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JAIST Repository: 国立大学に関連する特許の分析 : 発明技術領域及び関連企業業種による差異

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https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 国立大学に関連する特許の分析 : 発明技術領域及び関 連企業業種による差異 Author(s) 中山, 保夫; 細野, 光章 Citation 年次学術大会講演要旨集, 26: 500-505 Issue Date 2011-10-15

Type Conference Paper Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/10170

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す るものです。This material is posted here with permission of the Japan Society for Science Policy and Research Management.

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1.はじめに 「民間等との共同研究」、「受託研究」などを通じて国 立大学が産学連携活動に積極的に取り組み始めたの は 1990 年代半ば以降である。さらに、「知」の源泉として の役割が求められる国立大学が、生産した知の活用の ために、特許を中核とした主体的な産学間の技術移転 活動を行い始めたのは、2004 年の法人化以降である。 このような中で、特に特許出願件数は、大学による産学 連携活動に対する取り組み姿勢の一つの指標として取 り扱われ[1]、その出願件数が脚光を浴びてきた。 しかし、わが国の大学に関連する特許の分析につい ては、玉田らによる研究[2]や、金間らによる研究[3]があ るものの、前者は 1972~2002 年までの公開データの分 析に、また、後者は 3 国立大学(東北、筑波、広島大 学)に関連する特許の分析に留まっており、その詳細に ついて十分に調査・分析が行われてきたとは言い難い 現状である。 他方で、国立大学の法人化から 7 年余を経過し、国 立大学に関連する出願特許が蓄積してきたことに加え、 公開情報として入手可能になっている出願特許数も相 当数となりつつあることから、国立大学法人(以下、国立 大学と略す)に関連する特許の調査と分析ができる時 期に来ていると言えよう。 これらを踏まえ、筆者らは産学連携活動と企業の研 究開発活動の関係性、産学共同研究成果の企業内研 究開発への展開などの状況を技術分野、企業業種・規 模などの視点を含めた把握を行い、公的研究開発投資 に係わる施策に活かすことを目的に国立大学の特許出 願に関する調査・分析活動を開始している。この中で、 法人化以降の全国立大学を対象とした国立大学が関 与する特許(2 項参照)のデータ抽出とデータベースの 構築を進め分析を行っている。活動はまだ初期段階に あるが、以下に、特許の基本分析と、特許出願に至る知 的財産の創出における国立大学の技術貢献領域のポ ジションの違いについて分析した結果を報告する。 2.分析する特許データ 分析に使用する特許データは、公開特許公報に掲 載された 2004~2007 年度の出願特許のうち、以下の方 法で抽出した国立大学、または国立大学に所属する職 員、学生等が発明者として関与する特許(20,485 件)で ある。これらの特許に関して、分析に適用可能なデータ クレンジングを施し、さらに、企業プロフィールや発明者 情報などの属性情報の付加を行い、国立大学関与特 許データベースとして構築している。 (1)抽出方法 ①「出願人」または「発明者住所」に国立大学名称が 記載される特許 ②「出願人」に TLO が含まれる特許のうち、発明者に 国立大学所属者が存在する特許 ③「出願人」に(独)科学技術振興機構(以下、JST と略 す)が含まれる特許のうち、発明者に国立大学所属 者が存在する特許 (2)情報の補完 前記②および③の抽出において、発明者の住所は 発明者個人の居所が記載され、所属が不明である特許 が殆どである。このため、発明者の出願時の所属は、全 国大学職員録や、KAKEN 研究者検索などのインター ネット情報を利用して特定し、情報を補完している。また、 同姓同名者、および同一人の異なる所属での発明はこ の過程で区分している。ちなみに、データベースに含ま れる発明者の総数は 33000 人余りである。 さらに、分析には国立大学と共同で研究を実施する 企業の属性情報を必要とする。データベースに含まれ る出願人または発明者が所属する約 3000 社の企業の 資本金、従業員数、業種(主業)等の属性情報は、帝国 データバンク(株)より購入、または企業ホームページ等 から入手することにより情報の付加を行っている。 3.国立大学が関与する特許の基本分析 3.1 特許出願件数 国立大学、または国立大学に所属する職員、学生等 が発明者として関与する特許について、年度ごとの出 願件数の推移を図 1 に示す。 2007 年度は前年度比でマイナス 12.8%と件数の減少 がみられる。この背景として、大きく次の 2 つが考えられ る。一つは、国立大学法人化後に積極的な出願を行っ た国立大学が、審査請求料など特許維持管理経費等 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 2004 2005 2006 2007 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000 6,000 4,296 5,401 5,756 5,032 国立大学が関与する特許出願件数 2,123 3,346 3,549 2,806 2,882 4,690 5,068 4,262 国立大学が筆頭出願人の特許出願件数 国立大学が出願人の特許出願件数 特許出 願 件数 年度 図1 特許出願件数の推移

2E11

国立大学に関連する特許の分析:

発明技術領域及び関連企業業種による差異

中山 保夫,○細野 光章 (文部科学省科学技術政策研究所)

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の現実的な制約に直面し、市場性等の経済的価値を 考慮した出願可否の判断をする必要に迫られる状況と なったこと。 大学が、企業と共同研究した成果である知的財産を 承継しない場合、企業に譲渡されて特許出願が行われ ることがある。これらの出願はそれに該当するものと推測 される。承認・認定 TLO が関与する出願では、企業等 の発明者が含まれる特許が半数近く存在する。これらの 特許が、TLO による企業と国立大学との共同研究の仲 立ちの成果、すなわち、戦略的共同研究マネジメントの 影響によるものなのかは、今後の精査を必要とする。 二つ目は、筆者らの研究[4]で言及したように、特に 地方の中規模大学における人的研究資源(研究者)の ボリューム的限界が見え始め、知的財産の形成に不可 欠な研究環境である共同研究の件数的成長が鈍化し たことである。 図 1 には、国立大学が出願人として記載されている 特許件数と、その中で筆頭出願人として記載されている 件数を合わせて示している。前者と出願件数(棒)の差 分が国立大学に所属する職員、学生等が発明者として 関与する特許であるものの、特許権者が国立大学以外 の特許を意味する。 図 3 は、特許出願人として登場する機関等の区分別 構成比とそれら機関等の出願件数を加味した構成比を 示したものである。図中の略称は、以下を示す。 国大:国立大学法人 公・私大等:公立大、私立大、大学研究共同利用機関、高専 会:国内営利企業 TLO:承認・認定 TLO 法人化前との対比は、特許庁の公開特許の統計 データを利用して行うことができる。 団:財団法人、社団法人、特殊法人、NPO、各種組合等 独:独立行政法人 国:国の機関 統計データより、2004 年の国立大学の公開特許件数 を合計すると 607 件となる。公開は特許出願から 18 ヶ月 後であることを考えると、それらの公開特許は 2002 年半 ばから 2003 年半ばに至る法人化前の 1 年間に出願さ れた特許ということになる。 地:地方自治体 個:個人 他:外国機関ほか 図 1 のように法人化後の 2004 年度に国立大学が出 願人の特許出願件数は 2882 件であり、件数の対比より、 法人化を契機に出願人が様変わりし、個人や共同研究 先である企業等から大学に帰属する特許形態へと大幅 に変化したことが窺える。 3.2 出願形態と出願人・発明者構成 抽出した特許データについて、特許出願形態を示し たのが図 2 である。国立大学、または国立大学に所属 する職員、学生等が発明者として関与する特許の出願 形態には、国立大学と企業等との共同出願(43.6%)、 国立大学による出願(37.6%)、企業等による出願(15. 8%)、TLO が関与する出願(3.1%)の 4 つの出願形態 がある。企業等による出願では、約半数が国内営利企 業(以下、企業と略す)によるものであり、残りを JST、産 業技術総合研究所を始めとする独立行政法人、(財)生 産技術研究奨励会などの諸団体、私立大学・公立大学 などが占める。 また、企業による出願では、その約 10%強(196 件)を、 発明者が国立大学所属職員等のみの特許が占める。 国立大学法人(単願) 企業等(単願) 国大・企業等(共願) TLO 37.6% 15.8% 43.6% 3.1% 合計 20485 0 10 20 30 40 50 60 70 80 会 独 団 私 大 ・公 大 他 複 合 70.4 4.1 2.5 1.13.0 4.7 国 立 大 学 の 共 願 相 手 構 成 比 率 (%) 0 20 40 60 80 100 会 独 団 私 大 ・公 大 他 複 合 47.0 26.4 1.9 0.95.9 4.9 企 業 等 構 成 比 率 (%) 0 20 40 60 80 100 国大発明者のみ 国大・企業共同発明者 10.2 89.8 (%) 0 20 40 60 80 100 国大発明者のみ 国大・企業共同発明者 54.4 45.6 (%) 図 2 出願形態 0 20 40 60 80 100 出願人構成比 出願件数比 国大 国大 公・私大等 公・私大等 TLO TLO 会 会 独 独 団 団 国 国 地 地 個 個 他 他 1.9 51.0 2.4 1.1 0.8 2.3 72.0 34.9 1.0 5.7 2.8 1.2 0.2 0.1 1.5 0.9 15.7 2.5 1.7 0.3 構成比(%) 図 3 出願人の構成 0 20 40 60 80 100 発明者構成比 発明者記載件数比 国大 国大 公・私大等 公・私大等 TLO TLO 会 会 独 独 団 団 国 国 地 地 他 他 56.7 65.0 3.0 2.0 0.1 0.1 33.6 28.2 3.1 2.3 1.3 0.9 0.1 0.1 1.5 1.1 0.6 0.4 構成比 (%) 図 4 発明者所属別構成比 国立大学、または国立大学に所属する職員、学生等 が発明者として関与する特許の出願人には企業が記載 されている比率(72.0%)が高く、本特許データでは 2995 社を確認できる。また、出願件数を加味した比率では、 データの抽出特性上、国立大学が高くなるのは当然と して、それ以外では独立行政法人の比率が高くなって いる。(1.0%→5.7%) これは、JST の各種事業の中で国 立大学に所属する職員等(JST 併任を含む)が発明者と して関与し、生み出された成果によるものである。 図 4 上段は、発明者として記載された人々の所属 機関を区分別に構成比として示したものである。同じく 下段は図 3 と同様に発明者個々の特許出願件数を加

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味して示したものである。上下段の構成比に極端な違 いがでていないのは、発明者記載が 1 件、すなわち、1 特許のみに関与する発明者が発明者全体の 62.2%存在 することによる。国立大学では国立大学所属発明者の 57.4%が、企業では 66.5%が 1 件の発明者である。 企業出願人は、その 64.1%を「製造業」が占める。続く、 「卸売業、小売業」(9.4%)の中にも、一般に製造業と認 識されている企業も多く含まれるが、ここは主業の分類 に従っている。「学術研究、専門・サービス業」には、創 薬ベンチャー、大学発ベンチャーなどの多くがここに属 している。 ここで製造業について、日本標準産業分類の中分類 により細分し、企業数を示したのが図 7 である。化学工 業に属する企業が 376 社と突出しており、このうち約 30% (109 社)は医薬品製造業(細分類)である。 図 8 は、国立大学関与特許の出願人に含まれる企 業を、中小企業基本法に基づき規模区分し、企業数と 特許出願件数の比率を示したものである。 図中の不明は、倒産企業、ベンチャー企業、地場企 業などで 企 業情報の購入あるいはインターネット情報の入手も困難 で ンスの違いが明らかになる。ちなみに、1社 当 ちなみに、図 5 に階級の幅を 2 とする、発明者の特許 関与件数の度数分布を示す。特許関与件数の多いス タープレイヤー的存在の発明者も何人か確認できる。 1 10 100 1,000 10,000 100,000 1 ― 2 2 ― 4 4 ― 6 6 ― 8 8 ― 1 0 1 0 ― 1 2 1 2 ― 1 4 1 4 ― 1 6 1 6 ― 1 8 1 8 ― 2 0 2 0 ― 2 2 2 2 ― 2 4 2 4 ― 2 6 2 6 ― 2 8 2 8 ― 3 0 3 0 ― 3 2 3 2 ― 3 4 3 4 ― 3 6 3 6 ― 3 8 3 8 以 上 9,361 1,202 320 133 52 28 13 14 5 2 3 4 2 1 1 1 2 14,226 2,413 1,009 448 237 158 100 6349 23 18 1217 9 8 8 4 3 5 18 発明者 数 特許関与件数 (人) 会 国大 n=11144 n=18828 図 5 特許関与件数度数分布 3.3 企業出願人の業種と規模 国立大学関与特許の出願人として記載される企業に ついて、主業を日本標準産業分類により業種分類し、 大分類レベルで構成比を示したものが図 6 である。なお、 この図では各企業の特許出願件数は考慮していない。 製造業 卸売業,小売業 学術研究,専門・技術サービス業 情報通信業 建設業 サービス業 不明 医療,福祉 金融業,保険業 運輸業,郵便業 64.1% 9.4% 8.6% 5.4% 5.2%1.6% 1.5% 合計 2995 図 6 企業出願人の業種構成(大分類) 0 50 100 150 200 250 300 350 400 食 料 品 製 造 業 飲 料・ た ば こ ・飼 料 製 造 業 繊 維 工 業 木 材 ・木 製 品 製 造 業 家 具 ・装 備 品 製 造 業 パ ル プ ・紙 ・紙 加 工 品 製 造 業 印 刷 ・同 関 連 業 化 学 工 業 石 油 製 品 ・石 炭 製 品 製 造 業 プ ラ ス チ ッ ク 製 品 製 造 業 ゴ ム 製 品 製 造 業 な め し 革 ・同 製 品 ・毛 皮 製 造 窯 業 ・土 石 製 品 製 造 業 鉄 鋼 業 非 鉄 金 属 製 造 業 金 属 製 品 製 造 業 は ん 用 機 械 器 具 製 造 業 生 産 用 機 械 器 具 製 造 業 業 務 用 機 械 器 具 製 造 業 電 子 部 品 ・デ バ イ ス ・電 子 回 路 電 気 機 械 器 具 製 造 業 情 報通 信 機 械 器 具 製 造 業 輸 送 用 機 械 器 具 製 造 業 そ の 他 の 製 造 業 136 3464 7 5 19 10 376 11 53 29 3 97 3656 95 80 179193 136137 5578 32 出 願 企 業 数 、企業規模判別に必要な業種、資本金等の あった企業であり、実際には、その大多数は小規模 企業者、乃至は中小企業者とみなして差し支えない。 出願人企業数では、中小企業者・小規模企業者で 3/4 を占めるが、特許出願件数を考慮すると、大企業の 比率が著しく上昇し、国立大学関与特許における大企 業のプレゼ たりの平均出願件数と 1 件のみ出願の企業割合は次 の通りである。 大企業者 :8.80 件/社 30.3% 中小企業者 :1.96 件/社 62.1% 小規模企業者 :2.41 件/社 61.6% 不明 図 7 製造業出願人の業種内訳(中分類) 9346 2776 884 241 1062 1418 367 148 大企業者 中小企業者 小規模企業者 4.9% 70.6% 21.0% 6.7% 1.8% 35.5% 12.3% 外円:企業数(合計2995) 内円:特許出願件数(合計13247) 47.3% 図 8 企業出願人の規模 3.4 特許の技術分野 図 9 は、国立大学関与特許について、筆頭 IPC (International )のセクションレベル で技術分野 図に示す いった基幹的工学分 野に伍して、あるいはそれ以上に生活必需品や化学; 冶金分野の比率が高い。これは、IPC の技術分類体系 として、生活必需品には医療が、化学;冶金にはバイオ や遺伝子工学などの生命科学分野が含まれていること が大きい。 参考用として、1000 件を超えるクラス(セクションの 1 階層下の分類)の状況を以下に示す。(%は所属セクショ ン全件数に対する割合) A 生活必需品: A61 医学また 2423 件) Patent Classification の多寡をレーダー図に示したものである。 ように、電気、物理と は獣医学;衛生学 79.0%(

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G C 化学、冶金 4.国立大学の技術貢献分野 C12 生化学;ビール;酒精;ぶどう酒;酢;微生物学;酵素 学;突然変異または遺伝子工学 30.4%(1923 件) C07 有機化学 21.1%(1337 件) 国立大学が特許出願に至る知的財産の形成に貢献 した技術分野に関して、各大学の特徴を抽出するため に出願特許の IPC 情報を利用した分析を試みた。 物理学 G01 測定;試験 51.7%(2391 件) G06 計算;計数 22.8%(1054 件) H 電気 H01 基本的電気素子 62.3%(2251 件) 分析は、04~07 年度出願特許に記載された、国立大 学に所属する全発明者に関して、同人の関与する特許 の技術分類ごとに貢献スコア(発明者技術貢献ベクト ル)を算出し、さらに、当該大学所属発明者のベクトル 和を当該大学技術貢献ベクトルとして、これを対象に 行っている。なお、貢献スコアの算出に際して、特許に 記載された発明者数で分割したパーシャルカウントを行 い、筆頭 IPC には重みをつけている。 A 生活必需品 B 処理操作;運輸 C 化学;冶金 D 繊維;紙 E 固定構造物 機械工学;照明;加熱;武器;爆破 0 10 15 20 35 H 電気 25 30 G 物理学 5 (%) (3066件) 32 5件) 12件) 図 9 技術分野 ここで、IPC は特許に関する技術分野を階層的に細 分化したものであるが、その体系や分類表現は必ずしも 直感的ではない。また、本分析目的に対して下位分類 は必要ないことから、セクション・クラスレベルで後藤らに よる「WIPO (世界知的所有権機関)統計をベースとした 特許技術分類(33 分類)」[5]に変換して取り扱ってい る。 (36 (19 件) (6331件) (462 (152件) (270件) (497件) 4.1 技術貢献分野の特徴 ここでは、大学の技術貢献領域のポジションの違いを 明確にすることを第一義とすることから、コレスポンデン ス分析(対応分析)を適用した。なお、主成分分析でも、 第 1 主成分(共通成分)を除いた第 2、第 3 主成分で以 下と類似の結果を得ている。 図 10 は、04 年度から 07 年度の累積特許件数が 150 件以上ある国立大学に浜松医大と滋賀医大を加えた 東京大 東北大 大阪大 京都大 北海道大 名古屋大 九州大 広島大 千葉大 筑波大 岡山大 神戸大 新潟大 静岡大 横国大 富山大 岩手大 埼玉大 信州大 山口大 群馬大 徳島大 岐阜大 熊本大 金沢大 鹿児島大 三重大 香川大 福井大 長崎大 宮崎大 東京工業大 東京農工大 名工大 九工大 電通大 長岡技科大 豊橋技科大 京都工繊大 東京医歯大 浜松医大 滋賀医大 NAIST JAIST 農水産 食料品 医療機器・娯楽医薬品 処理,分離,混合 金属加工,工作機械 切断,材料加工,積層体 印刷,筆記具,装飾 車輌,鉄道,船舶,飛行機 包装,容器,貯蔵,重機 無機化学,肥料 有機化学,農薬 高分子 洗剤,応用組成物,染料,石油化学 バイオ,ビール,酒類,糖工業 遺伝子工学 冶金,金属処理,電気化学 繊維,繊維処理,洗濯 紙 土木,建設,建築,住宅 鉱業,地中削孔 エンジン・ポンプ・工学一般 機械要素 照明,加熱 武器,火薬 測定・光学・写真・複写機 時計・制御・計算機 表示・音響・情報記録 原子核工学 電気・電子部品,半導体,印刷回路,発電 電子回路・通信技術 その他 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 -1.5 -1 -0.5 0 0.5 1 1.5 2 第1軸 第2 軸 電 子 、 情 報 、 制 御 、 通 信 生命科学、医療、農学 電気・電子回路、 半導体、計測 機 械 、 金 属 、 繊 維 大規模大学 中規模大学(附属病院あり) 中規模大学(附属病院なし) 理工系中心大学 医科系大学 技術分野 大学院大学 「国立大学法人評価委員会国立大学法人分科会」 の「国立大学法人の類型化」にもとづく分類 図 10 国立大学の特徴的特許出願技術貢献分野

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44 大学を対象にコレスポンデンス分析を行った結果を 散布図として示したものである。 図は、大学と技術分野間、および、大学間の関連を 示すもので、関連の強い項目は近くに、弱い項目は 遠くに布置される。これらは項目間の相対的な関係であ り、ボリュームの多寡を意味するものではない。また、項 目が原点近傍に付置される場合は表示軸に対して突出 した特徴がないことを意味している。 図示した第 1 軸、第 2 軸の寄与率は、各々0.342 と 0.137 であり、累積寄与率は約 0.5 である。このため、こ の 2 軸で分析対象の特徴を表現し切れているとはいえ ないが、おおよその特徴は表れていよう。 各軸を技術分野の布置項目から意味付けすると、第 1 軸の原点上方は電子、通信、制御などを中心とする電 子工学系分野が、下方は機械・金属工学および繊維工 学の色彩が強く出ている第 2 軸右側はバイオ、遺伝子と いった生命工学や医薬品・機器などの医療分野、食品 等の農学系分野が、左側は電気・計測などの電気工学 系の分野の色彩が濃い。 これらを前提とした国立大学の主な技術貢献分野の 特徴は次の通りである。 (1)全体の布置傾向として、右側の象限は上下の拡が りが小さく、「>」型のパターンを示している。即ち、 医療、生命科学、バイオ、といった技術領域で布置 大学が貢献スコア比率に優 ど、他の領域では特 いる。この象限に る貢献スコア 通信や機械、金属、繊維と 意味している。 (3) 制御等の貢献スコアが小さいということではなく、機 械・金属系の貢献スコアが他大学に比して突出して いる特徴が表わされたものである。また、福井大学 や信州大学は他の付属病院を持つ大学とは異なり、 基幹的技術分野の貢献スコア比率の高さが表れて いる。さらに信州大学は「繊維」の名を冠する学部 を持つ唯一の国立大学であることが顕著に表れて いる。 4.2 国立大学間の技術距離 国立大学間の技術貢献分野の違いは大学技術貢献 ベクトル間のユークリッド距離で表すことができる。 一方、ベクトルの構成要素に注目した同質性の評価 行うためには、ベクトルの向きの近さを同質性の指標と したコサイン類似度による評価が適する。 Jaffe の技術距離[6][7]は、この考え方を企業間の開発 内容の技術的な同質性、異質性の評価のために適用し たといえる。 ここでは Jaffe の技術距離の類推から、国立大学の特 許出願に係る技術貢献ポジションを①式のベクトルF で 定義し、国立大学間の技術貢献分野の同質性、異質性 を示す技術距離P を計算する。 位性を持つことは共通 であるが、電子、機械、情報など他の領域でも特徴 を持つ大学から、右に進むほ 徴の薄い大学に移行してゆく形態である。ここで、 特徴とは単に貢献スコアが高いことではない。例え ば、京都大学や名古屋大学などの大規模大学は 原点近傍に布置されている。これは単純に貢献ス コアが布置点を決めるのではなく技術領域間のバ ランスが関係することを意味して

)

,

,

,

(

F

1

F

2

F

k

F

=

・・・

・・・① ①式におけるFKは技術分野k における技術貢献 コ 次 て、 定義 P ジシ ス アである。 に、技術貢献ポジション・ベクトル F の内積を用い i 国立大学と j 国立大学の距離 Pij を②式のように する。 ijは、0 から 1 の値をとり、両国立大学の技術貢献ポ ョンが同質的であるほど、1 に近づくことになる。 2 / 1

)]

)(

/[(

i i j j j i ij

F

F

F

F

F

F

P

=

・・・② こ 後の 究領 りとす こ Fi とし、評価大学のベクトルを Fj とした東京大学に比し た 結 を加 大学 れた 東 大学は、他の 旧帝 で、 の東 計算 制御 そ 1/5 の ス でみ 系学 する る。 うして、国立大学間の技術距離を知ることにより、今 調査研究に必要な国立大学の得意と思われる研 域や知財戦略保有の可能性を探る一つの手がか ることができる。 こでは、一例として、東京大学をリファレンスベクトル 布置される大学は、一部の大学を除く付属病院を 持つ大規模大学・中規模大学、および医科系大学 である。何れも医学部を保有することから、医療、生 命科学、バイオ等の技術領域におけ 比率の高さがこの結果を生んでいる。医科系大学 技術距離Pijの計算結果を紹介する。 果は、国立大学が関与する特許出願件数の次元 えた散布図として図 10 に示す。なお、図は任意の 間の技術距離を示すことにはならないので注意さ い。 京大学と技術貢献分野が同質的な 大を中心とする大規模大学が近傍に布置される中 中規模大学の群馬大学(0.964)と理工系中心大学 京農工大学(0.947)とが同質性の高い大学として される。群馬大学は東京大学のスコアが高い測定、 、有機化学、医療機器などの分野でおよ を除くと、岡山大学が特に顕著な特徴を有してい る。 (2)左側の象限は、右側とは逆に第二象限は「∧」、第 三象限は「∨」型のパターンを示している。これは、 電気・電子部品、計測といった左横方向の技術領 域よりも、情報、制御、 いった上下方向の技術領域に特徴を有する大学が 散らばっていることを この象限には、理工系中心大学や付属病院のない 中規模大学などが中心的に付置される。理工系中 心大学でも東京農工大学は農学部を保有すること から異なる特徴を持ち、農学、バイオなどの貢献ス コアにより他校より右寄りに付置される。 大規模大学の中で東北大学は離れた領域に布置 される。これも医療、生命科学、また、電子・情報・ コアで相似度が高く、東京農工大学は 4.1 項の分析 たように、医薬品ではスコアが離れるものの、農学 部を中心とするバイオ、遺伝子分野で相似を維持 スコアとなり他の理工系中心大学と性質を異にす

(7)

逆に、東北大学は 0.784 の技術距離であり、この結果 からも貢献分野にかなりの違いを見せている。東京工業 大学は、電気・電子系分野で東京大学を上回るスコアと なる一方、農水産、バイオ等は 1/5 を下回るスコアであ り出入りがある状況から 0.834 の位置に布置される。 5.今後の課題 本稿で抽出し、分析対象とした国立大学が関与する 特許は、それ以外の特許と相対化した評価をしておら ず、わが国の知的財産活動における国立大学の役割と 位置付けを明らかにし、活性化につなげる施策を考える ためには、そうした作業も今後必要となる。 さらに、各国立大学の技術貢献分野に関する分析から、 同一の大学類型に属する大学は比較的似た技術分野 に布置する傾向がある中で、信州大学や東北大学など 例外的大学も見受けられる。 こうした特徴ある大学は、その特許出願・維持におい て大学法人としての戦略を有している可能性がある。し かし、このような大学は、元来、他の同一類型の大学と その研究ポテンシャル(得意な研究領域の分布)が大き く異なっている可能性も排除できない。 このため、各国立大学の論文数等による研究ポテン シャルの傾向と、本分析結果を摺り合わせ、より詳細な 分析をおこなうなど、今後 国立大学が関与する特許の分析については、その デ 今後、大学及び企業等の組織に着目した分析、また 個別研究者や個別の研究プロジェクトに着目した分析 など、引き続き、多面的な分析を行うと共に、関連論文 群や関連特許群との相関を調査・分析を実施してゆく。 【参考文献】 [1] 文 部 科 学 書 , 平 成 21 年 度 産 学 連 携 等 実 施 状 況 調 査 ,http://www.mext.go.jp/a_menu/shinkou/sangaku/sanga kub.htm [2]玉田俊平太,井上寛康,大学もしくは公的研究機関と民間 企業との共同出願特許の分析,RIETI Discussion Paper, 08-J-003 (2007) [3]金間大介,奥和田久美,国立大学法人の特許出願に対す る知財関連施策および法人化の影響,NISTEP 調査資料, 154, (2008) [4]中山保夫,細野光章,産学連携データベースを活用した国 立大学の共同研究・受託研究活動の分析, NISTEP 調査資 料, 183, (2010) [5]後藤晃,元橋一之,特許データベースの開発とイノベー ション,知財研フォーラム, Vol.63, (2005)

[6]Jaffe A.B. Technological Opportunity and Spillovers of R&D: Evidence from Firms’ Patents, Profits and Market Value, American Economic Review, Vol.76, No.5, pp.984-1001 (1986)

Position of Firms with Application to Quantifying Technological Opportunity and Research Spillovers, Research Policy,

東京大 10000 東北大 東京工業 大阪大 宇都宮大 茨城大 和 お茶の水女子大 金沢大 鹿児島大 長崎大 佐賀大 大 大 九工大 長岡技 海洋大 大 東京 教育大 奈良教育大 京都大 北海道大 名古屋大 九州大 広島大 千葉大 筑波大 岡山大 神戸大 静岡大 信州大 山口大 徳島大 東京農工大 名工大 科大 豊橋技科大 1000 国 立 大 学 電通大 東京医歯大 新潟大 横国大 富山大 岩手大 埼玉大 歌山大 群馬大 岐阜大 三重大 熊本大 香川大 福井大 宮崎大 愛媛大 山梨大 鳥取大 高知大 弘前大 分大 山形大 秋田大 島根大 京都工繊大 浜松医大 NAIST JAIST が 関 与 100 す る 特 許 出 願 琉球大 東京 帯広畜産 北見工業大 室蘭工業大 滋賀医大 件 数 学芸大 奈良女子大 旭川医大 滋賀大 大阪教育大 北海道 10 福岡教育大 1 0. 技術 0.5 0.55 0.6 0.65 0.7 75 0.8 0.85 0.9 0.95 1 距離 同質的 異質的 図 11 国立大学間の特許出願に関する技術距離(対東京大学)

の課題としたい。 [7]Jaffe A.B. Characterizing the Technological ータベースの構築が終了し、その分析が緒に就いた

ばかりである。従って、本稿での分析結果は助走段階 でしかない。

参照

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