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[講演要旨] 三重県南部における1944 年東南海地震被災体験談の収集

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Academic year: 2021

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(1)歴史地震 第 24 号(2009) 147 頁. [講演要旨]三重県南部における1944年東南海地震被災体験談の収集 林 能成 ・ 木村 玲欧 (名古屋大学災害対策室) 大原祐一 ・ 荒川智也 (三重県地震対策室) 1.津波災害記録の伝承 三重県南部は歴史上繰り返し津波に襲われており、将来、再び津波災害に襲われる危険性も高い。そ のため、先人たちは石碑や文書などに津波被害の記録を残して子孫たちに伝承してきた。1944年(昭 和19年)に発生した東南海地震による津波についても、津波から40年、50年といった節目の年に、 市町村が中心となって体験談の収集を進め冊子にまとめているところも多い(木村, 2008)。これらの 冊子には、津波襲来時の様子や、津波災害の特徴について、多くの貴重な証言が含まれているが、冊子 の配布先が地域内に限られている場合も多く、一般的にはその存在があまり知られていないこともあっ て重要な情報が含まれているこれら冊子の活用はあまり進んでいない。そこで、我々は聞きとり調査と 被災体験の絵画化を組み合わせた手法(木村・林, 2005)を用いて1944年東南海地震津波の体験談 を新規に収集することで、この津波の特徴を明確化できるのみならず、既存津波体験談を効果的に引 用・活用できるのではないかと考えた。 2.調査の実施 調査は2006年度から3年間の計画で進めている。1944年東南海地震によって顕著な津波被害 がでた市町村は、平成合併後の現在の自治体で南伊勢町、大紀町、紀北町、尾鷲市、熊野市の5市町で あり、年度ごとに1ないし2の市町を重点的に調査している。 聞きとり調査の実施にあたっては、既存の文献の有無や被害程度などについての情報をもとにして、 まず、県職員と研究者が議論をしたうえで複数の調査候補地を選定した。その後、県職員は地元自治体 や町内会の協力を得て地域内の被災体験者リストを作成するとともに、現地に赴いて被災状況の基本的 な内容を体験者の方から直接聞くスクリーニング調査を実施した。そして、その候補者の中から優先度 の高い人を選び、研究者と画家が主体的に進める正式インタビューを行った。 正式インタビューにあたっては、直接の津波被害を聞くことはもちろんであるが、そのような被害に いたるまでの行動やそのときの周囲の状況、それぞれの行動をしていた時間の長さやその場所、津波災 害に遭遇する前に知っていた知識といった関連する情報を聞き漏らすことのないよう留意しながら聞 き取りを進めている。このような手続きをへることで、それぞれの地域を代表する被害状況を明確化で きるとともに、地震発生から津波襲来、津波災害からの復興にいたるまでの「個人と自然外力の関係」、 「個人と居住地条件の関係」、 「個人と地域社会の関係」などについての系統的な情報が得られる。この ような聞きとり調査によって、いわば「根幹となる体験談」が確立することで、既存の体験談の該当部 分を引用して活用することが容易になると考えている。. 大紀町・錦(阪野智啓画). 南伊勢町・古和浦(阪野智啓画). - 147 -. 南伊勢町・神前浦(藤田哲也画).

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