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ICT 社会における雷害対策

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Academic year: 2021

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(1)プロジェクト課題. I C T 社会における雷害対策 背景・目的 近年、情報通信技術(ICT:Information and Communication Technologies)を多用して 高度化した社会システムが構築されつつある。しかし、このようなシステムは雷などに起 因する電磁現象に対する脆弱性が指摘されており、送電線などへの雷撃によって情報ネッ トワークやライフラインなどのインフラが機能を停止すると、社会に大きな混乱を引き起 こす可能性が危惧される。 本課題では、これまで当研究所で培ってきた電力設備に対する雷害対策技術をさらに発 展的に展開し、ICT 適用環境下で強靱かつ柔軟な電力供給システムを実現するため、リ スク評価の観点も採り入れた新しい雷害対策技術を開発する。. 主な成果 1.雷リスク評価プログラムの高度化 2 0 0 9 年度に開発した「雷リスク評価基本プログラム」に「送電線雷事故率計算プ ログラム」などを搭載し、送電線の雷リスク評価および瞬時電圧低下(瞬低)リスク 評価を可能とした(図 1)。このプログラムでは、雷データ、地形データ、および送電 線配置などの設備データを入力することにより、任意の条件における送電線雷リスク および瞬低リスク評価が可能となる[H 1 0 0 0 2]。 2.発変電所の低圧制御回路で生じる誘導サージ電圧特性の解明 発変電所の低圧制御回路が永久故障に至る原因のほとんどが発変電所の接地網と主 回路に侵入した雷サージに起因するものである。しかし、低圧制御回路の回路構成が 誘導サージ電圧に与える影響は明らかにされておらず、適切な保護対策を確立するに は至っていない。これまでに、接地網に雷サージが侵入するケースについて、低圧制御 回路に発生する誘導サージ電圧の大きさと回路構成方式との関係を明らかにしてきた。 2 0 1 0 年度においては、主回路に雷サージが侵入するケースについて、低圧制御回 路モデルを実際の計器用変成器(VT、CT)とディジタル型保護継電装置を用いて構 築し、設備構成(制御線の線種や布設位置、ガス絶縁母線のシース接地方式など)が 誘導サージ電圧に与える影響を評価した。これにより、低圧制御回路への誘導サージ 電圧は主に VT、CT における一次側から二次側への電圧移行によって発生することを 明らかにした(図 2、図 3)[H 1 0 0 1 1]。これらの結果により、低圧制御回路の構成方 式が雷サージに起因する誘導サージ電圧に与える影響を定性的に明らかとした。 3.ディジタル機器・ICT 機器のイミュニティ評価手法の調査 各種電気所のディジタル機器・ICT 機器に適用されるイミュニティ評価手法につい て、内外の関連規格を調査した。この結果、ディジタルリレーやディジタル無線装置 など用途別の規格において、機器の設置箇所において想定される電磁雑音の種類と雑 音レベルを考慮して、イミュニティ試験項目および試験レベルが決定されていること を把握した。 36. 02-2電力.indd 36. 11/06/13 14:55.

(2) 電力安定供給技術. 電力安定供給技術. 拡大図 (黒字はノード名、 %値はそのノード における瞬低リス. (a)仮想の送電線系統雷事故 (a) 仮想の送電線系統雷事故 発生レベル(青:小、赤:大) 発生レベル(青:小、赤:大). ク評価指標). (b)瞬低リスクの解析結果例 (b) 瞬低リスクの解析結果例. 図 図 1 瞬低リスクの計算表示画面の例 1 瞬低リスクの計算表示画面の例 ここでは、我が国の系統解析に標準的に用いられているモデル系統を日本地図上に仮に配置し、 ここでは、我が国の系統解析に標準的に用いられているモデル系統を日本地図上に仮に配置し、各 各ノード地点に対応する地形、雷撃頻度を用いて各送電線の雷事故率を計算し、これらの結果を ノード地点に対応する地形、雷撃頻度を用いて各送電線の雷事故率を計算し、これらの結果を用いて 各ノードでの瞬時電圧低下の大きさとその発生頻度を計算する。それらを総合的に評価して各ノード 用いて各ノードでの瞬時電圧低下の大きさとその発生頻度を計算する。それらを総合的に評価し の瞬低リスク評価指標を算出し、最大値を 100 として相対評価した値を、色を変えてグラフに表示 て各ノードの瞬低リスク評価指標を算出し、最大値を 1 0 0 として相対評価した値を、色を変えて している。 グラフに表示している。 ガス絶縁開閉装置(GIS)モデル GISモデル. インパルス 電圧・電流を印加 波頭長:2.4 µs 電 パルス幅:176 µs 圧 波高値:620 V. 制御建屋接地網. ガス絶縁母線 計器用変圧器(VT) 計器用変流器(CT) 制御線. 深さ:0.5 m 断面積:60 mm 2. 制御建屋. 連接接地線. (CVV線,CVV-S線). 6m. 4m. 高さ 0 m, 1 m. 波頭長:0.18 µs 電 波尾長:1.08 µs 流 波高値:1A. 60 m. ディジタル型 保護継電装置. 主接地網. 保護継電装置の入力端子間の 深さ:0.5 m サージ吸収コンデンサの有無 断面積:60 mm 2 をパラメータとして、端子間 において誘導サージ電圧を測定. 30 m 電圧印加線. 図2 主回路・低圧制御回路を模擬した実験配置 2 主回路・低圧制御回路を模擬した実験配置 図. 電圧 [V/A]. 0.05. 多点接地(制御線高さ:0m). 0 一点接地(制御線高さ:0m). -0.05. 多点接地(制御線高さ:1m). 0. 0.5. 1 時間 [ μs]. 1.5. 2. 誘導サージ電圧の測定結果の一例として、GIS 誘導サージ電圧の測定結果の一例として、 モデル側にある CT 信号出力端子と保護継電 GIS モデル側にある CT 信号出力端子と保護継 装置側の CT 信号入力端子を制御線(CVV 電装置側の CT 信号入力端子を制御線 (CVV 線) 線) で接続したときの結果を示す。 で接続したときの結果を示す。 ガス絶縁母線のシース接地方式(多点接地、 ガス絶縁母線のシース接地方式(多点接地、 一点接地)あるいは制御線の布設高さ(大地面 一点接地)あるいは制御線の布設高さ(大地 から 0m、1m 面から 0m、1m の高さ)は、誘導サージ電圧(波 の高さ)は、誘導サージ電圧(波 高値)にほとんど影響を与えない。 高値)にほとんど影響を与えない。. 図 図3 ガス絶縁母線のシース接地方式・制御線の布設高さの影響 3 ガス絶縁母線のシース接地方式・制御線の布設高さの影響. 21 37. 02-2電力.indd 37. 11/06/13 14:55.

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