冬学期 全学ゼミナール「じっくり学ぶ数学」
レポート問題 ( その3 ) の略解
問
1.
(1)
いま,1
(z − β)
2= 1
{(z − α) + (α − β)}
2= 1
(α − β)
2· 1
{1 +
α−β1· (z − α)}
2(1)
と書き直せることに注意します. そこで,T = 1
α − β · (z − α)
として,|T | < 1
のとき,1
(1 + T )
2= 1 − 2T + 3T
2+ · · · (2)
となることを用いると, (1) 式, (2) 式から,|z − α| < |α − β|
のとき,1
(z − β)
2= 1
(α − β)
2· 1
{1 +
α−β1· (z − α)}
2= 1
(α − β)
2· 1 {1 + T }
2= 1
(α − β)
2· ©
1 − 2T + 3T
2+ · · · ª
= 1
(α − β)
2·
½
1 − 2
α − β · (z − α) + 3
(α − β)
2· (z − α)
2+ · · ·
¾
= 1
(α − β)
2− 2
(α − β)
3· (z − α) + 3
(α − β)
4· (z − α)
2+ · · ·
と表わせることが分かります. よって, (z−β)1 2 のz = α
のまわりでのTaylor
展開は,1
(z − β)
2= 1
(α − β)
2− 2
(α − β)
3· (z − α) + 3
(α − β)
4· (z − α)
2+ · · · (3)
となることが分かります.(2)
まず,f (z) =
1 (z+√
−1 )2
(z − √
−1 )
2と考えて, (z+√1−1 )2 を
(z − √
−1 )
2 で割り算することを考えてみます. そ こで,α = √
−1, β = − √
−1
として, (3) 式を適用すると.1 (z + √
−1 )
2= 1 (2 √
−1 )
2− 2 (2 √
−1 )
3· (z − √
−1 )
+ 3
(2 √
−1 )
4· (z − √
−1 )
2+ · · ·
= − 1 4 −
√ −1
4 · (z − √
−1 ) + 3
16 · (z − √
−1 )
2+ · · · (4)
となることが分かります. よって, (4) 式から,f (z) =
1 (z+√
−1 )2
(z − √
−1 )
2= − 1
4 · 1
(z − √
−1 )
2−
√ −1
4 · 1
z − √
−1 + 3
16 + · · · (5)
と表わせることが分かります. 特に, 有理関数f(z)
のz = √
−1
における特 異部分s
√−1(z)
は,s
√−1(z) = − 1
4 · 1
(z − √
−1 )
2−
√ −1
4 · 1
z − √
−1 (6)
となることが分かります.
次に,
f (z) =
1 (z−√
−1 )2
(z + √
−1 )
2 と考えて, (z−√1−1 )2 を(z + √
−1 )
2 で割り算することを考えてみます. そこ で,前と同様に,α = − √
−1, β = √
−1
として, (3) 式を適用すると.1 (z − √
−1 )
2= 1 (−2 √
−1 )
2− 2 (−2 √
−1 )
3· (z + √
−1 )
+ 3
(−2 √
−1 )
4· (z + √
−1 )
2+ · · ·
= − 1 4 +
√ −1
4 · (z + √
−1 ) + 3
16 · (z + √
−1 )
2+ · · · (7)
となることが分かります.1 よって, (7) 式から,
f(z) =
1 (z−√
−1 )2
(z + √
−1 )
2= − 1
4 · 1
(z + √
−1 )
2+
√ −1
4 · 1
z + √
−1 + 3
16 + · · · (8)
と表わせることが分かります.2 特に,有理関数f (z)
のz = − √
−1
における 特異部分s
−√−1(z)
は,s
−√−1(z) = − 1
4 · 1
(z + √
−1 )
2+
√ −1
4 · 1
z + √
−1 (9)
となることが分かります. したがって, (6) 式, (9) 式から, 有理関数
f(z)
の 部分分数展開は,f(z) = s
√−1(z) + s
−√−1(z)
= − 1
4 · 1
(z − √
−1 )
2−
√ −1
4 · 1
z − √
−1
− 1
4 · 1
(z + √
−1 )
2+
√ −1
4 · 1
z + √
−1
= − 1 4 ·
½ 1
(z − √
−1 )
2+ 1 (z + √
−1 )
2¾
−
√ −1 4 ·
½ 1 z − √
−1 − 1 z + √
−1
¾
となることが分かります.
問
2.
(1)
いま,t ∈ R
として,−→ OP = t −→
OQ + (1 − t) −→
OA
= t · (ξ, η, 0) + (1 − t) · (0, 0, 1)
= (tξ, tη, 1 − t) (10)
と表わすと,
P ∈ S
2 となることから,1 = || −→
OP ||
21あるいは, (4)式の両辺の複素共役を考えて, (7)式を得ることもできます.
2あるいは, (5)式の両辺の複素共役を考えて, (8)式を得ることもできます.
= (tξ)
2+ (tη)
2+ (1 − t)
2= (ξ
2+ η
2+ 1)t
2− 2t + 1 (11)
となることが分かります. よって, (11)式から,{(ξ
2+ η
2+ 1)t − 2}t = 0
となることが分かりますが,P 6= A
としましたから,t = 2
ξ
2+ η
2+ 1 (12)
となることが分かります. よって, (10)式, (12)式から, 点
P
は,P =
µ 2ξ
ξ
2+ η
2+ 1 , 2η
ξ
2+ η
2+ 1 , ξ
2+ η
2− 1 ξ
2+ η
2+ 1
¶
(13)
と表わせることが分かります.(2) (1)
と同様に,t ∈ R
として,−→ OP = t −→
OR + (1 − t) −−→
OB
= t · (ξ
0, η
0, 0) + (1 − t) · (0, 0, −1)
= (tξ
0, tη
0, t − 1) (14)
と表わすと,
P ∈ S
2 となることから,1 = || −→
OP ||
2= (tξ
0)
2+ (tη
0)
2+ (t − 1)
2= {(ξ
0)
2+ (η
0)
2+ 1}t
2− 2t + 1 (15)
となることが分かります. よって, (15)式から,£ {(ξ
0)
2+ (η
0)
2+ 1}t − 2 ¤ t = 0
となることが分かりますが,P 6= B
としましたから,t = 2
(ξ
0)
2+ (η
0)
2+ 1 (16)
となることが分かります. よって, (14)式, (16)式から, 点P
は,P =
µ 2ξ
0(ξ
0)
2+ (η
0)
2+ 1 , 2η
0(ξ
0)
2+ (η
0)
2+ 1 , 1 − (ξ
0)
2− (η
0)
2(ξ
0)
2+ (η
0)
2+ 1
¶
(17)
と表わせることが分かります.(3) (13)
式, (17)式から,ξ, η
とξ
0, η
0 の間の関係は,
2ξ
ξ2+η2+1
=
(ξ0)2+(η2ξ00)2+1 2ηξ2+η2+1
=
(ξ0)2+(η2η00)2+1 ξ2+η2−1ξ2+η2+1
=
1−(ξ(ξ0)2+(η0)2−(η0)2+10)2(18)
という式で与えられることが分かります. そこで, これらの関係式を,
z = ξ + √
−1 η, w = ξ
0+ √
−1 η
0∈ C
という複素数を用いて表わすと,
z
|z|
2+ 1 = w
|w|
2+ 1 (19)
1 − 2
|z|
2+ 1 = 2
|w|
2+ 1 − 1 (20)
となることが分かります. すると, (20)式から,1
|w|
2+ 1 = 1 − 1
|z|
2+ 1
= |z|
2|z|
2+ 1 (21)
となることが分かりますから, (21)式を
(19)
式に代入することで,z = |z|
2· w (22)
となることが分かります. よって, (22)式から,
z
とw
の間の関係は,w = z
|z|
2= z z z ¯
= 1
¯ z
というように与えられることが分かります.「Laurent展開に注目した部分分数展開の証明」や「Riemann球面」などについ ては,「数学