外注管理問題にたいする実証的接近 -- R. リッカートの所論にもとづいて --
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(2) 展開するにつれ, 製品原価にしめる材料費および外注費をはじめとした外部 原価の比重の圧迫を当然に痛感せざるをえないし, 製品の品質, 性能に対す る材料, 部品などの同質化さらに数量, 納期における同期化を必須の要件と せざるをえなくなったからである。 外注の問題は, わが国特有の課題として意識されなければならない。 わが 国経済の特徴として, 二軍構造が論議され, 中小企業の問題が取上げられる とき, 外注工場としての中小企業のあり方が討議されてきたのもその所以で あろう。 ただわれわれは外注の問題を経済政策あるいは社会政策のそれとし て取上げるだけでなく, 経営政策の問題として, 企業経営それ自体の課題と して取扱いたい。 企業舒営における外注の目的は,. 一. 般にいわれているように叫(一)親企. 業の危険分散, (二)採算上の要請,(三)需要調節, (四)生産工程の補完, (五)技 術上の必要性などであり, 大企業との従屈関係において下請工場ないし下請 制度として具現されてきたのは確かである。 われわれは, これからの企業経 営のあり方として, こうした外注関係が, なお組織的な理論性をもって延長 されていくものであるのか, あるいはいかに変革され, 変何し ていくべきも のであるのか問題とし ていきたい。 まず企業経営における外注あるいは外注密理の間題を, ただ生産ないし 生 産管理の部分領域や, 購買竹理の部分職能として捉えるのでな<' 企業経営 それ自休の外注工場との関係とし て, 「関係論_I (Relations)的に捉え, 企業 経営をとりまく,. 外注閑係にある企業集団の問坦として杓えていく。 なぜな. ら企業舒営の環境そして情況からして, 経営全体としての課題となり, 利まりつつあり,. 外蔀原価, なかんずく外注原価が,. 外注部品や外注加工の依存度合は傾向とし て. したがって製品の品質, 性能そして数局, 納期はますます. 外注との関係に制約されるようになっているからである そこで外注の問題 は, 従来までの目的を包含しつつ, その愉況の変化のなかにあって,. その関. 係を変質せざるをえなくなってきている。 そして経営全休の企業集団として - 33 (1895) -.
(3) の外注関係は, すでに論議の段階でなく, 外注経営政策とし て企業の団地化 が実現し, 経営の系列化が実践されている事例は数多くあげられる。 (2). 外注問題の視角と焦点. 企業経営の理論とし ての「関係論」(Relations) が論じられて ,. すでに久. しい。 たとえば「パプリック・リレ ー ションズ」(Public Relations) なども その一 例である。 「パブリック」とは, 平井泰太郎栂士によると「経営の内 部およびび外 郭に存在する, それぞれの く関係者>一般なのである2) o.Jし たがって商品の得意先(Customers) や販売先(Distributors and Dealers) そして,. 原材料を はじめとした 購買先(Suppliers) は もとより,. (Subcontracting Factories) も関係者である。. 外 注先. こうし た関係者との関係が. 検討される理由は, 現代の経営の情況から「高度経営」の成立を必要とする ところに求められる。 「こここに, <高度経営> と呼ぶのは単なる大規模経 営の成立という意味ではない。J「すなわち経営体の個々のものとしては, 小 規校でありながら,. その問の連繋および組織の発達に伴う, 高度の機構の成. 育による高度経営の成立もまた存在するからである。J「従来の大規模経営の 概念はいずれかといえば, 物理的, 機械的の概念梢成であったのではないか と思う。」「しかし 経営学的に問題となるのは, むし ろこの運営的,. 取引的な. る事業的連鎖の組織の面でなければならない。」「つまり経営自体が新しき様 相を呈するようになってきたことよりし て,. 新しき意味の団体精神すなわち. 結合意識(エスプリ・ ド・ コル "esprit des corps") を昂揚する必要に迫ら れておる。」「あくまでも,. この経営と内外の関係者とのく関係>を緊密にせ. んとするところに意味があるのであって, ここに現われる新しきく関係>こ そ問題とせられておるものなのである。」 つまり外注関係論も, 「新しき く関係>」として「団体精神すなわち結合 意識を昂揚する必要に迫られ— �経営学的に問題となるのは, むしろこの運 営的, 取引的なる事業的連銀の組織の而でなければならない3) 。」. - 34 (1896) -.
(4) 1)日本経済新聞特集「激動する下請け工場」 2)「経営の内部関係と外部関係」平井泰太郎 3)平井泰太郎 前掲書. (II). 国元書房 昭和26年 3-----4頁。. 4�5頁。. 管理組織の実証研究. 外注関係を組織的な問題とし てこれか ら論議し ていこうとするわけである が, それは組織そのものについてではなく, 結合意識を高めるような組織に ついてであり, 取引運営に有効な組織についてである。 組織の運営およびその成果について, 基礎的か つ実証的な研究 というもの はそれほど多くない。 つぎに理解し つつ,. 外注関係の組織検討への接近態度. なり方法に活用し ようとする R. リッカート (Rensis Likert) の論文 (Mea suring Organizational Performance. Harvard Busiuess Review No. 2. 1958)は, (1). そのうちの一 つであろう。. 組織の業績測定の必要. 今日の社会科学の進歩は, 経営者が組織と成果に関して相異した酋理の結 果を評価することを可能にし ているという。 そういう評価によれば, 経営者 が,. あまりにも 生産高や)京価引下げ あるいは直接収益など最終的な結果の. 測定にのみこだわりすぎることは, か えって組織そのものや人材を浪費する 結果となっているのではないか 。 組織そのものの運営とその業績の有効さを 測定することが大切なことではないだろうか 。 経営者の, そし て経営の成果 は, 長期と短期の尺度では相異するであろうし , 両者をどう比較し , 重視す るか も課題である。 経営者の指甜性を評価するためには, 組織のいか なる質 的な測定が必要であり, またなされるべきか , これも課題である。 組織のも つ生産性, 忠誠心, および満足度に関し ,. いか なる測定可能な方法があるの. か 課題とすべきであろう。 組織の運営において, 分権化そし て権限委譲は, 理論的にも有効な概念で ある。 し か し ,. この概念は今日利用されている実践のなか にあって, 費用的 - 35 (1897) -.
(5) に割高につくという重大な弱点をもっているといわれている。 この弱点は, 分権化された組緞において, ある与えられた権限の業績を評価し, それに報 酬を与えるにさいして使用されている測定基準から生じているといえる。 過 去において経営者を評価するのに, 作業測定基準や財務測定基準を使用して おり, 組織や人材の資質,. たとえば忠戚心や動機, 確信, 信頼などを直接に. 取扱うような測定基準は, 原則的には使用されてきていなかった。 これは経 営者が, 組織や人材の価値を浪費することを助長してきた結果を招いてい る。 実際に企菜はこれまで, 経営者にそのようにするということに報酬を与 えてきたというきらいすらある。 ここに 「新測定屈準の必要性」がある。 それについてR. J. コ. ー. ディナ ー. (Ralph J. Cordiner)のいうところを, しばらく見てみよう1) 。 「他の多く の会社と同様に, ジエネラル・エレクトリック (General Electric)は, 長 い間, 過ムの成果を謹価するためばかりでなく, 将来の活動の計画や企業危 険の予測に対して, より正確な手段を提供するためには,. より正確な業績測. 定基準と業績標準の必要を痛感していた。 毀本利益率, 総北上高および完上 純利益率のような伝統的な業績測定も, 有用な柏報を提似する。 しか しそれ らは,. 経営者の決定がもっとも璽要な効果をもっ, 企業の将来のための計画. に対しての有効性測定基準としては不適当である。」 「ジエネラル・エレクト リックが完全な分権化に着手したとき, ······ より 現実的で均衡のとれた測定基準の必要が強くなったのは明らか である。 百以 上の地方の経営チ ー ムヘの業務上の責任と権限の分権化に関し,. これら種々. の経営活動を短期的および長期的にいか なる効果があるか という観点か ら測 定する共通の手段が必要となった。」 こうした共通の測定基準は, 各経営単位毎のすぺての経営者とそれらの従 業員に対して, みずからが企画(administration)し, 涸整(coordination) し' ,l平価 (evaluation), そして動機 (motivation)づけし, 対 話(commu nicaton) していく品礎を与えるという。 このような観点 からすれば, 今日. - 36 (1898) -.
(6) 普及している測定基準は大抵の場合が不適当であろう。 実際において, たい がいの企業は, 売上高, 利益あるいは売上純利益率のような最終成果を取扱 う測定基準のみを几帳面に固守している。 卸資産の水準, ている。. またたいがいの会計手続は, 棚. 工場設備への投資などを正確に反映するようには 注意され. だが 企業の最終成果に 重要な影響を及ぽす,. いわゆる媒介要因. (intervening factors) には, 少しも注怠が払われていない。 これらの要因 は, 忠誠心といわれ, あるいはモ ー ティベ ー ションとよばれるものであり, 有効な相互作用, コ ミュ ニ ケ ー ションであり, 意思決定などに対する組織の 受容力といわれるような, ころ,. 経営を支える組織の質的なものである。 現在のと. 組織の質的な受容力を適正に反映する測定基準を本式に収り入れてい. る経営は まだないといえよう。 この罪伯には二つのおもな 理由があげられ る。 第一は, 伝統的な経営管理論が, 人体において,. モ ー ティベ ー ション的. な変数と人間行動の変数を無視してきたからであり, 第二には, ごく最近ま で, 社会科学は, 人間の組織の質的なものを測定する方法を提供するまでに 発展していなかったということにもとづいている。 伝統的な経営管理論は, 視場の科学的管理法, 原価計算とその発展,. およ. び軍隊の組織理論からえた総括的な岩理概念にもとづいている。 その結果, 利益と原価のような最終成果変数 (end resu lt variables) あるいは生産性の ような過程変数 (process variables) に関係のある測定基準を要求すること になった。 しかし実際に行なった調査事実によると, 最上の成果をえている 企業の経営者たちは,. その業務連営において, 伝統的な理論から離れつつあ. ることを示している。 この理論からの脱皮の一 般的な領向としては, 伝統的 な理論に要求されるよりも多くの注認を,. モ ー ティベ ー ションに向けるとい. うことである。 こうした経営者も, 原価計算や科学的酋理法によって提供さ れた用具や資料を決して無視はしていない。 それとは全く逆に, 二分に活用する。 ただこれら鼠的な用具を,. これらを十. モ ー ティベ ー ションの高揚のた. めの用具として活用するだけである。. - 37 (1899) -.
(7) (2). 業 績測定の新基準の研究. 生産性の高い経営者達 の,. こうし た原理と実務は,. 経営管理 の修正 理論と. し て統合されようとし て いる。 経営 者達 は, 今 日 普 及 し て いる測定基準に広 汎 な変化を追 加 し なければならなく なっ て いる。 すなわち, 完全に意思伝達 を行 ない,. 有効 に相互作用 をなし , 確実 な意 思決定をはか るために, 確信 と. 信頼 および忠誠心といわれるモ ー テ ィ ベ ー シ ョ ンの水準,. そし て 組緻 の受容. 力というような要因 を考慮 し なければならない。 あらゆる企業において ,. 新し い測定基準がなければ , ほとん どの経営者は. 権限の論理と組織の理論に背反 し て , 企業の最善 の利益に逆行し て 振舞 うこ とが可 能 となり,. やがて そ の方 向に行 動を助長 されて いく ことすらありえ. る。 その理由を理解 するのは容易 である。 経営者は, 彼 にと っ て利用 できる 梢報に よっ て のみ, 自 己 の行 動を決定するようであ る。 企業 が経営者に怠 思 決定のための基礎 とし て 提供 する測定基準は, 特 に重 要である。 F . H . ブル ー ム ( F red H . B lum )も 「 企業の社会的監査」 (Soc ial Au dit o f the E nt e rpris e P . 77)の必要 について , 人間 関 係の 進歩 の測定は, 営業期 間 におけ る業 務の事項監査 と同様 に重要であると強調 し ,. もし 企業が, 人間 組織の質. 原価,. そのほかの最終成果を第一 義 とし て , 業 務. の測定基準に取扱 うのであれば,. 経営者はいきおいこれらの要 因 にのみとら. を重視し , 収益,. 生産高,. わ れることになると調査 の報告 をして いる。 経営者と 生産性の 課題について ,. これまでの事柄 の論議を吟味し て みよ. う。 これまで述べた組織理論の中 心となる概念は, つぎのようにいえる。 日 組織において ,. 経営者とその構 成員 の相互関 係を考 える時 ,. 経営者は自 分た. ち を威嚇 的 (t hreat ening) な態度 よりもむし ろ , 支持 的 (suppo rt ive) な態 度 で取扱 っ て いると, 構 成員各人が感 ずるような型 であるべきだ ということ である。 そ の関連 し た概念とし て , (二) 組織のなか の各人が,. 高度な相互作. 用 の技術 と, 適正な業務成績の目 標 をもち, 集 団とし て の結合力が強く, 有 効 に機能 する集 団の一 員 であるときに のみ,. 経営者 は, 人的資源 の潜在能力. - 38 (1900) -.
(8) を十 分に利用しうるであろ うということである。 これらの概念および それに よる組織の理論を吟味す るために , ミ シ ガン 大 学社会科 学研究所 (The Inst it ute for Socia l Research ) の 1955 年来の研究 である, 態度とモ ー テ ィ ベ ー シ ョ ン の資料を利用しよう。 まず資料は, 全国的に 営 業している,. ある企業からの も ので,. その企業. は, 約 15人 の従 業 員 から50 人以上の従 業員 まで, 規校に おいて相異す る,. 地. 理 的に 離れた, 32 の組織単位 から成り立 っている。 それらは本来, 同一 の業 務をおこない,. そこでは生産性と原価の計算 がたえず利用されている。. し た32 の組織単位 の経営者達 に 対して, た, 七 つの質 問 に よって,. こ. う. 新たな二 つの組織の概念に も とづ い. 経営者の態度が測定 された。 その結 果は, これら. 二 つの組織の概念は非常 に 関連 があることが発見 され, し たがって両者は一 つの 「対人 態度」 (a tti tude to ward men ) と名 付 け,. 結合点数 とし て 取扱. っ て分析 しえることが確認 された。 えられた結果 は, 第 一 図 ( 経営者の対人. ゜. 態 度点数 と組 織単位 の生産 性の関係) の ご とく , 良 い 「対人 態度」. �[ 産. 経営者が, 悪. 性. 経営者よりも , 高 い業 績を達. ゜. ↑. の点数 をも っ. い点数 をも つ. ·o. ↓. I. •. 低 ン;/ しl. ゜ 0. 成す るという ことの意義 深 さを明白 に証 明し ている。. r. 悪 い ← 対 人 態 度 」 呉数 → 瓜 第1図. 経 営者の対人態度点数と 組織単位の生産性の関係 (相関係数 =0. 64). - 39 (1901) -.
(9) こ の結果 は, 従 業員 か らえた情報 と資料によっても, 業 績の高 い組織単位 の生産性に対し, 重要な媒 体として人間 変 数 ( human varia bles) が貢献 す るものであ るこ とを確 証している。 経営者が平 均 以 上 の 「対人態度」の点数 をもつ組織肌 位 内 の従 業旦 は, その監 督 , 梁 務そして経験 について, 平均以 下 の従 業 員 と相 異 している。 また経営者が良 い 「対人 態度 」を もつ組織単位 の 従業員 は,. より多 く 次 のこ と を指摘 している。. ( 一) こ れ ら の組織単位 に対す る監 督 は, 支持 をえた性格 のものであ り, ょ り友好 的であ り, 少しも威嚇 的でなく , 批判 的でなく ,. より高 い業 績を期 待. しているような監督 態度であ る。 に) 人 々 の間 , お よび経営者と従 業 員 の間 には, より多 く の 集 団梢神 (tea m. sp irit) , 集 団忠滅心 (gro up lo ya lty) , そして集団結合)J (tea m work) が あ る。 (三) 人々 は, 経営 者をより信頓 , 伯用 し, もっている。 その上,. より高 いモ ー テ ィ ベ ー シ ョ ン を. 経営者と従業員 の間 には,. より良 い コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ. ン があ る。 (四) 人々 は , 少しも強制 感 のない状應 で働 き , のに,. より多 く 且 由を 感 じ ,. 自 ら の作文 の速度 を決める. しか もより多 く 生産す るのであ る。. こ の研究 か らえ られた こ とは,. 全く 異なる産業 に お ける多 く の他 の研究 で. 一. えら れた結果 と 致 す る。 こ れら他 の研究 に お いても, 生産性の高 い組織単 位 の経営者と, そうでない経営 者との重 要な相 迩 を明示す る証拠 をもた らし てい るといえる。 す なわち, 第 一 に妓良0) 業 績を達 成す る組織単位 は, 業績 の悪 い 組織単位 よりも, 支持 される態 度で臼 J咀 し, 高 い狛 図 忠 誠心と集 団粘合力 を築 く 経営 者をもっ ているようであ る。 第二 に は,. 業績 の悪 い組絨単位 は, 最良 の 業 績の組織単位 よりも,. 経営 者. は生産高 に圧 力 を加 え, 従 業 員 を 「機械 の歯J (cogs in a mac hine ) として 取扱 うようであ る。. - 40 (1902) -.
(10) 第 三 に , 支持 さ れ る 経営 者 は , 彼 ら の 部下の た め に 目 的 と 目 標 を 決定す る こ と に よ っ て 管理 す る 傾 向 が あ る 。 そ れ と 対称 的 な 経営者 は , 経営者 の 目 標 を達成す る よ う , 従 業 員 が 努力 す る こ と を期 待 し , そ の よ う な 過 程 に 対 し て の み焦点を集 中 せ ん と す る 傾 向 が あ る 。 こ れ ら の 調 査 の 事 実 は , 経営管理論 の , き , J j1 心 と な る 概念を確証す る 。. と く に組織理論の 修正 さ れ る べ. つ ま り 強 制 的 (press ure -orie nted) で あ. り , 威嚇的 (threate ni ng) で あ り , 報復的 (p unitive) で あ る 経営者 は , 集 団 に 対す る 管理の方法が, 高 い 業績期待 と 関連 さ せ て , 従業員 Ij 1 心 に , 支持 さ れて い る 経営者 と 比較 し て み る と , 生 産性 が よ り 低 く , 費用 が よ り 高 く , 欠 勤 が よ り 多 く , そ し て 従業 員 の 満 足 が よ り 少 い と い う 結果 を も た ら す と い う こ とである。 管 理 の 支持的 な 形 態が, 最 良 の 結果 を も た ら す傾 向 が あ る と い う こ と は , 企業 に お け る 取締役会や最高幹部 を は じ め , 分権化や権限委譲 な ど を含む, 組織の す べ て の 状態 に 対 し て 育成す べ き 形態で あ る こ と は 明 ら か で あ る 。 ま た 疑 い も な く , 企 業 の 幹 部 は , そ の 業務 に お い て , こ の 形想の 経営管理を達 成 し て い る と 信 じ て い る に 違 い な い 。 し か し 不幸 に し て , 今 日 , ほ と ん ど の 経営者 に よ っ て 使用 さ れて い る 業績 測定基 準 は , 経営者以外 の 活動 を な す , よ り 下 位 の 管 理者 に 強制 を加 え る こ と に な っ て い る 。 そ し て し ば し ば誤解を 生 む の は , 強 制 的 指示 を す る 威嚇的管理が, と く に 高 い 技術 的 な 能力 を と も な っ て い る と き , す ば ら し い 「短 期 的 」 成 果 (short-run res ults ) を達成 し う る と い う こ と で あ る 。 そ う い う 場合, す く な く と も 一 年間 は , 生産性の た め に 直接的 な 強制 を 増加 す る 管理 は , 生産性の 著 し い 増加 を達成 し う る と い う 明確 な 証拠 が あ る 。 し か し な が ら , そ の よ う な 増加 は , 組織 に 対 し て , 実 質 的 に 巫 人 な i且 失 を与え て の み 達成 さ れ る の で あ る こ と も 理解 し て お か な け ればな ら な い^ (3). 新測定基準 の た め の 実証. い っ た い 企文 が経営者に よ っ て , 人 間組織を通 じ , - 41 (1903) -. 一. 年 な い し 三年 の 短 期.
(11) 間 で , ど の 程度 の す ば ら し い 収益を達成 し う る も の で あ る の か, ま た そ の 場 合の組織の質は, ど の 程度 の 影智を受け る も の で あ ろ う か, つ ぎ に こ の 問題 を検討 し て い こ う 。 こ の 質問に対 し て も , わ れ わ れ は ,. ミ シ ガ ン 大学の 社会科学研究所 に よ っ. て調査 さ れ た , 多数の事業場か ら な る 大企業に 関 す る 重要な研究に も と づ い て , 確 固 た る 証拠 を う る こ と がで き る 。 こ の 研究は, 500人 の従 業員 を も っ ,. 四 つ の 同種 の 事業場 に 関 す る も の で. あ る 。 各事業場 は , 同 じ よ う な 方法で組織 さ れ, 同 じ よ う な 技術を用 い, ま っ た く 同 じ よ う な 仕事を行い, そ し て 比較 し う る 才能を も つ従業員 か ら な っ ていた。 こ れ ら 四 つ の 事場場の 生産性 は, 従業員 の 数 に依存 し, 集 団 の 規模を変化 さ せ る こ と に よ る も の と 考え ら れ た。 こ う し た 各事業場 に , で た ら め な 基準 で, 二 つ の 実験計画が割 当 て ら れ た。 す な わ ち , 各事業場の過去の 生産性の 実績 に 関 係 な く , ま た経営管理者達の管理の慣習や そ の 方法 に 関 係な く , 実 験計画 は 割 当 て ら れ た。 そ し て こ の実験 は , あ ら か じ め 数 力 月 は計画す る の に費 さ れ, さ ら に半年 に わ た る 訓練の 期 間 を持 っ て , の 期 間 を 通 じ て , 生産性 は, た え ず 測定 さ れ,. 一. 年間 続け ら れた。 そ. そ し て 週毎 に 算 出 さ れた。. 従業員 と 管理者 の 態度 と そ の変数は, 期 間 の 少 し 前 と 後 に 測定 さ れた の で あ っ た。 さ て 実験計 画 に , 二つ の 事業場 に お い て , 意思決定の水準が, 下位 に 委譲 さ れ る よ う な 管理 の 方 法 に 変化 さ せ よ う と す る 試 み と , こ れ と は 対称的 に , 他の二つの事業場 に お い て は , 管 理 が集約 さ れ, 意思決定 の水準を, 上位 に 集中する よ う ,. 管理の方法 の 修正が 計画 さ れ た。 前者を 「全員参加計画」. (participative program) と い い , 後者を 「官僚統制計画」 (hierarchically controlled program) と よ ぶ こ と に し て お こ う 。 そ し て こ れ ら の 計画 の 導入 と そ れへ の 変化 は , 科学的管理法 の 展 開 に よ っ て 推進 さ れ, 指導 さ れて行 っ た 。 実行 さ れ た重要な 変 化 の 一 つ は , 仕事の 時間 を測定 し, 標準時間を算定 - 42 (1904) -.
(12) す ること によっ て, これらの事 業場が約30 % の過剰 人員 をもつこと が明 ら か になっ たため, 各事 業場の経営者は, 解雇 でなく転任 によっ て, 25% の人員 こうし た施策が いか に効果的に遂 行さ れた. 削 減 をす ること になっ た。 勿 論,. か について調査 できるよう準備 さ れたのはいうまでもなか ろう。 (一). 生産性の変化. 生産性の変化 (第二図) は,. 仕 事一 単位 に 必要 とさ れる賃金 の変化を 示. し, そ の変化は, 各事 業場における生産性の変化を反映 し ている。. 生 暑 に 対. る. 合費. 60. %. 官僚統制. 全 員 参加. 50 40 30 20 10. ゜. 以前. 以後 第 2 図. 以前. 以後. 生 産 性 の 変 化. 調査 によれば, 官僚統制計両 の場 合には, 約25 % 生産性 が 向上し た。 こ れ は, 25% だ け人員 を削 減 せよとの経営 者か らの直接 の命 令 の結果であり, 直 接 的な強制 は, 生 産高 の実質的 な増加 を示した。 このことはまた, 全員参加 計画 の場 合でも, 20% の生産 性の向上 として実現 さ れた。 これは官僚統制計 両 の場 合ほど ,. 大 き な増加 ではないが, 意義 のある増加 である。 この増加 を. 達成す るために, 従業員 自 身 が, 集 団 の規模 を節減す る決定 に参加 したので ある。 集 団 の構成 員 を 削 減 す ること に よっ て,. 集 団 の規模 を節減す る決定. は, 集 団 の構成 員 が行 う, もっ とも困 難 な決定 の一 つと いえる。 しかし, 従 業員 が それを行うことによっ て,. 事 実,. 全員 参加計画 の一 事 業場 では, 官僚. 統制計画 の二事業 場と ほ ぽ同 じ量 だ けの生 産性 を増加 しえたのであっ た。 し たが っ て, もう一 つの全員 参 加 計 画 の事業 場は, 記録 的には, す べての事業 - 43 (1905) -.
(13) 場の うち, もっとも低 く , 約15 % の 生産性 を向 上させ たに すぎ なか った。 ( 二). 態 度の 変 化. これら二つの 計 画 は, 生産性 に対して 同 じ効果をもって い たけれど, 他 の 側 面 では実質 的 に相異する結果を現わし て い る。 官僚統制計画 に おける生産 性の 向上は,. 業務への 忠誠心 , 態度, 興味 および 増 加 の ような要因 に 関し. ”. て ' .. 逆 の 方向変 化を伴 うの である。 し か し まったく 反対の こ とが,. 全員参. 加 計 画 の 場合はい えるの である。 第三 図 は,. 全員 の 管理への 参加 が増加 するときに , 仕事の 完成を検討 する. 従 業員 の 責任感が増加 し たこ とを示 し ている。 また菅理者がいなく なったと きも, 従 業員 は仕事 を継 続した。 それに 反 し, 官僚統制 計 画 の 事 業場では, 責任感は減少し , 管理者がい なく なったときに は, 仕軍 は中止 される傾 向が あった。. 5. 官僚統制. 以前 以後. 以前 以 後. ー. J っ5. L. 笛. 全 貫 参加. 4 3 2 . ` ;. し. な. 第 3 図 もう一 つの 測定基準は,. 仕事の完成を検討する従業員の責任感 生産性 の 高 い 作業 者に対 する従 業貝 の 態度であ. り , こ の 基準 に よって , 従 業員 が仕事への 協 力 を, い か に 感じ て い るか を知 り うるの である。 二つの 計画 に おい て , 生産性 の 高 い 者に対する従業 目 の 態 度の 変 化は, 第 四 図 に示 されて いる^. - 44 (1 906) -.
(14) し. 官 1棄統制. 4 蕪. 5. し. 、. 良. 全 員 各加. 3 2. ' 以前. 第4図. 以後. :. 以前. 以後. 高い生産者 に 対する従業員の態度. ここにおいても, まったく反対方向へ の統計的 に意義 ある 結果が でてく る。 全員参加 計画においては, 態 度はより良 くなり, 生 産性を制 限しようと する強制 がより少なか った。 官僚統制 計圃 においては, ま ったくその 反 対の 結果が 出 たのである。 多種 多様 な組織についての広範. 目 標 を達成 するのに有効 な企業 の組織は,. な調査 の結果か らすると, 忠誠心 , 理解 , 親密 の相互感 , の伝達 そして影啓 の相互 関 係が,. および上位 と下位. よく機能 していると いう感覚に よって,. 経. 営者 と従 業 員 が結合されるということを示 している。 こ れ らの態 度や感梢 が いか にし て達 成 されるのか , 四 つの事業場 での研究 が,. その解答 を用忍 して. くれている。 第五反I が示 す よ うに , 年度 の終りにおいてほ , その当 初 よ りも , 仝貝 参 加. 苔. 5. 官僚統制. 4. 非親. 3 2 親 客 では い. 全 員 参加. " 以前. 第 5 図. 以後. :. 以前. 以後. 絆党者達の対従業 只への親密感の度合. - 45 (1907) -.
(15) 計画 のも とで の従 業員 は,. t hem) で あると感 じ,. 経営管理者達 が 「彼 ら に対し て親密」 (clos er to. その反対のこ とが ,. 官僚統制計画 においていえる の. で あった。 さ らに第六 図 が 示すよう に ,. その上従 業員 も 含 めた企業 のために , 「援 助 する」 (pull) と. 業員 のために, 感 じ,. 全員参 加 計 画 における従業員 は, 経営者が従. ただ企業にだけ関心 を も っているので はないと感 じていた。 それに対. し , 官僚統制計 画 で は, その反対の趨勢 が 生じていた。. も 員 業 従. 官僚統制. 5. 全貢参加. 4 3 2 1 社 の 業 企 以前 第 6 図. は,. 以後. 経営者が企業のた め. あ る い は企業 と 従業員のため 「援助 し た 」 程度 に ついての従業員の意見. これら の趨勢 か ら 予 期さ れるように , 事を通 じ て,. 以荊. 以後. 反対の方向へ の顕著 な移動 は, その. 従業員 の経営者に対する 満足感 に おいて表現さ れた。 第七図. 経営 者達 が , 従業員 に関 係のある問題について, いか によく 上司 に伝達. し, 影御 を与 えたか についての, 従 業員 の感情 の移動 を示しているも ので あ る。 重 ね ていうなら ,. 全員参加 計 画 は, 官僚統制計画 よりも,. より良 いこ とを. 示 し ている。 官僚統制 計画 に おける態度の変化の意義 ある側面とし て, 年 度 の初 めと終りを比べてみると, の地位 と権 限に対し ,. 経営者達 は, 仕 事を 完成するにあたって,. より多く 依 存 し ていると,. 従業員 が感 じているこ とで. ある。 「地位 を利 用すること」 (pulling rank) は,. - 46 (1 908) -. そ. それが惹起 する敵意と反.
(16) Et. ll. 全 員参加. 51 4 -l 3. I. 官 僚統制. ゜. 2 蕪 い l 監饂者 第 7 図. 管理者. i. 杢営者. 監督者. 晉理者 至営者. 代表者 と し て の 経営者達 に 対する従業員の満足. 感 のために, 長期 的には,. J�l 己破滅 (s elf-defeat ing) となる傾 向 がある。. さ らに官僚統制計画 のもとでの悪 化は,. そのほ か にも,. たとえば従 業員 の移. 動 が増加 したし, 生 産性 に対する過 度な強制だと感 じて, 従 業員 か らの拒否 が始 まった。 これら二つの計面 において生 じた反 対方 向への重 要な趨絡 と, 引 用 した調査 に照合 してみれば,. そのほ か の. これらの研究 に首尾 一 貫 していることは,. 「長期 的l に従 業 員 のモ ー ティベ ー シ ョ ン と生産性に密接 な関連 をもってい ることである。 これはまた, つぎの事柄 を確信 させる理由ともなる。 もしこ の実験 がさらに継続 されたとするならば ,. 全艮参加計画 では, 仕事 の生 産性. と組絋 の質 とが絶 えず向 上していたであろ うし, 反 対のことが官僚統制計両 で具現 されていくであろう。 (4). 経営 政策に対 する意 義. (一) 人材と組織へ の対策 人 材 を養 成することに費用 がかかることは,. 経営者が 一番良 く 知 ってい. る。 さらに立派 に設定 された目 標 をもっ , 忠 誠心にみち た, 結 合力 のある, 有効 に機能 している組織を創 り 出 すことは, もっと時間 と資金 のか か るもの である。 したがってすべての経営 者は忠誠心 ,. - 47 (1 909) -. 業績目 標 , 情報伝達 , モ ー テ.
(17) イ ベ ー シ ョン など に関し て, 管 理が従 業員 から 支持 的で あり, 機能 的に組織 が有効 で あれば ,. それだ け低 い費用で ,. 高い質 の業績に対す る組織 の受容力. は, 大 きいということを 示 す 調査 事 実 にも賛 成す るはずで ある。 もし こう仮定す るなら , 当 然 にただ 一 つ の結論に到 逹 す ることに なる。 す なわち, 官僚統制計画 の実験 で 証明 さ れたように,. 組織に 強制を加えること. は, 生 産 性の実 質 的で , 直接 的な向上 を果し えるか , この向 上 は,. 組織と,. その人 材 を 犠牲 にし て達 成さ れる性質 のもので ある。 これまで の研究で ,. そ. の犠判 は明 白 で あった。 管 理に対す る敵意が増 加した, 権 限に対し てより依 存す るようになった, 忠誠心 は下落 し た, 生 産 阻害 のモ ー テ ィ ベ ー シ ョンが 増 加し ,. 生 産 培 弥 の モ ー テ ィ ベ ー シ ョ ンは 減少 し た,. 等 で ある。. 換言す れ. ば , 人 間組織の質は, 機能 的な社会制 度 (a funct ioning soc ial s yst em ) と し ては悪 化し たので ある。 もし企 業 が 人 間 組織へ の投 下資本 を明 示 しうる 会計手続を もっていたとす るなら ば , 官僚統制計画 の二 つ の事業 場 に おいては ,. 実験年 間 の初 め と終 り. で 人 間 組織の 価値 が低 下 し たことを明 確 に し たことで あ ろ う。 いうなら 令 業 の投下資本 のうち, 事 業場 におけろ 人 間 組 織 の負 釦 部 分 に よって, 実 際には 生産 性向 上 の部分が達 成さ れた とみるべきで あろ う。 し たが って生廂性 の向 上 は,. この犠牲部分 に賦諜 さ れるのが 当 然 で あ る。. 他方 , 全員参 加計 圃 の二つ の事業坦 で の, を, 会 計:己録 が 反映 し えたとす れ ば , とで あろう。. 人 間組織へ の投 下資本の 価値. その結 果はまった< 逆 に なってい たこ. つ まり投 下資本 のこの期 間 に おけろ 価値 は 坪刈n し た といえ よ. う。 これ ら 二 つ の市 業 場 の経常 者は , 機能 的な社会制度 とし ての, 旅 的受 容 力 を堺 加さ せるような性格 の持主で あったし,. 組織 の生. その結果, 忠誠心 ぱ. 増 加し , 阪唸 は 減少 し , 伝達 は改良 さ れた, 決 定 は より正 確で適切 な梢 報 に も と づいているため,. より適 確なものとなり,. そし て生産 目椋 と生産性へ の. モ ー テ ィ ベ ー シ ョンは 増 加し ていった。 人問 組織へ の, 企 業 の役 下資本 は , 工場 や設備へ の 投 下資本 より も , 有形. - 48 ( 1 9 1 0) -.
(18) 的 でないために, いまだかつて会計 的な評価がなされなかったが, いまや利 用 可 能な方 法で, 適正 に測 定 されう るよ う になってきた。 こ れらの方 法は, 抒営 者が現在 の趨勢 を判 断 し, それらの関係 を分析 し, それによ って経営 の 政 策 なり業 務を指押 するこ と を可 能にしたのであ った。 仁). 鼠 的 な目籾 と 統制. 企 業 は 舒 営 者をして, 棚卸資 産をご まかしたり , エ協や設備 の維持 を怠 っ たりして, 見 せか けの利益 や収益 を出 さないよ う , 非常 に注 意 する。 そのた め 介 哭 の会 計手続 は棚卸狩産 およ び工 場 や設備 など の状態 について規則 的に 測 定 し, 報告 するよ う になっている。 しかし人 間 組織で代表 される資 産を連 用 するこ と によ って達 成された 「収益. I (earn ings) は, 工場への投 下資本 をi璽 用 する こと に よ って達成 されたものと , 同じ よ う に 明 瞭 なものではな い。 しか もこ の収益 は, つ ぎ のよ う な剌 激 によ って発 生するものであること に , 注 目 して おか ね ば ならない。 加 , 原 価削減,. すなわ 七 経党 者をし て直接 に, 生産高増. およ び 同様 な目 椋 を過 度 に強制する報吊規則 , 業 務活動 の最. 終結果 のみ測 定 すること を強調 する 一 般風闇 ,. およ び収益 と 利益 へ の町接 的. 貢 献 1こ の み焦 点 をおく 戦 務評 価など であるつ 勿 論, 長 期 的に は, そのよ う な 測 定 )長 準 は 有 効 であ る。. 「 人 間 の特権 を軽. 視する I (m ilks the human franchise ) よ う な経営 者は, 今 日 は ではもう 明 日 のため のよ い損益 図 表 を示 すこ と は できないであ ろ う 。 だ が企 業の環境 が厳 しく なろ に つ れ, 人間組織を手両 しすること は , ますます困 醗 と なり , 組綴 の退 化に 対策 すること は, いよ いよ 野 用 のかかろ ものであることに, 注 意 しなけ れば ならない。 ‘. 非 ,内 に多 く,. そのう え実 際 問 題と して, 責任 ある経営 者の交 代が. そして経営状 態 の変 化 が非 常 に 激 しいため に, 人 間 組織におけ. ろ 趨熱 をふ くむ現在 の業 績に関 して, 適切 な測 定 を提供 するよ う な短 期 の調 芥 は, 長 期 の評価と と もに, いやそれ以上 に大きな価値 が あるのである。 この問題には解決 があ ると はいえ, いまだ正確な会計資料に依存 するよ う に はなっていない。 すなわち 人 間 組織の性格 と 質の適正 な期 間 的 測定基準 を - 49 ( 1 9 1 1 ) -.
(19) 獲得す ることは, 解決 されているとはいえない。 ただ判 断 に頼 るだ けでは, まっ たく 不正確であり ,. 人間 組織が不 満足な,. あるいは退 化しているような. 状況では, なおさら不正確になる傾 向がある。 経営者が人間 組織の 質の 悪 化 を許す 場合には,. 経営者を金銭 的にまたその 他の 方法で罰 す る,. 者がこの 組織の 質を改良す る場 合には,. そして経営. 経営者に報酬を与 えるような測定基. 準 や報酬規則が必要であろう。 まったく 同 じ 論 点 に立てば, て, 消 費者の 態度,. 企業 およびその 製品 そして サ ー ビス に関し. 善意 ならびに信頼 などにつ いても考慰 される 必要があ. る。 経営者は, 見 せかけの低原価 , 見 せかけの 高 生産によって, 質の 悪 い製 品で当 期収益を十 分増加 させることができる。 しか し会 計 帳海 に記載 された 収 益 は 一時 的で, を,. まがいもの であり , 泊 般 者の 信頓 と容 認 という投下資本. 実質的に喰 い泊 してしまったことを意味す るもの であろう。 したがって. 消 費 者に対す る認識 (perce ptio ns ) ,. 態 度 (attitude ) および容認 (a ccep—. ta nce) の 期 間 的測定は, 企業 発展の 力. 向 を示 唆 し,. 宣伝広告 やマ ー ケ テ ィ. ングを指図す るような日 常 の 目 的の ための みならず, 消 費 者への 暖雄 に対す る企 業 の投下資本 を 保護す るためにも, 行 なわれるべきである。 国. 適正 な評価 と方 法. 組織,. そして:管 理および仕 市 に対す る従 業旦 の モ ラ ー ル や態 度を測定す る. だけでは十分 といえない。 良 い態 度や高 いモ ラ ー ル が, イベー シ ョ ン ,. 必ずし も高 いモ ー テ. したがって高い業績および有 効な組織を保 証はし ない。 す で. に多 く の 調査 が, この 関係を極 めて明 らかに例証している。 たとえば自 己 満 足 と一 般的満足 があるにかかわらず, 生 産高の 目椋 が低 < '. 高い業績 を達成. し ようとす るモ ー テ ィ ベ ー シ ョ ン がほとん どないような状況があり ,. そこで. 良 い態度 が発見 される場合 もある。 また人 間 組織の 過去 の 状 態を 反映す る 行 動 の 測定基準 も,. 有用ではあるが, 現在の 評価 の ためには適正 だ といえな. い。 欠 勤 , 異動 および廃棄損 などの ような測定基準は, 無感覚 な測定基準と なる傾 向があるばかり でなく ,. それが実質的なもの とならないかぎ り は, 人. - 50 (1912) -.
(20) 間 組織の変 化 の状況を反映するように ならない。 このような 測定基準に対 し,. より感覚 的な,. より現 代的な測定基準が 必要とされ る。. 最近 の社会 科 学の 進歩 の結果,. いかなる 企業も人間 組織の質 と, その運. 用, その能力の適正 な評 価のために必要とされ る測定基準をえようという要 望 を可能 にしている。 すなわち多数の重要な変 数を測定 するための手段 が 今 日 利用され ている。 あるいは測定手段 が 今 日 利 用され ていないような変 数に 対しては, 基礎的な方 法論が , 必要な手段 の開発 のために存在している。 こ れ らの測定基準が 活用され るための組織は, あらゆる企 業 あるいは経営 とよ ばれ る対象 で ある。 今 日 , 実 際に測定 され ているか, 満足な測定手段 として 展開され ている変 数のいくつかを, つぎに示しておこ う。 制 度 (institution)とその目的 (o bjectives)に対する忠滅心 (lo yalt y). (イ). ならび に一 体化 (identi fication ) の程 度。 (口). 識能的 階J付 の,. すべての組織構 成員 が , 組織の目標 (goals ) と,. かれ. 一. ら自 身 の目椋 や要 求と 致 していると感 じ, そして企業 目標 の達 成は, かれ ら自 身 の目標 の達 成の助 けとなると感 じている程度。 (ハ) 各組織単位 と各個人の目椋 が, 組織を してその 目的を達成 させうる性 質 を もっている程度。 (二). つぎのような変 数に関 する,. 組織構 成員 間 のモ ー テ ィベ ー シ ョン の水. 準。 (l:I). (ホ). 完成 され た仕 事 の 質 および量 を ふ くむ業績。. (b). 浪 費の削 除 と原 価の節減への関心。. (c). 製品の改良への閑心。. (b). 生産方 法の改良への関心。 組織構 成員 間 の相互 および 相異する職能 的階彫への信頼と信 用の程 度. (へ) 各組織単位 および諸 単位 間 におけるテ ィ ー ム ・ ワ ー クの量 と質 。 ( 卜). 権限 委譲が ,. 組織構 成員 によって, 有効になされ ていると感 じられ る. 程度。 - 51 (1913) -.
(21) (チ). 組織構成員 が,. かれら の着忠 , 伯報, 手続 の知識や経験 などを , 組織. の意 思決定の過程 で, (リ). 活用されていると感 じている程 度 。. 問 頌 やその他 の課題 に対し,. 組織における相異なる集 団 が, 有 効に 相. 互作用 する能力と技術 の水準。 (ヌ). 伯報伝達 の縦横 の過程 に おける有 効さと適正 さ の程 度 。. (ル). 経営に対する基礎 的な哲学 , 指導方針 に 1対 する 態度 までふ く ん での , 的理者 および経営者の指埓 の 技術 と能力の水準。. (ヲ). 人 材の基本 的質 を改 良 しているか,. 組織の質的な悪 化をも たら してい. るかの趨勢 を明示 しうる組織構 成員 の 態度 点 数 (attitude scor es )。 勿 論 , こ れら の変 数の測定は, 複 雑 な過 打 であり, 泊j い水準の科学 的能力 を 必要 とするし, 知 性 た けでなく, 十 分 な訓錬 をも 必要 とする。 木 経験 のス タ ッ フ に よっ てつ く ら れた費用 図 表 を 信用 する企 業 がないと同様に, 未 訓 練 の ス タ ッ フ で人 ,rn 組絨 の情蟄 の測定基準 をつ く るこ とは危険である。 企 業 は, 今 l」 も っ ているも のよりも ,. より 適 正 な組織上の業績 測定 を必要. としている。 社会科学 の進ル は, 今 日 こ れら の測定 を可 能1 こ している。 その 結果 として, 企 棠 を成功 に砕 く ための経料· , J梵 任 ある経営 者 を援 助 するた め の新 しい方 法が活用 されている。 モ ー テ ィ ベ ー ション,. その構造,. そして目椋 , 忠城心 の水準,. および相止. 作 用の技術 , 能力などが有 効に機能 するような組織を削 り出 すこ と, こ れが 経営者に嬰諮 された貨任 なのである。 経営者 とその他 の経営幹部 は, か れら を援助 する手段 として,. 組織の 状 態 および 達 成された 業績についての報告. を , たえざる測定 の'情報 として必要 としている。 経営者 とその組織 の間 に行 き父 う柏報に絶 えず生 まれる, 重大 なギ ャ ッ プ を補 うには, 祈 たな測 定基準 こ そ,. 経営者に対し必要 な査料となるであろ う。. 1 ) R . J . Cordiver 「New Frontiers for Professional Managers」 (New York, McGraw-Hill Book Company, Inc, 1956) PP. 95"'98.. - 52 (1914) -.
(22) ( ill ). 外注工場 の 実態分析. 経裳 におけ る 組織がもつ怠 義 に ついて ,. R. リ ッ カ ー ト の 所論 をで きる だ. け 忠尖 に み て きた。 そこには企業 の飯終結果のみ を強制 する 経営 が, いかに そ の組紘 を 破壊 し , 長 期 的 かつ尖 質的 に業績 を成 果づ け えないかを実 証し て いた。 その ためには経営 におけ る 組紐的 なモ ー テ ィ ベ ー ション を高 めなけれ ば ならない 。 す な わち , 強制的で あり , 命 令 する 経営 で は なく ,. i'.I 上 的 で あ. り , 文待 さ れる 経常 で あって はじ めて , 組織と し て 高いモ ー テ ィ ベ ー シ ョ ン の態度 は醗 成 さ れえる 。 そこで は企 業 をして 経営者 の 目的と組織の各構成旦 の目的 とが, 実 質において その)j 向 に つ いて 一 体化する。 そして 全 体の目 椋 の達 成は , 閻 々 り) 目 椋 を 達 成 する こと に なる とい う 理悧 に 立 った組織の忠誠 心, 布 効 な 、怠息疎通 , 適 切 な防 報 伝 辻 およ び f� ; 粕 に も とづ いた 業 務遂 行 が果 さ れえる 。 外注工枯} と(;) 関 係 を 組織と して 名察 する とき , 結合怠 識 を 碕 め , 収 リ I 連常 に有効 な糾織づ く り は , 頃業 目 的 の 一 体化で あり, い わ ば 共仔共栄 という 態 度で あり , その 態 度 を 説定す る 悛 囚 つ ま り 臼理0) 概念 および )j 氏 と (;) 伐] 係 を 採究 しなけ れ ばならな い。. そこで ま ず, 視実0) 外注エJ少} の実態 を, なに より. も全 体と し て 把握 し , 概媒 し た()) ち に , そ の 間 頌 と 動 10」 のうえに立 って ,. 外. 注工楊 の経営者 の態度 を質 的 に分析 し, 組織について の検 証を行ないたい。 そのう えで 外注経 営 政 第 の実践課頗 の示 唆 なり 指 摘 をして いきたい。 その た め, わが国 の成 長産業 で の ,. ある 大企文 を親 企 菜 と す る 外注 企業 集 団 を調査. の対象 と し て 研究 をす すめて み よう。 (1). 外注工場 の実 態 分析. 外注工 場 の実 態 を涸査 する に あたっ て , 200 社余 の外注工場で あった。. 調五 の 対象 と さ れたの は, 上要 な. 謁在方 法 は, 質 問 用 紙 の郵 送 による 留置記入. 方式 で全 数調査 し た。 様 式 は , 挨拶状 , 依頓状 を ふ く め , 経常 概 況 の 目 由 心 入を は じめ, 質 閥 禎 目 は人唄 目 14, 小禎 目 53 を決 定 した。 期 間 および 回収 - 53 (1915) -.
(23) に関しては, 発送後 の締切日 をニ カ 月 とし, あった。 調査時 期は, があるとはい え,. 有効調査票 数は68% の回収率 で. ある意味か ら, 明確 にしえない が,. 可成 り時間 的経過. 外注の実 態なり趨勢 の大要を把握 することはできるとい え. よう。 まず企業実 態につ い てみるに, 資本金 で 200万 円 以 下 の工 場が, も多く,. 48% で最. 900万 円 以 上は10% で, い か に小規模 あるい は過少資本 の経営が多. い か が判 る。 従 業員規模 にしても,. 70人以 下 が約50% と庄 倒 的 に多 数を占. め, 200人以上はわずか9- 3�る しか ない 実状 であった。 こ うした事実 は,. あま. りに零細小規模工 場に対する依存 度が大きく, 今後 は中 規模 および高管 理水 準の外注工 場を確保 する 必要か らも,. 外注工 場の開発 ,. 選 定 を はじめ, 指. 導 , 育 成につ い ても十分配慮 されなければならない 。 地域 分布 につい ては, 親 企 業 が大 阪 巾 心 であるため, 大阪市 内 の集 中 度が56. 8% で, 大阪府 内 , 京都府 下 を入れると,. さらに近郊,. その他 はわずか13. 7 % となる。 こ れは外注. 工場 の分布 ない し立地 の条 件として一 応 は望 ましい 姿 とはい えるが, 指摘 す べ き問題がない わけではない 。 それら外注工場 が, 親企業 のい く つか ある散 在 した全事業場 に有機的な連携 をもって, ネ ッ ト ワ. ー. ク として活用されてい. るだろ うか 。 さらに中 小 企業および外注工 場 の集 団化とか 団地 化が脚光 をあ びてい るが, 交通難 と過密都市 の環境 に対処 する必要はない だろ うか 。 ある い は合理 化の進展,. 交通網 の整備 や 人手 不足, 人件費高騰 の状 態に 対して. は, 局 地的な外注 体制 か ら, い か に全 国 的 なものに仕 上げてい く か も 問題で あろ う。 受注状況 に関しては, frlfi 格決定におい て,. 一. 応 は協議方式 でなされてい る. ( 7296 ) 。 決定基礎 は原価 計算 によってい る ( 78% ) 。 しか し収 支ト ン ト ン と い う状 態がか なりある ( 43%) 。 したがって受 注単 価 を妥 当 と回 答 したもの は過半 数におよばない ( 4291る ) 。 そして価格決定 は事情 によって融通性あり (3691る) としており, 価格決定 につい ては今後 , 十 分に検討 する余 地がある。 勿 論, 公正 か つ妥 当 な単価決定 がなされるべきは当然であるが, い たずらに - 54 ( 1916) -.
(24) 協 議 の形 式あるいは計 算 の算 式 にとらわれるこ となく , 外 注工場 ともどもの 成長 を考慮 し た, う。 受注 内 容 は,. 一 ー. 貫 性と共 有性のある価 格 そし て その基準 が必要となろ. 親 企業専属 工場が多く ( 45%). れば大多数が恵属 的な取引である (82%) 。. , 大半 というのをふ く め. そして 受 注は一応 の安定をみせ. て いるが ( 76 54る ) , 受 注後 なん らか の変更 を余儀 なく さ れて おり ( 90%) , 発 注は計画 的にされて いる ( 75 %) といいながら, 納期余裕 のあるものはわず か で ( 15%) , 納期厳守 できるものも少ない ( 27 %) こ とになる。. 当 然のこ. とながら, 発 注後 の変更 は極 力 回 避 さるべきであり, 指 示的な発 注, 強制的 な納期 について の吟味が肝 要となろう。 外 注工場の製品別 の生産能力 や製造 期間 を, 十分に配慮す るこ とが, 種々 なロ ス をはじめ自 主 的な管 理のために 必要となる。, また発注後 の 計画 変更 にし て も,. できるだけ 回 避 す るとし て. も, どうし て も不 可避 の場合 は, 迅速 な情 報 の伝達 と適確 な意思 の決定が必 要 であり, その担失 について も相互 が責任 ある納得のいく 話合 いが肝心 であ ろう。 支払状 態は, おおむね 良 好 である (80%) 。. そし て 支払条件について. も, 公 平 である ( 77 %) 。 ただ こ の 親企業はとく に, 支払について 独 日 の政 策 を打 出 し , 月 末 完全支払に努力 し て いる特殊 な事情 を配應 し て おか ね ば , 一般性を理 解できないであろう。 それでも2051る ないし30%近 い外注工 場が, 支払条件になん らか の鋳躇 をもっ て いるこ とは注目 し なければ ならないし, なお支払条件を公平 にし , 良 化す る努力 の余 地があるこ とはたし か である。 設設備状況について は, 設備能力 に余裕 のあるものが半 分ある ( 505'lる ) の に 対し , 完仝操業 に近いものも約半 分ぐ らいである ( 45 %) 。 し か も約四 分の ー にあたる工場 が ( 24%) , 相当 の遊休設備 をもって いる実状 は問 頌 である。 外注工場 の全体をバランス のとれた生産設備稼働 の状 態に活用し , 運営す る こ とが必要となろう。 設備状 態は, 新規設置 し て いるものが半 分あり(5096) , 設 協 計画 をもって いるものも か なりある ( 3096) 。. そし て設備 調達 は, 親 企. 業 か ら貸与 されて いるものも か なりあるが ( 2096) , 今後 , 近代化して いく 設備 は自 力 で調達 し たいものが過半 数いるこ とは注意す べきである ( 70 %) 。 - 55 ( 1917) -.
(25) こ うし た設備状況 からすれば, 設 備 更新 はほ とん どの外注工場 で実施 ないし 計画 し ている実状 から, こ れをいかに親 企業 ともども外注工場 とし て, 有 効 ならし めていくか, 経営ないし 外注のガ針 および 計 画 を明確 にするこ とが双 カ のために必要 であろ う。 また親 企 業より機械設備 を貸 与 されている外注 工 場 のうち , 相 当 数がそのために不平等 な取扱 いを受 けているのでは ないかと の危惧 をいだいているこ と, からし ても,. および合理化設備 を目 社閲達 し よう という実勢. 外注工場 の自 主性 を推 進 すべ きが本筋 であろ う。. 経営助成 につ いては , 技術指砕 を 受 けているものと (47形 ) ,. 受 けていな. いものが ( 53%) ほ ぼ相半 ばし ている。 技術指導 をうけているもののうち , 親企 業から受 けているものがほ とん どで (85 %) そのうち 効果 ありと答 えた ものが半 数は越 えるが ( 56 9. る),. 効果なし と明 確に答 えたのも四 分 のー にお. よん でいる ( 25 ?6) 。 今後, 技術指均 を受 けたいとするも のが多く ( 87 ?,6) , そのうち の半 分以 上 は親企業からと答 えている ( 62%) 。 一般 に技術水準が 低 いといわれる外注工場 は, 技術指母 を強 く要望 し ており,. とくに親 企 笈 か. らの直接 の指 導 を期 待 し ているにもかかわらず, 半 数強 の外注工場 がなん ら 対処 されておらず, 術指均 のあり) ' ' みとらわれ,. し かも指 祁 の効 果が半 分し か なか っ たという栢実 は , 伎. やり)j に一 考 の余地 があろ う。 すなわち 親 企 業の必要 にの. また外注工場 の成長 のための助 成がなされていないのではなか. ろ うか。 企業診 断 を受 けたことのあるものもかなりあり( 40%) , し かもその ほ とん どが親企 業以 外の外部 機 関 で受診 し ている ( 78�る ) 。 受診 し た上場の うち ,. 再 び受 けたいというものは , 約 叫 分 の一 ほ どである(24%) 。. 今 後,. 診 断 を受 けたい工 場 は , 全 体の約半 数強 であり(56%) , そのうち 視企 業 から の受診希限 は, 五 分のー にすぎない ( 22%) 。 希望 する診 断 の内 容 は, 酋理組 織, 教 育 訓 線 , 生産危 理 , 賃 金 対策, 人 間 閲 係 そし て原 価計算 などが上位 を山 めている。 こうし てみ ると外注工場 も案 外に企 業診 断 を受 け ているという感 がある。 ただその ほ とん どが視 企 業 以 外 からの 受 診 であり , しかも 親 企 巣 か ら診 断 を受 けたも の の う ち , わす かし か再度 の診 断 を期 待 し ていない(16?6) 。 - 56 (1918) -.
(26) これ に 対し 外部 診 断 を 受 け たものの うちか な り の 工場 が , 再 度の 診 を 期 待 し ている ( 4291る ). ことは注 怠 さる べきである 。 診 断員 の 適性の 検討 はもとより. で ある が , 診 断 その もの の あり方 , やり )j に も対策す べき問 題 が ある よう だ 。 経営指母については , 受 け ていない工場 が過半 数あり ( 63%)受 け ている も の は少 ない (37%) 。 も っ と も 経営指導を 受 け ている 工場の うち, ほ とん ど が親企業 か らの も の で あり (869iる ) , 今後大 いに 受 け た いと思 うも の も 過半 数 を こえている ( 699.る) 。 そうし た経営指等 を 要望 す る 内訳 は, 謁翌 会 , 懇 淡 会 の 開 催や, 親 企業幹 部の 方針 , 計画の 説 明および交 流 ,. 工場見学 ,. 研究発. 表 の 実施 などが 上位 を 占 める 方法である 。 こうしてみる と経営指 報 の 要塑 は 強 いが ,. その ほ とん どが意 思の 疎通や情 報 の 伝達 といった, 精 神 的な連携 や. 対話 の 機会 という内 容 であり ,. 経営指導 に か ぎ らず,. あらゆる 助 成活 動 の 基. 本 的な態度 なり 姿 勢 を 示 唆 される ようである 。 この ように 概観 で きる 外注 工場を , 全体として 一 覧 に して資料 としたの が , つ ぎの 諸 表 である 。 すなわち, 曰. 従業員別規模 分析図 (第 1 図 ). (二) 毀本金 りlj 規校 分析 図 (第 2 図) 国. 地域 別 規校 分 析 図 (第 3 図). (四). 業種別規模 分析 図 (第 4 図). (五). 質 問 別 経営状況集 計 図 ( 第 5 図). (イ). 企菜 経営 に つ いての 質 問. (リ). 生J生設仙 に つ いての 質 問. (口). 受注状況に つ いての 質 間. 因. 生涯技術 に つ いての 買 間. (ハ). 発注)j 法 に つ いての 質 間. (ル). 帳 閑 岱 理に つ いての 質 間. (二). 受注単 価 に つ いての 質 閻. (オ). 経営診 断 に つ いての 質 閻. (ホ). 納 品 検 収 に つ いての 質閥. (ワ). 経窃助 成 に つ いての 質 問. (へ). 材 料支給 に つ いての 質問. ( 卜). イ に 金 支払 に つ いての 質 訓. (チ). 」こJ品規校 に つ いての 質 IれJ - 57 ( 1919) -.
(27) 従業員 別 規模分析図 ( 第 1 図) " i 笙屯% J4. '" " 32. 30 29 邸. 27 祁. 25 24 23. T 国瓢 I 20. 謬. ... ,z 21. 20. " ↑ 嗣 I lil露 I " 心 17 ". 15 14 l3. "" ,. 10 8 7. •. ,,. 4 ,l 2 I. けいt /. t:;; I. O - 100 lOl··COJ :,01 加 "'' 切 ,01-soof和,-釣 00,-1叶70 l I ! l H叩•l;o·-��1 1. i. �,. 叩. :�"' j. 『:.'.:,! '::;:,. �'.叩} 「 :�. u. 資本 金別規模分析図 (第 2 図 ). ,1 -i. ,;· l. " "'. '" "''" ':«"' rn :;z '"' H. 40. i盆9. 2X 21;. ". ". x炉. l8. lli. '" ". ll. Ill 8. ぶ!. ,,,. 4. r,1-100. I. w1- 1沼,. I. ,s1-�x,. 58 (1920) -. 40[に I·..
(28) (図 g 踪 ). 喀 謂箇. ,. n u. 汝. H. t9 酎 H. ャ、 I"' ] こ茎; ・ ・. " m. 1 :塁 だ. 翌# 玉お 冥 栂 梨 妄 巨 迄. 悶 寧 t, ff:(, 岳認 忌. 日. f(9. 醤 笞. 企 と ― ¢ ―. 1 3i [. 芯迄 泌裂 合 室 江 S い こ c,[―. I) [ [. - 60 (1922).
(29) ② 受;. u人 況 : こ -� し 、 · ( ,') '/'[ Iれj. H 隕 ·'< ;1 高 »"j. i'.I. 妥. ,l. 、 ,;:. 咤. It. 争. ,_.-. 含t. 和’. 益. |. |. 6 1 (19 2 3 ). を ;.C l登 の '虻 ゼ. 納. 問. 納. 人. 宅. J;. 通. 鹸. 当. 必 決. 性. 法. 注. 決 定 の ぷ Iii!.
(30) ⑤ 納品検収 に つ い て の 1� 問. 検. 収. 基. 準. �; 良 品 梵 生 不 良 品 通 知 tt 社 で の 検 究. ー. U. II. 女. 給. 62 (1924). 材 料 文― �1 .It 支 給 H l'I 在 ,tr.. ー. 支 給 の 訳 絞 ll fl の 内 駅 H I! の 検 行. 支. 払. 期. 限. 支. 払. 粂. ft·. 前. 30 0"it.".':-',にコ�コ 亡::;�ごぶ二言き• エt『·-:二:::ここ::::::::アニ:: ::�) ^ ―. ヽ. 検. 受. 金. 見. t. 戸�芯. 祖;:匹=. ・. 厳 し す 今 る. •J>. 、. い. ;i�. に•戸言; ;�・. 口. こi二. ゞ�. • ご二:匹 で二== 二. に匹這立コ. □•□言戸::i己缶 �二』°買. 『:‘:`:□:,‘□;��. ::. 70. 湛 H n ·,吝''';'7.ア文 It る.
(31) ⑧. 工場規揆に つ い ·c の 質 問. 計. I,\ ]l�lft没 ,II油]. 年 '" の 1M 繁. 画. 段. 階. で. あ. ·=·=·. " t, ., え て い な • 包 !S il 双Rさ�双ター ,' 吠 IM 'll � な か , t. る. 一 部の改店の ハ に 憎築 し た. .. 1"1 1点 設 r;a 状 態. ー. 榊 I岨 ii f面 m· 111. 63 (1925) |. 今 i< ,•, 閲 滋 ,:' "''. .. '.I討 'i. 1>UHt.i 1 こ ) し ' ( U) '/!{ I廿I ll. il,i. 技 術 拓. 指. 勺. .� Ii,. 屯. I七 佑 拓 :� ,,, 糾 't. 糾. ,布. n r., ,. 利I. 椅. i;. a,. If. に. 活. Ill. し て. し、 る. ^ h ヽ l � ヽ 2. ;妬. 2. 18. ' , ’ 、. f. ,贔. x. �.
(32) ⑫ 経常診断 に つ い て の 質 問 %. 繊企 裏 よ り 受 け た経験 が あ る iら 断 .). n駿. 攣企婁以外よ り 受 け た 社駿 が あ る. 受 け. た 経 麟 は. な. い. 33 . 6. 珍 栢 . 、 ,., Jill J.i. 大 い. に 期 待. し. て. い. 58. 9. ""'11. ど ち ら と も い え な い. る. 30. 0 災宅対讀 安全衛'.F. について. 珍 島 を 必 委 と さ れ る 内 'Ii. 15.6. 6.6. ー. 64 (1926) |. ⑬. 経営助成に つ い て の質問. •や i< Dり りし の 呪 状 6-1. l. It ·.'< JI/J 成 へ の 期 ,.�. 大. い. に. 期. 待. す. コ ,, ま り Jlll.t •. る. 68.5. 象} ;:, !Iり !戊 if! /; 法. 講 門 会 , 懇i農会 の 11111貴. どち ら と も 言 え な い. 7.9. な· ". 巴更. 14.
(33) (2). 外注 経営者の態 度分析. 外注工場の実態 を,. ある親企業の傘下の現実 において, 全体とし て概 観 し. てきた。 その調査対象 に対し て, 外注工 場の経営者が親企業との外注関係を はじめ, 企業 の集 団とし ての組織に関し ,. いかなる 態 度をもっている か, 質. 的な分析 をつづけていこう。 とくに外注閃 係という企業集 団における 組織と いわば 「共 存共栄 」 の精神 に対する 態 度を検 討する ことに. し ての結合意識, よって,. 組織とし ての経営的, 事業 的な連鎖 を強化させる 要因 を質 的に解 明. し ていきたい。 凋査 方法は,. この調査 の目的からし て, 而接 法を併 用し た。 調査対象 は,. いずれ も外注工場の経営者またはそれ に該 当 する 代表 者とし た。 面接 調査 の 場 合は,. 事例 を喧 視し ,. 問題追 求的内容 で 調査項 目を構 成し た。. 調査対象. は, , 親企業 の主 要外注工 場名 簿 から, 占 有率と資本金 を基準に有意抽 出 によ って選定し た。 その結果, 占 有率100形 の工 場を16社 , 占 有率90彩以下のエ 場 を16社 , ったために. 合計 32社 が抽 出 さ れた。. しかし 32社 のうち4 社 が 調査不能 とな. 実 際の対象 となったのは, 28社 である 。. 調査 期間 は約10 日 間 で. あった。 また郵 送 法による 調査 では , 主 とし て統計 的処 理を主眼 とし た調査 項 目がとり あげられた。 て, 主要外注工場 ,. この調査 は,. 面接 調壺 で対象 とされた28 社 を含 め. 250社余 を対象 とする 全 数涸 査 である 。. 調査期 間 は 1 カ. 月 間 をとった。 その回 収 率は54% であった。 調査分析 は, 外注工場を 親企業 の占 有率,. すなわち外注工 場の生産高に占. 有 する 親 企 業 の発 注分 の比 率によって, つ ぎ の六 つ の区 分にし た。 A : 親 企業 の占 有率が 100% の外注工場. B :. I/. 99% �80%. c:. I/. 79%-605iる. D :. II. 59%-40形. E :. I/. 39彩以下. F :. 不 明 - 65 (1927) -.
(34) ま た 調査分析 に お い て , 共存共 栄 に 対す る 相 関 分析 と い う の は , 「共存共 栄 が実現 さ れて い る 」 と 回答 さ れ た 外注工場群 と 「共存共栄が実現 さ れて い な い 」 と 回答 し た 外注工場群 と の 間 に , 態度上の差異が あ る か ど う か を, xll 検定 し た 結果 で て く る も の を意味 し て い る 。 (一). 共存共栄 に 対 す る 態度. 外注方針 と し て , 親企業 は 外 注工場 と の 共 存共栄 を基本的 な 考 え 方 と し て い る が, 日 常 の 業務の 政策や活動に ど の よ う に反映 さ れて い る だ ろ う か。 調 査結果 に よ れば ,. 日 常の 施策 に こ の 方 針 が 具現 さ れて い る と 回答 し た. は , 33% に す. と り わ け A と B の グル ー プ で は 20形 と い う 状況 で あ っ. た。 共存共栄が実現 さ れて い る と. し た 外注工場が あ げ て い る 理 由 を例不す. る と , 「支払 の 面で き っ ち り し て い る 。 」 「外注工場が な ん と か や っ て い け る 程度 に , た と え 不況の 時 で も , 発注 し て く れ る 。 数年前, 不景気 の 時 に も , 親企業 自 体 の生産を止 め て , そ の 分を発注 し て く れた 。 」 な どで あ る 。 こ れ に 対 し実現 さ れて い な い と 回答 し た 外注工 場 は 52略 で あ り , 全体の約 半数 に お よ ぶ外注工場が, 共存共栄 は ウ タ イ 文句 で あ っ て , 実際 に は 何 も し て く れてい な い と答えてい る 。 こ. は , A , B の グ)レ ー プ に , と く に 強. 調 さ れ, そ の80%弱 に お よ んで い る 。 こ れ は ほ ぽ 親企業 と 専属 的 取 引 の 閲 係 で あ ろ 外注工場 に お い て , 共存共栄 の 成果 が あ が ら な い と い う 認 識な り 結 果 は , の ち に 分析 し検証す る よ う に , 親企業 と の組織的 な 関係 に お け る 外注エ 場の 自 主性 に 関 し て , 十 分 に 吟 味 さ る べ き 事柄で あ ろ う 。 たとえ. さ れて い な い と 答 え る 理 由 と し て , つ ぎ の よ う な. こ と を指摘 して い る 。 「 口 を 開 け ば い る 。 ただモ ッ ト. ー. と い う が,. ウ タ イ 文句 に終 っ て. と し て い る だ け で , ど の よ う な点で 共存共栄 な の か わ か. ら な い 。 と に か く 親企業 に は 人 情 と い う も の が な い。 外注工場 に な っ て も , 名 ば か り で 何 も し て も ら っ て い な い 。 」 「外注工場 と 共 に 情 け る の で は な く , そ れ を 利 用 す る こ と だ け を 考 え て い る 。 共存共栄 を ス ロ ー ガ ン に す る の な - 66 (1928) -.
(35) ら , も っ と 関 心 を外注工場 の 育 成 に 向 け て ほ し い 。 」 「つ ま り , 単 に 利 用 す る た め の 外注工場 に す ぎ な い。. 強 い つ な が り が 感 じ ら れ な く て 不安 だ 。 」. い ず れ に し て も , 専属取 引 の 外注 工 場 ほ ど , 親企業 に 対 し て 「情 が無 く , 利 で 動 く 」 と 考 え て い る 。 す で に 理解 し た よ う に , 経営の組織が も つ 実質的 な 力 は , 最 終 的 な 利 害 を 虹接 的 に 強制 す る こ と に よ っ て 損 な わ れて い き , 組 織 の 構成員 が も つ 自 主的 な モ ー テ ィ ベ ー シ ョ ン を 高揚す る こ と に よ っ て 強 ま る 。 そ の た め に は組織の全員が, 全体 と 個 々 の 目 的 を 一 体化 し , そ れぞれの 目 標 を合致 さ せ る よ う 経営 の 計 画 に 参加 す る こ と に よ っ て , よ り 深 い忠誠心 と 信頼感の う え に , よ り 高 い 業務 の 内 容 と 成 果 が結 実 し え る 。 し た が っ て 理 論 的 に も , 外注関係 に お い て 親 企 業 と 外注工場が組織 と し て 共 存共栄 の 実 を 挙げよ う と す る な ら ば,. 一. 時的 な 利 益 で な く , 永続的 な 繁栄 を は か っ て , 外. 注経営政策 を た て る こ と が 必要 で あ ろ う 。. そ れ は 外注方針の 明確化 と と も. に , 親企業 と 外注工場の組織 と し て の 目 的 0) 一 体化 で あ り , 外注計画 に 対す る 全般 的 な 外注工場の 積極参加 の施策 で あ る 。 そ こ に 共存共栄の 目 的 の も と に , 単 な る 利害 関 係集 団 と し て の 取 引 関 係 に と ど ま ら ず, よ り 深 い 忠誠心 と 信頼感 に も と づ く 運命共 同 体 と し て の 集団結合力 が醸成 さ れ, よ り 高 い 業紐 が期待 さ れ る と い え よ う 。 し か し実際 に は , 非 常 に錯較す る 問 題が絡ん で お り,. 一. 概 に ま た 一 方 か ら の み 問 題 を処理す る こ と は で き な い 。 す な わ ち 組織. 的 に 根 本 の 問 領 と な る の は , 親企業 と 外注工場 の 組 織 関 係 を規定す る 取 引 の 占有率な い し は 専属 度 そ の も の が, 共存共栄へ の 態 度 を は じ め , あ ら ゆ る 問 題 に 影梱す る 要因 と し て 構造 的 な 背景 そ し て 条件 を な し て い る の で あ る 。 つ ま り 専属 的 取 引 は , 親 企 業 を し て お の ず か ら 見え ざ る 威嚇, 知 ら れ ざ る 強制 を, 業務の最終的 な結果 に 虹接 か け る こ と に な り , 外注工場の み ず か ら 求 め ざ る 無意識の追従が, こ の 傾 向 に 拍 車を 加 え る 。 た と え ば共 存共 栄 が実現 さ れて い な い と 回答 し た 外注工場 の 生 の 声 が, す で に 自 主経営の 関 係 と い う よ り , 依 存経営 の 関 係 を 裏書 き す る よ う な 語 感 を さ え提供 し て い る 。 こ う し た 問 題 を , よ り 具体的 に 検討 し て い こ う 。. - 67 (1929) -.
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