僻地の子供の都会観と郷土観
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(2) . 第8巻 第1号. 昭和32年12月. 北海道学芸大学紀要(第一部). ) 僻 地 の 子 供 の 都 会 観 と 郷 土 観1 大 居 平 一 郎・松. 下. 覚. 北海道学芸大学旭川分校教育心理学教室. i i He chi r6 01o satoru M[ATSUSH・TA ldren of the Re1mote Country thi How the Chi nk of i Big Cities and the r Com munities.. 1 序. 論. .. 私達が、 ここで考え ようとする僻地の子供とは、 どのような社会的性格の 中に、 生活 しているで あ ろ う か。. ・鎖的な土地であって、 かかる 僻地とは、 交通の便を欠き、 従って外部との接 触交渉に乏 しい、 封. 2 ) これら 土 地 は、 人 口 も 少 な く、 自 然 ・ 経 済 ・ 文 化 の 諸 条 件 に 恵 ま れ ぬ こ と を、 特 質 と して い る。. の条件は、 僻地の人々に、 衣・食・住に対 して、 自給自足的体制をとらせ、 かれらの生活様式、 生 活態度を、 封鎖的 ・孤立的なものと している。 そこに生活する子供達も、 その社会で作られ、 受け つがれて 来た、 その生活環境に、 不満も批判も感ぜず、 盲目的・即目的に、 それに従つて、 その中 3 ) で 生 活 して 行 く こ と で、 満 足 して い る の で あ る。. しか し、 このような僻地も、 鉄道や交通機関の発達は、 僻地を僻地と して存在せしめず、 都会叉 中間都市と して栄えて来た 町・村における市街地 との、 交流を盛んにせ しめ、 それと共に、 都市に. おける諸工業の発達は、 直接・間接に、 僻地の都会に対する依存性を強め、 他方、 マス・コミの発 達は、 都会的文化の僻地への 流入を、 より容易にせしめ、 僻地の人々の都会に対 しての関心を、 高 4 ) め る よ う に な っ て 来 た。. このように、 僻地における市 街地 o 都市との接触の強化は、 僻地外における、 めずら しいもの、 新 しいもの、 よりよいものを、 僻地へ 流入せ しめ、 伝統的な生活様式、 生活態度に、 種々の影響を あたえるようになった。 鈴木栄太郎は、 農村の社会 的性格を分析 して “生活のある方面には、 著 し. く都会化が見 られると共に、 他の方面には、 おそろ しく、 古い農村的なものが、 残っていることが 5 ) と 日二つの性格が、 著 しく不揃いに並存 している” 多い。 かくて、 現に見られる農村には、 新・! 述べている。 しか し、 僻地もこの例外ではなく、 その程度に差異はあるに しても、 僻地と しての性 ) 北海道学芸大学僻地教育研究費によって研究されたものである。 註 1 2 ) 北海道国立教育研究所 へき地の生活構造 研究紀要 第8巻 昭和28年 7~52頁 昭和3 1年 ・地 教育社会学講座 I X 1 馬場四郎 教育環境と してのへき 7~63頁 昭和28年 臼井二筒 日本の農山村と教育 教育社会学講座 W 3 3 ) 豊沢 登 農村青年の社会学 青年社会学 第六章 210頁 朝倉書店 昭和28年 7 の側面から、 その特質をのべて l t t er の考案を中心として、 都市型、 農村型と対比して、 1 こ の 中 で、 Gi し・る。. 5~22 4頁 4 ) 豊沢 登 前出 18 5 ) 鈴木栄太郎 農村 社会学大系 第二巻 ”都市と農村” 151頁 石泉社 昭和29年 - 136 ヤ.
(3) . 僻地の子供の都会観と郷土観. 格を、 漸次変化せ しめるように なって来てい るのである。 (特に、 ここで 調査の対象となっている 北海道に おいては、 開発の進行につれて、 交通機関の発達は著 しく、 市街地・都市とのあらゆる側. 面での交流は盛んとなり、 且つ、 僻地農村における大農形態は、 孤立的な 営農に止まることも許さ ず、 必然的に、 市街地・都市との接触を強めている。 そ れと共に、 府o県農村におけるように、 父 祖伝来の耕地の継承という形での、 伝統性の形成はうすく、 都市からの影響をうけやすいといえ よ ) う。)G. ‘都 会 的 も の” と かく の ご と き、 僻 地 に お け る “古 い もの” と “新 しい も の”. ”僻 地 的 も の” と ‘. の混在する矛盾的性格は、 僻地の子供達に、 自己の生活環境に対 して、 如何に感 じさせ、 叉都会に 対 して、 如 何 な る 気 持 を も た しめ て い る で あ ろ う か。. 無着成恭は、 山間部の貧農的環境にある子供達に、“東京に行ってみたいか、 なぜ行きたいか” 等. )奥 野明他 を た ず ね る こ と に よ っ て、 田 舎 の 子 供 達 は、 “都 会 に あ こ が# ’ を も っ て い る と 結 論 し、7. R ) 叉堀口知明は、 農村におけ 二名は、 僻地児童の田舎劣等視、 都会優越視の傾向を報告 している。 ’ 9 ) る社会o経済・文化のあらゆる側面での、 都会に対 しての後進性は、 農村青年に “都会劣等感’ ’ ’ o ) を引きおこ していると述べ、 大田秦は”幻想によって、 都会に逃 を発生せ しめ、“都会への幻想 l ’ 1 1 ) の 姿 を よ み と っ て い る。 避 す る 子 供 達’. ‘僻地の子供達は 果 して 如何に 都会及び市街 さて、 私達は、 以上考察したような観点から、‘ 、 地と交流し、 そこでの経験が、 どのような都会観、 郷土観を 形成 して いるであろう力ぞ、 を明らか 1 2 ) にするために、 次の如き質問紙を作成 し、 調査 した。 11 調. 査. 方. 法. 僻地校と して. 北海道 上川支庁管内の 僻地等級2~4級の小学校12校、 中学校13校 をえら び、 3名、 中学3年2 09名に、 次の如き質問紙を作成 して配布し、 担任教 小学 5年182名、 中学1 年20. 師に、 次の如き要領で、 施行することを依頼 した。 ( a ) 用紙を配 布してから、 一通りよんで聞かせ、 その後で記入させる。 言葉のわからない子供 がおれば、 応答に影響のない程度に説明する。 所要時間は大体一時間。 (b ) テス トで は な い か ら、 思 っ た 通 り に、 あ りの ま ま に 書 く こ と、 叉 出来 る だ け 詳 しく 書 く こ と等を、 よく言い聞かせる (質問紙). 1 あ な た は、 いま ま で に、 つ ぎの 町に、 なん 回 行 きま した か。 5 回以上 3 回 4回 1 回 2 回 なし ィ 札 幌 5 回以 上 3回 2回 1 回 4回 なし 川 口 旭 3回 1ロ 2ロ 4ロ 、 美瑛o士別 5 回以 e名寄 回 な 回 ・ 回 ノ よし さ‐ o 口 、上 - 2 そ の ほ か の 大 き な 町に、 行 った こと が あ れ ば、 そ の 町 の なま え を か き な さ い。 しん ましょ ′ 3 あ な た が、 よ く あそ び に行 く、 親 る い は、 どこに あ りま す か。 そ の 場 所 の なま えを かい てく だ さ い。 4 どこへ で も、 す き なと ころ へ、 つれ て 行 ってや る とい わ れ た ら、 あ なた は どこへ行 き た い で す か。 そ れ を 、. 註. 6 ) 7 ) 8 ) 9 ) 10 ) 11 ) 12 ). 北村 達 北海道農地における部落の構造 北海道学芸大学研究紀要 第8巻 1号 4頁 昭和30年 無着成恭 田舎の子どもの都会観 児童心理 第9巻 第8号 78~8 6頁 昭和30年 奥野明他二名 僻地児童の人格的特性 北学大僻地教育研究紀要 第3号 64~6 48~1 52頁 昭和3 堀口知明 農村青年の問題 青年心理学講座 第4巻 社会と職業生活 1 1年 6~60頁 (堀口知明の論述ょり引用) 菅原哲朗 北方の子供の幻想 教育 第8号 5 大田 莞 逃避する子供達 教育 第8号 60~63頁 (堀口知明の論述より引用) ここでは、 北海道の 山村僻地の 子供達を、 調査対象としているので、 その結果は、 その制限内において. しか、 う け と る ことは 出 来 な いで あ ろ う。 しか し、 一 般 的傾 向 は、 多 少 の ず れ は あ る と して も、 僻 地 の 子 供 達 の姿 と して、 考 え る こ と が出来 よ う。. -137-.
(4) . 大居平一郎・松 下. 党. 3 つか い て く ださ い。 1 3 2 (以 下、 5、 6、 7、 9、 10、 13 問 で は 省 略) 5 旭 川 の よ う な 大 き な 町に 行 って、 どん な と こ ろ が め ず ら しく、 どん な も の がお も しろ か った で す か。 そ れを 3 つ か いて く ださ い。 6 こ ん ど、 旭 川 の よ うな 大 き な 町 に 行 って、 どん な と ころ や、 どん な も の を みて き た い で す か。 そ れ を 3 つか. い て く ださ い。 7 旭 川 のよ う な 大 き な 町と、 あ な た た ち の 住 ん で い る と こ ろ と は、 どう い う と こ ろ が、 ち が って いま す か。 ち が って い る と こ ろ を、 5 つ かし・て く だ さ い。 8 旭 川 の よ う な大 き な 町に 住 んで い る 子 供 た ち と、 あ な た た ち と は どち らが よ い と思 い ま す か。 、 1 旭 川 の よ う な 大 き な 町に住 ん 3 わ か らな い。 2 わた した ち で い る 子 供 た ち の 方 が よ い。 の方 が よ い。 9 旭 川 の よ う な 大 き な 町 に 住 んで い る 子 供 た ち の どう い う と こ ろ が、 う らや ま しい と 思 いま す か。 そ れを 3 つ か いて く だ さい。 10 いま のと こ ろ に 住 ん で い て、 どう い う と こ ろ が、 よ い と 思 いま す か。 そ れを 3 つ か いて く だ さ い。 11 あ な た が 大 きく な って も、 い つま で も、 い ま の と こ ろに 住 ん で いた い と思 い ま す か。 1 はい 3 わ か らな い (答 の 記 入形 式 は、 第 14、 16 問 と も 同 じ) 2 いい え 12 そ れ は な ぜ で す か。 そ の わけ を か いて く ださ い。 13 も しも、 いま の と こ ろ で、 ず っ と住 む よ う に な れ ば、 どん な と ころ を よ く す れ ば、 ま た どん な と こ ろ が、 よ く なれ ば よ い と 思 いま す か。 そ れ を 3 つ か い て く だ さ い。 14 旭 川 の よ う な大 ・き な 町に、 住 ん で み た いと 思 いま す か。. 15 そ れ は な ぜ で す か。 そ の わけを か い てく だ さ い。 16 旭 川 の よ う な 大 き な 町 に、 ず っ と 死 ぬま で、 住 ん で み た い と 思 いま す か。 17 そ れ は なぜ で す か。 そ の わ け を か い てく ださ い。. 1 1 結果 及 び 考 察 1 1 僻地の子供の生活圏 序論で明 らかに した如く、 最近における僻地と都会との、 あらゆる側面での交 流の強化という、. 僻地の社会的性格は、 僻地の 子供に、 どれほど、 都市や町9村の市街地に、 出かける機会を与えて い るであろうか。 このことを明らかにするために、 第 1 問において、 北海道の 中心都市 ”札幌市壕 ‘旭川市” 叉調査対象になっている地 方の中心的市街地 “美瑛り士別・名 上川支庁管内の中心 都市‘ 、 ” 寄 に、 子供たちが、 出かけてい る回数をしらべた。 それを整 理 したものが、 第 1表であ る。 “札幌” については 小 5 では ほとんどのもの が 行った経験をもたず 中学に 入って やっと 、 、 、 、 、 半分のものが、 そこに 出かけた経験を もつのみで、 その回数 も、 せいぜい1、 2回である。 要する. に、 子供達にとっては、 札幌は、 直接重要な意味をもたない、 縁遠い都 市である。 他方、“旭川” については、 小 5において、 約 為 のものは、 行った経験をもたないが、 中学に入 る と、 そ の よ う な も の は、 急 激 に 減 少 し、 ほ と ん どの も の が、 1 度 以 上 出 か け て い る。 今 1 人 当 り. の出かけた回数をみると、 学年が すすむにつれて多くな り、 小 5 でさえも、 約 2回は、 出かけてい る。. 次に、 地方の中心的市街地 ”美瑛e士別 o 名寄” については、 1度も経験 しないものは、 前述の “旭川”についてよ り わづかに上廻った程 度の% がみ られる 1 3 、 。 ) しか し、 5回以上と報告 したもの の % は、 “旭 川” に つ い て の そ れ よ りも、 ず っ と 多く な り、 小 5 でさ え も、 50 % 近 く の も の が、 そ の よ う に 報 告 して い る。 一 人 当 りの 回 数 に つ い て も、 “旭 川” の そ れ より も、 各 学 年 と も 多 く、 そ. の市街地との接触の強化がうかがわれる。 ’が それと ) 地方の中心的市街地として、 ここで考えた “美瑛o士別り名寄” 以タ 註 13 トに、“美深町”“下川町’ 、 して、 考 え られ る 学 校 で あ り、 こ の こと が、 “な じ’ の % を “旭 川” に つ い て の そ れ よ り も、 多 か ら しめた の. かも知れない。 調査の場合に、 この二つを加えておけば、“な じ’ の%は、 旭川についてのそれよりも、 低く な っ た で あ ろ う。. -138-.
(5) . 僻地の子供の都会観と郷土観 第1表 札幌・旭川o美瑛・士別・名寄に出かけた経験回数 都 市. 5. 実 %. 中. 1. 実 %. 中. 3. 実 %. 小. 5. 実 %. 中. 1. 実 %. F P. 3. 実 %. 小. 5. 実 %. F P. I. 実 %. 中. 3. 実 %. * 小. 札 幌. 旭 川. (註). 塾. 5 回 以 上. 4. 回. 3. 回. 2. 回. 1. 回. な. 1 ▲ 1 1^ = っ 〃 V. ← 7 ^5= V4 5 2 2 2 3 8 , , イ ー ハ =00 = VQ U ヤ ー 4 86 5 5 2 O 4 42 . . ハ h Vn ア ” n ソ U1 1 6 2 6 6 ハ5= V 9 I0I 12 6 32 O . ,. 無記入. し. 言 計. **ヨ 1 人当り. 勢. 回. 154 84 6 ,. 13 7 2 .. 182 100 O ,. 96 47 2 ,. 13 6 4 ,. 203 100 O .. 94 45 6 .. 11 5 4 ,. 206 100 O .. 02 05 07. 32 17 6 .. 14 7 7 ,. 20 11 O ,. 23 6 12 ,. 33 18 2 ,. 57 3 31 .. 3 1 6 ,. 182 100 O ,. 1 9 .. 58 28 6 ,. 20 9 9 ,. 23 11 3 ,. 32 8 15 ,. 47 23 2 ,. 16 8 7 .. 7 3 4 ,. 203 100 O ,. 2 7 ,. 103 50 O .. 19 9 2 ,. 23 11 2 ,. 17 8 3 ,. 34 5 16 ,. 5 4 2 ,. 5 2 4 ,. 206 100 O .. 3 5 ,. 4 2 5 ,. 18 3 11 ,. 50 31 I ,. 3 1 8 ,. 160 100 O ,. 9 5 2 ,. 26 O 15 ,. 27 15 6 .. 3 1 7 ,. 173 100 O ,. 11 6 4 .. 18 10 5 ,. 19 11 O ,. 1 0 6 ,. 172 100 O .. に U ハ7ベ リ5 3 1 , ハ h U n6{ リ7 O 4 . ハ b 5 q5u 9 2 ,. 74 46 3 , 95 9 54 , 112 65 1 ,. * ノ J ・5-小学5年、 中1-中学1年、 中3-中学3年:以後すべてこのように書く。 ** 美田小、中学校の生徒は、美瑛を除いて、その回数を記入してあるので、資料から除いて整理 した。. *** 1 人当 りの 回 数 の計 算 の場 合に、 5 回 以 上 と報 告 した も のは、 す べ て 5 回 と して 計 算 した。. さ て、 前 述 の 5 回 と い う 回 数 は、 年 に 換 算 す る と、 1 年 に 1、 2回 と い う こ とに な り. こ の こ と か ら 考 え る と. ”市街 地”、 叉 “旭 川” との 接 触 は、 多 い と い う こ と は 出 来 ず. か れ らの 生 活 は. 僻 地 の 中 に 止 ま っ て い るo. 次に、 前述の市。町を除いた、 それ以外の市 ◎ 町 に、 どれ ほ ど出 か け て い る であ ろ う か。 そ れ を しらべたものが、 第 2問である。 今、 子供達が報告 した市o町の数を、 整理してみると、 第2表の ごと く に な る。 第2表 前述の市町を除いた、 それ以タトの経験した市・町の数. 謬 \*市 週豊. 5. (%) 1 6 ,. (%) 0 6 ,. 23 5 。. 4 4 ,. 2 2 ,. 13 1 ,. 15 9 ,. 8 7 .. 小. 5. **(濠) 69 2 ,. (%) O 22 ,. 6 O .. 中. 1. 39 4 .. 30 5 .. 中. 3. 40 3 ,. 21 4 ,. (註). 4. 3. 2. 1. O. 計. 6 (%」 O. 務 主. O. O. 10 1. 0 5 ,. 1 O ,. lo g. (%) 0 6 ,. * 一人があげた市の町の数 そ の 市 o 町の数だけあげた人数の調査人員に対する%. **. 小 5 で は、 70 % 近 く の も の が、 全 く、 そ の 他 の 市 o 町 に、 出 か け て お ら ず、 中 学 に お い て も、 ま. だ、40%程度のものは、 前述の生活圏内に とどま つている。 しかし、 学年が すすむに つれて、 漸 次、 その 生活圏の拡大する様相は、 経験 した市 o 町の数の増加によって、 うかがわれる。. それでは、 その報告された市・町は、 かれらの生活の場から、 どれほど、 はなれた所にあ る であ. ろ う か。 -139-.
(6) . . 大居平一郎o松 下. 覚. 第3表 報告された市o町の地方別. 今、 「北海道上川支庁管内」「北海道内」「北海道. 纂覇希幣ず 躍 f聾詩誓え考彊裏メモ 町き き 小 市. し、 逆 に、 「北 海 道 内 市.町」 が 増 加 して 来 る。 こ の こ と は、 今 ま で 考 え て 来 た よ う に、 子 供 達 の 生 活 圏 の 拡 大 の 様 相 を 示 して い る。 しか し、 「上 川 支 庁 管 内 市・町」 の 学 年 の 進 行 に. つ れ て の 減 少 は、 何 を 意 味 して い る で あ ろ う か。. 町. 学. \~. 年. 小. 北 海 道 上川 管 内 市 ・ 町 北海道上川管内市・町. 北 海 道 内 市・町 市.町 北 海 道 タト 市・町 市。町 計 無. 記 ,. 入. 5. ゴ 弓 中. ー .. - ー キ 中. 3. * に (%、 > ′ 28 7 .. ) (%. 9 18 .. ) ”も 6 1 .. 58 8 , 12 5 ,. 8 1 7 , O 3 0 .. 6 89 . 3 4 ,. O 0 0 1 0 . 美 * ※ 69 2 ,. O 1 00 0 ,. 0 100 ,. 39 4 , .. 4 0 2 .. 小 5の頃にその 市・町を経験 したことが あれば、. (註) 美 報告された市・町の全数に対する夕ろ 美* 調査人員に対する無記入者の% 中 3 に お い て も、 そ の % は 減 少 す る と は 考 え ら れ “ な い。 こ れ は、 そ の ほ か の 大 きな 町 に、 行 っ た こ と が あ りま す力 と い う 質 問 に 対 して、 中 3 で は、 大 きな 町 と して 考 え な い 所 を、 小 5 で は、 そ こ に 出 か け た こ と が、 大 き な 喜 び とな り、 そ の 所 を、 大 き な 町 と して、 報 告 した こ と に よ る の で あ ろ う。 こ れは、 子 供 の 生 活圏 の せ ま さ が、 “市o町. に対 しての概念の未分化性” を、 生じてい ることを示 している。 叉、 上述の 「上川支庁管内 市・町」. の減少は、 かれらの生活圏の拡大の一つの しるしと しても、 考えうるであろう。 最後に、 僻地の子供の生活圏の拡大にとって、 重要な役割を果す親るいは、 どこにあるであろう か (第 3 問)。. 第4表 親るい所在地. 今、 「同一町り村内」 「それ以外の市部」 と、 「それ以外の 飾 村部」 に分けて考え ると (第 4 表)、そ の 親 る い の 半 分 以 上 は、同 一 町 村 内 に あ り、. その狭い範囲内で往来している。他方、同-町村 以 外 に 親 る い を も つ も の は、 町 村 部 よ り も 市 部 が. j 、 5 ト. ,ー中 3 霧 繭所繭地声 三 割 ノ ) (ら 5 6 1 同 - ・ 町村. 2 1 *- 当 ぎ ;≧. 26 8 .. o i 則.. …. o l. …, o. ; ; 秘 言〆 易 寡 ‐1 i 十 一 十 十 十十. 多 い。 こ の こ と は、 僻 地 に、 都 会 的 な も の を 流 入. 計. ・. -. 井州. 17 1 .. 」. ^^^ 十 U Z UB 0 入 記 I I 1 する仲介と して、 叉、 都会に対 しての概念の形成 蕪 に、 重要な役割を果 してい るであろう。 それと共 (註) * 報告された市・町o村の全数に対する% ** 調査人員に対する無記入者の% に、 僻地の人々 が、 町村部よりも市部の方に、 移. 動して行っている様子がうかがえ る。. 以上、 僻地の子供の生活圏について、 眺めて来た が、 結論的にいって、 小5 では、 いまだ、 かれ らの生活圏は、 非常にせまく、 同一部落内にとどま ることが多い。 しか し、 その所在する僻地の、. 社会的・経済的o文化的中心と しての性格をもつ市街地への経験は、 もたれている。 学年が すすむ. につれて、 漸次、 その生活圏は拡大し、 特に市街地との 交流は増加 し、 それと共に、 地方都市及び その他の 都会に、 出かけて行く機 会も多くな り、 少なくとも1 度は、 ほとん どのものが、 経験 して い る と い え る。 しか し、 そ の 経 験 回 数 か ら 考 え る と、 年 lo2回程度にすぎず、 主として かれらの 生活は、 僻地の中に止まってい るといいうるであろう。 2 都会に対 しての興味関心. ‘どこへ行きたいか” とたずね 僻地の子供の都会への興味o関心を知 るために、 僻地の子供に、‘ 、 ると (第 4問)、 次の ごとくになる (第 5表、 第 6表)。 僻地の子供達は、 都 会に興味関心を示 し、 町・村に行ってみたいという要求は、 非常に少なく、. 特 に 中 3 に お い て は、 ほ と ん ど そ れ に 関 心 を 示 して い な い (第 5 表)。 要 す る に か れ ら は 読 ん 、 、. だり、 聞いた りという間接経験に よって知っている都会に、 行ってみたいという要求を示すのであ 40- -1.
(7) . 僻地の子供の都会観と郷土観 第5表. ろ う。. 行 つ て み た い 要 求 を も つ 地 名 の 地 方別. 1 J 中1 ・5 - 中 書滋養誓窪み煽蔭姦さあ途ヱ 瀞\\学 部ノ ま』 ぎ **群 地 方 別. に、 より興味 @ 関 心 が む け ら れ て い る か を み、 る. に、 各 学 年 と も、 北 海 道 外 の 諸 都 市に 興 味 が む け られ、 学 年 が す す む に つ珂苫て、 そ の % も 多 く な つ. 町.村をのべたも. す. 無 記 入 及 び 不 明 計. 100 0 ,. 0 100 .. 100 0 ,. 外 国. 外. 興 味は、 「北 海 道 外の 諸 都 市」 及 び 「外 国」 に、 と. 1 3 ・ 9 2 ,. 14 7 .. 道. 空想的。自 然 的 場 鞍. と の 要 求 は、 学 年 が す す む に つ れて 減 少 し、 そ の. 5 9 ・ 21 2 , 34 8 .. 龍. 5 7 . 5 3 . 1 6 1 .. 海. 3 2 2 ,. 1. 3. 40 1 . 25 4 ,. 北. 村」 及 び 「北 海 道 内 市 。 町 。 村」 に 行 っ て み た い. う に、 子供 達 の 生 活 圏 が 拡 大 す る に つ れ て、 生 活. ド. -榊- -一-- 『- 冊 - 14 3 北海道 上 川 支 庁 管 内 ・ 26 7 道 海 内 北 ,. て い る。 他 方、 「北 海 道 上 川 支 庁 管 内 の 市 。 町 。. っ て か わ っ て 来 て い る。 こ の こ と は、 前 述 した よ. \、. (註). 圏 外 に あ る、種 々 間 接 的 に は 知 っ て い る け れ ども、 実 際 に は、 経 験 を して い な い 所 に、 興 味 が 移 行 し て 行く こ と に よ る の で あ ろ う。 そ れ と 共 に、 か れ. 3 8 , 6 14 ,. 6 6 , 4 1 7 .. * 地方別に関係なく行きたい所として町o 村をあげたもの。 ** 火 星 o南 極 o ジャ ングル・海等を含む。 井*裟 記入欄が、 三っ与えられているので、 調 査人員を3倍して・ 総度数とし、 それに対 す る各 々 の地 方 別 の市 o 町o村をあげた度. らの社会意識及び社会的知識は、 単に身近かな生 数の% 活圏の中に、 その興味をとどめることを許さず、 容易に行くことも出来ない、 北海道外の諸 都市や 外 国 な ど に、 よ り興 味 を も た し め る よ う に な る の で あ ろ う。. では、 子供達 があげた地名を、 %の高いものから順番に、 第10′ 位まで示 してみる (第 6表)。 各 学 年 を 通 じて、 東. 第6表 僻地の子供の行ってみたい要求をもつ地名. 京 が 第 1 位 を しめ、 50 % 以 上 の も の が、 そ こ に行 ってみた いと いう. 5. 小. ,. 名1 %. 地. 中. E. , 東. 京. 2 札. 幌. 2 札. 2 位 は、 小 5 で は、 札. 40 1 ,. 3 旭. 川. 幌 が あ げ ら れ、40 % の. 23 6 .. 4 大. 阪. も の が 興 味 を も ち、 次. 5 小. 樽. 1 0 4 4 大 , 9 3 5 函 ,. 6. 函. 館. 8 8 ,. 7. 九. 州. に旭川 o 大阪 ◎ 小 樽 。. 函館 等があ らわれて い る。 中 I で は、 東 京 に r”侃 《T ,儒 Lr いノ 【 ‐こ ー 1 L、 ‐ 『匹 ′ 咲 ″し 序 は 同 じ で あ る が、 そ. 3. 中. 名1 %. 地. 1 , 53雪 東. 要 求 を 示 し て い る。 第. 1. 名1 %. 地. 京. . 59 ,. , 東. 京. 8 57 .. 幌. 6 23 .. 2 ア メ リ ヵ. 21 4 .. 3 ア メ リ ヵ. 19 2 ,. 3 京. 都. 12 6 ,. 13 3 4 札 . 10 8 5 大 ,. 幌 阪. 1 1 2 , 8 3 ,. 8 9 ,. 6 九. 州. 3 8 ,. 阪 館. 6 旭. 川. 8 8 ,. 7. 4 7 ,. 7 ニュー ョーク. 8 3 ,. 8. 海. 8 2 ,. 8 九. 州. 5 9 .. 8 パ. -. 6 8 ・. 9. ア メ リ カ. 7 1 .. 9 イ. ギ リ ス. 5 9 ,. 9 タト. 国. 5 8 ,. 釧. 4 4 10 .. 3 9 10 青 ,. 森. 4 9 .. 、 lo. 路. ブ ラ ジ ル. フ ラ. ン ス. リ. 1% か ら23 6 (註) * 調査人員に対するその地名をあげた人数の% の % は、40 . . % へ と 低 下 し、 第 3′位に、 ア メ リ カ が あ ら わ れて い る。 中 3 に な る と、 第 2 位 ◎ ア メ リ 力、 第 3′位. 京都となり、 札幌は 第 4位に下り、 その%も低くなっている。 その傾向は、 地方の中心都市と し ての旭川についてもみられ、 小 5で第 3 位、 中1で第6位であったものが、 中3 では消失 している。 このような北海道内の諸都市にかわってあらわれるものは、 外国の有名諸都市である。 このような 学 年による興味の地方別のうつりかわりは、 また第5表の結果と一致する。 それでは、 東京に対 してのこのような強い興味は、 なぜ起って いるのであろうか。 すなわち、 現 今 の マ ス o コミの発達は、 日本の首府と しての東京を、 政治o経済o文化等あらゆる側面から取り 4 1- -1.
(8) . 党. 大居平一郎・松 下. 上げ、 それが僻地に伝えられ、 地理的には、 遠くはなれた東京であるけれども、 心理的距離は、 非 常に近くに感じられ、 それが、 行 ってみた いという気持を引きおこ しているのであろう。 叉この事 実は、 無着氏の研究で、70%以上のものが、“-度でもよいから、 東京に 行 つてみたい” という 要 1 4 ) 求 を 示 した 報 告 と、 軌 を 一 に す る も の で あ る。. 僻地の子供達は、 それらの 都市に 出かけて、 何に興味をもち (第5問) 、 叉、 次に 都会に 出ると きは、 何に興味をもって、 出かけて行くのであろうか (第 6問)。 これを整理 したもの が第 7表で あ る。 第7表 学. 興味. 僻地の子供の都会での興味の対象 年. 塑三 溺象\-亘ド. 小 T 1. 5. 中. ] [. 1. 1. 中. 3. 1. 虹. 1 [. 都会の様子及び雰囲気. *(%) 8 5 .. (%) 5 5 .. (%) 3 12 ,. (%) 6 8 ,. (%) 16 1 .. (%) 1 8 ,. 官庁o工場・会社・報道施設. 3 3 .. 18 O ,. 17 9 .. 33 8 ,. 12 4 ,. 63 6 . 12 7 ,. 公. 園・動 物 園・博 物 館. 19 2 .. 21 9 .. 6 20 ,. 16 4 ,. 20 2 ,. 興. 業・見. 関 係. 3 28 .. 28 6 ,. 15 9 ,. 26 4 ,. 9 3 ,. 8 8 ,. デパ ー トo商店・建物の状態. 18 7 .. 9 7 。. 12 1 .. 8 4 ,. 18 6 .. 6 9 .. 乗 物 及 び 乗 物 の 状 態. 13 5 .. 3 2 ,. 9 3 .. 4 2 .. 6 4 ,. 4 O .. 文. 世. 物. 設. 化. 備. 計 無 記 入 盤. 記. 及 び. 不 明. 入 (人員). 8 5 ,. 1 13 .. 11 9 ,. O 4 。. 17 O .. 2 2 .. 100 O ,. 100 O ,. 100 O .. O 4 .. 100 O .. 100 O .. 33 O .. 34 9 ,. 37 8 .. 1 27 .. 32 4 ,. 9 20 .. 15 8 ,. 9 4 .. 1 12 .. 11 7 ,. 6龍. 涜蓄. ’ “虹” とは 質問第5問及第6問を示す。 (註) “質問形式” の “1′ 、 、 ・ “興味の対易 災’ のそれぞれの項目は、 次のものを含む。 「都会の様子及び雰囲気」 街が大きい、 街がきれい、 人が沢山いる、 並木道、 服装がきれい。 「官庁o工場o会社り報道施設」 警察署、 自衛隊、 裁判所、 キャラメル工場、 新聞社、 放送局、 学校。 「公園・動物園o博物館」 このほか天文台、 気象台、 植物園、 図書館、 水族館。 「興業・見世物関係」 映画、 芝居、 相撲、 野球、 サーカス。 「デパート、 商店・建物の状態」 デパート、 商店街、 ビルディ ング、 大きな建物、 きれいな店。 「乗物及び乗物の状態」 ハイヤー、 電車、 自動車が沢山いる、 交通に便利だ、 船。 「女 化 設 備」 エ レ ベ ー タ ー、 ネ オ ン、 ラ ジオ、 テ レ ビ、 氷 洗 便所、 エ ス カ レー タ ー、 シ グナ ル。. * 記 入された総数に対する、 それぞれの項目の度数の% 記 入欄 が、 3 つあたえられているので、 調査人員を 3 倍 して、 総度数とし、 それに対する無記入 及び不明の度数の% *** 一つも記入出来なかったものの、 調査人員に対する% **. 小 5では、 主と して 「興業o見世物関係」「公園・動物園り博物館」「デパー ト・商店・建物の状. 態」 に 興 味 を 持 ち、 面 白 さ、 楽 しさ、 め ず ら しさ を 感 じて い る が、 中 1 に な る と、 そ の 興味 は、 都 会的 特徴 と して 考 え ら れ る す べ て の 項 目 に わ た つ て い る。 そ の 傾 向 は、 中 3 まで続くけれども、「興. 業o 見世物関係」 及び 「乗物及び乗物の状態」 については、 その興味は減少 して来る。. 他 方、 都会に出て、 何 を見てこようとするかをみ るに、 小 5 では、 「興業・見世物関係」「公園・ 動物園・博 物館」「官庁 o 工場・会社・報道施設」「文化設備」 に興味を示 し、 中1にな る と、 「官 庁・工場・会社・報道施設」 に対 しての興味が 急激に増加 し、 「文化設備」 に対 しては、 急激な 減. 少を示 している。 それが中3になると、 その興味は、「官庁・工場o会社・報道施設」に集中 し、/ 他 の項目についての興味は、 すべて減少 している。 ) 無着成恭 前田 80頁 註 14 -142-.
(9) . 僻地の子供の都会観と郷土観. 今、 これらのことを考えてみるに、 かれらの都会に対 しての興味は、 小 5 では、 見物的気分に色 どられ、 田舎や僻地のような生活環境の 中には見られない、 めずらしい、 かわったもの、 叉かわつ たことに注意がむ けられ、 デパー トや繁華街、 叉建物の状態や、 交通のありさま、 映 画、 サ←力ス等 の 興 業 も の、 叉 公 園、 遊 園 地 な ど に、 楽 しさ、 面 白 さ、 め ず ら しさ を 感 じ て いた も の が、 都 会 へ の. 経験回数が増 加するにつれて、 その都会についての観察も微細になり、 且 つ、 自己の生活環境 との. 相異を、 はっき り認識するにつれて、 その興味の領域も広 がって 来 る。 そこに、 小 5 ではあらわれ なかった 「都会の様子及び雰囲気」「官庁・工場o会社o報道施設」「文化設備」 等にも、 興味を示 すようになって 来 るの であろう。 他方、 見物的気 持の減少は、「興業・見世物 関係」「乗物及び乗物 の 状 態」 の 減 少 に よ って う か が わ れ る。. 第8表 都会と自己の生活環境との差異の認識内容. \\ --\ このような考察は、都会に 出かけ る場合に、 ーー 差異内容 ” ”何に 興味をもって 出かけて行くか につい て み る と、 な お 明 瞭 に な る。 小 5 に お い て さ. えも、 第5問の質問では、 興味を示さなかっ た 「官庁 の工場◎会 社o報道施設」「文 化 設 備」 に興味を示 し、 一方 「デパー ト◎商店・. 建物の状態」「乗物及び 乗物の 状態」 には、 第5問の場合ほ どには、 興味を示さない。 だ が、 都会が楽 しい遊び場と しての特徴は、 な お 「公園o動物園 a博物館」「興業◎見 世 物. 関係」 に、 小 5の子供が、 興味をとどめて い る こ と に よ り わ か る。 しか し、 そ の 二 つ に つ. 学 学 ‐. 年 年 ÷÷. 小 、. 5. 中. 1. 中. 3. *(%) 6 12 ,. (%) 10 2 ,. 8 5 ,. 係. 19 5 .. 26 3 .. 22 9 ,. 態. 17 2 .. 12 4 ,. 12 O ,. 公共◎会社◎娯楽o文化施設. 12 2 ,. 9 6 ,. 10 5 ,. 商. 店. 10 5 ,. 9 5 ,. 8 8 ,. 備. 4 6 .. 7 3 ,. 7 3 ,. 生 活 及 び 町 の 雰 囲 気. 13 3 .. 13 8 ,. 8 7 ,. 自. 10 1 ,. 13 6 。. 18 3 .. 100 O ,. 100 O ,. 100 O .. ** 52 2 , *** 21 4 ,. 43 O ,. 30 7 ,. 4 9 ,. 3 9 ,. 人 ロ 及 び 町 の 大 き さ 通. 交. 建. 物. 女. 関. の. 状. 化 然. 設 的. 環. 境. 計 無 記 入 及 び 無. 記. 不 明. 入 (人員). いては、 中学に 入ると、 興味の減退 を示 し、 (註) “差異内容” の各項目には、 次のものを含む。 F P3 では、 その興味は、「官庁◎工場・会社o 「人ロ及び町の大きさ」 人口が多い・少ない 町が大 報道施設」 に集中される。 要するに、 都会に 対 して興味は、 見物とか、 遊びに行くとかの. 意味からはなれ、 且つ、 学校における種々 の 教科の学習は、かれらに知識欲を旺盛にさせ、. その こ と が、 「官 庁 ・ 工 場 ◎会社6報道施設」 の よ うな “学 習 に た めに な る も の を 見学 して. 来たい” という目的意識をもって、 都会 を訪 れ し め る の で あ ろ う。. 3 都会と自己の生活環境との差異観 こ の よ うに、 都 会 に 対 して 経 験 し、 興 味 を. もっている僻地の 子供は、 どのような点を主 体的なものと して、 都会と僻地との差異を認 識 して い る で あ ろ う か (第 7 問)。. まず、 差異意識の発達をみるに (第8表) 、 小5 では、 全くその差異内 容をあげる ことが 4 % も い る が、 中 学 出 来 な か っ た も の が、 21 .. に入ると、 急激な減少を示 し、 5%以下にな. きし・9ノ j ・さし、。. 、. 「交通関係」 交通が便 o 不便、 車が多いo 少ない、 道 路が良い◎ 悪い、 汽車がある o な い。 「建物の状態」 建物が大きいo小 さ い、 沢 山 ある o な. し・、 家 が こん で い る o こん で な い。 「公共 ◎ 会社り娯楽6文化施設」 これらの施設がある か◎ な いか。. 「商店」 店が多いo少ない、 商店のきれいき、 デパー. ト があ る ◎ ない。. 「文化設備」 電気がある ◎ な い、 氷 道 が あ る・ な い、 テ レビ、 ラ ジオ が あ る り な い。 「生活及び町の雰囲気」 生活 o 仕事がちがう、 にぎや か で あ る かo な い か、ごみ ごみ して い る か ・ いな い か、 事故が多いかo 少 な い か。 「自然的環境」 景色がよい◎ わるい、 山と平地、 畑が. あ る ・ な い。. * 記入された総数に対する、 それぞれの項目の度 数の% ** 記入欄が、5つあたえられているので、 調査人 員を5倍して、 総度数とし、 それに対する無記入 及び不明の度数の% *** -つも記入出来なかったものの、 調査人員に対 する% 一143-.
(10) . 大居平一郎o松 下. 覚. っている。 要するに、 都会との交 流の度合 が深まるにつれて、 その差異づけも、 何んらかの点でな しう る よ う に な る の で あ ろ う。. では、 どのような点を、 主体的な 差異と して、 考えているで あろうか。 僻地の子供は、「交通関 1それ程その%に大差なく 色々 係」 にその差 異を一番強く感 じている、 しか し、その他の項目でも、 、. の特徴を気がつくままに述べ ているo. 今、 学年毎 に、 その%の相対的に増加する項目をみ ると、 「自然的環境」「文化設備」 であり、 他 方、 減少を示 す項目は、「人口及び町の大きさ」「建物の状態」「商店」 である。 これは、 小 5では、 主と して、 都会 を 見物的な気持で 遊覧 し、 そこで気がつく 種々の都会的特徴を あげているのに対 して、 中学に 入ると、 それらのことよりも、 都会と して、 叉僻地と しての概念から「交通関係」「自. 然的環境」「文 化設備」というようなものに、 都会と僻地の差 異を認識 して来 るのであろう。 これは “都会観・僻地観の分化” とも いいう る であろう 、 。 このような認識のもとで、 僻地の子供と都会の子供をくらべ ると、 どちらがよいと考えている で あろうか (第 8 問、 第 9表)。 第9表. 僻地の子供と都会の子供の比較 中 ろ. 旭川のような大きな町に住んでいる子供 た ち の 方 がよし、 わ た し た ち わ 無. か. の ら 記. 方. が な. よ. 人. 数. 1. 中. %. 人. 数. 3. %. 53. 1 29 .. 50. 27 6 .. 59. 28 6 ,. い. 95. 52 2 .. 107. 52 7 .. 98. 47 6 .. い. 30. 16 5 .. 40. 19 7 .. 47. 22 8 .. 入. 4. 2 2 ,. O. 0. 2. 1 O .. 182. 100 O ,. 203. 100 O ,. 206. 100 O .. 計. ’ しかし 「わか 一般的にいって、 僻地の子供は、“自分達の生活環境に、 より満足を示 してV ・る’ 。 、 らない」 の応答をみ ると、 学年がすすむに つれて、 その%は多くなっている。 このことは、 他方、 “自分達の生活環境の方がよい” と答えるものの% を 低めている 要するに “都会観o僻地観の 。 、 、 分イビ が すすむにつれて、 自己の生 活の都会への優位性に関 して、 批判・疑惑の念をも つものが、 増 加 して 来 る こ と に よ る の で あ ろ う。. それ では、 僻地の子供は、 都会の どんな点を、 うらやま しく感 じているのであろうか (第 9 問、 第10表)。 小 5では、「都会の雰囲気」「仕事・あそび関係」「生活の便利さ」に、 他に比較 して、 うら やま しさを感 じ、 中1になると、「学校・学習関係」「仕事・あそび関係」「生活の便利さ」 に、 中3 1 5 ) 各学年を通じて では、「学校・学習関係」「生活の便利さ」「娯楽o見世物」 についてである。 、 うらやま しく 思われているものは、 「生活の便利さ」 であ る。 学年が すすむにつれて、 減退 するも. のは、 「都会の 雰囲気」 であり、 その反対に、 増加 して 来 るものは、 「学校9学習関係」「娯楽・見 世物」 である。. これ らのことを考え るに、 僻地の子供は、 交通・買物等の種々の不 便さから、 都会の 「生活の 便. 利さ」 にあこがれ、 それを 中心と して、 小 5 では、 僻地の 生活の単調さに対 して、 都会的なに ぎ やかさ、 はなやかさ、 すなわち、「都会の雰囲気」 にあこがれ、 叉家庭での手伝の多さが、 「仕事・. あそび関係」 へ、 うらやま しさを感じたのであろう。 それ が、 学年がすすむにつれて、 都会 に対し て意欲的な目的意識をもち、 “僻地では 充分勉強出来ないから、 都会におけるように 大いに勉強 し ’ と い う 気 持 が 「学 校 。 学 習 関 係」 へ の あ こ が れ と な り 叉 ‘ ‘ た い’ 、 、 、 僻 地 に は な い が、 聞 い た り、. 註 15 ) 他の項目との比較において、相対的にいえることであって、ここでは20%近くの%を示す項目をあげた 。 4 4- -1.
(11) . 僻地の子供の都会観と郷土観 第11表. 第10表 僻地の子供の都会にあこがれる対象. ご あがれぉ覇 象ざ 午. 小. 5. 1 「 1. 1. F P. 3. 20 4 .. 9 20 .. 19 4 ,. 健康・衛生 に 関 し て. 9 20 .. 31 O .. 30 6 ,. 15 4 ,. 18 O .. 事故・事件 に 関 し て. 8 10 ,. 6 9 .. 11 7 ,. O 21 ,. 18 3 ,. 食べ も のに 関 して. 8 3 .. 8 2 ,. 6 O ,. 22 4 .. 3 13 ,. 9 10 ,. あ そ び に 関 し て. 3 15 ,. 7 7 ,. 7 5 ,. O 100 .. 100 O ,. O 100 ,. 11 7 .. 公共・会社・女化施設. 14 O ,. 8 8 .. 楽・見 世. 物. 14 O .. 生 活 の 便 利. さ. 19 3 .. 気. 入 (人員). ** 68 7 , *** 5 50 ,. 53 1 ,. O 39 ,. 1 28 ,. 4 20 ,. (註)”あこがれの対象” の項目は、 それぞれ次のもの を 含 む。. ・ 「学校・学習関係」 学校が近い、 学校が大きし 、. い ろ い ろ の 設 備 が ある、 勉 強 がで き る。. 「仕事・あそび関係」 あそべる、 仕事を しなくて. 自. 然. 農 業. の. に 関. 景. し. て. 計 無 記 入 及 び 不 明 無. 記. 入 (人員). 2 1 .. 6 O .. 5 5 ,. 100 O ,. 100 O .. 100 O ,. 米葵 58 1 , 升美契 30 8 ,. 37 9 ,. 27 2 ,. 13 8 ,. 7 8 ,. (註)”郷土の長所” の項目には、 それぞれ次のものを 含む。 「自然の景色」 景色がよい、 山や川がある、 森が. よい、 い ろ い ろ あ そ び 道 具 があ る。. 「公共り会社o文 化施設」 これらの施設があり、 見学出来る。 「娯楽・見世物」 映画、 芝居、 相撲、 サーカス。 「生活の便利さ」 交通が便利である、 店屋が近く に あ る、 な ん で も買 え る。. 「都会の雰囲気」 にぎやかである、 よい着物がき れる、 大きな建物がある。 * 記入された総数に対する、 それぞれの項目 の% *※ 記 入欄 が 3 つあ た え られて い る の で、 調 査. 人員を 3倍して、 総度数とし、 それに対する. 無記入及び不明の度数の%. ***. 3. 19 8 .. 3 21 .. 記. 中. 17 8 .. 19 3 .. 無. l. 色. 仕 事・ あ そ び 関 係. 無 記 入 及 び 不 明. 51r i l. 田 舎 の 雰 囲 気. 学 校o 学 習 関 係. (%) 22 7 .. 計. 小. (%) 17 8 .. ( ラ リ 20 2 .. 都 会 の 雰 囲. 年. ‐ 学. \ 郷土の長所 ・\ \\. *く%) 24 8 ,. 来(%) 11 O ,. 娯. 僻地の子供の郷土の長所の認識内容. 一 つ も 記 入出来 な か っ た・ もの の、 調 査 人員. に対 す る %. あ る。. 「田 舎 の 雰 囲 気」 静 かで あ る、のん び り して い る、. 人通りが少ない。 r健康 衛生 に 関 して」 空 気 が きれ い、氷 がき れ い、 ごみ ごみ しなし ・。. 「事故も事件に関して」 事故があまりない、 火事. は も え う つ らな い、 悪 い 人 がい な い。 「食 べ も の に 関 して」 米、 野 菜 がと れ る、 ブ ドウo キノ コ と り に 行 け る。 「あ そ び に 関 して」 自 由 に あ そ びま わ る、 山 に の ぼ れ る、 魚 つ り が出 来 る。. 「農業に関して」 田畑がある、 農産物にめぐまれ. て い る、 仕 事 に た の しみ が あ る。. * 記入された総数に対する、 それぞれの項目 の度数の%. **. 読 ん だ り して 知 っ て い る も の を、 実 際 に 見 た り、 しら べ た り した い” と い う 気 持 が、 「公 共.会 社。 文 化 施 設」 へ の あ こ が れ と な つて、あ ら わ れ て い. 記 入欄 が 3 つあ たえ られて い る の で、 調 査. 人 員を 3倍して総度数とし、 それに対する無 人員を 記 入及び不明の度数の% **葵 一 つも記 入 出来 な か っ た も の の、 調 査 人員 に対 す る % に対する%. るの で あ ろ う。. しか し、 全 く 都 会 に 対 して、 う ら や ま しさ を も た な い も の も 多 く、 “どん な こ と も、 う ら や ま し く な い”、 と い う応 答 と 共 に、 無記 入 は、 小 5 で は、 調 査 人 員 の 50 % に な って い る。 中 lo 中 3 に. なるにつれて、 その%は低くなるものの、 なお、 中3 で無記入及び不明は39%、 全く 質問に 応 じ な い も の は、 20 % に 達 して い る。 これ は、 都 会 に く ら べ て、 “自 分 達 の 方 が よ い” と の 応 答 に、 対 応 す る も の で あ る。 そ の 反 面、 自 己 の 生 活環 境 に 対 して、 どの よ う な 点 を、 都 会 に 比 して よ りよ い と 考 え て い る か を. みるに (第10問、 第 11表)、 無記入者の%は、 前述の 都会に対 してのあこがれ についての場合よ りも低い。 要するに、 かれらは、 自己の生活環境について、 何んらかの点で、 その長所をみとめて V・る と い え る。. そ れ で は、 どの よ う な点 を、 長 所 と して あ げて い る で あ ろ う か。 どの 学 年 で も 多く の もの が、 「目 5榊 -14.
(12) . 大居平一郎・松 下. 覚. 然の景色」「田舎の雰囲気」「健康・衛 生に関 して」 の項目についてであり、 特に、 中1・中3 では、 「健康・衛生に関 して」 をあげるものが多い。 叉小 5で特徴的なものは、 「あそびに関 しての」 よろ こ び で、 自 然 の 中 に 自 由 に と び ま わ れ る こ と に つ いて 述 べ て い る。 その 他、 小 5・ 中 3 で は、 「事. 故・事件に関 して」 で、 都会に比 して、 平穏な田舎に安心 して生活出来るよろこびを示 している。 結論的にいって、 僻地の子供の 僻地に対 してのよろこびは、“自然の 景色の中に、 その恩恵に浴 しな が ら、 の びの び と、 健 康 に 生 活 す る” こ と で あ る と い え よ う。. 4 郷土観の分析 僻地の子供は、 今の郷土に愛着を感じ、 いつまでも、 そこに住みたいと感じているであろうか(第 11 問、 第 12 表)。. 第12表 今のところにいつまでも住みたいかの応答. つ \ き 撃虐 雲海三雷 蒙塵 事 縞辱琴海 い と い う 要 求 を も つ て い る と い え る。 し. か し、 小 5 で は、 そ の 差 は 小 さ い が、. 学年が すすむに つれて ゞ 郷 土にいっ までも住ん でいたい“ という応答が減. 中. 1. 3. 中. 『 【 i 彰 人数1 % % 人数 数 人 数 人 1ル. 滋ル. 、 し い. 55. 30 2 .. 46. 22 7 ,. 38. 18 4 .. え. 67. 86 71 7 ゐ. 3 5 O 3 5 . ‐ 8. 72 7 8. 46 6 .. ら な な い わ か か ら い わ 入 記 無 喜. 3 0 8 3 o 8 . .. 42 4 .. 96. 56 5 ;. 3 6 8 ,. 3 5 3 5 . ‐ 8. 182. 100 O 0 .. 203. 100 O 0 .. 206. 0 100 .. は. い. い. 計. 少の傾向を示 し、“住ん でいたく ない“. 2 2 2 2 , .. 4. O. O. O. と 応 答 した も の と の 差 は 大 き く な り、 中 3 で は、 そ の 要 求 を よ み と る こ と が 出 来 る。 け れ ども、“わ. からない” と応答 した ものの%が、 比較的高い ということは、 僻地の 子供は、“郷土を 出て、 より. よ い 所 に 住 居 を 定 め よ う と して い る” と 結 論 づ け て しま う こ と に は、 問 題 が あ る こ と を 示 して い る。 そ れ で は、 “は い“ (住 み た い) 叉 ”い い え“ (住 み た く な い) と 答 え た もの は、 どの よ う な 理 由 を 月 して い る で あ ろ う か (第 12 間、 第 13 表)。 あ げ て、 説日 第13表 郷土愛着・都会憧-曝の理由 年. - て 理 由 ≧ 内 容. 一. 都 会 の 欠 点 を 指 摘 郷 土 の 長 所 を 指 摘 土. 郷. に. 着. 執. 現 在 の 生 活 に 満 足 計 無 記 入. 及 び. 不 明. 都 会 の 長 所 を 指 摘 郷 土 の 欠 点 を 指 摘 希. 達. の. 望. 成. 現 在 の 生 活 に 不 満 都 会 へ の 興 味・好 奇 心 計 翼 殴. 記. 入. 及. び. 不. 明. 5. 小. 人. 人. n x U 18 6 , ー^ふイ = ー v 23 2 , ^ 】 リ 44 2 , ^ b 14 O . AqIリ O 100 ,. ・憲 2. 12 6 10 1 8 18 1 4 ‘6 4 21. I. 中. %. 数. 数 . ← 1に U. 2 5 , 37 5 .. 1っ ム 30 O . 1っ ム^ = V 30 O . 4 100 O . 6. 3. 中. 人. %. 13 O .. 数. % 3. 11← 14L 4 Q2U 6. 9 4 , 34 4 , 43 8 , 12 5 . O 100 . 8 15 ,. O 13 ,. 5. 6 7 .. 8. 9 2 ,. 21 7 ,. 22. 29 3 .. 29. 33 3 .. 17 4 ,. 22. 3 29 ,. 28. 32 2 .. 39 2 ,. 19. 3 25 ,. 17. 19 5 .. 8 7 ,. 7. 9 4 ,. 5. 5 8 .. O 100 .. 75. 100 O ,. 87. 100 O .. 3 ・考. 11. 8 12 ,. 9. 9 4 .. (註) それぞれの理由内容には、 次のものを含む。. 「都会の欠点を指摘」 事故・事件が多い、 空気がわるい。 「郷土の長所を指摘」 事故・事件が少ない、 空気がきれい、 山は気持がよい、 のんびりしている。 -146-.
(13) . 僻地の子供の都会観と郷土観 ・ 「郷土に執着」 親と別れるのはいやだ、 父の後継をする、 田畑があるから、 住みなれた所がよし 。 「現在の生活に満足」 百姓がすき、 農業を手伝って幸福になりたい、 今の所が自分の」ひに適している。 「都会の長所を指摘」 交通が便利だから、 暮 しが楽だ、 都会は面白いことがある、 町は便利、 にぎやかだ. か ら。. 「郷土の欠点を指摘」 病院も電気がない、 不便だから、 山の中では知識が得られない、 熊が出る、 勉強に. お く れ る。. 「希望の達成」 勉強したい、 つとめたい、 学者・職工・洋裁師になりたい。 ・ると あきる、 村がいや 「現在の生活に不満」 百姓が きらい、 体が弱いので 百姓が出来ない、 同じ所にし. だ。. 「都会への興味・好奇心」 大きな町に住んでみたい。 共 ”はい“ 叉 “いいえ“ と答えた人数に対しての、 無記 入及び不明の応答をしたものの人数の% ・て、“住 み た い” と 答 ま ず、 僻 地 及 び 都 会 の長 所 ・ 欠 点 を あ げ て、 そ の 理 由 と して い る も の に つV ‘郷 土 は 自 然 に め ぐ ま れ 空 気 が き れ い で 健 康 に よ く、 の ん び り して い て、 種 々 の え た もの は、‘ 、 、 、. ’ ということをその理由と し、 他方、 “住みたくな 事故・事件も あまり起らず、 平穏に 生活出来る’. ・ と 答 えた もの は ‘ ‘ い’ 、 山 の 中 は、 あ ら ゆ る 面 で、 不 便 で、 生 活が 単 調 に な が れ て 変 化 なく、 文 化o. 娯楽にめくまれず、 刺戟がないので勉強も為くれる” からいやだとのべている (第10表、 第 11表 参照)。 こ れ と 同 じよ う な % で、 理 由 と して あ げ ら れ て い る も の は、 前 者 に つい て は、 “両 親 か ら は な れ. ’ 等の郷土執着的なもの であ ‘住み なれた所がよい’ ‘父の後継をしなけれ ばならない”、‘ たくない”、‘ り、 後 者 に つ い て は、 “勉 強 して 学者 に な っ た り”、 “どこ か に つ と め て、 技 術 を な ら っ た り”、 “自. ’ したいという 目的意識をもった 希望達 動車の運転手になった り”、“職工・洋裁師に なった り’ 、 、 成的ものである。 この理由をあげているものは、 学年がすすむにつれて、 その%は上昇するが、「現 在の生活に不満」 という ”百 姓 がきらいだ”、“村の生活がいや だ” 等の理由をあげたものは、 学年 がすすむにつれて減 少 している。 要するに、 将来に対 してのはっき りした生活意識の芽生えが、 単 なる 「生活への満足叉不満」 叉、「都会への興味・好奇心」 のような項目の理由をあげるものを 少な く し、「希望達成」 という項目の理由をあげるものを、 増加せしめたのであろう。. こ の よ う に、 郷 土 に 対 して、 何 ん ら かの 欠 点 を 見 出 し、 ど こ か よ い 所 に 住 み た い と い う 子 供 は、. 郷 土 の ど ん な 点 を 改 善 して い け ば よ い と 考 え て い る の で あ ろ う か (第 13 問、 第 14 表)。. 一般的に、 他の項目に比 して、 比較的高い%で改善を要求 しているものは、 僻地の閉鎖性・孤立 性を脱却するための 「交通機関・道路の改善」 であり、 次に、 農業経営を改善して、 如何に収益を あげるかという 「農業改善」、 更に、 僻地に おいても、 種々の文化に 接 しうるように し、 生活の合. 理化をなし、 風習等を 改善 して、 文化生活を 作りあげたいという 「公共・文化施設の設置」「生活 及び風習改善」 である。 今、 発達的に、 それぞれの項目について、 その要求の推移をみるに、 学年のすすむにつれて多く なるものは、「交通機関・道路の改善」 であり、 反対に、 学年と 共に、 叉小 5に 比 して、 中3 で減 少するものは、「農業改善」「公共・文化施設の設置」「部落改善」 であり、 叉%は 低い けれども、. 「娯楽施設の設置」 である。. これらのこと を考えるに、 かれらの理想的郷土のあ り方と しては、 交通を便利に し、 あらゆる文 化的便益を、 他都 市及び市街地から容易にうけ入れ うるように し、 叉経済的安定を高め、 生活の合. 理化をはかること を考えている。 特に、 学年がすすむにつれて、「公共o文化施設」 や 「娯楽施設」 ◆ には、 興味o要求はもつけれども、 殊 更に、 郷土に設置 しなくても、 交通を便利にすることにより て、 市街地叉都市で、 それらを満足さすことが出来ると考え、 それが、「交通機関・道路の改善」 を 要 求 す る も の を 増 加 せ しめ て い る と い え よ う。 -147-.
(14) . 大居平一郎・松 下. 党. 第1 4表 僻地の改善希望内容. 他方、 僻地を都会化することが、 無意味である. ことの認識・ すなゎち、 僻地の 予供の都会観。※芥 溌 籍 蚕‐ ミ ミ 1小 51中 ,ー中 3 土 観 の 分 化 は、 小 5 で 要 求 して い た よ う な 「部 落 改 善」 と い う ”よ い 町 に す る”、 “戸 数 を ふ や す” と か の 皮 相 的 ・ 未 分 化 的 見 解 を も つ も の を、 少 な. 生活及び風習 改善. く して 来 て い る。 そ れ と 共 に、「農 業 改 善」 の 減 少. 公共・文化施設の設置. は、 漸 次、 か れ ら の 考 え 方 が 現 実 的 に な る に つ れ て、 単 な る 皮 相 的 ・ 思 い つ き 的 企 画 に、 反 省 の 念 が 生 じ て 来 た こ と に よ るの であ ろ う。 この 現 実 的. 思 考 は、 常 に、 切 実 に 不 便 を 感 じ て い る 交 遊 ら 商. 隆. の 要 求 の 高 ま りと して、 あ ら わ れ た と も い え. よ う。. 部. 落. 改. 蓋. 農. 業. 改. 蓋. *(%) 9 8 ,. 4 23 , 11 9 . O 19 0 .. 交通機関・道路の改善 気. の. 設. 置. 計 無 記 入 及 び ネ 不 明 無. 5 15 , 12 1 . 2 2 , O 32 0 . O 7 o .. (%) 6 3 ,. 17 9 . 13 2 . 12 4 , 2 5 . 38 6 . 1 9 ・ .. O 1 00 0 . ・. O 100 o , ・. O 100 o .. 瀞 5滋. 3 51 .. 3 41 .. 2 22 .. 18 4 .. *井共 9 42 ,. (人員) 入 ( 人員). 記. 21 2 .. 4 4 , ′ 24 4 . O 8 0 . 8. 娯楽施設の設置 電. (%). 1 O 0 0 .. しか し、 こ の 質 問 に, 全 く 答 え ら れ な い も の は、 (註) それぞれの改善領域には、 次のものを含む。 「部落改善」 良い町にする、 戸数をふやす・ 明る 小 5 で は、 半 分 近 く に 達 して い る が、 中 1、 中 3 い村にする、 村をすみやすくする。 に な る と、 急 激 な 減 少 を 示 し、 一 応 郷 土意 識 の 形 成 の 様 子 が う か が わ れ る。 そ の 反 面、 無 記 入 及 び. をょくする、 家畜を飼う、 堤防を作る。 「生活及び風習改善」 家を大きくする、 電話をっ ける・ 悪いことを しない、 おいしいものを食べ栄. 不 明 の % を み る と、 中 3 で さ え も、40 % 以 上 の % を 示 し、 こ れ ら の 子 供 達 は、 真 剣 に 郷 土 の 改 善 に つ い て 考 え る段 階 に は、 至 っ て い な い と い う こ と. 養 を と る、 言 葉 使 い に 気を つ け る、 時 間 厳 守。. 「公共・文化施設の設置」 病院・学校o公民館・. 図書 館等 を 作 る。. が 出 来 よ う。. 5. 「娯楽施設の設置」 映画館。子供の遊び場所を作. 僻 地 の 子 供 の 都 会憧 帳傾 向の 分析. る。. ” 前 述 の 質 問 と は 反 対 に ゞ‘都 会 に住み 、た い か と. 「交通機関o道路の改善」 鉄道oバスをとおす、 道路をょくする。. い う 形 式 で 質 問 す る と、 次 の 如 く な る (第 13 問、. *. 記 入 さ れ た 総 数 に 対 す る、 そ れ ぞれ の項 目 の度 数 の%. 第 15 表)。. 小 5 と 中 3 で は、 “住 ん で み た い” と い う 要 求. 升* 記入欄が3っあたえられているので、 調査 人員を3倍して、 総度数とし、 それに対する が、 わ ず か な が ら 強 い が、 中 1 で は その 差 はみ と 、 入及び不明の度数の% 無記 ’と い う も の め ら れ な い。 しか しゞ‘住 ん で み た い’ 共升葵 一 つ も記 入 出 来 な か った も のの、 調 査 人 員 も、“住 み た く な い” と い う も の も、 そ の % は い ず に対する% れ も 高 い。 そ れ に 比 して、 “わ か ら な 第15表 都会に住みたいかの応答. ’ と応答したものは低い い’ o. ‘郷 土 愛 着 要 す る に 寸僻地 の 子 供 は、‘ 的 な も〃ヂ と、”都 会 憧 帳 的 な も の“ と. の二つに分れ て い る 。. それ と共 にぞ わ. , , キに{ご→、→” 岐 ご た ちv 遇ムー ぷば い ュ・ 」 ー L ーノ りほh Lv ′ 耀い乍すん : ト r”-ソ ソ. む に つ れ て増 加 す る の は、 僻 地 と い う. 都会に対しての特殊な社会的性格の矛. 小. 5. J q 中 人数. 3 に P 3 E P. I I. 誌 零 ミ. 年 ル 麦 人数1 - % \ 人. は. ・ し い. 8 6. 83. ) え ス 」. 3 47 ,. 人数 人 ・数 4 0 9 87 ,. 62. 1 34 .. 85. L 41 9 .. 74. 35 9 .. 27. 14 8 ,. 35. 17 2 .. 43. 9 20 ,. 、 い し. 、 い し. わ か ら な い. 無. 記. 入. 計. %. % 42 2 .. 7. 3 8 ,. 0. 0. 2. 0 1 O ,. 18 ・ 2. 0o 0 1 O o ・ o ,. 3 20. O 1 00 0 ,. 206. O 100 0 .. 盾 的 姿 が、 う か が わ れ る よ う で あ る。 こ の こ と に つ い て は、 後 に ふ れ る こ と に す る。. そのような応答を した理由についてしらべてみると (第 14問、 第16表) 、 その質問形式が、 都会 ‘郷土にいつまでも 住みたいか” の質問の場合に (第11 を中心に して 聞 かれているため、 前述の ‘ 問、 第 14 表)、 郷 土 の 長 所 o 欠 点 を あ げ て、 そ の 理 由 と して い る の に 対 して、 こ こ で は、 主 と して、 48- -1.
(15) . 僻地の子供の都会観と郷土観 第16表 都会瞳帳・郷土愛着の理由 た 〆. ー \ ~. 年 \\\ \. \ 理由内云. の. 達. 1. 9 総. 計 及 び. 不 明. 都 会 の 欠 点 を 指 摘. 23 U 禿Q 4 ヘ ベ リ. 郷 土 の 長 所 を 指 摘 郷. 土. に. 執. 現 在 の 生 活 に 満 足 計 無 記. 入 及 び. 不. 明. 9. 3. 数 一. 68 O ,. 58. 2. 2 5 ,. 1. 72 5 . ◆ 12 .. 7 9 ,. 9. 11 5 ,. 12. 15 O ,. 9 5 .. 4. 5 2 .. 2. 5 2 ,. 14 3 ,. 10. 12 8 ,. 7. 8 8 .. 100 O ,. 78. 100 O ,. 80. 100 O ,. 2 6多. 5. 6 O .. 7. 8 O .. 81 1 ,. 69. 88 5 .. 60. 88 3 .. 5 7 ,. 4. 5 1 ,. 5. 7 3 .. 3 8 ,. I. 3 1 ,. O. O. 9 4 ,. 4. 5 1 .. 3. 4 4 .. 100 O .. 78. 100 O ,. 68. 100 O ,. 1 4蓋. 7. 8 2 ,. 6. 1 8 ,. に U にQUU. 人. 53. っ ム. 着. 中. / ラ リ. 1 6 ,. 6. 都 会 へ の興 味 好 奇 心. ー. 数. 66 7 .. 5. 成. 現 在 の 生 活 に 不 満. 無 記 入. 人. 42. 郷 土 の 欠 点 を 指 摘 望. ゴ 司. 数. 都 会 の 長 所 を 指 摘 希. 5. 一 ・ /. 人. (註) そ れ ぞれ の項 目は、 次 の もの を 含 む。. 「都 会の 長 所を指 摘」 生 活 に便 利 で ある、 い ろ い ろ の施 設 が あ る、 あ そ べて よい、 し・ろ い ろ の も の がみ れ る、 に ぎや か で よい、 何 ん で も 発 達 して い る′ 交 通 が便 利 で あ る。 「郷 土 の欠 点を 指摘」 田 舎 で は 世 界 の事 がわ か ら な い、 め ず ら しい も の がな い。. 「希望の達成」 思いきり勉強してみたし ・ 、 洋裁をならいたい、 仕事につくため。. 「現在 の 生 活に 不満」 一 生 懸 命働い て も、 面 白 い こ と がなし・ 、 こん な 所 は いや だ、 忙 しす ぎる。 「都 会 へ の 興 味o 好 奇 心」 少 し住 ん で み たし・ 、 め ず ら しい か ら、 町を 知 ら ない か ら。. 「都会の欠点を指摘」 空気わろく、 病気になりやすし ・ 、 悪い人が多い、 事故◎事件が多い、 うるさくて落. 着 け な い。. 「郷土の長所を指摘」 田舎は静かで落着く、 空気がきれいで、 体にょし ・ 。 「郷土に執着」 自分の家がよい、 近所の人と親 しいから。. 「現 在 の 生 活に 満 足」 今 の と ころ が よ い、 田 舎 は 何 ん とな く 楽 しい、 今 の と ころ が 気 に 合 っ て い る。 * “はい“ 叉 “いいえ“ と答えた人数に対しての 無記入及び不明の応答を したものの人数の%. 、. 都会 の 長 所 の 欠 点 を あ げ て、 そ の 根拠 と して い る。 しか し、 “都 会 に 住 み た い” と い う も の に つ い. て、 その%は 低いけれども、 第11問、 第12表の場合と 同 じように、「希望達成」 では、 学年がす すむにつれて、 その%をま し、「現在の 生活に 不満」 及び 「都会への興味◎好奇心」 につV ・ては、. 減 少 して い る。 こ れ は、 前 述 の 考 察 を あ と づ け る も の で あ ろ う。. それでは、 これらの 子供達は、 都会に ついて、 どのように 考えているであろうか。”都会に住み たい” と答えたものは、 都会が、“生活に便利で、 文化も発達 し、 田舎にない 種々の施設を 見学出 来 るし、 且つ、 にぎやかで、 色々のものが見られ、 種々のあそびも出来て、 非常に楽 しい所” と考 ‘ごみ ごみ して 空 気 も え て い る。 そ れ に 対 し、 “都 会 に 住 み た く な い” と 答 え た も の は、 都 会 が、‘ .. 悪く、 健康 ◎ 衛生上よくなく、 交通の発達は、 事故の発生をまねき、 悪v ・人も多くて、 安心 して生 古出来ないし、 且つ、 都会のにぎやかさは、 落着いた静 ・かな生活を不可能にする所” と考えている。 これらのことは、“郷土にいつまでも住みたいか” という場合の 応答理由を、 都会という 側面から のべ た も の と も い え る。. こ こ で、 も し、 “死 ぬま で 都 会 に 住 む か どう力ゞ’ 、 た ず ね ら れ る と、 子 供 達 は、 どの よ う に 答 え る 9- -14.
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