• 検索結果がありません。

賃金、雇用、生活水準

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "賃金、雇用、生活水準"

Copied!
14
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

1

 この小論は人爵過剰の低開発経済における生活水準と労働雇用,賃金に関連する若干の 問題を考察するi)。つぎの仮定をおく。総人口しと総労働人口:L、と常に一定の比率を維 持し,したがってその区別は無視される。労働雇用人口をL、で示すと完全雇用はL、一L、

と定義される。 L、の成長率は出生率と死亡率の差として示される。出生率と死亡率とは 共にControl Variableと考えることができる。

      △L、

         一B−D      (1)

       L、

 この出生率と死亡率との経済発展段階における動向に就てはここでは深く立入らない。

歴史的に見て出生率の低下傾向は死亡率の低下傾向よりおそくはじまる。ここでは人口学 者と経済学者の二つの代表的な意見を述べておこう。例えば,F.W.ノートシュタインは つぎのように述べている。「出生率よりも死亡率の方が近代化の力により速かに反応する ことはおそらく避けられないであろう。死亡率の低減は普遍的に容認されうる目標であっ て,著しい社会的障害に当面することはない。しかし,出生率の低下は,その群め生存を 目ざす方向から個人の福祉と発展とを目ぎす方向へと社会的目標が転換されることを要求 する。この変化,つまり目標および目標を達成するための社会的装備についての変化はせ いぜい緩慢な過程でしかない。結果として,近代化の期間は急速な人口増加を生ずること は事実上確かである2)。」近代医学の発展は死亡率を急速に低下せしめたが,もし,これ につついて出生率のコントロールがなされなければ,経済体系は悲惨な状態に落ち込むこ

とになるであろう。もっとも,このような可能性は,近代生産技術の発展によって,生産 力の長期的な上昇が生じて陰伏されてきたけれども,初期工業化の成果が急激な労働人口 の増加によって十分に結実しえなかったという歴史的事実は人ロコントロールの重要性を 認識せしめるであろう。

 さて,経済学者ロビンソンの意見を聞こう。「人口の変化を如何に取り扱うべきか。現 実においては,労働の供給と資本の蓄積とは相互に独立的ではないが,両者の内的結合関 係は単純な定式に還元しうるものではない。多くの場合,人ロの大増加,したがって労働 力の大増加は,高い出生率を相殺するほどに高かった従来の死亡率の低下を通じておこっ ている。これは,資本蓄積がもたらした富増加の一つの結果であるかもしれないが,しか

(2)

とえば,医療知識の発達とその普及)に依存するものであって,人口増加が明らかに富の 成長に帰せられうる場合でさえも,人口増加は,それをもたらす生産力の発展に全く比例

しない人数変化をもたらすことがありうる。死亡率の低下につづいて従来しばしばおこっ た出生率の低下は,人口成長を緩慢ならしあるか,あるいか,逆転せしめるものである が,それは,生活水準の上昇と工業化にともなう心的態度の変化とに明らかに関係をもっ ている。しかし,また,人口増加は,それ自身の法則にしたがうものであって,その法則 は,決して完全には理解されるものではなく,まして,変化しつつある生産力の単純な一 関数に還元することのできるものではないのである。……したがって,資本の蓄積と労働 力の成長とを二つの独立要因一相互に調和することもあろうし,調和しないこともあろ

う。一として取り扱うことが最善であるように思われる3)。」

 われわれここで単純に現存の公衆衛生対策の状態の下で,死亡率は生活水準の単調減少 関数と仮定する。そして,出生率はさしあたりコンスタントとする。いま,所与の実質賃 金率をwで示すと,生活水準はz−wL、/L、であたえられる。そこで,生活水準は実質賃 金率と雇用率とに依存する。つぎのグラフが示される。

 労働者所得(賃金)は全て消費に支出され,,資本家所得(利潤)の一部分は貯蓄さ れ,投資されて完全に使用されると仮定しよう。国民所得方程式は,

      Y=P十W       (2)

ここでPは利潤Wは総賃金を示し,W−wL・である。貯蓄率をs,資本投入係数をα,労 働投入係数をβで示すと,

         

      Y=一一ぎ一△Y+wβY      (3)

Z

%、

W

第  1  図

(3)

B

0 Z

D(Z)

第  2 図

Z

△:L、

:Ls

第  3 図

この式より,

     9一撃一差(・一βw)

9は経済の成長率を示す。そこで,α,β

る。

      (4)

Sをコンスタントとすると9はWの関数とな

(4)

S

α

9

    O      W       %

      第  4  図

 生活水準はz−wL、/L、であるから,その上昇率は,

      今Z一二W+三寿L砦・      (5}

の式であたえられる。wがコンスタントであり,また賃金分配率がコンスタントである

と,

        △Ld

       (6)

      9=

         Ld

そこで,

      今z−9→1卜       (7)

の関係式をうる。いま,技術進歩のない経済では,均衡生活水準は,

      9一票一望・       (8)

の条件が成立すれば決定する。

      △L、

         =B−D (wLd/L、)      (g)

      L、

であるから,以上の関係はつぎのグラフで示される4)。・

(5)

B

9

0

D(Z)

@ 一

△L、

1:Ls

li 11

Z。 噸剛_. Zf

Z

第  5  図

z。は生活水準の均衡値を示し,安定的である。z。の左側では9>△L、/L、,そこで(7)式に より△z/z<O,即ち,一定の賃金率で,労働の雇用増大は労働力の増大より大,そこ で,L・/:L、は上昇し,生活水準は上昇する。また,生活水準の上昇は死亡率を低下せしめ るから△L,/:L、を上昇せしめ,9に近づく。反対に,z。の右側では,9<△L、/L、,そこ で,△z/z<o,即ち,一定の賃金率で,労働雇用の増大は労働力の増大より小,そこ で,L、/L、は低下し,生活水準は低下する。死亡率は増大するから,△:L,/L、は低下して

9に近づく。いま,労働の完全雇用を成立せしめる生活水準をz,点とすると,L・一L、と Zf−wが成立する。そこで,定常的均衡(この場合古典派な定常経済と異なって発展的経 済を考えている。)がz,の左側に位置する場合,この経済体系は失業を含む。そこで,こ の位置は安定的な低生活水準均衡のトラップを示すものと考えてよい5)。

2

 以上の分析では実質賃金率wは不変,したがって9も不変と仮定されている。ここで,

われわれは成長率関数9−9(W)を導入る。

実質賃金率はw。の水準であると,成長率は9。である。最初の雇用率が(Ld/L、)。であた えられたとする。生活水準はz。一(L、/L、)。w。で示される。グラフではz。〈w。である。こ の生活水準では9。〉△L、/L、である。雇用率は上昇する。そこでzはz。より上昇する。

(6)

W=W

Z・一

薰v6

S 9

α

9。

0

Z・一i餐)・W・

△L、

1.。

Z。Z, W。 W

第6図

S一

W=W

@ 2。一三

@    Z

@   △L。

L。

Z㌔Z・がW・W

W

唄妊),w

第7図

(7)

 いま,政府が一般的実質賃金率の水準をw に引上げたとする。α,β,sが不変であ れば9は9 に低下する。一時的には生活水準は上昇するが,このことは,△L、/L、の上昇 を生じ,g との間のギャップは大きくなり,終局的にはZの均衡値はZ♂となり, Z。ノ<Z。

となる。 (第7図)

長期的には賃金率の上昇は雇用率L・/L、の減退を生じ,かえって生活水準の低落を結果す る。そこで,労働力の成長率曲線が不変であれば,最高の生活水準と最高の成長率はz*

と9*で示され,この点でz*一wとなり,完全雇用L、一L、が成立する。最初の実質賃金水 準がw。であれば,一時的に賃金率を引下げることによって資本蓄積の増大効果を通じて

9を引上げ,雇用機会の増大によって:L、一L、が成立するような生活水準の上昇を生ぜし めることが可能である。z*は所与の条件の下で極大水準を示している。これはまた一つの 黄金律である6)。

3

 低開発国の計画目標を労働の完全雇用L、一L,としよう。貯蓄の増大,資本の蓄積はL・

を増大せしめるであろう。資本家的貯蓄者はある意味で労働の味方である(Wickse11)7)。

また反面,人ロコントロールはL、を減少せしめる。人ロコントロールの問題は社会的道 徳,倫理,宗教的問題を含む。また社会的経費を必要とする。しかし,全ての人に仕事を

あたえるという点で人ロコントロール計画は資本蓄積政策よりもすぐれた利点をもってい るかもしれない。既述のごとく,L、は出生率と死亡率とに依存する。そして,われわれ は今迄死亡率は生活水準の単調減少関数であると仮定した。ここで,出生率に対するコン

トロールを考えてみよう。

 最初,w。の水準で雇用率が(L・/L、)。であると生活水準はz。である。またこの実質賃 金率水準では成長率は9。であたえられる。(第8図)このz。水準は9。=△L、/L、が成立 しているから低水準均衡である。しかし,z。<w。であるから, L、<L、である。資本蓄積 によって完全雇用に達するためには実質賃金率はw に引下げねばならない。最初はzは 比例的にz。 に低下する。w の水準では9 であるから,このz。ノの水準では9 〉△L、/L、

である。△z/z>0,即ち,雇用増大は労働力の増大より大,zは次第に上昇し,また,

L・/L、も上昇して,w 一zの水準でL、一L、となる。

 ところで,いま政府が実質金率をW。からW まで引下げるために課税するとする。利潤 と9。は不変である。この課税収入を出生率の引下げに支出するとする。そこで,△L、/L、

が(△L、/L、) に引下げられたとする。この労働人口成長曲線ではw の水準でw =z,

L、/L、一1が成立する。w >w である。そこで,実質賃金率引下げるによる資本蓄積政

(8)

W=W

9

9。

0

(Ld、:L、)・W。

△:L,

Ls 隈う

Z㌔ Z。 W W W。 W

第  8  図

策と人ロコントロール政策とを比較すると成長率はたしかに前者の場合ではより大である が,人ロコントロール政策では実質賃金率と生活水準の方がより高くなっている。資本蓄 積は仕事の量を増加せしめて完全雇硝を達成する。労働人口成長率の引下けは求職者数を 減少せしめて完全雇用を達成する。

 低開発経済におけるこの二つのタイプの政策的価値判定は容易でない。生活水準のみに 関していえば人ロコントロール政策の方がよい安価な政策であると考えることができる。

低闘発国の政府がもしこのような人口成長を減退せしめる政策を採用した場合,資本蓄積 を減少せしめることができる。賃金率を引上げ,利潤と蓄積を減少せしめて,この人ロ政 策遂行に必要な資金調達めために増加した賃金に課税することができる。もっとも,入側 コツトロールは課税のみならず,補助金の給付によっても可能である。出生率は歴史的,

社会的,経済的要因というような複雑な混合的諸要因に依存しており,また,避妊にたい する補助給付や避妊方法を奨励する宣伝運動等によってもコントロールされる。しかし,

いずれにしても出生率のコントロールには社会的経費を必要とする。勿論,避妊だけで な1く出生と幼児にも経費が必要である。しかし,避妊の意志があれば出生率をかなり変 化せしめることができる。一国の道徳的信条がそれをみとめるかどうかは別の問題であ

る。

(9)

90

9

△L、

:L、

(△L、L,)

1

W @ W。 W W

第  9  図

 唯一可能な限界は出生率減退の下限である。W。の水準では生活水準はZ。となる。 (第 9図) ところで,いま出生率の減退に下限があり,労働人口成長率減退の有効限界線が

(△:L、/L、) で示されるとする。実質賃金率がw の水準に引上げられると,成長率はg に低下するから,完全雇用を達成するためにはw の水準でなければならない。そこで,

ひとたび実質賃金率を引上けた後課税された結果WはW。よりW だけ低下する。生活水準 も最初はZ。よりZ。 に低落する。この生活水準ではし。の大さは減少するが,他方雇用の 増大は9の低下によって成長率は低下しているが継続する。L、の減少, L・の増大の両側 面から失業は急速に減少する。生活水準もまた急速に上昇するから,労働人口の減少傾向

も次第に逓減し,コンスタントな雇用と産出量の成長率9 に向って△L、/L、は上昇してゆ く。生活水準zもw の水準に向って上昇する。

      9・一(△L、L、) ・一ガレ玩

の関係が成立する。 (△:L,/L,) が最下限の成長率であればz−w は達成可能な最高の 生活水準である。この意味で人口制限政策は資本蓄積政策よりも経済的にすぐれていると 考えてよい。

(10)

4

 経済発展の基本的な要因として通常資本蓄積,労働力の成長,技術の進歩があげられ る。低開発国においてもこれらが基本的な経済的発展要因であることはかわりはない。た だ,人口過剰,過剰労働になやむ低開発経済にとって急速な人口成長自体はかえってマイ ナス的な効果をもつことは明らかである。資本蓄積計画は勿論重要な計画として残る。最 適蓄積計画はこの小論では取り上げない。また,技術進歩の問題は本論の考察対象外にお かれている。われわれの目標と考察の焦点は人口制限の問題に制限されている。そこで,

資本設備,雇用,産出量をコンスタントとし最適人口を取り上げよう。計画目標は完全雇 用L・=L,である。Y。 L・はここでコンスタントである。 L・<L、であれば,前節で示され たごとく生産的な仕事の創造(資本蓄積によって可能となる。)よりもむしろ労働力の減 少によってL、=L、となる。

 α,βで示される技術的条件と貯蓄率sもコンスタントと仮定する。(2)式を示すと,

      Y=P十wLd      (10}

L、で両辺を割ると,

      ÷一÷+w毛i       (11)

Y/:L、一xで示すとこれは労働者一人当りの産出量である。Y/L・一ユ/βは労働の生産性を 示す。P/L、は労働者一人当りの利潤を示す。

      P

        ・=x−z       (12       L、

YがY。でコンスタントであるとし、の減少はxを上昇せしめる。x−zであれば利潤は零 となる。そこで,ZはXより大となりえない。 X=≧Zの制限条件がおかれる。ここで,出

B

0

第  10 図

(11)

       x    L、

としてあたえられる。そこで,

       △x

         =D(z)一B(x−z)      (13)

       X

の式があたえられる。われわれはここでラムゼモデルにしたがって社会の効用関数をU=

U(Z)の形で導入しよう。最適貯蓄計画の理論で周知のうムゼモデルでは効用関数は消費 の関数としてU=C(C)で示された。この効用の基本的な性質は,より大なる消費はより 小なる消費よりも選好されるが,その選好度は消費の増加とともに逓減する。即ち,消費

の限界効用は常に消費の増加につれて減少するということである8)。ここでは単純にU

(z)とおく。現在の消費を少なくして,貯蓄を出生率の減退のために支出することによっ て平均生産物をより大ならしめ将来の消費をより高くせしあることができる。ここで第11 図をあたえよう。z は生存水準としての生活水準を示す。茗は定常水準を示している。い

ま,あたえられたX,に:たいして任意のZ、をえらぶと△X/X、があたえられる。そこで,

0

II

Xt

D(Z)

wt+1 Z      Zt

@      乏

X Z

第  ユ1 図

(12)

 ここでzをcontral variableとすると最適性はzの引下げげによってえられる平均生 産物の増分が消費の限界効用の低落によって丁度相殺されるまでzを引下げることを必要 とする。その条件は,

      一∠等一瓢1釜u)      (14)

で示される。この体系の運動はつぎのように示される。所与のx。についてz、の選択は x、+1について成長率を決:定する。その結果,限界効用の必要減少率がきまり,zの上昇率 がきまる。△Z/Z>△X/Xであると(X−Z)が減少する。ZがXに近づくと出生率低下 のための支出が減少するからし、の減少も低下する。反対に△z/z<△x/xであると平均 生産物の上昇茎は高まる。この関係は限界効用曲線の弾力性で述べることができる。弾力 的であると例えばxの5%の成長率は△uの5%の低下,5%以上のzの上昇を意味する からその結果ZはXに近づきその成長率を引下げる。弾力性が1であると,Xと年との成 長率は同一,その比はコンスタントである。

 ところで,zが正の下限に向って引下げられるにつれて,その限界効用が限りなく増大 するという仮定では,その曲線の弾力性は1より小とならねばならない。そこで,最初の Xがこの下限の近くにおかれるならば,Xは加速度的にZより離れ,その結果,ますます 多くの余剰が人口の減少に投入されるようになり,x−Y。/L、上昇の速度を早め,更にこ れがzを上昇せしめる。しかし,xが上昇するにつれて, zの上昇速度はより少さくな

り,△x/xとの交点は上昇してその加速度を維持する。もし,効用曲線が非弾力的である ならば,体系の到達する最終点ではxは1/βにひとしい。1/βは極大賃金率を示し,x=

w,したがってL、・=L、である。この場合,労働者一人当りの利潤は零であるから,最終 点の成長率は零である。

 zの賜る大きな値にとっては限界効用曲線は十分に水平的となり弾力的となるであろ う。そこで,計画遂行過程でこのようなことが生起するならば,△X/X<△Z/Zとなる。

zはxに近づくから,P/L、は減少し, xの上昇にあてられる余剰は減少し, xとzの速 度は落ちる。もし,最初で,曲線が弾力的で以後も弾力的であるならば,最初のzの値を

して,全範囲にわたってxよりも早く成長するように十分低くし,コンスタントな労働の 完全雇用を達成するためには終期のx,より十分に小さい値に落着くようにしなければな らない。この場合の最初の生活水準はきわめて低水準であるが,下限より低い水準とはな りえない。下限より低い水準では曲線をして非弾力的ならしあるのである。

 計画の終期をTで示すと,最適計画(人ロコントロール)の進行はつぎのごとく示され る。x。はY。とし,。であたえられる。△x/△T=・○とおく。これは,終期の生活水準をし てZ,二7ならしめる。そこで,Zが丁度Z,にまで上昇するようなX。一、と△X/X,.、を見

出すことが必要である。もし,効用曲線がこの点で弾力的であると,T−1でのxの成長

(13)

時,計画は解ける。最初の失業から完全雇用にいたる最適移動に必要な期間数とともに最:

初の生活水準がきまる。成長率が不変であるということはまったくありそうもないであろ う。最も考えうる結果は最初は高まり,それから次第に減速して零に達することである。

勿論,これらは情況によるものであるが,速度が継続的に高まってそれが突然に零に低落 するかもしれないし,また,高い成長率ではじまって終期の零にいたるまで全範囲にわた

って減速してゆくかもしれない。

 以上の分析では人口の年令構成の変化は無視され労働人ロと総人ロとの比は常に一定と 仮定された。また,出生率,死亡率と労働入口の成長との間のタイムラッグの存在も無視

された。われわれはまた労働人口について労働の単位で測られた労働人[]と労働単位で測 られた労働人口の区別も無視した9)。現実的に低開発国といえどももっぱら人ロ抑制政策 のみを採用することはないであろう。人口抑制政策の効果は資本蓄政策の効果よりもおそ

くあらわれる可能性が強い。したがって現実的には二つの政策を含む混合的な最適計画が 必要となるであろう。

注1)John C. H. Fei and Gustav Ranis, Development of the Labor Surplus Econoエny,

   Theory arld Policy,1964.

   Harvey Leibensteln, A Theory of Economic−Delnographic Developmcnt,1954,

   Harvey Leibenstein, Economic Backwardness arld Economic Growth,1957.

   Irma Adelman and Erik Thorbecke, The Theory and Desigrl of Economic Deve−

   10prnent,1966,

   T.Haavelmo, A Study in the Theory of Econolnic Evolutionエ954.

   児玉元平著「後進経済の成長と人口」(東南アジア研究叢書M4)昭和44年。

 2)F.W,Notestein, Population−The Long View, in Theodore W.Schllltz(Editor),

   Food for World, Chicago,1945, PP.40〜4ユ.

 3) J.Robinson The Accumulation of Capital,1956, PP.67〜68,

   なお,経済成長の観点から人口成長を比較的詳細に考察した書物として,J. E. Meade, The    Growing Economy,!968, chapter X and X[.

 4)この小論における,分析方法は主として,R. M. Goodwin, Elementary Econolnics from    the Higher Standpoint,1970.に負う。

 5) R.R. Nelson, A Theory of the Low−Level Equilibrium Trap, The American    Ecnornic Review,1956.

   拙著「後進経済の成長と人口」pp.41〜54.

 6)成長理論で一般に黄金時代の黄金律というとき,一人当り消費水準を極大化ならしめる貯蓄    率選択の基準として資本利潤率は成長率にひとしい,または,貯蓄率は資本利潤分配率にひ

(14)

7)

8)

9)

は彼等の所得を全て消費することを必要とするものではない。必要なことは,貯蓄の源泉が 何にであろうと,貯蓄率が資本家の所得分配率にひとしいということである。

K.Wickse11, Lectures on Political Economy, Volume One, P.164.

E.P. Ramsey, A Mathematical Theory of Saving, Economic Journal,1928 労働入口を労働単位で測った人口と,消費の単位で測った人口とに区別し,生活水準を消費 単位で測った人ロー入当りの所得水準で示し,人ロ成長,生活水準,賃金率の関係を新古典 派的成長モデルに組入れて取扱ったものとして,J. E. Meade, The Growing Economy,

1968,Chapter, X正.

拙稿「人ロ成長と生活水準」 (長崎大学東南アジア研究所年報 第13集 ユ971)

参照

関連したドキュメント

或はBifidobacteriumとして3)1つのnew genus

化し、次期の需給関係が逆転する。 宇野学派の 「労働力価値上昇による利潤率低下」

内的効果 生産性の向上 欠勤率の低下、プレゼンティーイズムの解消 休業率 内的効果 モチベーションUP 家族も含め忠誠心と士気があがる

本県は、島しょ県であるがゆえに、その歴史と文化、そして日々の県民生活が、

それゆえ、この条件下では光学的性質はもっぱら媒質の誘電率で決まる。ここではこのよ

(2)特定死因を除去した場合の平均余命の延び

日本全国のウツタインデータをみると、20 歳 以下の不慮の死亡は、1 歳~3 歳までの乳幼児並 びに、15 歳~17

工場等に対するばい煙規制やディーゼル車排 出ガス規制等の実施により、多くの大気汚染物 質の濃度が低下傾向にあります。しかし、光化