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韓国の都市 (ライブラリ・コーナー)

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Academic year: 2021

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韓国の都市 (ライブラリ・コーナー)

著者

狩野 修二

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名

アジ研ワールド・トレンド

236

ページ

45-45

発行年

2015-05

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00003218

(2)

45

  アジ研ワールド・トレンド No.236(2015. 6)   本稿では、韓国の都市に関する資 料を紹介したい。   韓国の都市といって、最初に思い 浮かぶのは首都ソウルであろう。ソ ウルは国土の約〇・六%を占めるに すぎないが、全人口の約二〇%、約 九九九万人が居住する大都市である。 砂本文彦著『図説ソウルの歴史―漢 城・京城・ソウル都市と建築の六〇 〇 年 』( 河 出 書 房 新 社   二 〇 〇 九 年) によれば、ソウルはかつて時代 により漢山州、揚州、広州、南京、 京都、漢陽、漢城府、京城府などさ まざまな名称があったが、一九四六 年のソウル市憲章により現在のソウ ル市となった。この資料では、朝鮮 王朝時代に風水の考えにもとづき、 どのように都市を造営したのかに始 まり、歴史の流れのなかで、どのよ うに鉄道や建築物が作られていった のか、また人々の暮らしがどのよう であったかなどを豊富な写真、地図 などによって説明している。   近年最もソウルの街並みを変えた のは、清渓川復元プロジェクトであ ろう。清渓川はかつてソウル市中心 部を東西に流れていた川である。交 通路の確保や環境汚染対策のため、 一 九 三 〇 年 代 か ら 断 続 的 に コ ン ク リートで川を覆い、一九七〇年代に は、塞いだ川の上に高架道路を建設 した。これら建設物を取り除き、川 を復元したのが清渓川復元プロジェ クトである。 朴賛弼著『ソウル清渓 川 ( チ ョ ン ゲ チ ョ ン ) 再 生 ― 歴 史 と 環 境 都 市 へ の 挑 戦 』( 鹿 島 出 版 会   二〇一一年) では、清渓川にまつわ る歴史と人々の暮らしに始まり、川 を覆う覆蓋工事の進展、またそこか ら復元工事に至るまでの情況や計画、 そして復元後の川の街並みの変化な どを詳細に記している。   川の復元工事は、都市環境の改善、 地域の活性化、高架道路の老朽化対 策など複数の理由と目的を持って計 画されたが、復元工事や復元後の交 通量の変化等による商売への影響を 懸念し、周辺で商業を営む人々がこ れに反対した。 五石敬路編『東アジ ア の 大 都 市 に お け る 環 境 政 策 』( 国 際書院   二〇〇九年) では、ソウル 市がどのように彼らと協議し、納得 のいく対応を行ったか、その成功要 因について考察している。   韓国の都市計画制度については、 周藤利一著『韓国の都市計画制度の 歴 史 的 展 開 に 関 す る 研 究 』( 大 成 出 版社   二〇一四年) で、主に近代以 降の韓国における都市計画、都市政 策、土地および土地利用について日 本と比較しながら分析している。特 に、二〇〇〇年頃以降における都市 計画・住宅法制度の抜本的な改正や 一九九〇年代の土地利用規制緩和に よる問題点、グリーンベルト政策と 呼ばれる開発区域制限等について詳 細に述べている。   韓国の地方自治は一九五二年に施 行されたが、その後一九六一年に朴 正煕政権が軍事クーデターにより成 立すると停止され、三〇年後の一九 九一年になってようやく復活した。 趙 昌 鉉 著『 現 代 韓 国 の 地 方 自 治 』 ( 法 政 大 学 出 版 局   二 〇 〇 七 年 ) で は、地方自治の意義に始まり、その 必要性や根拠となる法律、またその 機能や権力、組織、財政など地方自 治に関する問題を全面的に説明した 資料である。   日本では、書籍やテレビのバラエ ティ番組などで県民性について取り 上げられることがよくあるが、韓国 ではどうであろうか。韓国で日本の 県にあたる行政区画は「道」になる が、これと同等の行政区画に、特別 市、特別自治市、広域市、特別自治 道があり、道レベルの自治体は現在 一 七 あ る。 鄭 銀 淑 著『 韓 国「 県 民 性」の旅―全羅道、慶尚道、忠清道、 江原道、済州道歩いて感じる韓国人 の 心 』( 東 洋 経 済 新 報 社   二 〇 〇 九 年) によれば、韓国では日本の「県 民 性 」 に 当 た る 言 葉 は「 地 域 性 」 「 地 方 色 」 な ど と い わ れ て い る。 日 本と同様、ソウルの人の気質はこう で、東部の慶尚道の人の気質はこう であるといったイメージは確かにあ るそうだ。しかし日本と違い、地域 性が楽しい話題になりにくかったと いう。その理由は韓国の東南部にあ る慶尚道と西南部にある全羅道との 対立が非常に深刻であったからであ る。このため、地域性をタブー視す る雰囲気が広がってしまった。それ に も 関 わ ら ず 著 者 が 韓 国 の「 県 民 性」について本を書こうとした理由 は、紀行文を数多く執筆してきて、 各 地 の 地 域 性 を 実 感 す る こ と が 多 かったこと、また首都圏志向の強い 韓国で地方に目をむけたかったこと、 さらに日本人の韓国人に対する認識 に多様性をもってほしかったことな どを挙げている。著者は本書中、八 つの道で二五の都市を訪れ、そこで 出 会 っ た 人 々 か ら 受 け た 印 象( 「 県 民 性 」) と そ れ を 裏 付 け る 歴 史、 自 然、文化、社会事情に触れている。 各地域について人口、名物、経済状 況等の基本データも記載されており、 客 観 的 な イ メ ー ジ も つ か み や す く なっている。またコラムとして、本 文では紹介されなかったソウルや朝 鮮民主主義人民共和国の都市につい ても触れられており興味深い。 ( か の う   し ゅ う じ / ア ジ ア 経 済 研 究所図書館)

韓国の都市

狩   野   修   二

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1 Library, Institute of Developing Economies, Japan External Trade Organization (3-2-2 Wakaba Mihama-ku Chiba-shi, Chiba 261-8545). 情報管理 56(1), 043-048,

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