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米州の貿易・開発と地域統合 : 新自由主義とポスト新自由主義を巡る相克 (資料紹介)

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米州の貿易・開発と地域統合 : 新自由主義とポス

ト新自由主義を巡る相克 (資料紹介)

著者

北野 浩一

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名

ラテンアメリカレポート

35

1

ページ

78-78

発行年

2018-07-31

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00050451

(2)

78 ラテンアメリカ・レポート Vol. 35, No. 1, 2018

米州の貿易・開発と地域統合

――新自由主義とポスト新自由主義を巡る相克――

所 康弘 著

法律⽂化社 2017 年 270 + xiii ページ ISBN 978-4-5890-3864-7 トランプ政権の発⾜で、TPP(環太平洋経済連携協定)交渉など⽶国の対外関係の⾒直し、とり わけ NAFTA(北⽶⾃由貿易協定)を軸とした対墨関係が今後どのような道を歩むのか、⽬が離せ ない状況が続いている。これまでのところ、就任前の過激な⾔動ほどにはドラスティックな変化 は⾒られないが、⽶国内で強まる対外経済関係⾒直しの気運、およびラテンアメリカ側の対⽶関 係の再定義の動きには、社会の深層での変化も踏まえた理解が必要である。 本書は、このようなタイムリーな時期に刊⾏された、⽶州の貿易と開発について政治経済的視 点を踏まえて展望する好著である。TPP については、⽇本国内では純粋な経済効果試算に基づく 評価と、国内経済への打撃や政治・社会的な視点から批判的な論評とに⼤きく分類されるが、本 書は経済データによる裏付けを加えつつ、⽶州全域を包含した政治経済的な視点で検討を⾏って いる。その⽴場は、新⾃由主義による経済統合について批判的であるが、主張の裏付けは学術研 究に基づいて丁寧に⽰されている。 構成は、⼤きく2部構成となっている。まず、序章において⽶州地域の貿易と開発に関する歴 史的概観を⾏い、植⺠地期から現代⽶国の FTA 戦略へとつながる論理が展開される。第1部は、 「北・中⽶編」と題され、NAFTA を軸に、⽶国の製造業、およびメキシコの農業と製造業にどの ような構造変化がもたらされたか、について明らかにしている。「南⽶編」と題される第2部では、 地域横断的な切り⼝を中⼼に、地域主義、「資源採掘型」開発、および「左派・中道左派」といっ たテーマを、貿易と開発の関連で検討している。 政治学的な議論にやや重きが置かれ、メキシコなどの製造業や経済関係の実態がわかりづらい ⾯があるが、政治の動きと経済協定の関連は詳細に論じられている。本書は、トランプ政権とラ テンアメリカ諸国の今後の政治経済的な関係を展望するために、歴史的な厚みのある視座を提供 する。 北野浩⼀(きたの・こういち/アジア経済研究所)

参照

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