Blood & Vessel 1989
20: 483 (483-495)
綜
説
RGD依
存性 細 胞 接 着分子 フ ァ ミ リー と血 小 板機 能
関
口
清
俊*前
田
利
長*下
村
壮
司*,**
市
原
啓
子*千
谷
晃
一*
Role of RGD-dependent
cell adhesive
proteins
in
platelet
adhesion
and aggregation
Kiyotoshi SEKIGUCHI*, Toshinaga MAEDA*, Takeshi SHIMOMURA*,**,
Keiko ICHIHARA-TANAKA* and Koichi TITANIC
Key words; fibronectin, von Willebrand factor,
thombospondin,
integrin
緒 言
Arg-Gly-Asp(RGD)ト リペ プ チ ドを 活 性 中
心 に も つ 一 群 の 細 胞 接 着 分 子 が, 血 漿 や 細 胞 外
基 質(Extracellular Matrix; ECM)に 豊 富 に
存 在 す る こ と が 明 ら か に さ れ て き た1). フ ィ プ ロ ネ ク チ ン(FN)に 代 表 さ れ る こ れ ら細 胞 接 着 分 子 は, 多 くの 場 合, (1)コ ラ ー ゲ ン, グ リ コ サ ミ ノ グ リ カ ン, フ ィ ブ リン と い っ た 細 胞 外 基 質 の 構 成 成 分 に 親 和 性 を 示 す, (2)特徴 的 な 多 機 能 複 合 ド メ イ ン構 造 を 持 つ, (3)細胞 の 接 着 や 凝 集 に 好 都 合 な 多 量 体 分 子 を 形 成 す る, な ど い く つ か の 共 通 し た 性 質 を 示 す2∼4). 一方, 細 胞 表 面 に は, こ れ ら の 細 胞 接 着 分 子 のRGD(あ る い は そ れ と 類 似 した 配 列)シ グ ナ ル を 認 識 す る リセ プ タ ー 分 子 が 存 在 す る が, こ ち ら も リ ガ ン ドの 多 様 性 に 対 応 し て, 一 群 の リ セ プ タ ー フ ア ミ リー を 形 成 して い る こ と が 明 ら か に さ れ て い る. "イ ン テ グ リ ン(integrin)"と 総 称 さ れ る こ れ ら の リセ フ タ ー 分 子 は, α 鎖, β 鎖, と 呼 ば れ る 分 子 量10∼20万 の2本 の サ ブ ユ ニ ッ トの ヘ テ ロ ダ イ マ ー と し て 存 在 し, RGDシ グ ナ ル と の 結 合 に は2価 金 属 イ オ ンを 要 求 す る5,6).
RGDシ
グ ナル と イ ンテ グ リンを介 す る細 胞
接着 シス テ ム は, 多 細 胞生 物 の形 態形 成 と構 築
を可 能 に す る最 も基 本 的 な 細 胞 認識 シス テ ム の
1つ で あ るが, 臨 床 的 に も創 傷 治 癒, 止 血 血 栓,
炎 症, あ る い は癌 転 移 な ど の場 に お いて 重 要 な
役 割 を 演 じて い る も の と考 え られ て い る. 特 に
血 栓 形 成 の初 期 段 階 に おい て み られ る血 小 板 の
血管 内 皮下 組 織 へ の 粘 着 とそ れ に続 く凝 集 で は,
"Big Four"と
呼 ばれ る4種 の細 胞 接 着 分 子
[von Willebrand因
子(vWF),
フ ィブ リノ ー
ゲ ン(Fbg), FN, トロ ンボ ス ポ ンデ ィ ン(TSP)]
が 関与 す る が, これ らは いず れ もRGD配
列 を
含 む 巨大 糖 タ ンパ ク質 で あ る7)(表1).
血 小 板
の α穎 粒 に は, これ ら4種 の細 胞 接 着 分 子 が 貯
蔵 され て お り, 血 小 板 が 刺 激 を 受 け る と細 胞 外
に放 出 され る. また, これ らの細 胞 接 着 分 子 と
結 合 す る血 小 板 表 面 タ ンパ クが 幾 つ も同 定 され
て い るが, これ らの 多 くは, イ ンテ グ リン フ ァ
ミ リー の一 員 で あ る こと が判 明 して い る8∼10).
本稿 で は, 最 近 急速 に 進 展 しつ つ あ る これ ら
RGD依
存 性 細 胞 接 着 分 子 とそ の リセ プ タ ー の
構 造 と 機 能 を, 血 小 板 凝 集 に 関与 す る"Big
Four"を
中心 に 整理 し, RGDシ
グ ナ ル と イ ン
テ グ リン フ ァ ミ リー に よ る細 胞 接 着 認 識 シ ス テ
*藤 田 学 園 保 健 衛 生 大 学 医 学 部 総 合 医 科 学 研 究 所 医 高 分 子 学 教 室 〔〒470-11愛I知 県 豊 明 市 沓 掛 町 田 楽 ケ 窪1-98〕, Institute for Comprehensive Medical Science, Fujita-Gakuen Health University, Aichi, Japan.**広 島 大 学 原 爆 放 射 能 医 学 研 究 所 内 科, Research Institute for Nuclear Medicine and Biology, Hiroshima sity, Hiroshima, Japan.
ムの 基 本 原 理 とそ の 特 異 性 につ い て 概 説 した
い.
1. RGD依
存 性 細 胞 接 着 分 子 の
プ 口 トタ イ プ と して のIFN
FNは,
コ ラー ゲ ンや プ ロテ オ グ リカ ン と と
もに 細 胞 の外 周 に形 成 さ れ るECMの
主 要 成
分 の1つ で あ り, ECMへ
の 細 胞 の 接 着 を 媒 介
す る主 要 な細 胞 接 着 分 子 で あ る2∼4).
ま た, FN
は血 漿 中 に も可 溶性 成 分 と して含 ま れ て お り,
組 織 の損 傷 時 に は一 過 的 に損 傷 部 に 集 積 され,
周辺 の線 維 芽 細 胞, 上 皮 細 胞, マ ク ロ フ ァー ジ
の 損 傷 部 へ の動 員 を 促 す も の と考 え られ て い
る11,12).
a)モ
ジ ュラ ー構 造 と機 能 的 ドメ イ ン構 造
FNは,
基 本 的 に は分 子 量25万 の サ ブ ユ ニ ッ
ト鎖 がC末 端 部 でSS結
合 に よ り架 橋 され た2
量 体 と して 合 成 され, ECMに
不 溶 化 され た も
の は, それ が さ らにSS結
合 で 架 橋 され た 多 量
体 とな る. 血 漿 中 のFN(血
漿FN)を
構 成 す る
2本 の サ ブユ ニ ッ ト鎖 は, 分 子 量 が わ ず か に異
な って い るが, これ はmRNA前
駆 体 の可 変 的
ス プ ラ イ シ ン グ に起 因 す る こ とが既 に明 らか に
され て い る13∼17).
実 際, mRNA前
駆 体 に は,
可 変 的 ス プ ラ イ シ ン グを 受 け る領 域 が3箇 所 あ
り, 最 大20種
の分 子 異 性 体(isoform)を
生 じ
る.
FNの 構 造 は, 既 に タ ンパ ク レ ベ ル で の 一 次 構 造 の 解 析 とcDNAレ ベ ル で の 塩 基 配 列 の 解 析 か ら 明 らか に さ れ て い る. 図1に 模 式 的 に 示 した よ う に, FNは1型, H型, III型 と 呼 ば れ る3つ の モ ジ ュ ー ル の 重 複 に よ り 出 来 上 が って お り, こ れ ら の モ ジ ュ ー ル が 集 合 して い くつ か の 機 能 ド メ イ ン を 形 成 して い る2∼4). 例 え ば, 1型 モ ジ ュ ー ル が5個 あ る い は3個 集 合 してN 末 端 部 とC末 端 部 の フ ィ ブ リン 結 合 ドメ イ ン が 作 ら れ, 2つ のIn型 モ ジ ュ ー ル は, コ ラ ー ゲ ン 結 合 ドメ イ ン の 中 核 を 形 成 して い る. 分 子 中 央 部 の 細 胞 結 合 ド メ イ ン お よ び そ のC末 端 側 に 存 在 す る ヘ パ リ ン 結 合 ドメ イ ン は, III型 モ ジ ュ ー ル の 重 複 に よ り出 来 上 が って い る. こ の よ う な 多 機 能 複 合 ドメ イ ン 構 造 は, 多 くのRGD依 存 性 細 胞 接 着 分 子 に つ い て も み ら れ る 特 徴 の1つ で あ る. b)細 胞 接 着 活 性 の 最 小 単 位, RGDS配 列 1984年, PierschbacherとRuoslahtiは, プ ロ テ ア ー ゼ 消 化 と 合 成 ペ プ チ ドを 巧 み に 利 用 し, 細 胞 接 着 活 性 の 最 小 機 能 ユ ニ ッ トがArg-Gly-Asp-Ser(RGDS)と い う た っ た4ア ミ ノ 酸 残 基 で あ る こ と を 発 見 し, 多 く の 研 究 者 を 驚 か せ た18)(図2参 照). 彼 ら は, FNの 細 胞 接 着 活 性 を 阻 害 す る 単 ク ロ ー ン 抗 体 を 利 用 して, FNの ペ フ. シ ン 消 化 物 の 中 か ら, 細 胞 接 着 活 性 を 有 す る108ア ミ ノ 酸 残 基 か ら な る ペ プ チ ドを 表1 血小 板 機 能 に 関 与 す る 細 胞接 着 分 子: "Big Four" a)COL, コ ラ ー ゲ ン; HP, ヘ パ リ ン.単 離 し た ・ 次 に こ の 活 性 ペ プ チ ドを ア ミ ノ酸 約 30残 基 か ら な る4つ の 合 成 ペ プ チ ドに 分 割 し, こ の 中 か ら 細 胞 接 着 活 性 を 有 す るC末 端 側 の34 ア ミ ノ酸 残 基(オ リ ゴ ペ プ チ ドIV)を 同 定 した. 同 様 に して, こ の34ア ミ ノ酸 残 基 を さ ら に 小 さ な 合 成 ペ プ チ ドに 分 割 し, 最 終 的 に 最 小 活 性 単 位Arg-Gly-Asp-Ser配 列 に 到 達 した. こ の4
ア ミ ノ酸 残 基 の 中 でArg, Gly, Aspの3残 基
は, ど れ か1つ で も他 の ア ミ ノ酸 に 置 換 す る と
活 性 が 失 わ れ る が, 4番 目 のSerだ け は, Val,
Ala, Thr, Cys, Pheな ど に 置 換 し て も 活 性 は
保 持 さ れ る. RGDSペ プ チ ドがFNの 細 胞 接 着 活 性 の 活 性 中 心 と な っ て い る こ と は, (1)合成 RGDSペ フ。チ ドを プ ラ ス チ ッ ク や ア ガ ロ ー ス 粒 子 の 表 面 に 結 合 す る と 細 胞 の 接 着 と 伸 展 が 起 こ る, (2)FNを コ ー テ ィ ン グ し た プ ラ ス テ ィ ッ ク 表 面 へ の 細 胞 の 接 着 は, RGDSペ フ。チ ドを 反 応 液 中 に 添 加 す る こ と に よ り完 全 に 阻 害 さ れ る, と い う2つ の 実 験 事 実 に よ っ て 証 明 さ れ た. c)IFNの 細 胞 接 着 シ グ ナ ル の2領 域 構 造 仮 説 RGDS配 列 がFNの 細 胞 接 着 活 性 の 最 小 単 位 で あ る こ と は, 既 に 確 立 した 事 実 で あ る が, 一 方 でRGDS配 列 や そ れ を 含 む 小 ペ プ チ ドで は, も と のFNに 比 べ 非 常 に 弱 い 活 性 し か 示 さ な い こ と が 報 告 さ れ て い る. RGDS配 列 を 含 む 種 々 の 細 胞 接 着 性 リガ ン ドの 細 胞 表 面 のFNリ セ プ タ ー へ の 親 和 性 を 測 定 したAkiyamaとYama一 daら の 実 験 に よ れ ば, 11 kDaペ フ。シ ン フ ラ グ メ ン トや 合 成RGDSペ フ。チ ドの リセ ブ。タ ー へ の 親 和 性 はFNや75 kDaの 細 胞 結 合 ド メ イ ン に 比 べ て1/100程 度 で あ る19). こ の 原 因 と して は 次 の2つ の 可 能 性 が 考 え られ る. 第1に, 11 kDaフ ラ グ メ ン ト や オ リ ゴ ペ プ チ ド の 中 で は RGDS配 列 が 無 傷FN分 子 の 中 と 同 じ コ ン ポ メ ー シ ョ ン を と る こ と が で き ず, そ の た め に リセ プ タ ー 分 子 と の 親 和 性 が 低 下 して い る 可 能 性. 図1 FNの 構 造; FNIは3つ の モ ジ ュ ー ル(1型, H型, III型)の 反 復 に よ っ て 構 成 さ れ て い る. ED-A, ED-B, IIICSは, 可 変 的 ス プ ラ イ シ ン グ に よ り 調 節 を 受 け る 領 域 で あ る.
□I型 モ ジ ー ル ○II型 モ ジ ュ-ル □III型 モ ジ ュ-ル
図2 細 胞接 着 活性 を 有 す る最 小 ペ プ チ ドの 同定
第2は, RGDS配 列 が 無 傷 のFN分 子 と 同 じ 高 い 活 性 を 発 揮 す る た め に は, こ れ と 協 奏 的 に 働
く第2の シ グ ナ ル が 必 要 で あ る 可 能 性 で あ る.
Yamadaら は, site-directed mutagenesisの 手
法 を 利 用 し, RGDS配 列 の 活 性 を 増 強 す る 第2 の 細 胞 接 着 シ グ ナ ル(synergistic adhesion site; "SAS")がRGDS配 列 の130∼240ア ミ ノ 酸 残 基 上 流 に あ る こ と を 報 告 し て い る(図1参 照)20). 一 方Maedaら は, DNA組 換 え 技 術 を 利 用 してRGDS配 列 を ブ ドウ 状 球 菌 の 産 生 す る 免 疫 グ ロ ブ リン 結 合 タ ン パ ク, Protein Aに 挿 入 し た と こ ろ, 無 傷FNの 約50%に 相 当 す る 高 い 細 胞 接 着 活 性 が 発 現 す る こ と を 見 い 出 し た21). こ の よ う に して 作 成 した 人 工 細 胞 接 着 タ ン パ ク 質 の 活 性 は, 反 応 液 中 に 合 成RGDSペ プ チ ド を 添 加 す る こ と に よ り 完 全 に 阻 害 さ れ, ま た, RGDSの 代 わ り に 不 活 性 型 のRGESペ プ チ ド をProtein Aに 挿 入 し た の で は 活 性 の 発 現 は 認 あ ら れ な か っ た. 興 味 深 い こ と に, RGDS配 列 を 挿 入 し たProtein AにYamadaら の 推 定 し たSAS配 列 を さ ら に 挿 入 して も有 意 な 活 性 の 増 強 は 認 め られ な か っ た22). SAS配 列 の 実 体 を 含 め て, FNの 細 胞 接 着 シ グ ナ ル の2領 域 構 造 仮 説 は, 今 後 の 検 討 が 必 要 で あ ろ う. d)RGDS非 依 存 性 細 胞 接 着 シ グ ナ ル FNに は, RGDS配 列 以 外 に, も う一 種 類 の 細 胞 接 着 シ グ ナ ル が 存 在 す る こ と が 報 告 さ れ て い る. こ のRGDS非 依 存 性 シ グ ナ ル は, IIICS 領 域 と 呼 ば れ る 可 変 ペ プ チ ド領 域 のN末 端 側 ("CS1"領 域)に あ り(図1参 照), マ ク ロ フ ァ ー ジ や リン パ 系 細 胞 に 特 異 的 に 接 着 活 性 を 示 す ら し い26)● こ の シ グ ナ ル の 活 性 は 合 成 ペ プ チ ド で も再 現 す る こ と が で き, 最 小 単 位 はGlu-Ile-Leu-Asp-Val-Pro-Ser-Thrで あ る と 最 近 報 告 さ れ て い る24). こ の 他IIICS領 域 のC末 端 側 ("CS5"領 域)に は マ ウ ス メ ラ ノ ー マ 細 胞 に 対 し 接 着 活 性 を 示 すArg-Glu-Asp-Valと い う シ グ ナ ル が 存 在 す る こ と が 指 摘 さ れ て い る25). e)IFNリ セ プ タ ー こ こ で 簡 単 にFNを 認 識 す る 細 胞 表 面 リセ プ タ ー(FN-R)に つ い て 説 明 し て お き た い. FN-Rの 実 体 は, 長 い 間 議 論 の 的 で あ り, こ れ ま で に ヘ パ ラ ン 硫 酸, ガ ン グ リオ シ ド, 47kDaあ る い は140kDaの タ ン パ ク質 が 候 補 と して あ げ られ て き た. こ のFN-Rの 問 題 に 決 着 を つ け た の は, や は りRUOslahtiら の グ ル ー フ。で あ っ た. 彼 ら はFNの 細 胞 結 合 ドメ イ ン を 高 密 度 で 結 合 させ た ア フ ィ ニ テ ィ ー カ ラ ム を 用 い てFN-Rを 吸 着 さ せ て お き, FN-Rだ け を 合 成RGDS ペ プ チ ドで 特 異 的 に 溶 出 さ せ る こ と に 成 功 し, FN-Rが 分 子 量 約14万 の2種 類 の サ ブ ユ ニ ッ ト 鎖(α 鎖, β 鎖)か ら で き て い る こ と を 明 らか に した(図3参 照)26). こ の2本 の サ ブ ユ ニ ッ ト 鎖 の ア ミ ノ 酸 配 列 を 調 べ た と こ ろ, これ と 高 い ホ モ ロ ジ ー を 示 す 細 胞 表 面 リセ プ タ ー が 多 数 存 在 す る こ と が 明 ら か と な っ た. す な わ ち, リ ン パ 球 を 活 性 化 し た 時, 1∼2週 間 して か ら 発 現
さ れ て く る 一 群 のVLA(very late appearing) 抗 原27), 白 血 球 の 接 着 に 関 与 す るLFA-1,
1, P150, 9528), そ し て 血 小 板 のGPIIb/IIIa8) や ビ トロ ネ ク チ ン リセ ブ。タ ー (VN-R)29)な ど で あ る(表2). こ れ ら の 関 連 細 胞 接 着 リセ ブ タ ー を 総 称 して"イ ン テ グ リン ス ー パ ー フ ァ ミ リ ー"と 呼 ぶ. イ ン テ グ リ ン ス ー パ ー フ ァ ミ リー は, そ れ ぞ れ 固 有 の α 鎖 を も っ て い る が, β鎖 の 方 は, 関 連 した リセ プ タ ー 群 の 中 で は 共 通 し て い る(表 2). た と え ばFN-Rを 含 むVLAフ ア ミ リ ー は β1鎖 を 共 有 し て お り, 白 血 球 接 着 リ セ フ。タ ー 群 は β2鎖 を, サ イ トア ドヘ シ ン と 呼 ば れ る GPIIb/IIIaとVN-Rは β3鎖 を 共 有 し て い る. β 鎖 に は こ の 他 β4と 呼 ば れ る 新 種 も 最 近 見 つ か っ て お り30), 種 類 は ま だ 増 え る 可 能 性 が あ る. f)イ ン テ グ リ ン に よ るRGDシ グ ナ ル 認 識 の 特 異 性 RGDを 活 性 中 心 に も つ 一 群 の 細 胞 接 着 分 子 フ ァ ミ リー が 存 在 す る 一 方 で そ のRGDシ グ ナ ル を 識 別 す る 多 数 の リセ プ タ ー 分 子(す な わ ち イ ン テ グ リ ン)が 存 在 す る と な る と, 当 然, リ セ プ タ ー 分 子 の リガ ン ド結 合 特 異 性 が 問 題 と な っ て く る. Pytelaら はFN(の 細 胞 結 合 ド メ イ ン)を 不 溶 化 した カ ラ ム に は, FN-Rが 特 異 的 に 結 合 し, 一 方, VNを 不 溶 化 し た カ ラ ム に は, FN-Rで は な くVN-Rが 特 異 的 に 結 合 す る こ と を 示 し た31). 面 白 い こ と に は, ど ち ら の 場 合 も, カ ラ ム に 結 合 した リセ プ タ ー 分 子 はRGDS ペ プ チ ドで 溶 出 さ れ る. 同 じRGDシ グ ナ ル を 認 識 し な が ら, 各 リセ プ タ ー 分 子 が 特 定 の リガ ン ドだ け を 認 識 で き る の は, リガ ン ドの 種 類 に よ っ てRGDシ グ ナ ル を 含 む 周 辺 領 域 の コ ン ポ メ ー シ ョ ン が 微 妙 に 異 な って い る た め で あ ろ う と 推 定 さ れ て い る. た と え ば 同 じRGDSを 含 む 合 成 ペ プ チ ドで も, そ のN末 端 とC末 端 を つ な い で 環 状 に して や る と, FN-Rに 対 す る 親 和 性 が 激 減 し, 一 方VN-R臨 に 対 す る 親 和 性 は 増 加 す る32). ま た リセ プ タ ー 分 子 の 中 に は, FN-Rの よ う に リ ガ ン ド 特 異 性 の 高 い も の が あ る 一 方 で, 血 小 板 のGPIIb/IIIaの よ う にFN, 表2イ ン テ グ リ ン ス ー パ ー フ ァ ミ リー a)文 献70, 71.
b)LN, ラ ミ ニ ン; COL, コ ラ ー ゲ ン; ICAM-1, intercellular adhesion molecule-1; BSP, bone glycoprotein; VN, ビ ト ロ ネ ク チ ン.
vWF, Fbg, VN, な ど な ん で も 結 合 して しま う 結 合 特 異 性 の 広 い も の も あ る こ と が わ か っ て い る. II. IFNと 血 小 板 機 能 a)血 小 板 の 粘 着, 凝 集 とIFN FNは, コ ラ ー ゲ ン に 対 す る 親 和 性 を 有 す る こ と か ら, 血 小 板 の 血 管 内 皮 下 組 織(特 に コ ラ ー ゲ ン 線 維)に 対 す る 粘 着 に 関 与 す る 可 能 性 が 指 摘 さ れ て い る. 実 際, FNは コ ラ ー ゲ ン を コ ー テ ィ ン グ し た 基 質 へ の 血 小 板 の 粘 着 を 促 進 す
る 働 き が あ り. 特 にlow shear rateの 灌 流 条
件 下 で は そ の 効 果 が 顕 著 に あ ら わ れ る こ と が 見 い だ さ れ て い る33). (な お, high shear rateの
場 合 に は, 後 述 のvWFの 役 割 が 重 要 視 さ れ て い る). 一 方, 粘 着 に 続 く血 小 板 の 凝 集 反 応 に お け るFNの 積 極 的 な 関 与 を 示 唆 す る 証 拠 は 得 られ て い な い. 実 際ADPや トロ ン ビ ン 刺 激 に よ る 血 小 板 の 凝 集 はFNを 除 い た 血 漿 中 で も正 常 に 起 こ る こ と が 示 さ れ て い る34). か つ て 血 小 板 の コ ラ ー ゲ ン 凝 集 に 異 常 を 示 すEhlers-Dan-los症 候 群 の 患 者 に お い て, これ がFNの 異 常 に よ る と の 報 告 が あ っ た が35), こ の 結 果 は, FN を 除 去 し た 血 漿 中 で も血 小 板 凝 集 が 正 常 に 起 こ る と の 上 述 の 結 果 と 矛 盾 し て お り, 信 愚 性 が 疑 わ れ て い る. b)血 小 板 表 面 のIFNリ セ プ タ ー 血 小 板 の α穎 粒 の 中 に は, 他 の"Big Four" の メ ン バ ー と と も にFNが 貯 蔵 さ れ て お り, ADPや トロ ン ビ ン に よ り血 小 板 が 活 性 化 さ れ る とexocytosisに よ り細 胞 外 に 放 出 さ れ る. ま た 血 小 板 の 活 性 化 に 伴 って, 血 小 板 表 面 にFN が 出 現 す る こ と が 知 られ て い る. 静 止 状 態 の 血 小 板 表 面 に はFNは 検 出 さ れ な い ・ 活 性 化 血 小 板 へ のFNの 結 合 を 測 定 し たPlowとGinsburg ら の 結 果 に よ れ ば, 飽 和 時 で 血 小 板 当 た り120, 000分 子 のFNが 結 合 で き, Kmは300nMで あ っ た7). FNの 血 小 板 へ の 結 合 はEDTAで 阻 害 さ れ る こ と か ら2価 金 属 イ オ ン を 要 求 す る も の と 考 え ら れ る. 血 小 板 表 面 のFN結 合 部 位 は, 次 の よ う な 理 由 か らGPIIb/IIIaで あ ろ う と 考 え ら れ る. 第 1に, GPIIb/IIIaを 先 天 的 に 欠 損 して い るGla-nzmann型 血 小 板 無 力 症 の 患 者 の 血 小 板 で は, FNの 結 合 が み られ な い36). 第2にGPIIb/IIIa に 対 す る 抗 体 は 血 小 板 へ のFNの 結 合 を 阻 害 す る37). 第3に, FNの 細 胞 結 合 ド メ イ ン を 不 溶 化 し た ア フ ィ ニ テ ィ ー カ ラ ム を 用 い る と, 血 小 板 膜 蛋 白 の 中 でGPIIb/IIIaが 選 択 的 に 吸 着 さ れ る31). 第4に, 精 製 したGPIIb/IIIaを 取 り 込 ま せ た リ ボ ソ ー ム は, FNを コ ー テ ィ ン グ し た 基 質 に 結 合 し, こ の 結 合 は 合 成RGDSペ プ チ ドに よ っ て 阻 害 さ れ る31)ご GPIIb/IIIaは 前 述 の よ う に, イ ン テ グ リン ス ー パ ー フ ァ ミ リー の1つ の メ ン バ ー で あ り,
GPIIbは αIIb, GPIIIaは β3と 呼 ぶ こ と に 統 一
さ れ つ つ あ る. 血 小 板 表 面 に は こ れ 以 外 の イ ン テ グ リ ン ス ー パ ー フ ァ ミ リー の メ ン バ ー も 共 存 して お り, GPIa/Ila, GPIc/Ilaは そ れ ぞ れ VLA2とVLA6と 同 一 分 子 で あ る こ と が 最 近 明 ら か に さ れ て い る9,10). VLA2とVLA6は そ れ ぞ れ コ ラ ー ゲ ン と ラ ミニ ン に 特 異 的 に 結 合 す る. 実 際, コ ラ ー ゲ ン 凝 集 能 を 欠 損 した 患 者 の 血 小 板 は, GPIaを 欠 い て い る こ と が 報 告 さ れ て い る38). III. フ ィブ リ ノ ー ゲ ン(IFbg) a)血 小 板 表 面 のIFbgリ セ プ タ ー 血 小 板 の 凝 集 に は, 2価 金 属 イ オ ン の 他 に 血 漿 由 来 の タ ン パ ク 成 分, 特 にFbgが 必 要 で あ る こ と が1978年, 洗 浄 血 小 板 を 用 い たMustard ら の 実 験 に よ り 明 ら か に さ れ た39). そ の 後, 放 射 標 識Fbgの 洗 浄 血 小 板 へ の 結 合 が 詳 し く 調 べ られ, 静 止 状 態 の 血 小 板 に はFbgは ほ と ん ど 結 合 せ ず, 活 性 化 に 伴 っ て は じ め てFbg結 合 部 位 が 血 小 板 表 面 に 発 現 して く る こ と が 明 らか に さ れ た. こ のFbgリ セ フ。タ ー がFNリ セ プ タ ー の 場 合 と 同 様 にGPIIb/IIIaで あ る こ と は, a)血 小 板 無 力 症 の 患 者 の 血 小 板 に はFbgリ セ プ タ ー が ほ と ん ど 発 現 し て い な い40), b)抗 GPIIb/IIIa抗 体 に よ りFbgの 結 合 が 阻 害 さ れ る41), そ し てC)フ ォ トア フ ィ ニ テ ィ ー ラ ベ ル 法 を 用 い て, 血 小 板 表 面 に 結 合 したFbgの 最 近 傍 の 分 子(す な わ ち リセ プ タ ー)を 同 定 した と こ ろ これ がGPIIIaで あ っ た42), こ と か ら 証 明 さ れ た.
一 方, 抗 体 や 細 胞 表 面 標 識 法 を 用 い た 実 験 に よ れ ば, GPIIb/IIIaは, 静 止 状 態 の 血 小 板 表 面 に も 存 在 して お り(約50,000分 子/血 小 板), 血 小 板 が 刺 激 を 受 け る とGPIIb/IIIaのFbg(お よ び 他 のBig Four)に 対 す る 結 合 部 位 が 活 性 化 さ れ る も の と 考 え ら れ て い る. こ のGPIIb/ IIIaの"活 性 化"の 実 体 は 未 だ 不 明 の 点 が 多 い が, タ ンパ ク分 子 の コ ン ポ メ ー シ ョ ン に 何 ら か の 違 い が 生 じ て い る こ と が 推 定 さ れ る. 実 際 GPIIb/IIIaに 対 す る モ ノ ク ロ ー ナ ル 抗 体 の 中 に は, 活 性 化 さ れ た 分 子 を 特 異 的 に 識 別 す る も の(た と え ばPac-1)43)も 得 られ て い る. b)IFbgのGPIIb/IIIaの 結 合 シ グ ナ ル
Fbgは, Aα(64 kDa, 610残 基), Bβ(56 kDa,
461残 基), γ(47kDa, 411残 基)の3本 の サ ブ ユ ニ ッ ト鎖 が 各2本 ず つ, 互 い にN末 端 近 傍 で S-S結 合 で 架 橋 さ れ た 構 造[(Aα)2(Bβ)2γ2]を と って い る(図4参 照). Hawigerら は, 3本 の サ ブ ユ ニ ッ ト鎖 を 分 離 し て 各 サ ブ ユ ニ ッ ト鎖 の 血 小 板 と の 結 合 部 位 を 調 べ, γ鎖 に 無 傷Fbg と ほ ぼ 同 程 度 の 強 い 血 小 板 結 合 活 性 が あ る こ と を 見 い 出 し た44). ま たAα 鎖 に も γ鎖 よ り弱 い な が ら や は り 活 性 が 検 出 さ れ た. 彼 ら は, γ鎖 由 来 の 種 々 の 合 成 ペ プ チ ドの 血 小 板 表 面 の リ セ フ タ ー(す な わ ちGPIIb/IIIa)へ の 親 和 性 を 測 定 す る こ と に よ り, Fbgの 主 要 なGPIIb/IIIa 結 合 部 位 が γ鎖 のC末 端 部 の12残 基 (γ400∼ 411)に あ る こ と を 見 い 出 し た45). Tranquiら は こ の12残 基 の 中 で もKQAGDVの6残 基 が GPIIb/IIIaに 認 識 さ れ る た め の 最 小 単 位 で あ る こ と を 報 告 して い る46). 面 白 い こ と に, γ鎖C末 端 由 来 ペ プ チ ドは Fbgば か りで な くFNやvWFの 活 性 化 血 小 板 へ の 結 合 を 阻 害 す る. FNやvWFに は, こ の よ う な γ鎖C末 端 ペ プ チ ド配 列 は 含 ま れ て お ら ず, ま たFNやvWFのGPIIb/IIIaへ の 結 合 は 前 述 の ご と く, こ れ ら の 接 着 分 子 のRGDS 配 列 を 介 し て 起 こ る こ と が 明 ら か で あ る の で, こ の 結 果 は 意 外 で あ っ た. こ の 謎 は, Ginsburg とPlowら に よ っ て, 次 の よ う に 説 明 さ れ た. 彼 ら は, γ鎖C末 端 ペ プ チ ドを 不 溶 化 し た カ ラ ム に 結 合 し たGPIIb/IIIaが, RGDSペ フ。チ ド に よ っ て 溶 出 さ れ る こ と, 逆 に, RGDSペ プ チ ドを 不 溶 化 し た カ ラ ム に 結 合 し たGPIIb/IIIa はRGDSペ フ チ ドば か り で な く γ鎖C末 端 ペ プ チ ドに よ っ て も溶 出 さ れ る こ と を 示 し47), ア ミ ノ酸 配 列 の 全 く異 な る こ れ ら2つ の ペ プ チ ド が, (1)GPIIb/IIIaの 同 一 部 位 に 結 合 す る, あ る い は, (2)非常 に 近 傍 の2つ の 領 域 に 相 互 排 他 的 に 結 合 す る こ と を 提 唱 した. 一 方, Fbgは, γ鎖C末 端 の ユ ニ ー ク なGP IIb/IIIa結 合 配 列 の 他 に, FNやvWFと 同 じ RGDS配 列 をAα 鎖 のC末 端 側(Aα572∼575) に 持 っ て お り, ま た, こ れ と 類 似 のRGDF配 列 を や は りAα 鎖 のN末 端 側(Aα95∼98)に 持 っ て い る. 一 時 期, RGDSペ フ。チ ドがFbg の 血 小 板 へ の 結 合 を 阻 害 す る こ と か ら, Aα (572∼575)のRGDS配 列 の 役 割 が 注 目 さ れ た が, こ の 配 列 を 欠 い たFbgの プ ラ ス ミ ン 分 解 物 で も 強 いRGDS依 存 性 の 血 小 板 結 合 能 を 有 して い る こ と が 明 ら か に さ れ48), そ の 役 割 に つ い て は 現 在, 否 定 的 な 意 見 が 多 い. こ れ に 替 わ 図4Fbgの 構 造; FbgはAα, Bβ, γの各 サ ブ ユ ニ ッ トが2本 ず つ 逆 平行 に ジ スル フ ィ ド結 合 した 構造 を して い る. 図 の サ ブ ユ ニ ッ ト問 の 細実 線 はS-S結 合 を表 して い る.
ってRGDF(Aα95∼98)の 重 要 性 を 示 す 結 果 が 最 近 得 ら れ て い る. Marguerieら は, Fbgの RGDF領 域 を 含 む 合 成 ペ フ チ ドに 対 す る 抗 体 を 作 成 して, Fbgの 血 小 板 へ の 結 合 に 対 す る こ の 抗 体 の 阻 害 活 性 を 調 べ た と こ ろ, 血 小 板 へ の Fbgの 結 合 ば か りで な く洗 浄 血 小 板 のADP凝 集 を も 強 く抑 え る こ と を 見 い 出 した49). 抗RG DF抗 体 の 阻 害 活 性 は, 抗 γ(400∼411)ペ プ チ ド抗 体 と ほ ぼ 同 程 度 で あ る こ と か ら, γ(400∼ 411)ペ プ チ ドとAα(95∼98)のRGDFペ プ チ ドの 両 方 がFbgの 血 小 板 へ の 結 合 に お い て 重 要 な 働 き を して い る も の と 考 え ら れ る. IV. von Willebrand因 子(vWIF)
a)vWFと 血 小 板 の 粘 着 vWFは, 障 害 時 の 血 管 内 皮 下 組 織 へ の 血 小 板 の 粘 着 を 惹 起 す る 主 要 な 細 胞 接 着 分 子 で あ る. BaumgartnerとWeissら の グ ル ー フ。は, ウ サ ギ 動 脈 を 用 い た 灌 流 実 験 に よ り, vWFに 異 常 を も つ 患 者 の 血 小 板 は, 血 管 内 皮 下 組 織 へ の 粘 着 が 著 し く低 下 して い る こ と, こ の 障 害 は, 正 常 のvWFを 移 入 す る こ と に よ り矯 正 さ れ る こ と を 示 し, vWFの 血 小 板 粘 着 に お け る 役 割 を 明 らか に した50). vWFの こ の 働 き は,
特 にhigh shear rateの 条 件 下 で 顕 著 に 現 れ る. 血 管 内 皮 下 組 織 を 構 成 す る 主 要 成 分 は コ ラ ー ゲ
ン(Type I, III, IV, V)で あ る が, vWFは 実
際 に コ ラ ー ゲ ン に 対 し高 い 親 和 性 を 示 す. ま た, vWFは 特 徴 的 な 多 量 体 構 造 を と る が, 重 合 度 の 高 いvWFほ ど コ ラ ー ゲ ン に 対 す る 親 和 性 は 高 く, ま た そ れ だ け 血 小 板 の 粘 着 を 惹 起 す る 活 性 も 高 い こ と が 報 告 さ れ て い る51). b)血 小 板 表 面 のvWIFリ セ プ タ ー vWFが 血 小 板 の 血 管 内 皮 下 組 織 へ の 粘 着 を 惹 起 す る た め に は, vWFが 血 管 内 皮 下 組 織 と 同 時 に 血 小 板 表 面 と も結 合 す る こ と が 必 要 で あ る. vWFは そ の た め に2種 類 の 血 小 板 接 着 シ グ ナ ル を 備 え て い る52). 第1の 血 小 板 接 着 シ グ ナ ル は, vWF分 子 のN末 端 側 の ド メ イ ン に 存 在 し(図5参 照), 血 小 板 表 面 のGPIbと 結 合 す る. 第2の シ グ ナ ル は, 分 子 のC未 端 側 に 存 在 す るRGDS配 列 で あ り, GPIIb/IIIaに 結 合 す る. 血 小 板 の 血 管 内 皮 下 組 織 へ の 粘 着 は, 基 質 表 面 へ の 血 小 板 のattachment(接 着)と そ れ に 続 くspreading(伸 展)の2つ のphaseを 含 ん で い る が, 第1のRGD非 依 存 性 の 接 着 シ グ ナ ル は 前 半 の プ ロ セ ス に 不 可 欠 で あ り, 第2の RGDシ グ ナ ル 依 存 性 の 接 着 シ ス テ ム は, 後 半 の 伸 展 に 重 要 で あ る も の と 考 え ら れ る53). 第1の シ グ ナ ル を 介 してvWFが 血 小 板 に 結 合 す る 場 合, vWFそ れ 自 身 で はGPIb結 合 能 が な い の で, 潜 在 性 のGPIb結 合 シ グ ナ ル が "活 性 化"さ れ る 必 要 が あ る. お そ ら く, 血 管 内 皮 下 組 織 に 結 合 す る こ と に よ りvWFの コ ン ポ メ ー シ ョ ン が 変 化 し, GPIb結 合 シ グ ナ ル が 露 出 す る も の と 考 え ら れ る. 非 生 理 的 条 件 下 で は リス トセ チ ン や 蛇 毒 ボ トロ セ チ ン の 添 加 に よ り vWFのGPIb結 合 シ グ ナ ル を 活 性 化 す る こ と 図5vWFの 構造; vWFの サ ブユ ニ ッ トはC末 端 同 士(tail to tail)で S-S結 合 に よ り2量 体 を 形 成 した 後, N末 端 側 の プ ロペ フ チ ド(vWF AgII)が 水 解 ・遊 離 され, 次 い でN末 端側 同 士(head to head)の 結
合 に よ っ て 多 量体 と な り血 漿 中 に分 泌 され る. プ ロペ プ チ ドに存 在 す るRGD配 列 の 存 在 意 義 は 明 確 で な い.
が で き る. ま た, こ の 場 合, 第2のRGDSシ グ ナ ル を 介 す る 場 合 と 異 な り, 血 小 板 の 活 性 化 は 必 要 と せ ず, 固 定 血 小 板 を 用 い て もvWFの 結 合 が 観 察 さ れ る. な おGPIbの 欠 損 を 伴 う Bernard-Soulier症 候 群 の 患 者 の 血 小 板 で は, リス トセ チ ン 存 在 下 で のvWFの 結 合 は み られ な い. 血 管 内 皮 下 組 織 に 結 合 し たvWFを 介 して 血 小 板 が 基 質 に 粘 着 す る と, 血 小 板 は 活 性 化 さ れ, 前 述 の よ う にGPIIb/IIIaがRGDシ グ ナ ル と 結 合 で き る よ う に な る. vWFのRGDSシ グ ナ ル とGPIIb/IIIaと の 結 合 の 生 理 的 な 意 味 に つ い て は 不 明 の 点 が 残 っ て い る が, 1つ に は 血 管 内 皮 下 組 織 へ の 血 小 板 のspreadingの 段 階 に 関 与 して い る 可 能 性 が 指 摘 さ れ て い る. ま た 粘 着 に 続 く凝 集 の 段 階 に お い て もvWFの 関 与 を 示 す 実 験 結 果 が 得 ら れ て い る. De Marcoら は 無 フ ィ ブ リ ノ ー ゲ ン 血 症 の 患 者 の 浮 遊 血 小 板 がADPや トロ ン ビ ン存 在 下 で あ る 程 度 凝 集 す る こ と, こ の 凝 集 は 精 製vWFの 添 加 に よ り著 し く増 強 さ れ, ま た 抗vWF抗 体 の 添 加 に よ り 完 全 に 阻 害 さ れ る こ と を 示 し, vWFも 補 助 的 にGPIIb/IIIaを 介 す る 血 小 板 凝 集 に 関 与 す る こ と を 推 定 し て い る54). c)vWIFの 機 能 ドメ イ ン 構 造 vWFは, 血 小 板 のGPIbお よ びGPIIb/IIIa に 結 合 す る2つ の 接 着 シ グ ナ ル の 他, コ ラ ー ゲ ン, ヘ パ リ ン, 血 液 凝 固 第III因 子 に そ れ ぞ れ 結 合 す る部 位 を 含 む 多 機 能 複 合 ドメ イ ン タ ン パ ク 質 で あ る52, 55)(図5). vWFの 全 一 次 構 造 は, タ ン パ ク 化 学 的 手 法 とcDNAク ロ ー ニ ン グ の 2つ の 手 法 の 併 用 に よ り決 定 さ れ, 基 本 的 に は 4種 の モ ジ ュ ー ル の 重 複 に よ っ て 出 来 上 が っ て い る こ と が 明 ら か に さ れ た55,56). こ の4種 の モ ジ ュ ー ル(A, B, C, D)と 上 述 のvWFの 示 す 種 々 の 結 合 活 性 と の 対 応 は こ れ ま で の と こ ろ あ ま り 明 確 で は な い が, Aモ ジ ュ ー ル に つ い て は, こ れ が コ ラ ー ゲ ン 結 合 ユ ニ ッ トと な っ て い る 可 能 性 が 高 い ・ た と え ば, vWFのA1と A3モ ジ ュ ー ル に は コ ラ ー ゲ ン 結 合 活 性 が 認 め ら れ る57). こ の モ ジ ュ ー ル は, コ ラ ー ゲ ン リセ フ。タ ー で あ るVLA2に も含 ま れ て い る58). ま た, こ の モ ジ ュ ー ル はMac-1, P150, 95と い っ た 白 血 球 接 着 リセ プ タ ー 分 子 に も存 在 す る が, こ れ ら の イ ン テ グ リ ン が コ ラ ー ゲ ン結 合 活 性 を 持 つ か ど う か は 不 明 で あ る. こ の 他, Aモ ジ ュ ー ル は, ニ ワ ト リの 軟 骨 マ ト リ ッ ク ス タ ン パ ク, ヒ ト補 体 因 子B/C2, Type IVコ ラ ー ゲ ン に も1個 ま た は 複 数 個 含 ま れ て い る こ と が 最 近 明 らか に さ れ て い る. V. ト 口 ン ボ ス ポ ン デ ィ ン(TSP) a)血 小 板 凝 集 とTSP TSPは, 血 小 板 の α穎 粒 に 最 も豊 富 に 含 ま れ る 糖 タ ン パ ク質 で, Fbg, FN, コ ラ ー ゲ ン, ヘ パ ラ ン 硫 酸, プ ラ ス ミ ノ ー ゲ ン な ど 多 彩 な 生 体 高 分 子 に 親 和 性 を 示 す59). TSPは, FN, Fbg, vWFと は 異 な り, 血 液 中 の>99%が α 穎 粒 に 局 在 して お り, 血 漿 中 に は ほ と ん ど 含 ま れ て い な い(表1参 照). 血 小 板 が 刺 激 を 受 け て 活 性 化 さ れ る と, TSPは 細 胞 外 へ 放 出 さ れ, 血 小 板 表 面 に 結 合 す る. こ のTSPの 結 合 は 血 小 板 無 力 症 の 患 者 の 血 小 板 で も正 常 の 血 小 板 と 差 が な い た め60), TSPの(主 要 な)リ セ プ タ ー はGPIIb/ IIIa以 外 で あ る と 考 え ら れ る. Aschら はTSP の 血 小 板 へ の 結 合 を 阻 害 す る 単 ク ロ ー ン 抗 体 OKM5が, 血 小 板 の 分 子 量88 kDaの タ ン パ ク 質 と 特 異 的 に 結 合 す る こ と を 見 い 出 した61). 抗 体 カ ラ ム を 用 い て 精 製 した こ の88kDaタ ン パ ク は, TSPに 特 異 的 に 結 合 し, こ の 結 合 はED TAに よ り 完 全 に 阻 害 さ れ た. こ の88 kDaタ ン パ ク は 血 小 板 の 主 要 な 表 面 糖 タ ン パ ク質 の1 つ で あ るGPIIIbと 同 一 で あ る こ と が 免 疫 学 的 お よ び 生 化 学 的 検 証 に よ り 明 らか に さ れ て い る61,62). TSPは, サ ブ ユ ニ ッ ト鎖 のC末 端 側 に
RGDA配 列 を 持 つ が, 88kDaタ ン パ ク(GPIIIb)
へ のTSPの 結 合 は 合 成RGDSペ フ. チ ド に よ っ て 阻 害 さ れ な い の で, GPIIIbへ の 結 合 に はRG DAシ グ ナ ル は 使 わ れ て い な い 可 能 性 が 高 い. ま た, GPIIIbは 分 子 量, サ ブ ユ ニ ッ ト構 成 か ら考 え て イ ン テ グ リン フ ァ ミ リー の 一 員 で は な さ そ うで あ る. 血 小 板 機 能 に お け るTSPの 役 割 に つ い て は 未 だ 不 明 の 点 も多 い が, 血 小 板 凝 集 に 積 極 的 に 関 与 して い る こ と を 示 す 証 拠 が い く つ か 得 られ て い る. 第1に, 抗TSP抗 体 は ト ロ ン ビ ン 刺
激 に よ る 血 小 板 凝 集 を 阻 害 す る こ と が い くつ か の グ ル ー プ に よ り報 告 さ れ て い る63,64). Leung は, 抗TSP抗 体 の 存 在 下 で は 血 小 板 へ のFbg の 結 合 の 親 和 性 が 約1/4に 低 下 し て い る こ と か ら, TSPはFbgのGPIIb/IIIaへ の 結 合 を 強 め る こ と に よ りFbgを 介 し た 血 小 板 間 の 結 合 を 安 定 化 し て い る も の と 考 え た64). 第2に, TSP 自身 が 血 小 板 凝 集 能 を 持 つ こ と が, 最 近Tusz-ynskiら に よ り報 告 さ れ て い る65). こ の 場 合, 静 止 状 態 の 血 小 板 と トロ ン ビ ン 刺 激 血 小 板 の ど ち ら もTSPに よ り凝 集 す る が, 前 者 の 凝 集 は, 抗GPIIIb抗 体 で 阻 害 さ れ る の に 対 して, 後 者 の 凝 集 は 阻 害 さ れ な い と い う. 第3に, 抗GP IIIb抗 体OKM5は, トロ ン ビ ン 刺 激 に よ る 洗 浄 血 小 板 の 凝 集 を 強 く 阻 害 す る61). ま た, 抗 GPIIIb抗 体 は 血 小 板 の 活 性 下 に 伴 うTSPの 細 胞 表 面 へ の 出 現 も 同 時 に 阻 害 し た. こ れ ら の 結 果 か ら考 え る と, 活 性 化 に 伴 って 放 出 さ れ た TSPが 血 小 板 表 面 のGPIIIbに 結 合 す る こ と に よ り, FbgのGPIIb/IIIaへ の 親 和 性 が 増 加 し, 血 小 板 凝 集 の 安 定 化 が は か ら れ て い る こ と が 推 定 さ れ る. b)TSPの 機 能 的 ドメ イ ン 構 造 TSPは, 分 子 量14万 の サ ブ ユ ニ ッ トが3本, N末 端 側 でSS結 合 で 架 橋 さ れ た 三 量 体 構 造 を と っ て い る. 分 子 の 形 状 を 回 転 蒸 着 法 を 用 い て 電 子 顕 微 鏡 下 で 観 察 す る と, 図6-aに 模 式 的 に 示 す ご と く, 唖 鈴(dumbel1)の 形 を した サ ブ ユ ニ ッ トが3本, 大 球 を 外 に 向 け て 小 球 付 近 で 連 結 し た 構 造 を と っ て い る よ う に 見 え る66). プ
ロテ ア ー ゼ に よ る 限定 分 解 と種 々 のTSPに
対
す る単 クロ ー ン抗 体 を 組 み 合 わ せ る こ とに よ
り, 各 機 能 ドメ イ ンが 分 離
同 定 さ れ て い る が
(図6-b),
そ れ に よ る とN末 端 側 の小 球 は ヘパ
リン に強 く結 合 し, C末 端 側 の 大球 に はCa2+
結 合部 位 と血 小 板 結 合 部 位 が局 在 して い る. ま
た小 球 と大 球 を つ な ぐ柄 の部 分 は, コ ラ ーゲ ン
を は じ め と してFN,
Fbg, ラ ミニ ン, プ ラス
ミノーゲ ン に結 合 す る活 性 を 有 す る59). TSPの
全 一 次 構 造 は, cDNAの
塩 基 配 列 か ら 推 定 さ
れ て い るが67), そ れ に よれ ばC末 端 側 の 大球 の
前半 分 を 構 成 して い る7個 のCa2+結
合 モ ジ ュ
ール の 最 後 の1つ にRGDA配
列 が存 在 して い
る. しか し, このRGDA配
列 が, 他 のRGD
依 存 性 細 胞接 着 分 子 の場 合 と 同様, 細 胞 接 着 シ
グナ ル と して イ ン テ グ リン に認 識 され るか ど う
か は 明 らかで は な い.
結
語
以 上, 血 小 板 凝 集 に関 与 す る4つ のRGD依
存 性 細 胞 接 着分 子 の 性 質 を血 小 板機 能 と の 関係
を 中心 に 整理 して み た. RGD依
存 性 細 胞 接 着
分 子 と して は, これ らBig Fourの
他 に ラ ミニ
ン, ビ トロネ クチ ン, コ ラーゲ ン, オ ス テオ ポ
ンテ ィン, テ ネ イ シ ンな どが 知 られ て お り, こ
の 他 に も まだ ま だ 未 同 定 の もの が 多 数存 在 す る
もの と考 え られ る. これ らの 細 胞接 着 分 子 は単
に細 胞-細 胞 あ る い は細 胞 一
基 質(ECMや
フ ィ
ブ リン塊)の 接 着 に 関 与 す る だ け で な く, 細 胞
の分 化 や 増 殖 に も深 く係 わ って い る可 能 性 が 高
図6 TSPの 構造 a)TSP 3量 体 電 子 顕 微 鏡 像 の模 式 図. b)TSPの モ ジ ュ ラー 構造. TSPは 中央 部 分 に3種 類 の 繰 り返 し構造 (タ イプ1, タ イプ2, タ イ プ3)を もつ. ○ タイフ1□ タイフ2□ タイフ3○ アスパラギン結舗い. 実 際, 発 生 生 物 学 の 分 野 で は, コ ラー ゲ ン,
FN,
プ ロテ オ グ リカ ン とい った成 分 が 軟骨 細
胞 や 上 皮 細 胞 の 分化 形 質 の 発 現 に関 与 して い る
こ とが よ く知 られ て い る. ま た, これ らのECM
の成 分 が 細 胞 の 増 殖 の調 節 に も密 接 に 係 わ っ
て い る こ とを 示 唆 す る結 果 が最 近 得 ら れ て い
る. Bornsteinら の グ ル ー フoは, 表 皮 増 殖 因 子
(epidermal growth factor)に よ る増 殖 刺 激 が
TSPの
添 加 に よ り数 倍 増 強 され る こ と68), また
血小 板 由来 増 殖 因 子 に よ る増 殖 刺 激 に よ って
TSPの
合 成 が一 過 的 に誘 導 され る ことを 報 告
して い る69). 抗TSP抗
体 は, 平 滑 筋 細 胞 の 増
殖 に対 して 阻害 的 に働 く. FNや
ラ ミニ ン も,
あ る種 の培 養 細 胞 に対 して は, 増 殖 を 促 進 す る
働 き が あ る こ とが 知 られ て い る.
イ ン テ グ リン に よ るRGD細
胞 接 着 シ グナ ル
の 認識 は, 単 に細 胞 表 層 に お け る リガ ン ドと リ
セ プ タ ー の結 合 だ け に と どま らず, そ れ に よ っ
て 誘 導 され る細 胞 骨格 系 の 再 編成 や 細 胞 内情 報
伝 達 ネ ッ トワ ー クの 修 飾 を も伴 う最 も基 本 的 な
細 胞 認 識 シス テ ム の1つ で あ る. 血 小 板 の粘 着
と凝 集 は, その 中 で も リガ ン ドと リセ プ タ ー分
子 の構 成 とそ の 役割 が最 も詳 し く研 究 され た シ
ス テ ムで あ り, イ ンテ グ リンに よ るRGDシ
グ
ナル の 認識 機 構 を理 解 す る上 で の格 好 の モデ ル
系 で あ る.
文
献
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