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雲解像モデルを用いた台風の大規模数値シミュレーション

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Academic year: 2021

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(1)HPCS2017 2017/6/6. 2017年ハイパフォーマンスコンピューティングと計算科学シンポジウム High Performance Computing Symposium 2017. 雲解像モデルを用いた台風の大規模数値シミュレーション 坪木和久. (名古屋大学宇宙地球環境研究所) 要旨. 地球上に発生する熱帯低気圧には、台風、ハリケーン、サイクロンなどがあるが、それ らのなかでも西部北太平洋に発生する台風は、発生数についても最大であり、強度につい ても最強である。台風は暴風と大雨、その結果起こる洪水、土砂崩れ、高波・高潮などに より大きな災害をもたらすとともに、貴重な水資源となっている。日本を含む東アジア地 域は台風の影響を強く受け、毎年のように大きな災害が発生している。さらに近年、気候 変動に伴う様々な気象の変化が顕在化してきていることから、台風の気候変動に伴う変化 は、防災上大きな問題となることが指摘されている。台風は海上で発生・発達するため観 測は容易ではない。このためシミュレーションによる研究は主要な手段の一つとなってい る。台風は海からの水蒸気、すなわち潜熱が主要なエネルギー源であり、雲の形成による 潜熱の解放は台風において本質的である。このため台風のシミュレーションでは、雲を量 的に精度よくシミュレーションすることが本質的に重要である。すなわち台風のシミュレ ーションには雲解像モデルを用いることが不可欠である。 台風については、急発達や最大強度の問題をはじめとして多くの学術的問題が残されて いるとともに、より社会的に関心の高い問題として、防災上重要な進路と強度の予測や、 気候変動に伴う台風の将来変化の問題が主なものとしてあげられる。ここではこれまで行 ってきた台風についての大規模シミュレーションによる研究のうち防災に関係するものと して、台風のもたらす大雨に関するもの、台風に伴う竜巻の例、および気候変動に伴う台 風の将来変化についての研究を紹介したい。これらは名古屋大学で開発してきた雲解像モ デル CReSS (Cloud Resolving Storm Simulator)を用いて行ったもので、2km 以下の高解像 度で積乱雲ひとつ一つを表現しつつ、台風全体をシミュレーションするものである。 このような台風のシミュレーションは非常に大規模になるので、その計算は 2002 年に稼 働を開始した地球シミュレータによってはじめて可能となった。その後、急速なコンピュ ータの進歩により、水平解像度 1∼2km で現実的な台風のシミュレーションや将来の気候に おける台風のシミュレーションが可能となってきた。一方でシミュレーションから出力さ れるデータは極めて大規模なものとなり、そのデータ処理が大きな問題となっている。今 回は情報処理学会ということなので、そのような大規模なデータの可視化についても例を 示したい。. ⓒ 2017 Information Processing Society of Japan. 44.

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