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三つづめチャックの影響を考慮した 円筒形状工作物の加工誤差の研究
門脇義次・今田良徳
AStudyontheErrorsofTurnedWorkpieceCaused byaThree‑JawLatheChuck
YoshitsuguKADowAKIandYoshinoriKoNDA
(2000年11月28日受理)Itissaidthatthechuckplaysanimportantroleontheaccuracyofthemachinedsurface.
Buttherelationbetweentheaccuracyandthechli℃king‑rigidityhasnotbeenenoughinves‑
tigated. Inthisstudy,aworkpieceisturnedbyanordinaryway. Inordertoevaluatethe inHuenceofthechuckontheerrorsofroundness,thesurfaceofthecylindricalwork‑pieceis
tracedandstudied.Astheconclusion;thesectionofturnedworkpiececonsistsofanellipse andatrianglethatdeterminetheerrorofroundnessofthemachinedsurface.緒 れるかを実験的に検討している。
一 二
1 巨
機械加工において,工作物取付け具の支持剛性が,
加工精度に多大の影響を及ぼすことはたびたび指摘 されている(7)'('0)。
なかでも,大量生産される機会の多い,円筒形状
部品の場合,高能率加工を保ちつつ,更なる加工精 度の向上を目指すときに, ボトルネックとなってい
るのが,三つ爪チャックの支持剛性の方向依存性で ある(') (6)。しかしこれまでの研究では,切削抵抗に換えて,
外力を静的に加えて行った実験結果を元に検討され たものが多く('1) (23), その研究は十分に行われてこ
なかったように見うけられる。そこで,本報では実 際に切削抵抗が作用したときに,チャックの支持剛
性の方向依存性が加工後の断面形状にどのように現2. 実験方法
表1および図1に,旋削条件などを示す。突き出 し長さが工作物直径の3倍を越しており,爪には突 き当て面を設けていないために,工作物にとって弱 い支持条件であると言える。このため,工作物断面 にはチャックの影響が出やすいと考えられる。爪は 生爪を用い,把握面は, 0.01mm以内の加工誤差と なるように中く、り仕上げされている。また,把握の 強さは, 3段階,切込みは2段階,切削速度は3段
階に変えて,それぞれの影響を調べようとしている。
表1 把握条件と切削条件
WorkpieceDiameter:D(mm)=50 GrippingLength:Lg(mm)=20
GrippingForce:Fg(KN)=40,60,80
DepthofCut:Dc(mm)=0.5,1.O FeedRate:F(mm/rev.)=0.18 CuttingSpeed:V(m/min.)=78.5,98.9,125.6
SinglePointTool: ‑6,‑6,6,6,15,15,
0.8mm
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肌銅Ⅲ︒3
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図1 実験方法の概略
平成13年2月
−9−
三つづめチャックの影響を考慮した円筒形状工作物の加工誤差の研究
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P
図2 3点における断面のトレース例
断面によって,異なっている。このため,おむすび
形状はねじれの関係にあることになる。そこで, これを詳細に見るため, トレースした各断面について,
図3に示すように, 30度ごとに12点の振れを読み取
っている。
工作物は先端より180mmについて,片持旋削を
行い,先端付近(P1),中間点(P2),爪の近< (P3)の3点について,真円度測定機を用いて断面形
状をトレースし,検討を加えた。3. 実験結果および考察
3.2 Fourier級数展開
各断面から得られる振れの値を図4の上段のよう に,2元を周期とする関数とみなしてFourier級数に 3.1 旋削後の断面形状
旋削後の3断面を比較した。その例を図2に示す。
この例では工作物の先端に近いほど(P1),三角形
(おむすび形)が強調されている。ここで, P1, P
2はその半径方向を1000倍, P3では2000倍で示しており,それぞれの真円度は,P1において25"m,
P2において20.8"m, P3において13.9"mとなっている。従って,工作物の先端で加工誤差が大き く,チャックに近い断面では,加工誤差が小さいと
ともに,楕円に近い形状となっている。 さらに,おむすび形の場合, 山の高いところが現れる場所は,
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1/2 1 2/3 2
AngleCrad
○
ソ=9.866+1.740×cos(0.5233x‑0.6677)
+1.993×cos(1.0466x+1.022)
+1.746×cos(1.5699x‑0.6382)+1.085×cos(2.0932x‑0.8639)
図4 周期関数としての断面の振れとそのブーリエ級
図3 断面のトレースで振れを求める点数展開
秋田高専研究紀要第36号
八
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I 鈩
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一戸
I / I ハ ゾ
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己/
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門脇義次・今田良徳
展開すると,下段力罫得られる。これを一般化すると,
Y=C。+C,Cos(x−め1)+C2Cos(2x−め2) +C3Cos(3x−j3)+C4Cos(4x−め4)
ここで,各断面の振幅と位相は以下のように考え られる。
Co :振れの平均値
CⅡ :断面をトレースする際,測定上現れるもの で,旋削仕上げ面の粗さに相当する。
C2 :切削中,工作物1/2回転を周期とする波形の
振幅である。このことより断面は楕円形となる。工 作物がチャックに対して傾いて取り付けられたた め,切削抵抗の曲げ作用により,チャックに対して 1方向に往復運動する結果発生すると考えられる。C3 :工作物1/3回転を周期とする波形の振幅であ り,断面は三角形(おむすび形) となる。チャック 剛性の方向依存性による, と考えられる。
C4 :工作物1/4回転を周期とする波形の振幅であ
り,断面は4角形であることを示す。ただし, このめ,−め4 :上に振幅で示された各波の位相差であ り, この大きさが有意であれば,断面がねじれの位
置にあることを示している。3.4各次数における振幅
図5に,各次数と,振幅の関係が示されている。
一次の振幅は,粗さを示すので,断面形状として考 慮しないとすれば, 2次と3次が支配的な大きさと
なり,断面形状を決定していると考えられる。この ことは,断面が楕円と,三角形の合成されたもので あることになる。3.5各次数における位相差
図6は3次の波の位相遅れであり,断面P1を基 準として,工作物の先端方向に,各切削速度ごとに 表したものである。切削速度の影響ははっきりしな いが,明らかに位相はずれを生じており,断面はね
じれの位置にあることになる。
振幅自体は小さい。
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●●54
戸ヒユ
2.5
050505050 ●●●●●●●●● 433221100
ロ︒ 2515
10℃ロ﹂ご更①の飼昌角①も二君国呂回く
0 2 3 4 5
Cyclen
Fg=40,D=1.0,V=98.9
0 ■■■■
L=80 L=130 L=170
Fg=80,D=1.0 54433221100 05050505050
E1︻己①でご雪︵闇曰く
28642186420
●︑●■●●●■1111 0000 ℃ロ﹂ご夷のの飼昌角
D=1.C
0 2 3 4
Fg=40, CyclenD=1.0,V
図5 各次数における振幅
5
=78.5 L=80 L=130 L=170
図6 第3次の波における位相差
平成13年2月
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−11−
三つづめチャックの影響を考慮した円筒形状工作物の加工誤差の研究
Rhman,M.andltoY., Int.Mach.ToolDes.
Res.21‑1(1981), 1.
土井,他2名,機論, 48‑429,c(1982),761.
吉田,精密機械, 48‑11(1982), 1425.
安井,他2名,工作機械振興財団研究成果報告
書(1982).門脇,機論, 49‑441,c(1983),827.
土井,他2名,機論, 49‑443,c(1983), 1153.
門脇,機論, 50‑454,c(1984), 1107.
D.SzepesiandA.H.van,tERVE,Proc.24th
Inter.MTDRConf. (1984).MacMillan, 177.土井,他2名,機論, 50‑460,c(1984),105.
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Spur,G.andWeiser,W.,zZwF,75(1985),191.
4. まとめ (8)
旋削された工作物の断面形状は一見複雑である が,楕円と三角形が合成されたものが多く,真円か らの誤差を形成している。 しかも断面同士はねじれ の関係にある。などが明らかとなった。
(9)
(10 01)3143111liI1i
5. 文 献
(1) Ivashchenko, 1.,A.,MachinesandTooling, 32−1(1961),31.
(2) V.SolajaandM.Kaladzic,Ann.CIRP, 15,
131.
(3)樫村幸辰,北村明,精密, 52−8(1968)1362.
(4) Pahlitzsch,G.andHellwig,W.,Proc.8thlnt.
MTDR.Conf., (1969),97.
(5) Thornley,R.H.,andWilsonB.Production Engineer,51‑3(1972),87.
(6) Kahng,C.H,etal,TransASME,98(1976), (10
(11 (13(19 m
@1)
⑰
⑬
新野,他2名,機論, 55‑509(1989), 182.
土井,他2名,機論, 56‑524(1989),1041.
江馬,丸井,機論, 57‑539(1991),2460.
江馬,丸井,機論, 57‑539(1991),2466.
233.
(7) 中野,精密機械, 44‑11(1978),1299.