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第10回
パ ル プ 人纎 技術 研 究 會
議
事
録(III)
研
究
發
表
(その三)
(4)ス
ラ リ ー 法 に 就 て
岩國工場強人部 原糸課
原液係 太
田 保 彦
(1)ま え が き 今 回は 主 と して レー コン式 ス ラ リー装 置 の試運 轉 の 状 況 に就 て 報 告 す る。 本装 置 は 概 ね 完 成 され た 機械 で,殊 に 附屬 計器 及 び 自動 調 節装 置 は 優 秀 で ス ラ リー法 に重 要 な浸 漬液 の温 度,ス ラ リーの 温度 及 び濃 度,ス ラ リー の送 液量 及 び 送 液壓,プ レス ロ ール の 回轉 等 の 記録 又 は 自動 調節 を 行 い確 實 な作 業 が 出 來 る様 に なつ て い る。 尚 今 回 の試 驗 は 特 に浸 漬液 中の ヘ ミセ ル ローズ の擧 動 を調 査す る 目的 で ダイ ヤ ライザ ーは全 然 使用 す る事 な く,浸 漬 液 中 のヘ ミセ ル ロー ズは 上昇 に まか し,大 體 平 衡状 態 に 達 す る迄 連續運 轉 を 行 つ た 。 此 の場 合 の ス ラ リー装 置 の操 業 條 件 を示 す と第1表 の 如 くで あ る 。 (2)浸 漬 及 び 壓 搾 に就 て 今 回の試 運轉 中 の浸 漬液 温 度 の變 更,浸 漬 液 中 の ヘ ミセル ロ ー ズ ,サ ージタ ンクの壓力(ス ラ リー送壓)ア ル セ ル の壓搾倍 率 ア ルセ ル 中 の ヘ ミセ ル ロー ズ の 變化 を 示 す と第1圖 の如 くで あ る。 第1圖 に よ り説 明 す る と (a)ア ル カ リ中 の ヘ ミセ ル ロ ーズは4%位 迄 は 急 激に 然 も 殆 ん ど直 線 的 に 上 昇 し,そ れ 以 上に な る と上 昇率 は比較 的 緩 慢 とな る。 (b)ア ル カ リ中 のヘ ミセル ロ ーズ の上 昇 に 伴 い 壓 搾は次 第 に 困難 に な る。 即 ち壓 搾 され た ア ル セル ス ラ ブの 外観 が悪 く又崩 れ 易 くな り,壓 搾壓 が上 昇 す る 。又 同一 條 件 で壓 縮 して も壓 搾 倍 率 が次 第 に上 昇 す る。 (3)ア ル セ ル に就 て アル セル の 分析 値 即 ちC.C.及 びT.A.等 は バ ッテ 式 に比 し殆 ん ど變 化 は認 め られ ない が アル カ リ中 の へ ミセル ロー ズ の上 昇 に伴 い ア ル セ ル 中 の ヘ ミも亦 上 昇 す る。 アル セル の 粉碎 度 を 示す と第2表 の如 く粉 碎 はか な り悪 く本装 置 唯 一 の缺 點 の様 に 思 う。 尚 此 の方 法 に よる未 粉碎 の アル セル は瓶 硫 化 又は チ ャー ン硫 化 で は 反應 が遲 れ て 充 分 に 反 應 しない が ニ ー ダ ーに よれ ば 良 く反應 し良質 の ピ ス コ ースが 出來 る。 第1表 ス ラ リー装置 操 業 條 件 第1図 第2表 アル セ ル の粉 碎 度 〔パルプ紙工 業雜誌 第八巻第四五號35 第10回 パ ル プ人 纎技 術 研 究會 議 事 録 ・研 究発 表 423 (4)ビ ス コー ス に就 て (a)ビ ス コー スの熟 成 度 曲線 を示す と第2圖 の如 く な り熟 成 は操 業 の もの よ りそ の進行 が 早 く,殊 に浸 漬液 中 の ヘ ミセ ル ローズ の大 な るも の程 そ の傾 向が 大 で あ る。 (b)次 に ビス コース の溶 解 直 後 の鹽 化 ア ンモ ン價, γ價,濾 過 度及 び 未溶 解 纎 維數 を 示す と第3圖 の如 くな り,浸 漬 液 中 の ヘ ミセル ローズ の上 昇 に伴 い鹽 化 ア ンモ ン價 及 び γ價 は 低 くな り又 ビ ス コ ー スの 品 質 は 低下 して來 る。 (c)浸 漬 液 中 の ヘ ミセ ル ロー ズ が約2%の 場 合 の ビス コース と 操 業 中 の ビス コ ー スの 未 溶解 纎 維 のみ に就 て比 較 す る と第3表 の 如 くな りス ラ リー 法 の方 が 寧 ろ 良質 の ビス コ ー スが 得 られ た。 之 は シ ー ト浸 漬 の場 合 の 如 く パル プめ浮 き上 り,脱 泡,浸 漬 斑,壓 搾 斑 等 の 惡 影響 が ない 爲 ス ラ リー浸 漬 の方 が浸 漬 條 件 が よい爲 で あ る と思 う。 但 前述 の如 く浸 漬液 中 の ヘ ミセル ローズ が 高 い場 合 は そ の影 響 に よ りビス コ ースは か えつ て 惡 くな る。 (5)紡 糸其 の 他 に 就 て (a)紡 糸 調子 は 殆 ん ど變 化 ないが 浸 漬液 中 の ヘ ミセ ル ロー ズが4%以 上 に な り ビス コース の熟 成度 が 低 下 した 關 係 もあ りス ライ バ ーが若干 ス リップ し伸 長 機 の調 子が 稍 々亂 れ た 様 であ る。 (b)ノ ズ ル交換 率,孔 塞 りの状 況 も殆 ん ど操 業 と變 らな い 。 (c)糸 の強 伸 度に 就 て は 前 述 の ビス コー ス の熟 成度 が 進 ん だ時乾 燥 張 力 が 若 干 低下 した程 度 で 殆 ん ど差 異 は認 め られ な い 。 (d)糸 のセ ク シ ョ ン染 色性 に就 て も試 驗 を行 つた が 殆 ん ど差 異は 認 め られ な い 。 (6)連 續 化 に よ る工 數 の 節 約 に就 て 12ト ン/日 の場 合の 工 數 を比較 す る と第4表 の如 く な り約30%の 節 約 とな り,生 産 の増大 に伴 いそ の傾 向 は 益 々顯 著 とな る。 (7)ス ラ リー法 とパル プに就 て (a)以 上 の試 驗 は 山 陽 パ ル プに よ り 實 施 した が 作業 は 順 調 であ つた 。 (b)リ ンタ ーパル プに つ い て も試 驗 を行 つた が I)パ ル プ中 の短纎 維 が 浸漬 液 に流 出す る爲 プ レス ロ ール のス リッ トの 洗 滌 の障害 とな る外 ス ラ レー 濃 度が 變 化 し從 つ て 糸 の纎 度 に影 響 す るの で注 意 を要 す る。又 ア ル カ リ中に 流 出 した 短緻 維 の重 合 度 に就 き考 慮 を拂 う必 要 が あ る。 II)壓 搾 した ア ル セル の ス ラ ブは 崩れ 易 い 。 III)リ ンタ ・一パル プは ヘ ミセル ローズが 少 い爲 め浸 漬 液 中 のヘ ミセル ロ ー ズに よる影響 が 少 ない の で 此 の 點 は有利 で あ る。 (c)「 モ ド リン ト」 バ ル ブに就 て 此 の パル プは セ ル ロ ーズ約96%で 短 繊 もか な り あ り且 又 膨潤 が非 常 に大 き く,シ ー ト浸 漬 は 殆 ん ど 困 難 なパ ル プで あ るが 割 合 に樂 に作 業 す る事 が 出來 そ の状 況 は山 陽 パル プ と リン ター バル ブの 中 間の様 な 傾 向を 示 した 。 (8)綜 合 所見 (a)本 装 置 は機 械 的 に若 干 の ウ ィー ク ポイ ン トもあ つ たが 之 等 は殆 ん ど整 備 補 修 され た の で ア ル セ ルの 壓 搾 状 態 及 び其 の均 一 性 よ り見 て ス ラ リー一装 置 とし て は良 い 機械 で あ る と思 う。 唯 アル セ ル の 粉碎 に 一 つ の難 が あ る と思 う。 第2図
第3表
第4表
工數 の比較
昭 和29年12月 〕424 第10回 パ ル プ 人纎 技 術 研 究會 議 事録 ・研 究發 表 36 又附 属 の計 器,コ ン トロー ラー 等は 非 常 に優 秀 で あ る。 (b)操 業 に 際 し浸 漬 液 中 のヘ ミセル ロー ズ の低 い場 合 は シー ト浸 漬 法 よ りも寧 ろ良い ビス コー スが 得 ら れ るが そ の上 昇 に よ りビス コース の品 質 の 低下 す る 事 と操 作 面 よ り見 て浸 漬 液 中の へ ミセ ル ロ ーズ は2 ∼3%で バ ラン スす る様 或 る程 度 ダイ ヤ ライ ザ ーを 使 用 す る方 が よい と思 う。 (c)連 續 運轉 に よ り工 數 は約30%の 節 約 とな り, 殊 に 生産 量 が 増 大 した 場 合 その 傾 向ば 益 々大 とな る 様 に 思 う。 (d)パ ル プに 就 て は I)短 纎 維 の 多 い もの は アル カ リ中 に短 纎 維 が流 出 す るの で操 業 の 面 よ り見 て も品質 の 點 よ り見 て も 好 ま し くない 。 II)パ ル プ中 の αセ ル ロー ズの高 い事 が 望 ま しい 事 は先 程 の ヘ ミの 影響 よ り見 て シー トの場 合 と同様 で あ る 。 III)浸漬 パル プは む しろ 崩れ 易 くス ラ リー にな り易 い 方 が よ く此 の 點 シ ー ト浸 漬 の場 合 と趣 を異 に す る 。 IV)パ ル プの 水分 斑 が あ る とス ラ リー濃度 が 違 つ て 來 るので シー ト浸 漬 の場 合 よ りもむ しろ注 意 を要 す る。 (5)パ ル プ の 浮 上 リ に つ い て 東 洋 レー ヨン 愛媛 工場 平 澤 修 次 I要 旨 浸 漬 工 程 に おけ るパ ル プの浮 上 りが ビス コー ス 品質 に 何 らか の 關 係が あ る 。從 つ て この浮 上 り現 象 に つい ては 從來 よ りそ の 原 因,對 策等 に關 す る研 究 が 廣 く行 わ れ て來 て い る。 我 々は パ ル プの ア ル カ リ浸 漬 時 に お け るア ル カ リの浸 漬 速 度を 中 心 と して パ ル プ シー トの 浮 上 りを解 析 し,緊 度,含 水 分及 び 室氣 量 と浮 上 り と の關 係 につ い て も檢 討 を行 い 併せ て 國産 及 び外 國 パ ル プ の浮 上 りに關 係 あ る數 値 に就 て比 較 檢 討 した。 II結 果 (イ)パ ル プ浸 漬 時 の ソー ダの浸 漬 速 度が パル プの浮 上 りと關係 が あ りブイ ロメ ータ ー速 度 で浸 漬 した 時 が 一 番沈 み易 くこれ よ り速 くて も又 遲 くと も浮 上 る傾 向が 大 き くな る。 (ロ)パ ル プに おけ る ソー ダの浸 漬速 度 に よ る浮 上 り傾 向 と比 重 を 利用 して測 定 した 浮上 り傾 向 と沈 降試 驗 に よる浮 上 りの 傾 向及 び現場 に お け る浮 上 り率 等 の 間 に は 一聯 の關 係が あ る様 に 思わ れ る 。 (ハ)バ ル ブの緊 度 と浮 上 りの 間 には 國産 パ ル プの み又 は 外 國 パル プ のみ に つ い ては 關 係 は見 られ な い が, 然 し外 國パ ル プは 國産 パ ル プに比 べ 緊 度 は 大 きい 。 (ニ)殘 存 空氣 量 と浮 上 りに つい て は 國産 と外國 パ ル プ 共 殘 存 室氣 量 の 多 い程 浮 上 り易 い 様 で あ る 。 (ホ)パ ル プの 含水 分 と浮 上 りに つい て は 含 水 分 が 多い と浮 上 り易 くな り浮沈 み の限 界水 分 は 銘 柄 に よつ て 異 な る。 (ヘ)國 産 と外國 パ ル プ は 各測定 値に 異 つた 値 を 示 して い るた め浮 上 りを考 え る場 合 は違 つ た観 點 を考 察 せ ね ば な らな い 。 III實 驗 (1)フ ィリン グ速 度 と銘 柄 別 に よ るパ ル プ の浮 上 りの 關 係 浸 漬 速 度 とパル プの浮 上 りとの 間に は密 接 な 關 係が あ る様 に考 え られ た の で 各 々銘 柄 別 バル ブに つ い て試 驗 を行 つ た。先 ず 各 種 の パ ル プを 使 用 し,フ ィ ロメー タ ー速 度 を中 心 とし て フ ィ リング速 度 を變 化 して パル プ の浮 上 り状 態 を観 察 した 。パ ル プの浮 上 りとは6吋 ×10吋 の1枚 の パ ル プを ソ ー ダ中に 浸 した 時 パ ル プ の 上端 が液 面 と同 じ高 さに て浮 い てい る状 態 を 以 つ て 浮 上 りとみ な した 。 浸 漬 條 件 苛 性 ソー ダ ……18.0%(Hemi-Cell0.84%) 温 度 … …17.5℃ パ ル プ… …大 き さは6吋 ×10吋 で1枚 使 用 以 下測 定 に 使 用 のパ ル プはす べ て40%硫 酸 を入 れ た デ シ ケ ー ター 中に 入れ72時 間 以 上 放置 し水 分 を 一定 に した 。 ブイ ロメ ータ ー速 度 とは パ ル プを浸 漬 す る時,パ ル プの アル カ リ吸牧 速 度 と適 合 した フ ィリ ング速 度で あ り普 通 苛性 曹 達 の 水準 の5吋 上昇 時 間を秒 で 表 わす と フ ィ ロメー タ ー速 度Fは 次 の如 く表 わ され 吋/min で 示 す 。 a.國 産 パ ル プ. 〔パル プ紙工 業雜誌 第八巻第四五號
37 第10回 パル プ 人纎 技 術 研 究會議 事録 ・研 究 發 表 425 以 上 フ ィ リ ング速 度 を フ ィロ メ ー タ ー速 度 を中 心 に して6段 階 に 分 け て浸 漬 を行 うと フ ィ リング速 度 に 依 つ て沈 降 した り浮 上 つた りす る こ とが わ かつ た 。又 一 度浮 上つ た パ ル プ は一定 時 間 後 に は沈 降す る こ とが フ ィロメ ータ ー速 度 で浸漬 した場 合 が 一番 早 く,フ ィ リ ング速 度が フ ィ ロメ ータ ー速 度 よ り遲 くなつ て も速 く な つて も浮 上つ て か ら沈 降 まで に 要 す る時 間 は共 に 長 くな る様 で あ る。 國 産 パル プ の内,Aは ブ イロ メ ー タ ー速 度以 上で は 沈 降 し,以 下で は 浮 上るが 他の パ ル プは如 何に フ ィ リ ン グ速 度を變 え て も浸 漬直 後 は浮 上る こ とが わ か つた 。 又 外國 パ ル プで は,ス ーパ ーVS,BCシ ル ク,ノ ボセ ル,ハ ーマ ッ クは フ ィ リング速 度 に 關 係な く非 常 に沈 降 し易 い パ ル プであ る こ とが わ か つた 。 (2)比 重計 を應 用 した パル プシ ー トの浮 上 り傾向 の測 定 ( Glanzstoff-Courtaulds G. m. b. H. Koln-Merhein の 方法) パル プシ ー トを比 重計 に取 付 け そ の浮 力を 時 間 的 に比 重 計 の 示す 目盛 を 記録 して銘 柄 別 に 測 定 測定 方 法 比重 計 に50×60m/m の寸 法 のパ ル プ シ ー ト2 枚 を取 り付 け て ガ ラス圓 筒 の中に 置 きそ の底 部 よ り18%(温 度20±0.5℃) のNaOHを60m/m/min の速度 で 浸 漬 し完全 に浸 つ て か ら1分 間 後に 最初 の讀 み を取 り以 後5∼10分 間 隔 に30分 間測 定 した。 國産 及 び 外 國 パ ル プに 分 け て浮 上 り及 び沈 降 の状 態 を浸 漬 後1分 間 の示 度 に 依 つ て比 較 す る と共 に なお 參 考 のた め前 同(1)の 試 驗 に よ る浮 上り傾 向 の順 位* を併 記す る と G-C法 に よる パル プの浮 上 り傾 向 とフ ィリング速 度 で浸漬 した 時 の浮 上 り傾 向 とは略 同一 傾 向を 示す 。 Fig1よ り國 産 パ ル プ4銘 柄 及 び 外 國 パ ル プ7銘 柄 につ い て夫 々別 々に比 較 す る と明 らか に數 値の大 きい 程 沈 み易 い 傾 向 が認 め られ る。 然 し この 傾 向 に つ いて は國 産 パ ル プ と外 國 パル プに は 本質 的 な差 が あ るた め に この數 値 の みに よつて パ ル b.外 國 パ ル プ (イ)國 産 パ ル プ (ロ)外 國 パ ルプ 昭 和29年12月 〕
426 第10回 パ ル プ 人纎 技 術 研究 會 議事 録 ・研 究發表 38 プ の浮 き沈 み を一 律 に定 め る こ とは 出來 ない 。 ※ フ イロ メー タ ー速 度で 浸 漬 した 直後 の パル プ の浮 上 り状 態 で あ る。 (3)浮 上 りと膨潤 した パ ル プ の 見掛 の比 重 ソー ダ中 の膨 潤 した パ ル プ の浮 上 りは ソー ダ と膨 潤 パル プ と の比 重 の差 異 に 依つ て起 る こ とが考 え られ る の で浮 上 つ た パ ル プ及 び沈 降 したパ ル プに つ い て 見掛 の比 重 を 測 定 合 せ て膨 潤 量 を も測定 した。 使用 パ ル プはAパ ル プ,苛 性 ソー ダ18.1)%,比 重 1,204(20℃) 比 重 の測 定 法 a法 膨潤 パ ル プの重 量/膨 潤 した パ ル プの體 積 =膨 潤 パ ル プの見 掛 の 比 重 b法 浸 漬 した パル プを 比 重 既 知 の ソー ダ中に 浸 し懸 垂 した 時 の比 重 を 以つ て 表 示 。 膨 潤 量 の計 算法 膨 潤 パ ル プの重 量/パ ル プ重 量 ×100 フ イ ロメ ー ター速 度 以上 で は浸 漬 パ ル プの比 重 は ソ ー ダ の比 重1 ,204以 上 とな り沈 降す るがフ ィロメー タ ー速 度以 下 で はパ ル プの比 重 は1,204以 下 とな り浮 上 る。又 こ の パ ル プが 沈 降 した 時 に はそ の比 重 は ソー ダ の比 重 よ り大 きい 。 フ ィ ロメ ー タ ー速 度 以 上 で 浸 漬 して沈降 した 場 合 と フ ィ ロ メー タ ー速 度以 下 で 浸 漬 し浮 上 り後 沈 降 した 場 合 で は比 重 及 び吸收 量 の相 違 か ら見 て浸漬 速 度の 相 違 に よる空 氣 量 の差 に 依 る もの と思 われ る。 (4)浸 漬 パ ル プ中の殘 存 空 氣 量 浸 漬 した パ ル プ中 の 空 氣 量 が 浮 上 り及び沈 降 に 影 響 す る こ とが考 え られ る の でパ ル プの フ ィ リン グ速 度を變 化 して浸 漬 しそ の 中に含 まれ る空 氣 の量 を銘柄 別 に 測 定 した 。 浸 漬 條 件 苛 性 ソー ダ18.0% 温 度20.0℃ 測 定 法 浸 漬 した パ ル プを素 早 く苛 性 ソ ーダ(18.0 %)の 入 つた 密 閉容器 中 に入 れ 約3.5時 間攪 拌 しなが らパ ル プを 碎 粉す る 。パ ル プ中 に 含 まれ る氣 泡 は 粉碎 に よつ て 分 離 し上 部に 集 る。 この氣 泡 を收 集 し て そ の 體 積 を は か り風乾 パ ル プ100g中 の氣 泡 量cc數 で表 示 した 。 フ ィ リング速 度 を變 化 して浸 漬 した 時浸 漬 パ ル プ中 の空 氣 量 が フ イロメー タ ー速 度を 中心 と して遲 くな る に從 い著 し く増 加す る 。 こ の こ とは フ ィ リ ン グ速 度 の 變 化 に 伴 うパ ル プの膨 潤 度 の變 化 とも關聯 が あ るの で は な い か と考 え られ る。 こ の 傾向 は國産 パ ル プに著 る し く,外 國 パル プは 明瞭 で な い。 空 氣 量 とパル プの沈 降 性 につ い ては 國産 及 び 外 國 パ ル プ に お い て も空氣 量 の 少 い 程沈 み易 い 傾 向 が あ る。 然 し絶 對 空氣 量 にお い て 外 國 パ ル プは國産 パ ル プ よ り 著 る し く少 な く,こ の こ と と外國 パ ル プが 國 産 パ ル プ に比 較 し て沈 み易 い原 因 の 一 つ では な いか と思わ れ る。 (5)パ ル プの緊 度 につ い て Fig 国 産 パ ルプ 外 国 パ ル プ 國 産 パ ル プ 外 國 パ ル プ 〔パルプ紙工業雜誌 第八巻第四五號
39 第10回 パル プ 人纎 技 術研 究 會議 事 録 ・研 究發 表 427 測 定 方 法 恒 濕 に した試 料5.0cm×5.0cmの 大 き さに 切斷 し そ の厚 さを計 る 。厚 さの測 定 は ス ウ ェー デ ン標準 法CCA 21/1947に 依 り固體 の密 度 測定 の方 法 と同様 にパ ル プ を濡 らさな い液 體(之 れ に は水 銀 を 使 用)中 にて秤 量 し厚 さを 算 出 し一方 パ ル プの絶 乾 重量 を求 め て次 式 に よ り緊 度 を表 示 した 。 緊 度= パ ル プの絶 乾 重 量/シ ー ト面 積 × 厚 さ 國産,外 國 パ ル プ共 緊 度 と浮 上 りとの 間に 關聯 性 は な さそ うで あ るが,國 産 パ ル プに 比 べれ ば 外國 パ ル プ の緊 度 は 明 らか に 大 き く,こ の こ とは國 産 パル プが外 國 パ ル プ に比 較 して浮 上 り易 い 原 因 の一 つ と考 え られ る もなお 例 外 に つ い ては檢 討 の必 要 が あ る。 (6)國 産 及 び 外 國 パル プの フ ィロ メ ータ ー一速 度,膨 潤 量 吸收 速 度 及 び膨 潤 度に つ い て 下上記 膨 潤 量 は フ ィロメ ー タ ー速 度 で ソー ダー を フ ィ リング した 時 の パ ル プの膨 潤量 で あ る。 國 産 パ ル プに おい て は浮上 り と フ ィロ メー タ ー速 度, 吸收 速 度 の 問 には 關 聯性 な いが 膨 潤 量,膨 潤 度 とは何 等か 關 係が あ る様 で あ る。 外 國 パル プに つ い ては フ ィロ メ ー ター速 度 は差 が な い,浮 上 りと膨 潤量,膨 潤 度,吸 收速 度 との 間 には 何 等 か 關聯 が あ る様 であ る。又 國産 と外國 バ ル ブ の間 に は ブ イロ メー ター速 度,吸 收 速 度,膨 潤 度,膨 潤 量 が 著 る し く異 な りこれ は パル プシ ー トの毛 細管 の 状態 及 び原 木 の違 いか ら來 てい る もの と考 え られ 浮 上 りの傾 向 とも關 係あ る もの と想 像 され る 。 (7)パ ル プの沈 降速 度 につ い て 恒 濕 に した 試 料 を20×30m/mの 大 き さ に 切 斷 し 18.0%NaOHの 液 面 に裏 を上 に して 水平 に 落 し,落 ち た 瞬間 か ら試 片が アル カ リを 吸收 して最 後 の一 點 が液 面 を離 れ るま で の時 間 を測定 す る 。試 驗 は50回 行 い 苛性 ソーダ ー液 の温 度 は20℃ で あ る。 上 記測 定 方 法 に 依 つて測 定 したn=50に つい て σ を算 出 Fig2 フイリング速度 と空気量 の関係 国 産 パルプ Fig3 フイリンク速 度 と空気量の関係 外 国パ ルプ 1)國 産 パル プ 2)外 國 パ ル プ 昭 和29年12月 〕
428 第10回 パル プ人纎 技 術 研 究 會議 事 録 ・研 究發 表 40 沈 降速 度が 速 く均 齊 な もの は國 産 品 で はA,外 國 品 では ス ー パ ーV.S.B.Cシ ル ク,ノ ボセ ル,ハ ーマ ッ クで 今迄 の試 驗 結 果 と一致 す る。 (8)パ ル プ の 含 水分 と浮 上 りとの 關係 含 水 分 と浮 上 りとの關係 に つ い て試 驗 を行 つ た,な お水 分 の コ ン デ シ ョニ ングは 加 熱 しな い方 法(硫 酸 に 依 る方 法)及 び 走 外線 に よる乾 燥 法 との2通 りにつ い て行 つ た 。 1)國 産 パ ル プに つい て (イ)加 熱 に 依 らない で 水分 調 節 を した場 合
(ロ)赤外線乾燥に依つて水分調節を行つた場 合
※ の處 で は一 度浮 上 つ て速 ぐ沈 降 した 状態 NaOH18%(20℃) フ ィ ロ メー ター速 度 で浸 漬 した 。(パル プ含 水 分 7.5%に お け る) (イ)及び(ロ)共同 じ傾 向を 示 して い る。水 分 が少 い 方 が 沈 降 し易 くな る様 であ る。然 し浮 き沈 み の起 る限 界 含 水 分 は銘 柄 に 依 つて異 な り,Aは8%で も沈 み,Cは 他 の銘 柄 に 比 べ少 し高 い 所 に あ る。浮 くパ ル プで も全 體 的に は4%臺 に なれ ば沈 む よ うで あ る。現 場 操 作 に よる パ ル プ 含水 分 は7∼8%に 調 整 され て い るの で以 上 の試 驗 か ら検 定 す る と,Aは 常に 沈 降 し,Cは 沈 む 時 と浮 上 る時 が あ り,そ の 他B,E及 びDは 常 に浮 上 る とい うこ とに な る。 2)外 國産 パ ル プにつ い て 加熱 に よ らない 方 法 で水 分 の 調節 を行 い浮 沈 の 状 態 を観 察 した 。 エ キセ ル を 除い て は10%の 高 含 水分 で も沈 み,エ キ セ ルは 國 産(B.D)の 限 界 水 分 と略 同様5%附 近 で 沈 む 。 ※1.2こ の も のの み最 近 入荷 した ものを使 用 した 。 (以下一 月號) (51頁 よ り續 く) 文献 抄 録 成 の 自由 エ ネ ルギ ー(⊿F°298=-86,600caL/g.mole)を えた 。5段 階 の温 度 と或 る程 度任 意 の條件 下 に,本 反 應系 の 状 態 圖 を示 し,本 圖 の 意義 を檢 討 した 。 硫 黄及 び曹 達 の損 失 理 由を 指摘 し,こ れ 等 の損 失 を輕 減 す る 手 段 に就 いて 示唆 した 。(佐 藤)。 ○ク ラ フ トエ場 の悪 臭防 止法 Gllisoni , Pietro Tappi 37 , no. 5:201∼5(May, 1954)イ タ リーOlona河 の谿 谷 に 在 るCartiera VitaMay-er & Co.の ク ラフ ト工 場 の空 氣 汚 濁 問題 を述 べ,マ ー カ プ タ ン除去 を企 てた 装置 に 觸 れた 。操 作 を 擧 げ る と,木 釜 の 戻 し及 び ブ ローか ら來 る非 凝縮 ガ スの 全部 を天 然 ガ ス焚 火 ボ イ ラーに 導 入 して燃 焼 させ る。 戻 し, ブ ロー及 び 黒液 の蒸 發 か ら生 ず る 復水 を完全 に酸 化 し, この 復水 を漂 白工場 の 第 一鹽 素 處 理 塔 に於 け る稀 釋 水 として 利 用 す る。黒 液 燃焼 ボ イ ラーか ら出 る ガス を第 一に 露 點 まで冷 却 し,次 に 鹽 素 水 を以 つ て洗 滌 し,再 び 天然 ガ ス ボイ ラーか ら出 る比 較 的高 熱 の ガ ス と混 合 し,以 て スモ ー ク中 の 有害 な硫 黄化 合物 を酸 化 し,併 せ て煙 突 の腐 蝕 を 防 ぐ。 これ 等 の應 急策 の もた ら した 結 果 は 頗 る満 足 す べ き もの が あ つ た 。(佐藤) 〔パル プ紙工業雜誌 第八號第四五號