!尾章の勉験予測と勉盤
畿圏避能力
の脅威
ー 『犯 罪者の視点』
を取り
入れた自信組教 育 ー
人間教育専攻
現代教育課題総合コース
酒瀬川 一矢 指導教員 藤村 裕一
1
開題の所在 者の考え方や動機,手段にわたるもので,犯
学校では警察官や地域の防犯ボランティ 罪者の立場に立つ経験を通して防犯を考える
アの協力のもと,防犯教育としてサングラス ことである。このような視点を用いることで,
やマスクをかけた「いかにもという不審者j 児童が自ら考え, 多様な犯罪に対処できるよ
を演じてp 甘い言葉にだまされて児童が連れ うになると考えられる。
去られる寸劇を行っている。しかし,実際の 脱中心化のできる児童期の発達の段階を
未成年略取・誘拐事件の被疑者はサングラス 考慮し,児童に「犯罪者の視点jを考えさせ,
をしておらず,スーツ姿や,見た固に 「不審J 様々な事案に対応できる防組教育が効果的に
と思えない場合がある。また年齢や性別も若 行えるように提案することを目指す。
い男性から 60歳を越える高齢者である場合
や,女性である場合などがある。
また 「知らない人について行かない,知ら
ない人の車に乗らないjなどの決まったセリ
フを用いた指導を児童に行っているが,被疑
者が 「知っている人Jである場合は少なくな
く
r
知らない人Jを簡単に取り上げること
で
r
知っている人Jなら安全であるという
間違った考え方を児童に植え付け,事件に巻
き込まれて取り返しのつかないことへと発展
しかねない。 さらに 「知らない人jが児童に
よって異なり,全く見たことのない人から,
近所に住んでいるよく見かける人まで幅広く
考えられる。
児童 向 けに作成された防犯クイズや防犯
テキストなどは,特定の事例を挙げて,対応
例を選択させて児童に危険を予測させ,危険
を回避させていこうというものが多く,挙げ
られた事例と同様の事案が起これば対処可能
だが,異なった事案に遭遇した場合に対処で
きるかは疑問である。
渡遺(2009)は,危険予測 ・回避能力を育成
する教育を進めていく上で,重点を置くべき
危険が「場所・時間j と「行為jであるとし
ているが,その行為の主体である犯罪者に注
目し「犯罪者の視点jを利用した研究はまだ
なされていない。
r
犯罪者の視点Jとは犯罪
2
.
研究の由的と方法
(1) 研賓の層的
本研究では,防犯教育の現状と問題点を明
らかにするとともに,児童が自ら危険を予測
し,回避していく能力を育成できる支援方法
を提案するための考察を行うことを目的とし
た。
(
2
)
研究の方法
① 文献研寵
危険予測能力及び危険回避能力に関する文
献や先行研究に着目し,それらを育成してい
くためにどのような下位能力が重要かを明ら
かにしていく。
@ 調 査
r
d
s
罪者の視点Jを取り入れ
r
安全に関
する質問紙調査jを実施する。
③ 調査から得た阻害の分析
質 問 紙 の 結 果 を 受 け て 犯 罪 者 の 視 点Jを
取り入れるための配慮点を考察し,危険予測
と危険回避のトレーニング方法を考案する。
④ トレーニング方法の喪蝿
「犯罪者の視点jを取り入れた危険予測と
危険回避のトレーニング方法を実際に施行
する。
⑤ ト レ ー ニンゲ方法の考察
施行を受けてモデ〉レの考察を行う。
-35-3
.
危験予測能力と危険回避能力の定議と着
目点
危険に対する危機管理としては,発生の予
測される危機への処置としてのリスクマネジ
メントと,発生した危機への処置としてのク
ライシスマネジメントに分けられる。本研究
は危険予測と危険回避の含まれるリスクマネ
ジメントに焦点を合わせたものである。
児 童 に 危 険 予 測 能 力 及 び 危 険 回 避 能 力 を
育成するために必要な力として以下の下位能
力が考えられる。
@危険予測能力
① 周 囲 に 対 し て 危 険 が ないか注意を払う
ことができる。
②何が危険なのかが分かるo
③最悪の場合も考慮した,被害の想定がで
きる。
④自分も被害に遭うという認識をもっ。
@危険回避能力
① 現 在 の 状 況 か ら と れ る 行 動 を 考 え出す
ことができる。
②最善の行動を選択することができる。
③選択した行動を起こすことができる。
そこで,これらの能力をより効果的に養う
支援の方法として「犯罪者の視点jから考え
る経験をさせることを提案する。
4
.
安全に関する質問紙調査の結果と帯察
(1)
r
見た目で危険な人物かを判断しないj
という指導
見た目によってその人物が危険で、あるかど
うかを判断しないことで,危険対象物を広く
捉えることができる。危険予測能力を育成し
ていく上で
r
見た目で危険な人かを判断し
ないJという指導は有効であると考えられる。
(2)
r
犯 罪 者の視点Jを取り入れた支援
児童に「犯罪者の視点j という他者の視点
から物事を考えさせることで,
r
ついて行かな
いj
r
すぐ逃げるJ
r
大 声 で叫ぶJ
r
人に知ら
せるjという指導から,
r
犯 人はこのような行
動をとれば困るから,嫌がる行動をとろうJ
という行動を考え,選択することができると
いう支援ができる。
(
3
)
r
犯 罪者の視 点jを取り入れるための配
慮点
「犯罪者の視点Jは犯罪者の考え方にたっ
て行う防犯教育であることから,犯罪者を養
成するような考え方に提えられてしまわない
ような配慮が必要である。
5
.
r
犯罪者の視点Jを取り入れた防犯教育の
トレーニンゲの効果
児童は「犯罪者の視点」を取り入れたこと
で,多種多様な危険の可能性がある危険因子
を見つけ出すことができ,それに対して具体
的な対処法を考え出していることから,自分
で気づき考えることができるという支援がで
きると考えられる。また,一人だけでは考え
出せない様々な意見を,学級全体で共有して
いくことで,より多角的な視点から犯罪を考
えるこ とができる。
しかし,非現実的な対処法を考え出したり9
知識や経験不足から自転車防犯登録などに気
づかなかったりする課題なども見受けられた0
s
.
犯罪者と自分を知るための「絶罪者の幌
高jを取り入札た駒抱教育
(唱)変容する犯罪に対しての防犯教育
犯 罪 に 対 し て の 知 識 や 経 験 が 不 足 す る な
ら,
r
犯罪者の視点Jを取り入れて擬似的な体
験をすることで.知識や体験を補うことがで
きる。児童の頃からその視点をもっととで,
これからの変容する犯罪に対応することがで
きるのではないかと考えられる。
(2)
r
犯罪者約視点Jを取り入れた防犯敬
曹の効能
「犯罪者の視点jを取り入れた防犯教育は
児童を支援するにあたり,今までなされてき
た取り組みをさらに効果的にする。今までの
指示されてきたととを反復的に行う訓練から,
自ら考え行動に移せる防犯教育として,複数
の取り組みを,
r
犯罪者の視点j取り入れて実
施していくことでより効果的になるので、はな
いかと考えられる。
(
3
)
犯罪者と自分を知るための f犯罪者の
視 点j
「犯罪者 の 視点jは犯罪者を知ることだけ
でなく ,
r
犯罪者の視点jで客観的に自分を見
つめ直す機会で、もある。自分を知り,自分の
状況を知り,危険性のある状況からの脱却が,•
自分の身を守ることにつながるのである。
円
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円
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