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子どもたちの自尊感情をはぐくむ学級活動の取り組み : かがやく生き方を追求した心の教育実践プラン

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Academic year: 2021

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(1)子どもたちの自尊感情をはぐくむ学級活動の取り組み  一ががやく生き方を追求した心の教育実践プランー. 専  攻. 教育実践高度化専攻. コ 一 ス. 心の教育実践コース. 学籍番号. P09055C. 氏  名. 大 高 研 吾. 1 問題の所在と研究の方向性. 2 実践プランの目的.  少子高齢化,情報化,国際化など社会の変.  文部科学省『小学校学習指導要領解説 特. 化が急速に進んでいる。また,メディア等の. 別活動編』(2008)によると,特別活動の目標. 影響を受け,犯罪や虐待,過度の接や教育な. は,「望ましい集団活動を通して,心身の調和. ど,子どもを取り巻く環境も大きく変化して. のとれた発達と個性の伸長を図り,集団の一. いる。それは決して好ましいものではない。. 貫としてよりよい生活を築こうとする自主的. そうなると,子どもは承認や賞賛の欲求が満. 実践的な態度を育てるとともに,人間として. たされることのない中で育ち,些細なことで. の生き方について考えを深め,自己を生かす. もrキレる・むかック」といった投げやりな. 能力を養う。」と示されている。ここで言う「個. 感情を抱くことがある。そのことで,筆者は. 性の伸長」には,r自他のよさや可能性に気付. 常々好ましい人間関係や生活習慣における構. き,理解し,そのよさや可能性を互いに認め. 築の必要性を感じてきた。. 合い,よりよく伸ばし合うとともに,自分へ.  兵庫県教育委員会は, 「『命の大切さ』を. の自信をもち,積極的に集団活動に生かして. 実感させる教育プログラムヘの視点」(2006). いく」と解説されており,自尊感情をはぐく. を掲げ,その中でr自尊感情を育む」大切さ. むことの意義がここにあると考えられる。こ. が挙げられている。具体的には, 「成就感や. のことを踏まえ,特別活動「学級活動」にお. 達成感や周囲からの愛情等を実感させること. いて,r気持ちをよく知ろう」と題して,実践. をとおして,自分自身がかけがえのない大切. プランに取り組んだ。. な存在だと思える自尊感情をはぐくむ。それ.  具体的には,子どもたちがこれまでの生き. が独りよがりにならないよう自省自戒の習憤. 方をふり返り,周囲との関わりや支えを受け. を身につけることも必要である」と述べてい. る自分に気づき,自己の評価を肯定的に捉え. る。. ることのできる自己形成を促すような取り組.  この方針に基づき,筆者は,人が他者と共. みを考えた。. に生きていく社会の中で,日々意識化するで.  指導計画は,「前向きに取り組む気持ちを. あろう様々な“思い”を拠り所に,自尊感情. 考えよう」r友達の気持ちを読み取ろう」r自. をはぐくむための実践的方略を探ろうとし. 信に満ちた気持ちを探ろう」の3時間を設定. た。. した。様々な感情の理解を共有することが,. 一72一.

(2) このプランのねらいである。“感情”を表出す. たい。. るための手段として,「心のメーター」を活用 し,独自のプラン作成にあたった。.  4 成果と今後の課題.  本研究は,自尊感情の高まりをねらいとし.  実践では,動画による状況提示,「心のメ. つつ,その前提として,日々の思いや感情を. ーター」や顔の表情を示すことで,児童は多. ふり返り,自己の生き方を追求しようとする. 様な気持ちを汲み取れたようである。. 提案である。.  気持ちを視覚に訴えたことで,r人には考 え方や感じ方の違いもある」「自分の心遣いが. 3 自尊感情をはぐくむ実践に向けて. 相手の心を変える(やる気・喜びをもつ)」な.  実践にあたっては,自尊感情を積み上げて. どに結びついたと考えられる。また,前向き. いくために,自他の尊重や価値を共有する「人. な姿勢や態度・自他に対する肯定的な感情を. 間関係づくり」を重視する。児童との十分な. 抱くことにつながったと思われる。さらに,. 意志疎通を図り,相互の信頼関係を土台とす. こうした取り組みの積み重ねが,他者への思. る。言い換えれば,コミュニケーションづく. いやりや優しさにつながっていくと考えられ. りとも言える。授業の実践には,指導者の意. る。. 識改革をはじめ,児童の心にかかわる実態を.  今後は,特別活動「学級活動」の目標に対. 把握して,自尊感情をはぐくむ様々な技法を. して,その実現状況を精査することや子ども. 用いながら,指導の改善に努めた。. 一人ひとりに対する言葉の重みをどのよう.  学習の手順は,これまでの生き方をふり返. に指導するかが課題である。それには,子ど. り,「喜怒哀楽」など感情の表出を分析する。. も同士が自ら様々な体験や経験について積. 感情の理解について,共有化を図りながら,. 極的に語り合う場を設け,相互理解を深める. 自身の自尊感情を高め,また一方でそれには,. ための話し合い活動を,進めていくことが必. 周囲の支えがあってr今の自分がある」こと. 要である。. に気づかせる。.  自尊感情の根底には,r生きること」を肌.  指導にあたっては,この感情的要因が,プ. で感じることが必要であり,それに基づいた. ラスやマイナスに作用すること,個人情報に. 「生きた言葉」の交流が求められる。. かかわることなどを踏まえ,十分留意しなが ら実践していく必要がある。. 修学指導教員 新井 肇.  さらに,誰もが抱く感情的要因であるが,. 指導教員谷田増幸. 遭遇した場面によって,人それぞれの感じ方 が異なることを認識させ,多様な価値観が存 在することを学ぶ。一人ひとりの感情的要因 の違い,そして人間関係構築の基本となる自 他の尊重,さらには学習を進める中で,感情 のあり様に思いを巡らせ,認め合う心を育て. 一73一.

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参照

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