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JAIST Repository: 地域科学技術ポテンシャルの指標化と政策評価

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Japan Advanced Institute of Science and Technology

JAIST Repository

https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 地域科学技術ポテンシャルの指標化と政策評価 Author(s) 権田, 金治; 綿谷, 弘勝; 山本, 長史 Citation 年次学術大会講演要旨集, 7: 136-141 Issue Date 1992-10-22

Type Conference Paper Text version publisher

URL http://hdl.handle.net/10119/5357

Rights

本著作物は研究・技術計画学会の許可のもとに掲載す るものです。This material is posted here with permission of the Japan Society for Science Policy and Research Management.

(2)

2D3

地域

・早技術ポテンシャルの

指標化と政策評価

0 権 田 令 治

綿 谷 弘

勝 ,山本 長吏

(

科学技術政策研究所

) L はじめに 経済活動の ょり 一層の国際化の 進展は、 一方においてボーダレス 社会の形成に 向け たグローバリズム ( 地球主義 ) を生み、 他方において 新たな秩序形成を 目指したニュー・ リージョナリズム ( 新地域主義 ) を生みつつあ る。 それは、 一方において 分散化の進展 を 意味し、 他方において 新たな統合の 促進を意味している。 科学技術活動の 国際化もそ の例外ではなく、 テクノ・バローバリズムの 台頭は他方において 新たにテクノ・リージ

Technology forRegionalInnovation and Developmentin Europe) 計画、 米田 ) における

EP S CoR (th e Experimen tal Prog ram to S tim u late Co mpetitiv e R esearch ) 計画にそうした 新

し い 動きをみることができる。 地域科学技術政策の 重要性が認識され 始めた背景であ る。 地域科学技術政策には 大きく分けて 3 つの政策目標があ るといわれている。 即ち、 それらは (1) 地域間格差の 是正、 (2) 国家の競争力強化のための 基盤的施策としての 地域 開発、 (3) 生活の質的向上と 環境の保全であ る。 地域における 科学技術活動の 振興とそれ らの成果の活用によってこれら 3 つの目標を達成しようとするものであ る。 そのために は 、 従来から行われてきた 科学技術活動の 内部経済性の 評価に加え、 新たに科学技術 活

動の外部経済性の 評価を行

必需があ

る。

本研究では、 地域科学技術政策を 体系的に明

らかにしていくための 基礎的研究のひとっとして、 わが国の地方公共団体が 使用して ぃ る 科学技術関係経費をべ ー スに、 それらと各種の 科学技術指標及び 経済指標との 関係の 地域特性を明らかにし、 外部経済性評価のための 地域科学技術ポテンシャルの 指標化の 試みと、 それらの 値 と各都道府県が 行っている科学技術振興のための 各種政策との 関係 を 明らかにした。 2. 基礎データの 収集及び一次評価指標 本研究に用いた 基礎データは、 科学技術政策研究所が 平成 3 年度に行った (1) 「都道 府県に よ る主体的かっ 総合的な科学技術政策の 取り組みに関する 実態調査」、 (2) 「都道

府県及び政令指定都市の 科学技術関係経費に 関する実態調査」、

(3)

「多様な研究コンソ

一シァ の形成に関する 実態調査」、 (4) 「公設試験研究機関における 研究活動の現状に 関 する実態調査」及び (5) 「地域において 新たに設立された 研究開発機関の 特定及びこれら 研究開発機関における 研究活動の現状に 関する実態調査」の 5 つのアンケート 及び ヒア

リング調査の

結果を使用し けた また、 指標としては、 都道府県別科学技術関係経費Ⅲの 対人口比 Pi 、 対 県内総生産 比 Gi 、 対 県民所得 比 1i 、 対 財政歳出比 Bi 、 及び対研究者技術者 比 Ri を、 また産業構造 と 研究費の関係を 明らかにするために、 Ⅲの部局 別 構成比 T Ⅸを、 さらに地域において 科学技術活動を 主体的に担っている 公設試験研究機関の 研究者数 pi, 計測,試験機器 点

(3)

数 mi を用いて、 各都道府県の 科学技術 ポ テンシャルの 評価を行った。 また、 公設 試 以外

の研究機関及び 研究支援機関の 活動状況も含め、 各種施策との 関連を解析した。

3. 一次評価指標によるポテンシャル 評価 Pi 、 Gi 、 Ii 、 Bi 、 Ri の 5 つの指標のうち、 相互の値の間に 相関関係がみられなか っ たものに 11 があ り、 他方最も相関が 高かったものに Bi があ る。 相互の指数は 必ずしも 互いに独立変数ではないため、 これら 5 つの指標を組み 合わせた合成指標に よ る評価は 困難であ ったが、 これらの値の 地域分布をみると 興味深いことが 判る。 TI ( 経常的な科

学技術関係経費

)

で比較すると、 全国

1

位は神奈川県で、 以下北海道、 静岡、 千葉、

大 阪の順となるが、 これらの道府県の Pi 、 Gi 、 Bi 及び Ri 値はいずれも 全国上位 5 位以内 にはなく、 科学技術関係経費と 最も相関の低かった 1i 値の比較では、 大阪を除いてこれ 8 4 道県はいずれも べ スト 5 以内に位置している。 逆に上記 4 つの指標が高 い 県も共通 しており、 それらは、 愛媛、 秋田、 富山、 福井、 青森の各県で、 特に愛媛県は 5 つの 指 標の全てで全国 5 以内に位置している。 その理由は不明であ るが、 今後これらの 客辞 に 属する各県の 科学技術関連施策の 詳細について 調査検討する 必要があ ろう。 一方、 都道府県別科学技術関係経費の 所管部局 別 構成比を図 1 に示したが、 それら と 産業構成比とを 比較すると図 2 のようになり、 第一次産業構成比と 農林水産車部局予 算との間には 図 2 の (1) に示した よ うに比較的良い 相関がみられるが、 同国 (2) 及び (3) に 示した よ うに、 第二次、 第三次産業構成比との 間にはほとんど 相関はみられない。 そ こで、

産業構成比と 関係部局予算との 関係の分布を 第一次産業及び 第二次産業の 場合で

比較すると、 図 3 及び図 4 のようになる。 両者の比較からも 判る よ うに、 第一次産業で 図 ] 都道府県別科学技術関係経費の 所管部局 別 構成 ( 経常的な経費、 平成 2 年度 ) Yeary,onstantヾ&T。udget|y ̄refectural.epartment(1990FY) 田 保健・衛生系 且 Ⅱ b Ⅱ c H ㏄ llh

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(4)

図 2 都道府県別産業構成比と 科学技術関係経費の 部局 別 構成比

( 平成 2 年度 )

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(5)

は 産業構成比率が 低 い 割に、 使用されている 科学技術関係経費は 第二次産業よりも 多い こと、 また、 図中左上又は 右下に分布する 都道府県数は 第二次産業の 方が参りことなど が 判る。 このことは、 第 1 にわが国の地域技術は 仝日でも農業技術が 主流をなしている こと、 第 2 に工業技術分野では 地方公共団体の 研究投資は必ずしもその 地域の産業活動 と 連携しているとは 言い難い現状にあ ることなどが 指摘されよう。 また第三次産業の 場 合には使用されている 研究費はさらに 小さいが、 直接地域住民の 生活 質 に係わる研究費 の使用 額 が極めて少ないことは、 今後この分野での 科学技術関係経費の 果たす役割を 評 価する ぅ えで検討を要する 問題となろ う 。 卯目 図 3 第 ] 次 産業構成比と 科学技術関係経費の 農林水産系部局 構 成 比の分布

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(6)

4. 研究開発基盤の 整備と研究資源の 分布と評価

1984

年以降に地域に 新たに設立された 研究開発機関で、 地方公共団体が 出えん・出資 しているものは

8U

機関に、 研究開発支援機関は 同

69

機関にのぼっている。 それらのうち、 地方公共団体が 単独で設立した 研究機関は

34

機関となっており、 従来からの公設 試 とは 昇

った目的と機能をもたせている。 仝後これらの 研究機関及び 同支援機関が 地域の科学

技術振興に果たしていく 役割については 注目しておく 必要があ ろう。 また従来からの 公 設誠に ついては、 全国の都道府県にほぼ 均一に分布しており、 研究者の分布も 図 5 に 示 したよう に極端なかた よ りはみられない。 しかしながら、 研究施設・設備の 整備状況については 極端なアンバランスがみられ る 。 この分布は公設試の 再編整備計画の 実施状況によって 当然異ることが 予測されるが、

研究活動のレベルあ るいは質を示すひとつの 指標となろう。 発表論文数は 研究者の数に

ほぼ比例しているが、 その質がどのようなものであ るかについては 評価の方法がなりが、

計測・試験機器点数は 研究のレベルを 計るひとっの 目安となろう。 また施設・設備の

整 備

状況と発表論文数の 間には相関はみられなかった。

5.

結果と考察

本報告では主として 科学技術振興のための 投入指数の評価を 行ったが、

地方公共団 体の出資している 科学技術関係経費は 対人口比、 対県内総生産 比 、 対県民所得 比 、 対財 政歳出比及び 民間部門も含めた 対 研究者技術者 此 のいずれにおいても 必ずしも高 い 相関 を 示しているとは 言い難く 、 特に極端なアンバランスを 示している地方公共団体がみら 図 5 都道府県別の 研究員数及び 職員数

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(7)

れた。 その原因は、 (1) 地方公共団体における 科学技術関係予算の 計上に際して 適正な評 価基準がなりこと、 (2) 科学技術振興のための 諸政策に対する 基本的スタンスが 自治体に よって大きく 興 っていること、 (3) 現状では投入効果を 予測することが 困難なことに 加え、 (4) 投入してから 政策効果が現われるまでに 時間がかかることなどにあ るとみられる。 従 って、 自治体によっては 過度の負担を 強いられていることも 予測され、 今後都道府県別 科学技術関係経費の 推移を見守っていく 必要があ る。 また新設研究開発機関については、 その効果を現時点で 評価することは 困難であ る が 、 今後公設試験研究機関の 再編整備の動きも 含めて、 地域における 公的研究機関のあ り 方が改めて問われる 可能性があ る。 公設試の中に 研究開発機能を 導入すべきなのか、 逆に研究開発機能と 試験研究とを 分離し、 相互の補完的関係を 確立すべきなのかが 問わ れているとみるべきであ ろう。 政策対応に関しては、 11 政策分野について 都道府県別に 調べた結果、 政策本数から みるかぎり、

技術相談・指導、 技術開発・高度化支援、 及び人材育成のための 政策が多

く 、 地域に展開する 中小企業の育成・ 支援と人材問題が 大きな課題となっていることが 予測された。

参考文献

(l Ⅰ Science‖ndゝechnology’orヽegional!nnovation‖nd.evelopment(n・urope

(STRIDE)" , Commission@ of@the@European@Communities , Nov ・ (1987)

(2)"An、ssessment{f・xperimental ̄rogram》o Stimulate,ompetitiveヽesearch" ,

Coalition@of@EPSCoR@State,@ APril(1990)

(3)K , G0nda@"Framework@of@Industrial@Location@Policy@and@Roles@ of@Rgional@Science@& Technology@ Policy@in@Japan" , 3rd@International@Conference@on@ Science@and

Technology@ Policy@Research , NISTEP , Feb , (1992)

(4) 綿 谷弘 勝 、 山本長吏、 権 田令 治 、 坂本保、 「地域における 科学技術振興に 関する 調

査 研究」、 科学技術庁、 科学技術政策研究所、 NISTEPReportNo.23 、 Aug.(1992)

図  2   都道府県別産業構成比と  科学技術関係経費の 部局 別 構成比 

参照

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