向 が見出せられることを希望し、この私案が少しでも役に立てば幸い と思います。 7.

参照

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