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https://dspace.jaist.ac.jp/ Title 産総研における研究開発評価 Author(s) 平栗, 洋一; 秋道, 斉 Citation 年次学術大会講演要旨集, 30: 140-143 Issue Date 2015-10-10Type Conference Paper Text version publisher
URL http://hdl.handle.net/10119/13245
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産総研における研究開発評価
○平栗洋一, 秋道斉(国立研究開発法人産業技術総合研究所) 独立行政法人通則法の改正により、新たに設けられた国立研究開発法人と位置づけられ た産業技術総合研究所(産総研)は、平成 27 年 4 月 1 日からの第 4 期中長期目標期間(5 年間)において、昨今のイノベーションを巡る世界情勢や国家戦略等を踏まえた新たな制 度・体制の下で出発することとなった。 1.独立行政法人制度の改革 第 4 期科学技術基本計画(平成 23 年 8 月 19 日閣議決定)には、研究開発の実施体制の 強化として「研究開発法人の改革」、科学イノベーション政策における PDCA サイクルの確 立として「PDCA サイクルの実効性の確保」、「研究開発評価システムの改善及び充実」がう たわれている。新しい独立行政法人制度では、上記基本方針を踏まえた改正方針が示され、 (「独立行政法人改革等に関する基本的な方針(平成 25 年 12 月 24 日閣議決定)、独立行政 法人通則法が改正された(平成 26 年 6 月 13 日)。 新しい通則法では、「業務 の特性を踏まえた法人の分 類」として、各独法は、「中 期目標管理法人」、「国立研 究開発法人」、「行政執行法 人」の3つに分類された。 また、「PDCA サイクルが機能 する目標・評価の仕組みの 構築」として、主務大臣が、 政策評価・独立行政 法人評価委員会 独立行政法人 (研究開発法人) 2次評価 1次評価 報告 各事業年度、中期目標 期間の業務実績 第3期までの独法評価の仕組み 独立行政法人 (国立研究開発法人) 各事業年度業績実績、 中期目標期間の業務実績 評価 助言 点検 総務省 主務省 各省独法評価委員会 第4期までの独法評価の仕組み 総務省 独法評価制度委員会 主務大臣 国立研究開発法人審議会 報告 自己評価 産総 研 外 部 評 価 結 果目標の設定とともに、業績評価を実施するなど目標・評価の一貫性・実効性を向上させる ことなどが盛り込まれた。また、大臣評価の際には、各独法が自ら評価を行った結果を明 らかにした自己評価書を活用することとされている。 それに伴い、産総研は「研究開発の最大化」を目的とし、大学又は民間企業が取り組み がたい課題に取り組む「研究開発型の法人」と位置づけられ、平成 27 年 4 月 1 日から第 4 期中長期目標期間(5 年間)を新たな制度・体制でスタートした。 2.第 4 期中長期目標 第 4 期中長期目標期間において、産総研は、研究開発の成果の最大化その他の業務の質 の向上のため、(1)「橋渡し」機能の強化、(2)地質調査、計量標準等の知的基盤の整備、 (3)業務横断的に研究人材の拡充、流動化、育成及び組織の見直しに取り組むものとさ れた。 また、重点的に推進する研究開発を、【エネルギー・環境】【生命工学】【情報・人 間工学】【材料・化学】【エレクトロニクス・製造】【地質調査】【計量標準】の 7 研究領域 に分類するとともに、これらの研究領域を一定の事業等のまとまりと捉え評価を実施する とされた。また、評価に当たっては、それぞれの評価単位ごとに示された評価軸について、 評価指標、モニタリング指標を適切に勘案して実施することとされている。 産総研は、与えられたミッションを達成するために、主務大臣より示された第 4 期中長 期目標に基づき、第 4 期中長期計画を策定した。 3.産総研の組織、研究体制及び評価システム 第 4 期中長期計画において「橋渡し」機能を強化するため、産総研の研究組織を重点的 に推進する研究領域に対応した 7 つの領域へと再編した。また、各領域には、研究ユニッ トとして、研究部門、研究センターを設置した。 これらの組織体制のもと、各研究課題について、橋渡しにつながる基礎研究(目的基礎 研究)、橋渡し研究前期及び橋渡し研究後期の研究を一体的かつ連続的に行うことで目標達 成に向けた最適化を図る。その際には、マーケティング力及び大学や他の研究機関との連
携の強化、戦略的な知的財産マネージメント及び地域イノベーションの推進などにも考慮 することとした。 地質調査、及び計量標準に関する我が国における責任機関として、知的基盤の整備と高 度化を国の知的基盤整備計画に沿って実施する。 また、業務横断的な取り組みとして、研究人材の拡充、流動化、育成のために大学等と の新たな連携制度(クロスアポイント制度、リサーチアシスタント制度)を導入するなど とした。 産総研が自ら実施する評価については、主務大臣による産総研評価の際に提出が求めら れている自己評価書の作成にも対応するために、「7 研究領域」、「本部機能・業務横断的事 項」及び「業務運営の効率化・財 務内容の改善・その他に関する事 項」を一定の事業のまとまりと捉 えて評価する体制とした。評価の 際には、大綱的指針に基づいた客 観的な観点からの評価を行うため に、外部専門家・有識者を評価委 員とした。また、評価にあたって は、主務大臣による評価と同様の 評価軸(革新的技術シーズを事業化につなげる橋渡し研究ができているか等)を基本とし、 評価指標(民間資産獲得額、知的財産創出の質的量的状況、人材育成人数、具体的な研究 開発成果、地質図・地球科学図等の整備状況、計量標準の整備状況等)、モニタリング指標 (論文発表数、マーケティングの取り組み状況、大学や他の研究機関との連携状況)を適 切に勘案して実施することとした。これらの外部評価結果をベースとした自己評価結果を、 自己評価検証委員会においての外部有識者の意見をふまえて、自己評価書として主務大臣 に提出することとした。 Ⅰ研究開発の成果の最大化その他の業務の質の向上 Ⅱ 業務運営の効率 化 Ⅲ 財務内容の改善 Ⅳ その他の重要事項 「橋渡し」機能の強化 知的基盤 本部機能、業務横断的 ー 環 境 領 域 生 命 工 学 領 域 材 料 化 学 領 域 製 造 領 域 地 質 調 査 総 合 ー 情 報 人 間 工 学 領 域 計 量 標 準 総 合 ー 技 術 的 指 導 助 言 知 的 財産 地 域 推 進 世界 的 産 学 官 連 携 拠 点 研 究 者 評 価 基 準 研 究 人 材 育 成 組 織 見 直 研 究 施 設 整 備 運 営 地 域 ー( 地 域) 徹 底 適 切 調 達 業 務 電 子 化 業 務 効率 化 財 務 内 容 改 善 広 報 業 務 強 化 推 進 研 究 情 報 保 護 内 部 統 制 体 制 整 備 情 報 公 開 推 進 施 設 設 備 計画 研究関連業務評価委員会 産 総研の自己評価(総合評価) 7研究領域評価委員会 (意見交換、現 場見学含む) 業務運営・財務等評価委員会 福 島 研 究 所 経済 産 業大臣 自己評価書提出 自己評価検証委員会
4.従来の評価システムからの変更点 第 3 期中期目標期間では、研究ユニット単位での評価を実施してきた。この評価は、各 研究ユニットが中期目標に対応した「ユニット戦略課題」の研究成果に対する研究実績評 価及び「ユニット運営の取り組み」や「イノベーション推進の取り組み」といった各研究 ユニットのマネージメントに対する機関評価の両方の側面を持っていた。また、各研究ユ ニットは、細かい単位の研究課題ごとに評価することとしていたため、毎年度多くの評価 項目を評価することとなっていた。その結果、評価者、被評価者双方に過重な評価作業負 担を課している面があった。また、それぞれの研究課題は、それぞれに詳細な目標が設定 されていたため、研究の進捗、社会情勢の変化に対応して柔軟に目標設定を変えていくこ とが難しくなっていた。 第 4 期においては、政策課題を解決し、イノベーションを生み出していくためには、研 究開発課題や研究資金制度をプログラム化し、研究開発プログラムの評価を適切に実施す ることを通じて、次の研究開発につなげていくことが重要であることが大綱的指針などで 示された。産総研では、研究開発プログラムを推進する主体を領域とし、各々の中期計画 項目ごとの大括りの研究課題の実績評価に重点を移すことによって、負担が少なく、適切 な評価が実施できると考えている。同時に、前述した自己評価としても効果的、効率的な 評価になると考えている。