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西表島におけるドジョウの危機的生息状況と遺伝的特異性

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1〒 819–0395 福岡県福岡市西区元岡 744 九州大学大学院工学研究院 2〒 818–0135 福岡県太宰府市向佐野 39 福岡県保健環境研究所 3〒 819–1138 福岡県糸島市前原駅南 3–1–7 株式会社ベントス 4〒 903–0129 沖縄県中頭郡西原町千原 1 琉球大学農学部内 国際マングローブ生態系協会 5〒 642–0001 和歌山県海南市船尾 370–1 和歌山県立自然博物館 6〒 200092  中華人民共和国上海市四平路 1239 号 同済大学環境科学与工程学院 7〒 819–0395 福岡県福岡市西区元岡 744 九州大学大学院比較社会文化研究院 8〒 569–8686 大阪府高槻市大学町 2–7 大阪医科大学 生物学教室 (2011 年 7 月 28 日受付 ; 2011 年 8 月 24 日改訂 ; 2011 年 8 月 25 日受理) キーワード:ドジョウ,Misgurnus anguillicaudatus,絶滅危惧,移入,圃場整備,島の生物地理学

Japanese Journal of

Ichthyology

© The Ichthyological Society of Japan 2012

Yuichi Kano*, Jun Nakajima, Hiroshi Mizutani, Yuko Nakazato, Nagahiro Nakazato, Yoshitsugu Kaji, Liangliang Huang, Shin Nishida and Yasuyuki Hashiguchi. 2012. Critical status of the genetically-district, oriental weather loach (Misgurnus anguillicaudatus) population on Iriomote Island, Japan. Japan. J. Ichthyol., 59(1): 37–43.

Abstract A capture survey of the oriental weather loach Misgurnus anguillicaudatus

conducted widely throughout Iriomote Island, Japan in spring 2011, resulted in a single individual caught in a paddy field. It is likely that the distribution and density of the loach on Iriomote Island are extremely limited, the population being close to extinction, although a questionnaire survey of local people indicated formerly high densities. A phylogenetic analysis based on the haplotype of the mitochondrial DNA (control region) determined from the sampled individual and three additional samples, showed a deviation from the three major clades/subclades recognized in previous studies, suggesting that Iriomote Island population was genetically differentiated from those in other regions.

*Corresponding author: Department of Urban and Environmental Engineering, Graduate School of Engineering, Kyushu University, Motooka, Nishi-ku, Fukuoka 819-0395, Japan (e-mail: [email protected])

ジ ョ ウ Misgurnus anguillicaudatus は コ イ 目 ドジョウ科に属する淡水魚で,南西諸島を 含む日本全土,台湾,中国大陸および朝鮮半島 に広く分布する(斉藤,1989).本種はおもに水 田・湿地やそれに繋がる細流に生息するが(斉 藤,1989),近年になって農薬や圃場整備,加え て里山の衰退などの影響により生息地が減少し ており(田中,1999;梅村,2004;Fujimoto et. al., 2008; Kano et al., 2010),西日本各地では県レベル で絶滅危惧種に指定されている場合が多い(日 本のレッドデータ検索システム,2011).特に島 嶼における減少が顕著であり,例えば屋久島で は 1937 年以来ドジョウの公式な記録はなく,す でに絶滅している可能性がある(Yonezawa et al., 2010).また,島嶼からなる沖縄県ではドジョウ は絶滅危惧 IB 類に指定されており,島によって は絶滅した可能性も示唆されている(沖縄県文化 環境部自然保護課,2005).  ドジョウの系統関係については,ミトコンド リア DNA(mtDNA)の系統解析により,中国大 陸産のものも含めて少なくとも 2 つのクレード A と B が存在することが知られている(Morishima

西表島におけるドジョウの危機的生息状況と遺伝的特異性

鹿野雄一

1

・中島 淳

2

・水谷 宏

3

・仲里裕子

4

・仲里長浩

4

・揖 善継

5

黄 亮亮

6

・西田 伸

7

・橋口康之

8

(2)

et al., 2008).クレード A はおもに北関東から北海 道にかけて分布し,クレード B は西日本から中 国大陸に分布することが推定される(Morishima et al., 2008;小出水,2009).クレード B はサブク レード B-1 と B-2 から構成されるが,B-1 は広く 日本全土に分布しハプロタイプの多様性も高い ため,日本固有の系統とされる(小出水,2009). 一方 B-2 は日本国内ではおもに関東に分布する が,中国大陸や朝鮮半島にも広く分布することか ら,大陸由来の移入集団と考えられている(小出 水,2009;清水・高木,2010).これらのことか らクレード A と B は互いに別種であり,また B-1 と B-2 についても系統的な隔絶は明確であるこ とが示唆されている(Morishima et al., 2008; Arias-Rodriguez et al., 2009;小出水,2009).  一方,西表島は沖縄県八重山諸島最大の島で, 島の大部分を未開発の山地が占めるが,海岸近 くや大河川下流域の平地の一部は水田として利 用されている(安渓,2007).かつては豊富な水 量を利用して活発に稲作が行われていた(安室, 1994;安渓,2007;松村,2010).しかし高齢化 や過疎化などにより近年になって稲作文化は衰退 し(安渓,2007),多くの水田が休耕田となって 荒地化したり,サトウキビ畑,牧場などに置き換 わったりしている(盛口,2004).西表島のドジョ ウについては従来正確な記録はなかったが(沖縄 県文化環境部自然保護課,2005),近年になって その生息が確認されている(イリオモテヤマネコ 生息地保全調査委員会,2011).しかしこれまで に詳細な分布調査や遺伝学的な研究はなされてお らず,その在来性も含めて不明な点が多い.この ような現状の中,本研究では西表島全域における ドジョウの生息状況を調べ,mtDNA の調 節領域 において既存研究や他個体群との比較を行った. その結果,2011 年時点において西表島にはきわ めて限定的にしかドジョウは生息しておらず,一 方でその遺伝子はこれまで報告されていない特異 な系統を形成することが初めて明らかになったた め,ここに詳細に報告する. 材 料 と 方 法  捕獲調査と聞き取り調査の概要 2007 年 10 月 27 日に西表島北部浦内周辺の湿地化した 1 つの 休耕田にて,目合い 2 mm の一般的なタモ網を用 いドジョウの採集を約 1 時間行った.なお本休耕 田のある浦内周辺は 2011 年の段階で圃場整備が なされていない.  2011 年 4 月から 6 月の期間はより詳細に,西 表島におけるすべての水田地帯(計 17 ヶ所)お よび湿地化した休耕田(計 2 ヶ所)で捕獲調査を 行った(Fig. 1).1 人もしくは 2 人で夕方から夜 間にかけてタモ網を用いて調査を行い,各水田地 帯の水路や畔沿いを中心に採集を実施した.1 つ の調査地に対してのべ約 1 時間の捕獲努力を費や した.この調査の結果,ドジョウが捕獲された水 田は 1 ヶ所のみであったが,この水田では合計約 3 時間の追加の捕獲調査を 3 日に分けて行った. さらに 2007 年に捕獲を行った休耕田においても, 追加で 3 時間の捕獲を 3 日に分けて行った.  2011 年 4 月から 6 月にかけて,西表島在住の 農家や関係者 13 人(30–80 代)から聞き取り調 査を行った.質問事項は,現在や過去のドジョウ の生息状況,農薬の使用状況および圃場整備の状 況の 3 点であった.また,2000 年には当時 80 歳 代の元町議会議員(故人)からドジョウの移入状 況について聞き取りを行った.  mtDNA 分析 2007 年の調査で得られた個体の うち 3 個体については魚体すべてを、2011 年に 得られた 1 個体についてはクローブオイルの希釈 水で麻酔し、全長を測定した後に切除した右腹鰭 を 100% エタノールで保存した.本研究ではこれ らの 4 個体について以下の mtDNA 分析を行った. 試料から DNeasy Blood and Tissue kit(QIAGEN K. K., Tokyo)により,全 DNA を抽出した.本分析で はミトコンドリアの調節領域(control

region,D-Fig. 1. Map of Iriomote Island, Japan. Sampling of

Misgurnus anguillicaudatus was conducted at 19 sites

indicated by circles. The single individual obtained was collected at the site indicated by the solid circle.

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loop)の部分配列(1300 塩基前後)を解析対象と した.プライマーには L15923(5ʼ-TTAAAGCATCG-GTCTTGTAA-3ʼ)(Iguchi et al., 1997)および 12SAR-H (5ʼ-ATARTRGGGTATCTAATCCYAGTT-3ʼ)(Martin et al., 1992)を使用し,PCR 法により上記領域の増 幅を行った.反応系には滅菌水,1 × PCR buffer, dNTP mixture 0.2 mM each,各プライマー 0.2 pmol/ µl,BSA 0.2 mg/ml,TaKaRa ExTaq DNA polymerase (TaKaRa Co.Ltd., Tokyo)0.625 units, 抽 出 DNA 1

µl を加えた計 25 µl を用いた.PCR 反応では 94˚C で 1 分 間 加 熱 の 後,94˚C・30 秒,47˚C・45 秒, 72˚C・45 秒を 1 サイクルとし,これを 40 サイク ル行い,最後に 72˚C・2 分間の伸長反応時間を加 えた.PCR 産物を精製した後,前述のプライマー お よ び BigDye Terminator v3.1 Cycle Sequencing Kit (Applied Biosystem, Foster City, CA, USA)を用い,

自 動 DNA シ ー ク エ ン サ ー(Applied Biosystems 3130xl Genetic Analyzer; Applied Biosystem)にて塩 基配列決定を行った.なお国外に生息するドジョ ウの遺伝子との比較のため,中国浙江省の東チャ オシー川水系の 3 地点で得られた 4 個体(30˚27.7'N, 119˚45.4'E,1 個 体;30˚23.1'N,119˚53.1'E,1 個 体; 30˚19.4'N,119˚36'40.7"E,2 個体)についても同様の 処理を行い,塩基配列を決定した.これらの塩基 配列については DNA データバンク(DDBJ/EMBL/ GenBank)に登録し(accession numbers: AB645738– AB645742),個体群情報やアライメントされた配 列については GEDIMAP (http://gedimap.zool.kyoto-u.ac.jp; Watanabe et al., 2009)に登録した(Population ID: P1353–P1357).  系統解析 系統解析には MEGA5(バージョン 5.05;http://evolgen.biol.metro-u.ac.jp/MEGA)(Tamura et al., 2011)を用いた.解析においては Morishima et al.(2008)の補足資料で公表されている塩基配 列と上記で得られた配列,および外群として

batula barbatula (accession number: AY833881;

Bar-luenga and Meyer, 2005)を併せて使用し,MEGA5 に実装された ClustalW コマンドにて多重アライ メ ン ト を 行 っ た. そ の 後, 近 隣 結 合 法(Saitou and Nei, 1987)によって系統樹を作成した.本種 の系統樹作成における分子置換モデルについて は,Kano et al.(2011)において Tamura-Nei model (Tamura and Nei, 1993)が採用されており,本論 文においてもこれにしたがった.また,各分岐の 信頼度の推定のため,10,000 回の繰り返しによる ブーツストラップ法を行った.さらに西表島の ハプロタイプ,クレード A,サブクレード B-1 お

よ び B-2,Paramisgurnus dabryanus お よ び Cobitis

taenia における総当たりの平均集団遺伝距離(D;

Tamura and Nei, 1993)を算出した. 結     果  捕獲調査 2007 年の休耕田における捕獲調査 では,全長 20–30 mm 前後の 10 個体の幼魚を捕 獲した.うち 3 個体を試料として持ち帰り,残り 7 個体は個体数を数えた後にその場で放流した. 2011 年の広域的な捕獲調査では,19 の水田・休 耕田のうち西表島北部浦内の 1 つの水田(未圃 場整備田)の土水路にて(Fig. 1),全長 92 mm の 1 個体の雄を得た(Fig. 2).本個体については, 10% 中性ホルマリンで固定し,和歌山県立自然 博物館に魚類標本として登録した.(登録番号: WMNH-2011-PIS.311). な お,2011 年 に 1 個 体 の 雄が採集された水田や 2007 年に捕獲した休耕田 で行った追加の捕獲調査では,新たな個体を得る ことはできなかった.  聞き取り調査 聞き取り調査を行った 13 人す べてから,現在は彼らの水田周辺にドジョウは 生息していないとの回答を得た.ただし 7 人から は過去の生息情報を得ることができた(Table 1). 確認された地域は北部に集中しており,確認され た年代はすべて 2005 年以前のものであった.こ のうち 60 代から 70 代の 6 名のうち 5 名から,少 なくとも 1960 年前後には水田に多数のドジョウ が生息していた,という回答があった.浦内に水 田を持つ 30 代の 2 名および 60 代の 1 名について は,無農薬で稲作を行っているとの回答を得た. この中には 2011 年に唯一ドジョウが捕獲された 水田も含まれる.また,上原の 50 代 1 名からは, ドジョウが捕獲された浦内周辺は数年内に圃場整 備を行う計画があるとの情報を,祖納の 60 代 1 名からは,2000–2005 年前後に周辺が圃場整備さ れたとの証言を得た.

Fig. 2. An individual (male; total length: 92 mm)

Misgurnus anguillicaudatus obtained from Iriomote Island,

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Table 1. Results of questionnaires regarding status of Misgurnus anguillicaudatus on Iriomote Island

Age of respondents Area Loach observed Approximate years of observations

50s Ohara No – 60s Ohara No – 50s Uehara No – 30s Urauchi No – 30s Urauchi No – 60s Urauchi Yes 1990–2005 80s Urauchi Yes 1940–2000 40s Sonai No – 40s Sonai Yes 2000 60s Sonai Yes 1970–1980 60s Sonai Yes 1960–1970 70s Shirahama Yes 1950–1970 70s Shirahama Yes 1950–1970

Fig. 3. Neighbor-joining tree of the haplotypes of Misgurnus anguillicaudatus mtDNA control region.

Numbers on each internal node show bootstrap probabilities. Bootstrap values > 95% are shown. Haplotypes of clade A and subclade B-1 abbreviated to grey triangles. Solid circles indicate haplotypes found in this study; otherwise the haplotype names or scientific names correspond to those published in Morishima et al. (2008), except Barbatula barbatula (Barluenga and Meyer, 2005). Sampling localities shown in parentheses. Number of individuals of each haplotype and DDBJ accession numbers shown in brackets

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 さらに 2000 年に行った聞き取り調査では,当 時 80 歳代の元町議会議員(故人)から「戦前(1920 年頃)に食糧難対策のため村議会で議決し,沖縄 本島や台湾などからドジョウを導入したと聞い た.また,1960 年代には食糧難対策としてのド ジョウ導入の議決にかかわった」との情報が得ら れた.  系統解析 西表島で得られた 4 個体のハプロタ イプはすべて同一であり,ハプロタイプ名を IR1 とした.中国浙江省の 4 個体からは 4 種類のハプ ロタイプが得られ,それぞれのハプロタイプ名を TH1,TH2,TH3 および TH4 とした.アライメン トを行った結果,複数の挿入・欠失が確認され, これらも含めて解析塩基長は 1014 bp とした.  近隣結合法によって得られた系統樹を Fig. 3 に 示す.西表島から得られたハプロタイプ IR1 は, 99% のブーツストラップ確率にてクレード B に 含まれた.しかし IR1 の配列は,他のすべてのク レード B に含まれるハプロタイプとは大きく異 なっており,サブクレード B-1 と B-2 を含む系統 とは 97% のブーツストラップ確率で明瞭に区別 された.そのため IR1 が形成するサブクレードを B-3 とした(Fig. 3).一方,中国浙江省のハプロ タイプである TH1 から TH4 はすべてサブクレー ド B-2 に属した(Fig. 3).  ドジョウのクレード・サブクレードおよび近縁 種間における遺伝的距離を Table 2 に示す.B-3 と B-1 の距離(0.071)および B-3 と B-2 の距離(0.076) は,B-1 と B-2 の距離(0.044)よりも大きな値を 示した.B-3 と A との距離(0.137)は,B-1 と A の距離(0.137)もしくは B-2 と A との距離(0.1340) とほぼ同じであった.また,B-3 は C. taenia に最 も近い値(0.138)を示し,P. dabryanus からは C. taenia に次いで遠い値(0.176)を示した. 考     察  2011 年の捕獲調査において,計 25 時間の広域 的な捕獲努力を行ったのに対しドジョウは 1 個体 しか捕獲されなかった.この結果を考慮すると, 現在の西表島にはきわめて限定的にしかドジョウ が生息していないことが推測される.唯一ドジョ ウが捕獲された場所は,圃場整備が未だ施行され ておらず,かつ無農薬の水田地帯であった.ま た,2007 年にドジョウが捕獲された場所も,圃 場整備がされていない休耕田であった.ドジョウ の捕獲例が少ないため定量的な評価はできなかっ たが,聞き取り調査や,ドジョウの分布制限要 因を明らかにしている既存の研究(田中,1999; 梅村,2004;Fujimoto et. al., 2008; Kano et al., 2010) を考慮すると,西表島においても圃場整備や農薬 がドジョウに対し負の影響を与えている可能性が ある.また,水田面積そのものが減少しており(盛 口,2004;松村,2010),その影響も少なくない と考えられる.  聞き取り調査の 結果から,少なくとも 1950 年 から 2000 年前後までは,農家が目にする程度に はドジョウが生息していた可能性が高い.ただ し,聞き取り例数は少ないものの東部の大原周辺 では目撃証言がなく,元来分布していなかった可 能性もある.著者らの捕獲調査においては,2007 年には,少なくとも北部の 1 つの休耕田で比較的 容易に複数個体を捕獲することができた.また 「2008 年頃までは,水生昆虫類の調査中に,北部 でドジョウがしばしば採集されていた」(北野  忠博士,私信)との情報もある.しかし,2011 年にはそれ以上の捕獲努力を行ったにもかかわら ず 1 個体の採集にとどまった.以上のことを考慮 すると,2000 年以降にドジョウの分布域が狭ま り,2008 年前後以降にいっそう個体数が減少し

Table 2. Average genetic distance (D) among clades/subclades of Misgurnus anguillicaudatus (A, B-1, B-2 and B-3) and

related species (Paramisgurnus dabryanus and Cobitis taenia) (mtDNA control region)

Group A P. dabryanus B-1 B-2 B-3 (IR1) C. taenia

A P. dabryanus 0.128 B-1 0.137 0.171 B-2 0.140 0.170 0.044 B-3 (IR1) 0.137 0.176 0.071 0.076 C. taenia 0.183 0.186 0.142 0.142 0.138 Group names and order correspond to those in Fig. 3.

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たものと考えられる.  mtDNA による系統解析の結果,西表島に生息 するドジョウは独自の系統 B-3 を示した(Fig. 3). くわえて B-3 は既知の系統 A,B-1 および B-2 か らも遺伝的に大きく離れており,一方で中国浙江 省における 4 つのハプロタイプはすべて B-2 に属 した.既存の研究においても,中国の東北部(遼 寧・黒龍江省)のサンプルが B-1 に,中部から東 部(四川・湖北・江西省・山東)および朝鮮半島 のサンプルが B-2 に属することが報告されている (Morishima et al., 2008;小出水,2009;清水・高木, 2010).くわえて,南西諸島をのぞく日本全土を 網羅的にサンプリングした研究(Morishima et. al., 2008;小出水,2009)においても,B-3 に相当す るようなハプロタイプは見つかっていない.これ らのことから系統 B-3 は,最小で西表島に固有に 分布し,最大で中国南部から台湾・南西諸島に分 布することが推測される.B-3 が独立種であるか どうかは不明であるが,もし B-1 と B-2 が別種で あるのであれば,B-3 も独立種である可能性があ る.  本研究で確認した個体群が,在来のものか移入 されたものかどうか,また,西表島固有のものか そうでないかは,現時点では不明である.西表 島にはイリオモテヤマネコ Prionailurus bengalensis iriomotensis やショキタテナガエビ Macrobrachium shokitai など,かつて大陸もしくは台湾と陸続き であったことを示すとともに西表島に固有である 種・亜種が分布しており(Imaizumi, 1967; Fujino and Baba, 1973; Mashiko and Shy, 2008), ド ジ ョ ウ も在来かつ固有の系統である可能性がある.一方 で 1920 年および 1960 年前後に島外からドジョウ が持ち込まれたとの証言もあり,在来のドジョウ がいたかどうかは別として,今回確認した個体が その系統である可能性も否定できない.さらに安 室(1994)は “ 内地 ” から 1940–50 年頃に祖納に ドジョウが持ち込まれたらしいことを記してい るが,“ 内地 ” が本州・四国・九州を示すのであ れば,そのドジョウは系統 A,B-1 および B-2 の いずれかの可能性が高いため,今回見つかった 系統 B-3 のドジョウとは関係ないものと考えられ る. な お, 馬 毛 島(Tatsuzawa et al., 2001), 屋 久 島(Yonezawa et al., 2010)および佐渡ヶ島(Kano et al., 2011)などの島嶼からもドジョウの生息が 報告されているが,いずれもそれらが在来なのか 移入なのかは明確にはなっていない.  形態形質については,捕獲された個体数が少な かったことから定量的な評価はできなかった.今 後は形態学的な観点からも,西表島のドジョウ個 体群が別地域の個体群とは異なるかどうかを未記 載種の可能性も含め検討する必要がある. 謝     辞  多くの情報とご助言をいただいた西表島の地域 住民の皆様,また近年のドジョウの生息状況につ いてご教示いただいた北野 忠博士(東海大学) にこの場を借りて厚くお礼申し上げる.なお,本 研究の一部は藤原ナチュラルヒストリー振興財団 および文部科学省グローバル COE プログラム(自 然共生社会を拓くアジア保全生態学)の支援を受 けて行われた. 引 用 文 献 安室 知.1994.西表島の水田漁撈―水田の潜在 力に関する一研究.農耕の技術と文化 5: 108–149. 安渓遊地.2007.西表島の農耕文化.法政大学出 版局,東京.

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Fig. 2. An  individual  (male;  total  length:  92  mm)  Misgurnus anguillicaudatus obtained from Iriomote Island,  Japan
Table 1. Results of questionnaires regarding status of Misgurnus anguillicaudatus on Iriomote Island Age of respondents Area Loach observed Approximate years of

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