1 平成 26 年度 第3回新潟県人口問題対策会議(会議録) 1 日時・会場 平成 26 年 11 月 27 日(木) 14 時 30 分~16 時 00 分 県庁行政庁舎2階 201 会議室 2 出席者 議長:泉田知事 副議長:池田副知事 外部委員:大平委員、神田委員、菅原委員、小池委員、野沢委員、田巻委員 庁内委員:佐久間委員、中村委員、本間委員、池田委員、目黒委員、高井委員 3 開 会 午後2時 30 分 会議の冒頭に、議長である泉田知事より挨拶があった。 (挨拶要旨) ・これまでは、本県の人口問題の中心は社会減であったが、ここ数年、自然減が加速 しており、自然減の影響が大きくなっている。高齢化が進む中で、社会減対策だけ では補いきれない大きな構造変化に直面しつつあるのではないかと実感している。 ・現状では、人口を維持できる(合計特殊出生率)2.07 まで上昇させることはできて おらず、特定の世代に負担を課すことになっている。夫婦が地方で生活し、希望す る数の子どもを持てる社会が構築されて、初めて社会全体が安定すると思っている。 ・本日は、各ワーキングチームでの検討内容の報告を踏まえ、特に自然減の問題につ いて議論をしていきたい。 4 ワーキングチーム会議報告 各ワーキングチームから、会議で議論した結果について、ワーキングチーム会議報告 書に基づき報告を行った。その後、以下のとおり意見交換を実施。 ○菅原委員 (人づくり戦略チームの報告に対して) ・新潟大学は地方の総合大学として、単科大学にはない新しいものを創りだそうと検 討している。県外からの学生を呼び込むことに結びつくか不明な点はあるが、努力 することで厳しい状況に対応しようと考えている。 ○議長:泉田知事 (産業振興戦略チームの報告に対して) ・(資料1の3ページにある)雇用の場の確保に関し、起業意識を向上させるために何
2 をしたら良いのか教えて欲しい。 ○産業政策課長 ・起業意識の向上については、起業塾を開催しても、なかなか受講生が集まらないと いう話があった。どのような形で実施したらいいのか、様々な意見が出た。 ○議長:泉田知事 ・企業経営者は雇用保護制度がないため、リスクが高い割にリターンが得られないこ とや、個人保証が求められる危険性など、起業を阻害するという話はあったのか。 ○産業政策課長 ・そのような話はなかった。 ○議長:泉田知事 ・今回の議論は、教育で(若いうちから)起業意識を高めるということなのか。それ とも、社会人を対象としたものなのか。 ○産業政策課長 ・どちらかというと機運醸成についての意見だった。 ○議長:泉田知事 ・池田委員のところで、政策に結びつくものはあるか。 ○池田委員 ・確かに、起業に対するリスクの話はある。 ・本県でも、学生を対象とした起業家教育にも取り組み、起業塾などにより、起業意 識の醸成に取り組んでいるが、勉強の域を脱していない。 ・身近なところから立ち上げる「起業チャレンジ奨励事業」は、着実に成果があがっ ている。 ・本来の起業について、リスク面や経営者保証の問題なども考えていかなければなら ない。 ○議長:泉田知事 ・若者の県内就職促進のために動画を作成したので、委員の皆様にもご覧いただきた い。学校にも周知したら良いという話があるが。 ○高井委員 ・学校にも周知する。
3 ○議長:泉田知事 ・具体的に検討して欲しい。 ○野沢委員 ・動画をYouTubeに載せれば、多くの人が見ることができる。 ○池田委員 ・既にYouTubeに載せている。 ○労政雇用課長 ・本県ホームページの労政雇用課のページから見ることができる。また、YouTu beで「新潟県労政雇用課」と検索すると出てくる。 5 報告事項 ~少子化対策モデル事業の検討状況について~ 児童家庭課長が資料1に基づき説明 説明後、以下のとおり意見交換を実施 ○議長:泉田知事 ・子どもを産みにくい最大要因として、将来の教育費に対する不安が挙げられている。 (資料1に記載されているモデルの中で)特に、②から⑤について、給付を受けた 後に信託や学資保険を選んだ人の割合の調査項目が欲しい。 ○児童家庭課長 ・アンケートで確認することにより、この点についても検討を進めていきたい。 ○議長:泉田知事 ・(調査することについて)どこかに注記していただきたい。 ○野沢委員 ・少子化モデル事業は同友会の依頼から始まったことなので、同友会としては最低5 社、もしくは 10 社の参加を募りたいと思っている。実施にあたっては、公平感や複 数の県で活動している企業についてどうするのかという問題があると思う。いずれ にしても、同友会として積極的に対応していきたい。 ○議長:泉田知事 ・今の意見については、準備する際に反映させていただく。 6 意見交換 ~少子化対策としての未婚化・晩婚化対策に向けた取組について~ 児童家庭課が資料2に基づき説明
4 説明後、以下のとおり意見交換を実施 ○議長:泉田知事 ・日本では、結婚しないと子どもが産まれない構造になっている。仮に 25 歳から 29 歳までの層が、今後5年間に以前の水準まで結婚すれば、1年間に約 7,000 人の子 どもが産まれ、本県の出生数が現在の1万 7,000 人から2万 4,000 人になる。 ・5年くらいを目標に、集中的に結婚して家庭を築ける体制を作ることは、数字とし てインパクトのある自然減対策になると思う。 ・もう一つは、ヨーロッパのように女性が自立して子育てできる環境を整えることが 考えられる。価値観や道徳観の問題も絡むので、このことを含めてディスカッショ ンしていきたい。 ○本間委員 ・資料2に基づいて現状分析を進めているが、結婚に対する意識啓発、出会いの場の 創出、マッチングという観点から整理をしている。 ・未婚化・晩婚化の原因については、家制度や親の介護に対する意識の変化、パラサ イトシングル現象、若者の非正規雇用が増加したことによる収入の減少などがある と考えている。 ・本ワーキングチームでは、あくまでも結婚対策に絞っての議論でまとめたものであ る。 ○副議長:池田副知事 ・結婚したい人達が結婚できるように工夫しなければならない。例えば、結婚費用を 賄うためには、ある程度の収入が必要だというイメージを消していかなければなら ない。 ・対策を進めていくうえで、結婚したくない人へのプレッシャーにならないように気 を付けるべきである。 ○神田委員 ・阿賀町では、結婚適齢期のなかでも年齢が高い人が多く、婚活の場を提供しても参 加しようとする意欲が低い。そのような人が参加できる場を作ることが肝心である。 ・結婚する意欲はあっても、年齢が高くなると現実的な生活を考えてしまうようなの で、まずは、いかに参加してもらえるかを考えなければならない。 ○議長:泉田知事 ・出会いの場を提供することの成功例、失敗例があると思うが、このことについてワ ーキンググループでの議論を紹介してもらいたい。 ○児童家庭課長 ・成果があったものとしては、価値観の共有をきっかけにしたものがある。出会いサ
5 ポート事業の中でも、一緒に料理を作ったり、アウトドアでバーベキューするなど、 共通の価値観があると気が合いスムーズに進むようである。 ・他県では、1対1の結婚のサポートセンターを運営している事例もあるが、実績を 出すためには、かなり力を入れないと難しいようである。 ○神田委員 ・公的な機関がサポートをしているのか。民間の結婚相談所でなくても、そのような サポートをすると成果が出ると思うが、この点のデータはないのか。 ○議長:泉田知事 ・(1対1のサポートについて)行政と民間のどちらが実施するかは、テーマとして重 要である。例えば、新潟県内の 20 歳代後半から 30 歳代前半の未婚女性のうち、8 割程度の人を対象とした出会いの場を行政が作ってしまうと民業圧迫になるとの話 が出てくる。ボリューム感が出てきたときに、どこがサポートすべきかという社会 のコンセンサスを作らないといけないと思っている。 ・同じ新潟県内でも、例えば、阿賀町だけでなく、ほかのエリアとも連携しなければ ならない。そうすると、市町村と県のどちらが実施するのか、ボリューム感や官と 民の役割分担などを整理する必要があると考えるが、データはどうなのか。 ○児童家庭課長 ・市町村はマッチングまで担当することが多く、県は出会いの場の提供が多い。 ○神田委員 ・民間が入ることはないのか。 ○児童家庭課長 ・行政が民間とタイアップして取り組むところや財団法人などが行っているところも ある。民業圧迫にならないように、バランスを取って、各県・各地域で取り組んで いる状況である。 ○議長:泉田知事 ・整理できるデータがあるのか、ワーキングチームで検討していただきたい。 ・田巻委員から、経済界として官と民の関係についてコメントをお願いしたい。 ○田巻委員 ・(結婚サポートは)民間で行うことが筋だが、行政が行っても意義があると思う。一 つには、収益に関係なく実施でき、動員力についても効果がある。特に官と民を分 ける必要はなく、タイアップしながら取り組むことが正しいやり方ではないかと思 う。
6 ・結婚しない理由の中で最も多いのは、出会いの機会が少ないということだが、本当 にそうなのか。出会いが多すぎて、回数だけが増え、効果が上がらないという傾向 があるのではないか。 ・出会いの場として、ボランティアや就労経験なども有効ではないか。若い人達を集 めて、同じ体験を継続的に行ってもらう。長く付き合うことで初めて分かる部分が あり、継続的に続けていく制度でないと機能しないと思う。加えて、出会いやマッ チングだけでなく、最後にどのような形にするのかまでのケアが必要ではないか。 ・結婚するきっかけで最も多いのは、友人や家族からの紹介である。昔の見合い制度 のように、友人や家族のネットワークを出会いの場にも組み込むことができればい いと思う。 ・出会いの場を提供しても、その中で選ぶか選ばれるかという競争原理が働くことに なる。中には、そういうことが不向きな人もいるので、そういった結婚したくても できない人をケアする、または行政などが支援する枠組みを作ることが必要だと思 う。 ・単なる婚活だけでなく、就労や就職活動の一部、あるいは生きがいの一つとしてな ど、ほかの要素を組み合わせて、よりクリエイティブな形で出会いの場を設定でき ればうまくいくのではないか。 ○議長:泉田知事 ・「結婚したいのにできない人をサポートすることが行政の役割ではないか」というの は、いいキーワードになると思う。 ・お見合い制度というものを、社会の中でどう捉えていくべきなのか。もう消滅した ものとするのか、お見合い制度があってもいいという意識を醸成していくべきなの か。 ○田巻委員 ・現在でも、お見合い結婚は(結婚全体の)1割程度あると聞いている。事前にお互 いの条件が折り合った人としか会わないので、時間的な面で効果的だと思う。昔の ような家と家のつながりではなく、現在は、まず会うことが優先のお見合いなので、 人的つながりの中での出会いの機会という位置付けならば、十分にあり得るのでは ないか。 ○大平委員 ・魚沼市では、今年、「尾瀬こん」と名付けて婚活を実施した。「尾瀬こん」は婚活で はあるが、魚沼市内の観光も目的である。最終的に 20 組中9組のカップルができ、 その後も4組続いていると聞いている。 ・今回は行政が実行委員会を組織したが、これを受けて商工会の青年部が婚活イベン トを考えている。
7 ○議長:泉田知事 ・「尾瀬こん」では履歴書のようなものを使ったのか。それとも、話をしただけなのか。 ○大平委員 ・まずは、ボートに乗ったり、湖を遊覧しながら自己紹介をした。それから尾瀬へ行 き、戻ってきてからさらにバーベキューやキャンプを通じて出会いの場を作った。 履歴書を使ったかまでは把握していない。 ○議長:泉田知事 ・結婚の条件として相手の年収、長男かどうか、親と同居するのかなどを知りたいと いう。そこはお互い分からないまま、まずは出会いの場を提供したということなの か。 ○大平委員 ・そこまでの履歴について事前に話があったかは分からない。 ○議長:泉田知事 ・昔のお見合いのようなものではないのか。 ○大平委員 ・そういうものではない。「尾瀬こん」はトレッキングなどが好きな女性をターゲット として、山ガールの雑誌にも掲載したので、横浜などの県外から参加した女性もい た。 ○議長:泉田知事 ・参加した男性は魚沼市の方で、女性が市外から来たのか。 ○大平委員 ・男性は基本的に魚沼市在住の方である。 ○議長:泉田知事 ・なるほど。 ○神田委員 ・以前、県内で雪下ろしツアーを実施し、主に都会の男女が地元の皆さんと一緒に雪 下ろしをするというイベントを行ったことがあるが、行政では、なかなか(積極的 に出会いの場を提供するというところまで)踏み込めなかった。 ・やはり、婚活は、個人が積極的に取り組んでいかなければ成功できないと思う。結 婚する意思があっても、そうした場所に参加する意欲がない人に、どうやって参加
8 してもらうかが一番肝心である。 ○議長:泉田知事 ・実は、県も直営で出会いの場を設定し、職員が実際に参加したことがある。その結 果、出会いの場に参加する直前の2時間で、男性に女性のエスコートの仕方を手ほ どきすることが重要だということがわかった。それによって、圧倒的にカップルの 成立率が違った。 ・出会いの場といっても、単なるイベントだけでは駄目かなと感じるが、過去のノウ ハウは残っているか。 ○本間委員 ・ノウハウは残っている。 ○児童家庭課長 ・ノウハウはあり、アドバイザーもいるので、どうすれば効果を出せるのか考える必 要がある。 ○議長:泉田知事 ・例えば、市町村や団体などを対象に、「婚活の進め方」の説明会のようなものを実施 するといいのか。 ○大平委員 ・今回の魚沼市の「尾瀬こん」には企業を入れて、男性はこうした場合にどのように 言葉を掛ければいいのかということを事前研修してもらった。それがよかったので はないかと思う。 ○議長:泉田知事 ・カップル率が高いので、もしかして(事前研修を実施していたのではないか)と思 っていた。 ・また、結婚したいが競争したくないということで、婚活イベントに参加しない人達 をどうしたらいいのか、ノウハウはあるか。 ○本間委員 ・婚活というテーマでは参加しなくても、例えば、仕事だとすることで、出会いの場 を作ることに成功した事例を他県で聞いたことがある。 ○野沢委員 ・本間委員がおっしゃったように、仕事だと言うとけっこうまじめに参加すると思う。 ・また、業務だからという言い方をしてもらった方が、本人も言い訳ができて、良い
9 のではないか。 ○議長:泉田知事 ・婚活休暇制度のようなものを作ればいいのでしょうか。 ○野沢委員 ・男女雇用機会均等法ができてから、女性の産休など、きちんと制度を作ったので、 女性社員は結婚しても働き続けることができるようになった。 ・これはこれでいい事であるが、一方で新人の採用人数が少なくなるので、社内での 出会い、社内結婚が減ってしまった。 ○議長:泉田知事 ・逆に、女性が多い職場で出会いがなくなっている会社もあるのではないか。 ・会社と会社のカップリングを実施して、婚活休暇もあれば結果が出るのではないか。 ・例えば、女性が多そうなコールセンターと警備会社など、実態を把握してもらいた い。 ○児童家庭課長 ・女性が多い職場、男性が多い職場があって、それぞれの良いところ、悪いところが あると思うので、情報収集したいと思う。 ○小池委員 ・田巻委員と同じようなことを考えていたが、卒業生などを見ていても、結婚したく て、動く力がある人は、どんどん出会いを見付けて結婚している。 ・課題は、結婚の希望はあっても、どう動けばいいのか分からない人達をどうするか ということである。 ・今の学生達を見ていると、傷付きたくないのだと思う。婚活は、最初に出会ってい きなりうまくいかない限り、基本的に傷付く経験になってしまうので、そこを乗り 越えるにはどうしたらいいのかというのが非常に難しい。 ・例えば、結婚したい若者が企画した婚活イベントに対し、行政が経済的・時間的支 援をするのも一つの方法だと思う。 ・今ほどの野沢委員の話ではないが、私が普段見ている保育業界も非常に女性が多い 職場で、皆さん一生懸命保育をしているので、なかなか結婚に結び付いていない。 ただ、よく見てみると、公立の保育園に就職している人は結婚しているケースが多 いように思う。 ○議長:泉田知事 ・そうなのですか。
10 ○小池委員 ・公立の場合は、おそらく保育園だけにとどまらず、ほかの職種の人と出会いがある からではないか。例えば、県の場合、4月に採用されると新人職員研修があるので、 そういう時に、他の職種の人と出会いがあり、そこでつながることがある。 ・一方、私立の場合は、どうしてもその中で閉ざされる傾向があり、それこそ男性が 多い職場と同じように、女性が多くてなかなかきっかけや出会いがない。 ○議長:泉田知事 ・傷付きたくない人達が、あまり傷付かずに出会える場の提供、企画を支援するとい う話についても検討してもらいたい。 ・私はカナダの大学に通っていたが、大学には学生結婚するという前提で学生用のキ ンダーガーテンがあった。この際、幼稚園も大学に移設して子どもと一緒に通学す ることも視野に入れた方がいいのか、菅原委員からコメントいただきたい。 ○菅原委員 ・私の学生時代と今の学生では感覚が違う。男女間もかなり積極的だが、結婚を考え るのは就職してからという学生がかなり多い。もちろん、学生時代に恋人がいて、 それが結婚に結び付くというケースもあるが、今のキンダーガーテンのような話は どうかなと思う。 ・他の委員の意見を聞いていて、やはり婚活ということに限定してしまうとなかなか 難しいと感じる。地域や地方の自然環境や農業などを活用してカップルが生まれた という話も聞く。 ・市街地で言えば、都市計画のような話になってくるのではないかと思う。各地の地 方自治体で中心街をどう活性化するのか悩んでいるので、例えば新潟市でも旧市街 地などに若者が集える恒常的な場が出来れば、自然と出会いの場ができてくるので はないか。 ○議長:泉田知事 ・出会いの場と都市政策を一緒にやってはどうか、農業体験がどうかという点も検討 課題とさせていただきたい。 ・ちなみに、行政がお見合い制度を一生懸命やろうと推進することに問題があるか。 ○菅原委員 ・私自身は全く抵抗ないが、どういう形で行政が支援できるのか、イメージしづらい。 ○議長:泉田知事 ・行政が履歴書を集めてお互いをお見合いさせ、町長が仲人でとなると、そこまでは 難しいか。
11 ○菅原委員 ・それはあってもいいかもしれない。 ○議長:泉田知事 ・商工会や農協だったらどうか。 ○菅原委員 ・いいのではないか。 ○議長:泉田知事 ・それこそ民間に委託する補助制度を作り、名前は商工会やJAはあり得るか。 ○大平委員 ・魚沼市では、JAが独自でやっている。 ○議長:泉田知事 ・やはり、直接市が実施するのは、やりにくいのではないか。 ○大平委員 ・確かにやりにくい。そういう部署を持っていないので、踏み込むことは難しい。 ○議長:泉田知事 ・世の中が何と言うか分からない、という怖さもあるのではないか。 ・農業体験の話があったので、目黒委員から発言をどうぞ。 ○目黒委員 ・農業体験は、趣味なり色々な出会いのテーマの一つとしてあり得ると思う。例えば、 酪農で、みんなで牛の世話をするなど、共通の体験が共感を高めて話が弾むという こともあるようだ。 ・今ほど、農協の話が出たが、農協は青年部があり、そういう人達にとっては自らの 問題でもあるので、自主的に動けるようにバックアップすることも方向性として、 いいのではないかと思う。 ○議長:泉田知事 ・来年度予算で検討をお願いしたい。 ○中村委員 ・委員の皆さんの話を聞きながら、出会いの場を作って、成功させていくのは難しい と感じたが、当部は、スポーツや文化なども所管しているので、例えば、サッカー
12 のアルビレックス新潟を一緒に応援したりすれば、自然発生的に出会いの場が作ら れるのではないかと思った。 ○議長:泉田知事 ・来年度に向けて、事業化の検討をお願いしたい。 ・もう一つ、少し聞きにくいことだが、結婚を前提にしないとダメなのか。この点に ついて、皆さんの意見はどうか。 ○菅原委員 ・未婚の母子家庭などは、経済的に苦しい。制度的な支援がないということ、また道 徳観のようなものがまだまだあるので、結婚しないと子どもを産みたくても産まな いという、両面があるのではないかと思う。 ○議長:泉田知事 ・御指摘のとおり。 ○小池委員 ・全く同じ思いである。未婚で子どもを産むという選択を可能にするのであれば、そ れでも十分子育てができる環境をきちんと整えなければならない。そうしないと、 産まれたはいいが、きちんと育てることが保証されないということになってしまう ので、十分配慮しなければいけない。ただ、仮にそこに舵を切れたらすごいことだ と思う。 ○議長:泉田知事 ・20 代後半の女性だけを見ても、3万人を超える人が結婚したくても結婚していない という現状にどう向き合うか。 ・制約、要因、地域性の問題などについて思うところがあったら神田委員からお願い したい。 ○神田委員 ・阿賀町は、独自の環境に恵まれた部分もあるので、そういったところで婚活をして いく、出会いの場を作っていくしかない。 ・ただ、阿賀町は自然が好きな人でないと向かないと思うので、そういう環境である ことを十分認識してもらったうえで、婚活に参加してほしい。 ○議長:泉田知事 ・都市部の2LDK、3LKのマンションに住んでいる地域では、子どもを3人持つ ことができない。 ・希望する数の子どもを持てないことが、少子化を進めているということで、埼玉県
13 では、少子化対策の重要なポイントとして、マンション改装費の助成制度を作るよ うに国へ働き掛けている。 ・逆に、例えば、阿賀町に住むと空き家を改装する支援事業があるということになれ ば、やりやすくなるのではないか。 ○神田委員 ・空き家といっても、夏休みなどに家族が戻って来る、あるいは先祖の仏様がそのま ま残っているというのではなく、完全に持ち主がいなくなった空き家でなければ、 行政が整備するのは難しい。 ・空き家は、かなり古くても、魅力的な建物があるので、結婚して生活したい人に提 供できるように整備する必要がある。そのためには、やはり制度を設けてもらいた い。 ○議長:泉田知事 ・結婚した場合には、空き家を改装して住む環境を整える。例えば、法律関係を整備 し、助成制度を作って支援する場合、県側の担当はどこになるのか。中村委員のと ころ(県民生活・環境部)か。 ○中村委員 ・県民生活・環境部は、Iターン施策として、空き家対策を情報発信できると思うが、 ワーキングチームで確認しないとわからない。 ○議長:泉田知事 ・U・Iターンの中で、阿賀町に来ると結婚できるという情報を一緒に提供できると 魅力的だと思う。 ○中村委員 ・当部では、お試しで短期間住んで働いて、その場所の良さを知ってもらい、その後 の移住につなげるという、にいがたで「暮らす・働く」応援プロジェクト事業も実 施している。 ○議長:泉田知事 ・完全に放棄するわけではないが、きれいに改装して借家のような形で安価に提供し、 夢の新婚生活が始まることをアピールしてはどうか。 ○神田委員 ・定住促進のための住宅改装は、単身で転入した場合という要件をつけて補助してい るが、結局一時的に来ても、その補助対象期間が終わってしまうとまた出て行って しまうこともある。人口減対策を目的として住んでもらうためには、徹底した形で
14 取り組まなければならない。単なる定住促進として、数万円支援するだけでは、な かなか来てくれない。 ○議長:泉田知事 ・モデル事業が可能か、検討をお願いしたい。 ○野沢委員 ・データの読み方だが、資料2の1ページ目の左側に各国の婚外子の割合というグ ラフがあるが、これは結婚しない男女が多いということか。 ○児童家庭課長 ・このグラフは、フランスなどの事例を見ると、法律婚以外のカップルになっている というのが実態である。一人で産むということではなく、法律婚という形を取って おらず、いわゆる結婚しないカップルの間で産まれた子どもも多い。 ・日本で婚外子というと、どうしてもシングルマザーのイメージが強いと思うが、こ の資料はそういう事例ではない。 ○議長:泉田知事 ・フランスでは社会制度として、シングルマザーでも、子どもを3人持つと仕事をせ ずに子育てできる仕組みが整っていると聞いている。 ○児童家庭課長 ・それもあるので、特にフランスでは、非婚カップルの割合が高いというデータもあ る。 ○議長:泉田知事 ・非婚・事実婚でいた方が、支援制度が大きくなるのではないか。 ○児童家庭課長 ・どちらが得かというのはわからないが、カトリック系のため離婚がとても難しく、 法律婚を選択しないケースが多い。 ○議長:泉田知事 ・宗教上の理由だとすると、時系列でここまで変わるというのは説明しにくいのでは ないか。 ○児童家庭課長 ・パックス制度という、法律婚に代わる同棲であっても嫡出子と同じ取り扱いをする 法制度の転換があった。
15 ○議長:泉田知事 ・本日いただいたご意見、大変参考になるものが多かった。いただいたご意見も踏ま え、新年度、事業化を目指してまいりたい。 7 閉 会 16 時 00 分