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JAIST Repository: 原子力発電を例とする科学技術の社会への受容過程に関する研究

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Academic year: 2021

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(1)

Japan Advanced Institute of Science and Technology

JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/

Title

原子力発電を例とする科学技術の社会への受容過程に

関する研究

Author(s)

赤林, 英夫; 加藤, 和弘; 松田, 神一; 湯下, 道雄

Citation

年次学術大会講演要旨集, 1: 7-11

Issue Date

1986-10-08

Type

Conference Paper

Text version

publisher

URL

http://hdl.handle.net/10119/5172

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す

るものです。This material is posted here with

permission of the Japan Society for Science

Policy and Research Management.

(2)

2 B@ 1 原子力発電を 例とする科学技術の 社会への 受容過程に関する 研究 赤林 英夫 ( 東大教養 ) 、 加茂村払 ( 同 ) 、 松田神 一 ( 同 ) 、 揖 下道雄 ( 同 ) 1 .

本研究の目的

1 っ 0 科学技術が研究者レベルから、 一校市民までを 含んだ社会全体に 広まる 過程について 考えた % 台、 大きな障害もないまま 円滑に受け入れられるものから、 かっての原子力発電や 最近の医療技術 ( 体外受精・脳死と 臓器移植など ) のよ う に 受け入れ過程で 論争・摩擦が 生じるものまで 様勺 な ケ ロスがあ る。 なかでも原 子力発電をめぐっては、 発電所の立地に 際し、 安全性や環境 形轄に 関して激しい 譲治があ った。 近年このような 論争は沈静化し、 世 詮も少なくとも 現状程度の原 子力発電は認める 方向にあ る。 そこで本研究では、 この原子力発電技術が 社会に 受容されていく 過程がどのようなバターンを 描いてきたかを

明らかにすることを

試みた。 特にこれまでのパブリックアクセプタンスをめぐる 研究の多くが、 原発 立地に際しての 地域紛争の分析であ ったのに対し、 学界,政府。 産業界の各セク タ 一の 挙勒 を寺ほして、 社会全体への 技術の浸透の 梯子を描き出すことに 努めた。 2. 方法 原子力発電技術の 社会への受容について、 学界 ( 専門家 ) . 政府 ( 計画立案者 ) ・産業界 ( 実施者 ) . 一般市民の 4 つのセクターを 取り上げて考えることにした。 各セクタ一で、 社会構造のレベルでの 技術の受容の・ 程度を考察したほか、 一般市 民は ついては個人のレベルでの 技術の受容の 程度をも把握することを 試みた。 各 セクタ一に関して 以下のような 項目の調査を 行った。 a.

社会全体の関心度

… 朝日新聞記事故、 社説キーワード 数 b. 学界

原子力学会会負数、 大学学科,大学院設置

年 c . 政府

原子力関係予算、 原子力自吉の 目次ぺージ 数 d. 産業界

民間研究開発史、 原発プラント 産業設備投資額、

発電且の推移、 原発の立地申請, 電 諸蕃決定件数 e. 一般市民

簗理府 および三大抵の 世 幹音 査 3. 結果ならびに 考察 は U めに新聞記事放の 変化についてみると、 大きく 4 つの時期に区別して 考え ることが可能であ る ( 図 1 ) 。 第 1 期は将来の ェネ、 ルギー 源 としての期待の 表明と、

原色Ⅰ青短建設をめぐる 安全性論争などで 盛り上がった 論争

朋 であ る。 第 2 期は

それらが沈静化した 時期。

第 3

期は功力炉の 本格的実用化に 伴い、 故障・事故な

どが発生するとともに、 公害・環境問題 ミ 対する社会的関心の 高まりもあ って急 速に論争が減しくなった 時期であ る。 特に 54 年の米国スリーマイル 島原発事故と、 56 年の原毛敦賀のⅠ事故思し」の 時には、 それぞれ記事 故が ピークを作っている。

(3)

その際、 スリーマイルでは 主として安全性が、 敦賀の甥 合 には原子力発竃の 開発 体制・政府の 安全対姥等 の 「体制・政策Ⅰの 問題が誇 牡 の 対窩 となった。 その後 58 年以降はそうした 論 敵が沈静化して 記事故が急減する 一方、 ェネ、 ルギー 源 とし ての原子力の 重要性が認稚されてきた 時期であ る。 ただ今年になってソ 連チェル ノブイリ原発事故が 発生し、 再び時給が活発化している。 以下単に第 n 期 といえ ぱ この記事数による 分類を指すものとする。 次に学界であ るが、 原子力平和利用の 必要性が 号 初に提唱されたのは 26 年の学 術会珪笘会 でのことであ る。 その 勃 向け、 まず原子力学会会員数では 正会員の会 員数が一頁して 増加しており、 原子力技術の 裾野の広がりを 示している。 一方、 大学の学部・ 大学院の投 は 年を見ると、 3(N 年代、 40 年代に多く作られており、 軽 水炉技術に R@ しては学問分野として 一応の成熟期に 達しっ っ あ るといえる ( 図 2)0 政府の前 向は 、 予算でみるとほぼ 一頁して増えているが、 実用化の開始に 伴っ て 45 年前後を境に 培え方が悪になってくる ( 図 3 ) 。 原子力白書の 目次に占める 各 項目の比率についてみると、 第 1 回 (32 年 ) の由吉以来 40 年頃 までは研究開発の 推 進 が中心だったものが、 実用化の開始後、 徐々に安全性の 確保を第一とするよう に変化し、 55 年頃 からは核燃料サイクル。 廃棄物の処理などの 比重が高まってく る 。 産業界の抽向け、 主要な原発の 立地申請が第 2 期に集中している 一方、 プラン ト 0 段 構 投資が第 3 期に減少しており、 当時の事故・ 故瞳が 原発の立地難に 拮 ぴ 付き、 産業界が一時的に 消極的になったことを 反映している ( 図 3 ) 。 ここで注意 したいのは第 2 期 ( 沈静朗 ) の性格であ る。 新聞記事数は 減少 U 、 社会の関心が 薄れているが、 これは技術海人時の 給争の後、 発電所の番工から 運転開始までに かなりの期間を 要するという 原子力発電特有の 事柄によるのであ ろう。 即ち 、 そ のあ いだに政府・ 産業界は考実に 準備を進めていたのであ り ( 図 3 ) 、 学界の側も 研究態勢を整えつつあ った ( 図 2 X のであ る。 最後に世 拾弗査 の結果 は ついてみると、 原子力発電の 推進の賛否では、 積極的

に推進すべしとする 人の剖合は減少している

( 図 4 一 a ) 。

特にスリーマイルの

事 故

後に頭著に減っているのが 見て取れるが、 その分、 現状維持派の 割合が増して

おり、 減らすべき ぼ 。

止めるべきだという 人々の割合は

増えていない。 将来の エ ネルギ)源については、 48 年のオイルショック 後、 太陽エネルギーへの 期待が高 まったことから 原子力を挙げる 人の割合が減ったが、 最近ではまた 持ち直してき ている ( 図 4 一 b ) 。

その一方原子力発電所の

安全性については、 過半数の人々が 何らかの危険を 感じている ( 図 4 一 c ) 。 以上のことを 総合すると、 現時点での個 人レベルでの 原子力発竜の 受容は、 急激な拡大には 抵抗があ るものの、 ェ ネルギ

一瀬としての 必要牲から現状維持程度はやむを 得ないとする 消極的賛成という

形 をとりやすいといえる。 4. まとめ 前節でみたように、 原子力発電技術の 受容はまず学界、 次いで政府・ 産業界が 先行する一方、 世辞の穏は事故等の 具体的事件によって 形 雙を受けながらエネル 一 8 一

(4)

ギ一源 としての必要性を

め、 少なくとも消極的には 許容してきたというバター

ンであ る。 現在でも安全性に 対する不安は 多くの人が抱いているが ( 図 4 一 c ) 、

それが例えば 石油タンバクのようには 完全な拒否に

拮 び

付くことがないのは、

石 油 に代わる代替エネルギー 源としての重要性の 寒識 によるものであ る。 さらに、

たとえ事故が 発生してもその 被害が原発周辺に 局在化すると 考えられているため、

r 玲玲賛成・各論反対Ⅰあ るいはゴミ焼却施設などにみられる「地域 エ ゴⅡ 的 状 況が生じていると 考えられる ( 図 4 一 d ) 。 これは原子力発電技術の 受容レベルが 、

リスクーベネフィットを 比較衝立できる 程度にまで達していると 見なすことがで

きるものであ る。

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参照

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