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小・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究(III) : 中学校各教科の分析を中心として

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(1)Title. 小・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究(III) : 中 学校各教科の分析を中心として. Author(s). 奥野, 亮輔; 榊原, 郁子; 渡部, 俊夫; 村山, 登; 林, 重雄. Citation. 北海道教育大学紀要. 第一部. C, 教育科学編, 25(1): 120-134. Issue Date. 1974-08. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/4676. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 奥野亮輔他四名:小・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 (m). 小・中学校児童・生徒における理科の. 学習興味に関する研究 (m) --. 中学校各教科の分析を中心と して. 奥野亮輔 ・ 榊 原 郁子 ・ 渡部 俊夫 ・ 村山. 1. --. 登 ・林. 重雄. 研 究 の 目 的. ) において, 小学校児童における教科及び理科各領域についての われわれは, 前報 (1,1 1)も2 学習興味について, 好嫌という観点から分析検討を加えた. 本研究では中学校生徒を対象としてな. された調査資料のうち, 各教科に関する検討を中心に報告したい. 第1報で小学校児童 の 教 科 に 関する興味が男女によっ てかなり大きな差が認められること, また発達的にもそれらが変化するこ とが知られた, このような性差, 発達的変化が中学校において, どのように現われ, 小学校と如何. なる関連をもつかを検討したいと考えた. したがっ て, 本報告では, 中学校生徒を対象とした調査 資料の分析が中心で, 中学生の各教科に関する興味の実態を明 らかにすることが主要な目的となる. が, 第1報 (小学校の調査) との関係の吟味ということも重要な目標のひとつである. これは, 義 務教育における各教科の学習指導について考える場 合, どの発達段階の児童’生徒を指導するにし ても, 小中全体を通 した教科の学習興味に関する変化の様相を把握することが大切であると考える か らで あ る,. なお, 今回は中学生を対象と した調査であるが, 小学校時代の教科に対する興味を回想形式によ て調べ っ , 第1報の調査結果との関連の吟味, 及び中学校における各教科に対する興味の度合との 関係を検討 した, これは, 或る意味で, われわれのような調査の持つ欠点を補う役割を果た してく. れると考えられる. それは本研究のような場合横断的な調査であるため, 各発達段階の調査対象が 異なっ ている. したがっ て縦断的な研究のように, 個人的対応が得 られず, 単に平均的比較に終始. せざるを得ないという短所を持っ ている. しかし, 上述のような調査を加味することにより, 回想 という限界はあるにせよ, そのような欠点を或る程度補う意味を持つと考えられる,. さらに, 第1報でも述べたように, 小・中学校における教科の興味・関心についての研究はこれ ) こ れ らの 研 究 結 果 と の 関 連 も検 討 した い と 考 え た. しか し こ までも数多くなされており34 ,5 , ,. の点に関 しては, 調査対象のもつ意味, 調査方法の違いがあり, 直接資料を比較検討することには 無理がある. しかし, 教科に関する興味についての相対的関係については, 比較が或る程度可能で あり, この面からの吟味も結果の考察の中で加えていきたいと考える. 口 1. 調査対象及び方法. 調 査協力校及び調査対象. 前報 (1,1 1) における小学生を対象とした調査では, 全道的な視野から検討するため, 北海道 全域の小学校に協力をお願い して, 資料を集めて検討した. しかし, これまでの検討結果では, 農 村, 漁村, 工業地帯, 都市 という地域的な特色は余り明確でなく, 大まかな学校規模 に よ る 比 較 120.

(3) . 奥野亮輔他四名:小・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 (m) で, 特殊な教科 (社会) に若干差 がみられるのみであった, しかも, 中学校の場合は, 調査項目も かなり多く, 前述のように, 回想形式による小学校時代の調査が加えられることになったため, 調 査対象校を少なくした, これは資料検討のための時間的制約を少しでも軽減するため と, これだけ. の調査対象があれば, 全体的傾向を把握するのに充分であると考えたからである. 調査協力校及び調査の対象となった生徒数を地域, 規模別, に示すと, 第1表のようになる, 表 中の小規模校とあるのは, 1学年1学級のみの学校であり, 小学校のような複式校は含まれていな い, 表にみられるように, 空知, 石狩管内の中学校14校に協力をお願いした, 調査対象生徒数は, 9名である, 男子2708名, 女子2531君, 合計523 表1 調 査 協 力 校 お よ び 生 徒 数 学 学 記 生 級 年 数 号. 驚 琶. 男. 札. A. 幌 市. B. 部 剥. C. 部. 小 規模. 小. 全 体. 2. 調. 査. 方. 全. 徒. 女. 数. 計. I. 15. 329. 296. 623. 2. 15. 313. 316. 629. 3. 14. 316. 244. 560. I. 10. 178. 171. 349. 2. 11. 214. 197. 411. 3. 11. 196. 196. 392. I. 18. 336. 323. 659. 2. 16. 307. 289. 596. 3. 16. 313. 296. 609. I. 5. 61. 56. 117. 2. 5. 70. 65. 135. 3. 6. 75. 84. 159. I. 48. 904. 844. 1 ,748. 2. 47. 904. 867. 1・771. 3. 47. 900. 820. 1 ,720. 法. この研究では, 小学校における調査と同様に, 中学校9教科, 及び理科各領域における関心度を 興味の有無という観点から調査したが, 何れも質問紙法によっ て行なった, 調査にあたっては, 調 査用紙を協力校に郵送し, 各学級の担任によっ て実施された, 理科領域についての調査内容に つい. ては, 次報 (l v) で詳細に報告するので, 省略し, 教科についての調査方法について述べると次の よ う に な る,. 中学校における9教科, 国語, 社会, 数学, 理科, 音楽, 美術, 保健体育, 技術家庭, 英語について, 現時点における興味の度合を, 「非常に興味のあるも の」 「興味のあるもの」 「ふつうのもの」 「興味のもてないもの」 「全然興味のもてない もの」 の 1 ) 中学校9教科に対する調査. 5段階で記号によっ て記入させた,. 2 ) 小学校時代の回想による調査. 小学校の8教科について, 小学校時代を想い出して, そ 121. , . ′ , ・ 、 . . ・ . ・ モ 、 .. . く . 、 . { { . ・. . 、 . ー ー . ・ . 1 、 . ′ . ′ . ′ . ・ . ′ . . ′ . . . r . ′ . 〉 ≠ . 〉 . 〉 .. . { . . 1 . . ・ . . 〉 . . } . .. ・ ー ・ r r モ モ } ) 〉 ・ ’ ・ ′ ・ ・ \ . { .. { ’ ’ ・ ー ・.

(4) . 奥野亮輔他四名:小・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 (m). れぞれの教科について 興味があったか, 興味がなかったかを上と同様に5段階で記号によ って回答. を求めた. また調査の実施にあたっては, 第1報と同様に, この調査は成績と無 関係であるこ と, 各自が現 在感じていること, 小学校時代に感じていたことを卒直に回答してくれるように, 学級担任に特に お願いした. 3) 調査時期. 1 973年2月 末から3月上旬にかけて調査を実施した,. 4) 結果の処理法. 「非常に興味がある」 から 「全然興味がもてない」 までの5段階の反応. に, それぞれ5点から1点までの得点を与えて整理し, この得点を各生徒 がもつ興味, 関心の度合 をあらわす指標と した, m 1. 平. 均. 得. 結果及び考察. 点. 上に述べ た手続きによって, 教科に対する興味の度合を得点化し, 全対象生徒につい て の 男 女 別, 学年別の平均得点と標準偏差を求め, その結果を示したのが 表2-1である. 表を見るとわかる 規. 学 性. 種. 模. 年 別. 類. 1 年 全. 男 女. 体. 3 年. 男 女. 中. 学. 校. 国 語 社 会 数 学 理 科 英 語 音 楽 美 術 保 留; 技 家. ×. 3.18. 3.72. 3.48. 3,91. 3.38. 2.76. 3,39. 3,85. 3.88. SD. 0,95. 1,10. 1.15. 0 .98. 1.16. 1 ・17. 1,16. 1,06. 1,01. ×. 3,73. 3,33. 3.23. 3,19. 3,45. 3,61. 3,68. 3.50. 3 .37. SD. 0,91. 1,09. 1,00. 1.04. 1・10. 1 .08. 1 ,05. 1,09. 1,14. ×. 3.19. 3.76. 3.36. 3,68. 3.20. 3,04. 3,41. 3,87. 3 ,61. 0,97. 1.05. 1 ,15. 1 ・00. 1 .19. 1 ,20. 1 ,15. 1.04. 1 ・01. ×. 3.56. 3,35. 2,95. 2,86. 3.44. 3.72. 3,45. 3.50. 3.58. SD. 0.90. 1.06. 1,13. 1,01. 1,11. 1 .03. 1・07. 1・07. 0,97. ×. 3.15. 3.66. 3.36. 3,74. 2.90. 3.10. 3.42. 3.80. 3,40. SD. 0 ,98. 1 .04. 1.16. 0,98. 1,21. 1 ,17. 1.15. 1 ・00. 1 ・10. ×. 3,63. 3.33. 3.04. 2,94. 3.22. 3.68. 3.42. 3.49. 3.28. SD. 0 ,84. 1,01. 1 ・10. 0,93. 1,17. 1・00. 1 ,09. 1.08. 1 .03. 2 男 ポ SD キ年. 女. 表2ー1 全 平 均 得 点 と 標 準 偏 差. ように, 教科に対する興味の高低には男女差, 発達差がみられる, しかし, それらの詳細について は, 比較表を基にして後で述べ ることにして, ここでは, 平均得点からみられる一般的特徴につい て, 小学校の資料 (報告1) と比較しながら検討してみることにする, なお, 全般的な傾向, 教科 間の相対的関係を吟味するため, 平均得点をグラフで示したのが図1である, このようにすれば教 科間, 学年間及び男女間の相対的 関係を検討するのに極めて好都合であると考えるからである. 得点の幅でみると, 男子は1年生で最高 (理科) と最低 (音楽) の差は1 ,3年では .15であるが2. その差は0 .57~1 .73と比較するとその差は減少している, 女子 ,0 .90と小さくなり, 小学校の1 .83 においては, 小学校においてすでに最高, 最低の得点差が男子より 狭いこと, 特に6年生にそれが 6 顕著になることが (0 .54 ,0 ,8 , ,85) 知られたが, 同様の傾向が中学生におい ても認められる (0 122.

(5) . 奥野亮輔他四名:小・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 (m) 図. 男年. 理技像. 賛 美英. 社. ”. 頭 子3 . 年醸. 保. : . 実数. 英国. 社 理 技. n ll. ll 美技救. 俊理 社. ti 」. ” !. 『 ,t 5 , . , .. 表. 同. … . r 音. 蓬 1 国音. 笑. :. l. ll 3 0 ,. 5 3 .. 平 均 得 点. I 茎 L 女年 章 耀 子3匿 年. 」 5 R4 n ・ .. 国美 音. 像葵 亨社. 数理. … … 1: lil 1 一‐ 1 音. 賄 :. 掌厩 保実装 社. 数 理. : L. 1 =il fl 音国. ー1. 保 養 社肇 英. ’1 1.l 3 5 .. 平 均. 教. i. 壇. l. 3 一 1. 得 点. 0 , これらは教科に対する 興味の幅 が中学生になると狭くなることを意味するが, 特に高順位 ,74) の得点が減少していることが大きな原因になっていると思われる, このことは中学生になると教科 に対する興味を考える場合に余り極端な反応を示さなくなるためと解される, なお, この傾向は女 子では小学6年生から示されるのに, 男子では, 中学生になってから, しかもその傾向が顕著にな るのは中学2年以降であり, 一般的にいわれる精神的成熟度の性差と対応しているよう に思われる のは興味深い, なお, 得点の幅と関連して特殊な教科 (例えを 男子の音楽) を除けば, 全般的に教. 科に対する関心度が発達につれて減少する傾向が認められる. これは小学校の際にもみ られた傾向. であり, 中学校でもその傾向は維持されるこ とを示している, 男子で比較的高い得点を示すのは保健体育, 理科, 社会であり, 女子では音楽, 国語が高い, こ れらの教科は全般的にそれぞれ興味をもたれる傾向が強いこ とを示し, 男子の社会科を除けば, 小. 学校における傾向と一致している. 社会科については, 6年生のときに上昇の傾向がみられた訳で あり, その意味ではその延長と考えることが出来るかも知れない, 得点の低い教科, すなわち味興. をもたれない教科は男子で音楽, 国語, 英語, 女子では理科, 数学である, 英語は小学校に無かっ た教科であるので, それを除く と, これも全く小学校の傾向と一致している. これらの結果は, 個 々の児童 ・生徒, 特殊な学校, 学級で例外が認められるにしても, 平均的にみると全般的に認めら. れる傾向で, しかも小学校時代から中学校にかけて持続される一般的な傾向と考えられる, また, ) とも大体 1 961年になされた石黒の一対比較法を用いた中学生の学習 興味に関する縦断的研究結果3 一致している, このことは時代の変化にかかわらず, 教科についての学習興味の傾向はそれ程大き. く変化せず維持されることがわかる, 次に各教科に対する関心度得点の散らばりについ て, 標準偏差を基にして検討してみよう, まず 男子と女子の比較では, 男子の方が女子よりも, いくつかの例外 (保健体育, 理科) はあるが全般 的に偏差が大きい傾向が認められる, 教科別の比較では, 男女とも偏差が大 き い の は, 数 学, 英 語, 美術であり, 比較的小さい教科は国語, 理科である, また男子ではさらに音楽, 女子では保健 体育がやや高い, これらの傾向は小学校の場合にも見られた傾向と大体一致しているが, 小学校に 123.

(6) . 奥野亮輔他四名:′ 」 ・・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 (皿). 比べて教科による偏差の幅が小さくなる傾向がみられる, それは中学校では偏差の大きい 教科 (数. 学, 美術, 男子の音楽) の標準偏差が小学校に比べ小 さくなっ ているためと考え ら れ る. こ れ ら は, 中学校になると教科の興味に対する個人差がそれだけ小さくなることを意味し, 平均化されて くるためと解 されよう. 次に調査対象校を, その規模及び地域別に分類整理した, その分類基準は小学校の場 合 と 同 様 で, 規模別では各学年が1学級のみで構成されている学校を小規模校 (小) とし, 残りは大規模校 として整理した, 大規模校は更に札幌市内校閲, 札幌以外の市部校侶 ) , 郡部校回に分類した, それ ぞれの学校郡ごとに平均得点及び標準偏差を求めたのが 表2 -2である,. 鑓規 壱模. 年 別. 2. 3. I. 規模別・地域別平均得点と標準偏差. 国. 語. 社. 会. 数. 学. ×. SD. ×. SD. ×. SD. 男ー 女. 理 科 英 ×. SD. ×. 語 音 楽 SD. ×. SD. 美. 術. 保. 体. 技 家. ×. SD. ×. SD. ×. SD. 3,111 .050,913.471,152,851,203,521,093.951・003 ,023.681.153,671,124 .920.98. I. A ‐. 表2-2. 学 性. 3,730,973,271 .133.371,143.081,013.471 .25 ,980.953,531.123.151 ,133,820,983. 男. 3,161,043,801.083,481 .023 .401.123.071,223,291 .214,001,023,611.02 ,173,661. 女. 3,460,923,471.093,171,152.811,043 .701 .053.880,993,331,103.501,103.54. 鰯 面 一 則. 男. 3,031.053 03.101 ・0 .781 .123.960,983.18 ,381 ,203,741 ,203,521 .043 , .143.221. 女. 3,570,903 .391 .963,661 .023 ,651.103.11 ,012 .901 ,152.860,983.451 ,133,820. 男. 3,210,933.631・103,421,093.690,913,431,192.421.233.481 .193.911.023 .791.11. ‐ 女 3,581,153,461.103,121.082.990.933.581,113.331,183,581,123.701,073,401・10. 男ー 女ー. B. 3.121 .023,831.023.331.163.641 ,053.051.353.051.143.361.254,020.983 .671,04. 2 一. 3,620.913.181,002.671,142.881 ・013.121,173.701.083,491,093,611,073 .541,06. 男. 3,221 ,023.621.103,181,203.731・012.551.193 .201,203.311.253,880,963 .611.05. 3. I. C. 2. 3. 1 酬. 小. 3.770,843.291,063 .031.142.980,893 .351 .133,780,953.331 .193.531.063 .311.00. 男. 3,230,873.761 .113,850.99 .043.311.173,881,053,231.182.821.103,191.213,641. ‐ 女 3,800.803.281.033.161,093.361,053,321.063,541,083.471.063.311,053.481,01. 男. 3.310.883.651 ,063,311,103.760,963.121.143,001.233.571,033,661,053,630,95. 女. 3.670.823,331 ,072,891 ,072.960,973,351.OS3.591,043.531.053.391.013,610,92. 男. 3.230.903.561 ,023,481,103,740.972.871.252.971.093,371,133.591,023 .401 ・07. 女. 3.630,753,250.993.151.052.950.912.911・173 .501,103,281.043.341,073.390.99. 男 3.160.943,951.053.571.133.890.933.541.082,90IJI3.521.054,250,974,071・01 女 3 770 763 481 133 131 053 461 203 641 013 821 023 631 013 770 893 861 02 ー. , . . . . , . . ・ , , , . . , . . 男. 2.960,853,811,043,131,213.510.943,041 .063,001,043,370.963,831.123 .371 ,08. 2. f 女 3.380,843,450,993,020.922.550,903,511,053.550.983.570,913,661,103.690,89 3. 124. 女. 男. 3.110,843.720.903,211,063.770,813,111.222.911,243,521 33,760 ,003,720,9 .98. 女. 3.440.933.560,913,120,973.080,963,391・073 ,690.853,391.033,451 ,013,370 .94.

(7) . 奥野亮輔他四名:小・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 (m). 全般的な傾向は, 上に述べた全平均得点でみられた傾向と差はないように思われる しかし こ . , の点については, 比較表を基にして後で検討する, 2. 男. 女. 差. 教科に対する学習興味の男女差を検討するため 表2-1 を基にして 関心度得点の性差を求め t , , , 検定により有意差の検定 を行なった, その結果を示したのが表3である 学校規模別 地域別にも . , 吟味したが, 以下に述べ る結果と殆んど同様の傾向を示したので 全体平均得点の性差のみをとり , 表3 全 平 均 に お け る 男 女 差. 規 模 学 年 全 1 年 2 年 体 3 年. 中. 学. 校. 国 語. 社 会. 数 学. ー0 .55. 0,39. 0,25. 0.72. -0 ,07. ‐0.85. ー0 .29. 0 ,35. 0 ,51. ー0,37. 0 ,41. 0,41. 0.82. -0 ,24. ー0,68. ー0,04. 0.37. 0 ,03. ー0,48. 0,33. 0 ,32. 0,80. ー0 ,32. ー0 ,58. 0. 0 ,31. 0 ,12. ** P <0,01. 理. 科. 英. 語 音 楽. 美. 術. 保 体 技 家. * P <0.05. あげて検討することにした. 表中の数値は男子平均より女子平均を引いた数値である し た が っ . て, プラスは男子の 方が関心度が高いこと, マイナスは女子の方がより高い関心を示 す こ と に な る, 男女を比較して, 男子の方が高い関心を示す教科◆ま, 理科, 数学, 社会, 保健体育及び技術家 庭である, ただこの場合 技術家庭については, 男子と女子では学習内容も異なり, 直接比較するこ とが出来ないと思われるので除外した, 女子の方が高い関心を示す教科は音楽, 国 語, 英 語 で あ. る, これらの傾向は平均得点のところでも述べたように, 小学校における性差とほとんど一致した 傾向であることがわかる. 僅かに美術が中学1年で小学校の場合と反対に女子の方が高い関心を示. すが, その差は2年で小さくなり, 3年生では性差がなくなる, これらの結果は先にも述 べたよう に, 教科に対する学習 興味の性差は小学校時代に形成され, 中学校まで保持されることを示してい ると考えられる, 一般に言われている理数科系は男子が強く,.文科系は女子が優れているという傾. 向と大体符合するのは興味深く, 特に女子が理数科を嫌う傾向が中学2・3年で著しく な っ て い る.. 3. 発 達 的 傾 向. 教科の学習興味に ついての発達的傾向をみるため, 第1報と同様に平均得点を基にして学年差を 求め, 男女別に示したのが表4である, 生差 の とこ ろ で 並べ た と 同 じ理 由 で こ こ で は, 全 体 に つ い てのみ検討する, 表中に示された数値は, 前学年との平均得点の差であり, プラスは, 学年の進行 につれ得点が増加していることを示し, マイナスは得点の減少を示している. 発達的傾向について は, 表4とともに図1を参考にしながら考えていくことにする, 表をみるとわかるように, 全般的. に学年の進むに従って, 教科に対する関心度得点が減少する傾向が認め られる, この傾向は第1報 でも述べたように単に学習興味の低下とだけ考えるのは早計であって, 教科に対する見方や考え方 がより客観的になっ てくることを示していると考えられる,. 次に教科別に, より細かく検討を加えてみよう, 先ず男子についてみると, 極めて顕著な傾向と して音楽の得点が学年の進行に つれて増加していることが挙げられる, 音楽は小学校時代において. も関心が低く, 図1でみ られるように相対的関心度の順位も低いが, 中学校になると次第に関心度 125.

(8) . 奥野亮輔他四名・′ i ・・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 (m). 規. 性. 模 学年差. 別. 全. 2-1. 3-2 体 3-1. 表4. 全 平 均 の. 発 達 差 校. 学. 中. 楽. 美 術. 保 体. 技 家. ー0 ,18. 0,28. 0.03. 0,02. -0 ,23. ‐0 ,33. -0.01. 0・11. -0.23. 0. 0,06. ー0 ,30. 0,06. 0 ,01. ‐0,07. ー0 ,21. ー0,02. 0,09. 0,08. -0.22. -0,04. -0.03. -0,01. ‐0.30. ー0 ,03. -0,06. 「0.12. ー0,17. -0.48. 0,34. 0.03. ー0.05. -0 ,48. -0 ,10. 0. -0,19. -0,25. -0.23. 0,07. -0.26. -0,01. ー0.09. 国 語. 社 会. 数 学. 理. 男. 0,01. 0.04. ー0.12. -0,23. 女. ‐0,17. 0.02. ー0.28. 男. -0 ,04. ー0.10. 女. 0 ,07. 男 女. ** p <o.01. 科. 英. 語. 音. 0. 0.21. * p <0.05. 得点が上昇してくることが示されている, この傾向は先にあげた石黒の研究結果とも全く 一致 して おり, 他の教科 の得点が減少を示す中での増加で, 何等かの意味を有していると考えられるが, 現. 在の資料からだけでは, その解明は困難である. 強いてあげれば, 各教科の内容が高度化し, 学習 の困難度が増大する中で, 音楽の時間は或る意味で彼等の気持を和らげる機能を果たすため かも知 れない, 学年の進行によって, 比較的変化の少ない教科は国 語, 美術, 保健体育であり, 相対的順 位において国語は下位で, 美術は中位, 保体は上位で比較的安定し, 変動の少ない 教科と考えられ. る, 小学校との関係では国語, 保体については全く同じような傾向がみられたが, 美術については (小学校では図工) 低学年で比較的好かれていたのが高学年では関心 度得点が減少 し, 中学校で変 動が殆ん どみ られなくなる. 得点の減少傾向の極めて著しい 教科は, 英語と技術家庭 である. これ らの教科は共に中学校で新しく学習する教科であるのは興味深い, これは未経験の教科に対する関 もの高さによって, 1年生の時には比較的学習興味を持ち, 学年の進行につれて新鮮さが減少 し,. 更に内容の高度化, 困難度の増加によ っ て学習興味の減少をもたらすのかも知れない. この点, 小 学校におい ても, 5年生になって新しく学習を始める家庭科で, 5年生では比較的高得点を示すの が, 6年生では得点が大きく減少しており, これも同じ要因によるものと考えられる. なお, 中学 校において得点の増減はあまり大きくないが, 小学校と比較して相対的順位が等くなっているのは. 社会科である, これは前にも述べ たように6年生の時, すでに関心度得点の上 昇がみられた訳であ り, その延長と考えることが出来よう, 一定の傾向性をもつ教科が 女子についてその発達的傾向をみると, 中学校3年間の発達変動 が, ‐ 男子に比 べ 少ないと思われる, これは2年生における学習興味の変動が極めて大きく, 中学3年間. の発達的傾向を考える場合, その変化の様相を複雑にさせているためと考えられる. 中学3年間を 通 して平均得点の最も変動の少ない教 科は 保体, 社会である. 表に示されるように有 意の学年差が みられるのは, どの学年間にもない, しかし, これらの教科は図1にみられるように相対的順位の 変動はかなり大きくなっている, これは他教科における 学習興味の減少が著しいためで, 得点の変 化がないことが相対的 順位を上げる結果になっ ている, 学年の進行につれて得点の減少傾向を示す. 教科は美術で, 特に1年から2年にかけて 急激な減少がみられる. この減少傾向は小学校でもみら れたものであるが, 小学校6年と中学校1年を比べると中学1年で高くなっ ているので, 2, 3年 で小学校6年生の水準に戻ることになる. しかし, その理由については, 吾々の資料からは明らか 126.

(9) . 奥野亮輔他四名:小・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 (m). でない. 中学2年で興味関心が大きく減少し,3年で僅かに増大傾向 がみられる教科は国語, 数学, 理科である, これらの教科が主要教科と呼ばれ, 高校の入試と深い関連のもつ教科であり, しかも 女子で興味の高い教科 (国語) と極めて関心の低い教科 (数, 理) に類似の傾向が認め られること. . ・ ● ● ●. ば興味深い. なお, 1, 2年で変動が少なく, 3年で急激に得点が減少する教科は英 語である, こ れは単に平均得点の減少のみでなく, 相対的順位も大きく下っており, 3年生になるとその学習困 難度が増大し, 学習興味が減少する 生徒が多くなるためと解される, 技術家庭では2年で 得点が高. くなり, 相対的順位も上昇しているが, 3年でまた下っ ているのが目につく. この点に関してはよ り詳細な吟味が必要であるが, 学習内容を大まかに調べ てみると, 被服, 食物は各学年を通じて配 置されていることがわかる, しかし他の学習領域では1年で住居 (製図と簡単な木工製作) , 2年 で家庭機械 (ミ シンを中心とする) , 3年では保育と家庭電気というように, 学年によ っ て異なっ 6 ) ている , これらの学習内容の相違が或る程度関係しているものと思われる. 4 学校規模と地域による蓬 全体的にみた場合, 規模や地域による差があまり認められないことば先に述べたが, ここではそ れらの条件が比較的大きく異なっている学校群間の比較検討を行なうことにする, 学校規模の比 較. と して札幌市囚と1学年1学級構成の小規模校 (小) , 地域間の比較としては 札幌市囚と郡部◎を 取り上げた, 学年, 性を対応させ, それぞれの学校群間の得 点差を示したのが表5である. 表中 プ ラスの数値は札幌市内校の方が, マイナスは小規模校, 郡部校の方が高い得点であることを示して い る,. 先ず地域差についてみよう, 全般的傾向として都市より郡部の方が比較的高い 教 科 は 国 語, 理 表5 規 模・地 域 に よ る 平 均 得 点 差. 業嵩 国 I. 2. 3. I. 2. 3. 理 科 英 語 音 楽 美 術 保 体 技 家. 語. 社 会. 数 学. 男. ー0 ,12. -0 ,08. 0 ,36. 0,17. 0.24. 0 ,03. 0,33. 0 ,31. 0 ・07. 女. ‐0,07. ー0 ,01. 0,21. -0,28. 0 ,15. 0 ,28. 0 ,51. 0 ,22. ー0 .33. 男. ー0 ,15. 0.15. 0,17. ー0,10. 0 ,28. 0,07. ー0.28. 0 ,34. -0 .02. 女. -0 ,20. 0,1 4. 0,28. ー0,15. 0.35. 0,29. ー0,20. 0 .11. ー0 ,07. 男. ‐0 ,06. 0.22. ー0,10. 0. 0 ,23. 0,25. 0,15. 0 ,37. ー0 ,22. 女. -0 .06. 0 ,14. ー0,25. -0.09. 0 ,54. 0,32. 0,38. 0 ,31. ー0 ,28. 男. ー0 .05. ー0.27. 0,10. 0,16. ー0 ,07. ‐0,05. 0. ー0 ,30. ー0 ,15. 女. ー0 ,04. ー0,21. 0,24. -0,38. ‐0 ,17. 0. 0,35. -0,24. 一0 ,71. 男. 0,20. ー0 .01. 0 .35. 0 ,15. 0 ,36. 0,07. ー0,08. 0 ,17. 0,24. 女. 0 .08. 0,02. 0 ,15. 0.26. 0.19. 0,33. -0,24. ー0.16. ー0.15. 男. 0 ,08. 0 ,06. 0,17. ‐0 ,03. ‐0,01. 0,31. 0. 0 ,24. ‐0.58. 女. 0.13. ‐0・17. ー0,22. ‐0 .22. 0 ,06. 0,13. 0 ,20. ー0 ,26. ** : P<0,01. 0 ,27. * Pく0 ,05 27 1. {.

(10) . ) 1 1 1 奥野亮輔他四名:小・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 (. 科, 技術家庭で, 其の他は幾つかの例外はあるが都市の方が高い傾向 がみられる. 教 科 別 に み る と, 英語は性, 学年に関係なく都市の方が有意に興味が高く, 特に女子では高学年になるに従いそ の差が大きくなっている, また音楽に対しても, 男子の1, 2年で差は小さい が大体同様の傾向が みられる. これは, 都市の方がいろいろな意味で刺激が多く, これらの教科の学習にと って都合が. ,よいことを示しているように考えられる. 保体も各学年, 男女ともに都市の方 が郡部校よりも高く なっ ている, この傾向は小学校においても認め られたものであり, 都市の生徒の方が日常生活の中 で運動面での制約が多く, それだけ体育に対する期待 が大きいためとも解される. 美術についてみ. ると, すべてに有意差が認められるが, 上述の教科と異なり, 2年で男女ともマイナス になってい る. 関心度の平均得点を吟味してみると, 郡部校では2年で1, 3年より高くなっており, 反対に 都市では2年で得点の落ちこみがみられる, このような点 が, マイナスをもた らした原因と考えら れるが, 何故1, 3年で都市の方が高く, 2年生で逆の傾向が生ずるのかについては, 現在の資料 から明らかにすることは困難である, この点に関しては調査時期における美術の 学習領域, その内. 容な どが関係していると考えられるので, 更に今後検討を深めたいと考えている, 次に学校規模による検討を札幌市内校と小規模校との比較から考えてみたい, 全般的にみて学校. 規模による差は地域差よりも小さいことがわかる. 幾 つかの教科, 学年で差のあるものがみられる. が, 特に取上げる程, その差に一定の傾向は見られないようである, この点に関しては, 今回調査 した小規模校の中には小学校にお ける調査対象校と異なり, 復式校はなく, 都市及びその周辺の学 校がかなり含まれていたためとも思われる. なお, 学校規模, 地域差と関連して, 学校差についても, 教科における関心度の相対的順位の資. 料を基にして検討した. 紙数の関係で表示は省略するが, 中学校についても, 小学校の場合と同様 に, 学級ごとに9教科の関心度得点を基にして順位をつけ, 学校及び学級による特色の有無を調べ た. 3学年を通して一定の特徴を示す学校は見当らなかった, しかし, 個々の学年につ い て み る と, 同一校の8割以上の学級で, 特定教科の順位が平均順位に比べて, 著しく高かったり, 低かっ たりする例がかなり見られた. たとえば, 後でも取上げるが, A中学校1年生における理科, B中 学校1年女子の数学, 美術などは全学級が平均より著しく 高い, またC中学1年男子の理科, A中 学 1 年 の 音 楽 な どは, どの 学 級 も平 均 よ り か なり 低く な っ て い る, た だ, こ の A, B, C 校 で の 1. 年生に共通してみられるこの特徴は, 3年を通してみられる傾向ではない, 上にあげた例の中で, 僅かにB中学校女子の美術 が3年でも同じ傾向が認め られるだけで, 他は一致していない. 小学校. についての検討では, 規模, 地域, 学校による特徴よりも, 学級ごとの特徴の方が大きいよ うに思 われたが, 中学校では, 学年ごとにではあるが, 学校の特徴が幾分多くみ られるようである, この ことは全教科担当の小学校に対して, 専科担当の中学校の違いを表わしているのか も知れない. ま た, それだけに生徒の 教科の好嫌, 学習興味に対する教師の影響力が大きいことを示すものと解さ れ よ う.. 5. 関心度指数による検討. 1 今味する場合に,関心度指数であらわすと, 平 すでに第1報でも述べたように,各教科の関心度を1. 均得点や順位を用いて比較検討する時に生ずる種々の矛盾や 困難点が克服されると考えられる, し. たがってここでも関心 度指数を求めて検討を加えた. 関心 度指数は各教科と総平均の比を求め, そ 2 - れ を100倍す る こ と に よ っ て 得 られ た が, 表2‐1 の全平均得点を基にして指数に換算したのが表6 である. なお, その際に基礎となる総平均得点 (9教科の平均得点) を求めたの が 表6-1に示され ている, 更に比較をより明 らかにするため, それらを小学校における関心度指数と共に 示 し た の が 図 2 で あ る, 128.

(11) . 奥野亮輔他四名:小・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 (ロ ー ). 表6-1 全 教 科 平 均 得 点 学 性 種 年 別 男 I. 女 男 2. 女. 男 3. 類. B. C. 小. 全. ×. 3,58. 3.44. 3,44. 3,65. 3,50. SP. 1,14. 1,17. 1 ,14. 1・10. 1.14. ×. 3.49. 3,42. 3,41. 3,62. 3,45. SD. 1,12. 1,10. 1 ,05. 1 ,04. 1 ,08. ×. 3,50. 3.45. 3.44. 3,34. 3 ,46. SD. 1 ,14. 1 ,17. 1,08. 1 .09. 1 ,12. ×. 3,43. 3.31. 3,37. 3,38. 3.38. SD. 1,09. 1 ,12. 1.04. 1.08. 1 ,07. ×. 3.43. 3,37. 3.36. 3,43. 3,39. SD. 1.15. 1 ,17. 1・10. 1,06. 1 ,13. ×. 3.38. 3,37. 3,27. 3.39. 3,34. 1 ,09. 1,07. 1,04. 0 ,97. 1 .06. 表6-2 教 科 関 心 度 指 数. 規 模学 年. 箭国. 2. 体 3. 模. A. 女 . SD. 全 I. 規. 語. 社 会 数 学. 理. 科 英 語. 音 楽. 美 術. 保 体. 技 家. 男. 91. 106. 99. 111. 96. 79. 97. 110. 111. 女. 108. 96. 93. 92. 100. 105. 107. 101. 98. 男. 92. 109. 97. 106. 92. 88. 99. 112. 105. 女. 105. 99. 87. 85. 102. 110. 112. 104. 106. 男. 93. 108. 99. 110. 85. 92. 101. 112. 100. 女. 109. 100. 91. 88. 97. 110. 102. 105. 98. まず, 総平均得点についてみると, 表6‐1 及び図2の左上の図か ら知られるように, 小学校3年 から中学3年まで殆んど直線的に得点の減少がみられる. これは教科の平均得点の検討の際にみら れた傾向とも一致しており, 全教科をまとめてみると, その傾向は小学校の延長の上に考えること が出来そうである, また, 男女の比較では全教科の総平均におい ても小学校3年を除くと 小中を , 通して男子の方が女子よりも高いことが知 られる,. 関心度指数については, 上にも述べたよ うに, 総平均を基にして表わされるため, 得点の減少傾 向が取除かれ, 平均得点の比較では捉え得なかった傾向を知るこ とが出来る,.このような指数に変. 換すると性差のところで見た傾向が極めて明らかになり, 発達的変化も顕著に示される, 小学校3 年から中学校3年までを通して, 男子の方が相対的な関心度の高い教科は理科, 保体, 社会, 算数 であり, 女子の方が高い教科は音楽, 国語である, 特に, 男女差の著しい教科は理科, 音楽, 国語 であることがわかる, また発達的変化についてみると, 美術, 技術家庭を除けば, 男女とも驚く程 一致した変化の様相を示すことが知られる,. 129.

(12) . l u) ・・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 ( 奥野亮輔他四名 j 図2 小中学校を通 した関心度指数の 変化. OQ. O . . . 学 年 数 学(算数). 甑 語. 国. 全教科平均値 o男子 指 . ◎ ◎ o. 98. o oo. の. o. ooo。. 。. . -一 4”“ ー る する 言9. 数. 学 年 音. 科. 0ooo. ー ー すぎすぎするマ. 美 術{図工). ‐駕 篭-‐8‐6--. ooe ◎. oo. o. 指. 学年 理. 会. 社. ◎. 楽 oo. 6. 9. 保 体{体育) eeやり 00 0 や◎ @ - . - - - . - - --- -”-. 技 家(家庭) 1 l. o0 8 - - ””. - - - - - - .8- - ◎. 教科別に図2を検討すると, 国語では相 対的関心度において, 僅かである が上昇の傾向がみられ る, 社会では前にも述べたように, 小学校6年から急激な上昇がみられ, 性差も縮まる傾向がみら れる, 数学 (小学校では算数) では, 小学校の段階まで性差が少ないが, 中学校になると性差 が拡 がる傾向がある. 理科では性差が どの学年においても顕著であり, 相対的関心 度は僅かではある が 減少の傾向を示している. 音楽については平均得点のところでも見たように性差が極め て大きいこ と, また男子では, 小学校6年まで減少傾向 がみられたのに, 中学校ではかなり顕著な上昇がみ ら れ, したがっ て, 性差も縮少の方向に推移している, 美術についてみると, 小学校と中 学校では男 女の関係が逆になり, 小中間に不連続的な変 化を予想させる, これは男子の技 術家庭における学習 内容の変 化と同様に, 何か質的変化が予想される, 保体についても同様に小中間で不連続的変化が 認め られる, すなわち, 中学校になると男女共に相対的関心 度の著しい低下が見られることで, 実 技中心の小学校と教室での学習が加わる中 学校の差がこのような傾向を 生じさせているのかも知れ な い.. 回想 による小学校時代の関心度 前述のように, 今回の調査において回想形式による小学校時代の 教科に対する関心 度 を 調 べ た が, その全平均得点及び標準偏差を示したのが 表7-1である. これらの結果は調 査時点による小学 校時代の回想であるので, 学年によ って回想される時点との 時間的幅が異なっ ている訳であり, そ のため, 個々の得点を学年間で比較すれば若干の変動がみられる, しかし, 教科間の相対的関係を 6. 130.

(13) . 奥野亮輔他四名:小・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 (n l ). 吟味すると殆んど一致していると考えてよかろう, したがって回想時点との時間的な学年差はそれ 程問題にしなくてもよいと思わ れる, 表7-1 回想による小学核時代の平均得点と標準偏差. 規. 学 性. 種. 模. 年 別. 類. 1 年 全. 2 年 体. 3 年. 男 女 男 女. 男 女. 小 国 語. 学. 校 (中 学). 社 会 算 数 理 科 音 楽 図 工 体 育 家 庭. ×. 3,29. 3,71. 3,63. 4,03. 2,73. 3.73. 4,29. 2,74. SD. 1,04. 1,16. 1 ,12. 1 ・00. 1 ,23. 1,26. 0 ,93. 1 .30. ×. 4,07. 3,33. 3,35. 3,31. 3.75. 3,46. 3,86. 3,67. SD. 0,90. 1,1 4. 1 ,17. 1 ,09. 1,10. 1,22. 1 .16. 1 ,07. ×. 3,16. 3,52. 3.47. 3.86. 2.91. 3,75. 4.17. 2, . 75. SD. 1 ,05. 1 4 ,1. 1.23. 1 .03. 1 .21. 1,20. 1 ,02. 1 ,28. ×. 3.91. 3,17. 3.23. 3,13. 3,80. 3,40. 3.75. 3,67. SD. 0.91. 1,06. 1,16. 1 ,03. 1,04. 1,14. 1 ,18. 1,03. ×. 3,17. 3 ,48. 3,40. 3.73. 2.87. 3.61. 4,08. 2.74. SD. 0,99. 1 ,06. 1 ,15. 1 ,01. 1,18. 1.24. 1,04. 1.27. ×. 3.81. 3.23. 3,34. 3,10. 3.77. 3,40. 3,76. 3,49. SD. 0.86. 1,03. 1 ,14. 0.9 4. 1 ,01. 1 ,17. 1,17. 1,00. まず, 回想による平均得点と小学校の調査結果 (第1報参照) を比較検討してみると, 個々の得 点で若干変動がみられるが, 全般的にみて, 小学校6年生の平均得点と一致している. また得点の. 散らばりをみる標準偏差でも, 教科間の相対関係ではかなり 一致した傾向がみ られる, し た が っ て, 回想形式によるこれらの結果はかなり信頼度の高いものと考えてよいであろう.. 次に回想による小学校時代の関心度と現在の学習興味との関係を考えてみることにする, 調査対 象校の中から, 地域, 学校規模を考慮しつつ, 五つの学校を選び, 更にその中から各学年1学級 づ. つを抽出して, 回想による各教科の関心度と中学校のそれらとの相関係数を求めて検討した, その 結果を 表7-2に示した, 表にみられるように, 全般的にかなり高い相関を示すことが知られる. た だ, 2年生においては, 全般的に低くなる傾向が認められ, 特に女子の理科, 国語の相関が低くな てっいる, この点に関しては, C校 (各学年7学級) で調べた理科についての相関でも同様な傾向 表7-2. 賭国. 語. 回想による小学校と現在の関心度の相関表 数 学 美 術 保 体 社 会 (算数 ) 理 科 音 楽 (図工) (体育). 男. ,576. ,569. .599. ,557. .576. ,535. ,526. 女. ,421. ,537. .451. ,450. .686. ,561. ,589. 男. ,405. ,556. ,386. 4 .39. ,492. ,349. .483. 女. .280. ,507. ,472. ,241. ,570. .484. ,642. 男. .419. ,403. ,418. ,686. .464. .345. ,581. 受 女. ,571. ,588. ,513. .389. ,585. .445. ,586 131. . ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ′ 、 . ● 、 ′ ・ ● ● ● ● ′ ● ′ ● 、 . ・ ′ ● ● 、 ● ′ ・ 、 . ・ ● ′ 、 、 ・ ノ ・ 、 ● > ′ ′ ● ′ ● 、 ′ ● ′ 、 ノ { ′ ● 、 ′ Y 、 . ′ ● ● 、 . ● ● ′ ● 、 . ・ 〉 ′ ● ・ ′ . ′ ノ ′ ′ ● ′ γ. ● ● . 、 ・ ・ ノ < ・ ノ . ● { ・ Y ● ● ● ● ● ● ● ● . { ・ ′ . { }.

(14) . 奥野亮輔他四名:小・中学校児童’生徒における理科の学習興味に関する研究 (m) が認め られており (男子0 , 中学2年にみられる一 つの特徴と考えられる. このよ .20) ,31 , 女子0 うな傾向がみ られる原因についての 分析は現在の資料からは明らかでないが, 平均得点を調べてみ ると相関 の低い教科は, 全般的に得点の低い傾向 がみられる, この点に関しては今後更に検討を加. えたいと考えている, しかし, 低いとはいっても, 何れも有意の相関がみられる訳で, 全体的には 小学校時代と現在の中学校における 学習興味は かなり密接な関連を有していることが知られる, し たがって, 教科に対する学習興味は個々の例外はあるにせよ, かなり長期にわたり変動 し な い こ. と, また, それだけに, 小学校時代の学習指導に特段の配慮が必要であることを示すものと考えら れ る.. 7 理科についての関心度 理科に対する学習興味については, 男子は他教科に比べて 高い関心を持つこと, 女子は極めてそ の関心 が低く, どの学年においても最下位であり, 著しい性差が見られること, また発達的にみた. 場合, 男女とも2年生で関心 度に落ち込みがみられることは前述の通りである. しかも, このよう な著しい性差は小学校時代から明らかに認められることを指摘 してきた. ここでは, まず, そのような 特徴を示す理科への関心度が他教科に対する興味と どのような関係 を有しているかを吟味したい. それらの関係を検討するため, 回想による小学校時代との関係をみ た調査対象群 (各学年5学級) につい て, 各教科と理科との相関係数を求めたのが 表8‐1である,. 全般的に理科と他教科との相関は低いことがわかる. しかし相対的にみた場合, 数学との相関かか 表8-1 理 科 と 他 教 科 の 相 関 表. 差箭 国 I. 2. 3. 英 語 音 楽. 術. 保 ,体. ,281. ー,127. -.158. .224. -,080. ,198. ,158. ,107. ,049. .296. .042. ,069. ,166. .029. ,275. ,077. .243. .089. ,138. .281. -,104. ,026. ・010. ,156. 6 ,39. -,087. ,156. ,267. ,056. .327. .165. ,113. ,298. .287. ,063. .261. ,219. .038. 語. 社 会. 数 学. 男. ,143. ,140. ,356. .052. 女. -,057. .224. .159. 男. -.097. ,009. 女. -.068. 男 女. 美. 技. 家. なり高い傾向がみられ, 特に男子 こそれが著しい. また男子の技術との相関も比較的高く, その関 係は有意であることが知られる. このような傾向は小学校の検討にはみられなかったものであり, 中学校での特徴の 一つと考えられる. これは, 前にも述べたように理数科として一括して論ぜられ. る場合の多い 一般的な傾向とも一致 しており, 中学校の理科で数式の導入及びそれに基 づく計算が 学習過程の中に多くとり入れられてくることと関係 があるのかも知れな い, 男子の技術科との関係. は, 技術料における学習内容が理科と類似していること, またその応用といっ た面が多いためと考 えられる. 次に理科に対する学習興味の特徴と して, 女子はその関心が極めて低いことを指摘 してきたが,. 例外的な学級も存在する. したがって, この面での分析から理科学習の指導上有効な手掛りが得ら れるのではないかと考えて, 特徴的なA中学校の1年生をとりあげ, 検討を加えた, A中学校1年 生 (5学級, しかし1学級は女子のみ調査に参加) の関心度指数と比較のため1年全体の指数とを 2であ る, 表をみると A中学校1年 生は全体に比べて理科に対し高い関心を持つこ 示したのが 表8- と, 特に女子は他教科に比 べて最も高い関心を示していること が知られる, ただしこの 中 学 校 の 132.

(15) . 奥野亮輔他四名;′ 」 ・・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 (m) 表8-2 理科に特徴的な教科関心度指数 (A中学1年). 義路 生徒数 全. 体. 国 語. 社 会 数 学. 理 科. 英. 語. 音 楽. 美 術 保 体. 技 家. 男. 904. 1 9. 106. 99. 111. 96. 79. 97. 110. 111. 女. 844. 108. 96. 93. 92. 100. 105. 107. 101. 98. 男. 61. 94. 108. 9 2. 123. 103. 72. 105. 104. 99. 女. 9 4. 108. 9 4. 86. 115. 100. 92. 106. 96. 103. 2, 3年生に おける理科の関心度は殆んど平均並になっている , A中学校1年生の理科に 高い関心を寄せ る原因について 同校の理科担当者に質問した結果 次 , , のような事情が明らかになった. この中学校は 町内唯一の統合校であり 生徒 の出身小学校のかな , りが小規模校で, 理科施設の不備から, あまり理科実験が行なわれない状態にあ た しかしこの っ . 中学校は統合によ って施設が極めて充実しており 実験を中心とした 学習が数多く展 開 さ れ て い , る, このような差が目新しさも加わっ て 理科に対する関心を高める要因にな たと思われる ま , っ . た, 表では省略したが, 調査14校中 もう一 つの統合校であるD校に おいても同様な傾 向が認めら ,. れた (1年理科の関心度指数は男子1 23 09 ) , 女子1 , このことは, 中学校においても, 充分準備さ れた, 生徒中心 の, 実験を軸と した授業展開が生徒 の学習 興味を高め るために大きな影響を与え る ことを示唆してい るといえよう ただ 2 3年生での平均並へ変化は上にも述べたような実験参 , , , 加への目新しさが, 学年の進行によ って慣れをもたらすこと また学習内容の困難度の増大などが , 影響を与え るとも考えられるが, この点に関しては今後のより 詳細な検討に待たなけ れ ば な ら な い,. さらに, 理科への関心はその内容である各領域への学習興 味の分析と関連づけて検討を進めるべ. き で あ る が, こ の 点 に 関 し て は 次 報 で述 べ るこ と に す る , l v. 要. 約. これまで の小学校での検討に引き続き 空知 石狩管内を中心とした中学校1 4校の生徒約5 00 , , ,2 名を対象として, 各教科及び理科の各領域における関心度を調べた この報告では教科に対す る学 , 習興味を中心に検討し, 小学校との関連を吟味した その結果を要 約すると次のようにな る , , 1) 教科に対す る興味の方向には明らかな性差がみられる 男子で関心の高い教 科 は 保 体 理 , , 科, 社会であり, 女子では音楽, 国語が高い また 関心の低い教 科は男子で音楽 国語 英語 . , , , , 女子では理科, 数学である. この性差は小学校の傾向と大体一致している , 2) 発達が進むに つれて, 小学校の場合と同様に関心度得点は男女ともに 減少の傾向を示す 特 , に, 中学校で新設され る英語, 技術にその傾向が著しい . 3) 学校規模, 地域別の検討では, 規模によ る差は余り顕著でなく 地域差もそれ 程 大 き く な , い, しかし, 大都市 (札幌) と郡部枝の比較で, 英語 音楽 保体な どの教科で大都市の方が全般 , , 的に高い傾向がみ られた, . 4) 関心度指数による小学校を含めた検討では その発達的変化の様相は 男女ともかなり一致 , , した傾向を示す. なお, 小中で著しい不連続傾向を示す教科4ま社会 音楽 美術 保体である , , , , 5) 回想による小学校時代の教科に対する関心度は● 小学校児童の調査結果と一致した傾向を示 , し, また中学校におけ る教科の興味とかなり高い相関が認め られる . 6) 理科と他教科間の学習興味に ついての関係では 数学及び男子の技術との間に有意な相関が , 133.

(16) . 奥野亮輔他四名:小・中学校児童・生徒における理科の学習興味に関する研究 (m). 認め られた.. 本研究は北海道科学研究費の助成を受けて行われたものの一部である. この調査にあたり御協力いただいた各中 学校の諸先生, 生徒の皆様に感謝の意を表します. 文. 献. 興 3 97 1 村山 登・林 重雄・奥野亮輔・榊原郁子・渡部俊夫, 1 , 小・中学校児童・生徒における理科の学習 而 2 1 4 1 9 4 C 2 要I 北海道教育大学紀 味に関する研究 (工) , , , , , 4 7 2) 林 重雄.奥野亮輔.楓原郁子.渡部俊夫・村山 登, 19 , 小・中学校児童・生徒における理科の学習興 -153. 1 3 8 2 C 2 4 要I 味に関する研究 (ロ) , , , , 北海道教育大学紀 M 42 9 教育心理学研究 生の学習興味 1 中学 . 3) 石黒影二, 196 , , 3,32 , , 03- 1 13 児童心理, 21 , 9, 1 67 4) 石黒形二, 19 , 学業成績・教科女子悪に現われた性差とその指導, 而 6 5 4 1 6 7 績 児童心理 9 学習興味と成 65 5 ) 清水利信, 19 , , , , , , 81 0 6) 原田 一, 松島千代野, 藤枝直子, 197 , , 新家庭科教育法, 80‐ (本学助教授・奥野亮輔外四名, 岩見沢分校). 134.

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