コ・メディカル養成課程における学生の臨地実習への「参加」を考える~学生・卒業生への半構造化インタビューをとおして~
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(2) 目. 一. 9. 題意識. 2. H問. ・ …1. ●. じめに. ●. 1は. 次. 2. 1コ. ・メ デ ィ カ ル 養 成 を 取 りま く状 況 と 問題. 3目. 的. 4質. 的研 究 法. ∼ 正 統 的周 辺 参 加 ∼. 8. 況論 的 ア プ ローチ. 6. 2状. 9. 皿. 本研究の対象校および予備研究(グ ループイ ンタビュー). ・. 。9-17. ・. ・. 《参加者 》. ・. …12. 《 日時お よび揚所》. 。. …12. 《手続 き》. ・. …13. 《質 問の内容 》. ・. …13. 《結果 と考察 》. ・. …14. 《対象校お よび予備研究の 目的》. W研. 究1実. 習 終 了 後(卒. 業 前)イ. ンタ ビュー. ・. …9. ・18-41. 《 目的 》. ・. …18. 《参 加 者 》. ・. …18. 《方 法 》. …. 《 目時 お よび 揚 所 》. ・. …19. 《質 問 の内容 》. ・. …19. 《結 果 と考 察 》. ・. …20. V研 2-1,個. 究2有. 資 格 者 とな っ て か ら(就 職 後)イ. 人 イ ン タ ビ ュ ー(33期. 生). ン タ ビ ュー. 。19. ・ ・41-57 ・ ・41-52. 《 目的 》. ・. …41. 《参加者 》. ・. …42. 《方法 》. ・. …42. 《 日時および揚所》. ・. …42. 《質問の内容 》. ・. の. 《結果 と考察》. ・. …43. ・. ・43.
(3) 2-2.グ. ル ー プ イ ン タ ビ ュ ー(32期. 生). ・ ・52-57. 《 目的 》. ・. …52. 《参加者 》. ・. …52. 《方法 》. ・. …53. 《日時お よび場所》. ・. …53. 《質問の内容 》. ・. ・9。53. 《結果 と考察 》. ・. …53. w総. 合考察. 1.研. 究1.研. 2.今. 後 の課 題. ・ ・57-61. 究2を. 通 して. ・. …57. ・. 。. ・. 引用文献. ・ …62. 謝辞. ・ …64. 巻末資料. ・ …. 。60. ①.
(4) 1は. じめ に. コ ・メ デ ィ カ ル(co-medical)と. は、医 療従 事 者 の う ち医 師や 歯科 医師 、 看護 師 以 外 を. 指 し示 す 用 語 で あ る。 医 師 ・看 護 師 は 医 療 の 中 心 的 役 割 を 担 い 、 歴 史 も長 く、 教 育 制 度 も 整 い 、 教 育 に 関 す る研 究 や 報 告 の 蓄 積 が あ る 。 一 方 コ ・メ デ ィカ ル の 職 種 は 制 度 と して の 歴 史 も浅 く、 有 資 格 者 の 総 数 も少 な い 。 ま た そ の 教 育 に 関 して は 近 年 に な っ て よ う や く関 心 が 寄 せ られ る よ う に な っ て き た 。 臨 地 実 習 は 、 ほ と ん ど の 医 療 職 に義 務 付 け られ た 教 育 カ リキ ュ ラ ム で 、 こ れ を な く して は 、 国 家 試 験 受 験 の 資 格 が 得 られ な い 。 臨 地 実 習 は 、 学 生 が 学 内 で 学 ぶ こ と の で き な い 専 門 的 な 知 識 、 技 術 、 態 度 を 自 らが 体 験 し、 医 療 職 と して の活 動 を 学 ぶ 重 要 な 養 成 カ リキ ュ ラ ム で あ る。 臨 地 実 習 は 患 者 と 出 会 い 、 現 場 で 働 く人 た ち の 姿 に 触 れ な が ら 指 導 さ れ 、 自 己 の将 来 像 を 描 く場 で も あ る と考 え られ て い る(高 橋 ・名 古 屋 ・篠 崎,2008)。 知 識 を 教 授 さ れ る の で は な く病 院 の 臨 床 の 「場 」 で 、 最 初 は 見 学 者 と して 参 加 し、 少 しず つ 臨 床 業 務 を 体 験 して い く こ と に よ っ て 「で き る こ と」 を 身 に つ け て い く。 しか しな が ら、 臨 地 実 習 に関 す る 研 究 は 、 看 護 養 成 課 程 に お い て さ え も そ の 指 導 法 や 評 価 な ど の 研 究(齊. 藤 ・清 水,2008)に. 限 られ て い る 。 臨 地 実 習 の 「評 価 」 で は 技 術 や 知 識 に. 加 え 、 ス タ ッ フ や 患 者 と の コ ミ ュ ニ ュ ケ ー シ ョ ン能 力 も問 わ れ る 。 ま た 、 附 属 病 院 を 持 っ 養 成 施 設 で は 一 部 養 成 施 設 の 教 員 が 臨 地 実 習 に参 加 す る こ と も あ る が 、 多 く は 臨 地 実 習 の 評 価 は 実 習 指 導 者 が 行 う。 養 成 施 設 の 教 員 は 、 学 生 が 臨 地 実 習 先 で どの よ う に 学 ん で い る か を 実 際 に 見 る こ と は な く、 実 習 施 設 か ら の 評 価 票 と学 生 の 実 習 記 録 等 で そ の 様 子 を 知 る の み で あ る。 評 価 票 は 実 習 指 導 者 に よ って 記 入 され 、 実 習 施 設 問 の 評 価 の 基 準 を確 定 す る こ と は 難 しい 。 ま た 、 実 習 記 録 も指 導 者 に 提 出 し指 導 を 受 け る た め 、 実 習 記 録 は お の ず と 指 導 者 を 意 識 した もの と な る。 これ で は実 習 生 の 思 い や 考 え が 直 接 伝 わ って は こな い 。 そ こ で 本 研 究 で は 実 習 生 の 目線 に 立 ち 、 実 習 生 が ど の よ う に 考 え 、 問 題 を 持 ち な が ら臨 地 実 習 に参 加 して い る か を 明 らか に す る こ と に よ っ て コ ・メ デ ィ カ ル 養 成 課 程 の 臨 地 実 習 の あ り方 に つ い て 考 え て い きた い。. 1.
(5) II問 1.コ. 題意識 ・メ デ ィ カ ル 養 成 を取 りま く状 況 と 問 題. 現 在 の 複 雑 な 医 療 を 支 え る た め 、 医 療 の場 に は 医 師 と看 護 師 だ け で な く、 薬 剤 師 を は じ め 多 くの 医 療 職 が 従 事 して い る。 これ らの 医 療 職 の う ち 、 医 師 ・歯 科 医 師 ・看 護 師 以 外 の 職 種 を コ ・メ デ ィ カル と総 称 す る 。 教 育 体 制 に 関 して 言 え ば 、 医 師 と薬 剤 師 は す べ て 文 部 科 学 省 管 轄 で6年 行 う が 、 看 護 師 及 び コ ・メ デ ィカ ル は 文 部 科 学 省 管 轄 の4年. 間 の大学 教 育 を. 間 の 大 学 教 育 と高 卒 後3(4). 年 制 の 厚 生 労 働 省 管 轄 の 専 門学 校 と が あ る(視 能 訓 練 士 で は 大 学 卒 で 指 定 科 目修 得 後 の1 年 制 養 成 課 程 が 存 在 す る)。 そ れ ぞ れ で カ リキ ュ ラ ム も教 育 目的 も異 な る。 臨 地 実 習 に 関 して は 、 医 師 は 大 学 で の 教 育 課 程 の 中 で も 実 習 を行 い 、 近 年 で は 早 期(1 年 次 生)臨. 地 実 習 の 必 要 性 も取 り上 げ られ 、 現 に 実 施 して い る大 学 も増 え て き て い る。 ま. た国家 試験 に合 格後 「 研 修 医 」 と して 有 給 の 研 修 期 間 が 設 け られ て い る 。 看 護 師 は 採 用 人 数 も 多 く、 就 職 後 に 各 病 院 で 組 織 的 に新 人 研 修 や 先 輩 看 護 師 の 指 導 を 受 け る こ と が 多 い。 しか し、そ の他 の コ ・メ デ ィ カ ル の 職 種 で は 病 院 で の 採 用 人 数 も少 な く、 一 人採 用 の場 合 もあ る. 。 そ の た め 、 就 職 後 の 組 織 的 な 研 修 は も と よ り先 輩 に よ る見 守 り も. 不 可 能 と な る 場 合 が あ る 。 つ ま り就 職 後 即 戦 力 を 望 まれ る。 さ て 、 本 研 究 で 取 り上 げ る視 能 訓 練 士 は昭 和46年. に国家資 格 とな った医療 職 で ある。. そ の 名 称 か ら 「何 か の訓 練 を す る」 と言 う イ メ ー ジ が 強 い が 、実 際 は 医 師 の 指 示 の も とで 、 屈 折 、視 力 、視 野等 の視 機 能 の検 査 を始め 、電 気 生理 検 査や 斜視 の検 査、 両 眼視 機 能 の検 査 、 コ ン タ ク ト レ ン ズ や 弱 視 眼鏡 を は じめ 補 装 具 な ど の処 方 の た め の検 査 、 指 導 や 相 談 等 も行 う。 視 能 訓 練 士 の 業 務 の 特 徴 と して は 、 ① 時 間 に 追 わ れ る外 来 業 務 で あ る こ と 、 ② 限 られ た 時 間 内 で 患 者 に 検 査 を行 う こ と、 ③ 数 多 い 検 査 、 っ ま り様 々 な 検 査 器 械 を 使 い こな す 技 術 が 必 要 で あ る こ と、 な ど が あ げ られ る。 臨 地 実 習 に お い て も、 主 に病 棟 で 担 当す る患 者 を 看 護 す る看 護 師 の 実 習(濱 尾,2007)と. 2.
(6) は 異 な り、 視 能 訓 練 士 の 実 習 は た え ず 動 い て い る外 来 診 療 の 場 で 行 わ れ る。 決 め られ た 時 間 内 で 多 くの 患 者 に必 要 な 検 査 を 行 わ な け れ ば な らな い 。 ま た 、 感 覚 器 で あ る 目を 対 象 と す る た め 、 同 じ く検 査 を 行 う コ ・メ デ ィカ ル の 臨 床 検 査 技 師 や 診 療 放 射 線 技 師(X線. 技 師). と も異 な り、 「自覚 的 検 査 」 が 多 く、 患 者 と の的 確 で 良好 な コ ミ ュ ニ ュケ ー シ ョ ン能 力 も必 要 とな る。 患 者 と の 関 りか ら捉 え た 医 療 職 の 中 の視 能 訓 練 士 の イ メ ー ジ を 図1に 示 す 。 医 師 の 中 に は 患 者 と関 わ る 臨 床 医 も い れ ば 病 理 医 等 患 者 と 関 わ ら な い 医 師 も い る。 患 者 と の 関 りが ほ と ん ど な い 臨 床 工 学 士 、 採 血 や 心 電 図 で は 患 者 と関 わ る が 多 くは 検 査 業 務 で 患 者 と関 わ ら な い 臨 床 検 査 技 師 、 そ れ に対 して 視 能 訓 練 士 を は じめ 理 学 療 法 士 、 作 業 療 法 士 は、 患 者 と 関 る 業 務 が ほ と ん ど で あ る。 ま た 円 、 楕 円 の 大 き さ と 図 内 の 位 置 は 病 院 で の 人 数 や 認 知 度 の 一 般 の イ メ ー ジ で あ る。. 患 者 と の か か わ り(一)患. 図1医. 者 の と の か か わ り(十). 療 職 の 中 で の 視 能 訓練 士 の イ メ ー ジ(患 者 と のか か わ りか ら). 3.
(7) こ の よ う に 、 視 能 訓 練 士 は 患 者 と の 関 り の 中 で 仕 事 を す る。 つ ま り、 検 査 技 術 の 熟 達 とい う 「定 型 的 熟 達 」 は も ち ろ ん 、 外 来 診 療 の 場 で 、 年 齢 や 理 解 力 、 症 状 も 異 な る患 者 に 検 査 や 訓 練 の 目 的 や 方 法 を 的 確 に伝 え 、 患 者 の 返 答 に 臨 機 応 変 に 対 応 す る こ と 、 ま た チ ー ム 医 療 の 一 員 と して 患 者 の 情 報 を伝 達 し交 換 して い て い く、 とい っ た コ ミ ュ ニ ュ ケ ー シ ョ ンカ の 熟 達 、 す な わ ち 「適 応 的 熟 達 」(波 多 野 ・大 浦 ・大 島,2004)も. 望 まれ る 。 も ち ろ ん. 短 い 臨 地 実 習 で こ の よ うな 定 型 的 熟 達 や 適 応 的 熟 達 に 到 達 す る こ と を 実 習 生 に 望 む こ と は 難 しい 。 そ れ で は 臨 地 実 習 で 実 習 生 は 何 を 学 べ ば よ い の で あ ろ う か 。 筆 者 が 教 員 と し て 勤 務 す るK医 療 セ ン タ ー 附 属 視 能 訓 練 学 院(以. 後 学 院 とす る)の 臨 地. 実 習 の 目標 は 「学 習 した 知 識 、 技 術 を 実 際 の 臨 床 の 場 で 応 用 、 展 開 し実 践 で き る 能 力 を 習 得 す る 」 で あ る 。 当 学 院 だ け で な く養 成 施 設 の ほ と ん ど が 、 臨 床 に お け る視 覚 の 生 理 機 能 の 検 査 や 視 能 訓 練 や そ れ に 関 係 した 研 究 分 野 を 学 ぶ と い う技 術 の 向 上 や 学 問 的 な探 求 の 必 要 性 と と も に 、 医 療 従 事 者 と して の 在 り方 や チ ー ム 医 療 の一 員 と して の ふ さ わ しい 態 度 を 学 ぶ と い う教 育 目標 を あ げ て い る。 筆 者 個 人 は 、 臨 地 実 習 で 、 国 家 資 格 取 得 後 に 医 療 職 と して働 け る 基 本 的 な 技 術 を 習 得 す る 事 は 必 須 で は あ る が 、 実 習 生 が 短 い 実 習 の 期 間 に 「応 用 、 展 開 し実 践 す る 能 力 」 を 身 に つ け る事 を 望 む の は難 しい と考 え て い る。 そ れ よ り もむ しろ 、 医 療 の 現 場 に 参 加 す る こ と に よ っ て 、 疾 患 を 持 つ 患 者 と 向 き 合 う 医 療 人 と な る こ と を 自覚 し、 患 者 と は も ち ろ ん 、 医 療 ス タ ッ フ と 良 好 な コ ミ ュ ニ ュケ ー シ ョ ン を 保 つ こ と の 大 切 さ を 実 感 す る こ と が よ り大 切 で あ る と考 え て い る。 我 が 国 の2008年4月. 現 在 の 視 能 訓 練 士 の養 成 施 設 は 、①4年 制 大 学(文 部 科 学 省)6校. ② 短 期 大 学 卒 以 上1年 制 の 専 門 学 校(厚 生 労 働 省)2校. 、③ 高 校 卒3年. 門 学 校(厚. あ る。 同 じ く2008年4月. 生 労 働 省)17校. 有 資 格 者 数 は8,000人. の 計23校(1校. は重 複)で. 、. 制 お よ び4年 制 の専 現在 の総. 余 りで そ の知 名 度 は低 い 。 卒 業 後 、 ほ と ん ど の者 が 病 院 の 眼 科 や 眼. 科 診 療 所 に 勤 務 して い る が 、 す べ て の 病 院 や 眼 科 に 配 置 され て い る わ け で な く、 大 学 病 院 や 大 病 院 で も定 員 枠 が な い こ と も あ る。. 4.
(8) 先 に 述 べ た と お り、 視 能 訓 練 士 が 外 来 に 一 人 で 勤 務 す る病 院 や 眼 科 も ま だ 多 く、 就 職 後 に 研 修 を 受 け る こ と は ま れ で 、 そ の よ う な 場 合 、 臨 地 実 習 が 外 来 で 指 導 を 受 け る 貴 重 な機 会 で あ る。 ま た 、 臨 地 実 習 施 設 に よ って は 指 導 者 で あ る視 能 訓 練 士 の 方 が 受 け 入 れ る実 習 生 の 数 よ り少 な い 場 合 も あ る。 そ の よ う な 施 設 で は 体 系 的 な 実 習 プ ロ グ ラ ム を 行 う 余 裕 も な く、 日常 の 外 来 診 療 の 中 で 随 時 指 導 して い く方 式 を と る施 設 が 多 い 。 筆 者 の 勤 務 す る 学 院 は1年. 制 の視 能 訓 練 士 養 成 校 で あ る。 当学 院 の 入 学 者 は 年 齢 、 出 身. 大 学 、学 部 、 職 歴 等 様 々で あ る が 「1年間 で 国 家 資 格 を取 る 」 と い う 強 い 目的 意 識 を持 っ て 集 ま っ て い る 。 入 学 後 か らお よ そ7カ の 後3カ. 月 間 、 専 門基 礎 科 目、 専 門 科 目 を 学 院 内 で 学 び 、 そ. 月 間 で 各 自が3箇 所 の 施 設 で 臨 地 実 習 を行 う。. 3ヵ 月 の 間 実 際 の 臨 床 の 場 で、学 生 は学 内 で の 講 義 や 実 習 で は得 られ な い 経 験 を して い く。 し か しな が ら、 近 年 病 院 は 、 電 子 カ ル テ や 多 くの 精 密 機 械 が 導 入 さ れ た 事 に 加 え 、 患 者 の 意 識 の 変 化 や 、 医 療 事 故 に 繋 が る ヒ ヤ リ ・ハ ッ ト(Medicalincident)の. 記 録 の導 入 や、. 個 人 情 報 の 保 護 等 患 者 の 安 全 と権 利 を守 る た め 、 無 資 格 者 で あ る 学 生 が 受 け 持 た せ て も ら え る 患 者 が 制 限 さ れ 、 実 習 中 に経 験 で き る検 査 の 範 囲 と機 会 が 減 っ て き た 。 学 生 は 見 学 の み と い う施 設 も あ る。 現 場 か らは 「こ の 頃 の 卒 業 生 は何 もで き な い 」、 「す ぐに は 役 に 立 た な い 」 と い う意 見 が 聞 か れ る こ と も あ る。 学 生 個 人 の 資 質 も も ち ろ ん 関 係 す る で あ ろ う が 、 現 在 の 実 習 受 入 れ 施 設 で の 経 験 不 足 も 関 係 して い る の で は な い か と 思 わ れ る 。 一方. 、 坪 井(2004)は. 、 保 育 実 習 につ い て 実 習 後 の 指 導 の重 要 性 を 述 べ て い る 。 ま た 、. 看 護 教 育 で も 実 習 後 の 「振 り返 り」 の 必 要 性 が 注 目 さ れ て い る 。 学 院 の カ リキ ュ ラ ム で は 臨 地 実 習 終 了 後 、2週 間 で 国 家 試 験 受 験 と な るた め 、学 生 は 実 習 終 了 後 国家 試 験 の勉 強 に 専 念 す る。 国 家 試 験 後 は す ぐ に卒 業 式 を迎 え る た め 、 臨 地 実 習 を 終 え た 学 生 に 実 習 指 導 者 か ら の 評 価 を 伝 え る こ と は あ る が 、「振 り返 り」な ど の 臨 地 実 習 後 の指 導 は お こ な っ て い な い 。 先 に も述 べ た よ う に、 臨 地 実 習 で は養 成 校 の教 員 が 出 向 い て 指 導 す る こ と は な く、 実 習 施 設 に 勤 務 す る 視 能 訓 練 士 が 指 導 し評 価 す る。 学 生 全 員 が 同 じ施 設 に 実 習 に 行 くわ け で な. 5.
(9) い の で 指 導 方 法 も 評 価 基 準 も 異 な る も の と な る(福 山 ・樋 渡 ・西 尾 ・梶 野 ・佐 藤 ・小 林,2007)。. 学 生 自身 が 臨 地 実 習 を 「 振 り返 る 」 事 は 学 生 個 人 の 成 長 に と っ て 大 切 な こ と で あ り、 教 員 に と っ て も、 実 習 記 録 や 指 導 者 か ら の 実 習 評 価 で は わ か ら な い 学 生 の 思 い や 活 動 の 様 子 、 ま た 、学 生 が ど の よ う な問 題 意 識 を 抱 い て い る の か 、何 を 学 ん で い る か を 知 る機 会 とな る。 そ こ で 本 研 究 で は、 学 生 が 臨 地 実 習 の場 で 何 を ど の よ う に何 を考 え 、 何 を 問 題 と して参 加 し て い る か を 知 る た め に、 臨 地 実 習 を 終 了 した 直 後 の 学 生 、 並 び に既 に 視 能 訓 練 士 と し て 働 い て い る卒 業 生 に 半 構 造 化 イ ン タ ビ ュ ー を 行 う こ と に した 。 そ の こ と に よ って 学 生 の 臨 地 実 習 に お け る学 び の 実 態 を知 る と と も に 、 現 在 の 臨 地 実 習 の シ ス テ ム の 問 題 点 を 明 ら か に し、 臨 地 実 習 の 目標 の 見 直 しや 養 成 校 で の 教 育 に つ い て も考 え て い き た い 。 従 来 よ り 臨 地 実 習 は 知 識 を 教 授 さ れ る の で は な く 「現 場 の 学 習(learninginsituation)」 とか. 「為 す こ と に よ る 学 習(1earningbydoing)」. と考 え られ て き た 。 将 来 、 自 分 が働 く. 医 療 の 場 と い う 実 践 共 同 体 に 、 学 生 は 「見 習 い 」 の よ う に 入 っ て い く。 こ の こ と か ら 臨 地 実 習 で の 実 習 生 の 経 験 や 学 び を考 察 す る に あ た って 、 次 に 述 べ る 正 統 的 周 辺 参 加 論 を 理 論 的 枠 組 み と して 取 りあ げ る こ とが 適 当 で は な い か と考 え た 。. 2.状. 況 論 的 ア プ ロ ー チ=正 統 的 周 辺 参 加. 古 典 的 学 習 理 論 の 立 場 は 、個 体 が 技 術 や 知 識 を主 体 的 に習 得 して い く こ と を 「学 習 」 と定 義 す る。 しか し、 そ こ で は 、 主 体 が 技 術 と知 識 を 習 得 す る 時 の 状 況=環. 境(ヒ. ト ・モ ノ ・. コ ト)が 考 慮 され て い な い 。 こ の 場 合 の 状 況 と は 、 環 境 が 個 体 に 与 え る 影 響 、 な ら び に 個 体 と 環 境 との 問 に 生 じる相 乗 的 な 相 互 作 用 、 な ど が 含 ま れ る。1980年. 代 以 降 こ の よ う な諸. 関 係 の 相 互 作 用 に 着 目す る こ と に よ り、認 知 や 学 習 、発 達 を 捉 え な お す 動 き が 生 ま れ た。「 状 況 的 学 習 論 」 は 、 学 習 を社 会 的 実 践 の 理 論 の観 点 か ら捉 え な お した もの で あ る。 レ イ ヴ と ウ エ ン ガ ー(1993)は. 「状 況 的 学 習 」 の 考 え は 包 括 的 な 概 念 で あ り 、 社 会 的 実. 践 の 統 合 で あ る と し 、 こ の 新 し い 考 え 方 を 正 統 的 周 辺 参 加(LegitimatePeripheral Participation)と. い う言 葉 で 定 義 し、 参 加 を通 して 、 技 能 と知 識 の 変 化 、 周 りの 外 部 環 境. 6.
(10) と の 学 習 者 の 関 係 の 変 化 、 学 習 者 の 自己 理 解 の 変 化 が 見 られ る こ と を 明 らか に した 。 正 統 的 周 辺 参 加 と は 「状 況 論 的 ア プ ロ ー チ」 で こ れ ま で 得 られ て き た 知 見 を 取 り込 ん だ 、 新 し い 統 合 的 な 学 習 理 論 を構 築 しよ う と す る試 み の 一 つ で あ る と考 え ら れ る 。 彼 ら に よ れ ば 、 学 習 は ア イ デ ン テ ィ テ ィの 形 成 過 程 で あ り、 す べ て の 学 習 が 「何 者 か に な っ て い く」 と い う 自 分 づ く りで あ る と され る。 坪 井(2004)は. 保 育 実 習 に っ い て 、(1)正 統 的 周 辺 参 加 、(2)暗 黙 知 の 解 明 、(3)状 況 論 、. (4)「 わ ざ 」 の 学 習 な ど の4つ の 研 究 領 域 に よ り、 実 習 生 の 学 び の 内 容 や 方 法 が 、 仕 事 場 で 仕 事 を 学 ぶ あ り方 と して あ る程 度 説 明す る こ と が 可 能 と な った と述 べ て い る 。 ま た 、 香 川 ら(香 川 ・茂 呂,2006)(香. 川 ・櫻 井,2007)も. 看 護 学 生 の 校 内 実 習 と院 内(臨. 地)実. 習 の学. 習 の変 化 につ い て、 状況 論 にお け る 「 移 動 」 と い う観 点 か ら分 析 を お こ な っ て い る。 本 研 究 で も、 実 習 生 は 病 院 の 眼 科 外 来 と い う 実 践 共 同体 に 最 初 は 見 学 者 と して 、 次 に 、 少 しず つ 業 務 を体 験 して い く こ と に よ っ て 正 統 的 に 「 周 辺 参 加 」 して い る と い う視 点 に立 って 、 彼 ら の 実 習 で の 経 験 や 学 び を分 析 す る こ と と した 。 しか し、 眼 科 外 来 診 療 と い う 実 践 共 同 体 全 体 の 中 で の 視 能 訓 練 士 と い う コ ・メ デ ィカ ル 自体 の 位 置 づ け を 考 え る と 、 ま ず 、 視 能 訓 練 士 の 実 践 は他 の 複 数 の 職 種 が 混 在 す る コ ミ ュ テ ィ の 中 で 行 わ れ る(視 能 訓 練 士 ・医 師 ・看 護 師 ・ク ラ ー ク な ど 医 療 ス タ ッ フ や 患 者)こ と に 加 え 、 そ の 業 務 は 「医 師 の 指 示 の も と で 」 行 わ れ る と言 う法 的 な 制 限 を 受 け る 。 そ の た め 、 そ の 存 在 自体 が 外 来 診 療 に お い て は 医 師 の補 助 的 役 割 と な り、 共 同 体 の 中 心 を な す もので は ない 。 ま た 、 実 習 生 は 教 育 制 度 の 中 で 実 践 共 同 体 で あ る外 来 に参 加 して い る が 、 実 践 共 同 体 の 中 で 育 て られ い ず れ 一 員 と な る わ け で は な く、 一 過 性 の 参 加 者 で あ る。 こ れ で は 「正 統 的 周 辺参 加 」 とい え るか どうか は疑 問で ある。 こ の よ う な こ と か ら レイ ヴ と ヴ ェ ン ガ ー(Lave&Wenger,訳. 佐 伯 辟1993)ら. が記. 述 して い る 「肉 屋 」 「仕 立 屋 」 に 例 を 見 る よ う な 正 統 的 周 辺 参 加 の モ デ ル を、 本 研 究 に そ の ま ま 取 り入 れ る こ と は難 しい 。 しか し実 習 生 が 仕 事 場 と して の 実 践 共 同 体 に 周 辺 的 に 「参. 7.
(11) 加 」 しっ つ 仕 事 を 学 ん で い る とい う観 点 は 、 彼 ら の 立 場 、 経 験 、 お よ び 学 び の あ り方 を 探 っ て い く上 で ひ と つ の 有 用 な参 照 枠 と な る と考 え る 。. 3.目. 的. 臨地 実 習 は ほ とん どの 医療職 に義務付 け られ た教 育 カ リキ ュ ラムで 、学 生 が学 内 で学 ぶ こ と の で き な い 専 門 的 な 知 識 、 技 術 、 態 度 を 自 らが 体 験 し、 医 療 職 と して の 活 動 を 学 ぶ 重 要 な 養 成 カ リキ ュ ラ ム で あ る。 患 者 と出 会 い 、 現 場 で 働 く人 た ち の 姿 に 触 れ 、 指 導 され 自 己 の 将 来 像 を 描 く場 で も あ る 。 医 師 は 、 学 部 で の 臨 地 実 習 も充 実 し、 卒 後 医 師 と な っ て か ら も研 修 医 制 度 が 確 立 し て い る。 ま た 、 近 年 、 大 学 の 医 学 部 や 看 護 学 部 で は 学 生 自 身 が 将 来 医 師(看 を持 ち モ チ ベ ー シ ョン を 高 め る た め に早 期(1年. 次 生)か. 護 師)と. な る 自覚. ら見 学 を 中 心 に した 臨 地 実 習 が 取. り入 れ られ 始 め て い る 。 そ れ に 比 べ コ ・メ デ ィカ ル で は 教 育 体 制 も確 立 して お らず 、 教 育 に 関 して の 研 究 も少 な い 。 近 年 よ う や く研 究 ・報 告 が な され る よ う に な っ て き た が まだ ま だ 少 な く、 臨 地 実 習 に 関 して 言 え ば ほ と ん ど が 評 価 や 方 法(藤i田. ・中 田 ・松 林 ・新 井 田,2007)な. ど指 導 者 側 の 立. 場 に立 つ もので あ った。 本 研 究 で は 、 コ ・メ デ ィ カ ル の 一 種 で あ る視 能 訓 練 士 の 臨 地 実 習 に お い て 、 実 習 生 は 病 院 の 眼 科 外 来 と い う実 践 共 同体 に 「正 統 的 周 辺 参 加 」 して い る と い う視 点 に 立 っ 。 彼 ら は どの よ う な 「 参 加 」 の しか た を して い るの だ ろ う か 。 そ して そ の 中 で 何 を 感 じ、 学 び 、 ま た ど の よ う な 問 題 意 識 を持 つ の か を 彼 らの 語 り を通 し て 探 っ て い く。 そ れ に 加 え て 、 就 職 し、 新 人 で は あ る が 正 規 の 職 員 と して 実践 共 同 体 に参 加 して い る卒 業 生 に と っ て 、 臨 地 実 習 で の 体 験 が ど の よ う に 生 か され て い るか も調 査 す る。 これ らの 調 査 を通 して 現 在 の 臨 地 実 習 の 実 態 と 問 題 点 を 探 り,養 成 施 設 で の指 導 や 臨地 実 習 の あ り方 を考 え 直 して い きた い 。. 8.
(12) 4.質. 的研 究法. 質 的 研 究 法 は"ど. の よ う な"と. い う質 的 な 問 い に 答 え る の に 適 して い る 上 に 、 プ ロ セ ス. を 理 解 す る こ と に 効 力 を 発 す る と さ れ る(佐 藤,2008)。. また、 未 開 分 野 の探 索研 究 にお い. て 有 効 で あ る と さ れ て い る の で 、 コ ・メ デ ィ カル 養 成 課 程 の 学 生 が 臨 地 実 習 で どの よ う に 臨床 現 場 に 「 参 加 」 して い る か を 学 生 の 目線 に 立 っ て 明 ら か に し て い こ う と す る 本 研 究 に お い て 、 ふ さ わ しい 方 法 で あ る と 考 え た 。 具 体 的 に は 、 臨 地 実 習 を 終 了 し た 直 後 の 学 生 、 並 び に 視 能 訓 練 士 と して 働 い て い る 卒 業 生 に 半 構 造 化 イ ン タ ビ ュ ー を 行 い 、 発 話 を 全 て 文 字 化 し、 テ キ ス ト ・デ ー タ に す る 。 次 に 、 デ ー タ を 読 み な が ら 、 一 種 の 小 見 出 し の よ う な も の を つ け て い く(コ. ー ドの 割 り 当 て)。 こ. れ を 定 性 的 コ ー デ ィ ン グ と い う 。 こ の コ ー ドを 相 互 に 比 較 し た り 、 コ ー ドが 付 け ら れ て い る 文 章 の 箇 所(セ. グ メ ン ト)同. 士 の 関 係 を 明 らか に して い く。 こ の プ ロ セ ス を通 し て イ ン. タ ビ ュ ー の 内 容 を 縮 約 し て い く 。 ま た 、 こ の コ ー ド を 使 っ て 、 ツ リ ー 図 を 作 成 し、 イ ン タ ビ ュ ー の 内 容 を 整 理 し 、 文 脈 の 構 成 や 流 れ を 見 て い く。. 一 方 で 元 の セ グ メ ン トや テ キ ス ト全 体 の 文 脈 に立 ち返 って 、 小 見 出 し と して 当 て は め た コ ー ドは 適 切 な も の か ど う か 、 ま た コー ド同 士 の 関 係 は ど の よ う な もの か を 見 て い く。 こ の よ う に テ キ ス トか ら コー ド、 コー ドか ら テ キ ス トと い う作 業 を何 度 な く繰 り返 して い く。 こ の よ う に して 定 性 的 コ ー デ ィン グ され た 文 書 セ グ メ ン トを再 び 新 しい 文 脈 に組 み 込 ん で ス トー リー 化(再 文 脈 化)し て い く継 続 的 比 較 法 と い う技 法(佐 藤,2008)を. 用 い て 要 約 し、. 分 析 を 行 う。. lll本 研 究 の対 象 校 お よび 予 備 研 究 《対象校 および予備研究の 目的》 本 研 究 の 対 象 校 で あ るKセ. ン タ ー 附 属 視 能 訓 練 学 院 は1年 制 の 視 能 訓 練 士 養 成 校 で あ る。. 学 院 の 入 学 者 は年 齢 制 限 も な く、 視 能 訓 練 士 法 が 定 め る1年. 制 養成 課程 受験 資格 の指定科. 目 を 修 得 して い れ ば 、 出 身 大 学 や 学 部 を 問 わ な い の で 、 学 歴 も短 期 大 学 卒 か ら国 立 大 学 博. 9.
(13) 士 課 程 修 了 ま で 、 出 身 分 野 も理 系 、 文 系 様 々で あ る。 社 会 人 入 学 な どの 枠 は 特 に な い が1 年 で 国 家 資 格 が 取 れ る た め 昭 和50年. 創 立 時 よ り社 会 人 の 入 学 が 珍 し くな い 。 職 歴 も教 員 、. 看 護 師 、 眼 科 に 無 資 格 で 勤 務 して い た者 や 眼 鏡 店 勤 務 、 眼 科 か ら の 派 遣 を は じめ 、 全 く医 療 と は 関 係 の な い 営 業 職 や 研 究 職 、 キ ャ ビ ン ア テ ン ダ ン トか らの 転 職 な ど多 岐 に わ た る。 全 員 が 「1年 間 で 国 家 資 格 を 取 る 」 と い う強 い 目的 意 識 を持 っ て 集 ま って お り、途 中退 学 を す る者 も少 な く、 国家 試 験 の 合 格 率 もほ ぼ100%で 入 学 後 か らお よ そ7カ. あ る。 また、 女性 の割 合 が非 常 に高 い。. 月 間 、 専 門 基 礎 科 目、 専 門科 目 を学 院 内 で 学 び 、 そ の 後3カ. 月間. 臨 地 実 習 を 行 い 、 終 了 後2週 間 で 国 家 試 験 を受 け る と い う ハ ー ドな カ リキ ュ ラ ム で あ る。 視 能 訓 練 学 院 の 講 義 カ リキ ュ ラ ム は基 礎 か ら応 用 と 前 期 後 期 で 大 ま か に は別 れ て い るが 、 外 部 委 託 講 師 は 忙 し く、 臨 床 業 務 の 合 間 に 講 義 に来 て も ら う の で 、 必 ず し も基 礎 か ら応 用 へ と 言 う よ う に系 統 立 っ て い な い 。 夏 休 み は ほ と ん ど な く(約3日 習 を含 め 実 技 の 集 中講 義 な ど を行 う。 臨 地 実 習 は 夏 期1人5日 設(1施. 設1か. 月)行. う。 臨 地 実 習 終 了 後 の2週. 間)、 夏 期 は 夏 期 臨 地 実. 間 、 秋 冬 は1人3か. 月3施. 間 は 国 家 試 験 の勉 強 に専 念 し、 国 家 試 験. 終 了 後 す ぐ に 卒 業 式 を 迎 え る。 次 に学 院 の1年. 間 の ス ケ ジ ュ ー ル(図2)と. 学 院 か ら臨 地 実 習 先 に 依 頼 して い る 臨 地 実 習. 評 価 票 の 観 点 を あ げ て お く(表D. 10.
(14) 墜◎勉{:離. 毒緊1礁 翼. Jl戴 騨 幾膨 》轄. 概. 姻トー一 一. 零 肇 重教i翼. 螂1雛. 翫 鍵1響 蓋. 曜. 鞍㌘{勲. 轍. 撃 図2. 較募期 簸 地鐘 講 繍 ゴ. 翻 ・. 》[響. 学 院 の1年. 表1学. ←一一 一. 間の ス ケジ ュール. 院の臨地実習評価票の観点. 1. 患 者 お よ び そ の 家 族 へ の 接 し方 2. 視 能 訓 練 士 へ の 接 し方 と交 流 3. 眼 科 ス タ ッフ へ の 接 し方 と交 流 4. 実 習 を受 け る 態 度 5. 基礎 知識 につい ての理 解度 6. 器 械 ・器 具 の と りあ つ か い に つ い て 7. 検査 手技 につい て. 筆 者 は学 生 か ら卒 業 式 前 の 感 想 と して 「忙 しい1年. だ った」 「 生 きて きた中で 一番 大変 だ. っ た 」 な ど と 聞 く こ と は あ って も、 具 体 的 に 学 生 が 学 院 内 の 講 義 、 実 習 や 臨 地 実 習 で 、 何 が 大 変 で 何 を 問 題 だ と感 じて い た か を 聞 く こ とは な か った 。 学 院 の1年 (深 井 、1995)な. 制 の カ リキ ュ ラ ム で は ロ ー ル プ レイ な ど を 使 った コ ミ ュニ ュケ ー シ ョ ン教 育 ど を 行 う 余 裕 も な く臨 地 実 習 に 出 る た め 、 筆 者 は か ね て よ り 臨 地 実 習 中. l l.
(15) に 学 生 は 患 者 と の コ ミ ュ ニ ュ ケ ー シ ョ ン に 問 題 を覚 え て い る と考 え て きた が 実 際 は ど う な の で あ ろ う か 。 ま た 、 学 生 は 臨 地 実 習 で 指 導 者 に注 意 さ れ た こ と を 本 当 に理 解 して い る の で あ ろ う か。 ま た 筆 者 は 、 学 生 が 実 習 指 導 者 に 悪 い 評 価 を受 け 、 た だ 評 価 を 伝 え られ るだ け で学 生 が 就 職 して い く こ と が 気 に な って い た。 そ こで 予 備 研 究 と して1年 実 態 を広 い 観 点 に た っ て 把 握 す る た め に、 卒 業 生(卒 ー プ イ ン タ ビ ュー を お こ な った. 後6カ. 制 の養 成課 程 での学生 の. 月)を 対 象 に、 半 構 造 化 グ ル. 。. 《参 加者》 参 加 者 は学 院32期. 生(平 成19年3月. 卒 業)5名. 。 こ の5名. は イ ン タ ビ ュー を 行 う 呼 び か. け に応 じた 自主 参 加 者 で あ り、 筆 者 が 意 図 的 に選 ん だ わ け で は な い 。 参 加 者 の プ ロ フ ィ ー ル を 表 に 示 す(表2)。 表2参. 加 者 の プ ロ フ ィー ル. 名前. 性別. 年齢. 職歴. 勤務先. H. F. 29. 事 務職. 総 合病 院眼科. 1. F. 23. な し(大 学 卒 す ぐ). 眼科専 門病院. G. M. 31. 営業職. 総合病 院眼科. K. F. 30. 食 品研究職. メ デ ィカ ル セ ン ター. E. M. 33. 盲学校教 員. 大学附属病 院眼科. 《 日時 お よ び 場 所 》 平 成19年9月8日. 兵庫 教 育大学 サ テラ イ ト. 演 習室. イ ン タ ビ ュ ー ア ー は 参 加 者 の 元 教 員 で も あ った 筆 者 本 人 、 記 録 係 と して 参 加 者 と は初 対 面 の 筆 者 の 指 導 教 員 が 立 ち会 っ た。. 12.
(16) 図3予. 備 研 究 イ ンタ ビュー. 演 習 室 レイ ア ウ ト. 《 手 続 き》 参 加 者 へ は 、 本 研 究 の 研 究 目的 を説 明 した 上 で 、 公 表 は 匿 名 性 を 確 保 した 形 で な さ れ る こ と 、 協 力 を途 中 で 辞 退 す る こ と は 自 由 で あ る こ と 、ICレ. コー ダ ー で の 録 音 と ビ デ. オ 撮 影 を 行 う が 先 に述 べ た 研 究 の 目的 以 外 に使 用 す る こ と は な い こ と、 イ ン タ ビ ュー の デ ー タ管 理 に 関 して は倫 理 的 に配 慮 す る こ と を 説 明 し、 書 面 で 同 意 を得 た 。 質 問 に対 して の 答 え は 自 由 で(答 え な くて も よ い)評 価 され る こ と は な い こ と、 部 屋 の 出 入 りは 自 由 で あ る こ と も説 明 した。 ま た 、 参 加 者 と は初 対 面 で あ る記 録 係 につ い て も紹 介 を お こな った 。 イ ン タ ビ ュ ー を 始 め る前 に、 飲 み 物 、 菓 子 な ど を と り な が ら近 況 報 告 な ど を 歓 談 し合 い な が ら 発 言 しや す い 雰 囲 気 を作 っ た 。. 《質問の内容》 (1)視. 能 訓 練 学 院 で の1年 間 の 感 想. (2)学. 院 内 で の講 義 と実 習 の 感 想 、 問 題 点 及 び 改 革 点. (3)臨. 地 実 習 の感 想 、 問 題 点 な ど. (4)臨. 地 実 習 か ら卒 業 まで につ い て(臨 地 実 習 振 り返 り の 必 要 性). (5)就. 職 して 業 務 上 困 っ た こ と. (6)卒. 前 教 育 に望 む こ と. (7)後. 輩 に伝 え た い こ と. 13.
(17) 《結果 と考察》 ICレ. コ ー ダ ー で 録 音 した イ ン タ ビ ュ ー 内容 を す べ て 文 字 化 し、 そ の 中 の 主 要 な も の. を 質 問 ご と に 、 発 言 者 に 関 わ らず ま とめ た 。. 表3イ. ン タ ビ ュ ー の要 約. 14.
(18) (6)卒 前 教 育 に望. ど こ ま で で き れ ば よ い か 、 基 準 が ほ しい 。. む こと (7)後 輩 に 伝 え た い こと. 学 院 で の 実 習 を学 生 同士 で は な く患 者 さん と思 っ て や る こ と。 視 能 訓 練 士 は医 療 人 と して ど うあ るべ きか を考 え る こ とが 必要 。 覚 悟 して 入 っ て くるだ ろ うか ら言 う こ とは ない 。. 以 上 の 結 果 を も と に 臨 地 実 習 を含 む 、 学 院 の1年 間 の 学 生 の イ メ ー ジ を モ デ ル 化 した 。 視 能 訓 練 士 の カ リキ ュ ラ ム は 大 き く2つ に 分 か れ る。1つ は 学 院 内 で 行 わ れ る講 義 ・実 習 (専 門 基 礎 科 目 ・専 門 科 目)と. も う1つ は 医療 の 現 場 で 行 わ れ る 臨 地 実 習 で あ る 。 多 様 な. バ ッ ク グ ラ ウ ン ドを持 った 学 生 が 、 共 通 の 目的 を 持 っ て 、 学 生 同 士 助 け 合 い 、 学 院 内 の 講 義 ・実 習 を 乗 り越 え て い る。 学 院 内 の 講 義 や 実 習 は そ の ま ま で は 臨 地 実 習 で 役 立 っ と は 思 っ て い な い 。 学 生 は 臨 地 実 習 先 で 、 本 来 の 臨 地 実 習 の 学 び の 目的 と は 異 な る 、 立 ち 位 置 が わ か らな い な ど の不 安 を持 っ た り、 様 々な 気 づ か い を して い た。. 15.
(19) 多 様 な バ ッ ク グ ラウ ン ド 学齢 ・年齢 ・職歴. 共 通 の 目 的 1年 で視 能訓練 士になる. o 1乗. り越 え る し か な い1. o 学生 同士 の助 け合い. o 医療 の場 ・実践共同体. 臨地実習. (三)㊦ ハ/\. 様 々 な気 づ かい ・い ろ い ろな 思 い ど こ ま で して い い かわ か ら. 一. な い 。 申 し訳 な い 答 え られ な い. o. 図4学. 院 生 が 持 つ1年 の イ メ ー ジ. 先 に 述 べ た よ う に、 発 話 の 中 で は 学 生 は 臨 地 実 習 で 、 様 々 な 気 づ か い を して い た よ う で あ る が 、 「臨 地 実 習 で の 問 題 点 は 何 か 」 と い う 問 い に は 、 イ ン タ ビ ュ ー 参 加 者 が 問 題 点 と し て あ げ た こ と の 多 くが 「 技 術」 につい てで あ った。 筆 者 に と っ て学 院 で の1年. に 関 して の 語 りは 予 想 通 りで あ っ た が 、 臨 地 実 習 で の 問 題 点. に つ い て は 医 療 の 現 場 に 対 す る戸 惑 い や 患 者 との コ ミ ュ ニ ュ ケ ー シ ョン の 悩 み な どが 語 ら れ る と予 想 して い た 。 しか し、 指 導 者 に質 問 さ れ た が 答 え られ な か った 事 、 手 技 が で きな か っ た 事 、 ま た そ れ ら を指 導 者 に注 意 され た 事 を語 っ た も の に 偏 っ て い た。 医 療 はEMB(Evidencebasedonmedicine)中 onmedicine)が. 心 の 時 代 か らNBM(narrativebased. 見 直 され る時 代 と な っ て い る。 医 師 と患 者 と の コ ミ ュ ニ ュケ ー シ ョ ン の大. 切 さ や 医 師 の 養 成 課 程 で の 全 人 教 育 が 提 案 さ れ て い る(斉. 16. 藤 ・岸 本,2006,)(斉. 藤,2007)。.
(20) そ の 中 に あ っ て 視 能 訓 練 士 の 臨 地 実 習 で は 指 導 者 は 技 術 面 に 重 き を お い て 指 導 して い た の で あ ろ う か 。 そ れ と も実 習 生 に 実 習 中 に コ ミ ュ ニ ュ ケ ー シ ョ ン等 に つ い て 問 題 が な か っ た の か 、 ま た 、 あ って も感 じな か った の で あ ろ う か 。 当 学 院 の 臨 地 実 習 の 評 価(図2)の1 ∼3は 患 者 を は じめ 、 ス タ ッ フ との 接 し方 や 関 係 の 取 り方 を評 価 す る も の で あ り、実 習 指 導 者 か ら コ ミ ュ ニ ュ ケ ー シ ョ ン力 不 足 を指 摘 さ れ る 実 習 生 も多 い 。 よ っ て 実 習 指 導 者 が 技 術 面 に 重 き を お い て い た と は 考 え られ な い 。 そ れ で は な ぜ 予 備 研 究 の イ ン タ ビ ュ ー で は 技 術 に 関 す る 語 り が 多 か っ た の で あ ろ う か 。 学 生 は 技 術 が 大 切 と考 え た の で あ ろ う か 。 筆 者 は 、 イ ン タ ビ ュー を お こ な っ た 時 期 が 就 職 後6ヶ. 月 目 とい う こ と と、 臨 地 実 習 終 了. 後 す ぐの 感 想 で は な い とい う こ と に注 目 した 。 視 能 訓 練 士 は 、 外 来 の 流 れ の 決 め られ た 時 間 の 中 で 必 要 な検 査 を して い く。 就 職 後 半 年 で は ひ とつ ひ と つ の 検 査 を こ な す の が や っ と で 、 忙 し く流 れ る外 来 の 中 で 患 者 を総 合 的 に と ら え て い く こ と が 難 しい 。 日 々 自分 の 検 査 技 術 の 未 熟 さ を 指 導 者 に指 摘 さ れ る 中 で 、 臨 地 実 習 を 振 り返 っ た と き、 現 在 の 状 態 や 体 験 が 重 な った 、 も し くは6か. 月前 の ことな ので. コ ミ ュ ニ ュ ケ ー シ ョ ンや 態 度 と い う あ い ま い な も の で な く、失 敗 が は っ き り 自覚 で き る 「 技 術 」 に つ い て の 問 題 点 が 強 く印 象 に残 って い る の で は な い か と考 え た 。 時 間 が た っ て し ま え ば 「臨 地 実 習 」 の記 憶 が あ い ま い に な る た め 、 当 時 在 校 生 で あ っ た 33期. 生 に 臨 地 実 習 終 了 後 あ ま り時 間 が た た な い う ち に イ ン タ ビ ュ ー をす る こ と に した 。 ま. た 、 グ ル ー プ イ ン タ ビ ュ ー で は発 言 す る際 に 他 の メ ン バ ー に 気 を つ か った り、 自分 だ け が 感 じた と 思 わ れ る こ と に 関 して は 発 言 を避 け た りす る 傾 向 が あ る の で 、 個 人 の 特 徴 が 出 る よ う に 個 人 イ ン タ ビ ュー を 行 う こ と と した 。 そ して 、 実 習 生 と して 医 療 の 場 に 「参 加 」 した 経 験 と就 職 後 と の 「参 加 」 と を 比 べ る た め に 国 家 資 格 を 得 て 就 職 して か ら3か 月 後 に も う一 度 個 人 イ ン タ ビ ュー を す る こ と と した 。 一方. 、今 回 予 備 研 究 に 参 加 した卒 業 生(32期. 生)に は 、実 践 共 同体 の構 成 メ ン バ ー と な り、. ま た 実 習 生 を 受 け 入 れ る 側 とな っ て 意 識 が ど の よ う に 変 化 して い る の か 、 臨 地 実 習 の 経 験 が 就 職 後 ど う生 か され て い る か も イ ン タ ビ ュ ー して い くこ と と した 。. 17.
(21) lV研 究1実. 習終 了 後(卒. 業前)イ. ンタ ビ ュー. 《 目的》 学 生 の 臨 地 実 習 で の 経 験 や 思 い を 臨 地 実 習 終 了 後 な る べ く早 い 時 期 に イ ン タ ビ ュ ー す る。. 《参加者》 臨 地 実 習 終 了 後1か 33期. 月(卒. 業 前)の33期. 生 は1期2007年10月29日. 皿 期2008年1月14日. 生(平. ∼ll月22日. ∼2月8日. 成20年3月. 卒 業)6名. 、H期11月26日. の3期 、 約60日. ∼12月21日. 、. 間 の 臨 地 実 習 を行 っ た 。. 臨 地 実 習 先 の 施 設 の 選 択 は学 生 の 希 望 で は な く、 大 学 病 院 系 列 や 実 習 指 導 者 の 経 験 も 考 慮 して 教 員 が 組 み 合 わ せ 、 提 示 して い る 。 参 加 者 と な っ た6名. は33期. 生16名. の う ち筆 者 か らの 協 力 要 請 に応 じて くれ た 学 生 で あ. り、 筆 者 が 選 択 した 者 で は な い 。6人 は一 部 重 な る こ と は あ る が そ れ ぞ れ が 異 な る施 設 に 実 習 に行 っ て い る 。 参 加 者 の プ ロ フ ィー ル を表4に. 表4参. T. R. N. u. Y. 示 す。. 加 者 の プ ロ フ ィー ル 性別. 年齢. 職歴. 臨地実習先. 4月 か らの 勤 務 先. F. 24. なし. ①O大 学 医学部 附属 病院②A病 院. 眼科 開業 医. (大卒 後 す ぐ入 学). ③N大 学 医学部 附属 病院. なし. ①K大 学 医学附属病 院②A病 院. (大卒 後 す ぐ入 学). ③H医 科大学病 院. 眼科関連会社か ら. ①S病. の派遣. ③K医 療 セ ン タ ー. 眼 科 開 業 医 か らの派. ①0総 合 医 療 セ ン タ ー②M病. 遣. ③K大 学 医 学 部 附属 病 院. F. M. F. M. 24. 31. 30. 29. 営 業. ・メ ー カ ー. 眼科 関連会 社. 院②T医 科 大 学 病 院. ①H医 科 大 学 病 院②K医. 眼科専 門病 院. 院. 眼科 開業医. 療 セ ン ター. 大学附属病院 眼科. 合 医 療 セ ン ター. 総合病院眼科. ③T眼 科 病 院 C. F. 30. 事務職. ①H医 科 大 学 病 院 ②0総 ③K医 科 大 学 附 属 病 院. 18.
(22) 《方 法 》 で き る だ け 個 人 の 臨 地 実 習 で の 思 い を 聞 き と る た め に、 グ ル ー プ で は な く個 人 に 半 構 造 化 イ ン タ ビ ュ ー を お こ な っ た(1人20∼30分)。 聞 き取 り手 は参 加 者 の教 員 で あ る筆 者 が 行 った が 、 で き る だ け 教 育 者 的 な 発 言 は避 け 、 参 加 者 の語 りを聞 くこ とに徹す る よ うに努 めた。 参 加 者 が学 生 で あ るた め、 発 話 は評 価 に 何 ら 関 係 が な い こ とを 伝 え た 。 倫 理 的 な 配 慮 や 手 続 き は 予 備 研 究 に 準 じた。 聞 き取 り手 と学 生 の2人 記 録 はICレ. き りで 行 うた め 、 自然 に 話 が で き る よ う に ビ デ オ 撮 影 は 行 わ ず. コー ダ ー(2台)の. み と した。緊 張 を ほ ぐす た め 最 初 の 数 分 は 雑 談 な ど を して 、. 会 話 に ス ム ー ズ に入 れ る よ う に した 。 会 話 の 内 容 は 全 てICレ. コ ー ダ ー で 録 音 し、 そ の 後 文 字 化 しそ れ を も と に定 性 的 コ ー デ. ィ ン グ を 繰 り返 し、 分 析 を 行 い 脱 文 脈 化 した も の を 再 び ス トー リ ー 化 を して 要 約 し、 考 察 を進 め た。. 《 日時 お よ び 場 所 》 2008年3月3、4日 学 院 内(講. 師 室)で. 、 教 員 で あ る筆 者 が 面 接 を お こな った 。. 窓 ドア 図5研. 究1イ. ン タ ビ ュー. 講 師 室 レイ ア ウ ト. 《質 問の内容》. 19.
(23) (1)1年. 間 の学 院 を振 り返 って. (2)学. 院 内 で の講 義 ・実 習 に つ い て の 問 題 点 や 改 革 点. (3)臨. 地 実 習 に対 して 思 う こ と. 《結 果 と考 察》 イ ン タ ビ ュ ー を 文 字 化 した も の を、 定 性 的 に コ ー デ ィ ン グ し、 再 構 成 した 要 約 を 筆 者 の 参 加 者 に 対 す る考 え も含 め て 次 に 記 す 。. [T] 知識 一 番 気 にな っ た 事 は 「知 識 の た りな さ 」で あ った 。知 識 は学 院 で詰 め 込 ん で 行 っ た っ も りだ っ た が 、 す ぐ に は 出 て こな い の で家 に帰 って そ れ を も う一 度 自分 で 勉 強 した 。 雰 囲気の違 い 施 設 に よ る 「雰 囲 気 」 の 違 い は仕 方 が な い もの で あ る と思 っ た。 検 査 等 の手 技 は 、患 者 固 有 の 症 状 や 外 来 の 流れ に慣 れ て くれ ば 問 題 な い と感 じて い た 。 患 者 に 対 して 患 者 へ の コ ミ ュ ニ ュケ ー シ ョ ンは抵 抗 が な か った 。 臨 地 実 習 と学 院 の 印 象 実 習 は 楽 しか った し、学 院 の 講義 や 実 習 に対 して も最 初 は戸 惑 っ たが 、だ ん だ ん 慣 れ て い った 。 Tは 評 価 票 か ら も、 ど の施 設 で も 柔 軟 に対 処 して い る様 子 が う か が わ れ る。Tは で の 実 習 で も理 解 が 早 く、 器 用 で あ っ た。 臨 地 実 習 で も3施. 学院 内. 設 と も実 習 指 導 者 や 患 者 との. コ ミ ュ ニ ュ ケ ー シ ョン に問 題 は な か っ た と評 価 され て い る 。 検 査 等 の 手 技 は 、 未 熟 で は あ っ て も指 導 者 側 の 「実 習 生 と して 」 要 求 さ れ る 水 準 に は 達 して い た よ う で あ る。 自分 が 出 来 な い 事 を冷 静 に把 握 しそ の場 で で き な か っ た 事 は 帰 宅 して か ら復 習 し、 身 に つ け て い っ た 。 ま た 実 習 記 録 に は指 導 者 が 要 求 して い る こ と が 的 確 に 書 か れ て い る と指 導. 20.
(24) 者 側 か ら評 価 も高 か った 。. [R] 臨 地 実 習 に 対 して か な り厳 しい と覚悟 して臨 地 実 習 に参 加 を した 。 最 初 の 実 習 先 で の 雰 囲気 が 思 っ て い た よ り良 く、 ま ず 若 い ス タ ッ フ と仲 良 くな り溶 け 込 み 楽 し く過 ご した 。 こ の1期. 目 に 行 った 実 習 先 で 実習 の 楽 しい イ メ ー ジが 確 立 しあ と2か 所 の 実 習 も楽 し くで. きた。 心 構え Rに は 指 導 者 か ら 「よ く見 られ た い」 とい う意 識 が ほ とん どな く、 「医 療 の 場 な の で 大変 な こ と に な る か ら余 計 な こ と は しな い 」と 自分 に言 い 聞 か して い て 、注 意 され て も 「実 習 生 だ か らで き な い の は 当た り前 」 と受 け 入 れ 、 落 ち 込 ま な か った 。 ll期 目 に行 っ た 施設 で は厳 しい言 葉 で 指 導 者 に注 意 さ れ 、一 緒 に 行 った も う一 人 の 学 生 は 、 か な り落 ち 込 ん で い た よ うで あ るが 、Rは 気 に な ら な か っ た 。 強 い言 葉 で 注 意 され て も 「考 え な い とい け な い 質 問 で 勉強 に な っ た」 と思 った 。 麺 検 査 手 技 にお い て は 「あ ん な に練 習 した の に な ん で で き な い の だ ろ う」 と思 っ たが 、 必 要 以 上 に 自分 を 責 め た りは しな か っ た 。 学 院 で は で き た 事 が 臨 地 実 習 で で きな か っ た 理 由 は 、学 生 同 士 で 実 習 を す る と、 相 手 も 検 査 の 事 を 知 っ て い る か ら 中途 半 端 に確 認 しな が らや っ て い た の か も しれ な い し、 周 りの み ん な も 同 じ事 をや っ て い る か ら、 自分 で 手 技 の 流 れ な ど しっ か り組 み 立 て な くて もな ん とな く 周 りを 見 な が らや れ て しま っ た 。 評価 にっいて 「評 価 さ れ て い る」 とい う緊 張 感 は ま っ た く感 じな か った 。 知 識 が な い 、 検 査 に慣 れ な い とい う問 題 は感 じたが 臨 地 実 習 は 楽 し く終 わ っ た 。. 21.
(25) イ ン タ ビ ュ ー 中 、 指 導 者 を 批 判 した りす る こ と は な く、 楽 しい 日常 の エ ピ ソ ー ドを語 っ た。. 33期 生 の 中 で は 最 年 少 で 、 明 る く基 本 的 学 力 も高 く器 用 で は な い が 、 レポ ー トな ど の ま とめ方 な ど能 力 が高 い。 実習評 価 も良か った。. [u] 実 習 の イ メー ジ. 問 題 点 は感 じて い た が 実 習 は 楽 しか っ た 。 臨 地 実 習 に 対 して は 、 笑 顔 もな く 「び しば し」や られ る怖 い イ メー ジだ っ たが 、 覚悟 して 行 っ た の で 、 思 っ た よ り 優 し く思 え た 。 評 価にっいて 3施 設 を 通 し て 、 指 導 者 の 「評 価 す る 目」 を 常 に 意 識 し て い た 。 1期 目 が 厳 し か っ た の でll、111期 の 厳 し さ は 気 に な ら な か っ た 。 自 分 が 気 に な ら な か っ た 厳 し さ も 他 の 者 に は こ た え た よ う で 、 同 じ施 設 に 行 っ て も(実. 習. 生 の)受 け取 り方 によ って 実 習 の イ メー ジが 違 う と思 っ た。 最 初 に行 く施 設 が 優 しい と、 次 が 厳 しい と思 うの で 最 初 に 行 く施 設 は厳 しい ほ うが いい 。 施設 の 雰 囲 気 を 感 じ取 り、予 習 を して準 備 して 行 った が 、緊 張感 か ら ち ゃん と答 え られ な い こ とが あ った 。 厳 しい 施 設 で は 曖 昧 に 答 え る よ り 「わ か らな い 」と言 った 方 が 良 い 、つ ま り不 完 全 な 答 え を す る の は答 え らな い よ り も厳 しく注 意 され るの で はな い か と思 った 。 (Rに 同 じよ う な 記 述 あ り)。 患 者にっいて 患 者 へ の 対 応 や 実 習 生 の扱 い は 各施 設 に よ って 異 な る が 、全 く患 者 と接触 しな い とこ ろ もあ った。 実 習 生 と して 患 者 と ど こ ま で 接 して い い か 分 か らな い の が 悩 み だ っ た が 、 指 導 者 に 聞 くと. 22.
(26) い う事 は せ ず に や ってみ て 叱 られ な けれ ば 「して よ い 」 とい う こ とだ と判 断 を して い た 。 しか し、K大 学 附 属病 院 で は 事 前 に患 者 へ の 接 し方 な ど説 明 が あ っ た 。 説 明 を聞 い て家 に帰 っ て も う一 度 手 引 きの 方 法 とか 学 べ て良 か っ た 。 臨 地 実 習 に 対 す る感 想 緊 張 は したが 「ハ ッ ピー な 実 習 」 で 楽 しか った 。 全 体 を通 して 、 あ らか じめ 学 習 して 実習 に 備 え る とい う取 り組 み の 方 法 を と って い た 。 自分 の 反 省 点 と して は 「見 られ て い る」 と どの 施設 で も強 く意 識 して 、必 要以 上 に 緊 張 した こ とで あ る 。 これ か らの 目標 就 職 後 の 目標 は 「まあ 、い い か 」 とい い加 減 に片 付 け る の で は な く、患 者 ご とに考 え なが ら で き る よ う にな りた い 。 緊 張 は して い た よ うだ が、 ど の施 設 で も積 極 的 に実 習 に取 り組 み 指 導 者 や ス タ ッフ と良 好 な 関 係 を持 ち 実 習評 価 も高 か った。 学 院 入 学 前 に 眼 科 で無 資 格 の検 査 助 手 と して働 い て い た経 験 が あ り、 患 者 に対 して の 対 応 は慣 れ て い た と思 われ るが 実 習 生 と して 真 剣 に取 り組 み本 人 が い う よ うに 「ハ ッ ピー な 実 習 」 を 経 験 で きた よ うで あ る。 臨 地 実 習 中 は 緊 張 し て い た が 、患 ・ 者 と の 対 話 、物 事 の 考 え 方 な ど 自 分 の 取 り組 む べ き 課 題 を は っき り捕 らえ て い た。. [Nコ 患 者 に対 して 実 習 中 に 一 番 気 にな った の は 「患 者 との 対 話 の 難 しさ 」 で あ っ た 。 最 初 の2っ の 施 設 の 指 導 者が 印 象 的 だ っ た の で 、 な お さ ら意識 した 。 眼 科 器 械 メ ー カ ー か らの派 遣 で 学 院 に入 学 した 。 メー カー の 研 究 施 設 で 開 発 研 究 を行 っ て い た の で 今 まで 対 人 的 な仕 事 を した こ とが な か った 。. 23.
(27) 指 導 者 に言 わ れ た 「患 者 の 立 場 に立 って 」 とい う事 に こ だわ っ て しま っ た 。 「心 を 持 っ た人 間 の検 査 の 難 し さ」 を強 く意識 して しまっ た 。試 験 管 で の 実 験 か ら動 物 実 験 へ 移 っ た 時 は 「物 と 動物 」 の 違 い を感 じ、今 回 臨地 実 習 で は 「動 物 と人 間 」 とい う違 い を感 じた 。 臨地 実 習 にっ い て 臨 地 実 習 の 意 義 は 「経 験 の 大 切 さ」 と思 う 。 検 査 の や り方 は わ か って も、 患 者 に よ って 疾 患 や 状 態 、 患 者 の 理 解 度 も違 うの で 経 験 を積 ん で 自分 の 中 の 引 き出 しを増 や して い くこ とが 大 切 で 自分 が 出 来 な い こ と も実 際 指 導 者 が 目 の 前 で や っ て くれ 、 何 故 で き な い か を 考 え 解 決 した り、 自分 で 解 決 で きな い 時 も、 指 導 者 に 実 際 に手 技 を 見 せ て も ら っ た り した こ とが 良 か っ た。 学院内の実習 にっ いて 学 院 内 の 実 習 で は 、 健 常 者 同 士 で あ るの で で き て しま う し、 学 生 同 士 で は慣 れ 合 い に な っ て しま う。 学 院 で の 実 習 の 時 か ら疾 患 を持 っ て い る 患 者 に 、検 査 を す るの だ とい う こ とを頭 に い れ て お か な い とい けな い と後 で は思 うが 、 実 際 臨 地 実 習 に 行 っ て 初 め て そ れ が 実 感 で き た。 Nは 指 導 者 に 感 銘 を 受 け た事 と 今 ま で 経 験 した こ と の な い 「人 と接 す る こ と」 を 中 心 に 自分 自身 の 心 の う ち に つ い て 多 くを語 っ た 。 卒 業 後 は 臨 床 に は進 まず 、研 究 開発 に 携 わ って い く。決 して 器 用 で は な い が ま じめ で 、 器 械 に 関 して の 知 識 も あ り、 基 礎 的 な知 識 は 高 く(国 立 系 大 学 大 学 院 物 理 学 博 士 課 程 修 了 、 医 学 博 士 取 得 済 み)本 人 も実 習 中 「 知 識 不 足 」 を感 じた 事 は な か った よ う で あ る。. [Y] 臨 地 実 習 に行 く心 構 え 臨 地 実 習 は 行 って 良 か った が 、 うま くい か な か っ た。 臨 地 実 習 は思 った よ り厳 しか っ た 。 行 く まで は社 会 経 験 が あ るの で 他 の 人 よ り有 利 で「ら く」 だ と思 って い た が 実 際 は何 もで き な か った し厳 しか った 。. 24.
(28) 学 院 内 で の 勉 強 は 楽 しか っ た 。 臨 地実 習 は辛 か っ たが 行 っ て 良 か っ た。 患 者 に対 して 患 者 へ の 態 度 が わ か らな か っ た 。検査 自体 のや り方 は わ か って も病 気 を持 っ た 人 に ど う対処 して い い か わ らな か っ た。 高 齢 者 や疾 患 を持 った 患 者 の こ とが 分 か らな い の で 怖 か っ た。 患 者 が しん ど い の で は な い か とい うこ とが 気 にな っ た。検 査 を して 大 丈 夫 な の か とか 、早 く や め た方 が い い の で は な い か とい うのが 気 にな って で きな か っ た 。 自分 は 子 供 も い るの で 子 供 と話 す の は 得 意 と思 っ て い た が 難 しか っ た。 子 供 と遊 ぶ の で は な く、 子 供 に リラ ック ス させ な が ら必 要 な 検 査 を させ な い とい け な い か らで あ る 。 臨 地 実 習 施 設 につ い て 1期 目で は い ろ い ろ な検 査 を実 際 にや らせ て も ら っ たが 全 く慣 れ な か った 。III期 目の 実 習 病 院 で じ っ く りと取 り組 ま せ て も らい 安心 で き た。焦 らされ る と何 を や って い るか わ か らな くな っていた。 実 習 施 設 は どれ も雰 囲 気 が 違 っ て い る こ と を感 じた。 自分 に っ い て 流 れ の 速 い(外 来)時 間の 中 で 患 者 と接 して い くの が プ レ ッシ ャ ー とな り、 指 導 者 に 言 わ れ て い る こ とが 頭 に入 っ て い か な か った の で 次 に繋 が らな か っ た 。 あ とか らゆ っ く り考 え る と わ か っ た の で 、 自分 は理 解 に 「時 間 が か か る 」 タ イ プ だ と 自覚 した 。 時 間 をか け て 慣 れ 、 経 験 を た くさん 積 んで い って で きる よ うに な る しか な い と考 え た 。 学 院 内の 実 習 に つ い て 学 院 で の 実 習 は 臨地 実 習 に生 か さ れ ず 、 予 備 知 識 程 度 で あ った 。 臨床 の 場 に立 っ と検 査 前 の 説 明 す ら うま くで き な か っ た 。 患 者 に よ って 「言 い方 」 を変 え る と言 う こ とは 頭 で は わ か っ て い て も言 葉 が 出 て こ な か っ た 。 慣 れ る と思 っ たが 、最 後 の 実 習 先 で チ ェ ック して も ら う とや は りで きて い なか った 。 指 導 者 にっ い て 実 習 生 だ が 指 導 者 を観 察 して い る 自分が い た 。. 25.
(29) 指 導 者 の 目 は意 識 して い たが 「指 導者 に は すで に 自分 が 出来 な い の が ば れ て しま っ て い る」 と思 っ て い た の で 「で きな い 」 こ とを 前提 に 検 査 を して い た 。 ま ず は 「見 て も ら お う」 と思 っ た の で 指 導 者 か らの 評 価 は 気 に な らなか っ た 。 1期 目 は 初 期 の 段 階 で 「た ま た ま で きた 」 こ と を評 価 さ れ て しま い 「で き る 」 と思 わ れ て しま い 困 っ た 。 ま た 、 周 り(指 導 者 や そ の ほ か の ス タ ッフ)が 気 にな り、 患 者 と しゃべ っ た ら悪 い と思 い患 者 と話 せ な か った 。 自分 が で き な い こ と も、ベ テ ラ ンの 視能 訓 練 士 が す る とで き て しま う。何 が 違 うの だ ろ う と 思 っ た 。 や は り 「経 験 」 が 必 要 な の で は と考 え た。 「居 場 所 が な い」 とは 感 じな い で 実 習先 で 自分 の 居 場 所 を 自分 で 見 つ けて い た 。 視能訓練 士につい て 視 能 訓 練 士 の 仕 事 は思 っ た よ り細 か い が 、患 者 に病 院 に来 る の が 楽 しい と思 わ れ る よ う にな りた い 。 Yは 国 立 系 大 学 出 身 で テ ス トの 成 績 は よ い 。 第 一 印 象 は 「硬 い 」 イ メ ー ジ が あ り、 コ ミ ュ ニ ュ ケ ー シ ョ ン能 力 は あ ま り高 くな い。 実 習 施 設 か らの 評 価 も 「硬 い 」 と か 「臨 機 応 変 が 出来 ない 」 な どであ った。. [C] 臨地実 習の感想 臨 地 実 習 に対 して は感 情 面 を捨 て る よ うな イ メー ジ を持 っ て い る 。 病 院 に よ って 雰 囲 気 が違 っ た。 そ れ とと も に 自分 へ の評 価 も違 っ た 。 1期 目 は 患 者 さん へ の 接 し方 や 流 れ を 自分 た ち で考 え て 一 生 懸 命 や れ ば 認 め て も らえ た 。 「知 識 は 働 い てか らで 良 い 、大 切 な の は気 配 りや気 づ か い。成 績 が 悪 い とか 知識 が な い とい う こ とは 現 場 に は 関係 な い」と言 わ れ た 。出 来 る こ と を積 極 的 に 一 生 懸 命 や れ ば よか っ た ので 楽 しか っ た し、 生 き生 き 実 習 で き た。 ll期 目は 決 ま りが 厳 しく、患 者 との 接 触 は 原 則 禁 止 され た 。が ん じが らめ な 感 じで あ った 。. 26.
(30) 「勉 強 しな い とい けな い 」 と 自覚 した 。 lll期は 理 論 が 一 番 大 切 だ とさ れ て い る よう に思 っ た 。 自分 は 理 論 が 不 安 定 な の を 自覚 した 。 ま た 、国 家 資 格 を持 っ て働 くの で あ る か らい い加 減 な 気 持 ちで は働 け な い とい う責 任 を再 確 認 した。 自分 は 理 論+α が 大 切 だ と思 って い た が 、実 習 生 には そ れ は 必 要 な い とい わ れ た 。自分 は 理 論 だ け が 大 切 だ と は思 わ な い が 、 自分 には いつ 理論 が 身 にっ くのだ ろ う と葛 藤 した 。 剛期 の 実 習 で は 質 問 さ れ る と 、焦 っ て しま っ て 、言 っ て い る こ と とや っ て い る こ と が ち ぐ は ぐ に な っ て しま っ た 。. 雰 囲 気 は病 院 に よ って 違 う。 実 習 に 行 っ て 良 か った 。 知識 につ いて 今 の 自 分 は バ ラ ン スが 悪 いが 「知 識 」 だ けで 良 い とは思 わ な い 。 指 導 者 にっ い て 評 価 にっ い て 実 習評 価 が 施 設 に よ って 大 き く違 っ たが 単 に相 性 だ け で は言 い 表 せ な い 。 自分 に理 論 的裏 付 け が あ っ た ら、 違 う評 価 を も ら った と思 う。 施設 の 雰 囲 気 は 施 設 や 指 導 者 が 医療 に おい て 何 に重 き を 置 い て い る の か で 違 っ て くる。 自分 にっ い て. ・. 自分 は た だ 検 査 す るだ けの 人 で は な く患 者 の感 情 とか が 大 切 だ と思 って い る 。 実 習 中 、 あ ま り に も検 査 が で き な い ので 視 能 訓 練 士 に な る の を 止 め た 方 が い い の か と も思 っ た 。知 識 も理 論 もな く検 査 もで き な い よ うな 人 間 が 、国 家 試 験 に受 か っ て も患 者 に迷 惑 を か け る だ けで は な い か と考 え た 。 学 院 に入 って か ら勉 強 が っ い て い け なか った り、 うま くで き な か っ た り とか 実 習 に 行 って も で きな い こ と ばか りだ っ た。 理 論 を 考 え な が ら感情 的 な部 分 、患 者 の 気 持 ちを くみ 取 って あ げ たい と す るが ゆ え に 空 回 り し て しま っ た 。そ れ は経 験 が 足 らな いせ いか と考 え た が 、 自分 は 「患 者 さん の 気 持 ち を くみ 取 って. 27.
(31) あ げ た い 」と い う気 持 ち ば か り強 くてバ ラ ン スが 悪 い た め か も しれ な い 。患 者 を思 う気 持 ち が 良 い よ うに 出 る 場 合 と悪 い よ う に 出て しま う場 合 が あ る 。1期 は 良 い 風 に 出 て 、lll期は 悪 く出 た の だ と思 う。 自分 は あ ま り人 間 関 係 を 円滑 に進 め るの は 得意 で な い 。緊 張 す る の で 初 め て の と こ ろ で は、ぜ ん ぜ ん しゃべ れ な くな るか 変 に饒 舌 にな る か どち らで あ り、い つ も身 構 え て しま う 。自分 が 人 に ど う見 られ て い る か 気 にな る タ イ プ であ る 。 自分 に 自信 が な い の で 人 に 迷 惑 か け て いな いか とか 、 こ ん な風 に 思 わ れ て い る に違 い な い と か 思 う。 lll期の 実 習 施 設 で は 分 か らな い こ と はわか らな い と言 い 、 二 度 と来 な いの だ か ら と頑 張 ろ う と思 った 。意 地 もあ っ た。 臨 地 実 習 に行 って 医 療 人 と して の 「責 任 感 」の 大 き さ を感 じた 。社 会 人 の と き に も経 験 して き たが 大 き な 責任 感 が 芽 生 え た 。 将 来 の 目標 と して は患 者 さ ん の 味方 の視 能 訓 練 士 に な りた い と思 う。 指導者 にっいて 指 導 者 か ら指 摘 され た こ とは 言 わ れ て も仕 方 な い こ とだ と思 う。 い ろ い ろな 実 習 生 を 見 て き た 指 導 者 が 言 わ れ るの だ か ら自分 は よ っぽ どひ どい の だ と思 う。だ か ら就 職 す る のが 怖 い 。威 圧 的 で怖 い 人 と も コ ミ ュニ ュケ ー シ ョン取 らな い とい けな い。相 性 の 悪 い場 合 、そ れ が ず っ と続 く の か少 しず っ 緩 和 され て 、認 め て も らえ るよ うに な る か は 自分 次 第 だ と思 う。lll期の 指 導 者 の よ う に は な りた くな い。よ く教 え て も ら ったが 冷 た い し威 圧 的 だ と思 った 。自分 は ま わ り くど くて 患 者 さ ん が イ ラ イ ラす る と言 わ れ た(丁 寧 す ぎ る)し 、そ の ひ と こ とは い らな い と言 わ れ た り し たが 自分 は両 方 い る と思 う。 111期み た い に 低 く見 積 も ら れ る と へ こ む し、 あ ま り ほ め られ る と ビ ビ っ て し ま う 。 実 習 指 導 者 に 対 し て は シ ョ ッ ク を 受 け た 。 患 者 へ の 対 応 が き っ く、 態 度 も 悪 い と 思 っ た 。. あ ん な 態 度 を取 られ た ら 自分 が 患者 な ら泣 いて しま う。患 者 は一 生 懸 命 答 え て い る の にあ ん な 言 い 方 しな くて もい い の に と思 った 。患 者 さん は見 え な い こ とが っ らい は ず な の にそ ん な 言 い 方 し な い で ほ しい と思 った 。忙 しいの が 原 因 だ と思 うが 、自分 が 病 気 の 時 に か か っ た 病 院 は先 生 も看. 28.
(32) 護 師 さ ん に も 、 とて も よ く して も ら った 。 だ か ら医 療 人 と言 うの は もっ と優 しい と思 って い た。 技 術 も大 切 だ が 気 持 ち も も っ と大 切 な は ず だ と思 っ た 。忙 しい の はわ か る が 忙 しさ に 気 持 ち を コ ン トロー ル で き な くな った ら ダ メ と思 う。 き つ い こ とを 言 って も誰 か ら も注 意 され な い。 Cは 、 日常 は 明 る く社 交 的 で あ る。 学 生 同 士 で は 目立 つ 存 在 で て き ぱ き して い る 印 象 が あ る。 本 人 は 「人 見 知 り」 だ と 言 うが そ う い う 印 象 は あ ま りな く、 は っ き り も の が 言 え る よ う に 見 え る 。1期. 目の 実 習 病 院 で は 非 常 に評 価 が 高 か っ た が 、III期 は 指 導 者 か ら特 別 の. 意 見 書 が 評 価 票 に 付 け 加 え られ て い た 。 イ ン タ ビ ュ ー で は 筆 者 が 言 葉 を は さ め な い ほ ど 自 分 の こと を話 してい た。. 共 通 の意識 「臨 地 実 習 に つ い て 」 の 問 い に対 して の 答 え は 各 個 人 で か な り異 な った が 、 全 員 が 共 通 に 語 っ て い た こ と は、 次 の3点. で あ った 。. (1)臨 地 実 習 に行 って 良 か った 。 (2)臨 地 実 習 施 設 に は そ れ ぞ れ 独 特 の 雰 囲 気 が あ る 。 (3)患 者 に 対 して 実 習 生 が ど こ ま で し て い い か 分 か らな い 。 積 極 的 に した 方 が い い の か ど う か も分 か ら な い 。. 予 備 研 究 と 同 じよ う に参 加 した 学 生 全 員 が 、 臨 地 実 習 に行 っ て 良 か った 、 臨 地 実 習 に行 っ て は じめ て 自 分 が何 を学 ば な け れ ば な ら な い か わ か っ た と述 べ て い る 。 学 院 の 学 生 は 、 先 に も述 べ た と お りrl年. で 視 能 訓 練 士 に な る」 と い う 目的 を 強 く持 っ て 入 学 して く るが 、. 医 療 の場 と言 う実践 共同体 に初 めて 「 参 加 」 す る者 も 多 く、 実 際 に 患 者 と 出会 い 、 初 め て 自分 が 「医 療 の 現 場 に 入 る の だ 」 と実 感 す る。 .「. 雰 囲 気 」 に つ い て は 参 加 者 全 員 が各 施 設 で 異 な っ て い る と 感 じて い る。 大 学 病 院 、 総. 合 病 院 、 眼 科 専 門 病 院 と い う 病 院 の 形 態 、 病 院 が 掲 げ る ポ リシ ー 、 地 域 性 、 大 学 系 列 、 眼 科 部 長 の 専 門 分 野 や 医 療 に対 す る 考 え方 、 視 能 訓 練 士 の 特 性(経. 29. 験 年 数 、 年 齢 、 性 格)や.
(33) 医 療 に つ い て の 考 え 方 や 姿 勢 な ど に よ っ て 異 な る こ と は容 易 に想 像 で き る。 ま た 、 施 設 の 方 針 に よ り実 習 生 の 実 践 共 同 体 へ の 「参 加 」 の 差 は 歴 然 と して い て 実 習 生 に は 患 者 と は あ ま り接 触 さ せ な い 施 設 もあ る。 学 院 で は20余. り の施 設 の 中 か らそ の 学 年 の 必 要 に応 じて 依 頼 し1人3施. 設 で 実習 を行 っ. て い る 。3施 設 の 組 み合 わ せ は 大 学 病 院 や 病 院 の 規 模 、 大 学 病 院 系 列 、 距 離 、 指 導 者 の キ ャ リ ア 、 そ して 実 習 生 へ の 指 導 の 方 針 な どを 考 え 、 で き る だ け 総 合 的 に 偏 りが な い よ う に 教 員 側 が 組 み 合 わ せ て学 生 に提 示 して い る。 こ の よ う な 施 設 に よ る違 い は 、 臨 床 が 中 心 で そ こ に参 加 さ せ て も ら って い る とい う臨 地 実 習 の 性 格 上 ど う し よ う も な い こ と で あ る。 ま た 、 違 っ た 方 針 や 雰 囲 気 を 学 生 が 経 験 す る こ と を教 員 側 は 狙 い と して い る 。 こ の 施 設 に よ る違 い は 実 習 生 も 「 仕 方 が な い 」 と受 け 入 れ て い る し、 い ろ い ろ な と こ ろ を 経 験 して み た い と も述 べ て い る。 で は 、 同 じ施 設 で あ れ ば 実 習 生 は 同 じ よ う に 「 参 加 」 で きるの で あ ろ うか。 実 習生 に よ る 「参 加 の 度 合 い 」 を測 る こ と は 難 しい 。 しか しな が ら発 話 の 中 に い くつ か 同 じ施 設 で も 行 っ た 実 習 生 に よ っ て 感 じ方 が 違 う と述 べ て い る。Uは. 「1期 目、 結 構 楽 し くや っ て は っ た. っ て い うか 、み ん な い い人 や あ っ て、す ご く言 っ て い た 人 た ちが2期 目 にな っ て私 が1期 っ て い た と こ ろ に 行 った ら、怖 か っ た って い って い たの で …. 」 と語 っ て い る し、Rも. 目に 行 同じ. 施 設 に一 緒 に 実 習 に行 っ た 同 期 生 と の 感 じ方 の 違 い を 語 っ て い た。 こ の 「感 じ方 の 違 い 」 を直 接 「参 加 」 の 違 い で あ る と は結 び つ け られ な い が 、 そ の 施 設 に 「参 加 」 し よ う とす る態 度 を 見 る一 助 とな る の で は な い だ ろ う か 。 そ こで6人. の イ ン タ ビ ュー か ら① 実 習 の イ メ ー ジ 、 ② 実 習 に対 す る心 構 え 、 ③ 患 者 や 高 齢. 者 に 対 して の 思 い 、 ④ 実 習 施 設 に つ い て 、 ⑤ 指 導 者 に 対 して 、 ⑥ 評 価 に つ い て 、 ⑦ 視 能 訓 練 士 の仕 事 に つ い て、 ⑧ 実 習 の 感 想 に つ い て 、 ⑨ 特 徴 につ い て を表5に み た。. 30. ま と め て 比 較 して.
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