子どもたちの自尊感情をはぐくむ学級活動の取り組み : かがやく生き方を追求した心の教育実践プラン
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(2) このプランのねらいである。“感情”を表出す. たい。. るための手段として,「心のメーター」を活用 し,独自のプラン作成にあたった。. 4 成果と今後の課題. 本研究は,自尊感情の高まりをねらいとし. 実践では,動画による状況提示,「心のメ. つつ,その前提として,日々の思いや感情を. ーター」や顔の表情を示すことで,児童は多. ふり返り,自己の生き方を追求しようとする. 様な気持ちを汲み取れたようである。. 提案である。. 気持ちを視覚に訴えたことで,r人には考 え方や感じ方の違いもある」「自分の心遣いが. 3 自尊感情をはぐくむ実践に向けて. 相手の心を変える(やる気・喜びをもつ)」な. 実践にあたっては,自尊感情を積み上げて. どに結びついたと考えられる。また,前向き. いくために,自他の尊重や価値を共有する「人. な姿勢や態度・自他に対する肯定的な感情を. 間関係づくり」を重視する。児童との十分な. 抱くことにつながったと思われる。さらに,. 意志疎通を図り,相互の信頼関係を土台とす. こうした取り組みの積み重ねが,他者への思. る。言い換えれば,コミュニケーションづく. いやりや優しさにつながっていくと考えられ. りとも言える。授業の実践には,指導者の意. る。. 識改革をはじめ,児童の心にかかわる実態を. 今後は,特別活動「学級活動」の目標に対. 把握して,自尊感情をはぐくむ様々な技法を. して,その実現状況を精査することや子ども. 用いながら,指導の改善に努めた。. 一人ひとりに対する言葉の重みをどのよう. 学習の手順は,これまでの生き方をふり返. に指導するかが課題である。それには,子ど. り,「喜怒哀楽」など感情の表出を分析する。. も同士が自ら様々な体験や経験について積. 感情の理解について,共有化を図りながら,. 極的に語り合う場を設け,相互理解を深める. 自身の自尊感情を高め,また一方でそれには,. ための話し合い活動を,進めていくことが必. 周囲の支えがあってr今の自分がある」こと. 要である。. に気づかせる。. 自尊感情の根底には,r生きること」を肌. 指導にあたっては,この感情的要因が,プ. で感じることが必要であり,それに基づいた. ラスやマイナスに作用すること,個人情報に. 「生きた言葉」の交流が求められる。. かかわることなどを踏まえ,十分留意しなが ら実践していく必要がある。. 修学指導教員 新井 肇. さらに,誰もが抱く感情的要因であるが,. 指導教員谷田増幸. 遭遇した場面によって,人それぞれの感じ方 が異なることを認識させ,多様な価値観が存 在することを学ぶ。一人ひとりの感情的要因 の違い,そして人間関係構築の基本となる自 他の尊重,さらには学習を進める中で,感情 のあり様に思いを巡らせ,認め合う心を育て. 一73一.
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