第四次全国総合開発計画と関西のアイデンティティについて
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(2) ー. ・. の未来機能に関わる変革力に由来するものとす. 化やソ. れば. 企業家の役割 は先端的な技術変化や産業. いった広域的な計画のグランドデザインが必要. シ アル. アメニティを実現するのかと. 構造の「多系的な発展」 に対する企業家的対応. になる。 我々 は産業が都市をつくる時代から都. を軸にした展開を投影させたものとなる(注4)。. 市が産業をつくる時代へと変化しているとの認. 要するに. 物的生産力の飛躍的発展がみられた. 識を持っている。「住•戦. 重厚長大型の重化学工業化時代と比較して. 技. ー シ ア)レ ・. 術進歩や生産様式の在り方を知識. ・. 情報に大き. く 傾斜させる現在の 知的生産力 重視の時代で は, 個の自立(需要の多様化 広域化(モノ. ・. ・. 個性化)と多の. ・. カネ 情報のボ ー ダ ー レス化). 能が複合したソ. ・. 学. ・. 遊. ・. 文化」 の機. アメ ニ ティの高い生. 活空間が保証されて初めて, 都市 は知的. ・. 文化. 的創造拠点ともなるし, また国際交流拠点にも なり, 経済活力も蘇る。 このようにして都市の 個性が形作られることによって,. ニ. ュ. ー. ビジネ. に対応した企業行動 はこれまでになく広範且つ. スや先端都市型産業が集積するのである(注5)。. 複雑で. しかも迅速な変化への対応が要求され. その意味では, 関西の独自性を活かした総合的. ると考えられる。 そのような場合. 既存の産業. な調査研究が早急に必要である。. 構造や市場組織の変化の過程で. 常に経済的バ. 以上のような問題意識を持って, 我々は「 関. ランスに大小様々なギャップが数多く発生する. 西」 を考える。 それ は 関西の 「過去」 よりも. であろう。 かかるギャップが生じた時. すばや く それを埋めることのできる先端技術や情報に 熟達し, 臨機応変の才能のある組織や人材がビ ジネス. ・. チャンスにする。 その意味では. イ ン. プロビゼ ー ション型の企業家が. 特別な経営哲 学をもって何十年に 一人しか出ないといった傑. 「未来」に力点をおいて考える「 関西」である。 言い換えれば, 現下の「関西」という名称はそ の過去の伝統性を思い起こさせるために登場し てきた「後ろ向き」の用語ではなくて, 関西 新 国際空港, 関西文化学術研究都市等のビッ ク. ・. プロジェクトにみられるように, 21 世紀への将. 出した アントルプルナーよりも. 重要な役割を. 来性に期待するという意味においての「関西」. 担うようになる。 言い換えれば, これからの産. であり, 正に「前向き」に用いられたものと理. 業社会 はエ ー スとかスタ. ー. 解している。 以下において, かかる認識から,. えば, 松下幸之助, 小林. 一. とかいう選手一たと 三, 等の巨大企業を. 生 みだした アントルプ)レ ーナ達ーにより盛り上. 関西の存在意義についての考えを, 断片的であ るが覚書として整理してみた。. がるベースボール 型社会で はなくて, むしろ機 動力に富み, 柔軟性があり, 小回りのきく活力 ある中小企業群のシステム化による全員プレ ー の みられるラクビー型社会が考えられる。 三つに は.(財)関西産業活性化センタ. ー. 1.. 「第四次全国総合開発計画」の特徴 日本経済の成長力 は. 二度にわたる石油危機. (会. を克服して. 世界経済をリ. ー. ドしてきた。 その. 長:宇野収• 関西経済連合会会長)によれば,. 舵取りをしてきた通産省は. 昭和59年度の「年. 822件, 35兆5千億円というプロジェクトがあ. 報」 のなかで. 国内的には. 「明治以来の追い. り. 現在の変革の時代を 関西の再生元年とする. 付き追い越せ型の近代化が終了し. 自らの英知. 期待が高いといえる。 多極分散型国土の形成に. と創造力をもって. 未踏の社会を実現していか. とって. 「 関西」が占める 役割がそれだけに大. なければならない時代」. そして 対外的には.. きいことを意味するが. 各プロジェクトがどの. 「世界経済追従型から 世界経済 先導型へとその. ように有機的に結び付いて 関西全体の経済活性. 姿勢を転換していかなければならない時代」と. (注4). 日本経済新聞社編「新産業論」第8部ー2 1世 紀めざす日本 の産業社会 (座談会), 198 7年5 月参照。 -2. (注5). 東大阪市産業振典ビジョン策定委員会編「東 大阪市都市型先端技術産業振興ビ ジョン」1990 年 3 月参照。. (148)-.
(3) 昭和60年代を展望している(注6)。 世界第二位の. 的な分担により東京 一極集中を是正する」とい. 経済大国になった日本の主体性が世界の注目す. う国土の「多極分散化構想」が提言された(注7)。. ー. ダ. そして, 関西圏, 名古屋園が国際金融や国際 情. ーレス化が進展するなかで日本の経済力 は世界. 報といった世界都市機能の分担に重要な役割を. レベル で語られるようになっていた。 そして,. 担うべきことが期待されている。. るところになった。 確かに, 世界経済のボ. 日本の国民総資産がアメリ カを追い抜いて世界. ところで, 多極分散化型国土の構築は, 対外. ーになったという話題に沸いた昭和62年に は,. 的には. 新しい国際化時代の幕開けをつげるも. 「第四次全国総合開発計画」(四全総) が策定さ. のであったが, 国内的には. 戦後の全国総合開 発計画の皮切りになった全総の「過密· 過疎の. れている。 この計画の目新しさは, 「世界都市 機能」の. 是正」(昭和37年), 続いての新全総の「広域生. 日本国土への取り込みにあった。 東京が世界都. 活幽構想」(昭和44年), そして, 三全総の 「定. 市としての役割を高めることがそれまでに策定. 住圏構想」(昭和52年)という 地域活性化 政策の. された三次にわたる総合開発計画にはない全く. 浸透により影を潜めた大都市風特に 東京への. 新しい課題として登場している。 そして, 「国. 人口や産業の集中傾向が, 再び顕在化し始めた. 土の均衡ある発展を図るために は, 高次都市機. ことへの対応策が意図的に盛り込まれている。. 能を東京圏が一元的に担うのでなく, その多極 (注6) 通産省通商産業研究所研究部編「通商産業省 年報一昭和5 9·60年度」1988年9 月,5頁参照。 図l. 即 ち, 図1に示されるように, 東京を除く府 (注7). 国土庁編「第四次全国総合開発計画」1987年 7月, 第II章参照。. 人口減少(前年比)道府県数の推移. 道府 県 数 30. 注1. 2.. 「三 全 総 」↓. 10. ↑ 「新 全 総 」. 20. 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 東京都を除く, なお, 東京都の前年比減少がみられたの は, 昭和52-5 5 年および6 3年 である。 国土庁計画・調整局監修, 先端的サ ービス産業研究会編著「先端的サ ービス産業の地方展開」 1990年2月, 30頁より作成。. -3. C 149)-.
(4) ----. 図2. 地域間所 得格差の再拡大. 一人あたり県民所得格差(全国= 100) 指数 130 120. 134. 130. 一. 125. 122. 110. 110. 100 90 80. 81. 81. 40. 45. 91. 89. 地方園. 50. 89 89. 55. 88. 88. 88 88. 60. 年度. 備考 1. 資料:経済企画庁「県民所得統計年報」,「県民経済計算年報」 2. 推計基準変更のため49年度と 50年度の値は接続しない。 (注)出典は図 1 と同じ, 34頁より引用。 県別人口の前年比がマイナスを示した道府県の. 健康で文化的な人間居住の総合的環境を計画的. 数は, 全総時代から次第に減少傾向を示し, 昭. に整備すること」(注8) を 目指した 「地域の個. 和49-56年の間には全くなく, 若者のUタ. ー. ン. 性」を重視した。 この「地域の個性」のうえに. 現象や地方の時代が声高にいわれた。 そして,. 「交流ネットワ ー ク」を構築して 地域に活力を. この時期はむしろ, 東京のみが前年比マイナス. 与え, 東京一 極集中化阻止を実現しようとした. (昭和5 2-55年の間)であった。. しかし,. マイ. のが 「四全総」 の目的の 一 つである。 即ち,. ナスを示す道府県の数は, 昭和57年頃より年々. 「交流の活発化は, 地域間の市場や資源を相互. 数がふえる傾向にある。 東京圏(東京都• 千葉. に活用することによって経済活動範囲を拡大,. 県・埼玉県・神奈川県)の人口の対全国シェア. 活発化し, 自らの地域のもつ風土や歴史に培わ. は昭和45年の23%から昭和60年には25%と拡大. れた独自性への再認識から地域アイデンティテ. し, それに対して, 関西圏は14.8%から14.7% と僅かながら減少傾向を示し, そして, 地方圏. ィをかん養し, また, 地域相互が個性豊かな異 質なものに接触することによって, 社会全体の. (三大都市圏以外)が53.9%から5 1.8%と減少. 活性化, 新たなものの創造を可能にする。」(注9). 幅が大きかった。 東京圏と同様に増加した名古. との期待が込められている。 そして, 四全総の. 屋囮(愛知県・岐阜県・三重県)は数字的には. 効果的な政策運用を実現するために, 昭和63年. 8.3% から8.5% と僅か0. 2% の増加に留まっ. 6月には, 「多極分散型国土形成促進法」が施. た。 また. 図2 は県民所得格差が近年再び拡大. 行されている。. する傾向にあることを示している。要するに.. 2.. 地方の時代が色あせてきた。. 「地域」. (Region) としての関西. ところで, 高度経済成長期の産業優先主義時 代の産物であった拠点開発方式の「全総」や大. 関西をRegionとして把握する場合,先ず問. 規模開発プロジェクト方式の「新全総」に対し. 題になるのは, 関西という領域 (Area) の限定. て, 資源の有限性, 地域主義. 成長活用による. である。 それは使う人により , 範囲が広くなっ. 生活重視が浸透してきた石油危機後の「三全 総」は「限られた国土資源を前提として. 地域 特性を生かしつつ, 歴史的. 伝統的文化に根ざ し, 人間と自然との調和 のとれた安定感のある -4. (注8) 国土庁編「第三次全国総合開発計画」1977年 11 月, 4 頁o (注9) 前掲「第四次全国総合開発計画」7頁。 (150)-.
(5) たり, 狭くなったり. または淡然とした意味内. り, 区分範囲を示す用語として明確である近畿. 容を持つこともある。時には, 関西と近畿が混. が地理学上の用語として公文書で最も広く使わ. 同して用いられることもある。関西という呼称. れている。言い換えれば, 政府や地方公共団体. そのものは古く, 「大化の改新」 にまでさかの. 等の行政機関では, 近畿が関東と対比した関係. ぼり, 「大宝令」により伊努の鈴鹿,. 美濃の不. にある。たとえば, 国土庁が策定した「四全総」. 破, 越前の愛発の三関が設けられて以来, この. の場合, 全国的な地域プロック区分において,. 関より東を関東, そして西を関西と呼び習わし. 関東には市民権が与えられ, 東京都と茨城, 栃. たといわれる。しかも, 三関は時代とともに変. 木, 埼玉, 群馬, 千葉, 神奈川, 山科の7県か. その限定を困難に していると しながら. らなるが, 関西という名称は使われず, 近畿が. 遷し,. も, 「関西を限定してくると.. これは狭い意味. それに代わる。近畿プロックとして, 大阪府,. での近畿, すなわち畿内あるいは五畿内という. 京都府, 兵庫県, 滋賀県・奈良県, 和歌山県の. 地域と大体合致したものになってしまう」と宮 本又次氏は指摘される(注10) 。また, その近畿又. 二府四県が一地域とされている。もっとも, 国 の行政機関によっては, 近畿という地域構成に. は畿内について, 宮本氏は次のように説明され. は多少の違いをみることもある。近畿財務局や. る。大化二年に, 畿内が初めて定められ, 持統. 大阪陸運局の資料は二府四県を近畿としている. 天皇のとき, 大和, 河内, 難波, 山城が四畿内. のに対して, 近畿通産局はこれに福井をいれて. と呼ばれた。 その後和泉を 加えて 五畿内とな. 二府五県として報告書を作成している。さらに. る。これは京都に近接する意味で京畿とも呼ば. 「三全総」のように,. れ, これに伊賀•伊勢・近江 • 紀伊• 播磨を加. を近畿とする場合もある。 そして, 関西が近畿. えて近畿とよばれるようになった。. と使い分けられて登場してくるのは 「四全総」. そこで, 歴史への深入りを避ける ために, 「広辞苑」から関西と近畿を取り出してみよう。 それによると,関西は 1) 近江逢坂関以西の地,. 三重県をいれて 二府六県. である。 即ち, 三大都市圏に関して,. 「三全総」の大. 阪圏(大阪府・京都府・兵庫県)に代わって,. 2) 鎌倉時代以降. 鈴鹿・不破•愛発三関以西の. 四全総では, 関西画が東京圏, 名古屋圏と対比. 諸国, 即ち畿内五国と近江•伊賀及び山陰• 山. させて登場している。関西圏は「京都市, 大阪. 陽• 南海・西海の諸道の称.. 3) 箱根関以西の. 市, 神戸市を中心として, 大津市, 奈良市, 和. 対して京阪地方をいう. と説明している。要す. 歌山市及び関西文化学術研究都市等を含み 一体 となった都市囮を構成する地域」(注11) と規定し. るに, 関西という用語は地域の範囲を指し示す. ている。それからすれば, 関西を使用する意味. 地.. 4) 現今では東京地方を関東と称するのに. 意味よりも, むしろ方位を示す性格があるとい. は領域的には近畿よりはるかに小さいが, そこ. 定の中. には当該地域が政治的・行政的なまとまりのあ. 心核を持った地域の範囲を示す用語である。特. る地域間交流を明確にする計画地域 (Planning. える。 それに対して, 畿内又は近畿は. 一. に, 広辞苑によれば, 畿内は中国の古語であっ. Region) を指す経済地理学上の重要性が加味さ. て王城を中心とする四方五00里以内の特別行. れた用語と理解できる。 そのことは古代から近. 政区のことであり, 我が国では歴代皇居が置か. 世に至る政治, 経済及び文化の歴史的集積性に. れた大和・山城• 河内・摂津•和泉の五カ国を. 注意が払われた国土庁の統計把握における府県. 五畿内とよび, 近畿は皇居の所在地. 京都に近. 別枠組みに反映されている。即ち, ある特定の. い国々の意味であると解説している。. 政策手段が遂行される具体的な領域としての関. 現在では,. 領域 設定に曖昧さが残る関西よ. (注10) 宮本又次著「関西と関東」青蛙房, 1966年10 月, p. 13-17 参照。 -5. 西圏として, 大阪府・京都府・兵庫県・奈良県 の二府 二県の 構成が 示されている。 したがっ (注11) 前掲「第四次全国総合開発計画」 12頁。 (151)-.
(6) て, このような 地域設定の 主 た る 目 的 は 「近. い時代に対応 し う る高水準の文化, 学術, 研究. 畿」 が地域の大きさ (範囲)を表現するのに対. 機能の充実を図り さらに経済, 社会的活動の活. し て, 「関西」 は 地域の質を 表現するものと理. 性化に必 要な技術開発の展開に寄与することを. 解するところにあると思われる。 確かに, 大阪. 目 的と し て, 既 存の都市機能の集積等との有機. 人を関西人に, 関西弁が大阪弁に, また 大阪商. 的 な連携の下に高度な文化, 学術, 研究機能の. 法 が関西商 法 に言 い 直されてその独自的 風土性. 中核となる新 し い 都市を整備する」構想が昭和. が認識されてい ること は , われわれが 日 常的に. 53年の「近 畿圏基本整備計画」 のなかで明らか. 経験 し てい る。 近 畿自動車 道は あっても近 畿人. にされてからである。 政府は 昭和 60- 61年にかけ て 「近 畿に お け る. や近 畿弁等 は 聞 い た ことがない 。 要するに,. 「地域の質」 と し ての 関西が現在. 学術研究都市整備計画調査」を実施 し た後, 62. 強調される理 由 は 近 畿の中心部にあた る結節地. 年 6月には 「関西文化学術研究都市建設促進法」. 域を関西文化学術研究都市構想により 政策的に. を制定 し て い る (注12) 。 この関西文化学術研究都. 精神的. ・. 文化的豊かさを表現できる計画地域へ. 市に我が国初の24 時間運用可能な国際空港と し. と現在から将来にかけ て作り 替えることが可能. ての関西新空港(昭和 62年起工式) とい う ビ ッ. になってきたからである。 従って, 計画地域と し ての 「関西」 = 「地域の質」 に人 々 の関 心 が 集 まり は じ めたのは, 「近 畿幽にお い て, 新 し 図3. (注1 2 ) 近畿通商産業局編「エ コ ノ デ ー タ き ん き '89」 1 989年1 0月, 1 76頁参照。. 関西を中心に し た主要プ ロ ジ ェ ク ト. (注)近畿通商産業局編「エ コ ノ デ ー タ き ん き '89」 1 989年10月 , 1 80頁より引用。 - ,6. (152)-.
(7) ク. ・. プロ ジ ェ ク ト が加わって, 益々「関西」を. 活性化する時代が到来 し たか の ような イ メ. ー. ジ. も浸透 し て き た。 こ れ ら の ビック・プロ ジ ェ ク ト に,. 「 テクノ ボ ー ト 大阪計画」, 「 レ イ ン. ボー. いた(注14) 。 朝鮮動乱プ ー ム と ア メ リ カ の 経済援 助を梃にして, 我が国はそ の 後経済立国への道 °ー. を高 ス ヒ. ド で 駆け抜けて き た。. し か し , 日 本の復興が経済的な成功を手中に. ト ア イ ラ ン ド 計画」, 明石. おさめた頃か ら . 実現された物質的豊かさの中. 海峡大橋等の大小の派生的プロ ジ ェ ク ト が関連. で, 人々の 欲望は多様化 し , 新たに満たされて. 計画21」, 「 六 甲 ポ して,. ー. 現在 の関西には.. 約822件の計画がある. いない 精神的 ・ 文化的 豊か さ を 探求する動機. は予測 し て い る。 こ. に駆 ら れ始 めた。 即ち, 「経済立国主義」か ら. の プロ ジ ェ ク ト 件数は発表する団体によって カ. 「文化立国主義」 への移行が 近年の 日 本経済の. と 関西産業 活性化 セ ン タ. ー. ウ ン ト する基準に差があり. かなりの 差異があ. 「物ばなれ経済化」 に共鳴 し た かたちで 進行 し. る。 た と えば, 新近畿創生機関(すばる推進委. て い る。高度経済成長 の成果と し て の所得水準. 員会) の算出では多 く みて , 約500件. 事業中. の 上昇. 余暇時間 の 増大, 高学歴化. 女性の社. 以外で構想段階であ る が確実性 の ある と い うも. 会進出, 核家族化等による ラ イ フ ス タ イ )レ の変. のを限選する と 403件 と い う 数字をあげて い る (注13) 。 い ずれに し ても, そ の代表例が書 き 込ま. 化 と . 高度経済成長=物質的繁栄 の マ イ ナ ス 面. れたものが図 3 であり, 我々は そ こ に新 し い 関. の 有限化, 都市の 過密化等ーに直面 し て , 物質. 西の ダ イ ナ ミ ズ ムを感 じ ざるをえない。. 一例えば, 環境破壊 • 公害問 題の先鋭化, 資源 的豊かさよ り も精神的・文化的豊かさの追求ヘ の時代が到来 し て き た。 図 4 が示すように, ニ. 3.. 文化立国主義 と 関 西の. 度にわたる石油危機は そ の ような価値観の変動. ピッ グ ・ プロ ジ ェ ク ト. の 過渡期的様相を示 し て い た 。 そ の 結果, 石油 危機後の 現在では, 人々の 選択も変わり, 文化. 異なる文化の接触に と もなう文化的吸収は後. の 吸収 と い う 経済的・技術的模倣か ら 文化の 創 ・. 発資本主義 国 と し て の 日 本に お い ては時 と して. 造 と い う 知的. 国家的事業である。 明治維新 の 文明 開 花, そ し て戦後の民主主義 の確立は我が国 の 文化立国主. い う パ ラ ダ イ ム (価値観や行動)が顕著にな. 義 と いえる側 面である。 し か し ,我が国 の 場合,. 的 ス ロ ー ガ ン と し て時々において見え隠 れ し た. 精神的価値の実現に努力すると. り , 「文化立国主義」 が こ こ に き て 単なる政策. 「経済立国主義」が 「文化立国主義」よ り 優位と. 「虚 像」 の 時代か ら , 国民生活に根 ざ し た価値. する考 え方が「富 国強 兵・殖産興業」 と い う ス. 観へと変質 し た「実像」の時代に入って き た。. ロ ー ガ ン と ともに近代 日 本に定着され, 戦後も 同様の 復活がみ ら れた。即ち, 戦後の復興は,. れた「関西」は , 従来み ら れた と こ ろの 「経済. それだけに,. 「文化立国主義」 時代が反映さ. いち早 く , 「文化国 家 の建設」が 日 本社会 の 再 建 目 標 と し て 掲 げ ら れていた。 そ の 内 容 は 戦後. 的地盤沈下」 を強調 し た大阪に代表させる方法. の 国 際社会 へ の復帰の必須条件 で あ った「民主. すべ き で ある。 統計的にも, 近畿四を二府四県. を出来る だけ避けて, そ の 存在に独 自 性を主張. 主義」 の 徹底化で あ っ たが,吉 田 内 閣 の時代に,. 又は五県 と するのに対 し て , 関西圏を京都, 大. 民主主義 の 導 入が文化国家を建設 さ せる と い う. 阪, 兵庫, 奈良の二府二県 と する使い分け方法. 順序が, 経済復興が民主主義を確立させる と い. (国土庁) には そ の 意味で賛成で き る 。 こ れは,. う ように逆転させ ら れ, 文化立国主義にかわっ. 一つには, こ れ ら の地域が関西文化学術研究都. て 経済立国主義 と い う 考 え方が支配的になって. 市構想 の 実現を前提 と した21世紀で の 一体性の. ". (注13) すば る 推進 委員会 : 山 中 豊伸 : 近畿 · 21世 紀へ翔 る ” 「商工振興」 1989年12月参照。 -7. (注14) 平野健一郎 : 戦後 日 本外交に お け る <文化> . 渡辺 昭夫編 「戦後 日本の 対外政策」 1985年 8 月, 有斐閣, p. 343-347 参照。 :( '153 ) -.
(8) 図4. 国 民 の 生 活 意 識 の 変 化. (%) 60. 1 心の豊か さ I. 50. 喜土. 40. 30. .. . .. .....••••••• .40.3 9B ··--3 .. 38.8. 戸. ····-····、. 36.8 36.8 ヽ ‘. ぷ··31.;· ·;:�心. I 一概に い え な い. 20.0. 20. 37.6. 1 4 .9. °. 15.0 1 3.6. 10. 年. 47. 48. 49. 49 50 50 51 51 52. 53. 54. 55. 56. 57. 58. 59. 60. 61. 62. 63. 月. 1. 1. 1. 11 5 11 5 11 5. 5. 5. 5. 5. 5. 5. 5. 5. 5. 5. 5. (注) 国土庁計画・調整局監修, オ フ ィ ス分散研究会編著 「脱東京戦略」 1989年12月 , 80頁よ り 引 用。 強化が予測されてきたことを反映させたもので. と四全総が指摘していることは 自 明のことであ. あること. そして二つ には. 異文化の吸収の時. り. 我々の関心も, 関西がもっている地域特性. 代から 自 らからの文化の創 造の時代への転換と. が東京一極集中化が進展する 日 本の今後の在り. いう現代的意味での文化立国主義は 自 主独立の. 方 に どのようなイ ン パク ト を与えられるかとい. 気風. 独創性と革新性の土壌を必要とするから. う点である。. で ある。 要するに, 我 々 が近畿ではな く て関西. 四全総 によれば. 関西圏の役割を次のように. という地域を選択する理 由 は. 歴史的に古代か ら近世を代表しえる )レ ー ツ を持った各中核都市. 能の集積を持つことから, その特性を生 かして. 明記している。 「関西図は,. 東京圏 に 次 ぐ 諸機. そのものの歴史的個 性としての ダ イ ナ ミ ズ ム を. 独 自 の全国的, 世界的な中枢機能を担う。 この. 共 生 的 ネ ッ ト ワ ー クとして 今 日 にまで 受け継. ため. 長い歴史と伝統を生 かしつつ, 関西文化. ぎ, 新たなる発展の道を模索している現在の民. 学術研究都市をは じ めとする域内各地 に世界的. 間活力 の源泉を そこ に見出 そうとするところに. 水準の諸機関, 研究所の立地を進め. また経済. ある。 「経済,. 文化. 生活等の種々の面で東京. 機能の高度化と新たな集積を図 り, 21世紀 に 向. に多 く の機能が集中し, 国土全体 で適切な機能. けた独創的な産業と文化を創造する中枢圏域を. 分担が行なわれなければ. 各地域の多様で個性. 形成する。 さら に, 特色ある国際金融, 証券市. 的な発展が阻害され. 日 本全体として多様な価 (注15) 値観がは ぐ く まれな く なるお それがある。 」. 場等国際経済機能を育成するととも に, 24時間. (注 15) 前掲「 第四次全国総合開発計画」2頁よ り 引用。. の建設等 に より, 世界各地との国際交流拠点と. 空 港としての関西国際空港の活用, テ レ ポ ー ト. - 8 . ( 154 ) -.
(9) しての機能の強化を図る(注16) 。 」. 業 活性化 セ ン タ. そして, こ の役割を実現するための都市整備 の重点を次の三点に置いている。 即ち, 1). ー. である。 それによると, 関西. 新空港, 関西文化学術研究都市, 大阪テク ノ ボ ー. ト 等の21世紀 ビ ジ ョ ン にそった整備を挺子に. 関西文化学術研究都市の建設, 各地域に. して, 関西の独 自 性を 1) 研究 • 開発 ・ 商品企. おける国際的水準の文化, 研究施設の設置 及びネ ッ ト ワ ー ク化, 全国的, 国際的な イ. , 画 と 生産が 一体 と なった 「技術革新の現場」 2) ア イ デアを創造し, 産業 ト レ ン ド を世界. ベ ン ト の開催等により研究開発機能. 文化. に発信する基地,. 機能. 国際交流機能等の強化を図る。. イ ン タ. 2). 関西国際空港などの基幹的交通施設をは じ め と する交通体系や情報・通信体系の整 備を推進する。. ー. フ ェ. ー. 3) 先端技称i創造型産業群, ス 産業群などが混在する 「産. 業構造の多系的発展」 に求めることが強調され る (注18) 。 要するに, 現在の関西 に は , 関西文化学術研. 大阪湾沿岸部において, 高次都市機能の. 究都市 と 関西国際空港が車の両輪の ご と く 機能. 集積拠点の整備を進め, 物流機能等の高度. すれば, 関西の国際化, 情報化機能 と 文化・学. 化を図り, 国際情報, 交流機能等の強化と. 術 ・ 研究機能の増幅効果が期待でき, 都市画の. 3). と もに経済機能の充実を図る。. 力を格段に高める こ とが予 測されるという意味. こ れを受けて, 地元関西では, 文化立国主義 をイ メ. ー. ". ジ化した といえる. ルネ サ ン ス. ”. を計. 画の コ ン セ プ ト においた グ ラ ン ド デザ イ ン 化が. での地域の再生=ル ネ サ ン ス と いう ビ ジ ョ ン に 期 待が集 ま っている。. 試みられている。 た と えば, 関西経済連合会は 「グ レ ー タ. ー ・. ペイ エ リ ア. ・. (1989年 4 月 )を 提言している。. こ の構想の特. 徴はベ イ エ リ ア 型 フ ロ ン ト グ リ ルに ツ イ ンカ ム の エ ン ジ ン を装備した 4 H 式四輪駆 動 車 と 喩え る こ と ができる。 即ち, 関西国際空港 と 関西文 化学術 研究都市を エ ン ジ ン と して,. 1) 「 識. ・. 住 · 遊• 学」 が有機的に結合 した Human Com 2) 世界を リ ー ド する High Frontier. munity,. 産業群の集積,. 3) 環太平洋地域の中心核 と し. ての Hub Conplex 化, 4) 個 性を活か し た Holonic Polis の形成 . と いう四輪着 装で. 国 土の均衡, 世界の繁栄を可能にする21世紀に求 められる理想的な都市の創造へ と 発進するこ と を 目 的 と している (注17) 。 ま た,. 4.. ル ネ サ ン ス 構想」. 「関西産業 活性化のための グ ラ ン ド デ. ザ イ ン 」 (1990年 6 月 ) と して, 産業の発展を 通して文化の振興, 生 活の ゆ と りを 同時に実現 する 「関西 ル ネ サ ン ス 」を ス ロ ー ガ ン に文芸復 興 よ ろ し く 経済復権への道を示したのが関西産 (注16) 同上, 10頁 よ り 引用 。 (注17) 関西経済連合会 「ベイ エ リ ア 開発研究会報告 書」 1989年 4 月参照。. -9. 関西の独 自 性 と 地域 の 個 性. 関西とい う 風土性は, 政府主導型 プロジ ェ ク ト を展 開させてきた東京 と は決定的な相違があ る。 即ち, 現在計画されている関西プロジ ェ ク ト の多くが地域の民間活力を推進力 と する 自 主 独立の気風のなかから生れたものである。 そ こ に は. 文化住宅やイ ン ス タ ン ト. ・. ラ. ー. メ ンを産. み出した関西人の生活志向 型の独創性や革新性 に期待が集 ま っているが, 経済大国から生活大 国への移行が 議論される 現在の 日 本経 済 の 体 質変化に直面 して, かっての高度経済成長期の 重化学工業時代には見られなか っ たような新た な社会的対応力を持つ「関西」を演出する可能 性も高い と いえる。 換言すれば, プロ ジ ェ ク ト の民間主導は, 高度経済成長の成果 と反省のな かから生ま れてきたパ ラ ダ イ ム である産業活動 の「軽 • 薄. ・. 短 ・ 小」志 向 や住民の生活様式の. 「 美 ・ 感 ・ 遊•創」 志 向 を 効 果的に 発揮できる よ うな快適な活動空間の創造 において可能 と な る, 自 由 な発想が源泉である。 そ し て, (注18) 読売新聞, 1990年 6 月 5 日 朝刊参照。. ( 155 )-. 「変化.
(10) が変化を生 む」 と い う要因 に も 新 し い タ イ プの. 要因のひ と つ と して, その歴史を育ん だ文. 企 業家や産業が登場 し , 経済を引 っ張ってい く. 化性が あげ ら れ る 。 消費の 個性化, 高級. こ と が考え ら れ る 。 即 ち ,. 「 軽 • 薄 · 短 · 小」. 化, 多様化 は 商 品 生産側の条件 か ら 創 ら れ. 感 ・ 遊 • 創」 志 向を社会変革の両. る 価格や機能の時代か ら , 消費者の人間性. 極 にお い た 経済環境が, 関西文化学術研究都市. の尊重=趣味嗜好 か ら 生まれ る 生活文化の. を中核 に し た 民間主導型の多様なプ ロ ジ ェ ク ト. 質 によって決定 さ れ る 時代への移行を投影. 志 向 と 「美. ・. の登場 によって, 関西を 「眠 • 住 ・ 遊 · 学 文. し , 伝統産業 は そ の豊かな文化性 に育まれ. 化」 と す る 都市圏へと再構築す る 。 その結果.. た 生産の質=知識集約化の強調 によ る 再生. このような都市形成の過程が政府依存型でない. が必然化する 。. ・. 在野精神の 豊かな 伝統的な 文化構造を 発掘 し. 3). 中小零細企業の集積が発達 し て い る こ と. て, その 「地域の個性」 を継承する こ と に も な. も 大きな利点 と な る 。重化学工業化時代は. る。. 大規模 大量生産の利益を効率的 に追求す る. し たがって, 近畿又 は関西は 一 つ と い われな. 巨 大な企業の生産施設が物の豊か さ を象徴. が ら も 大阪や京都, 神戸や奈良の地域的 エ ゴが. する も の と して強調 さ れ たが, その破綻が. 時 と し て協凋性を損ない , 関西ベ ー ス での プ ロ. 鮮明 になった石油危機 後 は , 「情報 · 知識」. ジ ェ ク ト に ブ レ ー キ を か け る こ と に も な る が,. と 「サ ー ビ ス 」が重視 さ れ る 「 軽 • 薄・短. これか ら の産業社会の体質の変化のなかでは,. • 小」型の 「物 ばなれ経済」化が進行 し .. 個 々 のユ ニ ー クな活力のぶ つ か り 合がむ し ろ新. そ れ に 対 し て ソ フ ト ノ ミ ックス と い う (注19). た な活力を生みだす契機 と な る 可能性が高 い と. 新 し い 造語 も 生まれ た。工業生産 に も 大き. 考える べきであ る 。確 か に , 関西 に都市の未来. な変化がみ ら れ た。規模の経済性追求 と 違. 機能. ー. 情報化, 国際化 ー に関わ る 変革を期待す. って. 人間生活優先の 観点よ り 質的な 豊. る 場合で も , 東京 ほ ど に うま く 新 し い 潮流 に 乗. か さ を追求す る 国民的 ニ ー ズ に 対応すれ ば. れない反面, そ れが東京の模倣 に終わ ら ない と. す る ほ ど企業の生産活動は 需要の多様化,. いう地域的個性の継承の条件で も ある 。. 個性化. 高級化 に努力する 多品種少量生産. 要す る に , 関 西の地域的特性 と して, 次のよ. へ と 志 向 し . 中小企業 に 適 し た 経済を作 り. うな継承 さ れ る べき側面を考慮 しなが ら , 関西. 上げ る 。 そ し て経済全体 と して は 独創性,. を関西 た ら し め る 要素 と して, 奈良, 京都, 大. 柔軟性. 小回 り 性, 機動性等の多様な経済. 阪, 神戸 と い う古代か ら 近世 に か け て 日 本を代. 性の追 求 に 優 れ た 中小零細企業の存在が産. 表す る 文化的都市の結合地域 と し ての風土性が. 業構造の 「質の変化」 又 は 「多系的な発展 l. 活策 さ れな け ればな ら ない。. を前提 と し ての都市の未来機能 に関わ る 変. 1). 活 に最 も 近い産業活動の ノ ウ. ・. ハ ウ を伝統. こ と にな る 。即 ち , 産業構造の多系 的な発. 的 に 蓄積 し てきてい る 。 そ れ だ け に , 財や. 展 過程 にお いて本格化 し て く る 「範囲の経. サ ー ビ ス を消 費者の個 性 に合わせて生産す. 済性」や 「連結の経済性」の追求を通 し て. る こ と に得意 と す る 土地柄だけ に, 経済大. 都市特有の経済活動の源泉が形作 く ら れ,. 国か ら 生 活大国への展 開過程 にお け る 「美. 地域を活性化 さ せ る こ と になる 。. •感. 2). 革力 と な る 可能性をこれまで にな く 高 め る. 戦前よ り 消費財産業の発達が著 し く , 生. ・. 遊 • 創」志 向の消 費経済化への移行. 4). ア ジ ア と の結 び付きの強 さ は歴史的 に古. は地域 的 独 自 性を確立する うえで有利な環. く , 常 に関西は地の利を生 か し て ア ジ ア 大. 境 と な り え る も の と 期待 さ れ る 。. 陸への 玄関口 と し ての 役割を 果 た し て き. 伝統産業や地場産業が多数存在す る こ と も 特色 と い え る が, その存立条件の重要な. (注19). -10 ( 156 ) -. 館龍 一郎編著 「 ソ フ ト ミ ッ ク ス ー経済の新 し い潮流」 日 本新聞社, 1983年 8 月参照。.
(11) た 。 吸収から創造への文化立国主義は今度 はア ジ ア に 向けて の国際化から始めなけれ. 5). こ れからの都市の変革部分 を支える社会 的要因は, 技術面では マ イ クロ. ・. エ レク ト. ばならない 。 会 田 雄次氏は関西の役割 を次. ロニクス に代表されるが, 都市の総合的な. のよ う に明言 し て いる。 彼は 「関西の歴史. 魅力 ば情報を収集 し加工 し , 使用価値を増. 的・文化的特性を生か し た 展 開 」は今 に始. 幅させる 人的資源の 集積である。 「古代都. ま っ た 選択ではな く て , 日 本の歴史ととも. 市(奈良周 辺)・中世都市(京都)・ 近世都. に 存在 し た ものである と 主張される。 即. 市(大阪)・ 近代都市(神戸) と それぞれ. ち,. の都市形成の時期が異る段階パ タ. 「 日 本の歴史は,. こ の関東を中心とす. る東と関西を中心とする西の政権交代, ぁ. ー. ンが1. 時間交通圏 内で連携 し て主軸 を形成 し て お. るいは東風. 西風の優越交代の歴史」であ. り, 街並や文化財 に その特色があり, しか. ると切り出 し , 対「関東」 との競争の歴史. (注21) も い ずれも現代化をすすめつ つある。」. は我々が考える以上 に古 く , ま た , 関西の. と い う 地域特色は 「 関西を関西 た ら しめる. 役割の重要性も現在益々高まりつ つあると. 要素」 と し て重要な点であり, 歴史的, 文. 指摘される。 それ によると. 西の支配また. 化的遺産が国際的な技術の交流と人材の集. は西風卓越の時代は大和朝から平安朝, 室. 積に資するイ ベ ン ト や国際会議の開催 を容. 町時代から 秀吉の 時代, 薩長土肥の 明治. 易 に する都市環境と し て 役立つであろ う 。. 期. 東洋の ラ ンカ シ ャ. ー た る大阪綿工業の. 大正期, 他方. 東の時代は鎌倉時代, 江戸. 5.. 時代, 及び第 一次大戦後の財閥政治打破を. デ ン テ ィ テ ィ について—. 目 的と し て 青年将校や革新官僚が台頭 し て きた 昭和十年頃から今 日 に い た る官僚時代 である。 そ し て 「西の支配の時代はすべ て. 結びに代えて 一ー 関西のア イ. 現在の東京一極集中は益々過渡な傾 向 を示 し つ つ あるが, その原 因 は,. 1) 金融や情報は元 レ ス 性が強 いが,. ーダ. 外部に対 し て国を 開き, 交易に努力, 舶 来. 来 モ ノ の生産と違 っ て ボ. 文物 に 強 い 好奇心と愛着 を持 っ て盛ん に こ. 我が国の face to face とい う 取引 慣行や各種. れを輸入 し た 。 国 内 的 にも貨幣経済・商取 東の 支配時代. の許認可権を持つ官僚制度の存在が その対外的 な ボ ー ダ レ ス 性 を 東京を窓 口 と し て 一 括 管 理. 外 に 向か っ ては 社会 を 閉. す る こ と を 容易 に するとともに , それ にともな. じ , よ く い えば社会充実と安定, 悪 く 言え. う 有利な企業活動や新 た な ビ ジ ネ ス ・ チ ャ ン ス が創り出され, 経済力の東京集中化を進展させ. 引 の 発展 を 国是と し た 。 は,. その逆 に,. …. ば社会の固 晒化と経済の停滞 を む し ろ 政治 の 目 標と し た 。 せまい 視野の篤農家的精神. て い る こ と。. が支配 し た 時代である」。 その奇 を て ら っ たよ う な歴史観や関東悪役説とも聞 き取れ. られ た 情報集積度と情報発信力,国際金融力は, 東京 に メ ン テ ナ ン ス 基地と し て の サ ー ビ ス や雇. る指摘には異議を 唱える人も多 い であろ う. 用機会 を創出するととも に , 情報・金融を軸 に. 2) その結果と し て , 極度 に高め. が, 要する に. 会 田 氏の云 い た い こ とは ,. し た 「範囲の メ リ ッ ト 」又は 「連結のメ リ ッ ト 」. 現在のよ う に. 関西を単なる 日 本の 一ロ ー. 追求の 都市型産業や 企業の 集積を 促進 し た 。. カ ル に押 し 留めて おけない歴史的・文化的. 3) こ の こ とは,. 役割の強 調,. 「関西 をか っ てのベ ネ. が重要な意 味 を持つ仕事の面 白 さ, 楽 し さを選. チ ア や今 日 の香港 に」ならん こ とへの選択 を提言する(注20) 。. 択する 自 由 , 生 活 を エ ン ジ ョ イ する機会の拡大. 即ち,. (注20) 会田雄次 「大阪 • 関西を今の香港か っ ての ベ ネ チ ア に 」 読売新聞 . 1991年 7 月 4 日 朝刊所収。. -11. (注21). ( 157 ) -. 働 く 側からみれば, 新 し い 事. (社)労働調査研究所編 「大阪経済圏 に お け る 余暇型産業の実態」 (NRS-798) 1980年 3 月, 26頁。.
(12) 図5. 東 京 集 中 の マ ク ロ 的連 鎖. B 本社i員の111:界経禎に お け る ウ ェ ー ト 増大. 蘊東拠点 と し ての重饗性拡大. 情 輯 化 の 道 晨. 経濱の ソ フ ト 化 ・ サー ピ ス 化の道行. (注) 経済企画庁総合計画局編 「東京の世界都市化と地域の活性化」 1989年 7 月 , 51頁よ り 引 用。 となり, 東京に多大な魅力を感 じ て人々が集中. ン ス 」を呼び起こす た めには,. する。要するに, 図 5 に示されるような構造的. ・ 文化的特性を生 かした 独 自 の 方 向 」が常に地. 「関西 の 歴史的. 条件下において, 多 様な要因 から「 一極集中化」. 域 の 個 性を決定するア イ デ ン テ ィ テ ィ として経. が進行する。 それだけに, 東京に対抗する関西. 済環境 の変化 の 過程にお いても重視され, その. を単なる 「経済 活 力 の 不足」で片付けて は いけ. 継承と再生が望 ま れる。 そ の た めには, 首都圏. な い 。 それは関西 の非力 さを将来に持ち越すこ. と同様の高次都市機能 の 集積 · 集中を志 向 する. とになると思われる。我 々 の 現在の最大 の関心. だけでな く て, 次の ような関西 の風土性を高め. 事 は , 関西 の 独 自 性を強 調 する ア イ デ ン テ ィ テ. る姿努が重要になる。 1) 独創性と革新性に満. ィ にある。それも東京対抗型機能の 網羅と集積. ち た関西企業家精神の新た なる継承'. 2) 歴史. による関西 の 経済 力 の 強化とともに, そ の 個 性. 的に 結 び付きの深い ア ジ ア との 国際 交流の 強. 化ため の発想の転換による関西 の特徴付けが必. 化.. 要であると考えている。 たとえば, 国 境を越え. 養成'. た 地球的視野に立っ た 関西 の 独 自 的な役割や西. 構想や文化首都函構想 の推進 5) 西 日 本の中枢. 日 本における関西 の 果 た すべき都市機能 の 強調. 機能 の高度化等にか かわる柔軟な発想が必要に. である。. なると考えられる。. 3) 新 た なる関西文化を創造しえる人材 の 4) 関西の具体化ーたとえば, 歴史街道. 経済社会が 情報化 ・ 国 際化するなか. さらに, 外 からみての「関西」 の特徴づけで. で, 奈良, 京都, 大阪, 神戸と それぞれの都市. は なくて, むしろ その 内部にある各市町村の個. の個 性が異なる地域が 1 時間交通臨内で提携し. 性を活 かし た「創造的な地域」の共生的 ネ ッ ト. て主軸を形成するところに, い わ ゆ る「 ル ネ サ. ワ ーク化による特徴付けも必要である。内なる. 即ち,. -12. C 158)-.
(13) 「関西」の個性に 注 目 する重 要性は, 「二眼 レ フ. 「地域の個性」 と し ての存在観を 将来 に形作る. 論」や 「東京 ミ ニ 論」と違った関西像を探るこ. ことに なる。 このような地域の個性が確立され. と に ある。 それは今われわ れが見た り 語った り. てこそ, 都市や地域社会の主体性が賦与され,. することのできる「個性」が過去から現在 に継. 著名なア)レ ビ ン ・ ト フ ラ. 承 されて きた アイデン テ ィ テ ィ と し ての 「地. ともできよう。 即ち, ト フ ラ. 域」や 「都市」のダイナ ミ ズ ム であって, しか. を越えて往来する世界では主権国家のあ り 方も. もこの側面からの関西の再考も, 大阪, 京都,. 変 質 し てくる。 国家とは別の枠組みの考え方が. 神戸というこれまでの関西の代表都市 に 限定す. 台頭 し , たとえば, 関西が地域と し て国連 に加. ー の講演 に 聞 き入るこ ー. は 「情報が国境. ることなく, これら に比べて相 対的 に等閑視さ. 盟することも考えられる。 国連でなけ れば地域. れてきた個性豊かな地域一たとえば, 堺市, 尼. を 中心と し た 連合 組織と いったものがうまれ. 崎市, 東大阪市等ー のなか に ある 関西を 見 出. るであろう」 と 大阪商工 会議所主催の 第二回. し , その歴史的背景や風土を尊重 し , 関西を内. 世界 ビ ジ ネス コ ン ベ ンシ ョ ン で基調講演 し てい. 側からよ り. 一. 層 多角 的 に みることの 必 要性を. 強く認識するからである。 そうすること に よっ. る (注22) 。. 確かに, 情報化, 国際化の進展 によって, 好. て, 地域や都市の外側からみれば, たとえば,. むと 好まざると に かかわ らず, 世界の国, 都. 東京と大阪を比較する場合, 両者は機能的に は. 市, 地域の相互交流は飛躍的 に高ま り , 既存の. サ ー ビス経済化, 情報社会化の発展段階にタ イ. 種々 の枠組みはこれまでほ ど に 機能 し なくなる. ラ グがあるものの, そのような経済社会の. ことは明らかである。 そのなかに は, 東京一極. 変化 に 関 し ては, 同 じ 断面を持ち, 同 じ 延長線. 集中の是正ととも に , 国単位での経済 ・ 文化 よ. 上 に あるという意味 に お いて相違がない。 し か. り も都市や地域の経済. ム. ・. し , それらを 内側から見れば, 歴史 治. ・. ・. 文化. ・. 政. ・. 文化の胎動が新 し い調. 和 を世 界 に もたらすかも し れない。 そ し て, 関. 経済等の社会的 要因 や地理的 要因 に は大き. 西の文化的個性が世界 に お いて市民権をえるこ. な相 違があるから, 必然的 に 都市と し ての土壌. とが 日 本の国際社会での貢 献 に 役立つ 日 が必ず. は異な り , 関西 には 「関西」の風土性がそこ に 形成される。 それだ け に, 現在官民合同で推進. 来ると おもわれる。. されようと し ている歴史街道構想を関西全域 に. 京一極集中を前 提 に お いた双眼型国土構造 に 関. 要する に, 我々 は経済立国主義 に根ざ し た東. 押 し 広げることは関西文化固の一 体性を確立す. 西を位置づ け る視点ではなくて, 新 し い社会動. るうえで意味のある作業であ り , 関西臨という. 向一 国際化. 共生的ネッ ト ワ ー ク 化の実体化のための有効な. に立った関西の独自性 に期待するのである。. ・. 情報化ー に 対応 した文化立国主義. 手段となるであろう。 歴史的 ・ 文化的特性を生. したがって, 関西のアイデン テ ィ テ ィ は東京. か したこのような独自の方策が, 経済社会の情. とは異質な文化圏や経済力の創造に向かうとこ. 報化 ・ 国際化という各都市 に お いて共通 に 直面. ろに形づくられる 自 立性 に ある。 そ し て, 他の. し ている潮流の中で, 常 に地域の個性を決定す. 地域の多様な個性が合わ さって, 文化立国主義. るア イ デン テ ィ テ ィ の形成のため に重視される. を実態のあるものと し て, 日 本の2 1世紀への道. ならば, そこに生活する人々 の価値観が産業の. を開かね ばならない。. 活性化や住民の生活様式の変化に重 要なイ ン パ クトを与えるととも に, そのような地域的枠組. (注2 2 ). みから新たな土着性の文化の創造へと展開 し ,. -13 ( 159 )-. 読売新聞, 1991年10月2 2 日 朝刊号, 「点描」 より引用。.
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図
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