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駒澤大學佛教學部研究紀要 54 - 002石井 修道・小川 隆「『禅源諸詮集都序』の訳注研究(三)」

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Academic year: 2021

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(1)

NII-Electronic Library Service 『

丿

隆 道

N工 工一Eleotronlo  Llbrary  Servloe

        凡

 

例 一 、 本 論 文 は 圭 峰 宗 密 ( 七 八 〇 ー 八 四 一 ) の 『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』 の 全 訳 注 の う ち 巻 上 の 後 半 の → 部 ( 明 蔵 本 の 巻 上 之 二 の 前 半 に 同 ) に 当 る も の で あ る 一 、 本 論 文 は 、 原 文 の 底 本 と そ の 訓 読 文 を 上 下 に 対 照 し 、 底 本 と 三 本 の 校 訂 を 示 し そ の 後 に 現 代 語 訳 お よ び 注 を 付 し た も の で あ る 。 原 文 お よ び 校 訂 は 活 字 用 正 字 を 使 用 し 訓 読 文 と 現 代 語 訳 お よ び 注 は 当 用 漢 字 を 使 用 し た 。 一 、 テ キ ス ト の 問 題 は 別 に 論 文 を 予 定 し て い る 。 一 、 全 体 を 五 九 段 と し 内 容 目 次 は 鎌 田 本 を 踏 襲 す る こ と を 原 則 と す る 。 た だ し そ の 二 と 三 段 を 合 わ せ 代 り に 裴 休 の 序 を   一 段 と 数 え 、 他 は 鎌 田 本 と 同 じ と し た 。 従 っ て 四 段 は 改 名 し た が 、 五 段 以 降 は 後 記 を 〔 五 九 〕 と し た 他 は 鎌 田 本 と 一 致 し 、 そ れ 以 前 は 次 の よ う に な る 。   駒 澤 大 學 佛 激 學 部 研 究 紀 要 第 五 十 四 號   平 成 八 年 三 月     鎌 田 本 裴 休 の 序 〔 乙 禅 源 諸 詮 集 と は 何 か 〔 二 〕 禅 の 根 源 と し て の 真 性 〔 三 〕 禅 定 の 必 要 性 [ 四 〕 禅 の 四 種 と 達 磨 禅 一 、   『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』 は 次 の と お り で あ る 。 〔 底 本 〕 延 文 三 年 ( = 二 五 八 ) 右 の 参 考 本 〔 対 校 本 〕   南 宋 本     本 論 文 〔 乙 裴 休 の 序 〔 二 〕 禅 源 諸 詮 集 と は 何 か 〔 三 根 源 と し て の 禅 〔 四 〕 五 種 禅 の 分 類     禅 の     四 種 と 達 磨 禅 の 底 本 と 対 校 本 及 び 参 考 本 の 所 在 と 略 号 五 山 版 大 英 図 書 館 所 蔵 … … … … ( 底 ) 京 都 の 田 原 仁 左 衛 門 刊 ( 駒 沢 大 学 図 書 館 番 号 = =

1

三 ) 京 都 高 山 寺 所 蔵 … … … … ( 高 )       一 九

(2)

Komazawa University

NII-Electronic Library Service Kom 三1z三1w三1 Umversrty 『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』 の 訳 注 研 究 ( 三 ) ( 石 井 ・ 小 川 )   朝 鮮 本                     柳 田 聖 山 主 編 禅 学 叢 書 之 二   弘 治 六 年 ( 一 四 九 三 ) 本       ( 中 文 出 版 一 九 七 四 年 )                                     … … … … : … … ・ ( 弘 )   右 の 参 考 本、 万 暦 四 年 ( 一     東 洋 文 庫 所 蔵   五 七 六 ) 本   明 蔵 本                     中 華 大 蔵 経 第 二 輯 第 三 五 冊                                     … … … … : … … ・ ( 明 )   右 の 参 考 本、 宇 井 伯 寿 著       岩 波 文 庫 、 一 九 三 九 年 一 、 訓 読 文 と 訳 注 の 作 成 に 当 っ て 宇 井 本 と 特 に 鎌 田 本 を 参 考 に し た な お 入 矢 義 高 先 生 の 岩 波 文 庫 本 を 拝 借 し 書 き 入 れ や 訂 正 を 参 考 に さ せ て い た だ い た 。 記 し て 感 謝 申 し 上 げ る 一 、 こ の 訳 注 は 課 外 ゼ ミ で 検 討 し た も の に 基 づ い て い る 。 ゼ ミ の 参 加 者 は 全 訳 が 完 成 し た 後 に 付 す 。   〔 一 〕 巻

 

上   〔 二 〕   〔 三 〕   〔 四 〕   〔 五 〕   〔 六 〕 禅 源 諸 詮 集 都 序 目 次

休 の 序

源 諸 詮

と は 何 か

源 と し て の 禅 五 種

の 分 類

の 四 種 と

な ぜ 教 家 の 人 は 禅 宗 を 誹 謗 す る か な ぜ 教

一 致 を 主

す る か ロ  @m@  香 @@ ロ    ロ@     ロ   hL  ロ  @ ロ@  香 @@ ロ    ロ@   ロ   香 @@ ロ@  香

@

ロ    

 

 

 

      E 云 西 ≡ = 6續 ェ七六 五 四三 ニ ー〇 九 八七 〕    〕    〕    〕    〕    〕    〕    〕 尸@ 一 ’  〕    〕    〕@  〕     〕   l   〕   〕     〕     一 ’ 〕     〕   〕 二 〇 禅 偈 を 集 す る 意 図 禅 語 の 性 格 禅 偈 を 纂 す る 必 要 性 禅 と 経 文 と の

証 明 す る 十 の 理 由 禅 一 致 の 正 当 性 い か に し て 禅 宗 派 の 教 説 を 整

す る か 禅 の 邪 正 を 定 め る 基 準 は 経 論 で あ 経 の 真 仮

仏 意 に よ 因 明 の 三

よ り み た 経 文 の 必 要 性 禅 宗 対 す る 疑 や 批 難 『

信 論 』

と 義 よ り み た 教 禅 一 致 の 正 当 性 四 種 の 心

と 漸 と は 矛 盾 し な 真 の 禅 頓 悟 と 漸 悟 そ な え て い ( 以 上 前 号 )

の 三

と 教

三 教 息 妄 修 宗 泯 絶 無

宗 直 心 性 宗 密

説 相 教                   以 上 今号) 将識破 境 教 と 息修心宗 密相顕 性 教 密

(3)

NII-Electronic Library Service   〔 二 九 〕   〔 三 〇 〕   〔一 一 = 〕   [ 三 二 〕 巻   下   〔 三 三 〕   〔 三 四 〕   〔 三 五 〕   〔 三 六 〕   〔 三 七 〕   〔 三 八 〕   〔 三 九 〕   [ 四

〕   [ 四 一 〕   〔 四 二 〕   〔 四 三 〕 顕 示 真 心 即 性 教 達 磨 禅 と 知 の → 字

妙 の 門 自 性 清

心 を い か に 修 す る か 絶 対 の 真 心 ぬ      上

十 意 、 教 之 三 種 、    

 

   

 

   

 

先 敘 禪 門

以 教

。 禪 三 宗 者 、   息 妄 修 心 宗 。 二 泯 絶 無 寄       『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』 の 訳 注 研 究 ( 三 )     空 宗 と 性

の 十 の

違 点     法 と 義 の 解 釈 の 相

    性 と 心 の 相 違     性 の 解 釈 の 相 違     智 と 知 の

釈 の 相 違    

我 と

の 解 釈 の 相 違    

理 の あ ら わ し 方 の 相

    名 と 体 の 相 違       二 諦 と 三 諦 の 解 釈 の 相

    三 性 説 の 解 釈 の 相 違    

徳 の 有 無 に つ い て の 相 違 〔 = 〕   禅 の 三 宗 と 教 の 三 教     理 例 昭 然 。 但 對 詳 禪 之 三 宗 、         ネ    

經 斟 秤 、 足 定 淺 深 。 消 極 性 と 積 極 性 〔 四 四 ] 〔 四 五 〕 〔 四 六 〕 〔 四 七 〕 〔 四 八 〕 〔 四 九 〕 〔 五 〇 〕 〔 五 一 〕 〔 五 二 〕 〔 五 三 〕 〔 五 四 〕 〔 五 五 〕 〔 五 六 〕 [ 五 七 〕 〔 五 八 〕 〔 五 九 〕 禅 の 三 宗 は 根 本 に お い て は } つ で あ る 頓 教 の 二 つ の 意 味

 

  逐 機 の 頓 と 化 儀 の 頓 頓 漸 の 種 々 な 解

一 真 心 体 こ そ 教 法 の 根 源 で あ る 仏 が 経 を 説 い た 本

仏 の 本 意 と 三 種 の 教 仏 と 衆 生 、 悟 と 迷 と の 関 係                   す が た 迷 い の 過 程     凡 夫 の 相

悟 り へ の 道 悟 り と 迷 い の 体 系 を 図 示 す る 理 由 悟 り と 迷 い の 図

悟 り と 迷 い の 図 式 に よ っ て 反 省 自 覚 す べ き こ と 修 道 の 心 が ま え む す び の む す び 口 後 記                     ( 1 )             た                                                         ふ       上 来 の 十 意 、 理 例 昭 然 た り 。 但 だ 禅 の 三 宗 と 教 の 三

と を 対 詳 せ ば 、 斗 秤 を 経     る が

く 、 浅 深 を 定 む る に 足 ら ん 。 先 に

門 を 叙 し 、

に 教 を 以 て

せ ん 。           ( 2 )                     そ く も 弓 L ゆ う し ん し ゆ う ( 3 )         み ん ぜ つ む ぎ し ゆ う   ( 4 )         じ つ け ん し ん し よ う し ゆ う      

の 三 宗 と は 、 一 に は 息 妄 修 心 宗 、 二 に は 泯 絶 無

三 に は 直 顕 心 性 宗 ( 石 井 ・ 小 川 )                                                     二 一 N工 工一Eleotronlo  Llbrary  

(4)

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宗 。 性 読 相 教 。 二 密 意 破 相 顯 性 教 。 三

示 眞 心 即 性 教 。 右 此 三 激 、 如 次 同 前 三 宗 。 相 對

證           之 然 後 惚

一 味 。   『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』 の 訳 注 研 究 ( 三 ) ( 石 井 ・ 小 川 )                                     ( 5 ) 三 直 顯 心 性 宗 。 數 三 種 者 、 一

意 依  ・ な り 。       教 の 三 種 と は 、 じ し ん じ ん そ く し よ う き よ う ( 8 ) 示

心 即 性 教 な り 。                                     二 二     み つ ち え し よ う せ っ そ う き ょ う 〔 6 )         み つ ち は そ う け ん し よ 5 き よ う ( 7 )         げ ん 一 に は

意 依 性 説 相 教 、 二 に は 密

破 相 顕 性 教、 三 に は 顕                                         ( 9 )   右 の 此 の 三 教 は 次 の 如 く に

の 三 宗 に 同 じ 。                             ( 10 ) る 後 に

じ て 会 し て 一 味 と 為 さ ん 。 相 い 対 し て

之 れ を 証 し 、 然

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* 上 冂 上 ノ 前 ヲ 禪 源 諸 詮 集 都 序 毬 上 之 一 、 * 愡 “ 總 ( 明 ) 禪 源 諸 詮 集 都 序 卷 上 之 二 、 唐 圭 峯 山 沙 門 宗 密 述 ト 分 卷 ス ( 明 ) 。 * 來 目 之 ( 弘 ) 。 ・ 蚪 秤 冂 斗 稱 ( 明 ) 。                                                                                           ま す     は か り   上 に 述 べ た 十 意 は 、

理 と し て 明 確 で あ る 。 禅 の 三 宗 と 教 の 三 種 を 対 配 し て 詳 述 し さ え す れ ば 斗 や 秤 で 量 る よ う に 、 十 分 に 深

が 定 め ら れ る で あ ろ う 。 そ こ で 先 に 禅 門 を 述 べ 、 後 に そ れ を 教 で 証 明 す る こ と と し よ う 。   禅 の 三 宗 と は 一 に は 息

修 心 宗 、 二 に は 泯 絶 無 寄 宗 三 に は 直 顕 心 性 宗 で あ る 、 教 の 三 種 と は 、 一 に は 密 意 依 性 説 相 教 、 二 に は 密 意 破 相 顕 性 教 、 三 に は 顕 示 真 心 即 性 教 で あ る 。   右 の こ の 三 教 は 順 次 、

の 三 宗 と 同 じ で あ る 。 互 い に 対 配 し て 一 つ ] つ こ れ を 証 明 し そ の 上 で そ れ ら を 総 括 し て }

と す る こ と と し よ う 。 Kom 三1z三1w三1 Unlverslty                                                             へ   も                           こ じ ( ユ )   理 例 冂 普 遍 的 な 原 理 原 則 。 『 弘 明 集 』 巻 六 ・ 周 重 答 書 并 周 重 問 、 「 理 例 通 ぜ ず し て 方 め て 彼 の 訴 を 為 せ り 」 ( 大 正 五 二 ー 四 一

b

) 。                                                             ヘ     へ     『 宋 書 』 楽 志 一 、 「 殿 庭 は 八 八 、 諸 王 は 則 ち 応 に 六 八 な る べ き こ と 理 例 坦 然 な り 」

2

) 禅 の 三 宗 … … 閲 以 下 『 宗 鏡 録 』 巻 三 四 に 四 四 段 ま で を 部 分 的 に 省 略 し つ つ 多 量 に 引 用 す る ( 大 正 四 八 − 六 一 四 a 〜 六 一 七 a ) 。 引     用 に 当 っ て 、 延 寿 は 次 の よ う に 述 べ る 。 「 間 う 仏 旨 は 頓 漸 の 教 を 開 き 禅 門 は 南 北 の 宗 に 分 か つ 。 今 ま 此 に 敷 揚 す る は 何 の 宗 と 教 に                                                                               た     依 る や 。 答 う 此 に 性 を 見、 心 を 明 か す を 論 ず る は 広 く 宗 を 分 か ち 教 を 判 ず る に あ ら ず 。 単 だ 頓 悟 円 修 に 直 入 す る を 提 す る は 、 亦 た     せ ん て い                                                                                               へ う し な     筌 第 を 離 れ て 解 脱 を 求 む る に も あ ら ず、 終 に 文 字 に 執 し て 本 宗 を 失 う に も あ ら ず 。 若 し 教 に 依 ら ぽ 是 れ 華 厳 に し て 、 即 ち 一 心 広 大     の 文 を 示 し 若 し 宗 に 依 ら ば 、 即 ち 達 磨 に し て 即 ち 直 に 衆 生 心 性 の 旨 を 顕 わ す 。 宗 密 禅 師 の 三 宗 三 教 を 立 て て 祖 教 を 和 会 し 、 一 際     に 融 通 す る が 如 し 」 。

(5)

NII-Electronic Library Service ( 3 )   息 妄 修 心 宗 門 二 二 段 参 照 。 ( 4 ) 泯 絶 無 寄 宗 ・

二 段 参 照 。 (

5

)   直 顕 心 性 宗 ” 二 四 段 参 照 。 (

6

)   密 意 依 性 説 相 教

11

二 五 段 参 照 。 ( 7 )   密 意 破 相 顕 性 教 ” 二 七 段 参 照。 (

8

)   顕 示 真 心 即 性 教 11 二 九 段 参 照。 (

9

)   三 教 … … 三 宗 … … 目 「 教 」 と 「 宗 」 に つ い て は 諸 論 考 が あ る が 特 に 小 林 正 美 コ ニ 教 交 渉 に お け る 「 教 」 の 観 念 」 ( 『 六 朝 道 教 史 研     究 』 所 収、 創 文 社 一 九 九 〇 年 一 一 月 ) お よ び 吉 津 宜 英 「 禅 宗 の 成 立 」 ( 『 華 厳 禅 の 思 想 史 的 研 究 』 所 収 前 掲 書 ) 参 照 。 (

10

)   総 じ て 会 し て … … ” 裴 休 は 、 『 序 文 』 で 「 是 に 於 て 如 来 の 三 種 の 教 義 を 以 て 禅 宗 の 三 種 の 法 門 を 印 し 瓶 盤 叙 釧 を 融 し て 一 金 と 為     し 酥 酪 醍 醐 を 攪 し て 一 味 と 為 す 」 と 表 わ す 。 一 味 に っ い て は 『 起 信 論 』 に 「 実 に は 此 の 諸 の 功 徳 の 義 あ り と 雖 も 而 れ ど 差 別 の 相     無 く 等 同 一 味 に し て 唯 一 真 如 な る の み な れ ば な り 」 ( 岩 波 文 庫 本 六 〇 頁 ) と あ る 。

N工 工一Eleotronlo  Llbrary  Servloe 〔 二 一 一 〕   息 妄 修 心

今 且 先 敘 禪 宗 。 ○ 初

修 心 宗 者 説 衆 生 雖 本 有 佛 性 而 無 始 無 明 覆 之 不

、 故 輪 廻 生 死 。 諸 佛 已

想 故 、 見 性 了 了 、 出 離 生 死 、 神 通 自 在 。

知 凡 聖 功 用 不 同

内 心 存                       ま  通 有

。 故 須 依 師 言 教 、 泯 境

心 、 息 滅               妄

。 念 盡 即 覺 、 無 所 不 知 。 如 鏡 昏 塵   ネ                                         ホ 須 勤 拂 拭 、 塵 盡 明 現 、 無 所 不 照 。 又 須 明 解

入 禪

方 便 、 遠 離 債 閙 住 閑 艀 處 、                             調

調

、 跏 趺

默 、 舌 挂 上

、 心 注 一 境 。

、 北 秀 、 保 唐 、 宣

等 門 下 、

 

ま 且 ら く 先 に

の 宗 を 叙 せ ん 。                         い わ                         ( 1 ) あ

め に 息 妄

心 宗 と は 説 く 、 衆 生 に は 本 よ り 仏 性

り と 雖 も 、 而 れ ど 無 始 の                 あ ら                           ( 2 )

明 之 れ を 覆 う て 見 わ れ ず 、 故 に 生 死 に 輪 廻 す 。

仏 は 己 に 妄

を 断 ぜ し が

                              ( 3 )         ( 4 ) に 、 見 性 了 了 と し て 、 生 死 を 出

し 、

在 な り 。

に 知 る べ し 、

と 聖 と 功                                               ( 5 ) 用 は 同 じ か ら ず 、 外 境 と 内 心 と は 通 有 り 礙 有 る こ と を 。 故 に 須 ら く

の 言 教 に

                                      6 ) り て 、 境 を 泯 じ 心 を

じ て 、 妄

を 息

す べ し 。 念 尽 き な ば 即 ち

し て 、 知 ら ざ                                   ほ つ し き                                                     う つ る 所 無 し 。 鏡 の 昏 塵 の 、 須 ら く 勤 め て 払

す べ く 、 塵 尽 く れ ば 明 現 わ れ て 、 照 さ               ( 7 )                                                         か い ど う ざ る 所 無 き が 如 し 。 又 た 須 ら く 明 か に 禅 境 に

入 す る 方 便 を 解 し 、 憤

を 遠 離               ( 8 )                                             あ ぎ ‘ つ し 閑 静 処 に 住 し 、 調 身 調

し 、 跏 跌 宴 黙 し て 、 舌 は 上 の 齶 に 挂 け 、 心 ぱ 一 境 に               せ ん ( 10 ) ( 11 )   ( 12 )   ( 13 )                           ( 14 )     ( 15 )     ( 9 )

ぐ べ し と 。 南 仇 ・ 北 秀 ・

唐 ・ 宣 什 等 の 門 下 は 皆 な

の 類 な り 。 牛 頭 ・ 天 台 ・       ( 16 )

稠 と 求 那 等 の 進 趣 の 方 便 は 、 迹 は 即 ち 大 む ね 同 じ ぎ も 、 見 解 は 即 ち 別 な り 。 『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』 の 訳 注 研 究 ( 三 ) ( 石 井 ・ 小 川 ) 壬 二

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『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』 の 訳 注 研 究 ( 三 ) ( 石 井 ・ 小 川 )                       此 類 也 。 牛 頭 、 天 台 慧 稠 、 方 便 、

即 大 同 、 見 解 即 別 。 求 那

趣 * 有 通 有 礙 ” 各 有 分 限 ( 弘 ) ( 明 ) 。 ( 明 ) * 慧 卩 惠 ( 明 ) 。 二 四 * 混 F 背 ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 覺 ” 覺 悟 ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 勤 門 勤 勤 ( 明 ) 大 無 11 印 無 ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 齶 田 膠 ( 弘 )

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  こ こ で ま ず

の 宗 に つ い て

べ よ う 。  

一 に 息 妄

心 宗 と は 次 の よ う に 主 張 す る も の で あ る

衆 生 は 本 来 仏 性 を 有 し て い る が 、 し か し 永 遠 の 過 去 か ら の

明                                                                                                               は つ が こ れ を 覆 っ て い て 顕 現 せ ず 、 そ の た め に 生 死 に

廻 し て い る 。 こ れ に 対 し て 諸 仏 は 既 に

想 を 切 断 し て い る か ら 、 本 性 を 了 ぎ り                                                                                                                                                           は た ら き 了 と 現 わ し て お り 生 死 を 出

し て 、 そ の 神 通 は 自 在 で あ る 。 そ こ で 、 凡 夫 と 聖 人 と で は 功 用 が 異 な り 、

境 ( 外 な る 対 象 世 界 ) と

心 (

な る 心 の 世 界 ) の 間 は 通 じ た り 塞 が っ た り す る も の で あ る 、 と 知 ら ね ば な ら な い 。 そ れ 故 に 師 の 言 教 に よ り           な て 、 外 境 を

み し て 内 心 を 観

し 、 妄

を 止

さ せ な け れ ば な ら ず 、 か く し て 妄 念 が 尽 き て し ま え ば 、 た だ ち に 目 覚 め 悟 っ て 、 何 ら 知 ら ぬ こ と が 無 い の で あ る そ れ は あ た か も 塵 の つ も っ た 鏡 が 、 努 め て 払 拭 さ れ ね ぽ な ら ぬ よ う な も の で あ り 、 塵 が 尽 き て し ま え ば 鏡 自 身 の 明 る さ が

わ れ て 何 一 つ 映 し 出 さ ぬ も の が 無 く な る の で あ る 。 ま た 禅 の 境

に 入 る 方 便 を 明 か に                                 し ず か 了 解 し 、 騒 が し い 場 所 を 遠 ざ け て 、 閑 で

浄 な 処 に 住 し 、 身 を 調 え 息 を 調 え て 、 結 跏 趺 坐 で 黙 っ て ゆ っ た り と 坐 り 、 舌 を 上 の あ ぎ と                                                                                                                                                                         か   ろ う 齶 に 着 け 、 心 を 一 境 に 集 注 さ せ ね ば な ら な い と も い う 。 南 俛 ( 南 山 智 侏 ) ・ 北 秀 ( 北

神 秀 ) ・ 保 唐 (

住 ) ・ ( 果 閼 ) 宣 什 等 の 門 下 は 皆 な こ の 仲 間 で あ る 。 牛 頭 ( 法 融 ) ・ 天 台 ( 智 顎 ) ・ 慧 稠 ・ 求 那 等 の 修 行 の 方 便 は 、 目 に 見 え る 教 え は お お む ね こ れ と 同 じ だ が 、 そ の 見 解 は 別 で あ る 。 Kom 三1z三1w三1 Unlverslty (

1

)   仏 性 ー− 二 段 の 注 ( 7 ) 参 照 。 ( 2 )   無 始 の 無 明 … … 門 無 明 は 根 本 煩 悩 に 数 え ら れ る こ と も あ り 大 き な 迷 い を さ す 『 円 覚 経 』 に 「 云 何 が 無 明 な る 。 善 男 子 よ 一 切                 こ の か                                                                                     か   衆 生 は 無 始 よ り 来 た 種 々 に 顯 倒 す る 猶 お 迷 人 の 四 方 に 処 を 易 う る が 如 し 。 妄 に 四 大 を 認 め て 自 身 の 相 と 為 し 、 六 塵 の 縁 影 を 自 心 の   相 と 為 す 。 譬 え ば 彼 の 病 目 の ひ と の 空 中 の 花 と 及 び 第 二 の 月 を 見 る が ご と し 。 善 男 子 よ 空 に は 実 に 花 無 き に 病 者 は 妄 に 執 す 。 妄

(7)

NII-Electronic Library Service                                                             ま     に 執 す る に 由 り て 故 に 唯 だ 此 の 虚 空 の 自 性 に 惑 う の み に 非 ず 、 亦 復 た 彼 の 実 に 花 の 生 ず る 処 に も 迷 う 。 此 の 妄 有 に 由 り て 生 死 に 輪     転 す る が 故 に 、 無 明 と 名 つ く 」 ( 大 正 一 七 − 九 = 二

b

) と あ り 、 『 起 信 論 』 に 「 是 の 故 に 一 切 の 衆 生 を 名 づ け て 覚 と 為 さ ず、 本 よ り 来     た 、 念 と 念 と 相 続 し て 、 未 だ 曽 て 念 を 離 れ ざ る を 以 て の 故 に 無 始 の 無 明 あ り と 説 く 」 ( 岩 波 文 庫 本 三 〇 頁 ) と あ る 。 ( 3 ) 見 性 了 了 … … 目 見 性 と は 仏 性 を 徹 見 す る こ と を 意 味 し 『 涅 槃 経 』 巻 二 八 の 「 諸 仏 世 尊 は 定 慧 等 な る が 故 に 明 か に 仏 性 を 見 る 。     了 了 と し て 無 礙 な る こ と 掌 中 の 菴 摩 勒 果 を 観 る が 如 し 」 ( 大 正 一 ニ ー 七 九 二 c ) が よ く 引 用 さ れ る 。 こ こ の 所 説 は 実 は 『 神 会 録 』                                                                                 い   ま     に 「 又 た 問 う 、 以 前 は 、 衆 生 に 自 然 智 有 り て 仏 に 成 る こ と を 得 る と 説 け る に 、 何 に 因 り て 如 今、 衆 生 は 仏 性 を 具 有 す る も ( 何 ぞ ) 自 然     智 無 く し て 仏 に 成 る こ と を 得 ず と 謂 う や 。 答 う 衆 生 に 自 然 仏 性 有 る と 雖 も 迷 の 為 の 故 に 覚 ら ず、 煩 悩 に 覆 わ れ て 生 死 を 流 浪 し 仏                                                               い ず こ     に 成 る こ と を 得 ず 。 問 う て 曰 く 衆 生 本 来 自 性 清 浄 な り 其 の 煩 悩 は 何 よ り 生 ず る や 。 答 え て 曰 く 煩 悩 と 仏 性 と 一 時 に し て 有 り 若                                           さ と     し 真 正 善 知 識 の 指 示 に 遇 わ ば 即 ち 能 く 性 を 了 り 道 を 悟 る 若 し 真 正 善 知 識 に 遇 わ ざ れ ば 即 ち 諸 の 悪 業 を 造 り 、 生 死 を 出 離 す る こ と     能 わ ず 」 ( 鈴 木 本 二 七 八 頁 ) と あ る 説 と 同 様 で あ る ( 4 )   神 通 自 在 H 神 通 は 三 段 の 注 ( 12 ) 参 照 。 『 円 覚 経 』 冒 頭 の 「 神 通 大 光 明 蔵 に 入 る 」 の 「 神 通 」 を 、 『 円 覚 経 大 疏 』 巻 上 二 で は 「 神 〈 妙                                   あ さ     用 に し て 測 り 難 し 〉 通 〈 白 在 に し て 壅 ぎ 難 し 〉 」 ( 続 蔵 一 四 − 一 二 四 左 上 ) と 注 釈 す 。 ( 5 )   外 境 と 内 心 … … ロ 底 本 の 通 ・ 礙 を 朝 鮮 本 と 明 蔵 本 は 分 限 と す る 。 (

6

)   境 を 泯 じ … … 凵 こ の 教 え を 息 妄 修 心 宗 と 名 づ け る の は 妄 念 を 止 滅 さ せ て 自 性 清 浄 の 心 を 修 め る よ う 主 張 す る た め で あ る

7

) 鏡 の 昏 塵 … … 冂 『 六 祖 壇 経 』 の 神 秀 偈 に 基 づ く = 一 段 の 注 (

4

) 参 照 。 澄 観 宗 密 共 に 敦 煌 本 の 『 六 祖 壇 経 』 を 引 用 し て お り そ                                                                                                                   た と え     の 神 秀 の 偈 は 、 「 身 是 菩 提 樹、 心 如 明 鏡 台。 時 時 勤 払 拭、 莫 使 有 塵 埃 」 ( 前 掲 の 石 井 論 文 一 〇 九 頁 ) と さ れ る ま た 、 『 円 覚 経 』 に も 「 譬                   つ     如 ぽ 鏡 を 磨 し て 垢 尽 き 明 現 ず る が ご と し 」 〔 大 正 一 七 − 九 一 四 C ) と あ る こ の 鏡 の 比 愉 は も と 宗 炳 「 明 仏 論 」 ( 『 弘 明 集 』 巻 二 ) 等 に     見 え る も の で あ る 。 ( 8 )   憤 閙 を 遠 離 … … 11 『 天 台 小 止 観 』 に 説 く 十 門 の う ち の 第 一 の 具 五 縁 で 持 戒 清 浄 衣 食 具 足 閑 居 静 処 、 息 諸 縁 務、 得 善 知 識 が 説 か     れ 、 『 円 覚 経 大 疏 』 巻 下 一 に も 「 三 静 処 〈 憤 閙 を 離 る る が 故 に 、 一 に 深 山 、 二 に 聚 落 を 離 れ て 三 二 里 、 三 に 白 衣 舎 を 遠 ざ け て 清 浄 伽     藍 に 処 す る な り 〉 に 閑 居 〈 衆 事 を 作 さ ざ る 〉 す 」 ( 続 蔵 一 四 − 一 七 五 左 上 ) と 引 用 さ れ る 。 『 遺 教 経 』 に も 「 若 し 寂 静、 無 為、 安 楽 を 求     め ん と せ ば、 当 に 債 閙 を 離 れ て 独 り 閑 居 に 処 す べ し 」 ( 大 正 一 ニ ー 一

一 c ) と あ る 。 ( 9 )   調 身 調 息 … … H 二 〇 段 の 注 (

4

) 参. 照 。 『 天 台 小 止 観 』 の 第 四 の 調 和 の う ち 調 身、 調 息、 調 心 は 入 禅 の 三 事 を 調 う こ と と さ れ                                                                                   わ ず                   さ さ                                                 あ ぎ と     調 身 の 中 に 半 跏 趺 坐 と 結 跏 趺 坐 の 方 法 が 示 さ れ そ の 後 に 「 次 に 当 に 口 を 閉 ず べ し 。 庸 歯 纔 か に 相 い 挂 え て 著 け 舌 を 挙 げ て 上 の 齶     に 向 く 」 ( 大 正 四 六 ー 四 六 五

b

) と あ る 。 さ ら に 第 六 の 正 修 行 の う ち の 繋 縁 守 境 の 止 や 制 心 の 止 が 説 か れ る の で あ る 。 『 円 覚 経 大 疏 』                                                                     つ な     巻 下 一 で は 、 第 八 を 正 修 と し そ の 中 に 「 止 に 理 と 事 有 り 。 事 は 心 を 一 処 に 撃 い で 起 こ る に 随 っ て 即 ち 制 す る を 謂 う 」 ( 同 ! 一 七 六 右                                         ほ し い ま ま     上 ) と あ る 。 ま た 、 『 遺 教 経 』 の 「 此 の 心 を 縦 に す る 者 は 人 の 善 事 を 喪 い 、 之 を 一 処 に 制 す れ は 事 の 弁 ぜ ざ る 無 し 」 ( 大 正 一 二 ー     一 一 一 一 a ) の 語 が 『 楞 伽 師 資 記 』 の 道 信 条 に 引 用 さ れ 北 宗 禅 の 主 張 と 重 な る ( 柳 田 訳 注 本 二 四 一 頁、 前 掲 書 ) 。 『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』 の 訳 注 研 究 ( 三 ) ( 石 井 ・ 小 川 ) 二 五 N工 工一Eleotronlo  Llbrary  

(8)

Komazawa University

NII-Electronic Library Service Kom 三1z三1w三1 Umversrty A    

1615

)   )         A  A   

14

 

13

 12 

11

 

10

)    )  )   )  ) 『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』 の 訳 注 研 究 ( 三 ) ( 石 井 ・ 小 川 ) 南 恍 μ 一 二 段 の 注 (

5

) 参 照 。 北 秀 ・ 同 注 (

4

) 参 照 。 保 唐

11

同 注 (

8

) 参 照 。 宣 什 11 同 法 (

9

) 参 照 。 牛 頭 同 同 注 ( 6 ) 参 照。 天 台 閥 同 注 ( 11 ) お よ び 四 段 注 (

17

) 慧 稠 と 求 那 口 同 注 (

10

) 参 照 。 〔 二 一 一 〕   泯 絶 無 寄 宗 〇 二 泯 絶 無 寄 宗 老 、

凡 聖 等 法 、

如 夢 幻 、

無 所 有 。 本 來 室

、 非 今 始

。 即                           ヰ 此 逹 無 之

、 亦 不 可

。 夲 等 眞 法

、 無 佛 無 衆 生 、 法

亦 是 假

。 心 既 不

、 誰 言 法 界 。 無 修 不 修 、

佛 不

一 法 過 於 涅

、 我 説 亦 如 夢 幻 。 無 法 可

無 佛 可 作 、 凡 有 所 作 、 皆 是 迷 妄 。

此 了 逹 、 本

無 事 心 無 所 寄 方 菟 顛 倒 始 名 解 脱 。 石 頭 牛 頭 下 至 徑 山

示 此       理 、 便 令 心 行 與 此 相 應 、 不 令 滞 情

一 法                               上 。   日 久 功 至 塵 習 自 亡 、 則 於 怨 親 苦             樂 、 一 切 無 礙 。 因 此

便

一 類

士 、

生 、 閑

汎 參 禪 理 者 、 皆 説 此 言

便

極 、 不

此 宗 不 但 以 此 言 爲 法 。 荷

江 西 、 天

等 門 下

説 此 理 、 然 非 所

。 参 照 。 二 六             ( 1 )       い 久 2 )                               す 〇 二 に 泯 絶 無 寄 宗 と は 、 説 く 、 凡 聖 等 の 法 は 皆 な 夢 幻 の 如 く 、 都 べ て 所

無 し 。                                         た と 本

空 寂 に し て 、

ま 始 め て 無 な る に は 非 ず 。 即 い 此 の 無 に 達 す る の 智 す ら も 亦                     ( 3 )                         ( 4 ) た 不 可 得 な り 。 平 等 真 法 界 に は 仏 も 無 く 衆 生 も 無 く、 法 界 も 亦 た 是 れ 仮 名 な り 。 心 に し て 既 に 有 な ら ざ れ ば 、 誰 か 法 界 を 言 わ ん や 。

と 不

と 無 く 仏 と 不 仏 と       た と                                                                         ( 5 )

く 、 設 い 】 法 の 涅 槃 に 過 ぎ た る も の 有 る も 我 れ は 亦 た

幻 の 如 し と 説 く 。 法   と ら わ な     ( 6 ) の

る べ き 無 く 、 仏 の 作 る べ

も 無 し 、 凡 そ 所 作 有 る は 皆 な 是 れ 迷 妄 な り 。 此 く                                               は じ の 如 く 了 達 し 、 本 来 無 事 に し て 、 心 に 所

無 け れ ば 、 方 め て

倒 を 免 れ 、 始 め て           ( 7 )     ( 8 ) ご ず       き ん ざ ん         ( 9 )

と 名 つ く と 。 石 頭 と 牛 頭 の 下 の 径 山 に 至 る ま で は 、 皆 な 此 の 理 を 示 し 、 便 ち   は た ら き 心 の 行 を し て 此 れ と 相 応 せ し め 、

を し て 一 法 の 上 に も 滞 ら し め ず 。 口 久 し く し           ( 10 ) て

至 り 塵 習 自 ら 亡 ぶ と き は 、 則 ち 怨 親 苦 楽 に 於 い て ] 切 無 礙 な り 。 此 れ に 因                           ( 11 )   み だ り て

便

ち 一 類 の 道 士 、 儒 生 、

僧 の 汎 り に 禅 理 に 参 ず る 者

り て 、 皆 な 此 の 言 を           じ わ み 説 い て 便 ち 臻 極 と 為 す 。 此 の 宗 の 但 だ 此 の 言 を 以 て 法 と 為 す の み に は あ ら ざ る こ                   ( 12 ) と を 知 ら ず 。

沢 ・ 江 西 と 天

の 門 下 も 亦 た 此 の 理 を 説 け ど も 然 れ ど も 宗 と す る 所 に は 非 ず 。 N工 工一Eleotronlo  Llbrary  

(9)

NII-Electronic Library Service * 眞 日 ナ シ ( 弘 ) ( 明 ) 。 π 過 於 … 11 … 胯 過 ( 弘 ) ( 明 ) 。 菅 便 11 使 ( 弘 ) 。 * 怨 ロ 寃 ( 弘 ) 。 * 礙 “ 事 ( 弘 ) 碍 ( 明 ) 。  

二 に 混 絶 無 寄 宗 と は 、 次 の よ う に 主 張

る も の で あ る

11

凡 夫 と か 聖 人 と か い っ た も の は 皆 な 夢 幻 の よ う で あ っ て 、

在 す る も の は 全 く

い 。 そ れ は 本 来 か ら 空 寂 な の で あ っ て 、

始 め て 無 と な っ た の で は な く 、 さ ら に こ の

に 到

す る 智 で す ら も 、 ま た 不 可

で あ る 。 平 等 の 真 法 界 (

理 の 世 界 ) に は 仏 も 無 く 衆 生 も 無 く 、 法 界 す ら も ま た

名 で

る 。 心 が 存 在 し な い の に 、 誰 が 法

な ど と 言 お う か 。 修 で あ れ 不 修 で あ れ 、 仏 で あ れ 不 仏 で あ れ 、 た と い 涅 槃 よ り 勝 れ た 一

が 有 っ た と し て も 、 わ た し は そ れ も ま た 夢 幻 の よ う だ と 説 く 。 執 わ れ る べ き 法 も 無 く 、 成 る べ き 仏 も 無 く 、 あ ら ゆ る 作 ら れ た も の は 皆 な 迷 妄 な の で あ る 。 こ の よ う に 了

す る こ と が で き れ ぽ 、 本 来

事 で あ っ て 、 心 は 何 も の に も 依 拠 す る こ と が

い 。 か く し て 始 め て

倒 を 免 れ 、 解 脱 と 名 づ け る こ と が で き る の で あ る 。 石

( 希 遷 ) や 牛 頭 ( 法 融 ) の 下 の 径 山 (

欽 ) に 至 る ま で 、 皆 な こ の               は た ら き 原 理 を 示 し 、 心 の 行 を こ れ ( 空 ・ 無 ) と 相

さ せ 意 識

が 一 法 の 上 に も 停 滞 せ ぬ よ う に さ せ る の で あ る 。 そ う し て 日 が 立 っ て く る と そ の

果 が 獲 得 さ れ 、 煩 悩 と

が 自 然 と 亡 く な り 、 そ う な れ ば 、 怨 ・ 親 や 苦 ・ 楽 に お い て 一 切 無

と な る の で あ                                                                   く だ ら る 。 こ の こ と か ら 、 む や み に 禅 の 原 理 に

究 す る あ る 種 の

士 ・ 儒 生 や 閑 ぬ 僧 達 が 、 こ の 説 を そ の ま ま 究 極 の も の と 説 い て い る が 、

ら に は 禅 宗 が た だ こ の 説 の み を 法 と し て い る の で は な い こ と が 判 っ て い な い の で あ る 。 荷 沢 ( 神 会 ) ・ 江 西 ( 馬

道 一 ) ・ 天 台 ( 智 顕 ) 等 の 門 下 も ま た こ の 道 理 を 説 く け れ ど も 、 し か し そ れ を 根 本 の 宗 旨 と し て い る わ け で は な い の だ 。

N工 工一Eleotronlo  Llbrary  Servloe

1

)   泯 絶 無 寄 宗 凵 泯 絶 無 寄 の 語 は 、 杜 順 の 『 法 界 観 門 』 が 第 一 真 空 観、 第 二 理 事 無 礙 観 第 三 周 遍 含 容 観 の 三 重 法 界 観 を あ げ、 そ の 第     を 第 一 会 色 帰 空 観 、 第 二 明 空 却 色 観、 第 三 空 色 無 礙 観、 第 四 混 絶 無 寄 観 の 四 句 に 分 け て い る 中 に 見 え る 。 そ の 第 四 の 観 を 説 明 し て い     う 、 「 謂 く 、 此 の 観 ず る 所 の 真 空 は 色 に 即 す と も 色 に 即 せ ず と も 言 う べ か ら ず 。 亦 た 空 に 即 す と も 空 に 即 せ ず と も 言 う べ か ら ず 。 一                                                                 に う   ヘ   ヘ   ヘ   へ   も   セ     あ     も   ヘ   ヤ     切 法 は 皆 な 可 な ら ず 。 可 な ら ざ る も 亦 た 可 な ら ず 。 此 の 語 も 亦 た 受 け ず 。 遖 か に 絶 し て 寄 す る 無 し 。 言 の 及 ぶ 所 に 非 ず、 解 の 到 る 所 に     非 ず 」 ( 大 正 四 五 − 六 八 六 C ) 。 こ の 三 重 法 界 観 は 、 『 円 覚 経 大 疏 』 巻 中 一 ( 続 蔵 一 四 − 一 四 六 左 上 ) で も 取 り 上 げ ら れ 、 泯 絶 無 寄 観 に     つ い て は 『 円 覚 経 大 疏 鈔 』 巻 七 上 ( 同 ー 三 五 八 左 上 ・ 下 ) に 広 釈 さ れ る 。 ま た 宗 密 の 『 註 華 厳 法 界 観 門 』 に よ れ ば 「 迥 絶 無 寄 と は 般     若 現 前 な り 。 非 言 所 及 と は 言 語 道 断 な り 。 非 解 所 到 と は 、 心 行 処 滅 な り 。 故 に 智 知 す べ か ら ざ る 故 に 」 ( 大 正 四 五 − 六 八 六 c ) と あ     る 。 (

2

)   説 く … … 凵 以 下 の 説 は 『 裴 休 拾 遺 問 』 の 牛 頭 宗 の 説 ( 石 井 論 文 三 五 頁 、 『 禅 語 録 』 中 公 本 五 九 頁 ) と お よ び 一 二 段 の 注 (

6

) 参 照。 『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』 の 訳 注 研 究 ( 三 ) ( 石 井 ・ 小 川 ) 二 七

(10)

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『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』 の 訳 注 研 究 ( 三 ) ( 石 井 ・ 小 川 ) 二 八 ( 3 )   法 界 冂 梵 語 畠 ず 母

3

帥 匹 『 肄 仁 の 訳 語 。 箇 物 の 占 有 し て い る 場 所 。 原 語 は 二 語 の 普 通 名 詞 か ら な る 複 合 語 で 、 持 業 釈 と 依 主 釈 の 二 つ の     可 能 性 が 考 え ら れ 実 際 上 も 両 者 の 解 釈 が 許 容 さ れ て い る と い う 。 し か も 多 元 実 在 論 の 解 釈 が 後 世 を 風 靡 し た と い い 宗 密 も そ の 代     表 的 解 釈 を と る 袴 谷 憲 昭 「 真 如 ・ 法 界 ・ 法 性 」 ( 『 岩 波 講 座 ・ 東 洋 思 想 ・ 第 九 巻   イ ン ド 仏 教 2 』 所 収、 前 掲 書 ) 。 (

4

)   仏 も 無 く 衆 生 も 無 く H 五 〇 段 に は 諸 経 の 説 と あ る 。 『 絶 観 論 』 に 、 「 問 う 衆 生 の 本 法 は 如 何 。 答 う 仏 も 無 く 衆 生 も 無 く 人 我 の 相     を 見 ざ る は 即 ち 是 れ 本 法 な り 」 ( 一 〇 一 頁、 禅 文 化 研 究 所 ) と あ る 。 ( 5 )   設 い 一 法 … … H 『 摩 般 若 訶 波 羅 蜜 経 』 巻 八 の 「 幻 聴 品 」 ( 大 正 八 − 二 七 六

b

) の 語 。 石 井 『 禅 語 録 』 三 一 四 頁 の 注 ( 爛 ) 参 照 。                                                       あ ら ゆ                                                                                                 あ う ( 6 )   凡 そ 所 作 有 る は … ” 『 金 剛 経 』 に 「 仏、 須 菩 提 に 告 ぐ 凡 そ 所 有 る 相 は 、 皆 な 是 れ 虚 妄 に し て 若 し 諸 相 は 相 に 非 ず と 見 ら ば 則 ち     如 来 を 見 る 」 ( 大 正 八 − 七 四 九 a ) に 依 る 。 『 金 剛 経 』 の 語 は 二 七 段 に 出 づ 。 ま た 『 絶 観 論 』 ( 前 掲 書 八 八 頁 ) に 同 様 の 語 あ り ( 7 )   本 来 無 事 … … 凵 『 円 覚 経 大 疏 』 巻 上 二 の 「 本 よ り 無 事 に し て 情 を 忘 ず る 有 り 」 の 語 を 『 大 疏 鈔 』 巻 三 下 で は 牛 頭 宗 の 所 説 と し て 詳 述     し て い る か ら こ こ も 牛 頭 宗 の 修 証 観 を さ す も の と 看 て よ か ろ う 。 『 絶 観 論 』 に い う 「 問 う て 日 く 事 有 ら ぽ 何 の 妨 有 ら ん 。 答 え て     曰 く 妨 無 け れ ぽ、 即 ち 無 事 な り 。 無 事 な れ ば 、 何 の 妨 を か 問 わ ん や 」 ( 前 掲 書 九 三 頁 ) 。 ( 8 )   石 頭 11 一 二 段 の 注 ( 7 ) 参 照 。 ( 9 )   牛 頭 … … ” 同 注 (

6

) 参 照 。 ( 10 ) 塵 習 11 塵 は 煩 悩 を い い 習 と は 習 気 の こ と で 、 薫 習 さ れ た 迷 い 。 『 金 光 明 最 勝 王 経 』 巻 八 に 「 無 塵 習 に 敬 礼 す 」 ( 大 正 = パ ー 四 三 八     a ) と あ る 。 ( 11 )   閑 僧 11 鎌 田 氏 は 山 林 に 隠 棲 し て い る 出 家 僧 の こ と で 問 衲 と 同 じ と す る が こ こ は 文 脈 か ら 明 ら か に 貶 称 で あ る か ら 、 閑 は よ い 意 味 と                                                 へ   も   へ       お い は ら     し な か っ た 。 『 寒 山 詩 』 二 四 〇 「 羅 漢 門 前 に 乞 い 、 閑 和 尚 を 趁 却 う 」 ( 入 谷 ・ 松 村 訳 頁 三 二 九 禅 の 語 録 = 二 ) 。 ( 12 )   荷 沢 ・ 江 西 冂 次 の 直 顕 心 性 宗 を 説 く 南 宗 禅 の 人 々 。 荷 沢 は 一 二 段 の 注 (

3

) 、 江 西 は 同 注 ( 2 ) 参 照 。 (

13

)   天 台 月 = 一 段 の 注 (

11

) お よ び 前 段 参 照 。

N工 工一Eleotronlo  Llbrary  Servloe 〔 二 四 〕   直 顕 心 性 宗 Kom 三1z三1w三1 Unlverslty                           (

1

) 〇 三 直 顯 心 性 宗

、 読 一 切 諸 法 、                           お           若

若 室 、 皆 唯

性 。 員 性 無 相

、 體 非 一 切 、 謂 非 凡 非 聖 、 非 因 非 果 、           ネ 非

非 惡 等 也 。 然 即 體 之 用 、 而 能 造 作 種                             種 。 謂 能 凡 能 聖 、 現 色 現 相 等 也 。                         い わ ( 1 )   〇 三 に 直 顕 心 性 宗 と は 、 説 く、 一 切 の 諸 法 は 、 若 し く は 有 、 若 し く は 空 な る               ( 2 ) も 皆 な 唯 だ 真 性 な る の み と 。 真 性 は 無 相 、 無 漏 、 無 為 な れ ぽ 、

は 】 切 に 非 ず 、 謂 く 凡 に 非 ず 聖 に 非

、 因 に 非

果 に 非 ず

に 非 ず 悪 に

ざ る 等 な り 。 然 る に 体 に 即 せ る 用 と し て 、 而 し て 能 く 種 種 を 造 作 す 。 謂 く 能 く 凡 た り 能 く 聖 た                           ( 3 ) り 、 色 を 現 じ 相 を 現 ず る 等 な り 。

(11)

NII-Electronic Library Service (

2

) 於 中 指 示 心 性 、 復 有 二 類 。    

 

                                                    ネ = ム 、 即

瞋 慈 忍 、 造 作

惡 、 受 苦 樂 等 、 即 汝 佛 性 、 即 此 本 來 是 佛 、 除 此 無 別 佛 也 。 了 此 天 眞 自 然 、 故 不 可

心 修 道 。 道 即 是 心 、 不 可 將 心 還 修 於 心 。 悪 亦 是 心 、 不 可 特 心 還

於 心 不 斷 不

運 自 在 、 方 名 解 睨 。 性 如 虚 室 、    

 

        不

不 減 何 須 添 補 。 但 隨 時 隨 處 息 業

、 聖 胎 増 長 顯 發 自 然 紳 妙 此 却 是

修 眞 證 也 。 (

3

) 二 云 、

法 如 夢 、 諸 聖 同 説 。 故 妄    

 

   

 

     

本 寂 、 塵 境 本 室 。 室 寂 之 心 靈 知 不

。 即 此 室 寂 之 知 、 是

眞 性 、 任 迷 任

、 心 本 自 知 。 不 藉 縁 生 、 不 因 境 起 知 之 一 字 衆 妙 之 門 。 由 無 始 迷

執 身 心

我 、 起 貪 瞋 等 念 若 得 善 友 開 示

室 寂 之 知 。 知 且 無 念 無 形 、 誰 爲 我 相 人

。 覺 諸 相 空 心 自 無 念 。

起 即 覺 覺 之 即 無 。 修 行 妙 門 、 唯 在 此 也 。 故 雖 備 修    

 

   

 

                萬 行 、 唯 以 無

爲 宗 。 但

念 而 知 則    

 

       

惡 自 然 澹 薄

智 自 然 増 明 、 罪

自 然 斷 除 、 功 行 自 然 増 進 。 既 了

相 非 相 、

            ( 4 )   中 に 於 い て 心 性 を 指 示 す る に 、 復 た 二 類 有 り 。       ( 5 )   い ま   一 に 云 く 、 即 今

言 し 動 作 し 、

し 慈 忍 し 、

悪 を 造

し 、 苦 楽 を

く 等 こ            

 

   

 

  ほ か な ら そ 、 即 ち 汝 の 仏 性 に し て 、 即 ぬ 此 れ こ そ 本 来 是 れ 仏 な り 。 此 れ を 除 い て 別 の

無 ( 6 )                     ( 7 ) し 。

の 天

自 然 を 了 ず 、 故 に 心 を 起 こ し て 道 を

す べ か ら ず 。 道 は 即 ち 是 れ 心           も       か え                       ( 8 ) な れ ぽ 、 心 を 将 っ て 還 っ て 心 を

す べ か ら ず 。 悪 も 亦 た 是 れ 心 な れ ば 、 心 を 将 っ            

 

   

 

   

 

   

 

                      は じ て

っ て 心 を 断 ず べ か ら ず 。 断 ぜ ず 修 せ ず 、

運 自 在 に し て 、 方 め て 解 脱 と 名 づ ( 9 )                                               も ち   ( 10 ) く 。 性 は 虚 空 の

く に し て

不 減 な れ ば 、 何 ぞ 添 補 を 須 い ん や 。 但 だ 時 に 随            

 

や   こ こ ろ                                       ( 11 ) い 処 に 随 っ て 業 を

わ ば 、 聖 胎 は

長 顕 発 し て 、 自 然 に 神 妙 な り 。 此 れ ぞ 即 ち 是 れ 真 悟 ・

・ 真 証 と 為 す な り 。       ( 12 )   二 に 云 く 、 諸 法 は 夢 の 如 し と 、 諸 聖 同 じ く

く 。 故 に

は 本 よ り

に し て 、        

 

   

 

   

 

   

 

                        ( 13 )   ほ か な ら 塵 場 も 本 よ り 空 な り 。 空 に し て

な る 心 は 、

知 に し て 不

な り 。 即 ぬ 此 の 空 に        

 

   

 

   

 

   

 

        た こ し て

な る 知 こ そ 、 是 れ 汝 が 真 性 に し て 、 任 い 迷 い 任 い 悟 る も 、 心 は 本 よ り 自 ら        

 

か 知 な り 。 縁 を 藉 り て 生 ず る に も あ ら ず 、 境 に

り て 起 る に も あ ら ず 知 の 一

、         ( 14 )                     み う し な 衆 妙 の 門 な り 。

始 よ り 之 れ を 迷 う に 由 る が

に 、 妄 に 身 心 を 執 し て 我 と

し 、

の 念 を 起 す も 、

し 善 友 の

示 を

ば 、 空 に し て 寂 な る 知 を 頓 悟 せ ん 。 知     な す ら 且 お 念 無 く 形

し 、 誰 を か 我 相 人 相 と 為 さ ん 。 諸 相 の 空 な る こ と を

せ ぼ 心 は 自 ら 無 念 な り 。

ら ば 即 ち

せ よ 、 之 れ を 覚 す れ ば 即 ち 無 し 。 修

の 妙 門        

 

   

 

   

 

つ ぶ は 唯 だ 此 に 在 る の み 。 故 に 備 さ に 万 行 を 修 す と 雖 も 唯 だ 無 念 を 以 て 宗 と 為 す の ( 15 )                                                                           た ん ぱ く み 。 但 だ 無 念 に し て 知 な る こ と を さ え 得 れ ば 、 則 ち 愛 悪 は 自 然 に 澹

と な り 、

       

 

   

 

   

 

   

 

        く う ぎ よ う

は 自 然 に 増 明 し 、 罪

は 自 然 に

除 し 、 功 行 は 自 然 に 増 進 す 。 既 に 諸

の 相 に        

 

   

 

   

 

   

 

                つ 非 ざ る こ と を 了 ぜ ば 、 自 然 に 無 修 の 修 に し て 、 煩 悩 尽 く る 時 、 生 死 は 即 ち 絶 し 、 『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』 の 訳 注 研 究 ( 三 ) ( 石 井 ・ 小 川 ) 二 九 N工 工一Eleotronlo  Llbrary  

(12)

Komazawa University

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『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』 の 訳 注 研 究 ( 三 ) ( 石 井 ・ 小 川 )   ネ

修 之 修 、 煩 惱 盡 時 、 生 死 即 絶 、 生

巳 、 寂 照 現 前 、 應 用

窮 、 名 之 爲 佛 。 (

4

) 然 此

家 、 皆 會 相

性 、

同 一

。 然 上 三 宗 中 、 復 有

教 慢

、 隨 相 毀

拒 外 難 之 門 戸 、 接 外 衆 之

巧 、

子 之 儀 軌 、 種 種 不 同 、

是 二 利

門 、

隨 其 便 、 亦 無

失 。 但

宗 之 理 即 不 合

二 。 故 須

佛 和 會 也 。 生 滅 は 滅 し 巳 っ て 、 寂 照 現 前 し 、 応 用 無 窮 な り 、 之 れ を

つ け て 仏 と

( と蓼 Q ○                                       ( 17 )   然 れ ど も 此 の 両

な 相 を 会 し て 性 に

す 、 故 に 同 一 宗 な り 。                                     ( 18 )           ( 19 )   然 る に 上 の 三 宗 の 中 に は 、 復 た 遵 教 と 慢 教 、 随 相 と 毀 相 、 外

を 拒 む の

                                                            ( 20 ) 外 衆 を 接 す る の

巧 、

子 を 教 う る の 儀 軌 、 種 種 に 同 じ か ら ざ る 有 る も 、

な 是 れ 二 利 の

門 に し て 、

々 其 の

便

に 随 い て 、

た 所 失 無 し 。 但 だ 所 宗 の 理 の み は 即 ち 二 有 る べ か ら

。 故 に 須 ら く 仏 に 約 し て

会 す べ き な り 。

N工 工一Eleotronlo  Llbrary  Servloe

* 説 冂 「 読 」 以 上 六 丈 缺 ク ( 高 ) 。 * 無 相 H ナ シ ( 高 ) ( 弘 ) 。 * 無 漏 ” ナ シ ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 也 ” ナ シ ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 斎 也 1ー ナ シ ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 語 口 能 語 ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 瞋 ” 嗔 ( 明 ) 、 以 下 同 。 * 作 闘 ナ シ ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 須 “ 假 ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 室 冂 本 ( 高 ( 弘 ) 。 * 而 知 闘 知 見 ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 澹 “ 淡 ( 高 ) ( 弘 ) ( 明 ) 。 * 薄 H 泊 ( 明 ) 。 * 無 修 之 修 旧 修 而 無 修 ( 高 ) ( 弘 ) 。 Kom 三1z三1w三1 Umversrty (

1

) 第 三 に

顕 心 性 宗 と は 、 次 の よ う に 主 張 す る も の で あ る  

 

一 切 の 諸 法 は 、 有 で あ れ 空 で あ れ、 皆 な た だ 真 性 で あ           か た ち         ま よ い る 。

性 は 相 な く 漏 な く 、 無 為 で あ る ( 因

に よ っ て

り 出 さ れ た も の で な い ) か ら、 そ の

は → 切 ( 諸

) で は な い 、                                                                                                           は た ら き つ ま り 、 凡 夫 で も 聖 人 で も な く 因 で も 果 で も な く、

で も 悪 で も な い な ど と い う こ と で あ る 。 だ が 、 そ の

に 即 し た 用 に よ っ て 、 種 々 の も の が 造 り 出 さ れ る 。 つ ま り 、 凡 夫 と も 聖 人 と も な り え、

と 相 を 現 わ す 、 な ど と い う こ と で あ る 。 (

2

) そ の 中 で 心 性 の 指 示 に 、 ま た 二 つ の 種 類 が あ る 。                           い ま                           む さ ば い か   い つ く し   し の   そ の 一 っ は 次 の よ う に い う 。 即 今 言 語 を 話 し 動 作 を し 、 貪 り 瞋 り 慈 み 忍 び 、 そ し て

悪 を 作 し 、 苦 楽 を

け る も の 、 そ れ が そ の ま ま お ま え の 仏 性 で あ り 、 こ れ こ そ が 本 来 仏 に 外 な ら な い 。 そ の

に 別 の 仏 は い な い の で あ る 。 こ の 天

に し て 自 然 な る こ と を 了 解 す べ き で あ り 、 こ と さ ら 心 を

こ し て

し て は な ら な い の で あ る 。 そ し て 、 道 が そ の ま ま 心 な の で あ る か                         お さ ら 心 に よ っ て

っ て 心 を 修 め て は な ら な い し 、 悪 も ま た 心 で あ る か ら 、 心 に よ っ て 却 っ て 心 を 断 ち 切 っ て も な ら な い の で あ

(13)

NII-Electronic Library Service                                   ゆ つ た り                                                                                                             お お そ ら る 。 断 ち 切 る こ と も 修 め る こ と も な く、 任 運 と

由 自 在 で あ っ て 始 め て

脱 と 名 づ け る こ と が で き る の で あ る . 本 性 は

の よ う に 、 増 え る こ と も な く 減 る こ と も な い 。 ど う し て そ こ に

え た り

っ た り す る 必 要 が あ ろ う か 。 た だ い つ で も ど こ で

は か ら い           こ ニ う                                               し ゆ う じ 業 を 息 め 神 を 養 う な ら ば 、 聖 胎 ( 煩 悩 の な い 種 子 ) が 成 長 し 顕 現 し て 、 自 然 に

妙 と な る 。 こ れ こ そ が 真 の 悟 り で あ り 、

                  さ と り の

行 で あ り 、

な の で あ る 。 (

3

) そ の 第 二 は 次 の よ う に い う 。 諸 法 は 夢 の よ う で あ る と 、 諸 聖 は 同 じ く 説 い て い る 。 そ れ 故 に 妄 念 も 本 来 は 寂 で あ り 、

                                                                  く ら 悩 と な る 対 境 も 本 来 は 空 で あ る 。 そ の 空 で あ り 寂 で あ る 心 は 、 霊 知 で あ っ て 昧 む こ と が な い 。 外 な ら ぬ こ の 空 で あ り 寂 で あ る 知 こ そ が 、

性 で あ り 、 迷 っ て も 悟 っ て も 心 は も と も と 知 ( 霊 知 不

) な の で あ る 。 そ れ は 因

に よ っ て 生 ず る の で も な く 、 対

に よ っ て 起 る の で も な い 。 こ の 「 知 」 の 一 字 自 身 が 、 あ ら ゆ る 不 思 議 な は た ら き の 根 源 な の で あ る 。 永 遠 の 過

か                                                 ぷ ら こ れ を

失 っ て

た か ら こ そ 、

心 に 執 着 し て そ れ を 我 と 思 い 込 み

り や 瞋 り 等 の 念 い を 起 こ し て し ま う の で あ る 。 だ が 、 も し

識 に よ っ て そ れ が 開

示 さ れ た な ら ば 、 空 で あ り 寂 で あ る 知 を 頓 悟 で き る 。 こ の 知 に さ え 念 も 形 も 無 い の に 、 そ れ 以 外 の 何

を 実 在 の 我 や 人 と み な す こ と が で き よ う か 。 か く 諸 の 相 が 空 で あ る こ と に 覚 醒 す れ ば 、 心 は 自 然 に 無 念 と な る 。 念 い が

こ れ ば す ぐ に

醒 し 、

醒 す れ ば す ぐ に 無 と な る の で あ る 。 修 行 へ の 絶 妙 の 入 り 口 は こ こ に こ そ あ る 。 そ れ 故 に い ろ い ろ の

を 修 め は し て も 、 無 念 の み を そ の 根 本 と す る の で あ る 。 も し も こ の 無 念 に し て 「 知 」 な る こ と さ え 得 ら れ れ ぽ 、

も 憎 し み も 自 然 と 希

と な り 、 逆 に 大 悲 の 智 慧 が 自 然 に 増 長 し 、 罪 行 は 自 然 に 断 ち 切 ら れ 、 逆 に 修 行 の 効 果 が 自 然 に 上 が っ て い く の で あ る 。 あ ら ゆ る 相 が 実 在 の 相 で な い と 了 悟 す れ ば 、 自

と 修 な き 修 と な り 、 煩 悩 が 尽 き る 時 、 生 死 の 迷 も そ の ま ま 断 ち 切 ら れ 、 生

が 滅 し て 、

ら ぎ の 世 界 が 目 の 前 に 現 わ れ 、

無 碍 な る 無

の は た ら き と な る こ れ を 仏 と 名 づ け る の で

る 。 (

4

) こ の よ う で は あ る が 、 こ の 両 家 は す べ て

を 融 会 し て 性 に 帰 → さ せ よ う と す る も の で あ り 、 そ れ 故 に 同 一 の 立 場 (

) な の で あ る 。                                                                                                       こ   わ   に も か か わ ら ず 上 の 三

の 中 に は 、 教 え に 遵 う こ と と 教 え を

ん ず る こ と と に お い て ま た 相 に 随 う こ と と 相 を 毀 謗 そ う と す る こ と と に お い て 、 さ ら に 、 外 か ら の 難 を

ぐ 門 戸 や

の 人 々 を 受 け 入 れ よ う と す る 巧 み な 手 だ て 、 弟 子 を 教 え る 儀

な ど に お い て

々 異 な る も の が

る 。 し か し そ れ は す べ て 自

と 利 他 の 二 利 の 修 行 の 門 で あ り 、 各 々 が そ の 便 宜 に

っ て い る だ 『 禅 源 諸 詮 集 都 序 』 の 訳 注 研 究 ( 三 ) ( 石 井 ・ 小 川 ) 一 一 = N工 工一Eleotronlo  Llbrary  

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