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小学校における「体ほぐしの運動」の目標設定に関する学年別の検討-気づき・調整・交流をねらいとした運動実践に対する評価の違いから-

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Academic year: 2021

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(1)小学校におけるr体ほぐしの運動」の目標設定に関する学年別の検討   一気づき・調整・交流をねらいとした運動実践に対する評価の違いから_.                         専 政教科・領域教育学                         コース 生活・健康・総合内容系.                         学籍番号 M08224G                         氏  名 栗原 康明 I.研究の目的  平成20年度の学習指導要領の改訂で,今まで 小学校では高学年だけで実施されていた「体ほぐ しの運動」が低学年から実施されることになった。. しかし,r体ほぐしの運動」のねらいであるr気 づき・調整・交流」は,児童の発達段階を考える 時,全学年に等しく設定しうるものであろうか。 また,ねらいに応じた運動内容も自ずと学年別に よって変わってくるのではないだろうか。筆者は. このような疑問を持ちつつ,C県A市内15校, 過去3年以内にr体ほぐしの運動」の授業を行っ た教諭63名を対象に,授業実施について質問紙 による調査を行った(2008年8月)。その結果, 低学年からの導入について賛成も多かったが,授 業の「導入」において実施されている場合が多く, 用いられている運動内容も少ない傾向にあった。  つまり,他の領域と比べてまだまだ定着してい ない状況と判断できた。  そこで,異なるねらい(目標)をもつ運動内容 を用いた実験授業を学年別に実施し,その授業に 対する児童の評価の違いを分析することで,学年 別で重視すべき適切なねらい(目標)を検証する ことを本研究の目的とした。. (2)本実験授業.  C県の小学校において,低,中,高学年それぞ れに,r気づき」とr交流」をねらいの中心とし た運動内容をもとに,3時間扱いで単元を構成し, 実験授業を実施した(2009年6月)。1,2時間目 は気づきと交流のそれぞれのねらいレベルに差を つけ,3時間目は同レベルで実施し,運動内容の 特性(ねらいレベル)にっいておよび,学年別の 学習評価の違いを明らかにした。  さらに,抽出児童(他者との交流を苦手として いる児童)へ焦点をあて,「体はぐしの運動」が 与える有効性についても分析を試みた。 皿.結果 1.因子分析結果(学習カードの単純集計後).  各時間の全回答者の17項目に対する評価には どのような因子があるのかを確認するため因子分 析を行った。主因子法により初期値を1に設定し, 固有値1.0以上を目安に因子数は3が適当である と判断した。さらに解釈しやすくするため,直交. バリマックス回転を施した。また,I−T(各項 目と全体の)相関,α信頼性係数等により,当分 析の妥当性と信頼性を確認した。 時間目 項昌文章{略文〕. 皿..研究の方法. 1.運動内容の収集と分類  まず,参考文献や先行研究から「体ほぐしの運 動」として約143種類の運動内容を収集した。収 集分類の仕方は,領域カテゴリーや具体的な実践 の仕方,用具使用の有無等について記載した。ま た,先行研究者らがすでに提示していたrねらい レベル」(到達の度合いを1∼3段階で表示)を 記載し,実験授業時の運動内容の選択に活用した。. 2.実験授業 (1)予備実験授業.  C県の小学校において低学年(2年)と高学年 (6年)を対象に各1時間展開で,気づき3レベ ル,交流2レベルの運動を用いた予備実験授業を 実施した(2009年6月)。授業終了後,先行研究 を参考に,独自に作成した学習カードを用いて児 童の授業に対する評価を把握した。その結果,両 学年における肯定者数と否定者数に偏りがあるこ とがわかった(λ2検定,P<0.05)。このことか ら,同じ運動内容を行っても学年による学習評価 の違いはあるという仮説が補強された。. ? 自分の体の 手 4 自分や友達の体の様子 5 自分の体1:目を向ける 11 らためて白 の 13 の動かしカのポイント 10気がついた:とを友達と 9 体を動かす気持ちよさ 6 友達の優しさや良さを. 14気ちがすっき几ましたか 1フ今日⑦授業全体をしむ 2 友達と一幅に置. 因  。量. 卜丁. o、舶. 皿”}. o.帥. o,8帖i. o.固. o.ooは. o.囲. o.冊}. 皿珊. ○伽}. O.5コ. ○刊}. o.5. o.刊}. o.5. o.丁≡}. o,o. o.則}. 〇一一1. o.田}. 目. 4貫ちがづきリししたか 9 体を動かす気持ちよさ. 5なごやかな気持ちに 2友達と協力して運動 7今日ω授業全体を薬しむ. o.租. 皿蹄}. o.一. o.眈}. 〇一回. o.盟}. o.田. o.τ出ヰ. ○崩. o.刊}. 7 分の ω調子. o、囲. O.刊^. o.岡. o』ヨ。}. 呂 汗のかき方など. O.ヨ1. o.1腕. o.舘. o.冊}. o.囲. o.刊}. 舳一. o.加}. ○気がついた二とを友達と. 16自分と友達ω体の違い 3体⑦かし方のポイント. 16.鴉. 帖加. 帖.7. 並.oj. 受容感. 1“. 砧.収. 交流感. 〕. o.}. 皿一舳. o.齪. o.τ5納. 2 友達と一籍に連動する 3 友達を今までよリ身過二. o.冊. o.珊}. o.肪. o.朋}. 遺 して ..,と 1.. o.肺. o.”}. 血、籔. 園子名 気づき. o、朋. (. 〕. 与率. 1−T. 4 自分や友連Φ体⑦様子 5 自分の体1:日を向ける 1あらためて自分の体のこと. 異積与率. o.班}. o.5,. 項目文童{略刻. 因子』 園子寄与’. 血係一. 因子名. 史快感. 別、舶. 21.舶. ’1.駈. 岨一!o. 気づき. 10j3. 朋.他. 交流感. O.,1. 3 間目 妾帽子分析 蓑) 項目文責㈱文〕. 因子 ・. 1一τ. 11 映めて自分ω体⑦」と 4 自分や友連の体の擶子. 皿冊. o.阯}. o.肥. o、τ}. 5 自分⑰徽=日を向ける 3 友連を今までよリ身近に 10気がついたことを友達と. o.曲. o.朋一. o.帥. o、刊}. 7 自分の体ω調子がわかった 日 汗のか方など. o、冊. o.削}. 口、冊. o.舶}. 15肛やか宮気ち. o.冊. o,o肋t. o.刊. o.服}. 14気鯛がすうきリしましたか. 0、加. o.筥い. 1フ今日の業全 楽しむ. o.田. 0、趾口. 2 友達と一緒に連動する. o」ヨ星. o.oo軸. o.o. o.明}. 6 連のしきや良さ. 一440一. 率. 因子. 回 数. 因. 気づき. 竈。.舶. 珊一冊. 1目一朋. 珊.1i. 爽快感. 旭.冊. 則.珊. 支流感. 〇一軸.

(2) 2.標準因子得点による学年別の比較  各学年のねらいに対する学習評価の違いを明ら かにするため,全児童の各因子における標準因子 得点を算出し比較を試みた。  まず,各時間の平均値について,r気づき」に 関しては中学年が他の学年に比べ関心の高い傾向 を示した。また「交流感」は高学年が他の学年に 比べ関心の高い傾向を示した。  次に,標準因子得点による分散分析を施したと ころ,各時間において「気づき」因子に学年間有 意差が認められた。.  さらに,因子ごとに得点が高い者から順に並べ 替え,上位下位1/4に含まれる人数を抽出し,カ イ二乗検定により人数の偏りをみた。偏りが認め られた場合,残差分析を行い,学年間の学習評価 における人数の偏りの原因を明らかにした。. V 抽出児童(他者との交流を苦手とする児童)の検証.  多くの研究者が「体ほぐしの運動」を実践する 場合,重要視すべきねらいとしてあげているのが 「仲間との交流」である。今回,他者との交流を. 苦手としている児童を各学年から3名ずつ15人 抽出し,彼らの評価と運動内容との対応,VT R 記録やインタビュー記録等でデータを収集した。  その結果,「気づき」の因子得点の平均値は1 時間目から2時間目にかけて15人中8人が低下, また,2時間目から3時間目にかけては15人中13 人が向上しているのが認められた。これは,抽出 児童が気づきに対応した運動内容のねらいレベル の変化に応じたといえる。つまり,「気づき」に 関しては,ねらいレベルに応じた反応を示す傾向 にあると判断できる。. Bは気十・交一,Cは気一・交十,Dは気一・交.  さらに,r交流感」の因子得点について抽出児 童内では,ねらいレベルに応じて反応し,比較的 関心が高い傾向にあるのは,1年,2年,5年生 であり,4年,6年生については,ねらいレベル に応じた変容はあまり見られなかった。下図は抽 出児童の「交流感」の因子得点の変容をまとめた ものである。抽出児童全体のr交流感」の向上を. 一)に分け,カイ二乗検定及び残差分析を行った。1. 目指すには運動内容の工夫が求められる。. 3.r気づき」とr交流感」因子による4群の分布  次に,r気づき」とr交流感」の因子に焦点を 当て,得点の高い者から順に並べ替え,上位50%, 下位50%の人数を抽出し,4群(Aは気十・交十,. 時間胃は,高学年は他の学年よりも「交流感」因 子に高い反応を示した。2時間目は,低,中学年 が「気づき」因子に高い反応を示し,高学年が「交 流感」因子に高い反応をしめした。3時間目も低 ・中学年がr気づき」因子,高学年がr交流感」 因子に高い反応を示した。. 抽出鬼重のr交流感」の因子得点     ヰ因子得点・順位/全体児重数 ■     ■   ■. 学年. i. 2. w.考察  以上の結果から,高学年兄董は「交流感」に対 して関心が高い傾向がわかった。高学年児童の発 達段階から考えても,他の学年児童よりも様々な 場面を経験していることから妥当であると考えら れる。また,根本(2006)が高学年児童の発達特 性について「集団意識が強くなり,考え合い協力. 4. =“. するカが身につく」と述べていることと合致する。.  次に,中学年児童は「気づき」に対して関心が 高い傾向がわかった。中学年全体における「気づ き」因子の標準因子得点の平均値をみると他の学 年に比べ高い傾向にあることや,他の分析結果を みても同様の傾向にあることがわかった。また, 気づきだけでなく,ギャングエイジ時代の特性を 踏まえて,「仲間との交流」も視野に入れながら 指導することも有効であると考えられる。  さらに,低学年兄董は,「気づき」に対しては 比較的関心は高いが,「交流感」に対しては関心 が低い傾向にあることがわかった。これは,低学 年児童の発達特性上,まだ自己中心的であり,他 者へ関心を持っ段階ではないということが考えら れる。低学年児童は,まず自分の体への気づきに 関心を持たせ,そこから他者への気づきに発展で きるように指導する段階であると考えられる。. 6. 1   ■     I. 名前. ■       I. 1蹄間日{2四人;. 嫡間目1220人). i気竃・交2). °C1・交O). 猫間目121コ人). °C3・文3〕 彗9/217一. K・H. 一〇.エコ9. 202/224. O.1“. M・O. 一2−8η. 220!22一. O.1帖. 15,ノ220^. o.幽5. 柵1.’21,. H・S. O,102. 120,・.2四. o.蝸至. 蝸一.220{. O.1引. 馳!21τ. S・丁. O.1鵬. 105!224. O.4ハ. 宮6’’皇別. o、コ閑. ”、一217一. H・丁. o.畠1司. 島〃幽. o.了靱. 18一’22{〕. O、昔5一. O〃1フ. A・一. 報.蝸6. η〃四. O.1榊. η〃20…. o,1引. 舶!洲. O.1引. τ2、棚0. R・M. o,902. 〃224. 一〇、2跳. 1引〃20j. o.160. 1船ノ21一. 丁・肖. 〇一冊!. 3〃胴. o,420. 41!21O^. o.05島. η百ノ21}. S・M. O.386. 月2/224. κ・K. 一単一コ講. 222〃脳. K・H. 一1.乃O. 21ヨ!刎. O.153. M・一. o.221. 抑’2洲. 一〇.ε23. Y・o. o.203. 醐!224. O.f6一. η!220. K・τ一. o.1説. 蝸!224. o.1帖. 湖ノ220. s・K. o.226. 33!2困. 1二τoo. 2〃胴. o.ヨ4壇. 一〇.引1. o.1帖. 柵!2…o. 用泌了.. 一1」η暮. 204一・’217. 150ノ獅{、. o.7蝸. 11.伽:. 195一花20. 1.コ5壇. 醐〃20.. ;. 圭. ψ村7・. O.1目1. 毫9.仙7. O.131. 50〃1}. 一〇.lO茗. 湖!2η. 二. V.結論  以上の結果,児童の発達特性を踏まえて「体ほ ぐしの運動」を実践する場合,高学年児童には「仲 間との交流」,また,中学年児童には「体への気 づき」や「仲間との交流」,さらに,低学年児童 にはr体への気づき」というように,各学年児童 の発達特性の傾向を踏まえ,そのねらいを中心と した授業展開が適切であるととらえられる。  今後さらに,ねらいレベル別の運動内容の実践 を重ね,各学年における適切な運動内容を選定す るとともに,学年全体の進行過程を見通し,適切 な授業計画を立てられるように努めたい。          主任指導教員  永木 耕介.          指導教員  永木 耕介. 一441一.

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