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海上保瞼に於ける戦箏危瞼約款

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(1)

海 上 保 瞼 に 於 け る 戦 箏 危 瞼 約 款

久 木 久

一︑戦争危瞼に欝する各國立法主義

二︑戦争危瞼に 封する保瞼⁝謹券上の責任

三︑戦争危瞼約款の解〜繹

(永)(ご ・)(ハ)(ロ)(イ)

o︒・肖崇=σo

Ω<9oooo99

一β(PO

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N讐ooσqoo.

⁝と⁝と

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海上保瞼に於ける戦争危陰約款(久木)

三 ム

(2)

三入二

職 璽 猛 険 に 封 す る 各 國 立 主 義

人類の歴史は職争に依つて作られて今日に至つてゐるが︑その將來に就ても同様なことが謂ぴ再るであら

う︒圖争はもとより人類の本能の一と考へられるが︑その結果は悲惨であり︑職争の存するところ必す・人命の

損傷と財産の破壊喪失を伴ふものである︒文明が進歩し就會が嚢達しても︑職争は獲生同敷に於ては或ひは減

少することはあつても︑その災厄から入類をして完全に冤れしむることは恐らく不可能であらう︒寧ろ︑その

災厄は職争規模の損大と共に︑更に一暦甚しさを加へて來るであらう︒これは歴史の既に誰明してゐるところ

である︒

往時にありては︑洋の東西を問はす︑職争攣齪が繰返され︑亦陸王たると海上たるとを問はす︑職争の危瞼

は常に存在してゐるのである︒即ち︑當時にありては載争歌態が杜會の常態であり︑平和は例外であつた︒海

上保瞼の成立した十四世紀頃はまさに斯くの如き時代であり︑海上にありても︑職争の危瞼と通常の海上危瞼

との聞に何等の匪別も無く︑職争の危瞼は海賊の危瞼と土ハに︑通常の航海危瞼を形成してゐたのであつて︑海

上保瞼は寧ろこれ等の危瞼即ち職争の危険と海賊の危瞼に封する封策として生れたる施設たるの観を呈してゐ

たのであるぴ然し乍ら海一六八一年の海事勅令(Oa昌彗8富富罎層同ぎ︒)の制定された當時は事態既に改ま

り︑同々敏徒の敢北と欧洲近愈國家の建設は海賊の機會を減少し敏洲國民に相當長期の雫和時代を享受せしめ

(3)

たのである︒その後ナポレオン第一世の時代に再び職説相踵ぎ海賊も頻繁に横行し職争が常態たるの観を呈し

たのであるが︑間も無く↓八一五年以降は再び平和時代に恵まれて︑︑爾後戦争歌態は杜會生活に例外を劃する

に至つたのである︒

職争歌態が杜會の常態であり︑海上に於ては海賊が横行しその危瞼が常に存在してゐた當時にあのては︑戦

箏の危瞼と雄も商船の航行にとつては︑我々が今日の戦争に就て考へるものとは異なり︑職争が行はれてゐる

にも拘はらす︑各國の通商航海は依然進展してゐたのである︒勿論それには困難も件ふたのであるけれど︑通

商航海が杜絶する程のものではなかつたのである︒吾人の想像以上に比較的安全に通商が行はれてゐたので

ある︒それは各國の有する軍⁝艦は歎に於てもそれ程大きいものでなく︑それ等は敵艦隊との職圖に封してのみ

G保有されてゐたので︑商船の恐威となつたものは軍艦よりは寧ろ私掠船(Oo誘臥峠⑦o)であつたのである︒即ち︑

私掠船は國家より掌捕冤許状(ピ・葺︒ω牙ヨ錠ρぎ"ピ9侍・閉︒hヨ碧門)を交付され公然と敵國商船を攻撃したので

あるが︑これ等の私掠船なるのは僅かに商船に武装を施したるものに過ぎすして︑私掠船よ夢も商船の方が速

力優れ叉は熟練せる船員の巧妙なる操縦に依つて︑之を冤れることが出來たのであり︑亦謹かに武装し充分の

乗組員を持つた場合にはこれに抵抗し得たのである︒'

それ故に︑當時の職争危瞼は通常の海難の場合に於けるよりも特に危瞼率が高いと炉ふやうなものではなか

つた︒從つて海上保瞼者に於ても職箏危瞼を特に通常の海難と便別して取扱ふことなく︑此等を一括して引受

海上保険に於ける戦孚危陰約款(久木)三八三

(4)

三入四

けたのである︒そしてその徴牧する保瞼料も職争時平和時の匠別なく一率であつたのである︒国ヨ賃黄︒溢も此

の黙に關しては﹁戦争の嚢生李和の恢復に際して海上保瞼料を増減すべきか﹂との題下に之を論じ︑保瞼設券

署名後に職争が嚢生し平和が恢復しても︑特約の存在せざる限り︑約定保瞼料の増減をなすべき理由とはなら

ぬと述べてゐるより見ても︑之を首肯し得るのである︒

斯くて︑海上保瞼の成立後十四世紀から十七世紀にかけて︑職争危瞼は海上保瞼者0通常澹保する危瞼とし

て︑當時の保瞼誰券に約定されてゐたのである︒一六八一年の海事勅令は︑當時の保瞼謹券即ち竃碧の邑︒︒・矯

aZ9β9簿§5σq

(oo︒・oo⑰Q︒・ρ)(oωoo:・9oooo9oα

讐⑦謹P器箕伽"・亀諺・・:‑)保瞼者の員憺たること(︒︒⑦δ暮碧蕊ε8傷︒脇糟q︒︒︒⊆器霞ω)を規定したのであるQこの

海事勅令の規定は一八〇七年のナポレオン法典に縫承されて︑由八〇八年の佛蘭西商法第三五〇條は職争危瞼

を以て保瞼者の責任なることを明かにしてゐる︒亦一八九七年の猫乙商法は第八四八條'・第八四九條に於て︑職

箏危瞼除外約款に關する規定を有してゐるが︑原則として第八二〇條に於て職争危瞼の保瞼者員捲たることを

明記してゐるのである︒一九〇六年の英國の海上保瞼法(竃鎚旨︒竃q︒霞§8︾8μ㊤O①)は從來同國に行はれた

判例を法典化七たもσではあるが︑其の支配する法理は佛蘭西學者の所論に影響され確位されたものであつ

て︑同法第三條に言ふ竃舞三ヨ80籍ω中には≦︑霞二︒・寄を包含するを原則として︑職争危瞼を保瞼者の員澹

(5)

とするものであることを認め︑永年行はれたいδ旨げ℃︒ぽ矯にも竃§9話9さ窪§諒は共に保瞼者の責任

,

斯 様 に ︑ 立 法 上 に 於 て も 戦 孚 危 瞼 を 以 て 原 則 と し て 保 瞼 者 の 責 任 と な す 國 は ︑ そ の 外 に 和 蘭 ( 商 法 第 六 三 七

條)券蘭(商法第二〇七條)ヱスパニア(商法第七五五條)アルゼンチン(商法第一八〇七條)智利(商法第

=一二六條)ルーマニア(商法第六二八條)等がある︒之に反して︑職争危瞼を以て保瞼者の責任外と規定し

たる國亦少なからす︒即ち︑伊太利(商法第六三六條)ポルトガル(商法第六〇四條)モロツコ(商法第三五

八條)及び白耳義(一九〇八年の法律第二〇一條)等である︒斯かる相反する規定の行はる玉理由は︑前者に

屡する諸國家にありては海上保瞼者の危瞼澹保の滑革的理由より︑職孚危瞼を一鷹保瞼者の費澹としたものあ

り︑後者に屡する國家にありては︑近代の載孚はその規模と滲害の廣汎且つ深刻なる到底中世紀のそれと比較

にならす︑依つて保瞼者の危瞼員憺の維濟的理由から︑其の滑革に拘泥せす當然保瞼者の責任外とせる立法主

義をとつたものと解せられるのである︒

然らば我國に於ける立法主義知何と言ふに︑奮商法第九五九條二項は︑保瞼者は特約なければ戦争危瞼を員

捨せざる旨定むるも︑現行商法に於てはごの瓢に關する特別の規定を有せす︒從つて︑其の解繹に關する學者

の意見は相反する爾読に分れ︑一は之を以て保瞼者の責任となし他はこれを否定す.るのである︒前者に擦れ

ば︑職事危瞼を除外せる第六四〇條の規定は火災保瞼に準用せらるふ如く海上保瞼に準用せらる玉ことなきを

海上保陰に於ける戦孚危陰約款(久木)三入五

(6)

三入六

以 て ︑ 職 争 危 瞼 に 因 る 損 害 は 第 八 一 六 條 に 謂 ふ ﹁ 航 海 に 關 す る 事 故 に 因 り て 生 じ た る 損 害 ﹂ 申 に 包 含 せ ら る 可

き も の で あ る と し ︑ 亦 第 八 三 三 條 に 於 け る 船 舶 叉 は 積 荷 の 捕 獲 の 際 に 於 け る 委 付 を 認 む る 黙 よ り 推 し て ︑ 以 て

當 然 保 瞼 者 の 責 任 な り と 主 張 す も の で あ る が ︑ 之 に 反 し ︑ 後 者 に 於 て は 総 則 第 六 四 〇 條 は 當 然 海 上 保 瞼 に も 適

用 せ ら る べ き で あ り ︑ 從 つ て 職 争 危 瞼 は 當 然 保 瞼 者 の 責 任 外 と 主 張 す る の で あ る ︒ も と よ ρ 今 日 職 争 危 瞼 に 封

す る 海 上 保 瞼 者 の 實 際 的 取 扱 よ 砂 見 れ ば ︑ 後 読 を も 一 慮 背 定 し 得 べ き も の で あ る が ︑ 法 の 解 繹 と し て は そ の 立

法 精 神 に 之 を 求 め ね ば な ら ぬ か ら ︑ 猫 佛 法 を 母 法 と し て 生 れ た 我 商 法 の 解 繹 と し て は ︑ 海 上 保 瞼 者 危 瞼 員 捨 の

滑 革 的 理 由 か ら 前 詮 を 肯 定 し 之 を 探 用 す べ き で あ る ︒

以 上 行 論 の 順 序 と し て 一 懸 海 上 保 瞼 成 立 當 時 に 於 け る 海 上 保 瞼 者 の 職 争 危 瞼 に 封 す る 態 度 に つ い て 述 べ ︑ 各

目)UNo剛ニohH8.

)U︒・︒ぽω・・一HHψ︒︒304o

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ε団σq9"$9ψ・・9︒・8pσq目婁$2"H︒︒αo;.

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(7)

二 載 箏 危 瞼 に 勢 す る 保 瞼 謹 券 上 の 責 任

今 日 の 職 争 は そ の 規 模 大 に し て 滲 害 の 廣 汎 深 刻 な る と と は 特 に 言 ふ 迄 も な い が ︑ と れ が 海 上 保 瞼 者 の 責 任 に

野 し て 如 何 に 影 響 及 ぼ す か に 就 て 見 れ ば ︑ 二 方 面 か ら こ れ を 考 察 す る こ と が 出 來 る 響 先 づ 笙 に ︑ 撃 筆

和時に於て経験せざる新たなる性質の危瞼を嚢生せしむることである︒即ち︑襲撃々沈捕獲等の如き職争手段

に依るものであつて︑しかもこれ等の危瞼が與へる損害の率は非常に高いものであつて︑保瞼者の危瞼測定の

技術を以てしては容易に計量し得べ寒性質のものでないことであゐ︒第二に︑職争歌態の櫃績は職箏危瞼以外

の通常の海難を瀕稜且り増大せしむることである︒これを今次の第二攻欧洲大職に徴して見ても容易に理解し

得るところである︒即ち︑亀英國の男︒巻一ζo霞§809の︾.囚・田ξ言8氏の言ふところに擦れば︑職争歌態

は海上危瞼を平時の六倍に増大したとなす︒何が故に斯くも増大したのであるかと言へば︑その理由としては

蜀ぎ⑦三×諺器葺碧809の即,鴫.の冨言ゴ氏が同就の昨年の年次総會に於て指適してゐるやうに︑第﹁に職争妖.

態は船舶を不慣れな航路や航海に配船就航せしめてゐることであり︑第二にに燈火を滅して而も護衛船付の集

團航海をなさしめることであり︑第三には從來得られた航海上に必要なる諸種の便宜供與が停止してゐること

である︒眞にその通りであつて︑職争は通常の海難の稜生に樹して意外な影響を及ぼすものである︒

近代職が総力職であり︑一國の海運力も學げて職争目的途行の爲に動員せられて丙る以上︑かxる深刻重大

海上保瞼⁝に於ける戦争危険⁝約款(久木)・.,三入七・

(8)

三入八

なる影響を從つて海上保瞼業者にも加へ來たるこ乏は當然であるが︑中世時代の戦宰にありても︑職争状態の

存在は平和時代に於けるよりも︑より加重の員澹を保瞼者に與へた黙は否定し得ないであらう︒されば職孚の

規模滲害が度汎且つ深刻化するにつれ︑普通の海難と共に職争危瞼をも同時に員憺す'る保瞼者の要求する保瞼

料は︑從つて干和時代に於ける普通の海難のみの責任を員へる保瞼者の要求する保瞼料よりは更に高率となる

は止むを得ないところである︒斯くて平和時代が來りて載孚が例外となるにつれ︑船主も荷主も高率な保瞼料

の低下を希望する爲に︑職箏危瞼の保瞼者責任より除外を承認するに至り︑保瞼者も亦︑稀に生起する戦争危

瞼率測定に悩まされることを欲せす︑保瞼料の正確な算定を求めんとして︑﹁鷹職争危瞼を除外することに依

り其の責任を輕減せんとするに至つたのであるコ蝕に於て海上保瞼者員捲危瞼中よりの職争危瞼除外は原則的

に確立されるやうになつたのである︒然む乍ら︑保瞼者の職争危瞼員捲の時代から直ちに︑斯くの如き原則的

職争危瞼除外の時代に移行したものではない︒そこに至る迄には︑海上保瞼者は依然職争危瞼を員憺し乍ら

も︑職孚が杜絶へ雫和が績いた時は從來の保瞼料率の引下げを行ふに至つたのである︒然れども︑平和を豫測

じて取極められた保瞼料は︑もとより戦争の獲生に際しては不充分である︒それで保険者はこれが爲に増大す

,る損害を豫測して︑保瞼契約上特約を挿入することに依り︑保瞼期聞中に職争の嚢生した時は保瞼料の増額を

要求したのである︒敏に於てか︑佛蘭西商法第三四三條に次の如き規定を生むに至つたのである︒即ち︑﹁將

來稜生スルコトアルベキ職争ノ際ノ保瞼料ノ培額ヲ準和ノ時二特約シ且ツ其ノ増額ノ程度ヲ保瞼契約ニヨリ定

(9)

メナルトキハ︑裁判所ハ危険其ノ當時ノ事情並二各保瞼誰券ノ約款ヲ掛酌シテ其ノ額テ算定ス︑ベキモノトス﹂

と︒斯ぐの如く︑職時と平和時との聞に保瞼⁝者の課する保瞼料額に差異を生ぜしむるに至つたのであるが︑後

には⁝戦孚危瞼の員澹を欲する者は︑職争の宣言せらる玉迄之を留保し︑叉は前以て通常の危瞼に封する保瞼料

を特約すると共に︑⁝戦孚嚢生の際には⁝戦孚危瞼の爲の割塘率を定むるに至つたのであるゆ即ち︑鼓に至りては

保瞼者は原則としては職孚危瞼を他の航海危瞼と共に員憺するのであるが︑職争危瞼と通常危瞼どを匝別し

て︑即ち職争危瞼に樹する猫立性を認識して職争保瞼料(職時保瞼料ではない)の約定をなすに至つたことで

ある︒r後之が再輕して﹂原則として職孚危瞼の除外となつたと言はねばならぬ︒︑

︑扱て︑職争危瞼の除外が保瞼誰雰に現はれたのは何時頃かと言へば︑相當古くから行はれてゐたものと言は

ね博ならぬ︒猫乙では津9くo昌囚幕鴨§︒げ2約款の現れたのは十六世紀頃であるとし︑叉Zξh母︒︒︒︒σq︒碕訂

約款は既にくンザ同盟時代の保瞼取引に}般的であつたと構せられてゐる︒英國でも相當古くより行はれたも

の玉如く︑◎︒.O・h♀巳の=o篭.ω弓集2が出現した翌年の﹁七八〇年二月二十六日附の謎券に︑既に︑.≦ず7

旨暮&臨⑦oo騰司民窪︒Fo自℃§房﹃き傷︾韓︒ユ§昌O巷門霞︒9僧巳昏︒8蕊o日窪8のo臨9量魯器ヨ"齢島28粋︑.なる

約款が存在してゐたのである︒佛西蘭ではそれより更に薪しく︑﹁八四〇年頃より職争危瞼外が行ばれたもの

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'

斯くの如ぐ︑職争危険除外の歴史は相當に古く︑・そして屡々斯かる除外の方法をとられて來たのであるが︑

海上保瞼に於ける戦争危陰約款(久木).三入九

(10)

三九〇

今 日 の 如 ぐ 職 争 危 険 の 與 へ る 績 害 の 甚 大 な る に よ り ︑ 保 瞼 者 は も と よ り 被 保 瞼 者 に 於 て も ︑ 通 常 の 海 上 危 瞼 は

低 率 の 保 瞼 料 を 以 て 確 保 し ︑ 職 争 危 瞼 の 如 き は 其 の 必 要 に 癒 じ て 附 保 ず ゐ を 得 策 と す る に 至 つ 元 の で , 職 争 危

瞼 除 外 約 款 は 十 九 世 紀 の 中 葉 以 降 盛 に 用 ぴ ら れ ︑ 今 日 の 海 上 保 瞼 者 は 一 般 に 職 争 危 瞼 を 捲 保 せ ざ る の を 原 則 と

)してゐるのである︒そしてこれは︑我保険誰券の普通約款や佛蘭西保瞼誰券普通約款の如く.始めより原則的

に之を除外するものと︑英國の口︒琶.・︒唱︒一一身の如く其の形式に於ては一慮戦箏危瞼を保瞼者の責任と認め︑

之に野する除外約款を印刷附加するに依り之を重れんとする二つの形式があるが︑何れも今日職争危瞼を當然

保 瞼 者 の 責 任 外 と し て ゐ る 鐵 に 於 て は 楡 ら な い の で あ る ︒ 更 に 亦 戦 争 危 瞼 の 除 外 ぱ 弐 め 二 つ の 方 法 に 於 ︑譲 ハ し ゼ で ゐ る ・ 嬰 篁 鑛 争 が 開 始 し 其 の 航 海 の 危 駿 禦 饗 さ れ 乏 至 殺 撃 獲 生 後 の 日 切 の 危 臨

ち職争危瞼はもとより普通の海上危瞼をも保険者が員捲せざる旨を特約する方法であつて︑猫乙の孚︒才8

拗・囚昏碧ヨ巳㊥象の條件に依るものである︒他の﹁つは職争危瞼のみを除外するものであつて︑とれは猫乙の2旨

凄峠の8㈹︒富訂の如く普通海上危瞼のみの員憺を表明してゐるものと︑英國の司・O・粋¢Ω窪8の如き一鷹職

.争危瞼を侃瞼者の員捲とし乍ら︑之を特約に依ゆ除外するものであつて︑何れも憲常の渤卦危険に封しては依

然 と し て 保 馨 餐 任 を 集 る も の で あ る マ .

以上の如く︑戦宰危瞼は保瞼誰雰よゆ通常除外されてゐるのであるが︑一旦職争が獲生し叉はその危瞼ある

とをは︑船主荷主共に非常な危瞼に曝されることNなるのであるから︑職事危瞼め員澹を保瞼者に要求するの

(11)

は當然であり︑此の場合保瞼者の力に依りてのみその員澹が満足に行はれ難いときは︑國家が直接に職争危瞼

を引受け又は保瞼者をして一旦員捲せしめたる後再保瞼又は補償の方法に依り︑國家の保障するとこ6なるは

第二次並びに今次大職を通じて吾人の既に維験してゐるととろである︒

然らば︑職争危瞼の員捲は如何にして行はれて來たかと言へば︑英國に於てはい♂凱︑ψ弓9凶2を以てする場

合は次の如き方法が行はれたのである︒即ち︑置︒冠︑︒・宕一ξにはA及びBの二形式ありてA型のものは9嵩

静冨に封する保瞼誰券でこれには職争危瞼除外約款(両・06曾︒︒●Ω9蕩︒)が印刷されてゐない︒從つて此の形

式を使用夕ることは︑本文にある保瞼者の捲保危瞼記載の即'ち男︒邑肋鉱きωo中の§窪9≦碧︾窪︒ヨ冨︒・黛︒●

の文言に依り︑それ自燈職孚危瞼捨保を意味するのである︒然るにB型のものは即ρ曾︒ゆ●Ω辞q︒︒が印刷さ

れてゐるが爲に︑職孚危瞼を保瞼者の責任とする爲には︑この條項を抹消しなければならない︒斯くの如くこ

の爾者何れを使用するによりても保瞼者の戦争危瞼播保は行はれるのであるが︑保瞼者は更に一暦之を明確な

らしむる爲に︑此の爾形式ともにその絵白に即ち慣習上評債額記載の絵白に手記を以て..≦︑母吋♂寄8器器ユ︑.

なる文旬を挿入するのである︒然し乍ら︑前大職中此の方法に代つて職争危瞼捲保の特別約款を添付する方法

が探られるに至つたのである︒それは職時に於て保瞼誰雰上κ即ρ曾φΩ器ω︒を存置し叉は之を削除する

こと即ち職箏危瞼を澹保するや否やは實に重大な問題であるから︑特別約款を加へて司●O●曾︒︒.Ω碧ω⑦に依

り除外ざれたる危瞼を捲保する旨を特に明瞭ならしめたのである︒勿論こかが爲に保瞼者の捲保責任がピざマ

海上保瞼⁝に於ける戦孚危瞼⁝約款(久木)へ三九一

(12)

三九二

畠げ弓島昌のA型式を用びた場合と何等差異を來たしたものでぱないが︑ロバ文言上℃︒﹁凶﹃︒冨霧・の憺保危瞼よ

リ廣汎に規定されてあるに過ぎないのである︒猫乙では一九一九年の海上保険定則(≧㎡︒ヨ︒凶昌︒b︒⊆け︒︒昏︒

加§︒尋ぎ藷"・切︒象昌σ・庭9)中の笙二篠に規定せるZ費穿姿︒臓・⁝︒建吋及び笙二二條窺定せ

る︾蓉ぴ{静囚幕σqg・σq︒貯腎の條件に依り保瞼者は職孚危瞼を澹保するのであるが︑前者に於ては職争危瞼のみ

の員捲左示めし︑後者に於ては普通の海上危瞼と共に職争危瞼に封しても責任を員ふのである︒尚積荷保瞼に

關しては一九三八年に探用された世界的な≦︑彗窪げ︒彗⑦︾σQ器︒ヨ窪臼を含む職争危瞼約款(U︒葺ω︒ゲ.囚円一︒臓︒︒匡㌣

器︒=㊤︒︒︒︒)がある︒佛蘭西でも職争危瞼の捲保は保瞼讃券面に其の旨手記するか︑叉は他の諸國と同様特別に職争危瞼に關する保瞼契約を締結するに依り行はれ來たもの瓦様であみ︒我國の實際は大艦英國の慣行に從

び︑ぎ︒・昏9・Ω碧ω窃の使用に依つて職争危瞼の澹保が行はれて來てゐる︒尚積荷保瞼に關しては他の諸國と同

様≦︑暮巽げ︒彗・︾噴需已睾θを含む甘ωけぎ9≦霞曾ω窪冨Ω≧の$の使用に依つて行はれてゐる︒

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・三戦璽危瞼約款の解繹..

.職争危瞼捲保の爲に添付さる玉保瞼者協會約款(目諺捧90Ω豊ω⑦︒︒)の申の職璽危瞼約款(≦舞Ωき肱︒︒︒)は︑一 附随の諸種の約款を存在してゐるが︑︑直接職争危瞼に關しての主要,なる約款は次の三つ︑即ち一憺保危瞼に關( ノ する約款二航海破棄絡款(一場円二¢費円9θ一〇︼口(U一9信ωO)三危瞼の場所的制限としての堀9§ぴ︒ヨ︒︾鵯︒§︒昌これ((

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(14)

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ヨ貯︒︒冨器︒の三部に分ちて規定されてゐる︒最初に即d夙紳の●6ド蕊︒に依レ排除する危瞼を憺⁝保すと言ひ

乍ら︑別量に穿豊︒.・.冨︒を蓮附磐るの理由は︑冒8量︒.・以下の語な曾叶喜の§N・以下の語︑

(15)

を 表 示 す る 近 代 語 で あ つ ℃ ︑ こ 船 に よ り 保 瞼 者 の 職 争 危 瞼 憺 保 の 責 任 ぞ 明 か に し た に 過 ぎ す し て ︑ こ れ の み を

以 て 足 る と 思 は れ る の で あ る が ︑ 保 守 的 な 英 國 が 職 宰 危 瞼 除 外 約 款 の 排 斥 を そ の 儘 残 し た の で は な い か と 思 は

'

れる︒然し乍ら妄りに之を憶測すべきでないかも知れぬ︒〜倖(磯購保瞼誰券への職争危瞼除外約款の挿入は既に述べたやうに﹁八七八年のζ︒且︑︒︒唱︒一凶2に﹁これを見るのであ

るが︑その挿入が屡々行はれるやうになつたのはナポセオン戦争時代よりと言ふことが出來る◎それはナポレ

オン職争時代には守三6海澹岸の諸港は屡々英國に封して敵性を有する状態に置かれ︑從つて此の方面への

通商航海は特定の目的港を定めることなく行はれ︑荷揚港の選繹はその時の事情に磨じて船長の愼重な判断に

.委ねられてゐたので︑當時の即ρ欝︒り・Ω碧器は津8︒剛︒磐ε器碧自ω︒ぎ̀器ぎ℃︒昌9℃︒ユのと誉口ふが如

き簡軍なものであ・りて︑問題となつたのは荷揚港(B冨o略象︒・︒げ碧㈹︒)に關⁝してfあつた︒然しこの問題は今自

では殆んど其の重要性を失つてゐる︒この約款が一八六三年即ちO巷⑦国葺窪9︒ω事件判決當時には..津︒︒亀

'O巷ε器騨︒︒o冒⊆器9巳o剛70ω巳三8自昏︒8昌ω︒ρロ窪8ω}︒器o糠"となつて}oω梓罠ユoω以下の攻句が附加さ

れ︑一八八三年=︒且.︒︒に於ける全英國海上保瞼業者の會合に於て探鐸された戸ρ粋¢Ω碧︒・・にはξ9苧

凶︒︑.2$&..}HεΩ§︒︒

更に︑.≦冨昏︒旨鑑︒器自聾突U8蜜這けご昌亀毛僧㌧︑なる文句が見受けられ︑一八九八年並に一八九九年には

現今に近い約款となつてゐ厨9そして一九三七年には大改正が加へられ︑.国話2︒x8U9ら︑は削除されて海賊

梅上保険に於ける戦争危瞼約款(久木轟),︑三九五

(16)

危瞼も共に排除される様になり︑同時に︑で討o島霞げ無O器OH錬言㎏Uo9薗冨侍ご溢9

,}︒三一ミ舞以下の語句を追加されて現今の約款となつたのである︒

N碧︑︑⁝攣.憾

︒︒q・9(

國際法に於ける職争(ミき互︒㈹導σq器霞︒)は猫立國家叉は交戦團罷聞における自己救濟の最後手段であり︑

力を以てする権利の主張(碧蓄巨§︒寄受げ︒冨ξε轟)であつて,相樹立する爾者闇に武力にある闘争が行は

れ惹を常とする︒從つて職争を闘争と解する行爲読と平和關係の噺絶状態を指す状態読がある︒然し乍ら︑現

時の國際關係に於ける諸現象を最も良く読明し得るものは歌態読であつて︑海上保瞼の場合に於てもこの読を

探 用 す る の が 便 宜 で 象 ・ 而 し て 海 上 保 瞼 に 鶴 る 職 争 は 葵 廣 義 に 蟹 れ て お り ・ 屡 法 上 撃 と 認 め ら れ

ぬ 場 合 を も 含 む の で あ る ︒ 從 つ て 國 際 法 上 の 意 義 に 於 け る 職 争 は 常 に 海 上 保 瞼 法 上 の 意 味 に 於 け る 職 争 で あ ろ

が ︑ そ の 逆 は 必 し も 眞 な ら す で あ る ︒ さ れ ば 國 際 法 上 交 職 橿 を 認 め ら れ ざ る 團 罷 闇 の 圖 争 は 勿 論 海 上 保 瞼 に 於

ける職争と解ぜられるのであるから︑佛蘭西船舶保瞼詮券には保瞼者の冤責危瞼を述べるに當り︑..σq︒衰興亭

魯窃ρ琴一8昌ρき︒︒ヒ9日げ︒=⑦言︒ヨす冨8昌菖9昌︒詠器8昌旨二なる語句を以て示めしてゐる︒亦國際法上の職

孚には一九〇七年のへーグに於ける万國畢和會議に於て宣職の布告を要求し︑之を以て職争の開始が認められ

るのであるが︑亦其の絡結は嬉和條約の締結を以てせられるのであるが︑海上保瞼に於ける載争は宣職布告の

(17)

覆にょり碁観念糞にするもの冷ない・それ穿書§二︒冨.H9沖.6..ぎま:h暴鴎・︑の.斎

が司・O・粋印Ω碧・・①に附加されてゐたのが︑今次の職争に於ては︑日支事攣の如き宣職布告なき事實上の職

箏が行はれてゐる關係上︑これは更に改定されて︑で冨臣巽島窪⑦ぴ︒9畠︒島随謎叶凶80貼ミ器oNぎ隻.となつて

之を明示してゐる︒職争の絡結に關しても同様︑嬉和條約の締結後と難もこれを知らすして行はれた攻撃は依

然職孚危瞼たるを失はないであらう︒︑一︑

海上保瞼者の員澹する職争危瞼の最も明白なるものは︑もとより職闘行爲による損害であるが︑職箏危瞼約

款に於ける国09・窪三亀は英國栽刹所の判決に於ては︑職圖行爲の意昧に解せられてゐるのであつて,それは

彼の有名な一九二一年の昏︒男︒9旨冨β昏︒竃註魯罫爾事件に於て︑い︒乙≦︑鴫窪9麸は﹁頃︒ω隻三︒・・は職争

歌態の存在(昏oo×犀窪80剛9︒・富90幽≦母)を意味するものでなく︑職闘行爲(︾9ωo出ぎ切ユ蔦凶団)叉ば職岡行

動(○鷺§二〇昌ωo轡ずo︒・巳謬鴇)を意・味するのであるo﹂と言ひ︑叉同事件に於ける・boa︾け窪昌ω︒昌は﹁出︒︒︒窪窪︒ω

は更に亦本來の意味に於ける交職(切・崇伊Ω自①昌2)即ち一國が他國との職孚歌態にあることの観念をも表するの

で︑その意圖するところは︑・現實に職争が行はれてゐる場Aみ攻撃的(O穿蕊守o)防禦的(曾ま蕊冨)叉は時と

して保護的な性質たるを問はす︑これ等の行動一切を表示せんとするのである︒﹂と述べてゐる︒さればその

破壌行爲が政府の武装せしめた團盟の行動の結果であらうと又は軍なる個人の行動に依るものであつても︑そ

れは政府の命令に基き又はその決定せる國策の途行の爲に行動したものであるならば︑これを団8ユ年一8の

海上保瞼に於ける戦争危瞼約款(久木),・三九七

(18)

三九八

中 に 包 括 す る ︒ そ れ は 前 大 職 申 一 猫 乙 人 が 確 詮 は な い が 恐 ら く 政 府 の 命 令 に 基 い て 行 動 し た と 思 は れ る の で あ

!)

るが︑時限爆弾を船内に装備して爆嚢した事件に於て︑それを口8ユま︒︒に依るものと判決されたのがある︒

然し乍ら︑この場合その行動が假令敵封的なものであつても︑軍にその個人の愛國的感情から自由意思に基い

て行はれたものであるならば︑これを約款の意味に於ける碁︒︒θ津凶窃の申に包含しないとされたのである︒

︑職争危瞼捲瞼約款に於て踏8集幕︒︒と.≦︑魯集冨8無註︒蕊との匠別に就ては︑共に拉列されてゐる關係上

特別σ關心を惹かないかも知れないが︑=︒︒・集三︒q︒に封七てはより狭いそして嚴格な解繹がとられてゐるので

みつて︑︑それは攻撃的たると防禦的たるとを問はす︑事實載争に特有な物的破壊行爲を指すものとされてゐ

ゐ︒﹁'/〆

〆然らば︑ぐく9島貯︒o弓o轟瓜o昌ω︑の血息味如何と言ふに︑この語に⁝封しては国o︒・亀一ユ霧の場合よりも夏に廣い意鋤義が附加されてゐる︒い︒a≦︑暮霞蕊に從へば︑ごの語は現實に職争歌態が存すると否とを問はず︑交職團禮

が職争中に探るが如き行動(︒︒9ず︒窟蚕門ご蕊器び亀一黄窪§富冨く︒器8霞︒・⑦8ぎ笥錠9︒臥昏窪讐昌︒︒,け櫛言亀

≦母︑︒×互︒︒)一切を指すものであり︑例へば同盟國又は交職國の爲にその國内に於ける叛齪の鎭墜の如き攻撃

的の場合叉は防禦的の場合に就て謂へるし︑叉宣職布告前に於て攻撃を豫想して水雷敷設をすが如き場合を言︑

ふのである︒

此 の 軍 事 行 動 に 關 し て 注 意 す べ き は 軍 艦 の 行 動 に 就 て 壁 あ る ︒ 軍 艦 の 行 動 ぱ 一 切 之 を 軍 事 行 動 と 見 る 可 き

(19)

か︒職時に於て軍艦の雫和行動を想起するのは因難であるので曾寓潜簿及びの冒2氏等は斯くの如き軍事行︑

鋤動と平和行動の匠別の存在を否定し忙ゐるもの曳様であるが︑一九二一年の昏⑦国6冨a号U9ほ一欝αQ即事件に

於てい︒a≦︑器暮二量は︑輩に艦底清掃の爲に叉は汽罐の検査の目的で入渠の爲に港へ向けての航行中は軍事

行動には属さないし︑亦艦隊の一部叉は掃海艇が給炭船ど合する爲一定の場所に航行し︑炭水補給に從事する

ときは︑軍事行動を停止したものであつて︑その行爲は軍に軍事行動に入る前の準備行動でありそれ自身必然

的 に 軍 事 行 動 で な い と さ れ て ゐ る ︒ 然 し 乍 ら ︑ 職 時 交 職 領 域 内 に 行 動 し 職 闘 任 務 途 行 の 途 中 に 於 け る 軍 艦 の 行

動 は 一 切 之 は 軍 事 行 動 に 薦 す べ き も の で あ り ︑ ﹂ 從 つ て 敵 潜 水 艦 を 捜 索 し つ 製 海 上 を 哨 戒 す る 騙 逐 艦 は 軍 事 行 動

に 從 事 し て ゐ る も の で あ り ︑ 亦 商 船 の 護 逡 に 從 事 す る 軍 艦 の 行 動 は 假 令 そ れ は 交 職 水 域 外 に 及 ぶ と 雄 も ︑ 軍 事

行 動 に 屡 す る も の で あ り ︑ そ し て 亦 通 商 に 從 事 す る 護 邊 船 隊 に 合 す る 爲 に 航 行 す る 場 合 も 同 檬 で あ る と さ れ て 勒 ゐ る ︒

次 に 商 般 に 關 し て 之 を 見 れ ば ︑ 今 次 大 戦 と 同 様 前 大 職 申 交 職 國 船 舶 の 殆 ん ど 大 部 分 は そ の 政 府 に 徴 震 さ れ て

今 日 の 意 味 の 自 由 船 が 稀 で あ つ て ︑ こ れ 等 の 商 船 は 軍 艦 と 共 に 職 圖 任 務 に つ い た か 又 は 職 争 の 爲 に 必 要 な 特 別

4な條件の下に商船としての航海に從事してゐたのであるが︑これ等は総べて軍事行動ともて見られたか何うか

と言へば︑必しもそうではなかたつのである︒此れ等を軍事行動と見るときには相當制限的な特殊の場合に限

られてゐだ様であり︑原則として護逡船付航海叉は消燈航海は︑後に述べる如く︑商業的活動志しか見られて

海上保瞼⁝に於ける戦争危瞼約款(久木)ミ九九

(20)

四〇〇

ゐない︒それから︑軍需品原料を運途する場合に︑假令それが後程政府に依り職箏資材に振向ける目的を以て

する場合でも︑それは普通の商業上の活動に過ぎすと判決されており︑普通の商艀が徴用されたると否とを問

はす︑野⁝戦病院車軍需品軍除等の輸逡に於てぼ軍事行動であるとし︑亦病院船として傷病兵の輸邊は同様に判

婆 れ た の で あ 煽 ・ 叉 漿 艦 と 見 誤 つ 眞 流 物 蜀 し て 探 結 た 防 衛 的 行 狸 之 を 肇 行 動 と し て ゐ 葡 ・ そ れ

で軍事行動と平和行動との間に正確なる標準を立てることは甚だ困難にして︑その匝別は結局事實問題となつ

てゐる︒積荷の性質に依つでその航海の性質が定まるのでなく︑寧ろその船舶の性質就中その航海目的に就て

之を考察しなければならぬのである︒それで英國の判決は船舶が職争の性質を帯びた行動に從事してゐたと言

ふ事實に依り︑その獲生せる損害を職争危瞼に依る損害と見てゐるのである︒

以 下 職 争 保 瞼 に 於 て 常 に 問 題 と な る 二 ︑ 三 の 具 艦 的 な 事 情 に 就 て 職 争 危 瞼 性 を 検 討 し て 見 る と ︑ 第 一 は 職 時

勒に於ける船舶の行衛の不明(民︒・切ぎ㈹︒︒窪甥)に就てfある︒英國の古い制決は之を以て海難に起因する損害とし

て取扱つてゐる︒然し乍ら︑船舶の航海當時の歌況並に其の航路に於ける歌態の如何に依つては︑例へば潜水

艦の跳梁する匝域内にて行衛不明となりたるが如き︑叉は機雷原通航中の行衛不明の如き︑もとより之は戦争

危 瞼 と 見 ら れ て ゐ る ︒ 然 b そ の 場 合 海 難 に も 戦 争 に も 適 磨 さ れ る 如 き 事 情 の 存 す る と き は 英 國 の 判 決 は 海 難 と

してゐる︒この判決には私は承服し難い︒とれは當然職争危瞼と解繹すべきである︒伊太利では一九一七年九

助月二日の勅令第}號を以て︑職時中の行衛不明は職争に因る損筈と推定した事は︑蓋しその當を得たるもので

(21)

第二は無燈航海(§<奮け団8ω碧q・幽2×)即ち當局より消燈を命ぜられて航海中その爲に損害を嚢せる場合は︑

英國の判例は之を以て職争危瞼とは認めておらぬ︒蓋し︑斯かる手段はもとより職争危瞼に封する豫防的なも

のであるが︑輩に一般的な虜置に過ぎすして直接戦圖行爲に封する防衙手段とは考へられぬ︒間接的なものに

過ぎない︒故に之に職争行爲性を附與することは出來ぬ︒輩なる戦争歌態の一と解羅せられる可きである︒

第三は燈豪の滅火(目益昌a89静喜錠窃)であるが︑これも無燈航海同様英法に於ては戦争危瞼とは認られ

.

24ておらぬ︒然し乍ら︑此の場合特に暗礁多く危瞼なる箇所に偶々其塵に航海する敵艦般を誘致しての積極的加

害手段たり得るが如き燈豪の滅火は︑盟丁に燈毫が滅火されてゐるが愼重なる注意を以て同避し得られるエが如

き箇所に於けるものとは砥別せらる可きものと思ふ︒︑蓋し後者は軍なる職孚歌態の﹁に過ぎないが︑前者は之

翰に戦孚行爲性を附與し得べぎものと考へられる︒﹂

最後に護邊般付航海(麸く罰σq9︒けδ昌窪8昌く9)に就ても右と同檬に結論し得るのである︒即ち︑此の形式に擦

る航海ば⁝載争状態の一であり︑通常の航路を般團を作つて敵の艦船航室機に警戒しつ玉航海するのは⁝戦時に於

ける一般的虚置であつて︑これに樹して職争行爲性を附與し得ない︒然し乍ら︑︑平時船舶の通航せざるが如き

危瞼水域を船團を形成し護逡されて航海を行ふは︑確に職争行爲の一種と見て之を︑≦・9臣冨︒冨話ま旨と考

へ る こ と 奮 來 る ・ 羨 は 嚢 船 付 航 海 は 軍 事 行 動 蔑 妾 ざ る も の と 判 決 し て ゐ 転 ・

()'̀.︑‑

(22)

四〇二

亥に約歎に謂ふ︾=8霧︒ρ器9窃9ぎ践年一8碧傷≦9島ぎ︒眉巽葺︒昌︒・の意義如何に關しては︑之をピ︒乙

ミ誘菩g越の指摘せる如く︑龍8蕊①豊§︒89島︒⑦×蓉︒昌8︒{曽曾舞︒︒抽ミ舞と解すべきではないのであ

/

つて︑斯くすれば職時申の危瞼を﹁切包含する虞れあるを以て,これを斗まN§︒o恥38酔濠受と解すべく︑亦

幼これ以上の意味を持つものではないのある︒即ち︑﹁損害の原因全艦に封して謂ふもので(8£ξ︒ぼ碧¢︒︒・)そ

の蓮績(島︒律ωβきロ8)に就て謂ふものではない︒此れ等の語は捕獲掌捕又は抑留抑止等職争行爲叉は軍事行

動の諸事故を一々列學して長くなるを防ぐ爲に用ぴられてゐるのである︒・.⁝隔そしてその種類形式を問はすn

恥職闘行爲叉は軍事行動は損害の近因たることを要するのである︒﹂從つて損害がO︒昌ω︒自窪8ω9ケ︒切ユ一三$

9魯≦粒集冨b需冨門ご蕊に因ることを確定する爲には︑先づ第一に職争行爲叉は軍事行動が現實に行はれたこ

と並にその行動の結果が損害の優力且つ有数なる原因であるととを必要とするのである︒

(ロ)

Ω<.﹂ミo<oPo=oPHooo8

海上保瞼に於ける職箏の意義は國際法上のそれよりも廣義であるζとは既に述べた通りであつて︑國際法上

交職権を認められたると否とを問はす︑職争に類似の力争歌態が存するときはこれに同様の意味を與ぺるのが

常である︒内齪(9︿質≦舞︑σq⊆︒議⑦︒ぞ一5剴穿㈹自す8σq革令(閃⑦くoぼユo昌)叛鼠擾臨(夘ゆげ︒崇oP冒ω舞90aoP国7

ゴo浄農)ばどれに馬する︒内齪や革命を職争危瞼と認むる黙に就ては各國共同檬である︒叛齪擾齪に關しては

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