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奥村 貴子

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Academic year: 2021

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      学  位  論  文  審  査  要  旨  公開審査日 2013 年 3 月 27 日(水) 

報告番号:  甲  第  1608  号  氏名: 奥村  貴子

論文審査

担当者  主査    教授  宮澤啓介      印 

副査    教授  松岡正明    印  副査    教授  勝村俊仁    印  審査論文の題目: 

      血管内皮細胞における GLP-1 作動薬の抗動脈硬化作用 

著者:    奥村貴子,田辺 節,ヌルグリエリ,今野一誠,伊藤禄郎,酒井裕幸,金澤 昭, 

小田原雅人 

掲載誌: 東京医科大学雑誌  (2013 年掲載予定)  論文要旨: 

著者らは,GLP-1 受容体作動薬である liraglutide について,血管内細胞における TNF- 刺激に よる IL-6 産生に対する抑制効果の有無をヒト臍帯静脈内皮細胞(human umbilical vein 

endothelial cells: HUVEC)培養系で検討した。  ①培養液のみのコントロール (C 群), 

②liraglutide 300 nM 添加(L 群),③TNF-  10 ng/ml 添加(T 群),④ TNF-  10 ng/ml およ び liraglutide 300 nM 添加(TL 群)の 4 群間で比較検討を行った。IL-6 mRNA および培養液中 の IL-6 濃度は C 群に比較して T 群で有意に増強し,TL 群で有意に減弱した。cAMP-regulated  guanine nucleotide exchange factor-1 (exchange proteins activated by cAMP-1: EPAC-1) および EPAC-2 と suppressor of cytokine signaling-3 (SOCS3)の mRNA およびタンパク発現量 は,C 群と比較して L 群で有意に増強した。これに対して,PKA mRNA は各群で有意差を認めな かった。このように liraglutide 添加により TNF- 刺激による IL-6 誘導が抑制されたが,その 機序として PKA 非依存性経路である EPAC を介して SOCS3 を誘導することが IL-6 誘導抑制に寄 与していると考えられる。 

審査過程: 

1)in vitro の実験系における静脈内皮と動脈内皮の培養細胞使用の差異に関する質問に対し て適切な回答があった。 

2)GLP-1 受容体と TNF- 受容体の情報伝達におけるクロストークおよび相互作用に関する質 問に対して適切な回答があった。 

3)liraglutide による SOCS3 誘導と IL-6 発現抑制の関連性に関する質問に対して適切な回答 があった。 

4)本研究結果に関する臨床的意義について十分な考察がなされた。 

価値判定:  

本研究では,GLP-1 受容体作動薬である liraglutide がヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)におい て TNF- 刺激により誘導される IL-6 産生を抑制する効果を有することを報告した。また,その 分子基盤として,EPAC-1,2 および SOCS3 誘導を介するものであることを解明した。2 型糖尿病 治療薬である liraglutide が,血管内皮細胞からの IL-6 産生を抑制し,これにより抗動脈硬化 作用を発現する可能性を示したものであり,学位論文としての価値を認める。 

参照

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