Title
衛星データの複合利用によるピナツボ山噴火影響監視と地
域環境モニタリングシステムの構築に関する研究( 内容の要
旨 )
Author(s)
齊藤, 元也
Report No.(Doctoral
Degree)
博士(農学) 乙第016号
Issue Date
1998-03-13
Type
博士論文
Version
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12099/2261
※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。
氏
名(本籍)
学
位
の種
類
学
位
記
番
号
学位授与年月
日学位授与の要件
学
位
論
文
題
目
蕃
査
委
員
斎
藤
元
也
(栃木県)
博士(農学)
農博乙第16号
平成10年3月13日
学位規則第4条第2項該当
衛星データの複合利用によるビナツボ山噴火影響監
視と地域環境モニタリングシステムの構築に関する
研究
主査
岐 阜
大 学
教
授
副査
信
州
大 学
教
授
副査
静
岡
大 学
教
授
副査
岐
阜 大
学
教
授
副査
♯早大字・工学揮 助教授
侃
司孝
格
宏
秋
嘉
山
帝
張
村
村
秋
北
角
西
木
論
文
の内
容
の要
旨
本研究は、各種の地球観測衛星データを複合的に利用して植生等の地表情報を高精度で 収集する手法の開発と、これを用いた地域環境モニタリングシステムの提案を目的として 実施された。このため、まず、分光センサを用いて汎用的に植被率を算出する新たな手法 の開発と、マイクロ波合成開口レーダ(SAR)の農業資源および植生環境に対する後方 散乱特性の解明を行った。これらの成果を各種人工衛星画像データに適用し、フィリピン ・ピナツポ火山における1991年の噴火後の植生への影響を監視し、良好な結果を得た。さ らに、この手法を地域環境モニタリングシステムの構築に適用するための提案を行った。 本論文は4章から構成されている。第1章ではリモートセンシング技術による地域モニ タリングの現在の問題点を明らかにした。これまで、主として光学センサ搭載の人工衛星 画像データにより、地表被覆物の判読や植生の定量化についてかなりの成果が挙げられて きた。しかし、光学センサによる観測は晴天時に限られ、単一衛星による時系列的解析は 不可能であった。このため多種光学センサを組み合わせ、観測頻度を高める必要がある。 あるいは雲の下を観測できるSARデータの利用法について開発しなければならない。 第2章は、光学センサを中心とする基礎的研究部分と火山噴火後の植生環境監視への応 用部分からなる。まず、-地上実験において分光センサを用いて植物の反射強度を計測する ことで、バイオマスの多少に関わらず植生被覆率(VCR)を求める汎用的な指数を考案 した。次にVCRを各種衛星データに複合利用できる手法を確立したことにより、広域的 植生モニタリングが可能になった。そこで、フィリピン・ピナツボ火山の大噴火直前から 噴火後のMOS-1/"ESSR,LANDSAT/TMおよぴJERS-1/OPSの衛星搭載光学データを時系列的に 解析し、VCRの変化を明らかにした。-123-第3章では合成開口レーダ(SAR)の農業・環境監視の手法開発を行った。SARは 自らマイクロ波を発射し、発射マイクロ波が地表で後方散乱してアンテナに戻ってくる成 分を収集・解析するもので、光に比べて波長が長いため雲を透過し地表が観測でき、全天 候型センサとも呼ばれている。日本のJERS-1/SARはより長波長のLバンドを備え、ヨーロ ッパのERS-1/SARはより短波長のCバンドを搭載している。これらの農地・植生に対する 後方散乱特性を明らかにし、ピナツポ山の火山灰、火砕流堆積などの泥流による二次災 害地域の特定に有効なことを示した。 第4章では、多種光学センサとSARセンサのデータを複合利用することにより、多く の新たな知見が得られること示した。特に地域環境モニタリングシステムの構築に対して は個々の目的別管理システムではなく、トータルなシステムが必要であり、その中でのリ モートセンシング技術の実利用に向けた方向性を授示した。
審
査
結
果
の要
旨
当論文は、各種の地球観測衛星データを複合的に利用し、自然災害の監視や
地域環境のモニタリングに用いるシステムを構築することを目的としている。
このため、基礎となる植生や農地の分光反射や後方散乱特性を明らかにし、こ
れらをフィリピンのピナツポ火山の植生解析等に適用しその有効性を検証した。
この論文によって解明された新たな事実は次の点である。
1)地上分光反射計を用いた植生計測により、背景となる土壌面の反射の影響
を排除し、植生だけの情報を抽出する演算法とその指標(k値)を独自に開
発した。この概念を各種衛星の画像解析に適用して植生被覆率(VCR)を求
めた。
2)植生や農地に対する合成開口レーダ(SAR)の後方散乱特性を明らかにし、
日本や欧州共同体が打ち上げた衛星SARデータの解析を可能にした。
3)この手法をピナツポ山の噴火後の植生への影響監視に適用して有効性を確
認し、将来は地域環境監視システムの一環として利用できると提言した。
上記の論文について事前に検討するとともに、10月17日に公開発表な
らびに口頭試問を行った。ここで主査ならびに副査の委員から解析技術面で
いくつかの質問があり、個別に回答した。このほか記述に関する若干の訂正
が求められ、特に著者が初めて明らかにした事項をさらに明確に表現するよ
う訂正することになった。
以上の結果、本研究のオリジナリ●ティーが高く、かつ今後の地域環境問題
などの応用面についても広く期待できることが見込まれることから、審査委
-124-員全員一致で、本論文が岐阜大学大学院連合農学研究科の学位論文として十
分価値あるものと認めた。
基礎となる学術論文
1)斎藤元也・秋元文重・境忍・山本博:1985.(日本写真測量学会)
ランドサットMSSデータからの土壌情報の抽出によるカラー合成と土壌水
分変化の把握.写真測量とリモートセンシング,Vol.24(1),4-12.
2)Genya
Saito,Yoshizu皿iYasuda,and
YoshifumiEmori:1991.
(Society
of Asian-Pacific RemoteSensing)
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