琉 球 列 島 の 染 織 に つ い て
琉球列島の染織について 第一報
小 林 孝 子Dyeing and Weaving in the Rhyukyus (1)
Takako Kobayashi Ⅰ は し が き 地域を異にし,気象が変わるとそれにつれて風俗が変化する。特に被服生活においてば被服の色彩 ・形態の上に自然の及ぼす彪饗は極めて大きいと考えられる。例えば長い伝統に培われた奏しさを誇 ヽ る日本の染織の中でも,特に沖縄で作られたものには南国独特の豊かな美しい色彩がみられる0 しかし現在では科学技術の発達により,建築における冷暖房設備の普及や,航空機による時間的距 離の短縮や,テレビなどの影響によって生活の地域差は大いに縮小されている。また被服の選択購入 などには,繊維・化粧品の商社によって作り出される「流行」の影響●もあってその差はさらに縮小さ れている。 このようなときにあたり,鹿児島塵産の大島紬も,文様・色彩ともに現代の都会的噂好に合わせて 大いに変貌しているが,近距離にありながらも琉球は戦後の事情もあって,比較的に他の地域の影響 が少ないと考えられる。 私は日頃,南方独特の輝やくような色彩について興味をもっていたが,たまたま南方科学研究会の 援助によって琉球列島の染織に接する機会を得たので,その調査結果を報告する。 ただし今回は,現在製作されている沖縄染の色票上の分布についてのみである。
Ⅰ 調査 に つ い て
1.調査時期 昭和38年8月27日
2・調査場所 沖縄那覇市首里の紅型製作所
3.調査時の環境 午後1時∼2時 温度 32oC 温度 74%
照度 70,000-80,OOOlux
4・調査事項 用布の色彩(色相・明度・彩度)その他数項
宍えがたうぶる5・調査方法 沖縄染の代表的な麻地藍型臆着尺・麻地藍型着尺・芭蕉糸入り木綿地藍型着尺・
鞄MKfS 一越縮緬白地紅型着尺,一越縮緬黄色地紅型着尺・木綿白地紅型テーブルセンター・緯麻経木棉 うちくい 藍地簡描風呂敷(写真参照)の7種の周布について,測包部分を灰色画用紙の比色窓からのぞい て, Color Harmony Manual (C. C. A.)を用いて測定した。衰 1 色 相 ええがたうぶる 麻地藍型臓着尺 明・叫Oi n「てこ 芭蕉糸入り木綿地藍型着尺 彩卑色名l染 色 部 ぴんがた 一越縮緬白地紅型着尺 明・彩度呈色 名 nc : Amber 二 】 pcICherryRed LtWine 1,'軍用IdWine urgundy te Med Blue - - - -、 染 色 部 .I "一・日 - 一 一十LL- L Black 波・魚の一部i p
衰 1 二 二 二二二二_ _ 二- U-'/y,かた 一越縮緬白地紅型着尺 緯麻。経木綿藍地簡描風呂敷うちくい 藍型着尺 包 部 明・彩雪色 名!染色部 nc i Amber 一一 -l 一一--- -I pc CをerryRed 魚 LtWine oldWine Burgundy Med Blue 〉帆の一部 帆・帆柱 一越縮緬黄色地紅型着尺 f 木綿白地紅型テーブルセンター L L1 ;¥サ ii'ij 、机 邑 二 LI 1% Amber 】鳥の羽 j n∵」★ 染1 Dk Green ihShadow Gray盲しょうぶ葉の一部 Cedar Redw。。d巨竜の羽 Wine葉・羽の一部 二 二三 I__q上_ーー___ orchid )eepPlu-転うぶ花の一部 I 葉の一部 鳥の尾・葉の一部i pl 鳥の羽・広葉の一部 DkGreen⊆しょう藁ゐ一部 丁 ー-一 一 地色 White 空間部 i a 一一一m-一一: I -L--- I 魚の-・部 I Black ‡波・魚の-頚‖ Black 鳥の目 烏・烏の一部 鳥の頭・羽・腹 水 笹・鳥の羽 鳥の羽・首 明・彩卑色 名 染 色 部 pa 至芸Sunflower 松・竹・梅の一部
pp鳶:e島部
1 1 」 -I -I nc iStrawberryI 松・竹・梅 Lt R。芝ine Ig ^<dw -m 烏の頭・尾・羽 烏の羽・水 鳥のくちばし・足 M auve Gray 松・竹・梅の一部 na l Royal Blue Royal Iきlue pn至※去Blue kNavy 竹の一部 竹の葉の一部 松葉の一部 松・竹・梅の一部 : ^1 --DkGreen i松・梅の一部 White 輪郭 幾1 Dk-Dark 菜2 Lt Light 葵3 Med-Medium芭蕉糸入り木綿地藍型着尺 一越縮緬白地紅型着尺 緯麻経木綿藍地筒描風呂敷 一越縮 尺 着 型 紅 也 色 貴 簡
小 林 孝 子 〔研究紀要 第15巻〕 131 麻 地 藍 型 騰 着 尺 麻 地 藍 型 着 尺 叫 諮.拝 木綿白地紅型テーブルセンター Ⅱ 調 査 結 果 表1 (折込表参照)は7つの周布についての色彩一色相・明度・彩度-を一覧に表示したもの である。
132 琉 球 列 島 の 染 織 に つ い て
i*l試らm
表2は藍型の色彩-色相・明度・彩度-を表示したものである。 1図のイは色相を,ロは明度 ・彩度を図示したものである。
小 林 孝 子 〔研究紀要 第15巻〕 133 貿 ・ F 妻 暫 ガ - 書 き 血 書 ■ 嘗 暑 さ ー 蔓 , _ _ - F 図1のtJ → PCl ト 図1のイ P 表2および図1によれば,撃型の色相は15が多く,明度・彩度は一体に低くてpnである。但し芭蕉 糸入り木綿迦藍型は芭蕉糸入り部は2gc,木綿糸の部は2caで,文様の一部に特に濃い19 poが使 用されている・。 びんがナこ 表3は紅型里の色彩-色相・明度・彩度-を表示したものであり, 2図のイは色相を,ロは明度 ・彩度を図承-したものである。
闘巴nm^畷 小 林 孝 子 〔研究紀要 第15巻〕 135 図2のロ うPCl ト 図2のイ P 表3および図2によれば,紅型としては色相は8が最も多く次いで7である。明度・彩度は青色系 ではpi pnに集まるものが多く,赤色系はpa pc nc pgに集っている。
136 琉 球 列 島 の 染 織 に つ い て ⅠT あ と が き 以上,沖縄の染色について,主として色票上の分布について報告したが,つづいて次報はさらにこ の染色に使用された色彩の面積について報告したいと思う。 この調査にご協力下さった紅型製作所の城間栄善氏ご夫妻に深く感謝します。 Summary
This is a study on the distribution of colors used in Okinawa dyeing determined by the color scale.
- f J K 、 . 一 ¶ 1 ユ 一 寸