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〈 資 料 〉
日本 国憲法第九条 の軌跡(三)
有事法制定過程 の法社会学的分析
藤 田 尚 則
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一 才ズ カノ レ ・.アグァズ(コ スタリカ元大統領)一 (2005年12月17日付朝日新聞朝刊)
目 次 は じめに
一 有事 法制変 遷過程 の便 宜的分 類
二 有事 法制年 表 一 争点 ・論調 ・分析 一
第1期 湾岸危機か ら 「 日米安全保 障共 同宣 言」を経 た後 の 「 新 ガイ ドライ ン」策定 まで(以 上第35巻 第3号)
第2期 「 新 ガ イ ドライ ン」策 定後 か ら 「 周 辺事 態法」 等 の 「 ガ イ ドライ ン関連 法 」 の成 立 時期 まで
第3期 「 周 辺事 態法」等 の 「 ガ イ ドライ ン関連法 」 の成 立 時期 後 か ら米 国 同時多発 テ ロ事 件 の発 生 まで(以 上第36巻1号)
第4期 米国 同時多発テ ロ事件 の発生後 か ら 「 武力攻 撃事態法」、 「 イ ラク特 別措置 法」成 立 まで(以 上本 号)
第5期 「 テ ロ対策 特別措 置法 」成 立後 か ら今 日(2006年5月3日)ま で 三 世 論調査 とその分析
四 憲法 第9条 の規 範性 1.集 団 的 自衛権 2.武 器輸 出3原 則 3.文 民統制
4.有 事法制 と基 本 的人権
5.憲 法第9条 の規 範性
6.日 本 の平和 保 障 のあ り方
ま とめにか えて
1s2
第4期 米 国 同時 多発 テ ロ事件 の発 生後 か ら 「 武 力攻撃 事態 法」、
措置 法」 成立 まで
「イ ラ ク 特 別
2001年10月7日
ア フ ガ ニ ス タ ン 攻 撃 開 始
① 事 実 の概 要
テ ロ攻 撃 を 受 けて 、 ア メ リカ ・イ ギ リス両 国 は、 テ ロ撲 滅 た め、 テ ロ の首 謀 者 で あ るテ ロ組 織 アル カ イ ー ダ とその政 治組 織 タ リバ ン を封 じ込 め る 目的 を もっ て ア フガ ニ ス タ ン に対 す る攻 撃 を 開始 した 。 こ の攻 撃 は、 国 連 安 全 保 障 理 事 会 決 議1368で 、 国連 憲 章 が 認 め る 自衛 権 の 行 使 に あ た る と して 承 認 さ れ て い る。
第1段 階 と して 空 爆 が 、 第2段 階 と して 地 上 戦 が それ ぞれ 展 開 され た 。 しか し、
いず れ の 作 戦 に お い て も、 ア ル カ イ ー ダ の 中 心 者 で あ る ウサ マ ・ビ ン ラ デ ィ ン 氏 を 捕 縛 す る こ とはで き な か っ た 。
② 争 点
(1)攻 撃 の 是 非 につ い て (II)我 が 国 の 対 応 に つ い て
③ 論 調 ・分 析
【 朝 日新 聞 】 朝 日新 聞 は、 武 力攻 撃 につ いて は避 け る方 が望 ま しい が 、 テ ロ撲 滅 とい う 目的 に立 て ば 仕 方 な い と して い る。 た だ 、 あ くまで 攻 撃 目標 は、 訓 練 施 設 や 軍 事 施 設 な どに 限 定 す べ きで あ る とい う立場 を とっ て い る。 ま た 、 我 が 国 は、 傍 観 者 とな らず テ ロ撲 滅 の た め に協 力 をす べ き で あ る と して い る。
(1)テ ロ撲 滅 の 目的 か ら、 反 撃 に賛 成 せ ざ る を得 な い。 しか し、 攻 撃 に は 慎 重 さ を 求 め る。
朝 日新 聞 は 、 これ まで 述 べ て きた 見 解 と異 な り、 武 力 行 使 に は 消極 的 な が ら も承 認 す る姿 勢 を とっ て い る。 しか し、 か か る行 使 に0定 の 制 限 を加 え る こ とで 慎 重 さ を確 保 しよ う と して い る。
「巨大 テ ロ の再 発 を 防 ぐた め に も、 あ る程 度 の実 力 行 使 は避 け られ な い だ ろ う。 た だ 、 以 下 の こ とだ け は明 確 に して お きた い。
第1に 、 軍 事 行 動 は極 力 、 抑 制 的 で な けれ ば な らな い 。 『ア フガ ン国 民 を攻
撃 して い る』 と言 わ れ な い た め に も、 米 国 が 食 糧 や 医 薬 品 を 投 下 す るの は1
日本国憲法第九条の軌跡(三) 193 つ の方 法 だ ろ う。
第2に 、 軍 事 行 動 は で き るだ け短 期 に終 わ らせ 、 戦 線 を イ ラ ク な ど他 の 地 域 に拡 大 す べ きで は な い。 さ も な い とイ ス ラ ム諸 国 の 反 発 を招 く こ とに な り か ね な い。 パ キ ス タ ン の政 情 も流 動 化 す る恐 れ が あ る。
第3に 、 米 政 府 は 、 ビ ン ラデ ィ ン氏 を 首 謀 者 とす る根 拠 を 改 め て 安 保 理 で 説 明 す べ きだ 。 友 好 国 の政 府 レベ ル で の納 得 は得 られ た が 、0般 市 民 を含 む 幅 広 い 支 持 を 固 め る に は そ れ が 欠 かせ な い。 反 米 感 情 の 強 い イ ス ラ ム諸 国 を 含 む協 調 体 制 を確 立 す るた め に も、 も っ とは っ き り と根 拠 を示 す こ とが 大 切 だ 。」(Ol年10月9日)
「 テ ロ再 発 を防 ぐた め に、 タ リバ ンに対 し、 一 定 の軍 事 行 動 が 展 開 され るの はや む を得 な い 。 だ が 、 そ の 代 償 と して こ の 国 の混 乱 が 手 の つ け よ うが な い ほ どに 深 ま る よ うな 事 態 は、 避 け な けれ ぼ な らな い 。」(01年IO月25日)
(II)国 際 協 力 を行 うべ きで あ る。
テ ロの 被 害 者 で あ る 日本 は、 傍 観者 に な らず に積 極 的 に 国 際 協 調 行 に参 加 して い くべ き で あ る と して い る。 た だ 、 この こ とは ア メ リカ の軍 事 行 動 に対 して 、 全 面 的 に 賛成 す る とい う こ とを意 味 す る の で は な い 。
しっ か り と した 法 案 を作 成 し、 そ の 中 に あ る憲 法 上 の 問 題 を1つ1つ 検 討 し て い くべ きで あ る と して い る。
「 空 前 の テ ロ被 害 者 で もあ る 日本 は傍 観 者 で あ って はな らな い 。 憲 法 の許 す 範 囲 で 、 テ ロ撲 滅 の た め の 国 際 協 調 行 動 に最 大 限 協 力 を すべ きで あ る。 しか し、 そ の こ とは米 国 な どの軍 事 行 動 に 『テ ロ対 策 特 別 措 置 法 案 』 に は、 米 軍 な どへ の 支 援 の た め の 自衛 隊 派 遣 の根 拠 や 、 自衛 隊 員 が 携 行 す る武 器 の 種 類 や 使 用 条 件 の 緩 和 な ど、 綿 密 な 点検 を必 要 とす る論 点 が い くつ も あ る。」
(Ol年10月9日)
【 読 売 新 聞 】読 売 新 聞 は、 反 撃 に関 して は国 連 憲 章 が 認 め る 自衛 権 の行 使 に あ た り、何 の 問 題 もな い と して い る。 た だ、 朝 日新 聞 同様 、 テ ロ と無 関 係 の 一 般 市 民 を巻 き込 むべ きで は な い と して 十 分 な 配 慮 を求 めて い る。 また 、 我 が 国 の対 応 に関 して は 、 後 方 支i援が 行 え る よ う に テ ロ対 策 特 別 措 置 法 を早 期 に成 立 させ て 共 同 行 動 に移 行 で き る よ うに準 備 す べ きで あ る と して い る。
(1)反 撃 は 、 国 連 憲 章 が 認 め る 自衛 権 の行 使 に あ た り、 何 ら問 題 も な い 。
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ま た 、 テ ロ を根 絶 す る うえ で も反 撃 は必 要 不 可 欠 な も の で あ る。
まず 、 反 撃 行 為 が 、 自衛 権 の行 使 に あ た る こ とか ら正 当 な もの で あ る こ と を主 張 して い る。 テ ロ政 策 を強 化 す る た め に も、 反 撃 行 為 の よ うな 強 い 姿 勢 で 臨 む べ き だ とす る。
「テ ロの 国際 ネ ッ トワー ク と支 援 体 制 を除 去 しな けれ ぼ 、 テ ロ は根 絶 で きな い。 米 英 の軍 事 攻 撃 は そ の た め に欠 か す こ との で き な い 当 然 の行 動 だ 。」 「 テ ロの 目的 が 、 国 際 社 会 の平 和 と秩 序 の 破 壊 に あ っ た の は明 白で あ る。 国 際 社 会 全 体 が 連 帯 を 一 層 強 化 して テ ロ に立 ち 向 か わ な けれ ば な らな い 。」
(Ol年10月13日) (II)国 際 テ ロ根 絶 に 向 けて 参加 で き る準 備 をす べ きで あ る。
「 我 が 国 で は、 米 英 軍 の 対 タ リバ ン攻 撃 へ の後 方 支 援 を 自衛 隊 が 行 え る よ う にす るテ ロ対 策 特 別 措 置 法 案 な ど、 テ ロ関 連3法 案 が 衆 議 院 を通 過 した 。 法 案 を早 期 に成 立 させ て 、 国 際 テ ロの 根 絶 に 向 け た 国 際 的 な 共 同行 動 に参 加 で
き る準 備 を急 ぐ必 要 が あ る。」(Ol年10月21日)
2001年10月29日
自衛 隊 法 改 正 一 「防 衛 秘 密 」 導 入 一
① 事 実 の 概 要
法 改 正 は、2000年6月 に海 自 ・萩 崎 茂 博3佐(当 時)が 、 防衛 上 の 秘 密 情 報 管 理 方 法 の マ ニ ュ ア ル を作 成 し、 そ れ を ロ シ ア大 使 館 に 漏 洩 した 事 件 に端 を発 す る。 後 に、 同 氏 は 、 自衛 隊 法 に お け る守 秘 義 務 違 反 に よ り起 訴 され た 。 これ を 受 け て 、 同 法 に 「 防 衛 秘 密 」 を追 加 規 定 し、 処 罰 対 象 を 民 間 人 に まで 広 げ る改 正 案 が 国会 に提 出 され 、 成 立 した(平 成12年 法律 第145号)。
第96条 の2長 官 は 、 自衛 隊 につ い て の別 表 第 四 に掲 げ る事 項 で あ っ て、 公 に な っ て い な い もの の うち、 我 が 国 の 防 衛 上 特 に秘 匿 す る こ とが 必 要 で あ る もの(日 米 相 互 防 衛 援助 協 定 等 に伴 う秘 密保 護 法(昭 和 二 十 九 年 法 律 第 百 六 十 六 号)第 一 項 第 三 項 に規 定 す る特 別 防 衛 秘 密 に該 当 す る もの を除 く。) を 防衛 秘 密 と して 指 定 す る もの とす る。
第122条 防衛 秘 密 を取 り扱 う こ とを業 務 とす る者 が そ の業務 に よ り知得 した
日本国憲法第九条の軌跡(三) 195
防衛 秘 密 を漏 ら した とき は 、 五 年 以 下 の 懲 役 に処 す る。 防 衛 秘 密 を取 り扱 う こ とを業 務 と しな くな っ た 後 に お い て も、 同 様 とす る。(傍 線筆 者)
② 争 点
(1)導 入 の 是 非 に つ いて
③ 論 調 ・分 析
【 朝 日新 聞 】 朝 日新 聞 は、 導 入 に つ い て 反 対 の 立 場 を とって い る。 理 由 と して 、
「 防衛 秘 密 」 の 名 の下 に あ らゆ る防 衛 清報 が 開 示 され な くな り、 民 主 主 義 の 前 提 で あ る国 民 の 知 る権 利 を侵 害 す る結 果 とな る と して い る。
(1)反 対 で あ る。
「 防 衛 秘 密 」 の適 用 が拡 大 され 、 主 権 者 で あ る国 民 の 知 る権 利 を侵 害 す る結 果 とな る恐 れ が あ る と指 摘 して い る。(01年10月2日)
【 読 売 新 聞 】 読 売 新 聞 は、 国 家 安 全 保 障 の観 点 か ら、 あ る程 度 の 秘 密 の 確 保 は必 要 不 可 欠 な もの で あ る と して 、 賛 成 す る立 場 に た っ て い る。
(1)推 進 す べ きで あ る。
読 売 新 聞 に この 問 題 を直 接 取 り扱 っ た 記 事 は な い が 、 他 の記 事 か ら推 測 す る と、 防 衛 秘 密 は国 の 国 家 機 密 で あ り、 ひ い て は 国 家 の 安 全 に関 わ る 問題 で あ る。 これ に対 す る取 組 み の 遅 さ は、 我 が 国 の 機 密 管 理 の 甘 さ に起 因 す る と
して い る と考 え られ る。
「 防衛 機 密 は、 国 家 の安 全 に か か わ る。 早 急 に漏 洩 文 書 を突 き止 め な け れ ぼ
な らな い。 防 衛 庁 も、 漏 洩 の 背 景 とな っ た 組 織 や 情 報 管 理 の 問 題 点 を徹 底 的
に洗 い 出 し、 再 発 防 止 を 図 らな けれ ぼ な らな い 。」 「 我 が 国 は、 機 密 管 理 や そ
の 重 要 性 へ の 認 識 の 甘 さが 際 立 って い る。」 「 情 報 が 短 時 間 で 世 界 を 駆 け巡 る
国 際 化 の 中 で 、 法 整 備 を含 め 国益 に沿 っ た 情 報 管 理 の あ り方 を検 討 す る時 期
に きて い る。」(2000年9月9月)
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2001年10月29日
「テ ロ 対 策 特 別 措 置 法 」 成 立
① 事 実 の 概 要
ア フガ ニ ス タ ン攻 撃 に際 し、 ア メ リカ や イ ギ リス な どに対 して 情 報 の 提 供 、 燃 料 の補 給 ・輸 送 な どを盛 り込 ん だ 「 テ ロ対 策 特 別 措 置 法 」(平 成13年 法律第113 号)が 、 制 定 され た 。
第2条 政 府 は 、 この 法 律 に基 づ く協 力 支 援 活 動 、 捜 索 救 助 活 動 、被 災 民 救 援活 動 そ の 他 の必 要 な措 置(以 下 「 対 応 措 置 」 とい う。)を 適 切 か っ 迅 速 に 実 施 す る こ とに よ り、 国 際 的 な テ ロ リズ ム の 防 止 及 び根 絶 の た め の 国 際 社 会 の取 組 に 我 が 国 と して 積 極 的 か つ 主 体 的 に寄 与 し、 もっ て 我 が 国 を含 む
国 際 社 会 の の平 和 及 び安 全 の確 保 に努 め る も の とす る。
② 対 応 措 置 の実 施 は、 武 力 に よ る威 嚇 又 は 武 力 の 行 使 に 当 た る もの で あ っ て は な らな い 。
③ 対 応 措 置 に つ い て は 、 我 が 国領 域 及 び現 に戦 闘 行 為(国 際 的 な武 力 紛 争 の 一環 として行 わ れ る人 を殺 傷 し又 は物 を破 壊 す る行 為 をい う。 以 下 同 じ。) が 行 わ れ て お らず 、 か っ 、 そ こで 実 施 され る活 動 の期 間 を通 じて 戦 闘 行 為 が 行 わ れ る こ とが な い と認 め られ る次 に掲 げ る地 域 に お いて 実 施 す る もの
とす る。
一 公 海(海 洋 法 に関 す る国 際連 合 条 約 に規 定 す る排 他 的 経 済 水 域 を含 む 。 第 六 条 第 五 項 に お い て 同 じ。)及 び そ の 上 空
二 外 国 の 領 域(当 該 対 応 措 置 が 行 わ れ る こ とに つ い て 当 該 外 国 の 同意 が あ る場 合 に 限 る。)
④ 内 閣 総 理 大 臣 は 、 対 応 措 置 の 実施 に 当 た り、 第 四条 第 一 項 に規 定 す る基 本 計 画 に基 づ い て 、 内 閣 を 代 表 して 行政 各 部 を指 揮 監 督 す る。
⑤ 関 係 行 政 機 関 の 長 は、 前 条 の 目的 を達 成 す る た め、 対応 措 置 の実 施 に 関 し、 相 互 に協 力 す る もの とす る。
第3条 この 法 律 に お い て 、 次 の 各 号 に掲 げ る用 語 の 意 義 は、 それ ぞ れ 当 該 各 号 に 定 め る と こ ろ に よ る。
一 協 力 支 援 活 動 諸 外 国 の軍 隊 等 に対 す る物 品 及 び役 務 の 提 供 、 便 宜 の
日本国憲法第九条の軌跡(三) 197
供 与 その他 の措置 で あって、我 が 国が実施 す る もの をい う。
二 捜 索救 助 活動 諸 外 国 の軍 隊等 の活 動 に際 して行 われ た戦 闘 行 為 に よって遭難 した戦闘 参加者 につ いて、 そのi捜索 又 は救助 を行 う活動(救 助 した者 の輸 送 を含 む。)で あって、我 が国 が実施 す る もの をい う。
三 被 災民救 援活 動 テ ロ攻 撃 に関連 し、国 際連合 の総 会 、安 全保 障理 事 会 若 し くは経済社 会理 事会 が行 う決議 又 は国際連 合 等が行 う要 請 に基 づ き、被害 を受 け又 は受 けるお それ が ある住 民 その他 の者(以 下 「 被 災 民」
とい う。)の 救援 の ため に実施 す る食糧 、衣料 、医薬 品 その他 の生活 関連 物 資 の輸送 、衣料 その他 の人 道的精神 に基づ いて行 われ る活動 で あって、
我 が 国が実施 す る もの を い う。
第5条 内閣総 理大 臣は、基本 計画 に定 め られ た 自衛 隊 の部 隊等 が実 施 す る 協 力支i援活動 、i捜索救援 活動 又 は被 災民救援 活 動 にっ いて は、 これ らの対 応措 置 を開始 した 日(防 衛長 官が 次条 第二項 、第七 条第 一項 又 は第八 条 第 一項 の規 定 に よ りこれ らの対 応措 置 の実 施 を 自衛 隊 の部 隊等 に命 じた 日を い う。)か ら二十 日以 内に国会 に付議 し、 これ らの対応措置 実施 につ き国会 の承 認 を求 め な けれ ばな らな い。 た だ し、 国会 が 閉会 中の場 合又 は衆 議 院 が解 散 され て い る場 合 には、 その後 最初 に召 集 され る国会 において 、速 や か に、 そ の承 認 を求 め なけれ ぼな らない。
第12条 協 力支 援活 動、捜 索救 助活 動又 は被 災 民救援 活動 の実施 を命 ぜ られ た 自衛 隊の部 隊等 の 自衛 官 は、 自己又 は 自己 と共 に現 場 に所在 す る他 の 自 衛 隊員若 し くはその職 務 を行 うに伴 い 自己の管理 の下 に入 った者 の 生命 又
は身体 の防護 の ためや む を得 ない必要 が あ る と認 め る相 当 の理 由が あ る場 合 に は、 その事態 に応 じ合理 的 に必 要 と判 断 され る限度 で、 武器 を使 用 す
るこ とが で きる。
自衛 隊 の活動範 囲 は、 「 周辺事 態法」 にお いて は、 日本 周辺 の公 海や そ の上 空 に限定 され て いたが、 同法 の成 立 に よ り、 外 国 の領 域 まで拡 大 され る結 果 となった。 しか し、 これ まで述べ て きた法 案 同様 、本法 案 も活動 の範 囲 や 内容 に明確 な線 引 きが な されて い ない な ど、 さ まざ まな問題 が残 った。
この法 案 の是非 につい て、朝 日 ・読 売 の両新 聞社 の 意見 は分 かれ た。
a・
② 争 点
(1)テ ロ特 措 法 の 是 非 一 集 団 自衛 権 の行 使 に抵 触 す る可 能 性 (II)「 戦 闘 地 域 」 と 「 非 戦 闘 地 域 」 との 区別
(III)事 後 承 認 手 続 きの 是 非
③ 論 調 ・分 析
【 朝 日新 聞 】 朝 日新 聞 は、 慎 重 な審 議 を踏 まえ た うえで の 決議 をな す べ きで あ る。
戦 闘 状 態 に あ る国 で 自衛 隊 の後 方 支 援 を行 う こ とは、 場 合 に よっ て は 集 団 的 自衛 権 の 行 使 に あ た る危 険 性 も生 じて くる。 従 っ て 、 しっ か り した 議 論 を 経 な い の で あ れ ぼ 、 反 対 の 姿 勢 に立 っ と して い る。
(1)反 対 で あ る。
集 団 的 自衛 権 の 行 使 につ い て は、 「ミサ イ ル攻 撃 や 空爆 が 多用 され る近 代 戦 で は、 後 方 支 援 とい う概 念 も あ い ま い だ 。」 と批 判 して い る。
「 後 方 支 援 と して何 を す るの か 。 派 遣 され る 自衛 隊 は 『武 力行 使 』 しな い の が 大 前 提 だ が 、 ミサ イ ル 攻 撃 や 空 爆 が 多用 され る近 代 戦 で は、 後 方 支 援 とい う概 念 も曖 昧 だ 。 米 軍 の 軍 事 行 動 と自衛 隊 の 後 方 支 援 が 一 体 の もの とみ な さ れ れ ぼ、 そ れ 自体 が憲 法 の禁 じ る武 力 行 使 に あた る可 能 性 が あ る。」 「さ らに、
日米 安 保 条 約 の 枠 組 み を超 え て、 米 国 の 『自衛 戦 争 』 を 自衛 隊 が 外 国 まで 出 向 い て 支 援 す る こ とは、 政 府 の憲 法 解 釈 で 禁 じ られ て い る 『 集 団 的 自衛 権 の 行 使 』 に あ た らな い か 。」(OI年10月30日)
(II)線 引 き は 困 難 で あ る。
線 引 き に つ い て も、 活 動 地 域 の 範 囲 や 内 容 とい っ た 点 で 、 明確 な 線 引 きが 困難 で あ る と指 摘 して い る。
「 活 動 地 域 にっ いて 、法 律 は 『現 に戦 闘行 為 が行 われ て お らず 、 活 動 の期 間
を通 じて 戦 闘 行 為 が 行 わ れ る こ とが な い と認 め られ る』 地 域 と して い るが 、
小 泉 首 相 は 『無 限 定 』 と語 っ て い る。 法 解 釈 上 は、 テ ロ撲 滅 に 向 け た米 軍 支
援 で あ れ ば 、 地 球 上 の ど こで も 自衛 隊 を派 遣 で き る こ とに な る。 戦 闘 中 の ア
フガ ニ ス タ ン へ は不 可 能 だ が 、 政 府 が 当初 か ら想 定 して い た 隣 国 の パ キ ス タ
ンや 米 軍 基 地 の あ るイ ン ド洋 の デ ィエ ゴガ ル シ ア 島(英 領)な ら、 相 手 国 の
同 意 が あ れ ぼ派 遣 可 能 だ 。 た だ 、 今 後 米 軍 の展 開地 域 が 拡 大 す る こ とは あ り
う る。 政 府 は、 現 地 情 勢 を調 査 した 上 で 、 基 本 計 画 を作 るが 、 戦 闘 地 域 の 認
日本 国憲 法第 九条 の軌跡(三 〉 X99
定 は難 しい面 が あ る。」(01年10月30日) (皿)事 後 承 認 は認 め な い。
この 問題 に つ い て 、 施 行 後 の記 事 で あ るが 、 派 遣 に つ い て の 国 会 審 議 で 政 府 が 「自衛 隊 の 活 動 が あ らか じ め明 らか に な る と、 米 軍 の作 戦 行 動 に も支 障 を き た す 」 と主 張 して 、 質 問 を交 わ して い た 点 につ い て 、 文 民 統 制 が 図 れ な い と述 べ て い る。(Ol年12月1日)
【 読 売 新 聞 】 テ ロ撲 滅 とい う国 際 共 同行 動 に積 極 的 に 参 加 をす る必 要 が あ る との 観 点 か ら、 成 立 を推 進 す る立 場 を とって い る。
(1)推 進 す べ きで あ る。
「 『自衛 隊 の活 動 が 武 力 行 使 と0体 化 して は な らな い 』 とい っ た 過 去 の 憲 法 解 釈 や 国 会 答 弁 との 整 合 性 に こだ わ るあ ま り実 効 あ る活 動 を 阻 害 す る論 議 を 繰 り返 す べ きで は な い 」 と して 、 集 団 自衛 権 を容 認 す る論 調 を して い る。
さ らに、 「 国 際 テ ロ は 日本 で も起 こ りう る脅 威 で あ る。 だ か ら こ そ、 日本 自身 の 問 題 と して 、 反 テ ロ対 策 に真 剣 に取 り組 ま な けれ ば な らな い ので あ る。 自 衛 隊 の 活 動 は こ こ ま で しか で き な い とい う議 論 を して い て は、 テ ロ組 織 に 対 し 『日本 は テ ロ に甘 い 』 との 誤 っ た メ ッセ ー ジ を発 信 しか ね な い。 テ ロ に は 毅 然 と戦 う国 家 で あ る とい う姿 勢 を 、 論 戦 を通 して 示 す こ とが 重 要 だ 。」
(01年10月6日) (II)線 引 き に 固執 せ ず 、 積 極 性 を もっ て 取 り組 む べ きで あ る。
「 『日本 は危 険 な場 所 に行 くべ きで は な い 』 とい う考 え を前 提 に した 議 論 を して きた 。 しか し、 そ う した 議 論 を して い て は実 効 あ る活 動 が で き な くな る の は明 らか だ 。」 と積 極 性 を示 して い る。(01年10月6日)
(III)賛 成 で あ る。
事 後 承 認 に つ い て 「 与 野 党 合 意 を優 先 す る た め に 、 国会 承 認 を盛 り込 む 必
要 が あ る、 とい うの で あれ ば、 緊 急 事 態 に機 動 的 、 効 果 的 に 対 応 で き る よ う
に して お くこ とが 重 要 だ 。 そ う した観 点 に立 て ば、 国 会 承 認 は事 後 承 認 で い
い。」 と賛 成 の立 場 を と る。(Ol年10月13日)
200
2001年12月22日
「不 審 船 」 問 題 発 生
①事 実 の概 要
奄美大 島沖で 発見 され た不 審船 に対 し、海 上保安 庁 の巡視 船 が発砲 し、 当該 不 審船 が沈 没 した。船 の形 状 や乗務 員 の遺体 の救 命胴 衣 の文字 か ら北 朝鮮 の も
ので あ った こ とか ら、北朝 鮮 か ら出航 して きた もので あ る と断 定 され た。 自衛 隊の創 設後 、初 めて の 「 海 上警 備 行動」(自 衛隊法第82条)が 、発令 された。
2002年4月16日
有 事 関 連3法 案 を閣 議 決 定
① 事 実 の概 要
日本 有 事(武 力攻撃 事態)に な った 際 に 、 如 何 に して 対応 を行 うのか 。 つ い に か か る事 態 を定 め た 有 事 関 連3法 案(武 力攻 撃事 態法、 自衛 隊法 改正 案 、安 全保 障 会 議設 置法改正 案)の 閣 議 決 定 が な され た 。 翌 日、 国 会 提 出 とな った 。1年 後 の 2003年6月6日 に成 立 を み る こ とに な る(後 述)。
2003年 丁月16日 〜1月26日 政 府 、 世 論 調 査 実 施
① 事 実 の概 要
内 閣 府 は 、2000年 に続 き、 国 民 の 意 識 を把 握 し、 今 後 の施 策 の参 考 とす るた
I)
め 「自衛 隊 ・防 衛 問 題 に関 す る世 論 調 査 」 を実 施 した 。 調 査 対 象 は、 母 集 団 ・ 全 国20歳 以 上 の 者 、 標 本i数 ・3,000人 、 抽 出方 法 ・層 化2段 無 作 為 抽 出 で あ る。
本 稿 と密 接 に関 連 す る質 問 事 項 を取 り上 げ る。
Qll〔 回 答 票10〕 平 成10年 以 降 、 ホ ン ジ ュ ラ ス共 和 国 の ハ リケ ー ン、 トル
コ北 西 部 地 震 及 び イ ン ド地 震 に際 し、 自衛 隊 が 派 遣 され 、 現 地 に お け る
医療 活 動 、 防 疫 活 動 及 び物 資 の 海 上 輸 送 、 航 空 輸 送 等 の 国 際 緊 急 援 助 活
動 を実 施 しま した 。 この よ う に、 外 国 で 災 害 等 が あ っ た場 合 に 自衛 隊 を
日本国憲法第九条の軌跡(三) 201 派 遣 し、 そ の 救 援 活 動 を 行 う こ とにつ い て あ な た は ど う思 い ます か 。 こ の 中 か ら1つ お 答 え くだ さい 。
(40.1)(ア)賛 成 す る
(38.4)(イ)ど ち らか と言 え ば賛 成 で あ る (6.1)(ウ)ど ち らか と言 え ば反 対 で あ る (2.3)(エ)反 対 で あ る
(6.7)0概 に言 え な い (6.4)わ か らな い
Q12〔 回 答 票10〕 国 際 平 和 協 力 へ の 取 組 と して 、 ゴ ラ ン高 原 及 び チ モ ー ル にお け る国連 平 和 維 持 活 動(PKO)に 自衛 隊 が 参 加 して い ますが 、 世 界 の 平 和 と安 全 の た め のPKOな どに 、今 後 も 自衛 隊 が 参 加 す る こ とにつ い て あ な た は ど う思 い ます か 。 この 中 か ら1つ お 答 え くだ さ い 。
(29.4)(ア)賛 成 す る
(40.8)(イ 〉 どち らか と言 え ば賛 成 す る (8.7)(ウ)ど ち らか と言 え ば反 対 で あ る (4.3)(エ)反 対 す る
(7.5)一 概 に言 え な い (9.4)わ か らな い
Q20〔 回 答 表17〕 日本 は現在 、 ア メ リカ と安 全 保 障 条 約 を結 ん で い ます が 、 この 日米 安 全 保 障 条 約 は 日本 の 平 和 と安 全 に役 立 っ て い る と思 い ま すか 、 役 立 っ て い な い と思 い ます か 。 この 中 か ら1つ お 答 え くだ さい 。
(31.4)(ア)役 立 っ て い る
(42.0)(イ)ど ち らか と言 え ば役 立 っ て い る (10.1)(ウ)ど ち らか と言 え ば役 立 っ て い な い (3.2)(エ)役 立 って い な い
(13.4)わ か らな い
Q21〔 回 答 表18〕 で は、 あ な た は 日本 の 安 全 を守 るた め に は どの よ うな 方 法 を とるべ きだ と思 い ます か 。 この 中 か ら1つ お 答 え くだ さ い 。
(8.3)(ア)日 米 安 保 条 約 をや め て 自衛 力 を強 化 し、 我 が 国 の 力 で 日本
の 安 全 を守 る
202
(72.1)(イ)現 状 どお り 日米 の 安 全 保 障体 制 と 自衛 隊 で 日本 を守 る (4.7)(ウ)日 米 安 保 条 約 を や め、 自衛 隊 も縮 小 ま た は廃 止 す る
(1.1)そ の他
(13.8)わ か らな い
前 回2000年 調 査 で は 、国 際 緊 急 援 助 活 動 へ の 自衛 隊 参 加 支 持 が86.3㌫ で あ っ た の が 、78.3㌫ に低 下 し、PKOへ の 参 加 支 持 も79.5㌫ か ら70.2㌫ と減 少 して い る。
2003年3月20日
イ ラ ク 攻 撃 開 始
① 事 実 の概 要
国 際連 合 安 全 保 障 理 事 会 は、2002年11月8日 、大 量 破 壊 兵 器 等 の拡 散 が 国 際 の 平 和 及 び 安 全 に 対 す る脅 威 に な っ て い る との認 識 の 下 、 イ ラ ク に 武 装 解 除 の 義務 を遵 守 す る最 後 の機 会 を 与 え る決 議(決 議1441)を 全 会 一 致 で採 択 した 。決 定 内 容 は 、 イ ラ ク は武 装 解 除 義 務 違 反 とい う重 大 な義 務 違 反 の状 態 に あ り、 ① 義 務 を履 行 して い る との 証 明 を為 す た め に も、 国 際 原 子 力 機 関(IAEA)及 び 国 連 監 視 検 証 査 察 委 員 会(UNMOVIC)の 査 察 を受 け る必 要 が あ る こ と、 ② 決 議 採 択 後30日 以 内 にUNMOVIC、IAEA及 び安 保 理 に対 して 現 在 の大 量 破 壊 兵 器 開 発 プ ロ グ ラ ム の す べ て の 内 容 を 申 告 す る こ と、 ③ 違 反 を続 け れ ぼ 重 大 な 結 果 (seriousconsequences)に 直 面 す る、 とい うもの で あ っ た(2002年11月10日 付
「 赤旗 」参照) 。 イ ラ ク は採 択 後 の 国連(UNMOVIC)査 察 に応 じたが 、 委 員長 で あ る ブ リス ク氏 は神 経 ガ ス や 炭 疽 菌 関 連 物 質 につ い て は っ き り と した 回答 が な い
と報 告 を 行 っ た 。
これ に 対 して 、 安 保 理 は 「 イ ラ ク は武 装 解 除 の要 求 を 、 い ま も って 本 当 に受 け入 れ て い な い 」 と判 断 した 。 この報 告 に関 して 、 い ち 早 く反 応 した の が ア メ リカ で あ っ た 。 ア メ リカ は 、 イ ラ ク に対 して 武 力 攻 撃 を行 うべ きだ と主 張 し、
安 保 理 決 議678、687、1441を 含 む一 連 の 関連 安 保 理 決 議 を根 拠 に、 安 保 理 の決
議 を待 た ず に イ ギ リス と共 に攻 撃 を 開 始 した 。 この 行 動 に 関 して 、 世 界 中 か ら
非 難 の声 が あが った 。 具 体 的 に フ ラ ン ス ・ドイ ッ ・中 国 な どは反 対 の 意 思 を表
日本国憲法第九条の軌跡(三) ,203
明 した 。 これ に対 して 、 日本 は 即 座 に賛 成 の意 を表 明 した 。 この 表 明 に対 し、
国 内で 批 判 の 声 が あ が っ た 。
② 争 点
(1)攻 撃 の 是 非 につ い て (II)我 が 国 の 対 応 につ い て
③ 論 調 ・分 析
【 朝 日新 聞 】 朝 日新 聞 は、 国連 決 議 を無 視 した行 動 に 対 して、 単 独 行 動 主 義(ユ ニ ラテ ラ リズム)だ と批 判 し、 反 対 の 立 場 を とっ て い る。 ま た 、 我 が 国 の 対 応 につ い て も、 支 持 した こ とが き っ か け とな りテ ロ の 標 的 とな る危 険 性 が あ る
と し、 ア メ リカ に対 して 自制 を促 す 毅 然 と した 態 度 を と るべ きで あ る と して い る。
(1)反 対 で あ る。
開 戦 前 は、 大 量 破 壊 兵 器 査 察 に 対 して 非 協 力 で あ っ た との 報 告 の み で 即 武 力 行 使 を し よ う とす る ア メ リカ ・イ ギ リス の態 度 に対 して 、 戦 争 機 運 を あ お
る こ とを慎 む べ きで あ る と批 判 して い る。
開 戦 後 は 、 多 数 の 支 持 を得 て い る とい うア メ リカ の 主 張 に対 して 、 支 持 を 表 明 して い る大 半 の 国 が 、 旧来 の 同 盟 国 及 び 同 国 か らの 経 済 支 援 を受 け る立 場 の 弱 い 国 で 構 成 され て い る と指 摘 し、 実 質 的 に単 独 行 動 を とっ て い る こ と
に変 わ りは な い と述 べ て い る。 また 、 「フセ イ ンか らの 民衆 の解 放 」 とい う 目 的 を掲 げ て い るに もか か わ らず 、 民 間 人 の 被 害 者 が 次 々 に 生 じて い る こ とは 相 反 す る状 態 で は な い か と指 摘 して い る。 さ らに、 戦 争 に大 義 な どな く、 民 衆 が い つ の時 代 も犠 牲 に な る と主 張 し、 戦 争 絶 対 に 反 対 す る とい う強 い 姿 勢
をみ せ て い る。
(開 戦 前)
「 イ ラ ク は、 査 察 団 に対 して 大 統 領 関 連 施 設 を含 む す べ て の施 設 へ の 立 ち入 りを認 め て お り、 表 面 上 は協 力 的 で あ る。 しか し、 今 回 の 査 察 を決 め た 安 保 理 決議1441が 求 め て い るの は、 イ ラ クが廃 棄 す べ き大 量 破 壊 兵 器 を差 し出 し
た り、 そ れ が な い とい うな ら、 な い こ とを裏 付 け る に足 る証 拠 を示 した りす
る こ とだ 。 ブ リス ク氏 は、 こ う した 実 質 的 な 協 力 が な い こ とを安 保 理 に報 告
し、 『イ ラ ク は武装 解 除 の要 求 を い ま もっ て本 当 に受 け入 れ て は い な い よ うだ 』
204
と述 べ た 。 極 め て遺 憾 で あ る。」 「 米 国 は 、 この報 告 で 『重 大 な違 反 』 が 裏 付 け られ た と して 、 対 イ ラ ク武 力 行 使 に 向 け た圧 力 を0層 強 め る姿 勢 を打 ち 出 した 。」 「だ が 査 察 団 は 、 イ ラ クが 大 量 破 壊 兵 器 の 開 発 を再 開 した り、 保 有 し て い た りす る証 拠 を突 き止 め た わ け で は な い。 武 力 行 使 にっ な が る よ う な違 反 は示 され な か った 。 ブ ッ シ ュ政 権 は、 報 告 を理 由 に戦 争 機 運 を あ お る こ と を厳 に慎 む べ きで あ る。」 「 イ ラ ク に 対 す る不 信 は募 る が 、 こ こ は決 して 先 を 急 ぐべ き で は な い 。 我 々 は、 あ くまで 米 英 の慎 重 な 対 応 を求 め る。」
(03年1月29日)
「 イ ラ ク側 は大 量破 壊 兵 器 を廃 棄 した と しな が らも具体 的 な証 拠 を示 さな い。
査 察 へ の 協 力 が 不 十 分 で あ るの は事 実 だ 。」 「 大 統 領 は、9・11の テ ロ まで 多 くの 人 は イ ラ ク を封 じ込 め られ る と思 っ て い た が 、 状 況 は変 わ っ た と指 摘 し た 。 テ ロ リス トは化 学 兵 器 を使 う こ と もた め らわ な い か も しれ な い 。」 「テ ロ との 戦 い は正 義 の 戦 い で あ り、 イ ラ ク攻 撃 も そ の.̲.だ とい う理 屈 で あ る。
しか し、 これ に も無 理 が あ る。 イ ラ ク とア ル カ イ ダ と を明 確 に結 び つ け る事 実 は い まの と こ ろ な い 。 差 し迫 っ た 危 険 が 明 らか で な い に もか か わ らず 、 将 来 危 険 が あ るか も しれ な い か ら とい う理 由 で予 防 的 な先 制 攻 撃 に打 って 出 る。
それ が 認 め られ る は ず は な い。 … … ブ ッ シ ュ大 統 領 は これ で 戦 争 に突 き進 む の か 。 世 界 の 懸 念 は い よい よ深 い。」(03年1月30日)
(開 戦 後)
「(攻 撃 を仕掛 け るまでの48時 間 をテ レビでカ ウン トダウ ンしていた こ とについて) 米 国 が 仕 掛 け る戦 争 に は 、 ゲ ー ム感 覚 が つ き ま と う。 しか し、 地 上 で は、 兵 士 か 市 民 か を問 わ ず 多 くの 人 が 死 に、 傷 つ き、 街 が壊 れ る。 い つ の 時代 で も 最 大 の被 害 者 は、 標 的 とさ れ る支 配 者 で は な い 。 民衆 で あ る。 戦 争 を しな く て も大 量 破 壊 兵 器 を廃 棄 させ る可 能 性 が 残 っ て い た の に、 ブ ッ シ ュ政 権 は 制 止 を振 り切 る よ うに 武 力行 使 の 道 を選 ん だ。 私 た ち は この戦 争 を支 持 しな い。」
(03年3月21日)
「 『この攻 撃 を35以 上 の 国 が支 持 して い る』。 開戦 の 日の演 説 で 、 ブ ッシ ュ大
統領 は、 米 国 は孤 立 して い な い と訴 え た 。」 「30の顔 ぶ れ で 目立 っ の は 、 日本
を含 む 旧来 の 同 盟 国 、 米 国 が 『新 しい 欧 州 』 と持 ち上 げ た 東 欧 の 新 同 盟 国 と
並 ん で 、 深 刻 な 貧 困 を抱 え 、健 全 な 民 主 主 義 に も程 遠 い 国3分 の1以 上 を 占
日本国憲法第九条の軌跡(三) 245 め て い る こ とだ 。」 「 各 国 の政 府 は、 米 国 の 経 済 援 助 や 政 治 的 な 支 援 に頼 らざ る を得 な い。 そ れ が 米 国 支 持 の大 き な理 由 だ ろ う。」 「 崇 高 な 理 念 を掲 げ な が ら、 実 際 に は 目先 の 軍 事 、 経 済 的 な利 害 を優 先 し、 た とえ 理 念 に そ ぐわ な い 相 手 で あ っ て も手 を結 ぶ こ とを い とわ な い 。 そ う した 米 外 交 の 二 重 基 準 に不 信 の 目が 注 が れ る。 今 に始 ま っ た こ とで は な い 。 か つ て 、 イ ラ ン に戦 争 を仕 掛 けた フ セ イ ン大 統 領 をイ ラ ン憎 しで助 け、 『中東 の 怪 物 』 に 育 て て しま っ た の は、他 な らぬ 米 で あ っ た。」 「 米 国 の な りふ り構 わ ぬ 『そ の場 そ の 場 の 同 盟 』 主 義 に世 界 が 揺 れ る。 イ ラ ク戦 争 へ の 支 持 が 広 が らな い 大 き な 理 由 だ 。」
(03年3月31日)
「ブ ッシ ュ大 統 領 は戦 争 目的 と して 『 大 量 破 壊 兵 器 を破 棄 させ る』 こ とや 『イ ラ ク の 国 民 を独 裁 政 権 か ら解 放 す る』 こ とを あ げ て い る。 多 くの 市 民 を 巻 き 添 え にす る非人 道 的 な兵 器 をむ や み に使 っ て は 、 米 国 の主 張 す る こ う した 『 大
1=』 に も反 す る
。 どん な 戦 争 も非 人 道 的 だ。 それ で も、 最 低 限 の 自制 心 を失 っ て は な らな い 。」(03年4月1日)
(IDア メ リカ の 単 独 行 動 主 義 に対 して 、 は っ き り と批 判 す べ きで あ る。
中 国 ・ロ シ ア ・ドイ ツ ・フ ラ ン ス の 各 国 首 脳 が 、 は っ き り と した 意 思 表 示 を行 っ て い るの に 対 して 、 日本 は沈 黙 ばか りせ ず 、 は っ き り と した 意 思 表 示 を す べ きで あ る と批 判 して い る。 ア メ リカ との 関 係 に傷 を つ け た くな い 日本 の 姿 勢 を 指 摘 し、 批 判 す べ き時 にす る とい っ た 毅 然 と した 態 度 を とるべ き で あ る と述 べ て い る。
「 性 急 な攻 撃 は正 当化 で き るか 。 戦 争 は 中東 や 世 界 に どん な影 響 を与 え るか 。 肝 心 な テ ロ との 戦 い に とっ て プ ラス に な るか 。 各 国 首 脳 が 真 剣 に議 論 して い
るの は そ う した こ とで あ る。」 に もか か わ らず 、 イ ラ ク攻 撃 に 関 して 、 「 イ ラ クは査 察 に協 力 す べ きだ 」 と頑 な な返 答 しか しな い 首 相 の 態度 に対 して 、 「 イ ラ クが 査 察 に全 面 的 に協 力 し、 国連 決 議 を履 行 す べ きな の は そ の通 りで あ る。
しか し、 い ま国 民 が 首 相 か ら聞 きた い の は 、 米 国 に よ る戦 争 、 それ を 支 え る ブ ッ シ ュ政 権 の 論 理 を ど う考 え るか な の だ 。」 「 戦 争 を き っ か け に再 び テ ロが 広 が れ ば標 的 に もな りか ね な い。 米 国 と冷 静 に 向 き合 い 、 建 設 的 に批 判 す る。
日本 が 最 も不 得 手 と して き た こ とだ 。 い ま こ そ 、 そ れ を す る時 で あ る。」
(03年1月24日)
206
【 読 売 新 聞 】 読 売 新 聞 は、 全 体 的 に アメ リカ の 武 力 攻 撃 の是 非 よ りも 日本 の行 使 を踏 ま え た 対 応 につ い て 、 重 き を置 い て 述 べ て い る。
ア メ リカ の 武 力 行 使 に対 して は、 あ くまで も慎 重 に な され るべ きだ と主 張 して い る。 ま た 、 日本 の 対 応 に っ い て は 、 イ ラ ク が 国 連 決 議 を長 年 に わ た り 無 視 し続 け、 そ の権 威 を踏 み に じ った 事 実 に言 及 し、 「 非 が あ るの は イ ラ クで あ る」 との 首 相 の 判 断 は 間 違 っ て い な い と支 持 す る意 向 を示 して い る。
(1)慎 重 に あ るべ き だ が 、 テ ロ リス トに大 量 破 壊 兵 器 が テ ロ リス の 手 に移 る危 険 性 か ら、 武 力 行 使 もや む を得 ない(こ の部分 に関 して、明言 した記事 はが な い)。
(II)武 力 攻 撃 に際 して 、 「 や む を得 な い決 断 だ 」 と述 べ た首 相 の判 断 を支 持 す る。
戦 争 は絶 対 悪 だ と主 張 す る朝 日新 聞 と現 実 的 に 日米 同盟 を維 持 す る こ とが 東 ア ジ ァ の 安 定 につ なが る と主 張 す る読 売 新 聞 との 対 立 点 が は っ き り と き わ だ っ て い る。
読 売 新 聞 は 、 東 ア ジ アの 平 和 と安 全 を維 持 して い る要 因 は、 日米 同 盟 に あ る と述 べ 、 こ の 同盟 関 係 を維 持 す る こ とが 国 益 に適 う と して い る。 従 っ て 、 首 相 の 日米 同 盟 の 重 要 性 を 強 調 し、 アメ リカ の 武 力 行 使 を支 持 した 首 相 の 判 断 は適 切 だ っ た と述 べ て い る。
「ブ ッシ ュ大 統 領 の最 後 通 告 につ い て 、 小 泉 首 相 は 『や む を得 な い決 断 だ 』 と して う えで 、 『米 国 が 武 力 行 使 に踏 み切 っ た 場 合 は支 持 す る』 と した 。 首 相 の決 断 を支 持 した い。 首 相 は 『日米 同 盟 の重 要 性 を わ き まえ 国 際協 調 を図 る。
日米 関 係 の信 頼 性 を損 な う こ とは、 国 益 に反 す る』 と強 調 した 。 国 益 の 観 点 か ら 日米 同盟 を 打 ち 出 した の は当 然 で あ る。 日米 同 盟 は、 日本 の安 全 保 障 は も と よ り、 東 ア ジ ア の平 和 と安 全 に大 き く寄 与 して い る。 と りわ け北 朝 鮮 の 動 き を念 頭 に置 か な けれ ば な らな い 。 北 朝 鮮 が核 兵 器 や 弾 道 ミサ イ ル の 開 発 、 配 備 を強 化 しつ つ あ る状 況 を 直 視 す れ ば 、 米 国 との 同盟 関 係 を揺 るが す 対 応
は と るべ きで は な い 。」(03年3月19日)
国 連 決 議 を無 視 し続 け る 「 イ ラ ク に対 し、 米 国 が 武 力 行 使 に踏 み切 っ た 。
安 保 条 約 に よ り、 日本 の安 全 保 障 に重 大 な責 務 を 負 っ て い る米 国 との 同 盟 関
係 を踏 ま えれ ぼ 、 米 支 持 は他 に選 択 の余 地 が な い、 適 切 な選 択 だ った 。」 北 朝
日本国憲法第九条の軌跡(三) 207
鮮 の脅 威 に つ い て 述 べ た うえ で 「 北 朝 鮮 に対 して 、 最 大 の 抑 止 力 とな っ て い るの が 米 国 の軍 事 力 だ 。 日米 同 盟 の 重 要 性 は 、 か つ て な く高 まっ て い る。 日 米 同盟 関 係 を損 ね るの は好 ま し くな い、 と考 え るの は 当 た り前 だ ろ う。」 と主 張 して い る。(03年3月25日)
2003年6月6日
「武 力 攻 撃 事 態 法 」 成 立
① 事 実の概 要
2002年4月16日 に閣議 決定 され、第156回 通 常 国会 へ提 出 され た有事 関連3 法案 が修 正 を経 て衆 参両 院 それ ぞれで9割 近 い賛成 を得 て可 決 した。 法案 提 出 か ら、3会 期 を経 ての議 決で あった。関 連3法 が成 立 した こ とに よって 、武 力 攻 撃 、武 力攻撃 事態 、武 力攻 撃予測 事態 の 際 にお け る 自衛 隊 の運用 、各地 方 自 治体 や民 間企 業 が どの よ うに協 力 す るのかが 定 め られ、 日本 の憲 法及 び安 全保 障 の歴史 に新 た な布 石が 打 たれ る こ とになった。
改 正安全 保 障会議設 置法(平 成15年 法律第78号)
第2条 内閣総理大 臣 は、次 の事項 にっ いて は、(安 全保 障)会 議 に諮 らな け れ ば な らない。
四 武力攻 撃事 態等(武 力攻 撃事 態及 び武 力攻撃 予測 事 態 を い う。 以下 同 じ。)へ の対処 に関 す る基本 的 な方 針
五 内閣総 理大 臣が 必要 と認 め る武力攻 撃事 態 等へ の対処 に関 す る重要 事 項
七 内閣総 理大 臣が 必要 と認 め る重大 緊急 事態(武 力攻 撃事 態等 及 び前 号 の規 定 に よ り国防 に関 す る重要 事項 として その対処 措 置 につ き諮 るべ き 事 態以外 の緊 急事 態で あって、 我が 国の安 全 に重大 な影 響 を及 ぼ す恐 れ が あ るもの の うち、通 常 の緊急事 態 対処体 制 に よって は適切 に対処 す る
こ とが 困難 な事態 をい う。 以下 同 じ。)へ の対処 に関す る事項
第8条 会議 に、 事態 対処 専 門委員会(以 下 「 委 員会」 とい う。)を お く。
② 委 員会 は、第 二条 第一項 第 四号 か ら第 七号 まで に掲 げ る事 項 の審議 及 び
これ らの事項 に係 る同条第 二項 の意見具 申 を迅速 かつ 的確 に実施 す るため、
/'
必要 な事 項 に関 す る調査 及 び分析 を行 な い、 その結果 に基 づ き、会 議 に進 言 す る。
③ 委 員会 は、委 員長 及 び委 員 を もって組織 す る。
④ 委 員長 は、 内閣官房長 官 を もって充て る。
⑤ 委 員 は、 内閣官房 及 び関係行 政機 関 の職 員 の うちか ら、 内閣総理 大 臣が 任命 す る。
武 力攻 撃事 態法(平 成15年 法律 第79号)
第1条 この法 律 は、武 力攻 撃事 態等(武 力攻撃 事態 及 び武力攻 撃予 測 事態 をい う。 以下 同 じ。)へ の対処 につ いて、基本 理念 、国、地方公 共団体 等 の 責務 、 国民 の協 力 その他 の基本 とな る事項 を定 め る こ とに よ り、 武力攻 撃 事態 等 へ の対 処 の ため の態 勢 を整備 し、併 せ て武力 攻撃 事態等 へ の対処 に 関 して必 要 とな る法制 の整備 に関 す る事項 を定 め、 もって わが国 の平 和 と 独 立並 び に国及 び国 民 の安 全 の確 保 に資 す るこ とを 目的 とす る。
第2条 この法律 において 、次 の各号 に掲 げ る用 語 の意義 は、 それぞ れ当該 各号 に定 め る ところ に よる。
一 武 力攻撃 我が 国 に対 す る外部 か らの武力 攻撃 をい う 。
二 武 力攻撃 事 態 武力攻 撃 が発生 した事 態 又 は武力攻 撃 が発生 す る明 白 な危 険が切 迫 して い る と認 め られ るに至 った事態 をい う。
三 武 力攻撃 予測 事態 武力攻 撃 には至 って いな いが、 事 態が 緊迫 し、武 力攻撃 が予 測 され るに至 った事態 をい う。
四 指 定行政 機 関(略) 五 指定 地 方行政機 関(略)
六 指 定公 共機 関 独 立行 政法 人(独 立行 政 法人通 則法(平 成 十一年 法律 第百 三号)第 二条 第 一項 に規 定 す る独 立行政 法 人 をい う。)、日本銀 行、
日本 赤 十字 社 、 日本 放送 協 その他 の公共 的機 関及 び伝 記 、ガ ス、輸 送、
通信 その他 の公 益 的事業 を含 む法 人で 、政令 で定 め る もの をい う。
七 対 処措 置 第 九条 第 一項 の対処基 本 方針 が定 め られ てか ら廃 止 され る まで の間 に、 指定行 政機 関 、地方公 共 団体 又 は指定公 共機 関 が法律 の規 定 に基 づ いて実施 す る次 に掲 げ る措置 をい う。
イ 武力攻 撃等 を終 結 させ るた め にその推移 に応 じて実施 す る次 に掲
日本国憲法第九条の軌跡(三) 2Q9 げ る措 置
(1)武 力攻撃 を排 除す るた め に必要 な 自衛 隊 が実施 す る武 力 の行 使 、部 隊等 の展 開 その他 の行 動
(2)(1)に 掲 げ る自衛 隊 の行動及 び ア メ リカ合 衆 国 の軍 隊 が実施 す る 日本 国 とアメ リカ合衆 国 との問 の相 互協 力及 び安全 保 障条 約(以 下 「日米安全保 障条約 」 とい う。)に 従 って武 力攻 撃 を排 除 す るた めに必 要 な行動 が 円滑 かつ効 果 的 に行 われ るた め に実 施 す る物 品、施 設 又 は役務 の提供 そ の他 の措 置
(3)(1)及 び(2)に 掲 げ る もの の ほか 、外交上 の措置 その他 の措 置
ロ 武 力攻撃 か ら国民 の生命、 身体 及 び財産 を保 護 す るた め、 又 は武 力攻撃 が 国民生 活及 び国民経 済 に影響 を及 ぼす場 合 において 当該影 響 が最 小 とな る よ うにす るた め に武 力攻撃 事 態 等 の推移 に応 じて実 施 す る次 に掲 げ る措 置
(1)警 報 の発 令 、避 難 の指 示 、被 災者 の救 助 、施 設及 び設 備 の応 急 の復 旧 その他 の措 置
(2)生 活関連 物 資等 の価 格 安定 、配 分 その他 の措 置
第3条 武 力攻撃 事態等 へ の対 処 にお いて は、 国、地 方公 共 団体及 び指定公 共機 関が、 国民 の協 力 を得 つつ、相 互 に連 携協 力 し、万 全 の措置 が講 じ ら れ な けれ ぼ な らな い。(第 二項 以下略)
第9条 政府 は、 武力攻 撃 等 に至 った ときは、 武 力攻撃 等 へ の対処 に関 す る 基 本 的 な方針(以 下 「 対処 基本 方針 」 とい う。)を 定 め る もの とす る。
② 対処 基本 方針 に定 め る事 項 は、次 の とお り とす る。
一 武 力攻撃 事 態で あ る こ と又 は武 力攻撃 予 測事 態 で あ る こ との認定 及 び 当該 認定 の前提 とな った事実
二 当該武 力攻撃 事態 等 へ の対 処 に関 す る全 般 的 な方針 三 対 処措置 に関 す る重要 事項(第 三項〜第五項略)
⑥ 内 閣総理大 臣 は、対 処基 本 方針 の案 を作 成 し、 閣議 の決定 を求 めな けれ ばな らな い。
⑦ 内閣総 理大 臣 は、前 項 の閣議 の決定 が あ った とき は、 直 ち に、 対処 基本
210
方 針(第 四項 第 号 に規 定 す る国 会 の承 認 の求 め に関 す る部 分 を 除 く。)に つ き、 国 会 の承 認 を求 め な け れ ぼ な ら な い 。(八 項〜 第十 五項略)
改 正 自衛 隊 法(平 成15年 法律 第90号)
第76条 内 閣 総 理 大 臣 は、 我 が 国 に対 す る外 部 か らの 武 力 攻 撃(以 下 「 武 力 攻 撃 」 とい う。)が 発 生 した 事 態 又 は武 力攻 撃 が 発 生 す る明 白 な危 険 が 切 迫 して い る と認 め られ る に至 っ た 事 態 に際 して 、 我 が 国 を 防 衛 す るた め 必 要 が あ る と認 め られ る場 合 に は、 自衛 隊 の 全 部 又 は一 部 の 出動 を命 ず る こ と が で き る。 この場 合 に お い て は、 武 力 攻 撃 事 態 等 に お け るわ が 国 の平 和 と 独 立 な らび に 国 お よび 国 民 の安 全 の 確 保 に 関 す る法 律(平 成 十 五 年 法 律 第 七 十 九 号)第 九 条 の定 め る と こ ろ に よ り、 国会 の承 認 を得 な け れ ぼ な らな
い 。