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[総説]パインアップル高度利用「リキッド・発酵コラーゲン・ペプチド(LCP)」の開発背景と栄養・生理機能特性について : 第1報 LCPの開発背景: 沖縄地域学リポジトリ

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Title

[総説]パインアップル高度利用「リキッド・発酵コラーゲ

ン・ペプチド(LCP)」の開発背景と栄養・生理機能特性につ

いて : 第1報 LCPの開発背景

Author(s)

梶原, 葉子; 芳山, 恵則

Citation

南方資源利用技術研究会誌 = Journal of the society tropical

resources technologists, 9(1): 15-21

Issue Date

1993-03-20

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/14070

(2)

Vol.9 Nol 1993 パインアップル高度利用 第 1報 総 説 パ イ ン ア ップ ル 高 度 利 用 「リキ ッ ド ・発 酵 コ ラ ー ゲ ン ・ペ プ チ ド

(

LCP)

」の開発背景 と栄養 ・生理機能特性 について

1

LCP

の開発背景

梶 原 葉 子 ・芳 山 恵 則 (新田ゼ ラチ ン株式会社 り

Yoko KAJIWARA and ShigenoriYOSHIYAMA :Developmentof LCP (Fermented Llquified Collagen Peptide)by Utllizing Pineappleand Its Nutritionaland PhyslOlogicalCharacteristics.(1)CircumustancesofDeveloping LCP

緒 言 コラーゲ ンは動物体 中に最 も多 く存在す る蛋 白質で骨や皮,結合組織 などに多 く含 まれてお り,動物体中にあってはその体型維持の役割 を 果たすなど植物体中の繊維素の役割に似ている. 水 に不溶,酸 アルカ リの作用 も受 けに くいが, 水 と加熱す るとある温度で急激 に分子構造 の変 化 をきた し変性 して可溶性 となる. これが ゼ ラ チ ンであ り,現在 そのゲル化能,被膜形成能 と い う物理的特性 によ り食品用 をは じめ写真用 , 医薬用 と様 々な分野で使用 されている. 近年,食品の持つ生体調節機能が明 らか に さ れ始めたが,その研究の起源 となったのは蛋 白 質,特 にペ プチ ドの研究である. 昔か らゼ ラチ ンは体 に良い と言 われ,病 院食 や手術後の術後食 に使 われてお り, また,沖縄 ではゼラチ ンの摂取が他の地域 に比べて多 い こ とが長寿の秘訣の1つであるとさえ言われてい る.そこで,ゼ ラチ ンをコラーゲ ンか ら捉 え直 してペ プチ ド化 し,栄養生理的機能特性 を持 つ 保健素材 として開発 した ものが rリキ ッド ・発 酵 コラーゲ ン ・ペ プチ ド (LCP)jである. 本品の製法上の特徴 は,一般 に酵素製剤 に よ り行 うコラーゲ ンのペプチ ド化 を生パ インア ッ プル果汁により行い,生体調節機能を発現 させ, さらにその糖分,微量栄養素等 を栄養源 と して ◆大阪府八尾市二俣2-22 発酵 を行 い風味 を改質改善 し,生体調節機能 の 発現 を強化 した点 にある. 本品の栄養生理的機能特性 としては,現在 ①蛋 白源 としての栄養効果 (参消化管粘膜の保護作用 による抗潰癌性 ③血圧上昇抑制作用 ④骨形成促進作用 G)発育 ・免疫能等 に関す る作用 の5本の柱 を立て動物実験 を開始 している. この結果 については順 次報告す るこ ととし, 本稿 ではLCPの開発背 景 お よび製品開発等 に ついて述べてい きたい. 1.食 を通 じての予防医学 日本人の平均寿命 は年 々延 び続 け,今や 日本 は世界一の長寿国 となってい る (表1). これ 表 1.平均余命の年次推移 (単位 :年) 暦年 男 女 弔 女煮 0歳 65歳 0歳 65歳 0歳 65故 昭和22 5006 1016 5396 1222 25-27 5957 1135 6297 1336 30 6360 1182 6775 14_13 35 6532 1162 7019 14_10 40 6771 1188 7292 14_56 45 6931 1250 7466 15.34 50 71.73 1372 7689 1656 55 7335 1456 7876 1768 60 7478 1552 8048 1894 61 7523 1586 8093 1929 62 7561 1612 8139 1967 63 7554 1595 8130 1954 平成 元 7591 1622 8177 1995 390 206 340 201 415 231 487 218 518 268 535 2R4 516 2別 541 321 570 342 570 343 578 355 576 359 586 373 2 7592 1622 8190 2003 59月 381 3 7611 1631 8211 2020 600 3.89 珪 1 昭和60年まで、及び平成2年は完全生命表に上る 伸 生首生命表) 2 昭和15年Jl前は、沖耗県を除く卓である。

(3)

梶 原 葉 子 ・芳 山 恵 別 は医学や科学の進歩が もた らした成果であ る反 面,2010年 には65才以上 の人 口が総 人 口の20 %を占めると推定 されてお り,国民所得 に対 す る国民医療費の割合 は増加の一途 をた どる とい う問題 を生み出 している (表2). 表

2.

国民所得 と医療費 昭和60年 平成11年 平 成21年 (1985*) (2000*) (2010*) 国民所得 (兆円) 255 460-550 680-940 国民医療 費 (兆円) 16 43 88 (対国民所得比) (6 うち老人医療 斉 (兆円) (対 国民医療 牛) (2 65歳以上 人口 (万 人) (対総人口比) (10 生産年齢 人口 と65歳以上人口比 %) (約86%) (約 11%) 4 16 36 %) (37%) 〔41%) 247 2134 2710 %) (163%) (200%) 91 371 281 年金受給者数 (万 人) 1840 2700 3300 ねた きり老 人数 (力人) 60 100 140 痴呆老 人数 (万 人) 60 110 160 生産年齢 人口は20-60歳 とす る01988年 :厚生省、大蔵省 この医療費の削減,根本的に言 えば,健康 で 長生 きす るために何 をすべ きなのか とい う課題 に様 々な角度か ら検討がなされる中で,大 き く クローズア ップされて きたのが疾病 と食物 の関 係である. 栄養摂取量の年次推移 をみ る と (図1), 昭 搾 取 暮 ( g / 目) 蛋 白 質 ・ 脂 肪 2】OJl 2075 4】1 炭水化物 79.0 ◎ e 2一 69.7 ′ムー---.也-- --△ムg〇 程脂肪 Li: 56ー6 一一一一一一一一一一一一一一一一一▼一一 40.】 -A / メ -- - - 鯛 肪 摂 取 暮 ( ∫ / a) ) 炭 水 化 物 昭和30 35 40 45 5(1 55 6061 図1.栄養摂取量の年次推移 (厚生省 国民栄養調査) 和30年 と比較 して,エネルギーはほ とん ど変化 していないにもかかわ らず,給脂肪量 は2.7倍 , 内動物性脂肪 は3倍,総蛋 白量 は1.14倍, 内動 物性蛋 白は1.8倍 と増加 し,総炭水化物 量 は0.7 倍 に減少 している. 死 亡 率 (対 人 口 川 万 人 ) 南方資源利用技術研究会誌 一方,主要死因の年次推移 をみると (図2), 昭和25 30 う5 -10 15 50 55 〇8 図2.主要死因の年次推移 (厚生省 人口動態統計) 結核,肺炎などの感染性 の疾患か ら,ガン,心 疾患 といった所謂成人病,老化病 といわれ る疾 患へ と推移 している. この ような死亡原因の変 化 は栄養摂取量の変化 と対応 させて考 えるこ と が出来 る.結核や肺炎の減少 は戦後の栄養状態 の改善 と抗生物質の普及 によるものであ り, 昭 和40年以後の脳血管疾患の減少 は蛋 白質の摂取 の増加が脳血管の強化 をもた らし, 日本人 に多 かった脳溢血 を減少 させたため と考 えられてい る. また,心疾患 の増加 は動物性脂肪の摂 取増 加 に代表 される欧米型食事への移行 とス トレス の多い現代社会の産物であるとも言われる. 食物 と疾病が密接 な関係 にあることは世界 的 に も多 くの疫学的調査か ら明 らかになってお り, 日々の食事か ら健康 を維持増進 してい く,つ ま り,食 を通 じての予防医学 とい う考 えがな され るようになって きたのである.

2.

機能性食品の出現'・2) 「疾病 と密接 な関係 にあ る食 品 の質 を記述す るには,物質 としての特性ではな く,それ を摂 取する側の生体 に対 して及ぼ し得 る効果 に よっ て評価すべ きである」 とい う立場で行 われた研 究が文部省特定研究 「食品機能の系統的解析 と 展 開」である.昭和59年か ら3年間東京大学名 誉教授 の藤巻正生氏 を代表者 に,農学 ・医学 ・ 薬学 ・工学の各分野か ら総勢90名の研究者で組 織 された (表3). - 1

(4)

6-Vo19 NrI1 1993 パ イ ン ア /プ ル高度 利 用 第1報 表3.昭和59-61年度文部 省特 定研 究 「食 品機能 の系統 的解析 と妓開」 (代表者 :藤巻正孝 ) の班組織 と分担課題 食 品 機 能 の 解 析 班長 :岩井和夫 (京大 ・農) Ⅰ. 一 次 機 能 の 解 析 tl)生体による栄養素の認識機能 (21 搾 取 後 顕 在 化 す る機 能 性 分 子 (3)食品栄養の新 しい判定基準 Ⅲ. 二 次 機 能 の 解 析 班長 :河村洋二郎 (阪大 ・歯) (1) 感 覚 応 答 お よ び摂 食 行 動 (2)香 味 と化 学 感 覚 (3) 食 品 物 性 と物 理 感 覚 口. 三 次 機 能 の 解 析 班長 :多田富雄 (東大 ・医) (1) 免 疫 調 節 成 分 (2) 体 調 調 整 成 分 (31 新 しいアッセイ系の開発 Ⅳ.病 態 と食 品 機 能 班長 :井村裕夫 (京大 ・医) (1) 老人病を対象 とした解析 (2) 成人病を対象とした解析 (3)疾患時の特殊栄養の解析 横 能 惟 食 品 創 製 へ の 展 開 V. 劣 化 抑 制 と安 全 検 証 班束 :松下

郎 (京 人

允岬) (1) 食 品 成 分 の 努 変 と そ の 制 御 tZ〕 変 異 原 性 の 防 除 (3) 有毒l当千 の 除 L・と安 全仲 の 確 保 Ⅵ 食 品 素 材 の 品 質 変 換 操 作 班長 :矢野佼 止 (束人 ・薦) (1)物 理 的 変 換 (2)生 化 学 的 変 換 t3) 生 物 = 学 的 変 換 W.機 能 性 食 品 の 設 計 ・構 成 比長 :山内 邦リ3 (束 大 ・農) (1) 機 能 性 食 品 の 類 型 と設 計 基 準 (2)機 能 件 食 品 の 構 攻 と総 合 的 評 価 この 中で食 品 にはこれ まで の栄華機 能 (一 次 機 能),美味 しさ ・テ ク スチ ャー とい った感 覚 機能 (二次機 能) に加 えて,生体 を調節す る樵 能 ・三次機能が あ る と唱 え られ た. そ して 、こ の三次機 能 ・生体調節機 能 を発現 で きるよ うに 設計 され た食 品 こそが機 能性 食 品であ る と して 機能性食 品の概念 が造 られたのであ る (図3). 栄養機 能 (一次機能) ・食品 中の栄養素が生体 に対 し短期的かつ 長 期 的 に果 たす機能 (生命 の維持機能) 感覚横 能 (二次機能) ・食品組織 、食品成分が感覚 に訴 える携 能 (味覚嘆覚応答機能) 諾 発 禁 「 生体 に対す る食品の- 機能 「機能性食品」 生体防御 、体調 リズ ムの調節等 に係 る機 能 を生体 に対 して十分 に発現 で きるように 設計 された 日常 的 に摂取 され る食品 図

3.

機 能性食 品の概 念 (厚生省資料) (化 学 と生物 Vo1 25

.

Nr)2) つ ま り,機 能惟 食品 は効能効果 的 には医 薬 品 に近 く,形状 的 には一般 食品 に近 い もので あ り (図4).機 能 と して は生 体 防 御 . 疾 病 の 防止 , 形状 - 医薬品的 図4.機 能性 食品の位 置づ け (厚生省資料)

(5)

梶 原 菓 子 ・芳 山 恵 則 疾病の回復,体調 リズムの調節,老化抑制 に分 け られ,様 々な種類の食品が設計 される (図5). 横 能 種 類 ア レル ギ ー低減 化食 品 免疫賦 活食 品 リンパ系刺 激食 品 高血圧 防止 食 品 糖尿 病 防止 食品 先 天性代 謝異常 障害 防止食 品 抗腫 鏡 食品 コ レステ ロール制 御 食品 血小板 凝 固防止 食 品 造血横 能調 節 食品 神経系 (中枢) 調節食 品 神経 系 (末梢) 調節 食品 摂取機 能調 節 食 品 吸収機 能調節 食 品 過酸化 脂 質生成抑 制 食 品 図5.機能性食品の機能別分類 (厚生省資料) この機能性食品の斬新性,話題性 は産官学 の 間に大 きなインパ ク トを与 え,種 々の検討 が な される中,平成3年 9月,厚生省 において特 定 保健用食品 として制度化 されたが (図6), 文 食 品 米、押麦、′ト麦臥 食パン、 ゆでめん、乾めん (マカロニ, スパゲティを含むO)、即席めん、 味吋、マーガリン、魚肉ハム・ ソーセージ 菜t薫 ビタミンA、ビタミンBh ビタミンBZ、ビタミンC、 ビタミンD、カルシウム,鉄、 L-リジン 病者用食品 病者用単一食品 低ナトリウム食品 低カロリー食品 低蛋白質食品 低 (無)蛋白質高カロリー食品 高蛋白質食品 アレルギー疾患用食品 無乳糖食品 病者用組合わせ食品 減塩食調製用組合わせ食品 糖尿病食讃製用組合わせ食品 肝凍病食誘製用親合わせ食品 成人肥満症食調製用親合わせ食品 妊産婦、授乳婦用粉乳 乳児用調製粉乳 」車 重麺 亘HjHH] (基準作成中) 特定保健用食品 図6.特定保健用食品の制度化 (厚生省資料) 南方資源利用技術研究会誌 部省 においては現在特定研究の第3期 を迎 え研 究が継続 されている (表4). 表

4.

文部省特定研究 第1期 1984-1986年度 (S59-61) テ ーマ : 「食 品機 能 の系統 的解析 と展 開」 代 表者 :東 京大学 農学 部 名誉教授 藤 巻 正 生 第2期 1988-1990年度 (S63-Hl) テ ーマ

:

「食 品 の生体 調節機 能 の解析」 代 表者 :京都 大学 農学部 名誉教授 千 葉 英 雄 Ⅰ,食 品加工 中に生成 す る生 理機 能物 質 口,食品脂 質の新 しい生体 調節機 能 臥 食 品 と免 疫 Ⅳ.食 品 ア レルギ ーの低 減化 V 食 品関連 の発 が ん プ ロモ ー シ ョン抑制物 質 Ⅵ.食 品 と病 気 Ⅶ.生体調 節 国子 の微 生物生 産 Ⅶ. 蛋 白質工学 に よる機 能性 蛋 白の改 変 Ⅸ. ホ メ オス タシスに関す る新 しい生 理活性 物 質 Ⅹ.食 品 由来 の新 規抗 酸化物 質 rI.食 品蛋 白質軽源 の横 能性 ペ プチ ド 川.新 しい食 品機 能 の開発 次世代 の機 能性 食品 をめ ざ して 第3期 1992-1994年度 (H4-H6) テ ーマ : 「機 能性 食 品の解析 と分子設計 」 代 表者 :東京大 学 農学部 教授 荒 井 綜 -1,食 品 の生体 調節 園子 の解析 と設計 D.食 品の生体 防御 因子 の解析 と設計 Ⅲ.機 能性 食品設計 の技術 基盤 の展 開 (文 部省 資料)

3.

機能性食品研究の起源,ペプチ ドと蛋 白質 機能性食品の素材 としては蛋 白質,糖質, 脂 質等様 々な ものが研 究 されてい るが (表

5

), これ ら研究の起源 となったのが蛋 白質,特 にペ プチ ドの研究である. ペ プチ ドは蛋 白質が体 内で消化 されてい く中 間体であ り, これ まで蛋 白質は体内でペプチ ド, さらにア ミノ酸 まで分解 され,吸収 されてか ら 再合成 されて蛋 白質になるとされていたが, 近 午,ペ プチ ドの形で も吸収 される.む しろ, そ の方が多い といわれるようになった3・10). そ し て, このペ プチ ドに生体 を調節す る機能が あ る ことが明 らかにされ始め,乳蛋 白, 大豆 , 負, - 1

(6)

8-Vo19 Nol 1993 パ イ ンア ップル高度利用 第1報 表5.食品起源の生体調節因子 (生理機能性 因子)の分類 作 用 部 位 ペ プ チ ド ・蛋 白 糖 類 脂 質 その他 神 経 系 オ ピオ イ ドペ プチ ド リ ノ レ ン酸 カ フ ェ イ ン テ オ ブ ロ ミン 内 分 泌 系 ミル ク 中 の各 種 ホ ル モ ン (G R H, p良 L, E PO, ボ ンベ ジ ンな ど) 柏 物 由 来 の動 物 ホ ル モ ン様 物 質 (LH -R H, T 冗 H, ソマ トス タチ ン様 活 性 ) カ ブサ イシ ン 消 化 系 Ca吸 収 促 進 ホ ス ホ ペ プチ ド ビフ ィズ ス活 性 オ リ=′糖 胃液 分 泌 抑 制 ペ プ チ ド 食物繊維 胆 汁 酸 吸 収 阻 害 ペ プチ ド プ ロ テ ア ー ゼ 阻 害 物 質 ア ミラ ー ゼ 阻害 物 質 循 環 系 ア ン ジ オ テ ン シ ン転 換 酵 素 阻害 ペ プ チ ド 血 小 板 凝 集 阻害 ペ プ チ ド 毛 細 血 管 透 過 性 昂 進 ペ プチ ド エ イ コサ ペ ン タエ ン酸 タ ウ リン パ ル ミ トレ イ ン酸 サ ポ ニ ン レシチ ン 免 疫 系 ・ フ ァゴサ イ トー シ ス促 進 ペ プ チ ド 抗 腫 癌 性 多 糖 類 生 体 防 御 系 抗 体 産 生 増 強 ペ プ チ ド 免 疫 グ ロ ブ リ ン, パ ー オ キ シ ダ ー ゼ , 抗 エ ンテ ロ キ シ ン性 タ ンニ ン ラ ク トフ ェ リ ン, 名・種 レクチ ン ガ ング リオ シ ド 細 胞 分 化 ・ 上 皮 増 殖 因子 増 殖 系 プ ロ テ ア ー ゼ 阻 害 剤 脂 溶 性 ビ タ ミ ン フ ラ ボ ノ イ ド 卵等様々なペプチ ドの研究が進め られる中

,コ

ラーゲ ン由来のペプチ ドに もこの ような機 能が ある.こ とが1979年北里大学 の大 島 らに よ り確 認 されたり. また,厚生省の国民栄養調査 によると日本人 の蛋 白質摂取量 は所要量 を充足 しているとされ ている (図 7). 260 2J10 16O 140 120 00

80

68

5

i

J

u

F

; ン ン ソ ; J・ A a, B' C 図7.栄養摂取量と調査対象の平均栄養所要量 との比較 (調査対象の平均栄養所要量-100) 厚生省 平成2年国民栄養調査 (フ ー ド ・ケ ミカル1988- 1) 確 かに平均値 は充足 しているが,蛋白質の摂 取 は個人差が大 きく,年代別,生活環境別 に細 か く見てい くと明 らかに足 りない層が見えて来 る.例 えば高齢者の中には加齢 に伴い歯が悪 く な り,消化呼吸機能が低下 して くるため, 肉や 魚の摂取量が減少 し,慢性的な蛋白質不足になっ ている層があると言 われる. また,独 り暮 ら し の若者 などに も外食やインスタン ト食品の多用 等 によ り蛋白質不足がみ られる. 以上の ように,蛋 白質においては一次機 能の 栄養機能について も, また,呈味性,食品物性 等の二次機能いずれについて も重要 なテーマ と なってお り,美味 しく食べやす く生体調節機 能 を持つ蛋 白栄養源の出現が望 まれている.

4.

リキ ッ ド ・発 酵 コ ラ ーゲ ン ・ペ プチ ド (LCP)の開発 この ような背景の中でゼ ラチ ンをみると, ゼ ラチ ンは脂肪 をほ とん ど含 まない純粋 な蛋 白質 であ りなが らそのア ミノ酸組成か ら, また, そ の凝固性 か ら多量 に摂取 出来ないため蛋 白栄養 源 としては活用 されていないのが現状であった.

(7)

梶 原 葉 子 ・芳 山 普 則 この凝固性 をな くすため に, また,生体調 節棟能 を発現 させ るために液状化,ペ プチ ド化 の研究が進め られている.一般的には酵素製剤 を用 いるが,ゼラチ ンは液状化 され に くく、そ のため酵素製剤 を多量 に使 うと酵素製剤その も のの風味が出現 し,また,ゼラチン特有の臭 い も あ り,多量 に摂取 出来 るものが得 られなかった. そこで,ゼ リーにパ イ ンア ップル,キウイ等 の生果実 を使 うとゼ リーが固 まらな くなる とい う調理上の問題か らヒン トを得て,各種生果 汁 を用いた ところ51,特 にパ イ ンア ップル果 汁 中 に含 まれ る蛋 白 質 分 解 酵 素 ブ ロ メ ラ イ ン 等5r7・8)によりキ レの良い低粘度の液体 が得 ら れた6). しか し, まだゼ ラチ ン特有の風味 は残存 す る ため,それを発酵 させた ところ,ゼ ラチ ン臭 を 改質 し,芳醇で爽やかな風味 を持つ コラーゲ ン ペプチ ドを得 ることが出来, また,発酵作 用 に よりさらに生体調節機能の発現 を強化す る こ と が出来 るとい う可能性 も得 られた. これが リキ ッ ト・発酵 コラーゲ ン ・ペ プチ ド (LCP)である. ①原料パ インア ップルの選別 ③発酵工程 南方資源利用技術研究会誌 5.LCPの製造方法 LCPの原料 は牛骨, 牛皮 ,豚皮等 か ら抽 出 す るコラーゲ ンであ り, この抽出液 に生パ イ ン ア ップル果汁 を加 え酵素分解,低分子化 し, コ ラーゲ ン ・ペ プチ ド液 とす る. これに酵母,乳 酸菌等の微生物 を作用 させ,発酵 を行 い,精製 近過,加熱殺菌, リキ ッ ド・発酵 コラーゲ ン ・ ペ プチ ド液 となる. この製造工程 を図 と写真 に よって示す (図8,図9).

(牛骨 ・牛皮 ・豚

)

1 抽 出 1 - 果 汁 加熱殺菌 1 - 酵 母 発 酵 精製ip一過

LC

P

図8.製造工程図 (参原料仕込み ・温度管理 (彰製品出荷 図9. LCPの製造風景 (沖縄県経済連 にて生産) - 20

(8)

-Vo19 No1 1993 本 品 は黄金色透 明の液体 で コラーゲ ン ・ペ プ チ ド濃度 は蛋 白質概算30%, 分 子 量 は約5,000 であ る. また,製 品 には本 品 をパ ウダー化 した 粉 末 タ イ プ もあ り, ペ プチ ド濃 度78%で あ る (表 6,表 7). 表6.LCPの ア ミノ酸組成 アミノ酸 1000残基当りの致 重量パーセント(%) リジン 248 340 オキシリジン 52 081 ロイシン 240 289 イソロイシン 113 1.37 バリン 195 2.06 スレオニン 166 179 フェニールアラニン 126 197 メチオニン 3.9 055 グリシン 3365 2051 プロリン 129.0 1336 オキシプロリン 94.1 1136 アラニン 1066 809 グルタミン酸 721 993 アルギニン 479 798 アスパラギン酸 473 581 セリン 392 368 ヒスチジン 48 070 チロシン 46 080 表7.LCPの品質規格 (測定例) 液 体 粉 末 蛋 白 質 含有量 300% 780% 脂 質

02%以下 01%以下 糖 質 ク 50%以下 100% アルコール

10%未満 水 分

638% 120% 粘 度 (20℃) 180cp 45 6.沖縄 にお けるLCP応用商品開発 と地域産 業の振興 LCPにお け るパ イ ンア ップ ル の活 用 は沖縄 県 の基幹作物 の高度利 用 とい う課 題 と合 致 し, 県庁 お よび工業試験場 の指 導 支 援 を受 け,LC パインアップル高度利用 第1報 Pの応用商 品開発 をテ ーマ に,南 方 資 源 利 用技 術研 究会特 別会貝 であ るオ リオ ンビール社, 沖 縄 県経 済連,八重泉酒造 社 , ヘ リオス酒 造 社 , 新 田ゼ ラチ ン社か らなる異業種交流融合化 グルー プ を結成 し,琉球大学 は じめ産官学 の協 力 を得 て,推進 してい る. LCPは生体 調 節 機 能 を もつ 美 味 しい蛋 白源 と して新市場 の創造 を 目指 して市場展 開 を開始 した.沖縄 にお け るLCP応 用 商 品 の 開発 も県 内のみ な らず広 く県外 に もその市場 を求め, 也 域優位性 を持 つ商品群 と して市場 を拡大 し, 也 域 産業 の振興へ とつ なが る もの と期待 され る. 本稿 を終 えるにあ た り, 当山清 善会長 は じめ 南資研 の皆様 ,並 びに, オ リオ ンビール㈱ 専 務 取締役森川 豊座 長 をは じめ とす る異業種交 流融 合化 グル ープの皆様 ,県庁 ,工業試験場等 関係 各位 の ご尽力 ご指導 に対 して厚 くお礼 申 し上 げ ます. 引用文献 1.千葉 英 雄 , 吉 川 正 明 1987 化 学 と生物 25(6):396. 2,千葉 英 雄 , 荒 井 綜 - 1988 化 学 と生物 26(1):34. 3.萩平 博 1988 フ ー ドケ ミカ ル 1988 し111. 4.Osima,G.et a1.1979 Biochimica et BIOphysICa Acta566:128.

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