商業科(会計)学習指導案
広 島 県 立 総 合 技 術 高 等 学 校
教諭 玉繁 克明 山縣 加奈
1 実 施 日 : 平成22年10月26日(火)
(6時間目:14時35分~15時25分(50分)
)
2 学年・学級 : 2学年4組(39名)
3 単元(題材)名 : 財務諸表分析
4 単元(題材)について
(1)単元(題材)観
本単元は,高等学校学習指導要領商業「第11節 会計」内容(4)財務諸表の活用 ア 財務諸表の意味 イ 財務
諸表の見方 に位置付いた学習内容である。本単元では,財務諸表分析の目的と意味について理解させ, 財務比率などの
財務指標の計算方法を習得させる。また,この分析を通して,財務諸表の意味とその役割及び企業の経営成績や財政状態
に関するディスクロージャー(情報の開示)の重要性についても気付かせることがねらいである。
(2)生徒観
1学期末に実施したアンケート結果から,授業に積極的に参加していると回答した生徒が約 65%,授業内容に興味・関
心を持っていると回答した生徒が約 85%いることから,落ち着いて授業を受けることができている。しかし,家庭学習が
不十分な生徒が約 30%いることや,定期考査の成績では,70 点以上の生徒が約 25%,30 点以下の生徒が約 20%とクラス
内において関心・意欲や理解度に大きな差があるのが現状である。また,授業内容に興味関心を持っている生徒は多いが,
思考力・判断力・表現力といった実践的な技能が身についていない状況が見られる。
(3)指導観
簿記会計は「ビジネス言語」とも言われ,この知識・技術はビジネス社会や世の中を知るために必要なスキルである。
そこで学習内容が検定取得という技術の向上に重点をおいた指導に留まることなく,思考を深め,判断する学習活動を取
り入れていく必要があると考える。これらの知識・技術の習得に向けて,生徒にとってより具体的で身近な題材を取り入
れるように心がけている。また,生徒観に述べた簿記会計分野に関心・意欲がなく苦手意識を持っている生徒への対応策
として,理解度の高い生徒と不十分な生徒を組み合わせたグループを構成し,学習する機会を取り入れることにより,互
いに教えあえるような学習集団の構築と,思考力・判断力の育成に努め,クラス全体の理解度の向上を目指している。
本単元においては,身近な企業の財務諸表を取り入れ,同業他社比較を行わせ,安全性・収益性・成長性の面から企業
の実態分析について理解させることがねらいである。
5 単元(題材)の目標
(1)財務諸表分析の意味を理解させる。
(2)関係比率法・実数法による計算を通して,株主や債権者または経営者の立場に立った財務諸表の分析力を習得させる。
6 単元の評価規準
関心・意欲・態度 思考・判断 技能・表現 知識・理解
財務諸表の活用に関心をもち,
意欲的に学習するとともに,実
在する企業の財務諸表分析に積
極的に取り組もうとしている。
財務諸表分析について考察し,
分析結果を適切に判断し学習し
ている。
財務諸表分析に関する基礎的・
基本的な技術を身に付け,ディ
スクロージャーの重要性につい
て説明できる。
ディスクロージャーの在り方
について理解するとともに,財
務諸表及び財務諸表分析の活
用の仕方を理解している。
7 指導と評価の計画(全 4 時間)
次 学習内容(時数) 評 価
関 考 表 知 評価規準 評価方法
1
財務諸表分析の意味
関係比率法による分析(安全性分析)
(2 時間)本時は 2 時間目
◎
○
・分析することに関心をもち,積極的に取り組み,発
言している。【関心・意欲・態度】
・何を目的に分析するのか考察し,分析結果を適切に
読み取ることができる。【思考・判断】
ワークシート
行動観察
机間指導
発表
定期考査
2
関係比率法による分析(収益性分析)
(1 時間) ◎
○
・何を目的に分析するのか考察し,分析結果を適切に
読み取ることができる。【思考・判断】
・財務諸表分析に関する基礎的・基本的な技術を身に
付け,データ分析の結果を適切に表現できる。
【技能・表現】
ワークシート
行動観察
机間指導
発表
定期考査
3
関係比率法による分析(成長性分析)
実数法による分析
財務諸表の意味と企業の会計情報に関す
るディスクロージャーの重要性
(1 時間)
◎
○
○
・何を目的に分析するのか考察し,分析結果を適切に
読み取ることができる。【思考・判断】
・分析を通して,ディスクロージャーの重要性について
説明できる。【技能・表現】
・ディスクロージャーの在り方について理解するとと
もに,財務諸表及び財務諸表分析の活用の仕方を理
解している。【知識・理解】
ワークシート
行動観察
机間指導
発表
8 本時の展開
(1)本時の目標
関係比率法による「安全性分析」に関する学習を通して,その計算方法を理解し,財務諸表の分析結果からビジネスの
諸活動に活用するためのデータを読み取ることができる。
(2)観点別評価規準
① 分析することに関心をもち,積極的に取り組み,発言している。
【関心・意欲・態度】
② 何を目的に分析するのか考察し,分析結果を適切に読み取ることができる。
【思考・判断】
(3)準備物
・教科書「新会計」実教出版
・ワークシート(前時において各企業の安全性分析の比率計算については済ませ,一度生徒から回収している)
連結貸借対照表資料「決算書がおもしろいほどわかる本 石島 洋一 著 PHP 文庫」より抜粋
・パソコン(PowerPoint)…効率的な授業展開を目的として使用
(4)学習の展開
学習活動 指導上の留意事項 使用教材 評価規準 評価方法
導
入
5
分
1 前時の復習
前時に計算した分析結果
をもとに,安全性分析の内
容について振り返る。
・前時に生徒から回収した財務諸表分析ワー
クシート(「セブン&アイ」と「イオン」の
B/S 比較資料)を配布する。
・「セブン&アイ」と「イオン」の B/S 比較資
料から前時に算出した安全性分析の各比率を
提示する。
・「外部分析(信用分析・投資分析)」と「内
部分析」による分析の観点を再確認させ,既
習内容の定着を図る。
・パソコン
(PowerPoint)
・教科書
展
開
40
分
2 算出した各比率におい
て,その数値から読み取れ
る安全性について考察し,
記入する。
個人およびグループ学習
3 安全性分析の結果から明
らかになったことは何か,
ワークシートに記入し,考
察した結果を発表する。
グループ学習
4 「セブン&アイ」と「イ
オン」の B/S 比較資料によ
る安全性分析結果から読
み取ることができる事柄
について理解する。個人
・比率ごとに,ワークシートに記されている
理想的な比率と比較させながら考察させる。
(7 分)
・生徒が「外部分析(信用分析・投資分析)」
と「内部分析」の両側面から分析できるよう
に話し合いを導いていく。
(株主や債権者または経営者の立場から資金
返済能力,財務安全性の観点で分析させる。)
(10 分)
・グループで考察した内容について根拠を示
しながら発表させ,発表内容からキーワード
を汲み取り,板書することにより,各グルー
プにおける考察内容を共有する。(8 分)
・企業の資金返済能力,財務安全性の観点か
ら分析結果を解説する。(15 分)
(セブン&アイ)
自己資本比率の高さ→長期的収益力
(イオン) 財務安全性に課題あり
設備投資
積極的な店舗開発
→ 成長
→ 他人資本の増加
ワークシート
・パソコン
(PowerPoint)
・ワークシート
分析することに関
心をもち,積極的に
取り組み,発言して
いる。
【関心・意欲・態度】
何を目的に分析
するのか考察し,
分析結果を適切
に読み取ること
ができる。
【思考・判断】
ワークシート
机間指導
ワークシート
机間指導
発表
終
結
5
分
1 本時の学習内容のポイン
トを確認する。
2 本時の学習内容に関連し
た宿題の指示を聞く。
3 次時の予告
次時に学習する内容につ
いて確認する。
4 ワークシートに本時の感
想を記入する。
・本時のまとめとして次のことを確認する。
貸借対照表 (2 分)
財務安定度をチェック
↓
安全性分析
・支払能力分析
・企業における意思決定に役立てる
・既習内容の定着を図るため,問題集による課
題の指示を行なう。(問題集 P154)
・次時は関係比率法の中の「収益性分析」に
ついて学習することを告げ,本時で学習した
「安全性分析」との関連性について教科書で
確認しておくように伝える。(1 分)
・ワークシートに本時の学習内容から発見で
きたこと,疑問点などを記入させ,回収する。
(2 分)
・パソコン
(PowerPoint)
・ワークシート
・ワークシート
・教科書
※ 主要参考文献:石島洋一『決算書がおもしろいほどわかる本』PHP 文庫 2009 年