原著論文 A加icle
持続可能性 による企業評価 の現状 と課題
加賀 田 和弘 *
【要 旨】
本研 究 は、社 会 的責任 投 資 な どの分 野で新 た に導入 され つつ あ る持 続 可能性 とい う概念 につ い て、企 業評価 基準 と して の有効性 を検 証 し、そ の現状 と課題 につ いて考察す る こ とを 目的 とす る. 持続 可能性 とは
、1 980
年代 か ら90
年 代 にか けて、地球環境 問題 や南 北格 差 な どにつ いて議論 され た際 に頻 繁 に登 場 した 、持 続 可能 な発 展 あ るい は 開発( Su s t a i na b l eDe v e l o pme n t )
とい う概 念 が基 にな ってい る。 特 に90
年 代後 半以 降、地 球温暖化 をは じめ とした環境 問題 ‑ の企 業 の積 極 的 な取 り組 みが 叫ばれ る中で 、そ れ ま で の企 業社 会 責任 論 と結 びつ いて、企 業経 営お よび企 業評価 を考 え る際 の重要 なキー ワー ドにな り つつ あ る。 しか し本 来 の企 業 目的 との整 合性 や 、手法や考 え方 な ど、実際 に持続 可能性 の概念 を用 い て 企 業評価 を行 うた めには、技術 的 、制度 的 にまだ まだ解 決 しな けれ ばな らない点 が多 い。 これ らの点 に つ い て、現 時点 で提 案 され てい る具 体 的な手法 を見 てい くこ とで、持続 可能性 に よる企業評価 につ いて の現状 と課題 を整 理す る。キー ワー ド :企 業評価 、持続 可能性 、企 業社会 責任 、 トリプル ・ボ トム ライ ン、環境効 率
1.は じめに
現代 の企 業 は、 トー タル システ ムで ある社 会 のサ ブ システ ム としての性格 を有 し、外部 環境 か ら多 大 な影響 を受 け る一方 で、企業 の側 か らも外 部環境 に さま ざまな影 響 を与 えて い る。 そ の活 動 の及 ぼす範 囲 は経 済的 な領域 に とどまる ことな く、人 々が企業 な しには 日 常生活 を送れ ない とい う点 か らわか る よ うに広範 で社会 的で あ る。 そ して企業それ 自体 も 財 や サー ビスの生産 ・提供 を行 う経済主体 で ある と同時 に、人 々に雇用 の場や 自己実現 の 機 会 を提供 す る、あ るい は地域社会 に貢献す るな どとい った意 味で社 会的な存在 で もあ る。
特 に
90
年代以 降、 ます ます進行 しつつ あ るグ ローバ リゼ ー シ ョンに起 因す る諸 問題 や 深刻化 す る地球環境 問題 ‑ の対応 な ど 「社 会 的な存在 」 と しての企業 に対す る様 々 な要請 が顕在化 してい るO これ らは 、企 業 の社会 的責任( Cor por a t eSoci a lRes pons i bi l i t y: CSR)
と い った枠組 み で議論 され るこ とが多い が、社会説 明責任( Soci a lAc count a bi l i t y)
、企業 市 民( cor por a t eCi t i z e ns hi p)
、 あるい は企業倫理( Bus i nes sEt hi cs )
とい った文脈 で も同様 の議 論 が な され てい る。これ らは、企 業経 営 を経 済 的な視点 のみ な らず広 く社会 の視 点 か ら捉 えなお そ うとす る 立場 で あ り、多 くが企業経 営 を経 済性 、社会性 、環境性 の
3
つ の視 点か ら考 えてい くこ と*
関西学 院大学 大学 院総 合政策研 究科博 士課 程後 期課程e ‑ ma i l : ps ms l O1 3@k s c ・ kwa n s e i ・ a c ・ j p
本 稿 作成 にあた り、 関西学 院大学大 学院総合政策 研 究科 古川 靖洋 教授 に数 々 の助 言 を頂 いた。 この場 を借 りて感 謝 の意 を表 したい。KAGATA
‥T hePr e s e ntCo nd i t i o n a ndt heSub j e c to fCo r po r a t eEva lua t i o nBa s e do nt heCo nc e p to f Sus t a ina b i l i t y
が必要 で あ る と論 じてい る。 この経済 、社 会 、環境 の
3つ の領 域 を意識 した経営 は、 「
持 続 可能 な経営」あ るい は 「企業経営 の持続可能性 」な どと呼 ばれ る こ とも多い。「持続 可能 性 」の考 え方 自体 は、80
年代 を通 じて環境 問題や南北 問題 な どが 国連 な どで議論 され た際 に頻繁 に登場 した、「持続 可能 な発 展/ 開発」(Sus t a i na bl eDeve l opme nt )
とい う概念 が基 に なってい る。「持続 可能 な発 展/ 開発 」とい う概 念 は、地球環境や これ か らの経済社 会 の あ り方 を考 える際 の重 要 なキー ワー ドとされ てお り、 この考 え方 を企業経営 の分野 に照 らし 合 わせ た ものが持続 可 能 な経 営で あ る とい える。最近 で は、我 が国の企業 におい て もこの持続 可能 な経営‑ の関心が高 まってい る
。97
年 に京都 で地球温暖化 に関す る国際会議 が開催 され た こ とをきっか けに、環境 問題 に関心 を 持つ 国民が増 えた こ とや政府 に よる環境規制 が強 まった こ とな どがそ の直接 的 な原 因 と し て考 え られ るが、エ コ ・ファン ドな どの社会責任投資 の登場 に よ り、環境 対策やCSRあ る
いは持続 可能性 とい った項 目が、実際 に企 業評価 の項 目として重視 され始 めた こ とも大 き い とい える。しか し現 実 には、CSRや持続 可能性 とい った観 点で企業 を評価 す るこ とはそれ ほ ど簡 早 な こ とで はない。 そ の企業 の属す る文化 的 ・社会 的背景 の違 いや そ の時々で の経済条件 の 違 い に よ り
、CSRや持続 可能性概念 の捉 え方 が大 き く異 な る可能性 が あ るか らだ。
本稿 で は以上 の よ うな問題 意識 を持 ちなが ら、持続可能性 に基 づいた企 業評価や その考 え方 な どを検討 し、そ の具体 的な項 目、基準 、お よび手法 につい ての現状 を整理 し、そ の 課題 について考察す る。
1.持続 可能性概念 の展 開
1. 1
持続 可能性 とは何 か地球 温暖化 な どをは じめ とした環境 問題 の量的、質的年拡 大 と深刻化 ・多様化 ・複雑化 が 当初 の予想 を上 回 るス ピー ドで進行 してい ることが明 らか にな るに したが って、 自然環 境 に対す る人 間の活動 の介入 に対 して も、 これ まで以上 に よ り大 きな レベル でかつ早急 な 対応 が求 め られ るよ うになって きてい る。 また この環境 問題 は、先進 工業 国 と発展途上 国 との南 北経済格 差 、貧 困問題 、資源 、人 口爆発 な どとも複雑 に絡 み合 ってい る こ とが指摘 され てお り、 これ らは個別 の問題 としてで はな く、統合 的、整合 的、包括 的 な問題 として 考 えて いか なけれ ばな らない とされ てい る。 その考 えを代表す るキー ワー ドが 「持続可能 性 」 とい う言葉 で あ る。
持続 可能 な発 展 あ るい は開発
( Sus t a i na bl eDe vel opme nt )
と訳 され る こ との多い この概念 の最 も代表 的 な定義 は、1984
年 、国連 総会 で グ ロ ・ハル ム ・プル ン トラン ト・ノル ウェー 首相 (当時) が主宰 した、 「環境 と開発 に関す る委員会 」、通称 プル ン トラン ト委員会 の全 体報告 書ou rco mmo nFu t u r e
の 中で述 べ られ た、「将 来 の世代 が 自らの欲求 を充足す る能力36
KGPS Re v z ' e w No. 3Mar c h2004
を損 な うこ とな く、今 日の世代の欲求 を満たす」よ うな発展 のあ り方、とい うもので ある1。
「持続可能性」 とい う言葉 自体 は、水産資源 な どの世界的な乱獲競争 の反省 か ら生 まれ た
「最大維持 可能生産量」の理論2を通 じて、資渡利用 の 「持続可能性」として論 じられ るよ うになったのが最初 であるといわれ てい る。す なわ ち、魚類 な どの再生可能 な資源 は、そ のス トックか ら産み 出 され る純再生産量だ けが利用可能 であって、利用量がそれ を超過す る と、ス トックが減少 し、資源 の枯渇 を招 くとい うことを前提 に論 じられ た。 この よ うな 考 え方が、人類 の活動 が環境 と人類 自身 に破局 を招 かないための政策 の方 向性 として頻繁 に提案 され るよ うになった とされ る3。
WWF(
世界野生生物保護基金)では、この持続可能性 を 「エ コシステムが支 える環境 の許 容量の範囲内で生活 しなが ら、人間生活 の質 を改善 してい くこと」 と定義 してい る。 また 産業界 で は、 国際的な企 業経営者 の団体で あ る持続 可能 な発展 のた めの世界経 済人会議( WBCSD)
がou rco mmo nFu t re
の中での言葉 を引用す る形 で、 「持続可能 な発展 と臥 調和 に よる固定状態ではな く、む しろ現在 のニーズ と同様 に将来 において も矛盾 しない ような形 で資鯨 を活用 し、投資 ・技術 開発 を方 向づ け、制度 を変革 してい く一連 の変化 のプ ロセスである」 と定義 してい る4。そ して環境保護 と経済的発展 の両立 を 目指す
NPO
であ るTheNat ur alSt ep
は、持続可能 な社会の実現す る条件 として、① 自然 の中に地殻か らの物 質の濃度が増 え続 けることがない、② 自然 の中に人 間社会 で製造 した物質の濃度 が増 え続 けるこ とがない、③ 自然 が乱獲や 開発 によってその物理的な基盤 を損 ない続 けることがな い、④世界 中の人 々のニーズを満たすために資源 を効率 よ く公平 に利用す る5、の4つ を挙
げてい る。この よ うに 「持続可能 な発展 ・開発」 とい う言葉 は、立場の異 なる論者 に よって様 々な 定義がな されてお り、いまだ正確 な理解 を得 られていないのが現状 である。 しか し現実の 経済社会が持続不可能であることは次第 に明 らかにな りつつあ り、 これか らの社会 を考 え
る上で 目指すべ き方 向性 を示す、一つ の重要 なキー ワー ドとなっている。
2. 2
持続 可能性概念 と企業経営環境 を保全 し、持続 可能 な社会 を 目指す こ とは、個人、企業、 自治体、政府 、国家 間な どのあ らゆる社会階層 に及び、それぞれ の分野が連携 し一丸 となって包括 的 に考 えていか なけれ ばな らない問題 である。
中で もとりわけ企業 は、現代産業社会 にお ける経済活動 の もっ とも重要 な部分で ある財 とサー ビスの生産 ・提供 とい う役割 を担い、現代 に生 きる私た ちの生活 のほ とん どすべて
1
Wor l dComm i s s i ononEnvi r o nme nt a la ndDe ve l opme nt( WCED) [ 1987 】p. 43.
2最 大持続 収穫理 論 ともいわれ る資源 経済学 、数 理生 態経 済 学 の用語。詳細 につ いて は
Cl a r k,C・[ 19761
な ど。3環境 庁
【 20001p. 18.
4
Hol l i da yJ r ,C.
0., e t a t . 【 2002】p. 12・
5
TheNa t ur a lSt e p
の持 続 可能性 につ いての考 え方 はTheNa t ur a lSt e p
のホー ムペ ー ジht t p: / / www. na t ur a l s t e p. or gAea r n/ pr i nc i pl e s ・ php
を参乳37
E伽
A:n eP bs e ntCo ndi t i o n andt heSuh j e c to fCo r p o r a t eEva lua t i o n
Based o n t heCo nc e pto f Sus
tainal)ilityが依存す るその企業活動が外部環掛 こ与 える影響 は飛び抜 けて大 きいために、環境 問題 を は じめ とした持続可能 な社会 の構 築のた めに、企業が積極的な役割 を果た してい くこと‑
の期待 と圧力が 日増 しに強 くなってきてい る。
今 ある社会 ・経済システムを環境保全型 ・持続可能 な社会‑ 向かわせ よ うとす るこの大 きな トレン ドは、特 にこの経済社会 の主要な担い手で あ り、財 ・サー ビス等の設計 ・製造 ・ 運送 ・販売のあ らゆる段階で環境負荷 をコン トロールできる立場 にある企業 に対 して、そ の経営 の中にもその持続可能性 を要求 しつつ ある。それ は真 に持続可能 な社会 を 目指す な らば、現在 の経済社会 とその担い手である企業の経営が従来のシステムか ら大 き く転換す るこ とな しにこの よ うな事態 に対応す るこ とができない とい う認識 が急速 に広 ま りつつ あ るか らである。
1 987
年 にま とめ られ たプル ン トラン ト委員会での報告書ou l ・ Co mmo nFu t u T
・e
で持続可能 な発展 ・開発 とい う概念 が提示 され て以来、 この概念 の現実の企業経営‑の適応、す なわ ち 「持続可能な企業経 営」、「企業経営にお ける持続可能性」 とい う形で実践 してい こ うと い う動 きが さま ざまな機 関でな され は じめてい る。ビジネ ス界 にお ける 「持続可能 な発展」の実現 を追及す るため
、1 987
年 に設立 された世 界で最初 の専 門コンサルテ ィング会社 である、その名 もサステナ ビ リテ ィ社( Sus t ai nAbi l i t y Li mi t ed)
は、企業経営の文脈 でみた持続可能性 とは、 トリプル ・ボ トムライ ン、すなわち 経済的繁栄 、社会 的公正、環境 の質 向上の三重の損益決算 を実現す るこ とであるとしてい る6。この トリプル ・ボ トムライ ンの考 え方 は、企業経営 における持続可能性概念 を表す キ ー ワー ドとして、今 日まで さま ざまな組織 で使 われてい る。「持続可能 な発展 のための国際 機 関( Ⅰ nt e r nat i ona l I ns t i t ut ef orSus t a ina bl eDevel opme nt:Ⅰ I SD)
」の ビジネ スセ クターである「ビジネ ス と持続可能 な発展 ‑グローバルガイ ド」では、「企業 に とっての持続可能性 とは、
将来に必要 とされ る人 的 ・自然的資源 を保護 、維持 し、そ して増加 させ る と同時に、企業 とそのステー クホル ダーのニーズを満 たす よ うな経営戦略 と経営活動 を採択す ることであ る。」と定義 してい る
7 。1 997
年 に投資分野において、世界で初 めて持続可能性側面で企業 を評価 した ダ ウ ・ジ ョー ンズ持続 可能性指数 の定義では、「企業 の持続可能性 とは、経済、環境 、社会 の
3
つ の側 面に由来す るビジネス機会 を捉 え、 リス クを管理す ることで長期 的 な株 主価値 を創造す る ビジネ スア ・ブ ローチである」 としてい る8。この ビジネ ス にお け る持続 可能性 とい う概念 自体 は、企業社 会責任
( Cor por at e Soci al Res pons i bi l i t y :CSR)
と同 じよ うな文脈 で議論 され ることも多 く、例 えば、企業社会責任 ニ ュー ズ ワイ ヤ ー ・サ ー ビス(The Cor por a t e Soci alRes pons i bi l i t y News wi r e Ser vi ce:
csRwi r e)
では、「企業社会責任 とは、顧 客、従業員、投資家、 コ ミュニテ ィを含むすべて のステー クホル ダーの利益 に関係 す る諸価値 と企業経営 を統合 し、かつ環境‑ の配慮 を企6
Sqs t a inAbi l i t y
社 のHPht t p: / / www. s us t a i na bi l i t y. c o
m/を参 牌。7
I I SD," Bus i ne s sSt r a t e g icf o rSus t a i na bl eDe ve l o pme nt "
,ht t p: / / www. bs dg l o ba l ・ c ot n/ pd肌 us i ne s s ̲s t r a t e g y・ pdf
を参 照。8
DowJ o T L e SSt L S t a ina bi l i t yI nde xe s ," Co r po r a t eSus t a ina b i l i t y ' ' ,
ht t p: / / www. s us 一 a i J l a bi l i t y‑ i nde x. c om/ s us t a ina bi l i t y / C o r po r a t e . h t T t l l
を参照。KGPSRe v i e wNo . 3 Ma r c h2004
業 の理念 と行動 に反 映 させ る経営 の こ とで あ る」と してい る9。ちなみ に この よ うな企 業社 会責任 を含 む概 念 は
、1999
年 の世界 フォー ラムにおいて、コフ ィー ・アナ ン国連 事務総長 に よって提 唱 され た企業行 動原則 であ る 「グ ローバル ・コンパ ク ト」 10、1976
年 に制 定 さ れ、2000
年 の改訂 で持続 可能 な発展 ・開発 に向 けた社会 的 ・環境 的課題 に関す る項 目が加 え られ たOECD
の多 国籍企業行動基準11な どで も使 われ てい る。従来か ら企業 の環境保全活動 は、企業社 会責任 や社 会性 の枠組 み の 中で語 られ る こ とも 多 い12が、本稿 で は、 トリプル ・ボ トム ライ ンの考 え方 に したが って環境保全 活動 を環境 性 、それ以外 の社会 的 な活 動 を社会性 と呼ぶ こ とにす る13。
これ ら持続 可能性 を構成す る トリプル ・ボ トム ライ ンお よび企業社会責任 や社会性 とい った概念 を模 式 的 に表 した ものが図表
1
で あ る。図表1 持続 可能性概 念 を構成 す る トリプル ・ボ トム ライ ン
」 一 一一一‑ 「 一
一一J
広義 の社会性
・CS R
図表1は筆者 が作成
2. 3持続 可能性側 面 に よる企業評価 の必然性
環境 問題 の深刻化や そ の質的 .構造 的変化 、大 量生産 ‑大量 消費 一大量廃 棄型 ライ フ ス タイル の見直 し、環境 問題 のみ な らず、労働環境 にお け る人権等社会 的公 正性 の達成 、 コ ミュニテ ィ問題 ‑ の解決 な ど、持続 可能性 概念 が拡 張 し、 こ うい った問題 に企業 が積 極 的 に取 り組 む こ と‑ の必然性 が高 まって きてい る。
我 が国で は近年 、持続 可能性 に先行す る形 で特 に環境 問題 に関連 した動 向が顕著 で あ る。
行政 は環境 関連 法 を含 む環境 規制 の強化 を行 う一方 、 グ リー ン税 制優遇 措置や排 出権取 引 とい った各種経 済的手 法の導入 を図 るな ど して、産 業 の グ リー ン化 を誘 導 してい る。 また 環境配 慮型 の製 品 ・サー ビス を優先 して購 入 す るグ リー ンコンシ ュマ‑ (緑 の消費者)や
9 CSRwireにつ い て は http://www.csrwire.com/sfarticle.cgi?id=983を参照。
10グ ローバ ル ・コンパ ク トにつ いて はhttp://www.unglobalcompact.orgを参 照。
11日TheOECDGuidelinesforMultinationalEnterprises
"
, http://www.oecd.orgを参 照。12例 えば岡本 教授 は、社会貢 献 ・地域貢献 ・従 業 員 の生活 向上 ・地 球環境保 護 な どを、収 益性 ・成 長性 に対 して、企 業 の社 会性 と定義 してい る。 岡本 大
輔 【 2000
】p・189・13 企 業 の環境保 全活 動 は も とも と企業社会 責任 の一領 域 をなす もので あったが 、環 境 問題 の重要性 が 増す につれ て、社会 責任 項 目か ら独 立 した領域 と考 え られ るよ うにな った とされ る。 ただ しこの辺 り の 区別 はそれ ほ ど明確 にな され てい るわ けで は ない。
KAGATA:ThePr e s e ntCo nd i t i o n a L ndt heSub j e c to fCo r po r a t eEva lua t i o n Ba s e d o n t heCo nc e pto f Sus t a ina bi l i t y
SRI(
社 会 的責任投 資)、エ コ ・フ ァン ドとい った環 境配慮や社会 責任 の視 点で投資 を行 う グ リー ンイ ンべ ス ター (緑 の投 資家)、あ るい は環境NGO、NPO
とい った、環境 問題 に非 常 に高 い 関心 を持っ ステー クホル ダー は、それぞれ の立場 か ら、企業 に対 して環境 問題 ‑ の取 り組 み を働 きか け るよ うになってい る。一方で、環境 問題 の多様化 ・複雑化 ・深刻化 は環境 関連 事業 市場 (エ コビジネ ス市場) の拡大 を もた らし、大 きな ビジネ スチ ャ ンス を もた らす もの と考 え られ てい る。 環境省 は2002年 8月 にエ コビジネ スの市場 実態や普及
促進 に必要 な施策 な どをま とめた 「環境 ビジネ ス研 究会報告書」 を公表 し、 この中でエ コビジネ スの市場規模 は
2010年 で 40
兆1
千億 円に達 し、雇 用規模86万 7
千人 、年平均伸び率 3. 7%の成長産業 にな る と推 計 してい る。そ して 「
今 回の報告書 は燃 料電池 な ど新技術 関連デー タを含 んでい ないた め、実際 の市場規模 は さ らに大 きな もの になってい くだ ろ う」と予測 してい る14。
以上 の よ うな認識 を背景 と して、企業 は、環境 問題 ‑ の取 り組 みの巧拙 が企 業 の成長性 や収益性 に影響 を及 ぼ しかね ない とい った経 営上の リス ク と、環境 関連 ビジネ ス‑ の進 出 に よる事業機会 の獲得 な どのチ ャンス とい う両面 の影響 を受 け るこ とにな る。 この よ うな 状 況か ら、企業 を取 り巻 く様 々なステー クホル ダー に も意識 ・行 動 の変化 が見 られ るよ う になって きてい る。 各 ステー クホル ダー は 自 らが 関わ る企業 が、 どこまで環境 問題 に対 し て取 り組 んでい るのか、 同業他社 と比較 して どの程度進 んだ ものなのか とい った、環境 面 か らの企業評価 に関す る情報 を要求 し始 めてい る15。一方企業 の側 も
、1 997
年 の京都 会議 以 降、行政 に よる環境規制 の強化 や環境 問題 に対す る国民 の関心 の高 ま りと共 に、環境 対 策 に積極 的 にな って きてい る。既 に多 くの企 業 が環境対策 の国際マネ ジメン ト規格 で あ るI SO1 4001
を取得 し、環境 会計 の導入 、環境報 告書 の発行 を行 うな どそ の取組 み は近年特 に 顕著 に現れ て きてい る。 それ と同時 に、株価 や企業 イ メー ジに影 響 を与 える可能性 もあ る 自社 の環境 問題 ‑ の取 り組 み が どの よ うに評価 され 、 どの レベル にあるのか とい った情戟 を求 め るよ うになって きてい る。また社会性‑ の対応 につい ては、2000年 の雪印乳業 の低脂肪乳 に よる食 中毒事件
、2002
年 、雪 印食 品や 日本ハ ム子会社 に よる牛 肉偽装事件、2003
年 、新 日本製鉄名 古屋製 鉄所 で のガス タ ンク爆発 、 ブ リヂス トン栃木 工場 で の大規模火 災 な ど、近年大企業 に よる不祥事 が相 次い でい る ことな どか らもそ の重要性 が指摘 で きる。 不祥事発 生 に よる企業業境 の悪 化 な ど直接 的な損害 も さる ことなが ら、食‑ の信頼 失墜や取 引先 ・地域住 民 との信頼 関係 悪化 な ど、間接 的 な影響 も小 さくない。 これ らの問題 の背景 には単 な る監督 不行届 き以上 の構造 的 な問題 が あるもの と考 え られ る。衛 生管理や安全管理 、法令順 守、女性 の登用 、社員教育や 、従業員‑ の配 慮 、地域住 民
‑ の説 明、地域社会‑ の貢献 な どは、企業 の社会性 とい え る。 これ らの 中には、上 に挙 げ た不祥 事 を防 ぐ上で有効 な項 目が含 まれ てお り、実際 に欧米 にお いて は社会責任投 資 の評 価 項 目とな ってい る。 そ の根拠 と して、企業 が これ ら社 会性 項 目を 自社 内で ど う捉 えてい
14 環 境省
【 2 00 2】p. 2 .
15 日本 興 業 銀 行
[ 20 00 】p. 5.
KGPS Re v i e w No. 3Mar c h2004
るか を見 る こ とに よって 、健康 、安 全 、 品質 な どに関す る環 境 ・社 会 的 な事故 や ス キ ャ ン ダル 発 生 時 の問題 の管理や 対応 の巧 拙 をあ る程 度判 断 し、 リス クを回避 で きる こ とが挙 げ られ てい る。
特 に企 業 の果 た して い る役 割 とそれ が及 ぼす 影 響 力 が非 常 に大 き くな った現 代 社 会 に おい て は、利 害 関係 者 が 自身 の関わ る企 業 を評価 す る際 、成 長 性 や 収益性 あ るい は安全性 とい った 、従 来 の経 済 性 を中心 と した側 面 で のみ測 定評 価 す る こ とは、真 の企 業 の実態 を 評 価 した もので あ る とは必ず しも言 えず 、それ だ けで は不十 分 で あ る とい うこ とが次第 に 明 らか にな って きてい る。企 業 が長 期 に維 持 発 展 してい くた め には、従 来 の経 済 的責任 に 加 え、環境 責任 、社 会 か らの信頼 獲得 と社 会 的責任 の遂 行 が必 要 不 可欠 で あ る とい うこ と が 明 白にな って きてお り、企 業評 価 に も当然 、経 済 、環 境 、社 会領 域 か らの評価 、す なわ ち持続 可能性 の観 点 か らよい評価 を得 てい るか ど うか を測 定す るた めの手法 、「持続 可能性 側 面 に よる企 業評価 」 が必 要 にな って くる と言 え るの で あ る。
3.持続 可能性 に よる企業評価
3. 1
企業評価理論 の体系 とその多義性企 業評価 の歴 史 には、大 き く分 けて
2
つ の アプ ロー チ が あ る と言 われ てい る。 1つ は資 本 市場 にお け る株 主や債権者 の立場 に立 った考 え方 で、企 業 の発 行 済 み株 式 の 時価 総額 で あ る株 式 資本 と、負 債 で あ る債券 の時価 総 額 の和 の測 定 を もって企 業 の評価 とす る、資本 価 値 、 あ るい は企 業価 値 評 価 とい われ る もの で あ る16。 この根 底 には企 業経 営 は株 主 の立 場 で行 われ てお り、企 業 の 目標 は企 業 の所 有者 で あ る株 主 に対す る配 当を大 き く し、発 行 済 み株 式 の 時価 総 額 を最大化 す る こ とで あ る、 とい う考 え方 が あ る17も う
1
つ の ア プ ロー チ は損 益 計算 書 、貸借 対 照表 とい った財 務 諸表 を 中心 と した経 営 分 析 、財 務 分析 ア プ ロー チで あ る。 先 に挙 げた資本価 値 アプ ロー チ が、主 に抹 主や債 権者 の 視 点 に立 って評 価 され るの に対 して 、 この経 営分析 ・財 務 分析 ア プ ロー チ は、経 営者 、投 資 家 (潜 在 的投 資 家 を含 む)、債 権者 、取 引先 、従 業員 、政府 、研 究機 関等 、そ の評価 主 体 者 は多 岐 にわ た る。この よ うに様 々 な利 害 関係 者 に よって行 われ る経 営分析 アプ ロー チ は 、 分析 主体者 の 目標 に よって視 点 が異 な るので 、そ の手法 に も差異 が生 じるな ど、評価 の形 は多義 性 を帯 び る。この企 業 評 価 にお け る多 義性 とはす な わ ち評価 主 体 と評 価 目的 お よび 評価 対 象 の 多 義 性 で あ り、持続 可能 性側 面 に よる企 業評価 にお いて も同様 に評価 主 体 ・目的 ・対象 に よる 多義性 ‑ と関連 す る。 その一例 と して 、従 来型 の経 済性 中心 の企 業 評価 と環境側 面 で の企 業評 価 主 休 と評価 基 準 の相 違 をま とめた ものが 図表
2
で あ る。16田中恒 夫
[ 2000】p. 254.
17清 水 龍 豊
【 1981】pp. 4‑ 5
及 び 岡本 大輔【 19961pp・ 1‑ 2.
KAGATA:ThePr e s e ntCo nd i t i o n a ndt heSub j e c to fCo r po r a t eEva lua t i o n Bas e d o n t heCo nc e pto f Sl l S t a ina bi l i t y
図表
2
経 済性 お よび環境 性 に基づ いた企業評価 の主体 ・目的 ・項 目主体 経 済性 目的 環境性 目的 経 済性重 点項 目 環境性 重 点項 目
金 融株 関 (間接 信 用 分析 環 境 リ ス ク 回 収 益 性 、担 保 力 、 担保 (土地 )の土壌汚 金 魚部 門)
信 用調 査機 関 (貸 付 の安全 回収 ) 逮 資金繰 りな ど PRTR染 程度法 関連 、 金 融機 関 (直接 投 資分析 投資分析 成 長 性 (増 収 率 、 環 境効 率 、環 境経 営指
金融部 門) (株 価 の変動予測 ) (株 価 の 変 動 増益 率) 標 分析 、桑境 ス ク リ‑
投 資家 (証 券 ア (社債 の配 当、償 還 の 予測 、配 当金 の 収 益 性 、経 常 収 支 ン
ナ リス ト,午 安全性確 保 ) 増 大) 比率 な ど 企 業価 値
金 .基金 運用者 ) ・エ コベ ンチ ヤ ・対 象 エ コ ビジネ ス市
・(ベ ンチ ャー キ 一 .ビジネ ス市 場 の将 来性 .当該分野
ヤ ピタル ) 場 の拡大 成 長性 .(に お け る 当該 企 業 の収益性 ) 一般 企 業 信 用 分析 取 引 先 企 業 の 収 益 性 、成 長 性 な
Ⅰ SO
等 各 種 環 境 関連(取 引 先 な どの 実 態
把握 ) 環境 対応 度 ど 認 証 取得状 況環 境 関 連 コ ス ト削 減達成 状 況 、ゼ ロエ ミッシ ョン 労働 組合 支払能 力 分析 他 社 と の 環 境対応 度 比較 売 上 高 人件 費 率 など ‑ ジ自社 企 業 の 環 境 イ メ 学 生 就 職 の た め の 企 業 評 就 職 先 企 業 イ 安 全 性 、成 長 性 、 環 境 対 応 に 関 す る評
価 メ‑ ジ 規模 な.ど 判 、イ メー ジな ど
消費者 団体 .慕 社 会 的責任 (人権、安 環境保 全 .持続 商 品価 格 、 性 能 、 社 会 的責任
* NGO
全 、法令順 守 ) 可能社 会形成 機 能性 、デ ザイ ン、 製 品 に 関す る環 境 負 一般 消費者 節 約緑 の消費行 動 ブ ラ ン ド .イ メージ 荷 度 .省 エネ .リサイクル 率 な ど 大学 .研 究所 . 企 業 行 動 お よび 企 業 企 業 成 長 要 因 成 長 性 、収 益 性 、 環境 経 営度 .環境経 営 新 聞社 な ど 成 長 要 因 の 客 観 的 把握 と環境 対応 度 練合経 営力 指標 、環境 効 率 、環境パ フォーマ ンス、..行 政官庁 行政指 導 (将 来 国際競 同左同左 総 合 経 営 力 、 技 術 エ コ ビジネ ス 市 場 の (経 済産業省 )((財 務省 )国税庁 ) 争 力 を持 つ 企 業 の 育成 )行 政指 導 (係 者 の利 益調 整)徴税 企 業利 害 関 力 、独 占度 な ど課 税 所 得 の確 定 、脱税 防止 な ど 拡 大環境 税 (ー ン税 制)炭 素税 .グ リ (環境省 ) 衆境保 全 .持 続 可能社 霧 境 保 全 .持 続 可 環 境会 計 .報告 書 ガイ
会‑ の静 行 能 社 会 形 成 に資 す革 、 企 業 の環 境 保全 活動 の促 進る 企 業 活 動 の 変 黄 関連 法 .規 制遵守環 境 政 策 の変 更等ドライ ン‑ の対応 、環 企 業経 営者 .企 計画分析 環 境 対 応 度 分 企 業 の 強 み 弱 み 、 環境 対 策 の効 果 、市 場
清水能
生 [ 1 981 1p. 2
の図 を一部修 正 ・加 筆 して筆者 が作成 。3 . 2
持続 可能性側 面 に よる評価項 目企 業 の取 り組 み の環 境 面 だ けで な く、社 会 面 、経 済面 も含 んだ
3
つ の分 野 にお け るパ フ ォ ー マ ン ス の 向 上 を 目指 した 報 告 書 、 す な わ ち 持 続 可 能 性 報 告 書 の グ ロ ー バ ル ・ス タ ン ダKGPSRe n' e wNo. 3Ma r c h200 4
‑ ドを作 ろ うとい う狙 いで
1997
年 に設 立 され た持続可能 な発 展 のための企業報告書 イ ニ シアテ ィブ (Gl obalRe por t i ngl ni t i at i ve: G RI )
は、 2002
年度版 の最新 ガイ ドライ ンで は企 業 が持続 可能性 報告書 で開示すべ きGRI指標 として以下 の分野 と側 面 を設 定 してい る。図表
3 2002
年 度 版G
RI指 標 の分 野 と側 面分 野 側 面
経 済 . 直接 的 な経 済 的影 響 顧 客供 給 業者従 業 員公 共 部 門出資 者
環 境 環 境 原 材 料水生 物 多様 性放 出物 、排 出物 お よび廃 棄 物供 給 業者製 品 のサ ー ビス法 の遵 守輸 送エ ネ ル ギーそ の他 全 般
社 会 労働 慣 行 雇 用 お よび相 応 の仕 事安 全 衛 生教 育 訓練多 様 性 と機 会労使 関係 人 権 戦 略 とマ ネ ジ メ ン ト差 別 対 策組 合 結 成 の 自由 と団体 交渉児 童 労働 .強 制 的義 務 的 労働懲 罰 慣 行保 安 慣 行先 住 民 の権 利一 般 的側 面
GRI
フォー ラムJ AP ANht t p: / / www・ g
ri‑ f
j・ o r g/ a bo ut ・ ht mlよ り。
実 際 には この
GRI
のガイ ドライ ンに あるよ うな項 目をすべ て記 載す る報 告書 はまだ ほ と ん どないのが現状 で あ る。 しか し仮 に この よ うな項 目がす べ て持続 可能性 報告書 の 中に記 載 され るよ うになれ ば、環境 報告書や持続可能性報告書 は、企業 の環境‑ の取 り組 みや 、 社会 的責任 に対す る考 え方 を対外 的にア ピール した もの で あ るか ら、このG
Rlのガイ ドラ イ ンにあ る よ うな項 目に沿 って記載 内容 を分析 し、各項 目の積 和や 、売 上高や利益 な どとEAGATA
:ThePr e s e ntCo nd i t i o na ndt heS ub j e c to fCo r p o r a t eEv a lua t i o nBa s e do nt heCo nc e p to f Sus t a ina b i l i t y
の比率 を測 定す るこ とに よって、提 出が義務付 け られ てい る財務諸表 の分析 で あ る財務指 標 の よ うな形 で、企業 間 にお ける環身 性 ・社会性 を比較 し、当該企 業の持続可能性 を評価 ・ 判 定で き るよ うにな るか も しれ ない
。2002
年 のGRI
ガイ ドライ ンの改訂 は、 この比較可 能性 を重視 した もので あった。 しか し現 実 の報告書 では社会性項 目について の記載 はそれ ほ ど多 くな く、 もっぱ ら環境保全活動 が 中心 を 占めてい る。3. 3
持続 可能性 に よる企業評価 の考 え方す で に見 て きた よ うに、企業評価 には評価 主体 に よって さま ざま な 目的、項 目、手法 が 存在す るO ここで忘れ て はな らない のは企 業 の 目的 と企業評価 との整合性 で あ る。 この点 につい て岡本教授 は、"企業 は環境保護 団体 で もなけれ ば、ま してや 慈善団体 で もない。企 業 の 目的 は環境保護 で はない。 とすれ ば、企 業 を評価す る ときには環境要 因のみでの評価 を行 うこ とは非 常 に偏 った一 面的評価 を生み 出 して しま う18。"と述 べ てい る。環境保 全活 動 な どの環境性 、 あ るい は社 会貢 献や社 会責任 な どの社会性 でた とえ高い評価 を受 けた と
して も、成長性や収益性 とい った経済性 で よい評価 を受 けない企業 は、や は り ̀̀良い"企 業 であ る とはい えない。ここでい う企業 の 目的 とは、企業 それ 自身 の長 期維持発展 で あ り、
収益性 や成長性 とい った経済性 が重要 にな って くる。す なわち、持続 可能性 に よる評価 も、
経 済、社会 、環境 の
3
つ の領 域で の成果 のバ ランス を保 つ こ とで あ る とい え る。清水教授 は、企業評価 を "何 らかの意 思決 定のた めに、企業 が持 ってい る、長期 に維 持 発展 してい くた めの総合 的 な潜在 能 力 を測 定す るこ と" と定義 し、その 目的 として企業行 動 お よび企 業成長要 因の正確 な把 握 を挙 げてい る19。
本稿 にお ける持続 可能性 評価 も、清水教授 に よる企業評価 の定義 に倣 って 「持続可能性 に よる企 業評価 とは、企 業 が長 期 に維持発 展 してい くた めの総合 的な潜在能力 を、経 済性 、 社 会性 、環境性 の
3
つ の観 点 か ら捉 え、測 定す るこ と」 と定義 したい。3
.4社会性 ・環境性 と企業業黄 の関係持続 可能性 の
3
つ の領域 の うち、経 済性 に関 しては業績 との関連 が あ るの は当然 で あ る。ここで は、それ以外 の社会性 ・環境性 と企業 業績 との関係 について見てい きたい。
先行研 究 の結果 か ら、 この社会性 ・環境性 と企業業唐 との間には、 なん らかの 関係 があ るこ とが指摘 され てい る
。Or l i t z ky【 2003]
らは、 これ までに行 われ た企 業 の社会 /環境パ フォーマ ンス と企業業績 に関す る52
の実証研 究 を対象 にメタ分析 を行 い、そ の結果 、社 会/環境パ フォーマ ンス と企 業業績 との間 には統計 的 に有意 な相 関が あ り、企業 にお ける 社 会責任 と環境 責任 の遂行 は財 務 的 にペ イ しそ うだ と結論付 けてい る20. 岡本教授 は、慶 鷹義塾 大学商学部経営学研 究 グル ープが1995年 2月 に東京証券取 引所 上場製造 業す べ て
18岡本 大輔 【2000】p.57
19清 水 龍豊 【1981】p.7.
20
0r l i t z k y
,eiaZ.【2003】44
KGPSRe v z ' e vNo. 3Ma r c h20 04
を対 象 と して実施 した ア ンケー ト結果 を基 に、従 業員 の生活 向上 、地域貢 献 、社 会貢 献 、 地球環境 保護 の 4つ の要 因 を考慮 して作成 (0‑5点 に評 点化 ) した合成 指標 を社 会性 と し て、企 業 の社会 性 と財 務業績 (成長 性 +収 益性 ) に 関す る実証研 究 を行 ってい る。 そ の結 果 、社 会性 と財 務 業績 との間 には正 の相 関が あ る との結 論 を得 て い る。 また 同教授 は この デ ー タ を使 った 、5年後 (2000年 )の時点 で の調 査対 象企 業 の財 務 業績 と比較 ・分析 にお いて 、"業績 の悪 い企 業 が業唐 を回復 してい く とき、社 会性 が必 要 で あ り、社 会性 が低 い と 業漬 低 迷 の確 率 は高 くな る。''、"全 体 的 に見 て、社 会性 は高 業績 に とって十分 条件 とは言 え ないが 、少 な く とも必 要 条件 で は あ る。" と指 摘 し、"従 来 の収益性 ・成 長性 とい う企 業評 価 基 準 に社 会性 とい う新 しい基準 を加 える こ とは、現代 企 業 の社 会 か らの要請 を正確 に評 価 す る こ とにな る
。 ' '
と し、"企業評価 基準 に社 会性 を加 え る意 義 は非 常 に大 きい''と結 論 付 けて い る21。また、社 会性 項 目の一 つ で あ る女性 の雇 用 と企 業 業績 との関係 につ い て、経 済 産 業省 「男 女共 同参 画研 究 会 」 か ら興 味深 い研 究報告 が公 表 され てい る。経 済産業省 「企 業活 動 基本 調 査 」 の約26,000社 のデ ー タ を用 いて 、利 益 率 (ROA)と女性 比率 との関係 を分析 した と ころ、「従業 員 の女性 比 率 が高 い企 業 は利 益 率 が高 い (あ るい は利 益 率 の高 い企 業 ほ ど女性 比 率 が高 い)」とい う結 果 が得 られ た とい うこ とで あ る。これ は、女性 の数 を増 やせ ば利 益 率 が上 が る とい う、単純 な もので はな く、女性 の比 率 が高 くな る よ うな企 業風 土 が 、高 い 利 益 率 につ なが る、 とい うこ とを表 してい る。 この結果 に相 当す る企 業 に は 「男女 の勤続 年 数 の格 差 が小 さい
」
「再雇 用 制度 が あ る」 「女性 の管 理職 の比 率 が高 い」 「男女 の平均 勤続 年数 が短 い (年 功 序列 の終身雇用 で は ない) 」 とい った具 体 的 な特徴 が見 られ 、 これ らの項 目が利 益 率 と正 の相 関 関係 にあ る とされ る22。 この結果 か ら、社会性 項 目の一 つ で あ る女性 の雇 用 につ い て、意欲 と能 力 の あ る女性 が組織 の 中で活 躍 で き る よ うに場風 土 を 作 って い くこ とは、企 業 業績 の観 点 か らも重 要 で あ り、企 業評価 項 目として有 効 で あ る ことを示 唆 して い る。
以 上 の よ うな先行 研 究 は、社 会性 お よび環 境性 に よる評価 で高評価 を得 た企 業 は、経 済 性 に よる評価 や 企 業 業績 で見 た場 合 もこ高評 価 で あ る可能性 が高 い こ とを示 してい る。 こ の社会 性 ・環境性 と業績 との 関係 につ い て は、今 後 も さ らな る実証 的、論 理 的 な研 究 が行 われ な けれ ばな らない が、少 な く とも現代 社 会 か らの要 請 に応 えなが ら、従来 の企 業評 価 や企 業 目的 とも整 合性 を もち うる、 とい う点 で も環 境性 と社 会性 の観 点 を企業 評価 理論 に 取 り入 れ る こ とは有 効 で あ る とい え よ う。
4 .
環境性 ・社会性評価 の現状 4.1環境経営評価 の現状21岡本 大 輔
【 2000】pp, 72‑ 73.
22経 済 産 業省
【 2003]
KAGATA
:m ePr e s e ntCo ndi t i o n a ndt heSub j e c to fCo r po r a t eEva lua t i o n Ba s e do n t heCo nc e pto f Sus t a ina b
il i t . y
す で に見て きた よ うに、社 会性 はその開示情報 か らいってい まだ発展途上 にある とい え る。社 会性 に よる評価 の詳細 につ いて は、紙 面の都 合 もあるので機会 を改 めたい。 ここで は環境 会計 の導入や環境報告書 の発行 な ど、社会性 に比べてその取 り組 み が進 んでい る と い える環境経 営評価 の具体的 な基準 と手法 について考察 してみたい。
環境経営 とは、環境 に配慮 した経営 の こ とを指す が、単 に法令 に したが って環境対策 を 行 った り、I
SO1 4001
を認証取得 した りす るだ けではない。もはや環境対策 を行 ってい ない 企業 を探す ほ うが困難 なほ どで あ り、既 に取得件数 が1
万件 を超 えたI SO1 4001に して も
目新 しさがな くなって きてい る。
環境経 営 とい う言葉 さえほ とん ど使 われ ていなか った
5
年 ほ ど前 な ら、環境会計 を導入 して い るか ?環境 報告書 は発行 してい るか ?I SO1 4001
を認 証 取得 してい るか ?とい った 項 目に よって環境経 営が評価 で きたか も しれ ないが、現在 で は評価 基準 と しての重要性 は 薄れ て きてい る。それ は、環境 経営評価 の対象 と して重視 す るべ き項 目が ここ数年 で大 き く変化 した こ と を意 味 してい る。す なわち、環境保全 に取 り組 む こ とそれ 自体が重 要視 され ていた これ ま での企 業経営 か ら、環境保全 ‑ の取 り組 み を企業業唐や企業戦略‑ と関連付 け、経 営 の 中 核 として位 置付 ける経営へ と変化 し始 めてい るこ とを意 味 してい る。川村 氏 は、 これ を環 境経営 の量 か ら質‑ の変化 、「取組 」の定性 的評価 か ら 「成果」‑の定量 的評価 ‑ と変貌 を 遂 げつ つ あ る転換期 だ と表現 し、成果 の定量的評価 に基づ く環境経営 とは、「環境効率」に 代表 され る定量 的な 「環境経 営指標 」 に よ り、環境経営 のあ るべ き姿 を見定 め、現状 の到 達 レベル を計測 ・評価 ・改善す る こ とで あ る23と述べてい る。
環境 効率 とは、環境 と経済 の両面 において効率的で あるこ とを意 味す る用語 で あ り、着 実 に省 資源化 ・廃棄物 の排 出削減 ・汚染 防止 を推進 しなが ら、従来以上 に製 品や サー ビス の付加価 値 を高 めてい こ うとす る一連 のプ ロセ ス を示す
。 WBCSD
をは じめ と して環境効 率 をおお よそ以下 の式 にあ らわ され る。環境効率
‑ 製 品 ・サ ー ビス の価 値経済価値
環境影響 環境負荷
企業活 動 に伴 う環境負荷 を最 小化 しつつ 、創 出 され る経済価値 を最大化す るこ とが、す な わ ち環境効 率の 向上 を意 味す る。 ここでい う経済価値 とは企業財務 項 目で あ る売上高 、利 益 、付加 価値 な どが 当てはま る。 ニ ッセイ基礎研 究所 では、 この環境効率 に基づいた環境 経営指標 で あるニ ッセ イ基礎研 ・環境経営イ ンデ ックス
( NEMI
) を公表 してい る。ニ ッセイ基礎研 ・環境 イ ンデ ックス
( NEMI )
の一般式 は、・EMI
‑ ∑
aE 叢
‑V ∑ n ZTLlI TZ
J l一
̀‑I ∫
23川村 雅 彦 【2002】p.40.
L , ・ 平 均 E E I .
KGPSRe v z ' e w
No.3March2004NEMI:NLIIResearchEco‑Managementindex EEI:個 別 環 境 負 荷
i
の環境 効 率 指標‑V/ L
,・
V :
経 済価 値 (売 上 高 、営 業利 益 、付加 価 値 な ど任 意 に設 定 )L, :
個 別 環 境 負 荷i
の量 (資源 投 入 量や 環 境 負 荷 排 出量 な ど任 意 に設 定 )i
:採 用 す る個 別 環境 負 荷 の序 数 (任 意 数nに設 定 )a, ;
個別EEZ指 数( EEI . /
平均EEI. )
の ウエ イ ト (下 の 図表4参 照 )平均
EE
I.:任 意 の範 囲 の個 別EE
I.の平 均 値 (業界 平 均 値 、地 域 や 国 の平 均値 な ど)この一般式 を展 開す る と、た とえば個別環境負荷 項 目が
5
項 目ある場合 はNEMI
=α1 EEI ( CO2) ( EEI(
廃棄物)へ EE I ( BOD)
平均EEI(CO2)
'一 一
平均EEI(廃棄物)一一
一平均EEI(BOD) +
α4EEI( NOT)
,. EEI( PRTR)
平均EEI(
NOT)'ー
'平均EEI(PRT R)
とな る。 図表
4はそれ ぞれ の環境負 荷項 目とウエ イ ト (
重 み付 け) を示 してい る。 NEM I では、ア メ リカ環境 庁 が開発 したパネル法 に よる地域環境政策 の決定手段 で あ るCR
A (比 較 リス ク評価法 ) に基づいて環境負荷項 目の重み付 けを設 定 してい る。図表
4
環 境 問題 の重 要度 (リス ク) のCRA
に よ る重 み 付 け重要 な環境問題 主 た る環境 劣化 現象 環境負 荷 の代替指標
CRA
み付 けによる重 地球温暖化 エネル ギー枯渇 、気候変動 CO2排 出量 24% (α
1) 廃棄物増 大 資源枯 渇 、処分容 量不足 廃棄物排 出量1 9% (α2)
水質汚濁 水域環境 の劣化 Bo‡)排 出量 11% (α3) 大気汚染 酸性 雨 、オ ゾン層破 壊 NOX排 出量1 6% (α4)
川 村 雅 彦 [2002]p.66.よ り抜粋
各環境効 率 の比率 を算定 し、それぞれ基準 となる係 数 で重み付 けを行 うこのNEM Iの手 法 は
、A.
ウォール に よる ウォール の指数法 な どで有名 な、1920年代 のア メ リカ で、企業財 務流動性や安全性 を統合 的に分析す る手法 と して登場 した信 用分析法 と考 え方 はほぼ同様 であ る。ここで問題 とな るの は、基準 となる比率や重 み付 け係数 を どの よ うに算 定す るかで あ り、
現在 この間題 につ い て は、LCAや
CR
A (比較 リス ク評価 法)、 あるい は宮崎教授 らに よっ て開発 され た、環境 政策優先度 に基づ くJEPI X(
単一指標 に よる統一 的環境影 響係数)な ど、係数 の開発 と検討 が行 われ てい る最 中で あ る24。
この よ うに環境性 の評価 は、汚染物質や環境負荷 量 とい った客観 的で定 量的なデ ー タに 基づい た評価 を行 い うる状況 が整 いつつ あ る とい え る。
24JEPIXにつ い て の詳 細 は 、宮 崎修 行 ほか 【2003】
4 7
EAGATA: m ePr e s e ntCo nd i t io n a ndt heSub j e c to fCo r po r a t eEva lua t i o n Ba s e do n t heCo nc e pto f Sus t a ina bi l i t y
5.持続 可能性側面 に よる企業評価 の課題
持続 可能性側 面 に よる企業評価 手法 を確 立す るた めには、解決 しな けれ ばな らない多 く の課題 が指摘 され てい る。
1
つ は、経 済 ・環境 ・社 会 とい ったそれぞれ の領域 にお いて異 なった単位 で算 定 され る 各項 目を どの よ うな比率で、す なわ ち どの よ うな ウェイ トづ けを して、総合 的 な持続 可能 性評価 に結 び付 けてい くのか とい う問題 で あ る。 岡本教授 は、本稿 にお ける持続 可能性評 価 に極 めて近い企業評価 手法 として、ソサイ ア タル ・アプ ローチ を挙 げ、収益性 、成長性 、 社 会性 (環境保全活動 を含 む) の3っ の基準指標 を用 いて、 ラプ ラス原理
25に基 づいてそ れ ぞれ 同 じ比率で測 定 してい る26。 一方 、 日本経済新 聞社 が企 業 の新 しい評価 システ ム と して1994
年 以 降毎年発表 してい る多角 的企業評価 システ ムPRI SM
で は、年度 に よ り多少 の変動 はあ るが、「優れ た会社 」‑ の寄与率 に基づいて、環境性や社会性 を含 む評価 項 目の ウエイ トを全体 の10%
か ら30%
と推 定 してい る27。ニ ッセ イNEMI
の よ うに、環境性 に よ る評価 を、汚染物 質や環境負 荷 量 とい った客観 的で定量 的なデー タを用いて行 うな らば、LCA、 CRA
やJ EPI X
に基づ いた ウエイ トづ けは、 「一般 に認 め られた権威 」 を付 与 され る こ とにな る。 しか し同様 に社 会性 を ウエイ トづ けす る となれ ば、図表3. 2
のGRI
ガイ ドラ イ ンにあ るよ うに、持続可能性 とい う概念 を構成す る各項 目は非 常に数 が多 く、また内容 も多岐 にわた るため、 これ ら項 目の うちで重視すべ き項 目とそ うでない項 目とを判別す る こ とが非常 に困難 で ある。 そ して仮 に ウエイ トづ けを行 うとすれ ば、そ の根拠 は悉意 的 に な らざるを得 ない。2つ 目は、持続 可能性概 念 の一つ で あ る企業 の社 会性 を、一体 どの よ うな基準 で評価す
るのか とい う問題 で ある。持 続可能性概 念 の トリプル ボ トムの一 つで ある社会性 に関 して は、文化 、慣 習、 ビジネ スス タイル の違 い とい った、国や地域 に よって微妙 に異 な る価値 観 、人 々の労働観や 企業 に対す る考 え方 に関わって くる部 分が多分 に含 まれ てい る とい え る。 また社会性 に含 まれ る と考 え られ る項 目と、対象 とす るステー クホル ダー の範 囲が幅 広 く、 そ もそ も統一指標 で一義 的 に評価 を下す こ とが よい こ となのか ど うか、議 論 の余地 が残 され てい る所 で ある。以上 の
2点 については、時 間 と空 間 を限定 した 中理論
28にな らざるを得 ない とい う経 営 学 の学 問的特性 を少 なか らず反 映 した もので ある とい え る。そ して
3
つ 目として は社会性 の よ うな観 点で記載 され る情報 その ものは定性 的 な記 述 で な され る場合 が多 く、そのた め評価 を下す こ とそれ 自体 が容易で はない。 す なわ ち情報 そ25 "複数の基準指標について、どれが重要かという順位づけも、ウェイ トづけもできないときは同じよ うに重要と考えざるをえない。このとき "理由なしの理由"
( r e a s o nofnor e a s o n)
から、各目標指標に 同じウエイ トをつけることになる。これをラプラス原理と呼ぶ。
"清水龍豊 【1 981 】p. 32.
26岡本 大 輔
【 1996】
27ちなみに
2002
年度では、合計33
指標から4
つの評価因子が測定されている。それぞれウエイ トは「優れた会社」‑の寄与率に基づいて 「柔軟性 ・社会性
」10. 9%
、「収益 ・成長力」31. 9%
、「開発 ・ 研 究」10. 2%
、「若さ」3. 5%
で、4
因子で合計 (決定係数)56. 6%
となった。残 り43
.4%は4
因子で は説明しきれない誤差。詳細については、日本経済新聞2003
年2
月24
日朝刊を参照のこと。28 清 水龍豊
【 1 9901pp. 256‑ 258.
KGPS Re v z ' e w
No.3March2004の もの に よって で はな く、評価 のた め に行 われ るデ ー タ加 工 、定 量化 のプ ロセ ス な どに よ って評価 結 果 が変 わ って しま うとい う定性 要 因 の定量化 の 問題 が 生 じる可能性 が あ る。 こ れ は定性 的 なデ ー タが しば しば窓意 的 に解釈 され る危 険性 を畢 ん でい る こ とを意 味 して い る。
また社 会 性 に関 して、 2001年 か ら、 国際標 準化機 構 で あ るISOでは、 晶質 に関す る国 際規格 で あ る9000シ リー ズや環境 マネ ジメ ン トの 国際規格 で あ る14000シ リー ズの よ う な形 で 、企 業 の社 会 的 責任 を規格 化 しよ うとす る動 き を見せ て い る29が 、実 際 に国際規 格 と して機 能 す るまで にはまだ多 くの時 間 と議 論 が必 要 で あ ろ う。
6 .
ま とめ今 日の企 業 を評 価 す る際 に は、従 来 の経 済性 を 中心 と した側 面 で のみ評 価 す る こ とは、
必ず しもそ の企 業 の総 合 的 な経 営 力 を測定 で きてお らず 、それ を補 うた め に持続 可能性 側 面 に よる企 業評価 の可能性 を提 示 した。 しか し、持続 可能性 評価 の概 念構 築や 評価 手法 の 構 築 は、今 後 の社 会 に とって益 々必 要 とな るの は明 白で あ るが 、現 時点 で は未整備 の状 態 に あ る。
そ もそ も企 業評 価 の基 準 と手法 は時代 と共 に常 に変化 してお り、持続 可能性 の概 念 自体 も変化 す る可能性 が あ る。 そ して 、企 業評 価 自体 が 、評価 主 体 ・目的 ・対 象 に よって様 々 な形 が あ るの と同様 、持続 可能性 側 面 に よる企 業評 価 に も評 価 主体 ・目的 ・対象 に よって 多様 な形 が存在 す る こ とにな る可能性 が あ る。
しか しな が ら、時代 の趨勢 と して は この持続 可能性 を重視 した経 営‑ の トレン ドはます ます 強 くな りつ つ あ り、それ に対応 して、持続 可能 性側 面 に よる企 業評価 理論 の益 々の精 教化 が 図 られ な けれ ば な らないだ ろ う。
この持 続 可 能 性 に よ る企 業評 価 項 目の具 体 的 な検討 お よび評 価 理 論 の精 教 化 につ い て は今 後 の課 題 と した い。
【参 考文 献 】
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の社 会 的 責任 規 格 化 の動 き につ い て は 、http://www.iso.org/iso/en/commcentre/presentations/wkshpsISeminars/copolco/copolc02002/index・1istを参 照。