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沖縄県における障害者をかかえている家族の生活実態調査報告(その1)-障害者本人の生活実態について-: 沖縄地域学リポジトリ

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Title

沖縄県における障害者をかかえている家族の生活実態調

査報告(その1)−障害者本人の生活実態について−

Author(s)

谷口, 正厚

Citation

沖大経済論叢 = OKIDAI KEIZAI RONSO, 11(1-2): 1-23

Issue Date

1987-03-31

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/6756

(2)

沖縄県における障害者をかかえている

家族の生活実態調査報告(その')

-障害者本人の生活実態について- 谷口正厚 はじめに I調査結果の基礎的データ ①調査票の配布と回収 ②障害者の年齢別構成 ③障害の種類別、重度別構成 ④障害者をかかえている家族の社会階層 Ⅱ障害者本人の状態 1健康状態 2遊び相手、友達の有無 3遊び場、公園の有無、外出の状況 4学校卒業後の状況 5仕事についてから変ったこと、仕事についての不満 6在宅の障害者 おわりに めに lさ じ 本稿は、1985年から沖縄大学ですすめられてろ「戦後沖縄の社会変動と 家族についての総合的基礎的研究」というテーマの共同研究の一環として行

われた「障害者をかかえている家族の生活実態調査」の第1次報告である。

この調査は、障害児学校の教員や障害者によびかけて「障害者の家族問題研 1

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究会」を組織しておこなわれたものである。調査票の配布と回収は1986年

8月から1987年1月にかけて実施ざれプごb( 研究にあたって、私たちは、単に研究のための研究にとどまることなく、 障害者をかかえている家族の問題を解決するために研究するという姿勢を貫 くことを心がけた。調査対象としては、市町村の障害児者の親の会、母子通 園事業に通う父母、共同作業所の父母、障害児学校の父母を対象とし、ちえ おくれの障害者をかかえている家族に焦点をしぼった。その理由は、まず第 1に、障害者と家族がかかえている問題を具体的にみようとすると、全ての 障害者に共通する問題とともに障害の種類による相違もでてくるであろうこ とを予想して、対象をしぼったこと、第2に、復帰後、多くのちえおくれの 障害児の親の会が、各市町村に作られ活動をしてきており、調査への協力が 得られる見通しも高かったことである。さらに、沖縄の日本復帰、1979年 の「養護学校の義務制実施」、1981年から始まる「国際障害者年」と、大 きな社会変動の中で、ちえおくれの障害児者を取りまく状況は大きく変わり、 様々な前進面があったと同時に、今、学校卒業後の問題、成人期障害者対策 の問題が大きな問題となっていろ。それゆえに、現時点で、ちえおくれの障 害児者をかかえている家族の実態を全体的にとらえることは重要な意味をも つと考えられるからである。これが、第3の、そしてもっとも大きな理由で ある。 実態調査は次の3つの段階で進められてきた。 第1段階障害児者親の会に調査の意義を訴え、協力要請を行い、障害児 者をかかえている家族のもっている問題について父母から具体的な話を聞く 段階(1985年9月から1986年3月まで)。この段階で4度の懇談会を持 ち4回の「懇談会だより」を発行し各親の会に配布した。 第2段階第1段階の資料をもとに、調査票の作成と調査の具体的な計画 をたてる段階(1986年4月から1986年7月まで)。この段階で1度親の 会との懇談会を持った。 第3段階調査票の配布と回収(1986年8月から1987年1月まで)。 この間、2度の「調査レポート」(ニュース)を発行し、各親の会に配布し 2

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た。 第4段階調査結果の第1次の集計、分析(1986年12月から1987年 3月まで)。 この調査は、調査対象者を計画的に選び、調査員による面接調査を行うと いう方法ではなく、親の会の協力がえられるところに出来るだけ広く調査票 を配布し、回収するという方法で行った。一つには調査費用が乏しいため、 もう一つは障害者問題に理解を持った調査員の確保の困難のため、これはや

むをえないことであった。とくに後者は、この分野を研究する研究者、学生、

大学院生の少いところで直面する共通の壁であろう。しかし、親の会に依拠

し、その納得と協力を得て行うこのような調査でこそ、障害者と家族の持つ

問題をリアルに引きだすことができるのではないかというのが私達の考えで

もあった。調査票の回収数では、私達の予想を越える510人という数の回答

を得ることが出来た。ここに反映された親の会の力と問題解決への願いの強

さは、内容の面においても、この調査に独自の意義を与えるものと思われろ。

調査票の内容は、本稿の最後に資料として示しておく。ここでは、調査結

果の全体を報告することは出来ないので、障害者本人の状態にしぼって報告 をしたい。 I調査結果の基礎的データ ①調査票の配布と回収 調査票の配布、回収は沖縄県のほぼ全域にわたっていろ。配布は親の会の全 員に対してではなく、親の会が必要あるいは可能とみた部数を配布したため、 親の会によってまちまちである。また、回収方法、回収数、回収率もまちま ちである。把握されている配布数は953部であるが、親の会によっては、不 足分をコピーして配布したところもあり、把握もれのものも含めて、約1000 部であろう。回収総数は510人で、回収率は約50%である。 ちえおくれの障害者については、基礎統計不備のため障害者の実数が 3

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把握されてないので、障害者をかかえている家族全体に占める回収数の比

率はわからない。これを近似的に示すものとして手元にある市町村の世帯数

統計(1983年10月1日現在)と市町村単位での回収数を比較してみろと、

読谷村が0.63%で最も高い。ついで、金武町0.59%、嘉手納町0.55%、石

川市035%、宜野湾市022%、沖縄市0.21%、糸満市020%、石垣市

019%、名護市0.18%となっている。全体では0.16%であるが、県下最大

の都市那覇市で0.09%とデータ量が少なく、今後に課題を残した。なお、1987

年3月末現在での沖縄県全体の療育手帳交付数は3647人で(県障害福祉課)、

これに対する回収総数510人の比率は140%である。 ②障害者の年齢別構成 障害者本人の年齢別構成をみろと、0~5才 (就学前)が83人(163%)、6~17(就 学期)が213人(417%)、18才以上(卒業 後、成人期)が189人(37.0%)、不明が25 人(49%)である(表l)。18才以上のう ち、40才以上はわずかに4人と少ない。これ は、多くの親の会が、障害児教育、乳幼児対策 (就学前対策)にかかわって組織されてきたこ と、そして、親の会の歴史がまだ浅いこと、親 が高齢化すると、親の会に組織されることも難 表1 障害者の年齢階層

が高齢化すると、親の会に組織されることも難しくなること、さらに、調査 票の質問項目が細かいものになったため答えるのが難しかったと思われるこ となどの要因によって少なくなった6のではないかと思われろ。高齢の障害 者、およびその家族の生活実態についてはさらに独自の調査が必要であると 思われる。 また、就学前83人のうち、約70人が、市町村の親の会ではなく、母子通 園事業、障害児保育に通園している児童の父母を通して得られた回答によっ て占められている。 4 年令階層 人 0 へ‐ 5 83 6 ~ 11 97 12 ヘー 17 116 18 ~ 25 146 26 へ‐ 39 39 40 戸、= 以上 4 無回答 25 合計 510

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③障害の種類別、重度別構成 障害の種類をみろと、ちえおくれの障害者が422人であるが、そのうち、

ちえおくれのみの障害者が193人で、他の障害と重複するものが229人で

ある。また、ちえおくれの障害を含まないものは80人で、そのうち、単一

障害が59人、重複障害が21人である。(表2)。

また、障害の程度を障害者手帳に表2障害の種類別構成

震曇iilil

よってみると、療育手帳重度(A、B) が112人、身障手帳重度(1,2級) が86人、療育手帳中軽度(C、D) が158人、身障手帳中軽度(3~7鋤 が10人、手帳を所持しているが級 不明のものが35人、手帳の非所持 者が80人である。重度障害はあわ せて198人であるが、このうち身障 手帳重度の49人はちえおくれの障 害を持っていろ。したがって、ちえ おくれの障害を持っているもので重 度のものは161人である。 表3障害の重度別構成 表4性別、障害別にみた障害者の年齢構成 年令O~56~1112~1718~2526~3940以上 障害

6~1112~1718~2526~3940以上無回答計

丙面

,i」

i|

|‐11

|il

83971161463925510 5 人数 構成比 ちえおくれ 193 37.8 ちえおくれ(重複) 229 44.9 その他の障害 59 11.6 その他の障害(重複) 21 4.1 不明・無回答 8 1.6 計 510 100 人数 構成比 療育手帳A・B 112 22.0 身障手帳1.2級 86 16.9 療育手帳C・, 158 31.0 身障手帳3~7級 10 手帳所持者で級不明 35 手帳非所持 80 1 不明・無回答 29 計 510 100 男 ちえおくれ ちえおくれ(重複) その他の障害 その他の障害(重複) 不明・無回答 小計 O~5 227416 111 4 6~11 79 32 200 8 6 12~17 306201 34 8 18~25 302229 341 8 26~39 473105 1 40以上 101002 無回答060006 計234 041937 0 11 3 女 ちえおくれ ちえおくれ(重複) その他の障害 その他の障害(重複) 不明・無回答 小計 0~5 176217 11 3 6~11 963109 1 2 12~17 732204 11 3 18~25 905307 13 5 26~39 921204 1 2 40以上 101002 無回答120014 6911 70802 7 8 1 男女不明 0 0 1 0 0 0 15 16 総計 83 97 116 146 39 4 25 510

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この中で、手帳の非所持者が80人あるのは、調査対象者が父母会に組織 されていることを考えろと、大きな数字であると思われる。手帳非所持者の年 齢構成をみろと、O~5才で48.2%が非所持であり、6~11才でも22.7 %が、12~17才でもなおかつ10.3%が手帳非所持者である。 (表4)で、性別、障害別にみた年齢構成を示しておく。 ④障害者をかかえている家族の社会階層 障害者の家族の社会階層を、生計中心者の職業によって次の9つの 階層に分けた(表5)。労働者5人以上を雇う事業者18人と、雇用者の

規模5人以上の企業で雇用されていろ「管理職」15人は経営者層とし

た。また、自営業者については、4人以下の雇用者を雇う事業者16人と家 族経営、単独経営の事業者69人および農業従事者14人を自営業者とした。

以上、これらの3つの表5家族の社会階層

分類、すなわち、年齢別、 障害別(障害の程度別)、 社会階層別の3つの分類 をクロス集計の基本視角と して、以下、分析を行う。 Ⅱ障害者本人の状態 1健康状態 まず、障害者本人の健 康状態からみてみよう。 「健康状態は(どうで すか)」という質問に すか)」という質問に対して、「良好」と答えたのは373人、(73.1%) である。これにたいして、「体の調子がよくない」(30人、59%)、「医 者にみてもらっていろ」(77人、15.1%)で両者あわせて107人で、全 6 経営者層 33 自営業者層 99 労働者階級 官公庁(常勤) 56 軍雇用 10 民間企業(規模500人以上) 20 同上(30人~499人) 47 同上(5人~29人) 46 同上(4人以下、臨時、パート) 44 無業者 19 階層不明 事業者で階層不明 12 労働者階級で階層不明 55 無回答 69 計 510

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体の210%が健康でない状態にある。

「体の調子がよくない」(=不調)と「医者にみてもらっていろ」(=通

院)の合計を障害別にみてみると、「その他の障害(重複)」の場合が333

%でもっとも高く、ついで「ちえおくれ(重複)」が25.8%といずれも重複障

障害の場合にその比率が高くなっていろ。障害の程度別にみても身障重度の

場合が36.0%でもっとも高い。(表6,7)

表6-1障害別にみた本人の健康状態 ①良好②T調③通院④無□答②+③①~④+ ちえおくれ158919728193 らえおくれ(重複)15314451759229 その他の障害444921359 その他の障害(重複)12342721 丁明無口答600208 373307730107510 表6-2障害別にみた本人の健康状態(構成比、%) ①良好②丁凋③通院④無□答②卜③①~④+ ちえおくれ819479836145100 ちえおくれ(重複)6686119774258100 その他の障害74668153342201001 その他の障害(重複)57114319095333999 丁明無□答750002500100 +7315915159210100 ;の程度別にみた本人の健康状態

「罐|÷

-7- 障害 表7 1 ①良好 ①良好 ②不調 ③通院 ④無回答 ②+③ ①~④計 ちえおくれ 158 9 19 7 28 193 ちえおくれ(重複) 153 14 45 17 59 229 その他の障害 44 4 9 2 13 59 その他の障害(重複) 12 3 4 2 7 21 不明・無回答 6 0 0 2 0 8 計 373 30 77 30 107 510 ①良好 ②不調 ③通院 ④無回答 ②+③ ①~④計 ちえおくれ 81.9 4.7 9.8 3.6 14.5 100 ちえおくれ(重複) 66.8 6.1 19.7 7.4 25.8 100 その他の障害 74.6 6.8 15.3 3.4 22.0 100.1 その他の障害(重複) 57.1 143 19.0 9.5 33.3 99.9 不明・無回答 75.0 0 0 25.0 0 100 計 731 5.9 15.1 5.9 21.0 100 ①良好 ②不調 ③通院 ④無回答 ②+③ ①~④言 療育A・B 83 6 17 6 23 112 身障1.2 50 11 20 5 31 86 療育C・, 126 5 19 8 24 158 身障3~7 7 0 3 0 3 10 手帳所持者で級不明 26 4 3 2 7 35 手帳非所持者 64 3 9 4 12 80 不明・無回答 17 1 6 5 7 29 計 373 30 77 30 107 510

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表7-2障害の程度別にみた本人の健康状態(構成比、%) ①良好②丁凋③通院④無ロ答②+③①~④T 療青AB74154152542051001 身陣125811282335836100 療育cD7973212511521do 身陣3~770030030100 手帳所持者て級オ明743114865720100 手帳非所持者80381135151001 才明無回答58634207172241999 斗731591515921100 年齢別にみろと、就学前から小学校へ上がるなかで「体の調子がよくない」、 「医者にみてもらっていろ」の合計が20.5%から134%へ減少している。 しかし、学校卒業後、やがて再び上昇し、「26才以上40才未満」になると 410%に達していろ。 学校卒業後の障害者の就業、施設入所状況別に健康状態をみろと表8のよ うになる。 表8 就業状況別、施設入所状況別にみた本人の健康状態 数の少ない「職業訓練所」「自営業」を除けば、更生施設が47.6%でも っとも高くついで共同作業所が321%と2番めに高い。療育手帳、身障手帳 ①良好 ②不調 ③通院 ④無回答 ②+③ ①~④計 療育A・B 74.1 54 15.2 5.4 20.5 100.1 身障1.2 58.1 12.8 23.3 5.8 36 100 療育C・, 79.7 32 12 5.1 15.2 1.0 身障3~7 70 0 30 0 30 100 手帳所持者で級不明 74.3 11.4 8.6 5.7 20 100 手帳非所持者 80 3.8 11.3 5 15 100.1 不明・無回答 58.6 3.4 20.7 17.2 24.1 999 計 73.1 5.9 15.1 5.9 21 100 ①良好 ②不調 ③通院 ④無回答 ⑤ ̄  ̄ (②+G、 (①~④ 計)⑥=

會鍋

共同作業所 授産施設 更生施設 職業訓練所 自営業 民間企業 その他 計 37 29 8 0 0 25 19 121 5231002 3 1 3 1 870107 6 3 1231111 0 1 800 111 1109 9 4 56 41 21 2 2 26 29 180 14600 2 ●●●●■ 1。 2470003汀 32455

(10)

重度の障害者の比率が、更生施設で最も高く、71.4%であり、ついで、共同

作業所が518%と2番めに高いことがその背景にあるように思われろ。

社会階層別にみろと、「臨時・パート・規模4人以下の企業で働く労働者」

と「無業者」の階層で「体の調子がよくない」と「医者にみてもらっていろ」

の比率が、あわせてそれぞれ44人中13人で295%、19人中7人で368

%と高くなっているのが目だつ。 2遊び相手、友達の有無

「遊び相手、友達がいない」と答えたものは94人(18.4%)、「保育所、

学校等ではいるが、近所にはいない」と答えたものは137人(26.9%)に

達していろ。両者合わせると46.3%と約半数に近い。

年齢別にみろと、年齢が上がるにともない、小学校、中高校就学期に「友

達がいない」ケースが増え、学校卒業後減少していろ。(表9)。

表9年齢別にみた友達、遊び相手

2536.0 141 510 46.3

社会階層別にみろと、「無業者」の階層で3L6%とかなり低い数字がでて

いるほかは大きな差はみられなかった。

障害別にみろと、「ちえおくれ」の場合は、「その他の障害」の場合と比

べて「友達がいない」と答えた比率が高い(表’0)。表には示されていな

いが、自閉症で重複の障害を持っている場合は、「近所にはいない」「いな

①近所に はいない ②いない ③  ̄  ̄ (①+②) ④=年齢別総計 ③÷④×100㈹ 0 戸、- 5才 28 12 40 83 48.2 6 宍~11才 38 12 50 97 51.5 12界~ 17才 52 22 74 116 63.8 18~25才 15 34 49 146 33.6 26~39才 2 12 14 39 35.9 40才以上 0 0 0 4 0 NA 6 3 9 25 36.0 計 141 95 236 510 46.3

(11)

表10 障害別にみた本人の友達、遊び相手 573794193487 7150121229528 1241659271 0222195 1238375 14195236510463 い」をあわせると75.9%に達していろ。 近年、一般の子供達も地域で遊べなくなっていることが指摘されている中 で、障害児者の遊び相手、友達がいないという結果が出てくるのは予想され たことかも知れないが、大きな問題であろう。 3遊び場、公園の有無、外出の状況 「安心して利用できる遊び場、公園がありますか」の問いに対して、「あ る」と答えたのは216人、444%で、224人、439%の人が「ない」と答 えている。また、外出について、「ほとんど外出しない」と答えている人が、 45人、88%ある。障害別にその内訳を見ろと、自閉症(重複)のものが4 人で自閉症(重複)の障害者総数29人に対して13.8%、ちえおくれ(重複) のものが21人で総数173人に対して121%とほとんど外出しない障害者の比率 が高くなっている。 4学校卒業後の状況 回収総数510人の内、学校卒業者は177人である。現状をみろと大部分が、

共同作業所(56人、学校卒業者177人に対して316%以下同じ)、授産施

設(41人、232%)と更生施設(21人、11.9%)であり、この3つで118 人、66.7%を占めていろ。授産施設、共同作業所以外で働いているのは32 人、18.1%である。 -10- ①近所に はいない ②いない ③  ̄  ̄ (①+②) ④=年齢別総計

會綱

ちえおくれ 57 37 94 193 48.7 ちえおくれ(重複) 71 50 121 229 52.8 その他の障害 12 4 16 59 27.1 その他の障害(重複) 0 2 2 21 9.5 不明・無回答 1 2 3 8 37.5 計 141 95 236 510 46.3

(12)

①ちえおくれの障害者の学校卒業後 の現状

学校を卒業した者のうちで、ちえおくれの障

害者143人のみをとって現在の状況を見ろと、 共同作業所及び施設に入っている者の合計は 103人(720%)で、民間企業で働いてい るのは19人(13.3%)である。(表11)。 ちえおくれの障害者、

表12の学校卒業後の現状

②民間企業で働く障害者 民間企業で働く障害者総数26人について、 民間企業で働く障害者総数26人について、労働条件を見ろと、賃金は、ちえお くれの障害者の場合19人中7人が月収5万円未満、18人が10万円未満で ある(表12)。労働時間は、26人中20人が8時間(1日)であるが、9 時間以上が3人いろ(不明2)。 表12民間企業で働く障害者の賃金

’’■■■■■■--■■■

■■■■■■■■■■■■■■■

計1126 ③共同作業所、授産施設で働く障害者 共同作業所、授産施設について労働時間と工賃をみると、ほぼ同じ程度だ が、労働時間は共同作業所の方がやや短く、工賃は、どちらも「弁当代や交 通費もでない」ほどの低い水準のものが多いが、両者を比べろと共同作業所 の方がややたかいようである(表13,14)。 -11- 人数

比】執96).

共同作業所 45 31.5 授産施設 37 25.9 更生施設 21 14.7 民間企業 19 13.3 その他 21 147 計 143 100.0 5万円 未満 5万円以上10万円未満 以上 不明10万円 計 ちえおくれ 7 9 2 1 19 その他の障害 0 1 3 2 8 不明、NA 0 1 0 0 0 計 7 11 5 3 26

(13)

表13共同作業所、授産施設における労働時間

■=鵠

■■■■■■■■■■■■

--■

--

表14共同作業所、授産施設における工賃 共同作業所授席施設計 564197

5仕事についてから変わったこと、仕事についての不満

民間企業、共同作業所、授産施設で働いている障害者総数129人について、

「仕事についてから変わったこと」について聞くと、共同作業所、授産施設

では、「友達が出来た」が最も多く、共同作業所では3人に2人が、授産施

設では2人に1人が答えている。これに対して、民間企業では「社会人とし

ての誇りを持つようになった」が最も多く、2人に1人が答えている(図2)。

「仕事についての不満」については、賃金(収入)が低いという不満が

多い。しかしもっとも多いのは、民間企業、共同作業所、授産施設とも共通

して「不満はない」の回答であった。これをどう考えるべきだろうか。学校

-12- 共同作業所 授産施設 計 6時間未満 3 3 6 6~7時間未満 16 8 24 7~8時間未満 19 7 26 8~9時間未満 4 9 13 9時間以上 0 0 0 無回答 14 14 28 計 56 41 97

王寶T可一

共同作業所 授産施設 計 2千円未満 1 1 2 2千円~4千円未満 6 10 16 4千円~6千円未満 20 10 30 6千円~8千円未満 14 2 16 8千円~1万円未満 3 2 5 1万円以上 2 2 4 無回答 10 14 24 計 56 41 97

(14)

卒業後の問題が深刻であるが故に、何等かの働く」 体がまず問題になり、その内容の改善にまではま】 態があるということではないだろうか。(図2)。 あるが故に、何等かの働く場が保障されることそれ自 その内容の改善にまではまだ進んで行けないような状

、仕事についてから変ったこと

。、 %印 図1 50 40 30 20 10 友だちが できた になった 生活が規則的 った 体が丈夫にな ようになった の誇りをもつ 社会人として できた 将来の目標が その他 NA 仕事についての不満 %印 図2 50

40 、、

(〈

30

(liil菫認

20

Yf1lI二戸/

10 人間関係 がうまく いかない 収入が少 ない その他 へ。 1 仕事があ一 わない い とくにな NA

(15)

6在宅の障害者 学校卒業後、働いていなくて施設にも入っていないものは29人あった。 このグループについて健康状態を見ろと、「体の調子がよくない」と 「医者に通っている」が29人中あわせて9人、3L0%(全体の平均では21.0 %)、「友達がいない」もしくは「近所にはいない」があわせて17人、65.4 %(同上463%)、「ほとんど外出しないもの」が10人、385%(同上8.8 %)であった。

また、在宅の障害者に対して、生活面での変化の有無を聞いた質問に、18

人が回答している。この内、「変化無し」が7人で、「身辺処理の力が後退

した」、「病気がちになった」、「言葉が後退した」等、何等かの後退現象

がみられたと答えたものが11人あった。ここでも、在宅の障害者が独りぼ

っちになり、健康を損なってきていることが示されていろ。

おわDに

以上、障害者本人の生活実態に関連する諸項目についてみてきたが、重度、

重複の障害者の健康の問題、友達作りの問題(とくに地域における友達づく

りの問題)、学校卒業後の問題、共同作業所の問題、在宅の障害者の問題等

の一端がここから読み取れるであろう。次回に、本題の障害者の家族全体に

関わる諸項目についてみて行きたい。

本稿では、一つには、調査結果の第1次集計を終えたばかりでじゅうぶん

な時間がなかったこと、もう一つは、紙数の許す限りで、本調査の結果その

ものを出来るだけ多く紹介したいと考えたことで、充分な考察ができなかっ

た。本稿の初めに述べたように、これを第1次報告として、今後分析を進め

て行きたい。

最後に、調査に進んで協力して頂いた障害児者親の会、母子通園事業にや

共同作業所、授産施設に通う障害児者の父母、障害児学校の教師と父母の万

々にお礼を述べさせて頂くとともに、今後とも助言、批判を頂きたい。また、

-14-

(16)

障害児学校の諸先生方をはじめとして、障害者の家族問題研究会のメンバー として共に研究活動に携わってこられた砂川喜洋氏、我如古繁氏、島尻沢一 氏、湧川善栄氏、末吉精利氏、古堅道雄氏、朝妻彰氏、嘉手川重常氏、渡嘉 敷綏秀氏、仲里安男氏に感謝したい。 また、同志社大学の三塚武男教授からは、寝屋川市でだされた優れた調査 報告書(注)を通して学ばさせていただき、また、直接に貴重な御教示も頂い たことを記してお礼の言葉としたい。 (注) 『障害児をかかえている家族の生活問題』(発行寝屋川市立あかつき園・ひばり園療 育センター1988年8月編集同志社大学障害者問題研究会、代表三塚武男) 『障害者・児の暮しの実態とニーズ』(発行寝屋川市福祉事務所1984年3月編集 同志社大学障害者問題研究会、代表三塚武男) -15-

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(23)

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