精神遅滞者の就労に関する一考察 : 企業主と教師の意識調査を通して
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(2) . 北海道教育大学紀要 (第1部C ) 第42巻 第2号 i lof Hokkaido Univers i Sec i Jouma ty ofEducat t on( onI C) Vol .42 -2 ,No. 平成4年2月 Februaw,1992. 精神遅滞者の就労に関する一考察 -- 企業主と教師の意識調査を通して --. 木. 村. 健 一 郎・島. 津. 彰. 1. 問題と目的 昭和54年の養護学校義務化を契機に, 中・重度の児童・生徒が多数入 学することになっ た. また 後期中等教育の拡大が時代の趨勢となっ てきている. そのような教育状況の中で, 精神遅滞児達の 学校教育卒業後の望ましい生活についての, 親や教師の意識や価値観が多様化してきていると言わ れている. 企業に就職して職業的目立と言っ た考え方ばかりでなく, 作業所で 「生きがい的な仕事 を」 「無理に働かせなくても」といっ た, 就労に対する意識の変化が見られている. そこには一般企 業への就職率の低下, その改善の可能性の低さから必要に迫られて生まれてきた作業所の増加, 通 所授産施設の整備等がその背景にある. その価値観や意識の変化は, 当然のことに学校教育の目標や教育内容に強い影響を及 ぼす. 養護 学校の教育目標が職業的自立を強く意 識した 「社会自立」 から, 「社会的自立」 「生活力 の育成」 へ と変化してきている のはその一つの現れであろう. だが, 最近, 企業だけでなく, 福祉的就労の場からも学校教育 に対して厳しい批判が出されてき ている. 一人 の人間として社会で生活していく上での基本的な能力が身に付いていない, 学校は何 をや っ て い る の か と い う の で あ る.. 198 1年の国際障害者年を契機に, 福祉の理念として, 「ノーマリゼイ ショ ン」が提唱され, 障害者 の社会参加が強く打ち出された. その中で, 精神遅滞者の雇用促進の重要性が叫ばれ, 企業に対す る積極的な働きかけが行われた. その成果はいまだ具体的な雇用促進 に至っ ていないが, 企業や福 祉関係者の精神遅滞者 の就労に関する意識の変革をもたらしてきているように思われる 福祉にお . いては施設処遇の時代から地域福祉の時代へと大きく動いている. 企業も精神遅滞者の雇用を従来 の労働力として考えることから, 就労が彼らの社会参加 にとっ て重要な意味を持つことを次第に理 解 しつ つ あ る.. 今日, このような学校教育と卒業後 の福祉, 労働の場との間に存在する考 え方の違いが大きな問 題ではないかと考える. 学校教育と卒業後の生活との連携, 指導内容の連続性が求められている . 精神遅滞者の就労にんかする組織的な研究はさほど多くはない. しかも企業に就職した精神遅 滞 1 ) ( 2 } ( 4 1 そのような条件を明ら 者の適応の状況や, 条件, 就労に必要な諸能力 についての研究が多い( . かにされても, 学校側ではそれらの知見をそのまま学校教育の中に持ち込むことは, 学校の教育活 動は 「就労」 の為のみ行われるわけではないし, 児童・生徒の実態からしても無理がある 必要な . ことは学校教育の考えと企業, 福祉の考えとの接点を明らかにすることであろう . 本研究は, 以上のような課題意識 のもとに, 精神遅滞者の就労について, 企業主と教師の間にど のような意識, 考えの違いがあるかを明らか にし, その接点を考え, 学校教育の教育目標や教育内 173.
(3) . 木 村 健一郎・島 津. 彰. 容を検討するための一資料とすることを目的とする. 具体的には, 精神遅滞者の就労に関する一般 的な考え, 就労の条件, 学校教育の指導課題等について, 企業主と教師に類似の質問をし, 両者の 考え・意識の違いを考察する. また教師の意識については, 担当する学年によっ て異なることも考 えられるので, 教師間の違いも合わせて考察する.. 2. 調査の方法 1 ). 調査対象. 調査対象は, 企業については精神遅滞者を常用雇用している企業を対象とした. 教師については. 函館市内の中学校特殊学級の教師と道内の精神薄弱養護学校の教師を対象とした. 2 ) 調査方法 無記名の質問紙調査法 (郵送) により実施した. 3 ) 調査内容 調査項目は,( i )精神遅滞者の就労の意義( 2 )障害者雇用法に対する意識( 3 )保護就労か一般就労かの 就労形態の適性について( 4 5 )雇用後の負担について( )就労の条件につ )ノーマリゼーショ ンについて( 6 いて( 7 )就労に当たっ て敬遠される事項について( )企業が学校教育について期待することの8点であ 8 る.. 4 ) 調査期間 2月1日~1 2月1 4日の期間にかけて行っ た. 「次調査は平成2年1 二次調査は平成3年7月20 日 ~30 日の期間にかけて行っ た. 5 ) 回答数と回収率 企業からの回答数は23社で, 回収率は50%である. 教師の回答者数は54名 で, 回収率は7 0% である. 内訳は, 中学校特殊学級教師1 0名, 養護学校小学部・中学部教師各1 3名, 高等部教師19 名である.. 3. 結果と考察. 1 ) 精神遅滞者の就労の意義 表1は, 企業主と教師の精神遅滞者の就労についての一般的な意義にたいする回答の結果を示し た も の で ある.. 「精神遅滞者にとっ て 働くことは社会の一員として大切なこと」 と答えたものが 企業主で66 , , %, 教師で56%である. 「働くことは生きがいにつながる」と答えたものが, 企業主で24%, 教師 で33%である. 「就労の意義は認めるが実際には大変」 と答えたものは企業主10%, 教師11%で あった. 「精神遅滞者が働くことは大変なので, 働かなくてもよい条件を整える」 「経済的保障をし, 無理に働かせなくても良い」 と答えたものは, 両者ともに0%であっ た. 両者とも, 就労が彼らにとって意義のあることだという考えを持っ ているが, 若干の相違がみら れる. 企業主は, 「働くことが社会の一員として大切」 と答えたものが 「生きがいになる」 と答えた 174.
(4) . . 精神遅滞者の就労に関する‐考察. ものよりも多い. 他方教師は企業主に比較して 「生きがいにつながる. 」 と答えたものの割合 が若干 大きい. このことは, 企業主は精神遅滞者を社会的存在としてとらえ, 働くことが社会の一員とし て当然のことだとして積 極的にとらえていると考えられる. 表1 就労の意義 特 蓬需 % 人数 % 人数 54 11 61 38 6 33 0 0 0 0 0 0 I 6 8 0 0 0. U^ U ^ U^ = vQ. = v v^ H VI ▲^ 7 十- 0^”. =v◆ U vn 十 ←n r へ りn. a :・社 会 の 一 員 と し て 大 切 b: 生きが いに なる c :働か なく ても 良い条 件 d :年金 な どの 保 障 e:就労は大変である f:その他. 菱 嚢小 教師 企業主 人数 % 人数 % 人教 % 人 数 54 14 66 30 38 5 24 18 33 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 8 6 11 2 lo 0 0 0 0 0. % 50 20 0 0 30 0. 養中-養護学校中学部教師 *養小-養護学校小学部教師 養高-養護学校高等部(高等養護学校を含む)教師 特中一中学校特殊学級教師 他方教師側では, 社会的存在というよりも, 社会との関係から一歩はなれた精神遅滞者個人のレ ベルでとらえているようにみられる. 「無理に働かなくとも良い」 「経済的保障をすれ ば良い」 とい こ国連で提起された「ノ 981年の「国際障害者年式 ′ う考えはまっ たく出てこなかった. このことは, 1 0ヵ年計画 (今年が最終年に当たる) による様々 な活動の ーマリ ゼーショ ン」 の理念が, その後の1 遅滞者を社会的存在と積極的にとらえているのは 特に企業主が精神 結果と考えることが出来よう. その反映といえる. その反面, 学校教育においてはいまだ 「ノーマリゼーショ ン」 の理念が現実的 なレベルで浸透 していないことがうかがえる. 福祉の問題であり, 学校教育の理念とは別であると いう意識 があるのではないかと考えられる. 教師間の差を見てみると, 小学部・中学部担当教師はほとんど差はないが, 企業主の回答と類似 な高等部担当教師との間に若干の 違いが見受けられる. 社会生活を目前としている高等部 教師は, 社会的存在ととらえる意識 が高くなる のは当然であろう. 2 ) 就労の形態 精神遅滞者の就労の形態としては通常の企業で働く 「一般就労」 の場合と, 主として社会福祉施 設を利用しての 「福祉的就労」 とに分けられる. 福祉的就労は, 一般就労が困難な精神遅滞者に対 して, 保護指導を受けながら働く場である. より 一般就労 に近い 「福祉工場」 から, 授産施設, 父 母の会や ボラ ンティ アでつくられている民間の 「小規模作業所」 など多様な形態がある. こうした 福祉的就労の場では, 生産を必ずしも目的としない, 「生きがい的」 な作業活動が実施されている. . 表2は, 精神遅滞者の就労の場として, 一般就労と福祉的就労の どちらが適当かを質問した回答の 結果を示したものである. 表2 就労の形態意義. i ‐企 業 主. 5 6. 「÷謬霜師. 21i 9 ! 17 27,. 17 31. 8- 48. 「できるなら一般就労をめざすべき」 と答えたものは 企業主52% 教師33%であった 「一般 , , . 就労は無理だと思うので, 福祉的就労の方が適している」 と答えたもの, 企業主21%, 教師17% 9 である. 「どちらともいえない」 と答えたもの企業主27%, 教師31%である. 教師の 「その他」1 175.
(5) . . 木 村 健一郎・島 津. 彰. %の中身を見ると, 「生徒一人一人 異なる. 「生徒の障害の程度だけでなく 受け入れの問題や 家 , , 庭の問題な ど多く の要因によっ て規定される」 など 「どちらともいえない」 と答えたも のと同じで , あり, 教師の 「どちらともいえない」 は50%になる . 企業主が 「一般就 労をめざすべき」 と答えたものが多いのは 実際に就労している遅滞者と接し , ていることからきて いるのだろう. しかし, 企業主はどちらかと いうと養護学校卒業生の中の能力 の高い生徒を採用して いるにも関わらず, 福祉的就労の方が適していると考えるものが20% どち , らともいえないを合わせると48%になることは 一般就 労をめざすべきだが 現実に雇用して みる , , と, やはり相当きびしいと考えていることがうかがえる . 他方教師側 では「どちらともいえない」 と答えたものが50%を占めていることが目につく 児童 . 生徒が発達途上 であること, 障害の程度だけでなく遅滞者をとりまく多様な条件によっ て就労の形 態が規定されてくるなどの理由から明確 な判断を下すことが出来ないのであろう そのことは 小 . , 学部, 中学部, 高等部の担当教師ごとにみてみると明らか である 小学部では一般就労と福 祉的就 . 労は同じ割合で, どちらともいえないと答えたものはほとん どいなかった 就労がまだ現実的なも . のとしてとらえられておらず, 児童の障害の程度や, 一般的な理念から答えていると考えられる . 中学部, 高等部になると共に, 「福祉的就労が適 している. と答える割 合が低下し 「どちらとも い , えない」がきわめて高い割合を示してくる 特に高等部では6 8%を占めている. 就労の考え方の多 . 様化にともない, 進路指導の困難性が浮き彫りにされている . 養護学校の児童生徒の障害の程度は中度が多い また自閉的傾向 を持つ ものも多 い 「どちらとも . . いえない」 回答は, そのような児童生徒を念頭に置いていると考 えられ 彼らの卒業後の社会生活 , をどのよう に想定するかが大きな課題であろう .. 3 ) 雇用促進法に対する意識 表3は, 身体障害者雇用促進法についての考えを質問した結果 を示したものである 企業主・教 . 師とも「良い法律 である」との回答が上 位を占めたが 両者とも3割が「法律は必要ない 「その他 , 」 」 の意見を持っ ている. 「その他」をみると法律の不備を訴える意見がある どちらかと言うと 企業 . , 主が障害の雇用を社会的責任として受けとめつ つ 法律の不備を指摘している これに対して 教 , . , 師はペナルティ ーを払うことにより, 障害者を雇用しない企業があることに対する 不信感が見受 , けられる. 表3 雇用促進法の意義 に }っーn v^ ” v^ 乙. 7 fA 1n )n V. ・ … : よ い. 法イ 律である a, b :法律 は必要 な い c : どち ら で も よ い d : 障害 者にとって負 担 e:その 他. 企業 主 教師 嚢小 萎 養奇 特中 人数 % 人数 % 人数 % 人数 % 人数 % 人数 % 15 65 36 67 54 11 85 13 68 56 7 30 7 13 31 0 0 I 6 22 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 11 20 15 15 5 26. 今回の調査は障害者を雇用している企業を対象にしただけに 意識の高い回答が得られたが 一 , , 般的にはそうはいかないであろう だが, 雇用 してもらうことにより 障害者にいたする新しい意 . , 識が生まれることを考えると企業に積極的に働きかけ 一人でも多く雇用してもらう 職場開拓の努 , 力が必要であろう, . 教師の意識の差について目を転じると, 所属する学部によっ て意識の差が生じている 養護学校 . の小学部・中学部の教師 は法律に対する見方が甘く, 内容に不備があることに対する理解の欠如も うかがえる. これに対して, 進路が目前の課題である中学校特殊学級や高等部の教師は 法律に対 , 176.
(6) . 精神遅滞者の就労に関する一考察. する不備を訴える意見があり, 手放しで法律を認めない. 教師の間でもこのような差があることは, 今後の進路指導計画を立てる際に十分考慮しなければ ならない課題である. 4 ) 雇用後の負担 a~kの11項目から, 企業主に対しては雇用前の不安と雇用後の負担となっ ている項目を, 教師 に対しては企業主が負担と感じていると思われる項目を, それぞれ3つ 選んでいただいた. その結 果は表4, 表5に示した通りである. 表4. a b c d e f g ー 1 i j k. 表5. 企業主の雇用 前の不安 と雇用後の負担. 能率 人間関係 訓練 安全性 品質 定番 賞金 志気 出勤率 企業イメージ その他. * 3項 目選 択. 履用前 羅拝後 人数 % 人数 % 13 3 5 7 4 l o 2 5 5 2 1 7 1 3 3 0 2 2 7 5 7 8 ii 4 8 1 8 7 6 2 6 1 4 7 I 4 1 4 4 4 7 I 1 9 4 1 7 2 4 2 I 9 l 0 0 I 4 0 I 0 ,. \ a b c d e f g h i j k. ▼. 能率 人間関係 訓練 安全性 品園 定番 賃金 志気 出勤率 企業イメージ その他. * 3項目選択. 教師の考える雇用後の不安 嚢小 養中 養高 特中 全体 8 2 6 9 7 4 80 7 3 9 2 9 5 90 8 9 5 4 3 2 1 1 70 3 8 2 7 3 8 2 1 3 0 2 8 9 8 l i 0 8 1 8 3 8 1 2 30 2 6 1 8 8 2 6 0 1 5 9 5 1 1 6 0 1 1 1 8 0 0 0 4 0 0 16 0 G 0 0. (%). 企業主が精神遅滞者を雇用する 際に不安に感じたことは, 「安全性」 「人間関係」 「能率」 であっ た. 実際に雇用 した後の負担は 「能率」 「人間関係」 「安全性」 「訓練」 「品質」 の順となっ ている . 教師が考える企業主の負担は, 「人間関係」 「能率」 「訓練」 「安全性」 「定着」の順であった 両者 . を比較すると企業が考えている以上に教師が意識している こ とは, 「人間関係」 と 「定着」 である. 他方企業が負担に感じていることを学校側が余り意識していないこと ば, 「安全性」 と 「品質」 であ った. 特に 「安全性」 については, 企業では高い不安感を抱いている. 学校も 「安全性」 には最大 限の配慮をしているし, それが可能な人的, 物的条件がある. だがそのことがかえっ て, 危険を避 けたり, 危険な状況 への対処といっ た 「安全性」 の指導が欠けてしまうことになりかねな い. 小学 部の 「生活 科一 の指導内容に 「安全」 が含まれている. 小学部からの指導の積み重ねが必要で, そ れが就労の条件につながっていることを確認する必要があるだろう. ) 就労の条件 5 精神遅滞者の就労に必要な能力 について, 表6 に 示 した a か ら r ま での 18 項 目 に つ い て, 「ぜ ひ 必要である」 「どちらかというと必要である」 「あまり必要ではない」 の3段階に評定してもらっ た . 2 }が明らか にした作業所で働くための条件(a~e) 企業で働くための最低条件 この項目は, 宮崎( , (f~1) をもとに, あらたにm~rの6項目を加えて作成したものである 表6及び図1は, 各 . 評定にそれぞれ2点, 1点, 0点を配当し, 得点化し, 指数に変換したものである . 企業が 「ぜひ必要な一 能力としてあ げた項 目は, 必要度の高い順に 「体力・持続力」 「身辺処理の 自立」 「指示理解」 「腕や手の運動能力」 「仕事への意欲」 「コミュニケーショ ン能力」 「通勤・移動能 力」 であった. 作業所で働くための条件を満たした上 で, 特に 「体力・持続力」 「腕や手の運動能力」 「コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 を 最 低 条 件 と し て あ げて い る 」 .. 他方教師は, 必要度の高い条件としてあげた上位5項目は, 「身辺処理の自立」「指示理解」「仕事 への意欲J 「協調性」 「通勤・移動能力」 であり, これらはち ょう ど宮崎が指摘した作業所で働くた めの条件と一致している. 教師が考えている就労は, 作業所を代表する福祉的就労を想定している 177.
(7) . 木 村 健一郎・島 津. 彰. 表6 就労の条件 a b c d e f g h i j k 1 m n o p q r. 96 87 74 96 78 80 59 89 98 65 63 70 24 61 48 17 19 52. 身辺処理の自 立 仕 事へ の 意 欲 模 倣・ 協 調 指 示の 理 解 通勤・移勤能力 コ ミュ ニ ケ ー ション 能 力 文字の読み書き 腕・手の運動 能力 体力・持続力 柔軟性・適応性 責 任感 ・向 上 心 好かれる性格 作業技術 数量の理解 趣味 社 会的 関 心 文化・伝統への間心 お金の管理. 96 86 86 96 79 75 54 71 75 GI 68 75 21 50 54 21 18 57. loo 85 81 96 了3 65 54 73 58 65 77 69 27 54 58 27 27 50. loo 88 81 loo 了7 81 46 ?7 73 62 58 了3 19 35 58 15 15 46. 97 92 89 95 89 89 47 58 84 66 68 了9 18, 50 58 26 21 71. loo 80 loo loo 80 70 70 90 90 55 65 75 30 60 35 15 lo 55. 0点満点の得点に換算 *1 0 eは Cb a 8十f Y 各P O K Mー k・ きれ1 J・. - 〆 ズ/ ′. . o o l. ヌ コ. 0. (夙浄脱字愛老い ). ぅ能”地頭; ) (いら. (ぜい脱字). 図1 就労の条件(必要度) と考えられる. 教師の中を細かくみてみると, 養護学校の小・中学部の教師は作業所で働くための 条件をあ げており, 高等部の教師は企業主と類似の条件をあげている. この違いは当然のことと思 うが, 就労に関するイメージが異なることは, 学校全体の教育目標や, 指導内容の一貫性に支障を 来すことになろう. 必要度の低い項目は, 「作業技術」 「社会的関心」 「文化・伝統への関心」 で両者一致している. こ れらの項目は, より豊かな社会生活を送る上で必要な能力と考えられ, そこまでは要求していない. どちらかというと必要な能力は, 「文字の読み書き」 「数量の理解」 といった基礎学力, 「柔軟性・適 応性J 「責任感・向上心」 「好かれる性格」 といっ た生活面があげられている. 6 ) 就労にあたり敬遠される事項 (作業態度・習慣) 精神遅滞者が就労するに当たり,敬遠される事項について表7に示したaから s ま で の 19 項 目 に ついて, 「絶対に困る」 「どちらかというと困る」 「全く困らない」の3段階に評定してもらった. 表 178.
(8) . 精神遅滞者の就労に関する-考察 表7 a b c d e f g h i j k 1 皿 n o p q r s. 作業能率 が悪い 仕事が雑 新しい仕事が 困難 上下関係の理解 同 僚と の 関 係 勤務態度 自 発性・責任感 根 気がな い 不潔 身だしなみ 異性への関心が強い 挨拶・返事が出来ない 規則を守らない 準備・ 片付けが悪 い 不注意による 怪我 時 間の け じめ がな い 休憩 時間 の 過 ごし 方 引っ込 み思案 お金に執務. 雇用上 困る こ と SI 79 61 54 61 89 54 79 68 64 68 75 89 71 93 ?9 43 39 43. 61 67 57 54 59 80 61 76 65 57 61 67 87 63 87 72 37 35 37. 58 88 50 54 88 92 62 92 69 58 73 88 88 73 76 92 38 42 46. 73 85 77 65 88 92 69 88 65 54 ?3 ?3 92 81 loo 77 50 42 54. 61 71 61 53 74 92 61 71 76 76 63 76 87 63 95 79 50 37 37. 55 75 50 35 65 90 65 65 55 65 75 70 90 70 85 75 35 35 45. 0点満点の得点に換算 *10 -k 3 十 e衣 Cb a S Y多P o n 凧ーに・ J・. ←→ 企業主. メ. ÷ 二坪 x嫁. . ぬ. o. 、 ) 、 (全癒ぷを 図2. (ヒおガトヌ凪3). 0 0 1. 絶対 ー紙3 ( ) ,. 就 労上困る こと(程度). 7及び図2は, 各段階にそれぞれ2点, 1点, 0点を配当し, 得点化し, その平均を示したもので ‐ あ る.. 企業主は, 敬遠する事項として 「規則を守らない」 「不注意による怪我」 「欠勤・遅刻・早退」 な どを あ げて い る.. 教師は, 「不注意による怪我」 「規則を守らない」 「欠勤・遅刻・早退」 な どをあげている. 敬遠される事項については両者に差はみられず, 仕事に従事する上で必要かくべらざるものとし て押さえる必要があろう. 困らない条件としては, 両者とも 「休憩時間の過 ごし方」 「引っ 込み思案で恥ずかしがり」 「お金 に執着する」 をあげている. これらは, 仕事を遂行する上で直接的に影響を与えるものではな いこ と を 示 して い る.. 179.
(9) . 木 村 健一郎・島 津. 彰. 7 ) 学校教育への期待事項 学校教育への期待事項について, 表8 に 示 した a か ら o ま で の 15 項 目 に つ い て, 1 位 か ら 15 位 までの順位をつけてもらい, それに対して1 5点から1点を与え, 得点化し指数に換算したものが表. 表8 学校教育の指導事項 a b c d e f g‐ h i j k 1 m n o. 礼儀 金銭の使い方 体力 手 指の 器用 さ 責 任感 正直 規則を 守る 満潔感 読み・書き 数の計算 会話 根気 説明の理解 明朗 . 身だしなみ. 企業主 50 44 53 46 67 52 56 48 44 42 43 59 50 49 44. 教師 71 26 80 50 76 71 77 45 24 25 48 76 58 54 49. 嚢小 73 20 78 49 71 69 74 56 26 29 58 77 64 67 54. 嚢中 69 33 76 57 76 72 84 38 36 35 42 84 64 52 44. 義高 67 25 84 50 78 70 73 44 16 19 45 78 57 44 47. 特中 79 25 81 44 81 72 82 45 22 18 51 60 43 57 55. 0 0点満点の得点に換算 *1 o 外 肌ー k. ーれ 3 1 十′e久 Cb 辻 J・ 0. -: ー二- X、 、. ~b :;:- ば. --. IM. 図3 学校教育に期待する指導事項(期待度) 8及び図3である. 企業主は, 「責任感」 「根気」 「規則を守る」 「体力」 を上位にあげている 教師は, 「体力」 「規則 . を守る」 「責任感」 「根気」 を上位にあげている. これらを見る限り, 企業は仕事 への意欲的な態度を重視しており, 学校は企業と同じように仕事 への態度を重視しているが, それよりも上位に 「体力」 を重視しているのが特徴的である これは . 企業が学校教育に期待するものとして内面的なもの, つまり社会生活上の態度を育てることを期待 しているものである. 企業が, 学校教育に対して社会的に主張されてきた理念を意識しているため と思われる. これに対して教師が 「体力」 を1位にあげた背景として, 就労の条件でも触れたよう に企業が本 来的に重要だと考えていることを, 敏感に感じとっ ているためと思われる . 一方指導上必 要のない事項として, 教師は 「金銭の使い方」 「読み・書き」 「数の計算」 をあげて いるが, 企業主はそれらの事項も比較的大切と考えている. 180.
(10) . 精神遅滞者の就労に関する-考察. 4. ま と め. 企業主は精神遅滞者の就労を, 社会の 一員として大切なこと, 社会参加する上で重要なこと考え ているが, 教師はどちらかと言うと精神遅滞者の個 人的な内面的充実にとっ て意義あると考えてい る. それは彼らにとって どのような就労の形態が適当かという質問にも現れている. 企業主は一般 就労をめざすべきだとの考えだが, 教師は出来得れば一般就労をと考えつつも, 現状の企業の対応 から考えて非常に困難であるとの考え が強い. これらの結果からみると, 企業が精神遅滞者の就労 についてかなり積極的な考えを持っ ているよう に思えるが, 本調査対象は精神遅滞者の常時雇用し ている企業主であることを指摘しなければならない. その意味では障害者雇用を企業の社会的責任 であるとの意識が高い人たちである. それは障害者雇用の企業の社会的責任を規定し義務づけた身 体障害者雇用促進法の意義につ いて, 企業主は前向きに受けとめてきていることにも現れている. だがこのような企業は企業全体のほんの一部であり, 教師が消極的にとらえるのも無理からぬこと である. 就労の概念の拡大と, その条件整備も必要だが, 働くことを中心に, より自立的な生活に するための努力が必要であろう. 就労が可能となる精神遅滞者の諸能力は, 両者に大きな差異はない. 教師の挙げた就労の条件は, いわゆる 「作業所」 に就労する条件と一致しており, 社会生活をおくる上での基本的な能力と考え られる. だが企業は学校教育にたいしてより高次な職業準備教育を求めているように受けとめてい 5 6は 企業が求める能力の再確認の必要性を指摘している それは基本的には企業で } ( るようだ. 手塚( . 求められている能力はそんなに難しいことではなく, 知恵遅れの人が一人の人間として社会で生活 する上での基本の能力であり, 特別な能力を要求しているものではない. 精神遅滞者を雇用してい る企業はその意味で教師の考えに類似 している. 社会生活をおくる上での基本的な能力の育成は学 校教育の重要な柱である. 学校教育と就労の場との接点がここに存在するように思える. このよう な接点をもてる企業を拡大していくことが課題であろう.. 付. 記. ※本研究の全体について, 木村と島津の協議に基 づいて実施されたが, 論文執筆に際し, 木村が1‐ ), 2 ) ) 問題と目的, 3結果と考察, 1 ,3 , 4まとめを, 島津が2. 調査の方法, 3. 結果と考察, )をそれぞれ分担した ) 7 4 ) 5 6 ) , , , . ※本研究のため調査に ご協力下さいました企業主の方々, 養護学校・特殊学級の諸先生方に深謝致 しま す.. 181.
(11) . 木 村 健一郎・島 津 ,. 彰. 参考 (引用) 文献 1 ) 三沢義一・小畑文也 ( 19 87 ):精神遅滞者の職場適応について-個人的, 環境的要因との関連一, 特殊教育学研 究, 第2 9 5巻2号, 1‐ 2 ) 宮崎英憲 ( 19 ):就労のための最低条件とは-校外実習の失敗事例を通して-‐ 発達の遅れと教育, N 86 3 3 4 o . , 24 -29 .. 3 ) 労働省・身体障害者雇用促進教会 (研究代表者 三沢義一) ( 19 83 ):精神薄弱者の職場適応とその改善・向上. 昭和5 8年度調査研究報告書‐3, 腕. 8 6. ) 労働省・身体障害者雇用促進協会 (研究代表者 富安芳和) ( 4 1 1 98 ):精神薄弱者の就労の条件と問題. 昭和56年 度研究調査報告書‐6, 腕 7 1 ,. 5 ) 手塚直樹 ( 9 91 ):これからの高等部教育を考える. 発達の遅れと教育, N 1 o り 398, 17‐17 ‐ 6 ) 手塚直樹・松井亮輔 ( 98 ):講座障害者の福祉5, 障害者の雇用と就労‐ 光生館. 1 4. 木村健一郎 (本学教授・函館分校) 島津. 182. 彰 (本学附属養護学校教諭).
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