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財務諸表論③

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Academic year: 2021

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2019 年 3 月号 財務諸表論 つぶ問

3問目 【問題】 外貨建取引に対するヘッジについて、次の設問に答えなさい。 ① 外貨建債権債務(予定取引ではない)の外国為替相場の変動をヘッジする目的で為替予 約取引を締結した場合の原則的な処理方法及びその論拠を説明しなさい。なお、ヘッジ 会計の要件は満たしているものとする。 ② 振当処理を行った場合の直々差額(ヘッジ対象にかかる直物為替相場の変動によって 生じた差額)と直先差額(ヘッジ対象にかかる直物為替相場とヘッジ手段の先物為替相 場の差によって生じた差額)の処理方法及びその論拠を説明しなさい。

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【解答】 ① 外貨建債権債務の為替相場の変動をヘッジする場合、原則として独立処理がとられる。 具体的には、債権債務は期末の為替相場で換算して差額を損益とするとともに、為替予 約も時価評価を行って差額を損益とする。それぞれ、あえてヘッジ会計を行わなくても ヘッジ対象とヘッジ手段の損益が同一期間に認識されてヘッジの効果が財務諸表に反 映されることから、このような処理がとられる。 ② 直々差額はただちに損益として認識し、直先差額は振当処理開始時に前受収益または 前払費用としたうえで振当処理が終了する期間にわたって損益として期間配分する。 直々差額の処理の論拠として、振当処理を開始する時までに発生した為替相場の変動 でありヘッジ手段によってヘッジされていない部分であることから、通常の換算差額 と同様の処理となることが挙げられる。それに対して、直先差額は対象となっている通 貨の金利差によって生じる部分があるため、利息の配分と同様に期間に応じて損益と する。 【解説】 外貨建債権債務のヘッジ取引は振当処理が多く出題されますが、原則の処理は独立処理 となります。ヘッジ会計はヘッジ対象とヘッジ手段の損益を期間的に対応させることでヘ ッジの効果を財務諸表に反映させるための処理であることから、外貨建取引についてはあ えて振当処理を行わなくても同じ会計期間に損益が認識できる場合は必要ありません。 また、振当処理についてヘッジ対象の契約(為替予約など)を行う前に生じたヘッジ対象 の為替相場の変動から生じる直々差額はただちに損益として処理することになります。た だし、本問では聞いていませんが直々差額が生じるのはヘッジ対象→ヘッジ手段の順番で 取引や契約を行った場合であり、逆の順番でヘッジ手段→ヘッジ対象の場合でヘッジ手段 に生じた差額は予定取引のヘッジとして繰延ヘッジの対象となり得ます。あくまで、ヘッジ 手段の契約や取引を行った以降の損益がヘッジできることになります。そして、本問に戻る と本誌でも扱ったとおり直先差額は通貨の金利差によって生じる部分があるため、期間配 分することになります。

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