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単列樹木群を有する複断面開水路における乱流構造と物質交換特性に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)土木学会論文集B Vol.66 No.4,384-394,2010.11. 単列樹木群を有する複断面開水路における 乱流構造と物質交換特性に関する研究 山上 路生1・板井 幸太2・禰津 家久3 1正会員. 京都大学准教授 2学生員. 工学研究科社会基盤工学専攻(〒615-8540 京都市西京区京都大学桂) E-mail: [email protected]. 京都大学修士課程 工学研究科社会基盤工学専攻(同上) 京都大学教授 工学研究科社会基盤工学専攻(同上). 3フェロー. 実河川の高水敷には多様な樹木群が形成される.特に低水路と高水敷の境界部では一般に群生密度が大 きい.高水時には境界部の樹木群によって大きな抵抗が発生し,主流速分布は低水路と高水敷のそれぞれ に変曲点をもち,従来の単一変曲点をもつ混合層的な流れとはその様相は大きく異なる.そこで本研究で は境界部に単列樹木を有する複断面開水路流れにおける乱流構造を明らかにするために,超音波流速計 (ADV)を用いた流速3成分計測を行い,植生の配置間隔が2次流や乱流統計量の分布に与える影響やと2次 流,レイノルズ応力およびせん断抵抗の関係を定量的に評価・考察する.さらにLESによって低水路/高 水敷間の濃度交換特性を計算するとともに,効率的な交換を促進する樹木間隔の存在を明らかにした.. Key Words : one-line emergent trees, turbulence, compound channel, secondary currents, mass and concentration transports. 1. はじめに. くみられる.池田ら 8)は境界部に樹木が存在する複断面 流れを対象にレーザー流速計による乱流計測と 2 次元. 我が国の主要河川のほとんどが低水路と高水敷から. LES を適用して,高水敷への浮遊砂の堆積特性を調べ. 構成される複断面構造をもつ.このような複断面開水. た.境界部に樹木が存在すると大きな抗力およびせん. 路では低水路の高速流と高水敷の低速流による流速差. 断抵抗が発生し,主流速分布は低水路と高水敷のそれ. が生じ,せん断不安定性に起因する水平組織渦が生成. ぞれに変曲点をもつ凹型構造となり,通常の複断面流. される.水平渦は水路のアスペクト比や高水敷のかぶ. れとはその様相が大きく異なる.さらにせん断不安定. 1),2). .この大規模渦は. による水平渦と樹木の後流域に発生するカルマン渦が. 低水路と高水敷の物質や運動量交換および流水抵抗の. 混在する複雑な乱流現象が現れることが推測される.. り水深によって発生特性が異なる 3). 増大と大きく関わる ことから,水工水理学における重. Sun & Shiono. 4). 9). はこの流れ場を水理計測して樹木模型に. 要研究トピックスの一つとされている .さらに横断面. よる抵抗特性の変化を定量評価し,樹木の存在によっ. には 2 次流が生成されるが,境界付近には低水路の水. て流量や境界せん断応力が減少することを指摘した.. 面領域に向かう斜昇流の発生が多くの既往研究で指摘. さらに Shiono ら. されている. 5),6). 10). は複断面開水路流れの流速分布の水. 11). .これらの 2 次流と水平渦の相互作用に. 深積分モデル (以下 SKM とよぶ)に抗力項を考慮し. よって河床の土砂や溶存物質が高水敷上に輸送される. たものを提案し,実験値と良好に一致することを報告. ことが予想される.. している.このように最近になって境界樹木が平均流. 実際の河川では高水敷上に草木類の繁茂が観察され,. 速分布や抵抗特性に与える影響に関する研究が鋭意進. 多様な河川生態系を形成している.このような樹木帯. められている.しかしながら,2 次流や乱流構造,およ. は重要な河川環境機能をもつ一方で,流れ場に大きな. びそれらが重要な役割をもつと考えられる低水路/高. 影響を与える.特に流水抵抗の増大は治水面において. 水敷の物質・運動量交換については未解明点が多い.. きわめて重要な問題であるから,これまでにも多くの. そこで本研究では実験水路でこの流れ場を再現し,超. 7). 研究が鋭意行われている .比較的大きな河川では低水. 音波流速計(ADV)による流速の 3 成分計測を行った.樹. 路と高水敷境界に樹木群の集中的に林立する領域がよ. 木群の間隔を 2 通りに変えるとともに樹木がない通常. 384.

(2) 土木学会論文集B Vol.66 No.4,384-394,2010.11. 表-1 実験条件. U m (cm/s). H (cm). D (cm). H/D. B m (cm). B (cm). Re. 15. 40. 20. 2. 60. 150. 60000. 分の流速を計測した.水面近傍領域は横向プローブで ~ ) の 2 成分の流速を計測した.ADV を移動台車に (u~, w. PC. carrier. 設置したトラバースに固定し,上流から 6m 地点に台車. rail. Flow. down-looking probe. d. も固定して計測を行った.サンプリングレートは 50Hz,. l. 瞬間流速のサンプル数は各計測点につき 4096 サンプル. sampling points vegatation elements. floodplain. Bf. である.得られたデータを wavelet 解析によってノイズ. y, v, V. z, w,W. main-channel. Bm. 除去 12)を行った.. x, u, U. H D. a=d/l 0 (non-tree) 1/15 (sparse) 1/5 (dense). 表-1 に水理条件を示す.断面平均流速 U m は 15cm/s とした.Tominaga & Nezu5)と同様に水深は H / D = 2 と. jucks. した.路床勾配と下流堰を微調整してケース間で U m と H を一定にした.とレイノルズ数 Re ≡ U m H / ν は. 図-1 ADV による計測システムと座標系. 60000 である.また a ≡ d / l は樹木間隔,すなわち樹木. の複断面開水路流れの計測も行い,樹木群が乱流構造. 密度パラメータであり,値が大きいほど間隔が密,. と 2 次流に与える影響を明らかにする.さらに 3次元の. a = 0 は樹木無しを表す.Sun & Shiono によると実際の. LES を用いて樹木間隔を細かく変化させて濃度輸送分. 樹木の間隔 l は幹径 d の 10~20 倍に集中する.そこで. 布を計算し,低水路/高水敷の物質・運動量の交換特. 本計測は a が一般的によくみられる 1/15(sparse ケー. 性と樹木密度の関係を解明する.. ス)とより密な 1/5(dense ケース)の 2 通りの配置間隔 を対象とする.さらに樹木無ケースを含めた全 3 ケー. 2. 乱流計測の方法と水理条件の設定. スについて ADV センサーを横断面にトラバースして, 低水路では鉛直方向 21 点,横断方向 10 点,高水敷では. 図-1 に本研究における ADV 計測に用いた実験装置図. 鉛直方向 11 点,横断方向 20 点の合計 430 点について上. を示す.本計測で用いた水路は,全長 9m,全幅. B = 150cm の循環式大型直線水路である.水路の両脇に レールを設け,水路を横断するように移動台車を設置 してある.底面はステンレス製であり,壁面はガラス 製である.十分に整流させるため,最上流部にハニカ ムを設置した.水路の左岸側にアクリル製のボックス を並べて高水敷とし,複断面水路を再現した.低水路 と高水敷の境界の高水敷端に径 d = 2cm の塩ビ製パイプ を一定間隔 l で設置し,単列樹木群を再現した.図-1 中の B m , B f ,D および H は,それぞれ低水路幅,高 水敷幅,高水敷高さおよび低水路水深である.それぞ れ B m =60cm, B f =90cm,D=20cm,H=40cm である. 座標系は直交座標の x 軸を流下方向,y 軸を鉛直方向,z 軸を横断方向とした.底面を y = 0 ,高水敷と低水路の 境界を z = 0 とした.また x , y および z 方向の瞬間流 ~ とし,それぞれの時間平均値 速計測を u~ , ~ v および w を U, V および W と定義する.それらに対する乱れ成 分を u , v および w とする.流速計測には,Sontek 製の ~ ) および横向き 下向きタイプの 3 成分プローブ (u~, v~, w ~ ~ タイプの 2 成分プローブ (u , w) の microADV を使用した. 水面下 5cm の水面近傍領域以下は下向プローブで 3 成. 385. 述の乱流計測を行った.ここで樹木有りの 2 ケースに ついては樹木間の真中に計測横断面位置を設定した. また主流方向の変化を考察するために, a = 1 / 15 につ いては, y / D = 1.1 の高さを対象に x − z 面上を x 方向 に 3cm 間隔でトラバースして水平面の流速分布を計測 した.. 3. 計測結果の考察 (1) 流れの時間平均構造 図-2は2次流ベクトルの分布 (V , W ) と時間平均主流速. U のコンターである.水面近傍のV成分は連続式により 評価した12).樹木無しケースでは低水路と高水敷の境界 部から低水路側の水面に向かって斜昇流が発生する. これと関連して低水路側と高水敷側に逆回転の渦が観 察される.また低水路のセンターラインでは下降流が 生じる.これらの特性は既往の小型水路におけるLDA データ5)と本実験のADVデータに共通して認められ,幅 40cm~150cmの間には流れの相似が成立しそうである. 一方,樹木有ケースでは2次流の大きさが増加する.こ.

(3) 土木学会論文集B Vol.66 No.4,384-394,2010.11. a=0(non-tree). y/ D. × 10 −1. V 2 +W 2. 2.0 1.6 1.4. denser-tree. 1.1. 8. -1.0. 0. -0.5. 1.0. 0.5. V 2 + W 2 max /U max. 6. Floodplain. 1.6. 0. sparser-tree. 1.7. 1.7. / U max (%). 10. 1.6. 1.0. max. z / Bm. 1.5. = 1.1a 2 + 0.51a 2 + 0.04. 4. Tominaga & Nezu (1991,LDA). non-tree 樹木なし. 2. a=1/15(sparse). y/ D 2.0. 0.9. present ADV. × 10 −1. 0. 1.3. 1.6. 1.4. 1.1. 0. 0.05. 0.1. 0.15. a ≡ d /l. 1.6. 1.7. 1.0. 0.2. 図-3 樹木密度と 2 次流強度の関係(ADV) Floodplain 1.6. 0. -1.0. 0. -0.5. 1.0. 0.5. z / Bm. L/d =15. 1cm/s. a=1/5(dense). y/ D 2.0. 0.9. 1.5. × 10 −1. 1.3. 1.7. τ b /τ b 1.6 1.4. MC. FP. 1.2. 1.7 1.3. 1 1.8. 1.0. 0.8 Floodplain. 0. 0.6 ■. 0.4 -1.0. -0.5. 0. 1.0. 0.5. z/ Bm. L/d =5 U (m/s). 1.5. ▽. 0.2. ●. 0 -0.8. -0.4. 0. 0.4. a 0 1/15 1/5 0.8. allocation non-tree sparse dense 1.2. 1.6. z / Bm. 図-2 主流速と 2 次流分布(ADV). 図-4 底面せん断応力の横断分布(ADV). れは樹木密度が大きいほど顕著であり,特に高水敷上 の縦渦が明瞭に観察される.図-3は2次流ベクトル強度. V 2 + W 2 の断面最大値と樹木間隔の関係である.樹. に輸送されたと考えられる.これらの特性は樹木密度. 5). が大きいほど促進される.. 木がないケースは U max の4%でLDAの計測結果 と一致 し,このことからも上述の相似性が示唆される.樹木. 図-4は式(1)で示す開水路乱流の対数則から評価した. 密度の増加とともに2次流強度も大きくなる.これらの. 摩擦速度 U * から求めた底面せん断応力 τ b ≡ ρU *2 の分. データを2次関数で近似すると密度の増加とともにほぼ. 布で,MC(Main-channel)およびFP(Floodplain)はそれぞれ低. 一定値に収束することがわかる.. 水路と高水敷を示す.. 図-2の主流速分布において重要な点は2次流による影. U + = 1 / κ ⋅ ln y + + A. 響を大きく受けることである.樹木無しケースでは赤. (1). サークルで示したように境界部から低水路に向かって 低速領域の分布が張り出すが,これはベクトルで示し. ここで U + ≡ U / U * , y + ≡ yU * / ν , κ = 0.412 および. た斜昇流によって輸送されるためである.一方で,樹. A = 5.29 である13).結果は横断方向の平均値τ b で無次. 木有ケースでは間隔が粗でも境界部で主流速の大きな. 元化した.樹木無しケースでは低水路センターで最大. 落ち込みが発生する.樹木が非水没状態(emergent)であ. 値をもち境界部から高水敷センターに向かって底面せ. るため,落ち込みの程度は鉛直方向にほぼ一定である.. ん断応力が減少する.また高水敷中央でも増加する.. 樹木無しのケースと比較すると境界部の減速分だけ周. この分布特性は図-2に示す主流速分布の結果と概ね一. 囲の領域において,主流速が増加することがわかる.. 致する.また樹木の存在によって境界部では底面せん. 境界部から低水路側にかけては,境界端から斜め45度. 断応力は大きく減少する.樹木密度が大きいほどこの. 上方に低速域と高速域の境界が存在する.低水路の水. 傾向が顕著となり,池田ら8)の実験結果のように樹木周. 面では下層よりも横断方向流速が大きいため,境界部. 辺では土砂の堆積が促進するかもしれない. これらの結果から,主流速分布がわかれば底面せん. における低速運動量塊が低水路センター側へより活発. 386.

(4) 土木学会論文集B Vol.66 No.4,384-394,2010.11. 水路と高水敷それぞれについて考える.パラメータ f ,. (a) non-tree (a) without vegetation. <U> 0.2 (m/s). MC 0.036 0.005 0.05. f λ Γ. 0.16. Wake. Γ および λ に定数を与えて,境界部において低水路側 と高水敷側の式(2)が連続する条件および水路側壁にお けるNon-Slip条件を用いて定数 A1 および A2 を決定する. この一連の手続きによって複断面流れの流速分布 U ( z ) が求められる.さらにShionoら10)は単列の樹木群 が境界部に存在する流れ場を表すための修正SKMを提 案した. この場合,式(2)の f / 8 が f / 8 + {N /(2 L)}⋅ C d S 0 H ' に 置き換わる.ここで L は水路長および N はその区間長 に存在する樹木の数である.彼らは適切なパラメータ を選定できれば実験結果と良好に一致することを示し ている.SKMに本実験結果を適用しその有用性を検証 する.植生なしケースにSKM,植生ケースに抗力項を 考慮したSKMモデルを適用してADV結果と比較したも のを図-5に示す.これより本ADVとSKMは比較的良好 に一致しており,植生密度の増加によるwake領域の流 速減少特性についてもSKMで定性的に再現できること が確認できた.ただし a = 1 / 15 の粗なケースにおいて は境界部の落ち込み幅について実験値との間にずれが 認められる.これは勾配拡散近似の導入などモデル化 の過程で生じる実現象との差異によるものかもしれな い.. FP 0.029 0.02 -0.05. 0.12 0.08 SKM (non-vegetation, SKM) (non-vegetation, ADV) ADV. 0.04 Main-channel. Floodplain. 0 0. 0.2. 0.4. 0.6. 0.8. 1. 1.2. 1.4. Z (m). sparse a = 1 / 15 (b) (b) small densitytree, l/d=15. <U> 0.2 (m/s) 0.16 0.12. MC 0.03 0.005 0.07. f λ Γ. 0.08. Wake 0.02 0.1 0. FP 0.023 0.02 -0.07. SKM (l=30cm, SKM) (l=30cm, ADV) ADV. 0.04 Main-channel. Floodplain. 0 0. 0.2. 0.4. 0.6. 0.8. 1. 1.2. 1.4. Z (m). dense tree, a = 1/ 5 (c)(c) large density l/d=5. <U> 0.2 (m/s). 0.16 0.12. MC 0.03 0.005 0.1. f λ Γ. 0.08. Wake 0.025 0.1 0.01. (2) レイノルズ応力分布の比較. FP 0.025 0.02 -0.1. 図-6,7および8に無次元レイノルズ応力 − uv / U m2 ,. SKM (l=10cm, SKM) (l=10cm, ADV) ADV. 0.04 Main-channel. Floodplain. 0 0. 0.2. 0.4. 0.6. 0.8. 1. 1.2. 1.4. z (m) 図-5 SKM と ADV 計測値の比較. 断抵抗の特性もある程度予測することが可能であるこ とが理解できる.Shiono & Knight11)は水深積分した運動 方程式におけるレイノルズ応力項と2次流項をモデル化 して,水深平均した主流速の横断方向分布 U ( z ) を次 のように表した. U = {A1 exp(γz) + A2 exp(−γz) + gS0 H ' (1 − β ) /( f / 8)}1/ 2 (2) 1/ 2. 1/ 4. Γ ∂  2  f  ここで, γ =    / H', β = , Γ = H' ρUW λ 8 ρ gS H ' ∂ z     0 および − uw = λU * H '. ∂U ∂z. である.. H ' は低水路および高水敷におけるそれぞれの水深であ る.また. は水深平均操作,上付バーは時間平均操作,. f は摩擦係数, S 0 はエネルギー勾配である.式(2)は低. 387. − uw / U m2 および − vw / U m2 の横断面コンターを示す. a) − uv の分布 樹木無しケースでは高水敷先端に負値がみられる. これは斜昇流によって境界部で主流速勾配 ∂U / ∂y が負 値になることに起因する.低水路と高水敷の底面では 通常の2次元境界層的な大きな正値が現れる.樹木の存 在による境界部の主流速の落ち込みはレイノルズ応力 にも影響する.樹木有ケースでは樹木無しケースと同 様に境界部の低水路側では負値の分布がみられるが, − uv の絶対値は樹木密度が大きいほど増加する.この 特性は樹木有ケースでは U の鉛直方向変化が植生無し ケースに比べて大きいことから理解できる. b) − uw の分布 樹木無しケースでは境界領域で負値分布がみられる. 符号が低水路と高水敷の流速差によるせん断不安定渦, すなわち水平渦の回転方向に対応している.この負値 の極大領域では水平渦によって横断方向の運動量交換 が促進されることが予想される.一方,樹木有ケース では樹木を境に低水路側で負,高水敷側で正の二極構 造となり,樹木無しケースとは異なる様相を呈する. またV字形の主流速分布によく対応している.この結果.

(5) 土木学会論文集B Vol.66 No.4,384-394,2010.11. a=0(non-tree). y/ D. × 10 −3. 2.0 0. 2.0. 0 -1.0 -2.0. 0 1.3. -0.9 -1.5. 1.0. a=0(non-tree). y/ D. 1.0. 0. 0. 1.0. 1.0. Floodplain. × 10 −3. Floodplain. 1.3. 0. 0 -1.0. 0. -0.5. 1.0. 0.5. z/ Bm. 1.5. -1.0. 0. -0.5. 1.0. 0.5. z / Bm. 1.5. 樹木なし. a=1/15(sparse). y/ D. × 10 −2. a=1/15(sparse). y/ D 2.0. 2.0. -0.4. 1.0. 0. 0.5. 1.0. 0 0 -0.2. 1.0. × 10 −2. 0. − uw / U m2. 0. 0 Floodplain. Floodplain 0.2. 0. 0 -1.0. 0. -0.5. 1.0. 0.5. z / Bm. 1.5. -1.0. 0. -0.5. 1.0. 0.5. z / Bm. 1.5. L/d =15. a=1/5(dense). y/ D. a=1/5(dense). y/ D. × 10 −2. 0 -0.6. 1.0. × 10 −2. 2.0. 2.0. -1.0 -2.0. 0.1. 0. 2.0 1.0. 1.0. -0.3. 0. 0. Floodplain. Floodplain 0.1. 0. 0 -1.0. -0.5. 0. 0.5. 1.0. z/ Bm. 1.5. -1.0. 0. -0.5. -0.05. =5 2 − uvL/d/ U m. 図-6 レイノルズ応力分布 − uv (ADV). より,低水路と高水敷間の運動量交換の特性は樹木の. 1.0. 0.5. − uw/Um2. z / Bm. 1.5. 0.05. 図-7 レイノルズ応力分布 − uw (ADV). a=0(non-tree). y/ D 2.0. 有無によって大きく異なることがわかる.. × 10 −3. 0. c) − vw の分布. -0.4. 1.0. − vw はLDAやPIVでは測定が困難なレイノルズ応力. 0. Floodplain. 0. 成分であるが,2次流の生成に関連する重要な乱流統計. 0. -1.0. 0. -0.5. 1.0. 0.5. 量である.この計測が可能であることがADVの大きな 利点である.樹木無しケースでは − uw と同様に境界隅 角部で負値が卓越する.これから v > 0 の時に w > 0 あ. z/ Bm. 1.5. 樹木なし. a=1/15(sparse). y/ D. × 10 −2. 2.0. るいは v < 0 の時に w < 0 となることがわかる.この特. 0.2 0. 0. 性と図-2の2次流の分布を併せて考えると,斜昇流の傾. 1.0. Floodplain. き が 瞬 間 的 に 増 加 (v > 0, w > 0) お よ び 減 少 0. (v < 0, w < 0) することがわかる.植生が存在すると境 界部から低水路側にかけて正値が増大し,植生無しケ ースとは異なる分布特性をもち注目に値する.. -1.0. 0. -0.5. 0.5. 1.0. z / Bm. 1.5. L/d =15. a=1/5(dense). y/ D. × 10 −2. 2.0 -0.2. 0.2. 0. 0. (3) 渦度方程式による2次流生成の説明 樹木密度は 2 次流の分布にも大きな影響を与えるこ. 1.0. Floodplain. とがわかった.この生成機構については渦度方程式に. 0. よって考察する.定常等流場の渦度方程式は次のよう. -1.0. -0.5. 0. 0.5. 1.0. z/ Bm. 1.5. − vw / U m2. に表せる.. 図-8 レイノルズ応力分布 − vw (ADV) V. (. ).  ∂2 ∂Ω x ∂Ω x ∂2 ∂2  +W = v′2 − w′2 +  2 − 2 vw + ν∇ 2Ω x (3)  ∂y ∂z ∂y∂z ∂y   ∂z. 左辺は移流項,右辺第1項は発生項,第2項は抑制項, 第3項は粘性項である. ν は粘性係数である. v' ≡ v 2 および w' ≡ w 2 は鉛直および横断方向の乱れ強度であ. Ω x ≡ ∂W / ∂y − ∂V / ∂z は縦渦に対応する x 方向の渦度,. る.第1項より乱れの鉛直および横断方向成分の差,す. 388.

(6) 土木学会論文集B Vol.66 No.4,384-394,2010.11. (a). (v'− w' ) / U m 0.0E+0. 0. non-tree. y/D. × 10 −4. 2.0. 0. 0. -1.0. -1.0E-3. 1.0. Floodplain -1.0. 0. -0.5. 0.5. Ω x (1/s) a=1/15(sparse). -0.3. y/D. 2.0. -1.0. -1.5. z / Bm. ●. a 0 1/15 1/5. 0.4. 0.8. ■ ▽. -2.0. -2.0E-3. 0.3. -2.5 -0.8. -0.4. 0. 0. 2.0. vw / U m2. (b). 2.5. 0.5. 1.0. z / Bm. y / D = 1.1. × 10 −4. 2.0. 0.6. FP. MC. 1.5E-4. 1.5. -0.4. 1.0. ■. 0.5. ▽ ●. a 0 1/15 1/5. 0.4. 0.8. 1.0E-4. 0. 0. -0.2. 5.0E-5. 0. Floodplain 0. -0.5. 1.6. 2.5E-4. Ω x (1/s) a=1/5(dense). -0.6. y/D. 1.2. z / Bm. Floodplain. -0.5. allocation non-tree sparse dense. -2.5E-3. 0. 2.0E-4. -1.0. FP. 0 0. 1.0. MC. -1.5E-3. 1.0. 0.2. -0.2. 1.0. y / D = 1.1. -0.5. -5.0E-4. 0. 0.5. allocation non-tree sparse dense. 0. 0.0E+0. 1.0. -0.5. z / Bm. -5.0E-5. -0.8. -0.4. 0. 1.2. 1.6. 0.6. z / Bm. 図-9 時間平均渦度の横断面分布(ADV). 図-10(a) v'− w' の横断分布,(b) vw の横断分布. -0.6. Ωx. (1/s). なわち乱れの非等方性が2次流生成と大きく関係するこ. 結果,樹木有ケースでは樹木無しケースよりも大規模. とがわかる.. な縦渦が生成されると考えられる. vw についても同様. 図-9は渦度 Ω x の分布である.正値が時計回り,負値. に,樹木密度が大きいほど境界部における横断方向の. が反時計回りの渦に対応する.負値領域には斜線を施. 変化が顕著であり,乱れ強度の非等方性およびレイノ. した.樹木無しケースの低水路/高水敷の境界部領域. ルズ応力が縦渦の生成において重要な役割をもつこと. に注目すると,境界より低水路側では負値がみられる. がわかった.. が,これは斜昇流にともなう主流軸をもつ渦に対応す る.一方で高水敷側では正値が分布し,低水路側とは 逆回転の方向をもつ渦構造に対応する.これらの渦は. (4) せん断応力と2次流およびレイノルズ応力の関係 水平渦による付加的な抵抗や,2次流と乱れの関係を. 図-2の2次流ベクトルからも理解できる.樹木有ケース. 考察するためにTominaga & Nezu5)にしたがって運動方程. では2次流渦の分布範囲が拡大する.特に高水敷では正. 式を水深方向に積分する.等流を仮定すると主流方向. 値分布が卓越する. a = 1/15では高水敷の z / Bm =0.5~. の運動方程式は次のようになる.. 1.0にかけて正値分布がみられる.また樹木密度が大き い a = 1/5の方が正値,負値の最大値はともに大きくな り,強い2次渦が生成されることがわかる.. V. 図-10(a)および(b)はそれぞれ y / D = 1.1における渦度.  ∂ 2U ∂ 2U ∂U ∂U ∂ (−uv) ∂ ( −uw) +W = gI e + + + ν 2 + 2  ∂y ∂y ∂z ∂y ∂z ∂z .   (4)  . 方程式の生成項と抑制項に関係する v'− w' と vw の横断. 低水路底面( y = 0 )と高水敷底面( y = D )で V = 0 ,お. 方向分布である. v'− w' の分布は樹木の有無によって大. よび水面 y = H でV = 0 , − uv = 0 の条件下で水深積分. きな差がある.樹木有ケースでは樹木無しケースと比. すると,. べて境界部で大きく落ち込む.これは樹木の後流によ. τb / ρ = gIexH′ +. って鉛直方向よりも横断方向の乱れが促進されるから. d H' (T − J ) dz. (5). この結果より樹木密度が大きいほど乱れの非等方性. となる.ここで H ' は低水路で H ,高水敷で ( H − D) で ある.τb / ρ = (−uv +ν∂U / ∂y) y=0 は主流 x 方向に作用する. ( v'− w' )が増加して境界部でこの変化が増加する.この. 底面せん断応力, I e は主流方向のエネルギー勾配で,. である.この傾向は樹木密度が大きい方が顕著である.. 389.

(7) 土木学会論文集B Vol.66 No.4,384-394,2010.11 (a). 5.0 2 T /U *. MC. MC. FP. 10.0. 4.0. ■. J : present ADV. 2. J /U *. 15.0 2. T /U*. FP ▲. 3.0. □ △. J : LDA by Tominaga & Nezu. 2.0. T J T J. LDA data by Tominaga & Nezu (1991). ■ ▽. 5.0. ADV data by present study. ●. a 0 1/15 1/5. allocation non-tree sparse dense. 0.0. 1.0 -5.0. 0.0 -1.0. T : LDA by Tominaga & Nezu. -2.0 -1. (T. -0.5. 0. 0.5. 2 − J ) /U *. -1. 1 z / B 1.5 m. -0.5. 0. 0.5. 1. z / Bm. 1.5. 5.0. MC. 2. (b). FP. J /U*. MC. 1.5. -10.0. T : present ADV. FP present ADV. 0.0. 0.5 ■ ▽. -0.5. ●. a 0 1/15 1/5. allocation non-tree sparse dense. -5.0. -1.5. -1. LDA data by Tominaga & Nezu. ■ □. LDA data by Tominaga & Nezu (1991) ADV data by present study. -0.5. 0. 0.5. 0. 0.5. 1. z / Bm. 1.5. 10.0. -2.5 -1. -0.5. 1 z / B 1.5 m. MC. 2. (T − J ) / U *. FP. 5.0. 図-11 付加せん断応力分布(樹木無し,ADV). ■ ▽ ●. a 0 1/15 1/5. allocation non-tree sparse dense. 0.0. T=. 1 H'. ∫. H. y1. − uwdy および J =. 1 H'. ∫. H. UWdy は,それぞれ. -5.0. y1. レイノルズ応力および2次流による付加抵抗成分を表す.. -10.0 -1. y1 は低水路で0,高水敷で D である.. -0.5. 0. 0.5. 1. z / Bm. 1.5. 図-11(a)は式(5)に表れる付加的なせん断抵抗への寄与 図-12 付加応力項のケース比較(ADV). 項の分布である.LDA結果5)と比較するために横断平均 した摩擦速度 U * で無次元化した.2次流 (UW ) による 寄与 J は境界部( z = 0 )で正のピークをもち低水路と高. 値も増加し,樹木による乱れ生成の寄与の影響が大き. 水敷に向かってそれぞれ減少する.境界近くのこのよ. いことが理解できる. J については全てのケースでMC. うな挙動はADVとLDAで少くなとも定性的によく一致. 側で負,FP側で正の分布が卓越するが, T の分布ほど. している.一方でレイノルズ応力による寄与 T はLDA. ケース間の差異は大きくない.図-2の2次流分布で考察. とADVでずれがあるものの境界近傍では負のピークが. したように実際には樹木密度が大きいほど2次流の大き. 現れる.これは水平渦に対応するものと考えられる.. さは増加するが,水面と底面側では W の向きが反対の. LDAの結果では高水敷側にわずかに正のピークがみら. ため,水深積分によって相殺されたものと考えられる.. れる.図-11(b)は寄与項のトータルである (T − J ) の分. このことから水深積分法は複雑な3次元流れをシンプル. 布である. (T − J ) の横断方向の微分値が付加せん断力. に解析できる反面,2次流効果を正確に考察するには不. となる.ADVとLDAの両者において境界部で負のピー. 十分な点もある. (T − J ) については,その横断勾配. クをもって値が落ち込む.このことから低水路では. d (T − J ) / dz は境界極のMC側で負,FP側では境界極近. (T − J ) の微分値が負となり,底面抵抗が減少すること. 傍で正,少し離れると負の分布をもつ.樹木密度が大. を意味することがわかる.境界から高水敷にかけては. きいほどこの傾向は強い.これらの結果より,MCの底. 微分値が正となり抵抗が増加する.ADVデータでは高. 面せん断抵抗は,樹木の有無に関わらず,境界近傍で. 水敷の中央付近の z / B m = 0.9 で境界部と同様に負のピ. 減少作用が働く.一方で高水敷上では底面せん抵抗は. ークが発生し,この領域をはさんで抵抗の増減が起こ. 樹木のwake領域では増加,領域外部では減少作用が付. る.. 加的に発生する.. 図-12は T , J および (T − J ) を樹木有ケースと比較し. 図-4より底面せん断応力は高水敷と低水路の境界で. たものである. T については樹木密度の増加とともに. 大きく落ち込む.図-12の (T − J ) の勾配を考えると境. 境界部のMC側で負,FP側で正となる傾向が顕著であり,. 界極近傍 (0 < z / B m < 0.1) を除くと境界部で負値とな. 390.

(8) 土木学会論文集B Vol.66 No.4,384-394,2010.11. 布が生じる.したがって低水路と高水敷の物質や運動. z / Bm. Flow. tree. MC. -0.5 0.5. ADV. 1.1. 00. 量の交換を考えるためには複数の主流方向位置におけ. tree y / D = 1.1. る流れ構造およびそれらの変化特性を知る必要がある. そこで次節では数値計算を援用して樹木密度と物質交. 1. 換特性の関係を明らかにする.. 0.6. FP. 0.7. -0.50.5. 0.8. 0 0. 4. 数値計算による物質交換特性の考察 0.5. 5. 1.0 15. 10. x/ d. 一般に物質濃度の時間空間的な計測を高精度に行う. U / Um. ことは困難であるので,ここでは数値計算手法を適用 する.本研究では流体運動を 3 次元 LES によって解析. 図-13 ADV による主流速の水平面分布, a = 1 / 15. z / Bm. し,同時に空間平均化した次式の濃度輸送方程式を解 くことで,3 次元空間の瞬間流速分布と濃度分布を時系. LES. Flow. 列に算出した.. y / D = 1.1. -0.5. MC 0. 0.6. FP 0.5. ∂[c~ ] ~ ∂[c~ ] ∂ 2 [c~ ] + [u i ] = ( D + Dt ) ∂t ∂x j ∂x j ∂x j. 1.1 1.0. 0. 均したグリッドスケールの水理量を表す. D は分子拡. U /U m. 散係数, Dt は乱流拡散係数である.ここでは Dt >> D として D を無視するとともに, Dt は Smagorinsky モデル. 15. 10. 5. 0. ここで, [ ] は計算グリッド幅をフィルタとして空間平. 0.7. 0.8. (6). x/d. 1.2. によるサブグリッドスケールの渦粘性係数を与えた. 計算グリッド数 ( x, y, z ) は 400×100×100 であり,水. 図-14 LES による主流速の水平面分布, a = 1 / 15. 理条件は実験値に合わせた.また実験では扱わなかっ た1 / a = 2.5, 10, 20, 30, 40, 60 および 120 についても. り,τの減少に対応する.一方で境界極近傍では正値. 計算した.樹木群は抵抗効果を基礎式に考慮する方法. となりτの局所的な落込みに矛盾するが,これは式(5). ではなく,計算グリッド上で定めた樹木領域に流速ゼ. の H ' が低水路と高水敷で異なる値をもつことが原因か. ロの境界条件を与えた.これによってカルマン渦など. もしれない.すなわちこの解析法では低水路と高水敷. の剥離乱流渦の影響も再現できる.流下方向には周期. を連続的に考察する場合,十分に注意しなければなら. 境界条件,壁面には no-slip 条件,水面は VOF を用いた.. ない.. 時間刻み 5 × 10 −4 s で 30 万ステップ計算すると流れは完 全に発達した.発達後に低水路の全領域に一定濃度. (5) 水平面分布. C const を与え,濃度輸送計算を併せて行った.. 図-13 は a = 1 / 15 の y / D = 1.1 における U / U m の水. 図-14 は a = 1 / 15 の y / D = 1.1 における U / U m の水. 平面 ( x − z ) 分布である.樹木背後には剥離流による低. 平面分布である.図-13 の ADV による計測結果に対応. 速領域が現れる.U / U m < 0.6 の領域は樹木間のほぼ真. する.LES の結果は樹木背後における低速領域の横断. 中にまで及ぶが,U / U m < 0.7 の領域は下流側の樹木に. 幅が,計測値よりも小さいものの,低速領域の流体が. まで広範囲に分布する.Cantwell & Coles14)の実験結果に. 流下とともに加速される様子や低水路と高水敷の流速. よると後流の渦度分布は円柱背後から流下方向に沿っ. 差を良好に再現できる事が確認できた.. て減少するが,円柱径の 6 倍程度の距離以後は一定値 に漸近する.U / U m < 0.6 を後流の影響領域と仮定すれ ば,この領域は x / d = 6 ~7 付近まで分布することから, 彼らの結果と一致する.. 図-15 は a = 1 / 15 の y / D = 1.1 における瞬間ベクトル ~ ]) と [u~ ] / U のコンターである.円柱背後にカル ([u~ ], [w m マン渦が発生することが確認できる.また低速領域は 蛇行しており,図-13 および 14 で示された時間平均場. a = 1 / 5 よりも密なケースであれば低水路と高水敷の. と異なる様相を呈する.特に ADV によるポイント計測. 境界部では後流の影響がほぼ一様に分布する.一方で. ではこのような瞬間流速の空間分布を知ることができ. 粗なケースでは下流側の樹木に到達する前に後流の影. ないが,数値計算とうまく組み合わせることで現象の. 響が減衰するために,主流方向には流れの局所的な分. 正確な解明が可能になる.. 391.

(9) 土木学会論文集B Vol.66 No.4,384-394,2010.11. Karman vortex. Um. Karman vortex. Flow. FP. MC. -0.05. 0.05 0.1. z / Bm. u~ /Um. 0. 1.2. 図-15 数値計算による樹木背後のカルマン渦(LES), a = 1 / 15. 図-16 は a = 1 / 15 における無次元濃度分布 [c~ ] / C const. (b) Cross-sectional plain y-z plane. x-z plane plain (a) Horizontal. Flow. z / Bm. の時系列変化を y / D = 1.1 の水平面と樹木間の横断面. location of y-z plane. -1.0. 1.0 1.0. FP. 0. を示す. t = 0 s では低水路の全領域に一定濃度を与え た.また t = 0 s では流れは完全に発達している.. 1.5. Floodplain. location of crosssectional plain. 0. MC. ら高水敷へ,一方で水面付近では高水敷から低水路へ. FP. 濃度輸送が進むことがわかる.すなわち同一断面にお. 1.5. Floodplain 0. 0. 0. [c~C] // CCconst const. MC. 1.0 1.0. FP. Floodplain 0. const. -1.0. 0. t=13.5s. 1.5. 0 0. 低水路に向かう強い横断流が発生しており,それにと もなって高水敷の低濃度分布が低水路領域に侵入する. 図-16. ことがわかる.横断面に着目すると境界部に縦渦構造. 1.0. 2.0. 0. 面図において白サークルで示した領域には高水敷から. z / Bm 1.5. y/D. -1.0. 図-17 は a = 1 / 15 のある瞬間における水平面と横断面 の流速ベクトルと濃度コンター [c~ ] / C を示す.水平. 1. 2. x/ L. 3. [~cC] //CCconst const. z / Bm 1.5. 1.0. 水平面( x − z 面)と横断面( y − z 面)における濃度 分布の時系列変化(LES). が観察される.この縦渦の回転方向と濃度分布の輸送 方向が一致しており,水平面の乱流構造だけでなく主. 木無しケースの値 E non −tree で無次元化してある.最密. 流軸をもつ 2 次渦も低水路と高水敷の濃度交換にとっ. ケースでは最も交換率が低いが,これは樹木によって. て重要な役割をもつことがわかる.すなわち 3 次元的. 横断方向の流れが遮蔽されるためである.密度が小さ. な交換現象が卓越する. 樹木密度と濃度交換の関係特性を明らかにするため. くなるにつれて遮蔽効果が減少し,同時に交換率も増 加する.交換率は 1 / a = 10~30 付近で最大となる.さ. に濃度交換率 E を次式で定義する.. MC. -1.0. t=1.5s. z / Bm. だけでなく鉛直輸送も重要であることがわかる.. 1.0. 1.0 1.0. 0. いてでも高さによって輸送の向きが変化し,水平輸送. z / Bm 1.5. 2.0. -1.0. 特に横断面の結果から, y / D = 1.5 付近では低水路か. ∫∫∫. 0. [c~ ]C/ /CCconst const. y/ D. z / Bm. することがわかる. t = 13.5 s ではさらに交換が進む.. (Cconst − C ( x, y, z ))dxdydz /. -1.0. t=0.0s 0. t = 1.5 s では水平面および横断面ともに濃度交換が発生. E≡. elevation x-z planeplain elevation of of horizontal. 2.0. MC. について示したものである.白点線は双方の断面位置. y/ D. らに密度が小さくなると交換率は減少し,1 / a = 60 で 極小値をもつ.これは密度の減少とともにカルマン渦. ∫∫∫. Cconst dxdydz (7). が下流側の樹木に到達するまでに拡散あるいは消滅す. MC. る頻度が高いからと考えられる.さらに密度が減少す ると交換率は再び増加し,樹木無しケースで高い交換. E は初期状態で低水路の全体積領域(MC とよぶ)に与え. 率が得られる.これは通常の複断面流れに近づくにつ. た濃度の相対変化量を示し, E が大きいほど交換効率. れてカルマン渦と比べて大規模なスケールをもつ水平. が高いことを意味する. C ( x, y, z ) は濃度交換が収束し. 渦が発生し,これが濃度交換を担うためと考えられる.. た段階における 20 万ステップの時間平均値である.こ. 樹木が存在する場合には 1 / a = 10~30 が交換率が最. れを全ケースについて計算した結果を図-18 に示す.樹. 大である.2 節で述べたように実河川水域の樹木間隔は. 392.

(10) 土木学会論文集B Vol.66 No.4,384-394,2010.11. z/ Bm. Flow. tree. ころ樹木密度に関わらず良好に一致した.. (a) Horizontal plain tree. 2). -0.1. MC. また水深積分解析より,これらが付加底面抵抗と なることを確認した.. FP. 3). 平渦やカルマン渦だけでなく,縦渦の寄与も大き. x. (b) Cross-sectional plain. y/ D. LESによって流れの3次元構造と濃度輸送をシミュ レーションした.低水路と高水敷の濃度交換は水. cross-sectional plain. 0.1. いことがわかった. 4). elevation of horizontal plain. 樹木が存在する場合には,配置間隔が径の10~30倍 の密度の範囲で,効率的な濃度交換が現れる.こ の樹木密度は自然河川の水域にみられる樹木群の. 1.1 1.0. ものとほぼ一致する.. Floodplain 0. 樹木密度が増加すると,2次流や乱れも増加する.. 0. -1.0. 1.5. [~c ] / Cconst. 謝辞:本研究は,関西エネルギー・リサイクル科学研. z/ Bm. 究振興財団の研究助成の下で行われた.また京都大学. 図-17 後流と 2 次流による 3 次元的な濃度輸送(LES). 工学研究科修士課程鈴木壮平氏には乱流計測およびデ ータ整理をサポート頂いた.ここに謝意を表する.. E / E non −tree. 参考文献. 1.1 a = 1 / 15. 1) 池田駿介,村山宣義,空閑健:複断面開水路水平渦の. non-tree. 安定性とその 3 次元構造,土木学会論文集,No.509/II-. 1. 30,pp.131-142,1995. 2) 禰津家久,鬼束幸樹,相良幸輝,池谷和哉:かぶり水 深の変化が複断面開水路流れの組織渦に及ぼす影響に. a = 1/ 5. 0.9. 関する研究,土木学会論文集,No.649/II-51,pp.1-15, sparse. dense. 2000.. 0.8. 3) van Prooijen, B. C., Battjes, J. A. and Uijttewaal, W. S. J.: 1. 10 100 1,000 tree interval 1/ a = l / d. Momentum exchange in straight uniform compound channel flow, J. Hydraulic Eng., Vol.131, pp. 175-183, 2005.. 図-18 濃度交換率と樹木密度の関係. 4) Ikeda, S. and McEwan, I. K.: Flow and sediment transport in compound channels, IAHR monograph, 2009. 5) Tominaga, A. and Nezu, I.: Turbulent structure in compound. 1 / a = 10~20 に集中することとほぼ一致する.これは. open channel flows, J. Hydraulic Eng., Vol.117, pp. 21-41,. 洪水時に低水路流の溶存栄養分を最も効率的に高水敷. 1991.. 上へ輸送させるために,樹木の配置が自然淘汰的に形. 6) 石垣泰輔,今本博健:可視化法による複断面開水路流. 成された事を意味するかもしれず,とても興味深い結. れ の 3 次 元 構 造 に 関 す る研究 , 土 木 学 会論 文 集 ,. 果である.ただし全く植生の無い状態から植生群落が. No.515/II-31,pp.45-54,1995.. 形成される際にどのような最適配置間隔を有するかや. 7) 福岡捷二,渡邊明英,大橋正嗣,姫野至彦:樹木群の. 枝葉の抵抗効果については今後の課題である.. 水制的利用可能性の研究,水工学論文集,Vol.41, pp.1129-1132,1997.. 5. 結論. 8) 池田駿介,河村一弘,福元正武,佐野貫之:低水路側 岸部に植生を有する複断面開水路に生じる組織渦と横 断方向浮遊砂輸送,水工学論文集,Vol.44,pp.795-800,. 本研究では,低水路と高水敷の境界部に単列樹木群. 2000.. が存在する複断面開水路流れを対象に ADV 計測を行い. 9) Sun, X. and Shiono, K.: Flow resistance of one-line. 3 次元の乱流構造を明らかにした.. emergent vegetation along the floodplain edge of a. 以下に主要な結果をまとめる. 1). compound channel, Advances in Water Resources, Vol.32,. 樹木群によって流速分布は低水路と高水敷の境界. pp.430-438, 2009.. 部で大きく落ち込み,通常の複断面流れとは異な. 10)Shiono, K., Ishigaki, T., Kawanaka, R. and Heatlie, F.:. る特性をもつ.また本実験値をSKMに適用したと. Influence of one line vegetation on stage-discharge rating. 393.

(11) 土木学会論文集B Vol.66 No.4,384-394,2010.11. curves in compound channel, Proc. 33rd IAHR Congress,. 13)Nezu, I. and Nakagawa, H.: Turbulence in Open-Channel. Vancouver, 8pages on CD-ROM, 2009.. Flows, IAHR Monograph, Balkema Publishers, Netherlands,. 11)Shiono, K. and Knight, D. W.: Turbulent open-channel. 1993.. flows with variable depth across the channel, J. Fluid. 14)Cantwell, B. J. and Coles, D.: An experimental study of. Mechanics, Vol.222, pp. 617-646, 1991.. entrainment and transport in the turbulent near wake of a. 12)山上路生,禰津家久,鈴木壮平:ADV を用いた大型. circular cylinder, J. Fluid Mech., Vol. 136, pp. 321-374,. 複断面開水路の 3 次元乱流構造に関する研究,応用力. 1983.. 学論文集,Vol.12, pp.769-778, 2009. (2010. 3. 24 受付). TURBULENT STRUCTURE AND CONCENTRATION TRANSPORT PROPERTIES IN COMPOUND OPEN-CHANNEL FLOWS WITH ONE-LINE EMERGENT TREES Michio SANJOU, Kota ITAI and Iehisa NEZU Vegetation such as trees and shrubs are often observed at the floodplain edge in natural rivers. Spanwise profiles of streamwise velocity component are influenced significantly by the drag force of trees. It is thus very important to investigate these hydrodynamic properties and turbulence structure considering the emergent vegetation effects in river engineering and eco hydraulics. So, in the present study, turbulence measurements by 3-D acoustic Doppler anemometer (ADV) were conducted in wide laboratory flume, in which several cylinders are placed as tree models. It is, furthermore, 3-D LES was conducted to simulate concentration transport properties in these complex flows and it is found that there is a maxim exchange rate of concentration between the main-channel and floodplains.. 394.

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参照

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