小学校における「体ほぐしの運動」の目標設定に関する学年別の検討-気づき・調整・交流をねらいとした運動実践に対する評価の違いから-
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(2) 2.標準因子得点による学年別の比較 各学年のねらいに対する学習評価の違いを明ら かにするため,全児童の各因子における標準因子 得点を算出し比較を試みた。 まず,各時間の平均値について,r気づき」に 関しては中学年が他の学年に比べ関心の高い傾向 を示した。また「交流感」は高学年が他の学年に 比べ関心の高い傾向を示した。 次に,標準因子得点による分散分析を施したと ころ,各時間において「気づき」因子に学年間有 意差が認められた。. さらに,因子ごとに得点が高い者から順に並べ 替え,上位下位1/4に含まれる人数を抽出し,カ イ二乗検定により人数の偏りをみた。偏りが認め られた場合,残差分析を行い,学年間の学習評価 における人数の偏りの原因を明らかにした。. V 抽出児童(他者との交流を苦手とする児童)の検証. 多くの研究者が「体ほぐしの運動」を実践する 場合,重要視すべきねらいとしてあげているのが 「仲間との交流」である。今回,他者との交流を. 苦手としている児童を各学年から3名ずつ15人 抽出し,彼らの評価と運動内容との対応,VT R 記録やインタビュー記録等でデータを収集した。 その結果,「気づき」の因子得点の平均値は1 時間目から2時間目にかけて15人中8人が低下, また,2時間目から3時間目にかけては15人中13 人が向上しているのが認められた。これは,抽出 児童が気づきに対応した運動内容のねらいレベル の変化に応じたといえる。つまり,「気づき」に 関しては,ねらいレベルに応じた反応を示す傾向 にあると判断できる。. Bは気十・交一,Cは気一・交十,Dは気一・交. さらに,r交流感」の因子得点について抽出児 童内では,ねらいレベルに応じて反応し,比較的 関心が高い傾向にあるのは,1年,2年,5年生 であり,4年,6年生については,ねらいレベル に応じた変容はあまり見られなかった。下図は抽 出児童の「交流感」の因子得点の変容をまとめた ものである。抽出児童全体のr交流感」の向上を. 一)に分け,カイ二乗検定及び残差分析を行った。1. 目指すには運動内容の工夫が求められる。. 3.r気づき」とr交流感」因子による4群の分布 次に,r気づき」とr交流感」の因子に焦点を 当て,得点の高い者から順に並べ替え,上位50%, 下位50%の人数を抽出し,4群(Aは気十・交十,. 時間胃は,高学年は他の学年よりも「交流感」因 子に高い反応を示した。2時間目は,低,中学年 が「気づき」因子に高い反応を示し,高学年が「交 流感」因子に高い反応をしめした。3時間目も低 ・中学年がr気づき」因子,高学年がr交流感」 因子に高い反応を示した。. 抽出鬼重のr交流感」の因子得点 ヰ因子得点・順位/全体児重数 ■ ■ ■. 学年. i. 2. w.考察 以上の結果から,高学年兄董は「交流感」に対 して関心が高い傾向がわかった。高学年児童の発 達段階から考えても,他の学年児童よりも様々な 場面を経験していることから妥当であると考えら れる。また,根本(2006)が高学年児童の発達特 性について「集団意識が強くなり,考え合い協力. 4. =“. するカが身につく」と述べていることと合致する。. 次に,中学年児童は「気づき」に対して関心が 高い傾向がわかった。中学年全体における「気づ き」因子の標準因子得点の平均値をみると他の学 年に比べ高い傾向にあることや,他の分析結果を みても同様の傾向にあることがわかった。また, 気づきだけでなく,ギャングエイジ時代の特性を 踏まえて,「仲間との交流」も視野に入れながら 指導することも有効であると考えられる。 さらに,低学年兄董は,「気づき」に対しては 比較的関心は高いが,「交流感」に対しては関心 が低い傾向にあることがわかった。これは,低学 年児童の発達特性上,まだ自己中心的であり,他 者へ関心を持っ段階ではないということが考えら れる。低学年児童は,まず自分の体への気づきに 関心を持たせ,そこから他者への気づきに発展で きるように指導する段階であると考えられる。. 6. 1 ■ I. 名前. ■ I. 1蹄間日{2四人;. 嫡間目1220人). i気竃・交2). °C1・交O). 猫間目121コ人). °C3・文3〕 彗9/217一. K・H. 一〇.エコ9. 202/224. O.1“. M・O. 一2−8η. 220!22一. O.1帖. 15,ノ220^. o.幽5. 柵1.’21,. H・S. O,102. 120,・.2四. o.蝸至. 蝸一.220{. O.1引. 馳!21τ. S・丁. O.1鵬. 105!224. O.4ハ. 宮6’’皇別. o、コ閑. ”、一217一. H・丁. o.畠1司. 島〃幽. o.了靱. 18一’22{〕. O、昔5一. O〃1フ. A・一. 報.蝸6. η〃四. O.1榊. η〃20…. o,1引. 舶!洲. O.1引. τ2、棚0. R・M. o,902. 〃224. 一〇、2跳. 1引〃20j. o.160. 1船ノ21一. 丁・肖. 〇一冊!. 3〃胴. o,420. 41!21O^. o.05島. η百ノ21}. S・M. O.386. 月2/224. κ・K. 一単一コ講. 222〃脳. K・H. 一1.乃O. 21ヨ!刎. O.153. M・一. o.221. 抑’2洲. 一〇.ε23. Y・o. o.203. 醐!224. O.f6一. η!220. K・τ一. o.1説. 蝸!224. o.1帖. 湖ノ220. s・K. o.226. 33!2困. 1二τoo. 2〃胴. o.ヨ4壇. 一〇.引1. o.1帖. 柵!2…o. 用泌了.. 一1」η暮. 204一・’217. 150ノ獅{、. o.7蝸. 11.伽:. 195一花20. 1.コ5壇. 醐〃20.. ;. 圭. ψ村7・. O.1目1. 毫9.仙7. O.131. 50〃1}. 一〇.lO茗. 湖!2η. 二. V.結論 以上の結果,児童の発達特性を踏まえて「体ほ ぐしの運動」を実践する場合,高学年児童には「仲 間との交流」,また,中学年児童には「体への気 づき」や「仲間との交流」,さらに,低学年児童 にはr体への気づき」というように,各学年児童 の発達特性の傾向を踏まえ,そのねらいを中心と した授業展開が適切であるととらえられる。 今後さらに,ねらいレベル別の運動内容の実践 を重ね,各学年における適切な運動内容を選定す るとともに,学年全体の進行過程を見通し,適切 な授業計画を立てられるように努めたい。 主任指導教員 永木 耕介. 指導教員 永木 耕介. 一441一.
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