学校生活適応感に着目した支援の工夫とその効果 : 中学校の学級担任と教科担任間の情報共有から支援の実現へ
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(2) 2 1 標 準0. 国4月末 口5月末. 化一1. 得. 点.2. −3 −4. 教師との関係. 学習への意欲 部活動への意欲 情緒的安定性 (自己肯定感). 家族との関係. 因子項目 Fig,1対象生徒の標準化得点(z得点)の変化. くかに結びつく・ように話し合いを進めた。会議. 2週間での新しく取り組んだ配慮や支援につい. 後の2週間の間に各教師の実践の変化を調べる. ての質問紙の回答では,約25%の教師が新しい. ため,「新しく取り組んだ配慮や支援」「取り組. 配慮や支援に取り組んでいることが確認できた。. まれた結果」を自由記述で質問紙に答えてもら. 4月末と5月末に実施した学校生活適応感尺. い各教師の実践を確認した。. 度の2回の生徒Aの学校生活適応感尺度得点を. また,学校適応感は南(2011)が因子分析した. 標準化得点(z得点)で表した(Fig.1)。標準化. 中学生対象の「学校生活適応感尺度」(浅川,. 得点の2回の変化は「教師との関係」「学習へ. 2003)の質問紙を使用して調べた。この尺度を. の意欲」は低くなり,r部活動への意欲」r家族. 用いて4月末,5月末の計2回覧間紙調査を行. との関係」は高くなり,r情緒的安定性」は維持. った。第1学年全生徒データから生徒Aの標準. されるという結果になった。. 化得点(Z得点)を算出した。. 1V 考察 皿 結果. 教科担任間の情報共有の工夫では,学級担任. 学級担任は4月の初めから生徒Aの小学校で. と教科担任が実際に困っていること,実際にう. の対応や特性についての質問を多く行っていた。. まくいった配慮と支援の情報を共有することが. 筆者は実際に小学校でどのような配慮や支援を. できた。しかし,「学習の意欲」は低下した。こ. 受けてきたかの情報をr引き継ぎシート」とと. れは会議の実施が遅かったことや,生徒Aへの. もに提示した。学級担任は同級生との関係づく. 効果的な学習への配慮や支援が実施できなかっ. りを軸にした学級経営に取り組んでいた。それ. たことが要因として考えられる。学級担任の生. らを引き続き行いながら,5月は生徒Aの母親. 徒Aへの正しい特性理解とその配慮と支援によ. へのストレス軽減の配慮も行っていた。. り,生徒Aのr情緒的一な安定」が維持され,学. 教科担任間の情報共有では,実際に教科担任. 級担任の母親への配慮によってr家族との関係」. が経験している困った行動に対して,学級担任. が高くなったと考えられる。. など,経験ある教師が実際におこなっている配. 本研究から,障害特性の理解,特性に合った. 慮や支援を発言する場となった。実際の出来事. 学習支援,教師や同級生との関係づくり,親へ. への対応について,「生徒Aのロロ行動への対. の配慮,情報の共有とその活用の重要性が示唆. 応に困っている」という教師に,r自分の授業で. された。. □口行動のときはOOという対応をしてうまく. 主任指導教員 宇 野 宏 幸. いっています。」といった具体的な配慮や支援に. 指導教員宇野宏幸. ついての情報を共有することができた。会議後,. 一223一.
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