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The Needle′s Eye考 : 心貧しき人たち

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Academic year: 2021

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(1)動 ιⅣ″グJι ヽ Eyι 考 一 一心貧 しき人 たち一一. 岡. 村. 久. 子. (J He stood there and waited.. He was good at that.. There was. no hurrye There was plenty of timeo He always had time.He was a punctual and polite person,and that was why he was standing there, buying a gift for his hostess. Politeness was an emotion― 一 could one can it an emotion, he wondered?that was how he regard‐ ed it, certainly― an emotion that he both feared and understood。 1). θごJθ 's ttθ ,p。 3) (Tん θⅣθ. 冒頭 の この一 節 は主人公 SimOn Camishを 象徴 的に表 わ して い る。 彼 は三 十代半 ばの静かなお とな しい男 で あ る。労働者 の家庭 に生 まれたが ,グ ラマ ー・ ス クール ,ケ ンブ リッジ大学 とい う コース を経 て ,今 は法廷弁護士 を し て い る。労働組合法 を専門 と し,声 な き労働者 の代弁者 と して活躍 して い る ら しい。 「 らしい」 とい うのは , 彼 が 自分 の仕事 を あま り語 りたが らな いか らで あ る。ただ一 つ 具体 的に書 かれて い る事 件 は ,組 合 を批判 して脱退 した 男 の解雇 の正 当性 をめ ぐる裁判で あ る。 この男 の批判 の正 しさを認 めて は い るが ,ク ローズ ド 0シ ョップ制 の原則 を守 るために ,彼 は組合側 の弁護 を ひ きうけ ,裁 判をか ち と った。広 く一 般 の組合 の立場 か らは ,こ の裁判 に勝 た ね ばな らなか ったので ある。 しか し心情的 には解雇 された男 に こだ わ つて い. 1)テ キス トは Alfred A.Knopf版 による。 以下 それか らの引用はペー ジのみを示す。.

(2) I14. θ αJθ 's ttθ Tλ θⅣθ. る。そ して この小説で は ,読 者 は. 考. SimOnの こ う した心 情 に付 き合 わね ばな. らぬ ので ある。 この第 一 節 がそれをよ く示 して い るよ うに。 彼 はパ ー テ ィの 時間 に十分 なゆ と りを も って 出て来 たのだか ら急 ぐ必要 は a punctual and polite person''と 大 げ さに な い。 しか し,な ぜ わ ざわ ざ “. emotion"な のだ ろ 言 わね ばな らな いのだ ろ うか。 なぜ ,“ politeness"は “ うか。 彼 は ,こ れ ま での一生 を振返 って ,い つ も人 の期待 に こたえて生 きて きた だ けだ った と思 う。子供 の時 は野心家の母親 の期待 を背負 って一心 に勉強 し た。金持 ちの Julieと 結婚 したの も,他 人 に は金 目当 てだ った と思 われて い るが ,当 人 は Julieを 振切 る ことがで きなか ったか らだ と思 う。 Julieな り A strong‐ の 野心 を満た してや る手 ごろな男 が彼 しか いなか っ たので ある。“. er man than hilnself would not, in the. ■rst place, have married her,. as he had done, but at least he had the strength to stick it out.9'. (p.60)と 自IIn的 に 自分を評 して い るが , このよ うに中途半端で あ るのが彼 の特徴 で ある。労働 者階級 の暮 しか ら抜 け出 したが ,中 流階級 の生活 に もな じめな い ,貧 し くな りた くはな いが ,お 金 を持 ってい ることも楽 しめな いの で あ る。また他 人 の打明 け話 を聞か された り相談 を うけ る こ とが多 く,彼 は 静 かにそれを 聞 き, 職業柄 , 適切な質問を し, 応答 が で き る が , こん な emotiOn of とき `poliF(p。 11)に 相手 を力 づ けなが ら, 彼 の心 の 中 に は “ hatred"(p。. 11)が わ き起 って くる。 友人 の Nickは 古 い友人 だか ら嫌 い. ,. その 隣 りにい る男 は結婚 して いな いか ら嫌 い と,き きわ け の な い 子 供 の よ うに勝手 に腹 を立 ててい る。問題 は自分 に あ る ことは彼 に も よ く分 って い る。心 の 中 に 同情 のか け らもな いのに面 を繕 って や さ しい 態 度 を 示 し,腹 を立 ててい るのにその気振 りも見 せ ず完璧 な紳士 で あ る と い っ た , 自分 の “politeness"が 気 に入 らず腹 を立 ててい るので あ る。だか ら,と りた てて 自. a punCtual and polite person"だ と意 識 して しま うのだ。 妻 が留守 分は “ をす ると早速 自分を招 いた Nickの 真意 は何 だ ろ うと憶 測 しなが ら,心 か ら 楽 しめ も しないパ ー テ ィに きち っと出て くる自分を意識 して しま うので あ る。.

(3) ゴゴ 5. 岡 村 久 子. “politenesゞ 'が 気 にな るもう一 つ の理 由 が ある。 この店 の店員 と先客 とは 彼 が待 って い るの も気 にせず長 々 と しゃべ って い る。 この会話 を聞 きなが ら. ,. nOt merely polite,but interested(p.3)だ と彼 は思 う。 そ して 自 店員 は “. exiled forever'(p.4)だ と思 う。 つ ま り,彼 の 分 は この二 人 の世界 か ら “ 生 まれ育 った 労働者 の家庭 ,ガ ラクタが雑然 と置 かれ子供 が通 りで遊 んで い た所 ,そ こに あ つた人 と人 との暖 か いつ なが りを ,今 にな って懐 しみ ,今 で は彼 らが “polite"な 顔 しか 向 けて くれ な い ことを悔 んで い るので ある。 だか ら “politeness"は 彼 に とって は単 に態 度 を表わす言葉 で は な い。 彼. emOtiOn"と 表現 され る もの な の で の疎外感 を表 わす もので , それゆえ , “ あ る。労働 者階級 との疎 外 だ けで はない ,す べ ての人 と彼 を疎外 す るもの と 彼 は思 ってい る。 いやその うえ彼 の心 と彼 の言動 とを疎外 してい るので あ る。 そ して彼 の不機嫌 さの 中心 に あ るものな ので あ る。わ け もな くわ き起 って く る憎 しみ ,は っ きりと した 対象 を もたず ,そ れだ けに心 の 中 に抑 え込 む よ り しかたが ない憎 しみ ,そ して いつ も心 の ど こかに潜 んで い る憎 しみ と関係 の あ る ものなので ある。. SOCial inadequacy"(p.117)と 表 自分 の このよ うな状 態を , 彼 はまた “ an emotion he understood"(p。 117)と 言 い替 え られ 現 す るが , これ も “ る “emotion"な ので ある。. Tん θχ グ JJs′ θ ηθ で は ,. 元気 にな った娘 を連 れ て病 院を 出 る. 無事心臓 の手術 を終 えて. Rosamundが. “ sense of adequacプ. '. Like Job,I had been threatened with the を感 じる場面 が あるrあ とに “. worst and,like Job,I had kept my shape.I knew something now of the quality of life,and anything in the way of happiness that l should. hereafter receive would be based on fact and not on hope,". とおtく 。. 彼女 は ,思 わ ぬ 出会 いによ る予期 せ ぬ妊 娠 ,出 産 ,娘 の大病 とい う経験 を乗 り切 って ,今 体験 に基 づ いた 自信 を持 って い る。五感 に結 び つ いた ,大 地 に 根 を つ けた生活か ら生 まれた 自信 で ある。 これに対 し,SimOnの 場合 は「 自 信 のな さ」を語 って い るとはい うものの ,具 体 的 な事 にあた つて 自覚 した無 2)Tλ θ]″τJJSι θπθ (Weidenfeld&Nicolsonり. ,p。. 164。.

(4) IIδ. Tttθ. ヽ ′ 」 19θ ′ 'sIシ θ考 `θ. 力 さ とい った もの で はな い。 さ っ きの憎 しみ と同 じよ うに いつ も彼 の心 を支 配 して い る感 情 な の で あ る。 これまで の生 き方 を振 り返 って は ,こ の気分を 繰 り返 し反 劉 し,行 きつ くと ころは ,い つ も次 のよ うな 自分 の イメー ジで あ る。. And his spirit wOuld struggle feebly. 、 vithin the net that held. it, and he would ilnagine some pure evasion, some massive rent through which he could emergeo But there was no action possible that would not involve destruction, viOlence, treachery, of those to 、 vhorn he had pledged hilnself, and of the only useful actions of his lifeo And of these, there were some.. He was caught。. 1`. vere even many. here 、. ノ ヘnd his spirit would hunch its feathered bony. shoulders,and grip its branch,and fold itself up and shrink within itself, until it could no longer brush against the net, until it could no longer entangle itself,painfuHy,in that surrounding circurrlstantial mesh。. (p. 126). “those to whom he had pledged himselP',っ ま り彼 に依 存 す る者 た ち との しが らみ の 中 で ,本 当 の 自分 が小 さ く身 を す くめ て い る姿 を心 に 描 いて い る。 そ して 本 当に 自分 ら しい生 き方 がで きな い とい う達 成 感 の 欠 如 した 状 態 と. ,. それ に 伴 う感 情 が ,彼 の 言 う “SOCial inadequacy"な ので あ ろ う。 彼 はお そ ら く この 気持 か ら完 全 に抜 け出す こ とはな いだ ろ う。 う じう じと した思 いを か か え た ま ま ,そ れ で も彼 な りの 誠 実 さを も って 生 きて い くだ ろ う。た だ しこ こ に描 き出 され た. Simonは. ほ とん ど,SimOnだ け しか 知 らな い. 彼 の 気 持 で あ る。他 人 の 目に彼 が この よ うに見 え て い るの で はな い。 彼 は苦 しみや悩 みを人 に 語 る人 間 で はな い。 “It was annoying of him,this discre― tion, it was inhuman, it even made one suspect frorrl tilne to tilne that after aH he hadn't got any feelings, that he was not so lnuch surering・. ・・. as insensitive(p.28)と 長 年 の 友 人 が彼 を評 す る ぐらいな ので あ る。 読 者.

(5) 岡 村 久 子. I17. は  る. 彼 の言葉 か ら,周 囲 の者 の気持 をや さ し く思 いや って誠実 に黙 々 と生 き 有能 な弁護士 ,良 き夫 ,父 で あ る. Simonを も想像 しな ければ い けない。. (2). Simonが ,た だ一 人 正 直 に な れ る相 手 が で きる。 それ は Rose Vassiniou で あ る。彼 女 は上 流 の 家庭 に生 ま れ た が ,清 教 徒 的 な倫 理 感 を もつ 乳 母 に 育 て られ ,こ の 小 説 の 題 と関係 が あ るが ,富 や特 権 を悪 で あ る と考 え て い る。 財 産 を ア フ リカの 小 村 の 小 学 校 建 築 の た め に 投 げ 出 し,こ れ を狂 った 行 為 と 考 え る両 親 や夫 と別 れ ,二 人 の 子 供 と と もに ロ ン ドン北 部 の 貧 民 街 に 住 ん で い る。彼 女 とて ,初 め は この 貧 しい地 区 の 貧 しい 家 で の 暮 しを お それ て いた が ,今 は こ こに 住 む こ とは 自分 が 自分 で あ る こ と と 同 じで. (p。. 99)自. 分と. 切 り離 せ な い もので あ る と考 え て い る。 だ れ を も傷 つ け な い ,自 分 の 納得 の い く,理 想 の 生 活 を した い とい う確 た る意志 を も って ,そ の 理 想 を 一 つ 一 つ 醜 い現 実 にか ぶせ て い った の で あ る。 これ を 次 の よ うに述 べ て い る。 。。。she had faith, she built up brick by brick the holy city of her. childhood, the holy city in the shape of that patched subsiding house.. It was siow, it、 vas very slow, but graduaHy the ideal and. the real rnerged and swanl together,so that there were tilnes,when, after ive years or so, she would sit there not knowing which she. inhabited, irritated at one moment beyond measure by the noise of the radio next door and the fraying edge of the carpet and the way the cats had ripped the braid off the arimchairs,and the. next moment invaded by such visionary peace at her acceptance of and fanliliarity with these things.(pp。 53-54). この 引用で は当然なが ら, 彼女 の言 う “hOly Citノ は具体 的 で は な い。 “vision"に す ぎないのだか ら。 む しろ具体 的 に訴 え られて い るの は 神 経 を 苛立 たせ る現実 の方 で ある。そ して ,そ れを精神 力 で克服 した彼 女 の忍 耐を. ,.

(6) αJθ 's ttθ Tλ θNθ θ. FF8. 考. 強 調 す る こ とに な って い る。 また これ は ,理 想 と現 実 を一 つ 一 つ 確 認 して い く息 の 長 い作 業 で あ った だ ろ う。 この 結 果. Roseは. この 町 を 理 想 の “h01y. City"と 見 な す こ とがで きた だ け で な く, 自 己の イメー ジ を 自信 を も っ て 描 け な か った過 去 (p。 52)を 克 服 じア イデ ンテ ィテ ィ を 確 立 した 。 だ か ら ``being here''と. “being myselP(p。. 99)は ,. 彼 女 に と って は 同 じもの な. の で あ る ,Simonと は反 対 に , 自 己 と 自 己の生 活 を一 致 させ ア イデ ンテ ィ テ ィを確 立 した. Roseは ,. の び や か で 自 然 で あ る。 “She. was what she. was:she had learned to go along with it"(p。 50)と 言 って , 自分 の 優 柔 不 断 さ も弱 さ も含 めて ,自 分 を お お らか に 受 け とめて い る。他 人 にだ ま さ れ て も, それ に よ つて 心 を乱 され る こ と もな い。 彼 女 に と っ て “She was. no longer a threat"(p.51)な. の で あ る。 自 己を抑 え つ け て , 周 囲 の 人. た ちに調 子 を合 わ せ , それ に 腹 を立 て て い る. SimOnの. Simonと. は対 照 的 で あ る。. 自 己 は,周 りに張 りめ ぐら され た網 の 中 で ,そ れ に触 れ な い よ うに. と ,身 を縮 こめて いて ,. Roseの. それ の 持 つ の び や か さを持 た な い。 Simon. の 行 動 が ,身 を よ ろ った “politeness"で 規 定 で き る とす れ ば ,Roseの そ れ は ``naturalness''で あ ろ う。. Nickの パ ー テ ィで 初 めて Roseに elegance" (p。. 会 った. SimOnは ,彼 女 の. “private. an elegance so unworldly that 17) に抗 塗t■ られ る。 それ は “. it rnade the whole roonl, and an the other beaded dresses and peacock feathers and gold slippers in it, look suddenly too new, too bright, too. good"(p。 17)で あ る。 華 や か な 美 しさに 目が眩 む人 間 に は理 解 で きず ,だ か ら彼 らを恥 入 らせ る押 しの 強 さ もな い魅 力 な の で あ る。 さま ざまな装 いの 奥 に あ る人 間 の心 を 問題 とす る人 に だ け訴 え る美 で あ る。控 え 目な ,ど こ と い って 目立 った と こ ろ のな い 女 性 で あ るの に ,袖 口が す り切 れ ,裾 の 線 が歪 ん だ 服 を着 て いて も,そ れ に よ って 損 な わ れ な い 魅 力 は ,前 述 した よ うに. ,. Roseが 自 己を あ るが ま ま に 受 け入 れ て 安 らいだ心 を持 って い る こ とか ら く る。Silnon が “She looked, because of age and softness, authentic" (p.. 17)と も言 う とお り,苦 しい歴 史 を生 き抜 いた 結 果 安定 した心 境 に達 した人.

(7) ゴゴ 9. 岡 村 久 子. の ,お の ずか ら発 す る魅 力 なので ある。 この よ うな魅 力 は ,華 やかな着飾 っ た女性 た ちのそれのよ うに物 ほ しげに ,彼 を脅 か しは しないので あ る。 同時 に ,Roseは 控 え 目で 目立 たな い ,ご く当 り前 の人間で もあ る。 朝起 きた り,カ ー テ ンを引 いた り とい う日常 の些 事 を愛情を も って して いると言 お うと して “With love"の と ころでため らい小声 で言 うよ うな , 気 負 っ た と ころ のな い人 なので あ る。前述 の “She was what she waゞ. 'の 引用 の あ. とで も, た とえ ひ とに欺 されて も, うろたえ は しな い と言 いなが ら,“ But. how could she tellP One cannot trust oneself too far"(p.50)と 但 し書 きを付 け るので あ る。 事実 , 別 れた夫 の Christopherに 子供 を と られ るか も しれ ぬ とい う事 にな るとけ っ して 落 ち着 いて はい られな い。. SimOnの 車 で Nickの パ ー テ ィか ら帰 る途 中 , Roseは Christopherの お こ した裁判 の話 を しは じめて泣 いて しま う。 こんな泣 き方 は見た ことがな いと. SimOnが 思 うほどの泣 き方 で ,ハ. ンカ チー枚 で は足 らず テ ィ シュペ イ. パ ー を引 っぱ り出 して 涙を ふ きなが ら泣 く。そ してその間 も話 を続 けなが ら. ,. 同時 にそれ に付 き合 わ されて い る Simonに 煙 草 をすすめ , その うえその煙 草 に火 を つ けて い る. Simonの 手 が震 えて い るのに も しっか り目を とめて い. る。 Simonに はすまな い と思 いなが らも相談 せ ず はにい られ な い ,そ して 話 して い るとど う しょう もな く涙 が出て止 ま らな い とい う様子 で あ る。今 の 彼女 には これが 自然 な態 度 で あ って何 のわ ざ と ら しさもない。取 り乱 して い なが ら,一 種 の余裕 があ る。だか ら相手 に不 快 感や不安を与 えな い。人間 と しての根本 的な安 らぎを持 って い るか らで あ る。 このよ うな Roseに Simon は ,日 頃隠 して いた本 心 を思 わず漏 らす。 日常 の事 を愛 情 を こめて して い る とい う前述 の言葉 に続 けて ,Roseが “You know what l mean"と 言 うの を受 けての つ ぎの言葉 がそれで ある。“`HOw could l know what you mean,' he said, startlingly, `when nothing l do is done with any love at anP'". (p.100)と 思 わず恥 か しい と思 って い る自己を正直 に語 って しま った SimOn Startling"な 発 言 で あ った と思 う。 われを忘 れ て 泣 いていた に と って も, “. Roseを も驚 かす 。涙 を流 しなが ら話 して いた Roseは ,凍 りつ いたよ うに.

(8) 7乃. 12θ. 一 瞬言葉を止 めて. Simonを. θⅣ αJθ 's」助θ考 “ 見 つ め る。 前述 の , 煙 草 に火を つ ける Simon. の手 の震え に 目を とめたの と同様 に ,こ の場面 で も彼女 は相 手 の変化 を ,落 着 いて正確 に受 け とめて ,そ れに対応す る。つ ま りこの あ と,立 場を変 えて. Roseが 慰 め役 にまわ るので あ る。 Simonの 言葉を否定 して ,. こ う して 私. の話 を聞 いて くれ る だ け で も “Charity"で あ り,“ Charity is a form of. love"(p.100)だ と言 う。 た とえ腹 を立 てなが ら聞 いていて も,そ れな らそ れ で ,よ け いに優 しい行為 で あ り,要 す るに “the act counts"だ と言 うの で ある。第 一 章 で述 べ たよ うに ,こ の小説 で は ,わ れわれ は. Simonの 否定. act"を 的 な 自己批評 と不機嫌 さに付 き合 わ されて い るが ,そ の間 の彼 の “ 見逃 してはな らな い。 そ して 自 己否定を繰 り返 してい る. Simonを 肯定 的 に. 評価 して読 者 に教 えて くれ るのが ,Roseな ので ある。. Simonも Roseの 良 き理解者 で あ る。 Drabbleの 女主 人 公 た ち は大 むね高 い教育 を受 けた知 的 で美 しい女性 で あ った 。 ところが Roseは 一 同時 に. 般 的 にいえば醜 い方 で あ り,高 学歴 を持 たないか ら,仕 事 を しよ うとすれば. ,. コ イ ン・ ラ ン ドリーや 学校 の食堂 で働 くな どの低 賃金 の仕 事 しかな い。そ れ ぞれ にた くま しく,華 やか に知的 な他 の女主人公 た ちの中で ,た だ一人 さえ な い 中年女 と表現 で きるひ とで ある。彼女 の魅 力 は,見 る人 が見て初 めて分 か る種類 の もので ,読 者 は. SimOnを 通 して Roseの 魅 力を理解 して い るの. で あ る。. Rosamundと 同 じような気弱 さがあ る。近所 の人 に子供 をみて ほ しい と頼 まれ ると,自 分 に外 出 の予定 が あ って も,断 る ことがで きな い。 隣人 の赤 ん 坊 を膝 に座 って い る Roseを 見た SimOnは 彼女 に も. ηθ の Tん θyづ JJsι θ. ,. これ は彼女 の言 うよ うにた だの気弱 さで はな く,“ ThOSe that have may not reieCt thOSe that have noザ '(p。 200)と ぃ う原則 に立 った行為 で あ ると考. え ,読 者 のた めの解説 を して くれ る。それだ けでな く,彼 は Roseの この姿 を見 て いて, 自分 の心 を動かす原則 も同 じもので あ った ことに気付 くので あ る。ま さに二 人 はおたが いを よ りよ く照 し出す 鏡 の役割を果 た してい ると言 え よ う。そ の子供 の面倒を見 る義務 があ るか ど うかで はな く,余 裕 の あ る者.

(9) 121. 岡 村 久 子. が余裕 のない者 を助 ける とい う,人 間 と しての基 本 的 な 義務 を二 人 は大 切に して い る。 前述 の “Charity is a form of love". とぃ う. Roseの 言葉 も. ,. Simonが この原則 で生 きて い ることを,無 意識 の うちに理 解 しての言葉 で あ ったのだ ろ う。. Roseと ぃ う良 い理 解者 ,同 じ信条 を持 つ理解者 を得 て ,Simonも いつ か 自分 を肯定的に見 る こ ともで きるよ うにな って い る こ とも注 目 しておかね ば な らない。 こ うい う二 人 がたがいに心 を引かれ合 うの も当然 の ことで ある。 しか し. ,. このよ うな二人 だか ら,そ の愛 はそれ以上 に は進展 しな い。Simonが ,も し 自由 だ った ら結婚 の 申 し込 みをす るのだが と言 い ,そ うなれば どんなに楽 し いで しょうね ,と. Roseが 答 え るだ けで あ る. (p.295)。. 二 人 で暮 せ ば も っ. と 自分 ら しい生 き方 がで きる だ ろ う が “hOW COuld one soberly,quietly, responsibly,ever build such a thing upon destruction?"(p. 266). と′ 琶kう. SOber,quiet,responsible''な 人 間 なので あ か らで あ り,SimOnは ま さに “ る。Roseも また人 を悲 しませ て幸 せ になれ る人 で はな い。 昔 か らむ しろ 自 分 一 人 が苦 しめばすむ ことな ら,そ れを選 ぶ人間 なので あ つた。 (3). Roseの 性格 を こ う して考 えて くると,ChriStOpherが 起 こ した,子 供 の親 権 に 関す る争 いの結果 が見 えて くる。 た しかに子供 を失 うとい う恐怖 に脅 え て裁 判 で争 う決心 を した。子供 を連 れ て外 国へ 逃亡す るとい う脅迫電報 を受 け とると,あ わててその対策 を立 て る ことを弁護士 に依 頼 は した。 しか し落 着 いて くると,自 分 がぬ きさ しな らぬ 民 にはま ってい る こ とに気付 きは じめ fear of living with victory"(p.179)と る。“. 表 I見 して い るが ,ChriStpher. に親 と して不適格 で あるとの烙 印 を押 す こ とで ,自 分 が子供 た ちと暮 す こと を認 め られて も,そ こに は平和 も幸 せ もない と思 うので ある。そ の上 ,一 度 引 き受 けた責任 は ,た とえ不機嫌 にで はあ って も,あ くま で背負 らて生 きる. SimOnを 見 て は , そ もそ も離婚 して ChristOpherか ら子供 を ,子 供 か ら父.

(10) Tλ θⅣ″ご Jθ 's ttθ. 122. 考. を ,奪 った こ とが残 酷 な 行 為 で あ った と思 うので あ る。 この よ うに ひ とを 苦 しめ て お きな が ら “She was doing no harm,she was contented,she was even, most of the tilne, happy. . . . Her life had at last become, as she. had so long willed it to be,innocuous.''(p。. 50)と 考 え た思 い上 が りに. も気 付 いた こ とだ ろ う。 そ の 際 Christopherか ら受 け た暴 力 や ,彼 の た めに 味 った さま ざま な 苦 労 を 申 し立 て て も仕 方 がな いの で あ る。 なぜ な ら “It Was well enough for. a man to say, that is enough, you need take no more, you have suf‐ fered: the spirit is still awake and avid, it can take more, it refuses. to be bounded...''(p.181)と 思 って いて , 自分 の良 心 を だ ます こ とがで きな い ので あ る。 しか も. ,. . . . caught by terror at the thought of the darknesses, the strug¨. gles, the anguished reassessments that lay ahead, and yet at the same tilne, beneath the terror, on some level rarely visited,(she WaS) eXultant, fun of exultation, because, after aH, in the human. spirit there was depth, there was power, there was a force that would not, could not accept any indulgence or any letting off.(p. 181). とい う よ うに ,人 間 の心 に ,苦 しみな が ら生 きて い く限 りな い 力 が与 え られ て い る こ とに ,無 上 の 喜 び を感 じて い る。 も っ と も この 表現 か ら考 え られ る よ うな 殉 教者 的 な 喜 び に 満 た され るの は時 た ま の こ とで あ って ,た いて い は. Christopherに 振 りまわ され て ,悲 しん だ り脅 え た り して い るの で あ る。 し か しこの 引用 は ,良 心 のた め に は あ くまで も苦 しい道 を選 ぼ う とす る ,彼 女 の な みな みな らぬ 決 意 を物 語 って い る。 こ う考 え ,か つ 自分 の 置 か れ た位 置を冷 静 に 考 え れ ば ,彼 女 の 進 む道 は. ,. 苦 しむ道 以 外 に はな い。 具体 的 に は ,子 供 を 手 放 す こ とが で きな いの だ か ら. ,. Christopherと の よ りを戻 す こ とで あ る。 そ れ は “return to her non―. self''.

(11) ゴ 23. 岡 村 久 子. (p.179)と. 強 い 言 葉 を用 い て 拒 み た が って い る こ とな の で あ る。せ っ か く. 確 立 した ア イデ ンテ ィテ ィを又 見 失 って しま う こ とを意 味 して い る ので あ る。 一 方 ,SimOnは あ るパ ー テ ィで た また ま Christopherに 出会 い , 話 をす るよ うに な る。 そ して この 争 いの Christopher ttllaゝ らの 見 方 が読 者 に も知 らされ る。 こ う して 見 えて くる Christopher像 もそ う悪 い もので はな い。 質 素 な 部 屋 に 住 み ,金 や家 な ど物 質 的 な こ とを 語 るので はな く,精 神 の 問 題 を語 るの で あ る。 Simonに は , ま るで. Roseの. 話 を 聞 いて い るよ うな気 が. して くる。. . . . I know her, she'1l not be satisfled with sitting in that dump. for another ten years, she's brewing something else up. I know she is,she'1l get used to it there and she'1l want something worse, she'1l be dragging therrl off to a leper hOspital with her before the. year's out, just you wait and see, if l don't do something about it. to stop her.. You've no idea, said Christopher, how absolutely. wicked and sellsh people are when they get hold of this idea of being good.. They destroy everything about them。. この Christopherの 言 葉 は , 先 の. (pp. 232-33). Roseの 考 え と符 合 す る と こ ろが多 く面. 白 い。 被 害 者 意 識 が強 く,Roseの 心 か らの 優 しさを理 解 して いな いが ,そ れ でも. Roseの. よ うな正 義 感 の つ よ 過 ぎ る人 間 に ,Christopherの 言 う よ うな. 一 面 が あ る こ と も事 実 で あ る。 そ の うえ ,「 人 は一度 愛 した人 を愛 さな くな る こ とはな いの だ 」 と一 般 論 の よ うに語 る の. Roseへ. (p.234)が ,. これ は ChriStOpher. の思 いを 表 わ して い るよ うで あ る。 Roseを 愛 す る. は ,ChriStOpherは 金 目当 て で. Roseと 結 婚. Simonと. して. し,金 がな くな る と出て 行 った. 悪 い人間だと思 いたいのだが,冷 静 な Simonは ,ChriStOpherも また善良 で, Roseと 同 じように苦 しんでいる人間であることを認めないわけにはい かない。 そ して提案する。 この裁半jで Christopherの 勝 目はない,だ か ら 取 るべ き方法 は「 Roseに 頼 んで戻 って きて もらうことだ と。 冷静 で責任 あ.

(12) 124. Tttθ. αJθ 's ttθ Nθ θ. 考. る助言 で あ り, 弁護士 と して良 い仕 事を した と言 え る。 しか しそれ は Rose を失 う ことで あ る。それで も “He tOok some satisfaction from tlle thought. that any gain would be his own ioss''(p.270)と 受 け とめていて ,Rose との共通性 を如実 に示 して い る。 Christopher a)`°. . .. 。she has no right to be happyo And I. ヽ von't let. her be so. You can't make happiness out of destroying the lives of other people"(p。 234)と ぃ う言葉 には注意 しな けれ ばな らな い。 表面 的に は 同 じよ うな ことを. Simonも 言 って はい る。 しか し Simonの 言葉 は自分. を律 す るために言 われた ので あ り,Christopherの はひ とを責 め る言葉 で あ る点 で ,対 照的で あ る。先 の 引用文 で も彼 の Roseに 対す る理解 が浅 く一 面 的 で あ る ことが示 されて いた。その他 に も彼 に異和感を感 じる場面 が もう一 つ ある。 前述 の脅迫電 報 が もとにな って , 彼 ら二人 が. Roseの 子供 た ちと. ROSeの 両親 の家 に泊 った 時 の ことで あ る。 翌 日, Roseヵ れヽくら頑 固 で も この家 に二 十 四時間 もいれば もう汚 い小 さな家 には戻 りたが らないだ ろ うと. Christopherは 思 って い る。 実 は この時 Roseは しき りに帰 り た い 帰 り た い と思 って い るので ある。 今 の彼女 の気持 が 分 か ら な い だ け で は な く. ,. Christopherに は物質的安楽 を求 めない Roseの 本質 がや は り分 か って いな いので ある。一方. SimOnは , この豪壮 な屋敷 に彼女 を置 いてみて ,彼 女 の. した ことが ,愛 情 ある行為 で あ り,本 当に生 きる ことで あ つた とい う思 い(p.. 301)を 強 く し,さ らには彼女 を “a宙 sion kindly bestowed"(p.299)で あ ると考 え る。 これ は彼 の Roseに 対す る深 い理解 を示 す とともに,彼 の Rose を 見 る 目に ,自 分 に代 わ って正 しい道 を歩んで くれ て い る人 を仰 き見 るよ う な 色 さえ あ る こと も示 して い る。 や がて裁判 は Roseの 勝 ちに終 わ る。 そ して 予 想 通 り. Roseは ゃ が て. Alexandra Palace裏 の彼女 の家 に Christopherを 迎え入 れ る。そ して Rose の幸 せ が失 われ る。 さまざまな不幸 を味 って い ると Roseは 思 って い るが. ,. 読者 に さえ もそれを語 りは しな い。ただみんなが ,一 度 は逃 げ た夫 に帰 って きて もら った幸 せ な Roseと 思 って い ると嘆 いて い るが ,こ の「 みんな」 の.

(13) 」 25. 岡 村 久 子. 中 に ,も ちろん Christopherも 含 まれ ,そ こか らくる無神経 な言動 が彼女 を 苛立 たせ るのが ,二 人 の間 の車L礫 の一 つ で あろ うとは想像 され る。 彼女 の苦 しみの実態 は具体 的 には分 か らな いが ,苦 しみその ものは ,彼 女 が怒 り っぼ くな った こ と,自 分 の した ことを あ くま で正 当化 しよ うとす るゆ と りのな い気持 ちに ,十 分読 み とることがで きる。“.… She had done itin the dry light of arid generosity, she had done it for otherso. Her duty,. vas what she had done. For others. For hiln, for the children" that 、 (p。. 365)と ぃ ぅ言葉を聞 くと,昔 の Simonの せ りふを 聞 く思 いがす る。 そ. れ に,Simonょ り悪 い ことに ,彼 女 は子供 を叱 りつ け ,人 前 で もささない事 で Christopherと 評 う こ とも多 い。 彼女 の様子 を見 なが ら,SimOnは 自分 の 目の前 で昔 の彼女 が破壊 されて い くのを ,悲 しんで はい るが ,次 の文 が示 す よ うに欠点 を も含 めて. what she had done.. Roseの す べ てを受 け入 れて い る。 “He accepted. He accepted her terrrls, completelyo. What else. could she have done?"(p.355)彼 には彼 女 の決心 の意味 がよ く分 か って い るか らで あ る。た とえ 貧民街 に住 んでいよ うと,そ れが他人 を不幸 に させ た うえに成 り立 つ暮 しな ら,そ れに安穏 と して い られ な い優 しさを知 ってい るか らで ある。 自分 一 人 が苦 しめばすむ のだ と自 らを慰 めて 淋 しい少女 時代 に耐 えた心 が ,今 もそ の まま で あ ることを知 って い るか らで ある。 こ う して. Simonは ぃつ まで も Roseを 見守 ってい くことだ ろ う。 やが て今 の状 況 を 克服 し Christopherと の生活 にそれな りの平和 を見 出すか も しれ な い し. ,. 子供 が成人 した 時 に は再 び人 び とを あ っと言 わせ る こ とをす るか も しれな い。 何 が あ って も. SimOnは 彼女 の すべ てを うけ入 れ るだ ろ う。 ChriStOpherと. 一 緒 にな った結果,も っ といい地 区に移 った と して も,そ れ は彼女 が犠牲 を払 ったのだ と理 解 す ると彼 は思 う ほどなのだか ら (p.355)。. 堕落 だ とは考 え. な いので ある。また ,あ くま で も Roseを よ しとす ることが彼 自身 のために も必要 なので あろ う。 Roseは 彼 の `宙 SiOn kindly bestowed° 耐 え る強 さはあ るが捨 て る強 さを持 たない. 'な のだか ら。. Simonは , 自分 の心 の平穏 と. ,. 苦 労 して築 いて きた 自分 ら しい暮 しさえ捨 てた「 強 い」 Roseに 自分 の理想.

(14) Tλ θⅣ″α Jθ 's ttθ. 126. 考. を 投 影 して い る の で あ る 。. {4). Roseと Simonと い う二 人 の見栄 えの しな い主人公 た ちの , これ また見 栄 えの しない生 き方 を内面 か ら描 くこの長篇を読 みすす め るにつ れ て ,私 に は この二 人 の生 き方 に対す る作者 の愛情 が感 じられて くる。それが な ければ. ,. 一 般 的 な意 味 での魅 力に乏 しい主人公 た ちの ,さ した る こと も起 こ らな い生 活 を これだ け細 か く書 いて ,読 者 を引 っぱ って い くこ とはで きなか っただ ろ う。 そ して作者 が愛 す るのは ,Roseの 正 しさを貫 く強 さ で あ り,SimOnの 耐 え る強 さで あ る こ とは,も ちろんで あ るが ,そ の うえに ,二 人 の 自 らを誇 る こ とのな い “dimdence"と “modesty"で あ る。控 え 日で ,か つ ,遠 慮 が ちに しか 自分を語 らぬ二人 だか ら,た がいに相 手 を語 らせ る必 要 があ ったの で ある。 それが ほぼ 同 じウエ イ トを持 つ主人公 を二 人 置 いた理 由なので あ る。. Roseは Simonに つ いて ,彼 の一 番 いい ところは彼 の “dimdence"(p.363) だ と言 う。SimOnも. Roseを 彼女 の好 む 目立 たない植 物 や ,. 昆虫になぞ ら. えて ,彼 らに共通 の “modesty"を 望 ま しい ものだ と考 えて い る。. He thought about Rose and the London Rocket, that rare and modest herb,and about a story she had told hiln about the peppered moth, which had evolved a black species to survive in the indus‐ trial landscape. Biston betularia, the Manchester moth, its lighter brethren dying,its blackened survivors clinging griinly to blackened. wans and tree trunks.. Perhaps such modesty was an one could. hope fore(p. 271). London Rocketと. ぃ うの は ,Roseが 植 物 採 集 に凝 っ て いた 時 に , 探 した. が ,と うと う見 つ け られ な か った 雑 草 の 名 で あ る。 この よ うな い わ ゆ る名 も な き草 や 虫 の 目立 た な い 姿 と ,そ の つ よ い生 命 力 に彼 は. Roseの 生 き方 を見.

(15) F27. 岡 村 久 子 て い るの で あ る。. London Rocketで. はな い が , 野生 の バ ラに作 者 は Rose. を擬 して 次 の よ うに語 って い る。. It(a rOSe)iS a mOdest■ ower and it grows wild in England as wen as cultivated.. You can have the most elaborate cultivated roses,. but you can also have very natural, silnple roses. why l chose the name . . . も っ とも この 引用 のす ぐ後 には. I think that is. 3). Rosamundと ぃ う名が続 く。 しか し Rosa‐. mundの 名 の 由来 につ いての他 の説 を導入 す るために こ うな ったので あ って 全体 と して は Roseと Rosamund二 人 の名前 につ いて語 って い る部分 で あ. ,. り,こ こだ け と り出せ ば Roseの 名 こそ ,こ の文 にふ さわ しい。 Rosamund は豊 かな家庭 に育 った才知 あふれ る女性 で あ るに ひきかえ. Roseは ,野 に ひ. っそ りと, しか し強 く美 し く咲 く花 にた とえ られ るのにぴ った りの女性 で あ る。. modest"で “diflidenザ 'な “. Roseと Simonに 向 け られた作者 の 暖 か い. 日は ,彼 らを通 して ,彼 らが心 を寄 せ る,彼 らよ りもも っとひそやかに生 き る “nameless multitudes"(p.339)に. も向 け られ て い る。彼 らは,Roseを. 弁護 しよ うと法廷 に来 た ものの証人台 に立 つ と声 が出な くな って しま った女 で あ り,子 供 が誤 って アス ピ リンを一 びんのんで しま ったのを心配 しなが ら も救急車 も呼 べ な いで い る Roseの 隣人 で ある。抗議す るべ き こと も,表 に出 て 自分 で抗議す る言葉 を持 たない労働者 た ちで あ る。 このよ うな “the poor in spirit"(p。. 147)│こ. Drabbleも 心 を寄 せ てい るので ある。. 小説 の最後 の場面 で ,Alexandra Palaceに ドッグ 。シ ョー を見 に行 った. Roseは ,そ こに あ る,セ メ ン トか コ ンク リー トで作 られた ,頭 の半分 か け たみすぼ ら しい ライオ ンを見 る。故郷 の屋敷 にあ つた大理石 の立派 な ライオ ンを思 い 出 しなが ら,自 分 は風雨 に さ らされ た この うす汚 れた ライオ ンの方 が好 きだ とい う,次 のよ うな 言葉 で小説 は終 って い る。. 3)Margaret DrabЫ e, Press),p.95.. ′ あπ (OXfOrd π's Fグ θ グ ι οπ ο Tλ θ T宅 ′グ / 1″ %π θ. Un市. ersity.

(16) 128. Tλ. αJθ 'sEン θ考 θNθ θ. She liked the liono She lay her hand on ito. lt was gritty and. cold, a beast of the people. Mass― produced it had been,but it had. weathered into identityo And this,she hoped,for every human soul. (p。. 369). 何 の 特 権 も持 た な い 人 間 が ,何 の 華 や か な こ と もな い人 生 で ,そ れ を耐 え ぬ く こ とで ア イデ ンテ ィテ ィを 確 立 す る こ と,そ れ は. Roseの 願 いで あ るだ け. で な く,Drabbleの 願 いで あ り,Roseは 作 者 が そ の 願 い を投 影 して つ くり 上 げ た ViSiOnな ので あろ う。.

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参照

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