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水溶液を薄める際の計算方法薄める前の塩酸の濃度 % 体積 密度 = 薄めた後の塩酸の濃度 % 体積 密度であるから 3% の塩酸 200mL 作る場合は 35% XmL 密度 =3% 200mL 密度 X=17.1mL ここでは薄める前と薄めた後の塩酸の密度は同じくらいとして計算した よって 水に濃

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Academic year: 2021

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実験「水溶液の性質」での問題点の検討と実験成功のポイント

1 リトマス紙を用いた水溶液の分類をしたとき、正しい実験結果がでないことがある。 《考えられる原因と実験成功のポイント》 ①中性のはずの食塩水や蒸留水が酸性を示した。 → 蒸留水は、長期間保存しておくと、空気中の二酸化炭素をとかし、酸性になることがある。 水溶液の実験の予備実験時に蒸留水の液性を調べておく。授業の直前にビーカーに集めた水道水 (リトマス紙で調べて中性であればOK)を実験に用いてもよい。 ②ガラス棒を十分洗わないまま、次の水溶液をつけている。 →1回ごと、新しい水で洗い、乾いた布でふき取ってから使うという指導をしっかり行う。 このときの新しい水とは、「水道水の水」である。ビーカーに入れた水で洗っているとガラス棒に ついていた水溶液が水に残るため、洗ったことにならない。 ③リトマス紙を手で取り扱うと、色が変化した。 →汗などで色が変化したと考えられる。リトマス紙はピンセットで取り扱わせる。 ④リトマス紙の色が薄いため、結果が分かりにくい。 →リトマス紙は消耗品。計画的に買い換える。または、保存に下図のようにチャック付きビニール袋 (100 円ショップで 50 枚入り 100 円)を用いて保存方法を工夫すると長期間使用できる。 各班ごとにチャック付袋に リトマス紙を入れておく ⑤リトマス紙の色の変化の記録に児童が「赤リトマス紙の赤が濃くなった」と書いている。 →ものが濡れると色が濃くみえることで説明し、この実験では、リトマス紙の色が、「青に変わった か、赤に変わったか、変わらなかったか」の3つの結果に絞って書かせる指導を行う。 2 水に溶けている気体を取り出そうとして蒸発皿に入れて加熱すると、すごい刺激臭がした。 《考えられる原因と実験成功のポイント》 気体の溶けている水溶液として、炭酸水、塩酸、アンモニア水が考えられるが、特に塩酸とアンモ ニア水を加熱して発生する塩化水素とアンモニアについては、刺激臭があるが、用いる濃度が大き すぎると、発生する刺激臭の気体が多くなり、気分が悪くなる児童も出てくる。 →加熱する塩酸とアンモニア水は濃度が3%程度のものが適切である。 また、加熱する水溶液はスポイトで2~3滴程度で行い、実験の際、窓は開けておくこと。 ポイント 金属をとかす塩酸の濃度と、気体を取り出すときに使う塩酸の濃度は変える。 (9%) (3%) 参考【水溶液の濃度の調整方法】 例 そうめんつゆを5倍に薄める そうめんつゆ1に対して水を4加えて、5の体積にすること。 ① 3%の塩酸の作り方・・・・市販の濃塩酸(約 35%)を約 12 倍に薄める。 水 55mL に濃塩酸5mL を加える。

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○水溶液を薄める際の計算方法 薄める前の塩酸の濃度%×体積×密度=薄めた後の塩酸の濃度%×体積×密度 であるから、 3%の塩酸 200mL 作る場合は、 35%×XmL×密度=3%×200mL×密度 X=17.1mL ここでは薄める前と薄めた後の塩酸の密度は同じくらいとして計算した。 よって、水に濃塩酸 17.1mLを加えて全体積を 200mLにするとよい。 ② 9%の塩酸の作り方(アルミニウムと反応させる塩酸) 市販の濃塩酸(約 35%)を約4倍に薄める。 9%の塩酸 200mL 作る場合は、 35%×YmL×密度=9%×200mL×密度 Y=51.4mL よって、水に濃塩酸約 50mLを加えて全体積を 200mLにするとよい。 ③ 3%アンモニア水の作り方・・・市販の濃アンモニア水(約 28%)を約 10 倍に薄める。 3%のアンモニア水 200mL 作る場合、 28%×ZmL×密度=3%×200mL×密度Z=21.4mL よって、水に濃アンモニア水約 20mLを加えて全体積を 200mLにするとよい。 3 うすめた塩酸やアンモニア水を加熱すると、加熱後、白いものが残った。 《考えられる原因と実験成功のポイント》 水道水には、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、ナトリウムイオン、塩化物イオンなどが含 まれており、加熱すると水そのものは蒸発して何も残らないが、これらのイオンが結合してできた 物質(NaCl、CaCl、MgClなどの白色物質)が析出して、白くなったと考えられる。 水溶液の実験では、水道水でなく、蒸留水(純水)を用いて実験することが大切である。 左 水道水でうすめたもの 水道水でうすめたものに 右 蒸留水でうすめたもの 出てきた白い物質 4 うすめた塩酸やアンモニア水を加熱すると、炭酸水のような泡は出なかった。 《考えられる原因と実験成功のポイント》 これは気体の溶解度(一定量の水にどれくらいとけるか)が原因である。 1気圧、20℃における気体の溶解度(水1mLにとける気体の体積mL) 二酸化炭素・・・0.88mL 塩化水素 ・・・442mL アンモニア・・・702mL 気体の溶解度は固体の溶解度と逆で低温ほど大きい。 二酸化炭素は温度が上がるほど溶解度が小さくなるので、泡となって出てくるが、塩化水素やアン

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5 二酸化炭素を水にとかしてペットボトルをへこまそうとしたがうまくいかなかった。 《考えられる原因と実験成功のポイント》 水に対して二酸化炭素の量が尐ないときはペットボトルがへこまないことがある。また、炭酸飲料 用のペットボトルの方がへこむ様子が分かりやすい。 →二酸化炭素を水にとかしてペットボトルをへこます場合は、水を満たしたペットボトルに、水上 置換法で二酸化炭素をボンベから入れ、ペットボトルの半分くらい入れる。また、対照実験とし て空気くらいを半分入れたものではペットボトルがへこまないことを確認させる。 6 アルミニウムが塩酸にとけない。とけにくい。授業時間内で終わらない。 《考えられる原因と実験成功のポイント》 ◎アルミニウムの性質を知っておく必要がある ・アルミニウムは、表面に酸化アルミニウムの被膜(不動態被膜)を作って、安定な状態になって いるため、すぐに塩酸とは反応しにくい。この性質を利用してアルミ製品がいろいろなところで 使われている。 ・一般的なアルミニウムには不純物として他の金属が含まれており、アルミニウム 100%でない。 不純物として鉄が入っていることも多く、鉄が塩酸にとけると黄褐色の物質である塩化鉄(Ⅲ) になる。 ・酸ともアルカリとも反応して水素を発生して塩化アルミニウム(白色物質)に変化する特殊な性 質を持った金属(両性元素)である。 アルミニウムの表面の酸化アルミニウムの被膜がとれないと塩酸と反応しない。 また、アルミ箔は表面にコーティングがされているため、反応しにくい。 →表面の酸化被膜などを紙ヤスリなどで除去するか、比較的濃度の大きい9%塩酸を用いる。 しかし、アルミ箔は薄いため紙ヤスリが使えない。また、板状のアルミニウム板であれば、紙ヤス リが有効であるが、タブレット状のアルミニウムは小さすぎて紙ヤスリが使えない。 そこで、実験の朝、または、実験の前日に、ビーカーに入れた約 15%塩酸(水:塩酸=1:1:) に、アルミニウムを入れ、反応が盛んになったときに、流し台で塩酸に多量の水を加え、反応を止 めた後、上澄み液を捨てて、別のビーカーに入れた水の中でアルミニウムを保存しておく。これで 酸化被膜がとれる。 これを実験に用いると、水中では酸素の量が尐ないので酸化アルミニウムになりにくいため、塩酸 と反応しやすい。このとき、アルミ箔は水に浮くので、写真のように上からビーカーを重しとして おくとよい。 アルミニウムを 15%塩酸でいったん反応させる 塩酸を捨てて水の中で保存

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アルミ箔の処理後 水に浮くので、ビーカーの重しで水中へ 表面の酸化被膜を除去する前処理を行ったアルミニウムの塩酸との反応 (塩酸と反応しにくかったアルミ箔もすぐに反応が始まる) 注意:アルミニウム粉末は反応が激しいため、爆発の危険があるので絶対使わない。 7 塩酸にアルミニウムをとかした液を加熱して得られる結晶の色が黄色い。 《考えられる原因と実験成功のポイント》 アルミニウムを塩酸にとかした液から得られる塩化アルミニウムは白色の物質であるが、一般的な アルミニウムには、鉄が不純物として入っていることが多く、鉄が塩酸と反応してできた黄褐色の 酸化鉄(Ⅲ)が混ざった状態で結晶が析出する。白い中に黄色なので少量であっても目立ちやすい。 →できるだけ純度の高いアルミニウムを実験に用いる。 実験に用いるアルミニウムとして考えられるのは、試薬としてのアルミニウム片、アルミ板(円状)、 アルミ箔、アルミ缶(表面のコーティングを紙ヤスリ等で除去したもの)などが考えられる。 以下に実験結果を示す。

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ろ過する ろ過した液を蒸発皿に入れ、アルコールランプで加熱し、 白い結晶が出てきたらアルコールランプの火を外に出し て余熱で結晶を析出させる 実験結果をまとめると、 ○各 0.1gと9%塩酸との反応時間 ①アルミ缶 約7分 ②アルミ箔 約 10 分 ③アルミニウム板(円状)25 分以上かけてもとけき らない ○結晶の色 加熱直後 ①アルミ板(円状) 白色 ②アルミ箔 白色 ③アルミ缶 ほぼ白色 左から アルミ板(円状) アルミ箔 アルミ缶 から出た結晶 ○結晶の色 加熱後1時間後(下写真) ①アルミ板(円状)白色のまま ②アルミ箔 白色(ほんの尐し黄色の部分ができた)

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③アルミ缶 ほぼ白色(尐し黄色の部分ができた。アルミ箔よりやや多い) 実験結果より、アルミ板は溶解するのに非常に時間がかかるため、実験で使用するアルミニウムとしては、 p 2 の6 のように塩酸であらかじめ前処理をして表面の酸化被膜を除去したアルミニウム箔を用いるのが、 小学校の授業時間内に終わらせるのに適当であると考える。(アルミ箔は不純物の含有量も少ない) 8 塩酸にアルミニウムをとかした液を加熱しているとき、刺激臭がすごく気分が悪くなった。 《考えられる原因と実験成功のポイント》 塩酸にアルミニウムをとかした液を加熱しているとき、未反応の塩酸が多く残っていると、塩化水 素が発生し、その刺激臭がひどい。 →塩酸と反応させるアルミニウムの量を計算して、アルミニウムがとけた後の液に、あまり塩酸が 残っていないようにすることが必要である。 2Al+6HCl→2AlCl+3H

2mol : 6mol で反応する (Al 1mol 27g HCl 1mol 36.5g)

9%塩酸5mL:5×0.09=0.45g より、9%塩酸5mL には塩酸が 0.45g含まれている。 今、9%塩酸5mL とちょうど反応するアルミニウムの質量をXとすると、 27×2:6×36.5=Xg:0.45g よってX=0.11g 9%塩酸5mLとちょうど反応するアルミニウムの質量は約 0.1gなので、そのくらいの質量のア ルミニウムを実験に用いて反応させると、未反応の塩酸がほとんどなくなる。 また、9%塩酸5mL と反応する鉄の質量を計算すると、 2Fe+6HCl→2FeCl+3H

2mol : 6mol で反応する (Fe 1mol 55.9g HCl 1mol 36.5g)

9%塩酸5mL:5×0.09=0.45g より、9%塩酸5mL には塩酸が 0.45g含まれている。 今、9%塩酸5mL とちょうど反応する鉄の質量をYとすると、

55.9×2:6×36.5=Yg:0.45g よってY=0.23g

9%塩酸5mLとちょうど反応する鉄の質量は約 0.23gなので、そのくらいの質量の鉄を実験に用 いて反応させると、未反応の塩酸がほとんどなくなる。

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9 塩酸にアルミニウムをとかした液を加熱しているとき、結晶が実験台の上にはねた。 《考えられる原因と実験成功のポイント》 塩酸にアルミニウムをとかした液を加熱していくと、水分がなくなり、塩化アルミニウムの結晶が 析出するとき、結晶がはねる。 →塩酸にアルミニウムをとかした液をろ過したものを、蒸発皿に入れ、アルコールランプで加熱し、 白い結晶が出てきたらアルコールランプの火を外に出して余熱で結晶を析出させると、飛び跳ねは はるかに少なくなる。 1 0 析出させた結晶の性質を調べるために、放置しておくと、結晶がべとべとになってとけてしまう。 《考えられる原因と実験成功のポイント》 塩化アルミニウムの結晶は強い潮解性(空気中の水分を吸ってべとべとになる性質)を持っている。 食塩はそういった性質を持っていない。水酸化ナトリウムは強い潮解性を持つ。 →45 分の授業時間内で、アルミニウムを塩酸にとかし、出てきた結晶の性質まで調べるまでを一気に 行うような授業計画を立てることが望ましいと思う。 そのためには、アルミニウムの前処理を行い、塩酸とアルミニウムの反応を短時間で終わらせること がポイントとなる。また、押し入れの湿気取り剤で乾燥させた衣装用ケース内などで保存し、次の時 間に調べることも検討したが、結晶はかなりとけてしまった。再加熱をすればよいが、一気に終わら せる方がよいと思う。

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