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南硫黄島調査 における外来生物の拡散防止対策

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(1)

南硫黄島調査 における外来生物の拡散防止対策

加 賀 芳 恵1*、 佐 々 木 哲 朗1

Measurestopreventunintentionaltransportofalienspeciesbytheexpeditionto Minami‑Iwo‑ToIsland

YoshieKAGAi*,TetsuroSASAKIl

1.特 定 非 営 利 活 動 法 人 小 笠 原 自 然 文 化 研 究 所(〒100‑2101東 京 都 小 笠 原 村 父 島 西 町) InstitUteofBo血ology,NPO,Nishi‑Machi,Chichij㎞a,Ogasawara‑mura,Tokyo,100‑2101

*kaga@ogasawara .orjp(authorf()rcorrespondence)

要 旨

2007年 に 実 施 され た南 硫 黄 島 自然 環 境 調 査 で は小 笠 原 諸 島 に お い て 外 来 生 物 の拡 散 防 止 を 目的 と した 本 格 的 な検 疫 が 初 めて 行 わ れ た 。 今 回 の 調 査 で の 検 疫 作 業 は2007年 の 方 法 を ベ ー ス と した が 、 当時 無 か っ た ク リー ンル ー ム や 煉蒸 室 等 を備 え た 常設 の検 疫 施 設 で あ る小 笠 原 世 界 遺 産 セ ン ター を活 用 した 。物 資 は手 配 で き る も の は新 品 を用 意 し、再 利 用 物 資 につ い て は凍 結 処 理 、 高 温 処理 、エ タ ノー ル 洗 浄 、海 水 洗 浄 等 の 処 置 を行 い 、全 て の物 資 に 関 し て 処 置 内容 を記 録 す るチ ェ ッ ク リス トを作 成 した。 ま た 、 ク リー ンル ー ム ・ダ ー テ ィル ー ム の稼働 、船 舶 内 の 昆 虫類 ・ネ ズ ミ類 駆 除 を実 施 した 。検 疫 作 業 は調 査 隊 内部 と外 部 に検 査 官 を設 置 して 行 った 。 本 報 告 で は 運 用 の 詳 細 を記 述 し、課 題 の整 理 を行 っ た。

キー ワー ド

外 来 種 対 策 、 ク リー ンル ー ム、 検 疫

1.目 的

南硫黄 島は火 山列島 に位 置 してお り、これ まで人 間の定住 した記録が な く、原 生 自然環 境 保全地域 の立入制限地 区に指定 されてい る無人島であ る。小笠原諸 島の中で最 も原 生的な 自 然生態系が維持 されてお り、これまで行われた3回 の調査では南硫 黄島固有の生物 も多 く記 録 されてい る。 「世界遺産推薦地小笠原諸島 管理計画」においては原 生的な 自然環境 として 極力人為的影響の可能性 を回避す る必要が あるとされてい る。 よって、調査 を実施す る際に

は計画的 な外来種対策の実施が不可欠で ある。

(2)

今 回 の調 査 で は

・内地 か ら父 島

・父 島か ら南 硫 黄 島

・南 硫 黄 島か ら父 島

の3区 間 にお け る生 物 の 拡 散 防 止 を 目的 と し、調 査 隊員 の運 搬 す る物 資 と南硫 黄 島 で得 られ た サ ンプ ル 類 に対 して 防 疫 ・検 疫 措 置 を実施 した。 方 法 は2007年 に 実施 され た 南硫 黄 島 自 然 環 境 調 査 にお け る生 物 持 込 の 防 止 対 策(加 藤 ほ か2008)を べ 一 ス と した。

2.基 本 方 針 2‑1.目

環 境 調 査 を実 施 す る南 硫 黄 島 に、物 資 の 出発 地 で あ る本 土 お よび 父 島 か らの 生物 の拡 散 を 防 止 す る。 同様 に、 南 硫 黄 島 か ら、 父 島 へ の 生 物 の 拡散 を防止 す る。

2‑2.対

検 疫 対 象 とす る生 物 群 は植 物(種 子 等)及 び 動物(哺 乳 類 、 爬 虫類 、鳥 類 を は じめ と し、

昆 虫類 、 多 足 類 、 クモ 類 等 の 人 間 に よ る 目視 で認 識 可 能 な 分類 群)と す る。

検 疫 対 象 に 目視 で きな い 菌 類 全 般 を追加 す る事 が 可 能 か 、事 前 に 国 立科 学博 物 館 植 物 研 究 部 の保 坂 氏 に聞 き取 りを行 った 。そ の結 果 、 菌類 等 の 完全 な滅 菌 を行 うの に必 要 と され る 乾熱 滅 菌 や オ ー トク レー プ 滅 菌 、 紫 外線 を使 用 した滅 菌 に 関 して は今 回使 用 す る物 資 で は 高温 ・ 劣 化 に耐 え得 る物 が ご く限 られ 、 ガ ンマ 線 滅 菌 に 関 して も設 備 も整 って お らず 、 ガ ス燃 蒸 も 資 格 を有 す る人 間 に よ る実 施 が 必 要 で あ る こ とが わ か り、今 回 実施 す る世 界 遺 産 セ ン タ ー に お い て は現 実 的 に困 難 で あ る と判 断 した。

特 に注 意 を要 す る生 物

今 回対 象 とす る生 物 の うち、 侵 略 的 外 来 種 と して 知 られ るネ ズ ミ類 、 グ リー ンア ノー ル 、 陸 生 プ ラナ リア類 は 南 硫 黄 島 へ侵 入 した場 合 に生 態 系 に と っ て壊 滅 的 な ダ メ ー ジ を与 え る 恐 れ が あ る。

また 、物 資へ の侵 入 リス ク が特 に 高 く、注 意 の 必 要 な 生 物 と して 、 イ エ シ ロア リ とツ ヤ オ オ ズ ア リが 挙 げ られ る。 イエ シ ロア リは調 査 時期 とス ウォー ム(婚 姻 飛 行)の 発 生 時期 が重 な って お り、物 資 の保 管 場 所 へ の夜 間 の侵 入 を防 止 す る必 要 が あ る。 ツ ヤ オ オ ズ ア リは現 在 父 島 の市 街地 で 多 く営 巣 して お り、物 資 を保 管 す る施 設 の周 囲 の状 況 を確 認 し、 営巣 が あ っ た 場 合駆 除 を行 う必 要 が あ る。 これ らの生 物 種 は特 に注 意 を要 す るた め、意 識 して検 疫 作 業

に あた った 。

2‑3.対 策 の ポイ ン ト

今 回 拡 散 防 止 対 策 を実 施 す る に あた り、特 に 以 下 の項 目を 実施 す る こ とで対 策 を 強化 した。

(3)

防 疫 方 法 のカ テ ゴ リー 化

移 動 す る全 て の 物 資 に対 して 防 疫 を実 施 す る。 防疫 方 法 は 、1)未 開 封 新 品 使 用 、2)凍 結 処 理 、3)高 温処 理(焼 却 含 む)、4)エ タ ノー ル 洗 浄 、5)海 水 洗浄 、6)そ の他 の カ テ

ゴ リー に分 類 し、 各 カ テ ゴ リー は 目視 検 疫 とセ ッ トで行 っ た。

チ ェ ック リス トの 作 成

移 動 す る全 て の 物 資 を リス ト化 し、前 述 の防 疫 カ テ ゴ リー と、 処置 の 実施 の有 無 を チ ェ ッ ク した 。

ク リー ンル ー ム、 ダー テ ィル ー ム の稼 働

目張 り、清 掃 、燃 蒸 した 部 屋 を確 保 し、調 査 前 後 に お け る物 資 の検 疫 お よび 一 時保 管 場 所 と した 。

船 舶 の防 疫

物 資 や 隊 員 を運 搬 す る船 舶 は、 出港 以 前 にお い て 、粘 着 シ ー ト式 トラ ップ に よっ てネ ズ ミ 類 お よび 昆 虫類 の 駆 除 を実 施 した 。

検 査 官 の設 置

対 策1〜4実 施 に 際 して 、 検 疫 作 業 に 立 会 う検 査 担 当者 を プ ロジ ェ ク トメ ンバ ー の 内部 と 外 部 に1人 ず つ 定 め る。外 部 検 査 担 当者 は 環境 省 小 笠 原 自然 保 護 官 事務 所 首席 保 護 官 へ 依 頼

し、 防疫 プ ロ トコル の説 明 、チ ェ ック リス トの 提 出、 ク リー ンル ー ム お よび ダ ー テ ィル ー ム 運 用 時 の現 場 説 明 を実 施 した 。

世 界 遺 産 セ ン ター の使 用

2017年5.月 に世 界 遺 産 セ ン ター が 開館 し、こ の施 設 は検 疫 設 備(属 島 で使 用 す る物 資保 管 のた め の ク リー ン倉 庫 、‑25℃ ま で冷 却 可能 な冷 凍 庫)を 有 して い るた め、今 回 の調 査 で は こ の施 設 を初 めて 使 用 した 。

3.検 疫 の 仕 組 み 3‑1.検 疫 の概 略

こ こで は今 回 実 施 した 検 疫 全 体 の概 略 にっ い て 述 べ た い。

検 疫 の 対 象 物 は の 隊員 の装 備 や 機 材 等 の 物 資 と南 硫 黄 島 か ら持 ち 帰 るサ ンプ ル 類 に大 別 さ れ る(図1)。

(4)

検疫対象

物資

(個人 装 備 ・共 通 装 備 ・NHK機 材 等)

サ ンプル

(土壌 サ ンプ ル を含 む}

図1.本 調 査 に お け る 検 疫 対 象 Figurel.Objectofquarantineinthissurvey

往路

t①

〔各隊員による目騰 7 内地

r

,(

1)未開 封新 品 使用 、2陳 結 処理 、3}高温 処理(焼 却 含 む)、4)エタノール 洗 浄 、5}海水 洗 浄 、6)その 他

カテ弟 ごとに防疫.目 視検 疫

→ クリー ンル ー ム へ 保 管

2

父 島 く(

.,.

' A

.ρ.

.,.

:物資一の生物混入を防止網

南硫黄 島

復路

(物資)冷凍or目 視 検疫

(サンプル)首都大 の ダーティル ーム で処理

(物資)密閉を徹 底

(サンプル)ダーティルーム を設 置

図2.物 資 の 移 動 経 路 Figure2.Travelingrouteofgoods

図2は 物資 の移動経路 を示 した もので ある。物資 の多 くは内地か ら父 島へ運 ばれ(一 部母 島 か ら参加す る隊員 の物資は母 島か ら父 島へ)、父 島で検疫 を実施 した後 に南硫黄 島へ と持 ち

(5)

込 まれ る。南 硫 黄 島 か らは使 用 済 み の 物 資 や ゴ ミ と と もに調 査 で得 られ た サ ン プル 類 が持 ち 帰 られ る こ とと な る。

父 島 と南 硫 黄 島間 の往 路 ・復 路 にお け る物 資 の詳 しい 処理 内容 は 図3・ 図4に 示 す 。

内地 .母島

発 送 の 前 に 各 隊 員 に よる 目視 検 疫 の 実 施

梱 包 の 際 密 封 し、中 の袋 に防 疫 力テゴ リの 記 入

殴[ノ \7

1父 島

物資の検疫処 理

カテゴ リ(未開 封 新 品 使 用 、凍結 処理、高温処理 、エタノール洗浄、海水洗 浄)に 応 じて 検疫処理 を実施

物 資 を密 閉

物 資 をクリーン倉庫 へ 保 管

物 資 の 船 へ の積 込

物 資 を積 ん だ荷 台をブ ル ーシー トで覆 い 、移動 中の生物混 入を防止 する

荷揚量 上陸

荷 揚 げ時 に海 水 を経 由 させ 、付着生物を洗浄し、動物 を死滅させる

南硫 黄 島

物 資 の 入 った発 泡 スチ ロー ル や クー ラー ボ ックス の 開 閉 を最 小 限 とす る

空 に なったペ ットボ トル の 容 器 は生 物 の 侵 入 を 防止 す るた め に潰 した 後 蓋 をす る

図3.物 資 の 往 路 に お け る 処 理 工 程 Figure3.Process血gstePsintheoutl)oundcourseofgoods

(6)

南硫 黄 島

運搬 中の船 内

使 用済み物 資

密閉した状態で運搬

使用済み 物資

精 密 機 器 (冷凍 不 可)

父 島

そ の他 の 物 資 ・ゴミ

冷凍処理

サ ンプル 類

ダ ー ティル ー ム 内 で管 理

サ ンプル 類

首 都 大 内 の ダー ティル ー ム へ

個 人装備 各 自持ち帰り ダ ー テ ィル ー ム 内 猛〒翻 一ンセンターへ で 髄

図4.物 資 の 復 路 に お け る 処 理 工 程 Figure4.ProcessingzstePsintheretumingcourseofgoods

3‑2.世 界 遺 産 セ ン ター にお け る各 部 屋 の 役 割

世 界 遺 産 セ ン ター に は部 屋 が 多 く、各 部 屋 を用 途 ご とに使 い 分 け る こ と とな った 。 図5に 部 屋 の図 面 と各 部 屋 の名 称 、 用 途 を示 す。

(7)

図5.世 界 遺 産 セ ン タ ー の 部 屋 ご と の 役 割 Figure5.DistinctiveuseofroomsofWorldHeritageCenter

また 、 南硫 黄 島へ の 出発 前 に父 島へ 届 い た荷 物 の搬 入、 出発 時 の 搬 出 、 南硫 黄 島調 査 を終 えて 父 島へ 帰 島 した 際 の 荷 物 の 搬 入出 の3つ の 場 面 に お い て使 用 す る通 路 が 同 じ経 路 に な ら ない よ うに使 い 分 けた 。 以 下 の 図6〜8に 各 場 面 にお け る経 路 を示 す 。

1物資搬入 時の経 路1

図6.世 界 遺 産 セ ン タ ー へ の 物 資 搬 入 時 の 経 路 Figure6.Routef()remplacementofgoodStoWorldHeritageCenter

(8)

1物資搬出時の経路

図7.世 界 遺 産 セ ン タ ー か ら の 物 資 搬 出 時 の 経 路 Figure7.Routefbrcarryiロg‑outgoodSfbomWorldHeritageCenter

1帰 島後 物資搬入 出時の経路1

図8.世 界 遺 産 セ ン タ ー に お け る 帰 島 後 の 物 資 搬 入 出 時 の 経 路 Figure8.Routeforcarrying‑outandingoodsatWorldHeritageCenterafterretUrningtoChich敬na Island

(9)

3‑3.防 疫 カ テ ゴ リー

検 疫 対 象 とす る物 品 に対 し、以 下 の 防疫 カ テ ゴ リー を設 定 し、物 品 の 特 性に応 じて適 した 対 策 を実 施 した 。 実 際 の 物 資 にお け る適 用 につ い て はH‑6「 装備 」 を 参 照 され た い。

表1.防 疫 カ テ ゴ リ ー の 種 類 Tablel.Quarantinecategory

防 疫 カ テ ゴ リー 内容 略称

生 物 混 入 の リス ク が少 な い た め 、 目視 に よ る検 疫 の 未 開封新 品使用

み を 行 う。

冷凍す るこ とによ り動物 の死滅 と植物 の細胞壁 の破

凍結処理 壊 に よ る死 滅 が期 待 され る※。

高温 に よ りタ ンパ ク質 を変 成 させ 、生 物 の死 滅 を 目

高温処理 的 とす る。

植 物 の種 子 へ の効 果 が あ る。

エ タ ノー ル を用 い て物 資 を拭 き取 り洗 浄 す る。

エ タ ノー ル 洗 浄

目視 検 疫 と併 せ て行 う。

南硫黄 島上 陸までに海水 を経 由す るこ とで表面 に付 海水洗浄

着 した生 物 の洗 浄 、動 物 の死 滅 を 目的 とす る。

未 開封 新 品の 場 合 に は生 物 混 入 の リス クは 低 い と判 断 した が 、ク リー ン倉 庫 へ搬 入す る前 に は混 入 物 が ない か 目視 検 疫 を行 った 。再 利 用 物 資 は基 本 的 に凍 結 処 理 を行 った が 、精 密 機 器 な どに 関 して はエ タ ノー ル 洗 浄 と した 。

※植 物 種 子 へ の 冷 凍 に関 して は 、 現 時 点 で 効 果 が 不 明 で あ る。 詳 細 は5‑8で 後 述 す る。

(10)

4.実 施 工 程

こ の章 で は実 際 に行 った 検 疫 作 業 につ い て 記 述 す る。

準 備 段 階 か ら調 査 終 了 まで の 一 連 の 作 業 ス ケ ジ ュール を表2に 示 す。

表2.検 疫 作 業 の 実 施 ス ケ ジ ュ ー ル Table2.SchedUleofquarantineworks

日程 作業 内容

5月 初 頭 〜6月2日 内地 ・母 島 から参 加の 各隊 員 による物資 の送 付前 の 目視検 疫 ・梱 包作 業 5月9日 内地 ・母 島 から参 加の 隊 員による物 資の送 付 受付 の 開始

5月24日 世 界遺 産 センターの 検疫 体制 の準 備(清掃 、目張り、ツヤオオ ズの駆 除 、空堀 の設 置 、燥 蒸) 5月25日 〜5月30日 到着 した物 資 の検疫 、梱 包 、クリーン倉庫 への 保 管

5月31日

イエシ ロアリ侵 入を初確 認

水 の梱 包 のや り直し、目張 りをマスキ ングテープか ら養生テー プへ 変更 6月1日 〜6月3日

内地 ・母 島 から参 加の 隊 員による物 資の送 付 の締 切 到着 した物 資 の検疫 、梱 包 、クリーン倉庫 へ保 管 6月4日

イエシ ロアリの 再侵 入を確認

目張 りを養生 テー プか らダクトテー プへ変 更 、電 球を外 して 目張 りをや り直 し 6月5日

イエシ ロアリ少 数の 侵入 を確 認

あらか じめ 父島へ 来 島していた隊 員の物 資梱 包 ・検 疫作 業 6月7日

イエシ ロアリ用 のライトトラップ設置

到着 した物 資 の検疫 、梱 包 、クリーン倉庫 へ保 管 6月9日

島 内隊 員の梱 包 ・検 疫作 業実 施 物 資 の検 疫 、梱 包 、クリーン倉庫 へ保 管 6月10日

島外 隊 員の父 島到 着

物 資 の検 疫 、梱 包 、クリーン倉庫 へ保 管 6月11日

島外 隊 員の梱 包 ・検 疫作 業実 施 物 資 の検 疫 、梱 包 、クリーン倉庫 へ保 管 6月12日

大型 調査 船 内にダーティルー ムを作 成 物 資 の検 疫 、梱 包 、クリーン倉庫 へ保 管 6月13日 一次 隊 出発

6月19日 首都 大施 設 内にダーティルー ムを作 成 6月20日 二次 隊 出発

6月23日

一次 隊到 着

使 用 済物 資とゴミ類の 冷凍 、精 密機 器の エタノー ル処 理 と目視検 疫 サ ンプル を首 都 大へ運 搬

6月24日 ゴ ミ類 の 分 類 、ク リー ン セ ンター へ 持 ち 込 み

6月28日

二次 隊到 着

使 用 済物 資とゴミ類の 冷凍 、精 密機 器の エタノー ル処 理 と目視検 疫 サ ンプル を首 都 大へ運 搬

6月29日

ゴミ類 の分 類 とクリーンセンターへ の持 ち込 み 装 備 品の 洗浄 、片付 け

4‑1.内 地 ・母 島か ら父 島

各 隊 員 が 父 島へ 物 資 を送 る際 、 以 下 の 対策 を実施 した。

今 回 の調 査 隊 員 の うち、 内 地 お よび 母 島 か らの 参加 は16人 で あ っ た。 多 くの 隊員 の 父 島 到 着 は6月10日 で あ り、一 次 隊 の 出発 は6.月13日 で あ っ た た め、 事 前 に物 資 を 父 島 へ送 付 して も らい 、 隊員 の到 着 ま で に大 半 の物 資 を ク リー ン倉 庫 へ 搬 入 させ る必 要 が あ った 。検 疫 担 当者 を含 む2〜3人 で 検 疫 作 業 を実 施 し、 隊 員 の 到 着 ま で に ク リー ン倉 庫 へ 大 半 の物 資 を 搬 入 して お く とい う形 を取 った 。 この た め 、内 地 お よび母 島 か ら父 島 へ の 物 資 送付 に 際 し隊

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員 へ 以 下 の作 業 を行 うよ う指 示 した 。 梱 包 方 法

○外 装 につ い て:防 水 バ ッグ 、段 ボ ール 、 コ ンテ ナ 等 をガ ム テ ー プ で 隙 間 の な い よ うに密 閉 した 。

○内装 に つ い て:ビ ニー ル 袋(チ ャ ッ ク付 き ビニ ール 、ゴ ミ袋 等)で 密 封 し、袋 に マ ジ ック で 防 疫 カ テ ゴ リの 記 入 を した 。

目視 検 疫 の実 施

父 島 に物 資 を発 送 す る前 に各 自 目視 検 疫 を行 っ た。

なお 、 父 島で の 物 資 の 受 け入 れ 期 間 は5.月9日 〜6.月3日(必 着)と した。

4‑2.父 島か ら南 硫 黄 島

4‑2‑1.ク リー ン倉 庫 にお け る事 前 対 策

以 下 の準 備 は全 て5.月24日 、3人 で1日 か け て実 施 した も ので あ る。

1)室 内の 清 掃

世 界 遺 産 セ ン タ ー 内 の 各 部 屋 に掃 除 機 ・モ ップ が け を行 った 。 検 査 ・処 置 室 の机 の 上 は 、 ク リー ン倉 庫 へ 搬 入 す る物 資 の 目視 検 疫 を行 う場所 で あ るた め 、エ タ ノール 拭 き を して特 に 清 潔 な状 態 を保 った 。

2)目 張 り

ク リー ン倉 庫 か ら外 部 へ 通 ず る通 風 孔 をマ ス キ ン グテ ー プ と ビニ ール で塞 い だ。 ま た 、施 設 内 の オ ガ サ ワ ラハ ン ミ ョ ウの飼 育 室 に通 じて い る通 風 孔 につ い て も燃 蒸 した 蒸 気 の流 入 を防 ぐた め 同様 の 措 置 を取 った 。 目張 りにつ い て は5月24日 に 最 初 の 作 業 を行 っ た が 、 そ の後 イ エ シ ロ ア リの侵 入 が あ った た め随 時 強 度 ・場 所 の 改 善 を行 った 。 詳 細 は5‑1で 後 述 す る。

3)燃

ク リー ン倉 庫 の使 用 前 に、 す で に侵 入 して い る生 物 が い た 場 合 を想 定 し、煙 蒸 を 行 った 。 燥 煙 タイ プ の殺 虫剤 は 警 報機 の 鳴 らな い ノ ン ス モ ー ク タイ プ(ラ イ オ ン株 式 会社 製 バ ル サ

ンプ ロEXノ ンス モ ー ク霧 タイ プ)を 使 用 した 。

4)ク リー ン倉 庫 お よび 出入 口の 管 理

物 資 の搬 出 口で あ る前 室2の 扉 の外 側 の石 畳 に ツヤ オ オ ズ ア リが 複 数 営 巣 して い た た め、

ベ イ ト剤 を設 置 し駆 除 を行 った 。

物 資 の搬 出時 以 外 に扉 が 開 閉 され る こ との な い よ う張 り紙 を設 置 し、万 一 開 閉 され た場 合 に外 部 か らの 空 気 が 直 接 室 内 へ流 れ 込 む こ との な い よ うビニ ール 製 の のれ ん を設 置 した。

(12)

ク リー ン倉 庫 に入 る際 には 専 用 の ス リッパ を使 用 し、 土 足禁 止 と した。

ク リー ン倉 庫 の入 口 の ドア に ク リア フ ァイ ル を用 い て 昆 虫等 が登 って 侵 入 しな い よ う空 掘 を設 置 し、 そ こ にス プ レー 型 の殺 虫剤 を散布 した。

イ エ シ ロア リを は じめ と した 生 物 の 飛 来 ・侵 入 を 防 ぐた め 、施 設 利 用 の 開 始 以 降 、夜 間 の 使 用 を原 則 と して 避 けた 。

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図9.前 室2の 外 扉(物 資 の 搬 出 口)に 設 置 し た ツ ヤ オ オ ズ ア リ対 策 の ベ イ ト剤 Figure9.BateagentSf()rPheidolemegacephaladoorofWorldHeritageCenter

8'.

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図10.ベ イ ト剤(フ マ キ ラ ー 株 式 会 社 製 ウ ル トラ 巣 の ア リフ マ キ ラ ー)へ 誘 引 され た ツ ヤ オ オ ズ ア リ

FigurelO.PheidolemegacephalaattractedtobaitS

(13)

薩 ρ 触 凶^

図ll.ク リ ー ン 倉 庫 の 扉 に 設 置 し た 空 掘

Figurell.Protectivewallmadeofclearfilessetin丘ontofthecleanroomdoor

4‑2‑2.到 着 した物 資 の検 疫

5.月24日 に世 界 遺 産 セ ン ター の ク リー ン倉 庫化 を終 えて か ら一 次 隊 出発(6Hl3日)ま で の期 間、 到 着 した 物 資 の 検 疫 ・梱 包 ・ク リー ン倉 庫 へ の保 管 作 業 を進 め た。

図12.物 資 の 目視 検 疫 と梱 包 作 業

Figurel2.QuarantineandpackagingofgoodSwithvisualcheck

図13.ク リー ン 倉 庫 へ 保 管 され た 物 資 Figurel3.Goodsstoredinacleanroom

(14)

4‑2‑3.各 隊員 に よ る検 疫 の実 施

父 島か ら参加 す る隊 員 は6A9日 、 内 地 お よび母 島 か ら参 加 す る 隊員 は6月10日 に 、 事 前 に送 付 され なか った 物 資 の 検 疫 作 業 を梱 包 作 業 と同 時 に行 っ た。 検 査 ・処 置 室 の机 を用 い て 室 内 に作 業 ス ペ ー ス を2か 所 作 成 し、検 疫 担 当者 と も う一 人 とで 隊員 の 作業 の 監督 を行 っ た 。 ま た 、外 部 検 疫 官(環 境 省)に よ る作 業 立 会 い も行 っ た 。 目視 検 疫 で は 隊員 の カ メ ラ の 蓋 等 へ の細 か い 土 埃 の 付 着 や ポ ー チ か ら植 物 の 種 子 とみ られ る もの が発 見 され た。

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図14.隊 員 に よ る 物 資 の 検 疫 作 業 Figurel4.Qua㎜t正neworkofgoodsbyresearchers

図15.検 疫 作 業 に よ り発 見 ・除 去 され た 種 子 Figurel5.SeedSofplantfoundinquarantine

4‑2‑4.大 型 調 査 船 内へ の ダー テ ィル ー ム の設 置

6月12日 、南 硫 黄 島 で 得 られ た サ ンプ ル か ら生 物 が 船 内 お よび 父 島到 着 後 に逸 出す る こ と を防 止 す るた め、 大型 調 査 船 内 に ダ ー テ ィル ー ム を作 成 した。 室 内 の 清 掃 後 、 マ ス キ ン グ テ ー プ、 養 生 テ ー プ 、 ビニ ー ル を用 い て 室 内 の 隙 間 を塞 い だ。

(15)

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図16.大 型 調 査 船 内 の ダ ー テ ィ ル ー ム 作 成 作 業 ① Figurel6.Makingadirtyroominsidetheshil)①

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図17.大 型 調 査 船 内 の ダ ー テ ィ ル ー ム 作 成 作 業 ② Figurel7.Makingadirtyroominsidetheship②

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図18.大 型 調 査 船 内 の ダ ー テ ィ ル ー ム 作 成 作 業 ③ Figurel8.Makingadi質yroom㎞sidetheship③

(16)

図19.大 型 調 査 船 内 の ダ ー テ ィ ル ー ム 扉 の 貼 紙 Figurel9.Posteronthedoorofdirtyroomintheship

4‑2‑5.首 都 大 施 設 内 の ダー テ ィル ー ム の設 置

6月19日 、南硫 黄 島 か ら持 ち 帰 られ た サ ン プル の処 理 用 の部 屋 と して 、首都 大 学東 京 の小 笠 原 研 究 施設 内 に ダー テ ィル ー ム を作 成 した。清 掃 した 後 にマ ス キ ン グテ ー プ 、養 生 テ ー プ 、

ビニ ー ル に よ って 隙 間 を塞 ぎ、燃 蒸 を行 っ た。 作 業 箇 所 が 多 く、 人員 は5人 で2時 間 ほ どを 要 した 。

4‑2‑6.世 界 遺 産 セ ン ター 内 の ダー テ ィル ー ムの 設 置

世 界 遺 産 セ ン ター 内の 燥蒸 室 を帰 島 後 の 物 資検 疫 作 業 の た め の ダ ー テ ィル ー ム と した。室 内 の清 掃 、 目張 りを行 った 後 に燃 蒸 した(作 業 は1人 で1日 寺問 程 度)。

4‑2‑7.物 資 の搬 出 ・運 搬 時

6月13日 の朝 、世 界 遺 産 セ ンタ ー か らの 物 資 の搬 出 時 に は トラ ック の荷 台 に乗 せ た物 資 を 新 品 の ブル ー シ ー トで 覆 い 、 移 動 中 の生 物 の混 入 を防 止 した 。 物 資 は全 て厚 手 ビニ ー ル 袋 、 防 水 バ ッ グ、 発 泡 ス チ ロー ル を用 い て密 閉 され た 状 態 で搬 出 した。

物 資 の外 装 は南 硫 黄 島 へ の 荷 揚 げ 時 に海 水 を経 由す る こ とか ら、外 装 に付 着 した生 物 を洗 い 流 す 効 果 が 期 待 され た 。

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図20.世 界 遺 産 セ ン タ ー か ら の 物 資 搬 出 ① Figure20.ProcurementofgoodSfromworldHeritagecenter①

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図21.世 界 遺 産 セ ン タ ー か ら の 物 資 搬 出 ② Figure21.ProcurementofgoodsfromWorldHeritageCenter②

4‑2‑8.大 型 調 査 船 内

物 資 を積 載す る船 舶 内 に粘 着 式 トラ ップ とベ イ ト剤 を設 置 し、運 搬 中 のネ ズ ミや 昆 虫 の物 資 へ の混 入 を防 止 した 。加 え て 、船 内 で は海 水 に よ る床 の洗 浄 が 常 に行 わ れ た 。 ま た 、停 泊

中 は走 光 性 を持 つ 昆 虫の誘 引 を避 け るた め、夜 間 の 照 明 を消 した。

4‑3.南 硫 黄 島か ら父 島 4‑3‑1.サ ン プル 類 の管 理

南 硫 黄 島で 得 られ た サ ンプ ル類 は 大型 調 査 船 内 の ダ ー テ ィル ー ム 内 で 管理 が行 われ た。

ダー テ ィル ー ムか らの 生 物 の 逸 出 は な か っ た が 、土壌 サ ンプル か ら羽 化 したハ エ が発 生 し、

ツル グ レン装 置 上 部 の 穴 と、 ロー ト部 分 と下 に設 置 した受 容 器 との 隙 間 か ら室 内へ と脱 出 し た 。 ま た 、土 壌 サ ンプ ル を入 れ た 段 ボ ー ル の 隙 間 か ら室 内 へ の ミナ ミイ オ ウ ヒメ カ タ ゾ ウム シ の脱 出が 起 きた 。 いず れ も 隊員 に よ り捕 獲 され た が 、 次 回 は 室 内 だ け で な くサ ン プル 側 の 隙 間 の確 認 を行 い 、 逸 出 を防 止 す る必 要 が あ る と言 え る。

(18)

4‑3‑2.物 資 の管 理

南 硫 黄 島へ 到 着 後 、現 地 で は 物 資 の入 っ た発 泡 ス チ ロール や ク ー ラ ー ボ ック ス の 開 閉 を最 小 限 と した 。 ま た 、空 に な った ペ ッ トボ トル の 容 器 は 生 物 の 侵 入 を防 止 す るた め に 潰 し、 蓋

を した 。

南 硫 黄 島 か ら撤 収 後 の物 資 と ゴ ミ類 は厚 手 ビニ ー ル 袋 や 発 泡 ス チ ロー ル に よ り密 閉 され た 。

4‑3‑3.荷 揚 げ ・運搬 日

父 島到 着 後 、港 か ら世 界 遺 産 セ ンタ ー へ の移 動 中 は トラ ック の荷 台 を ブル ー シ ー トで覆 い 、 物 資 か らの生 物 の 逸 出 を防 止 した 。

4‑4.父 島到 着 後

4‑4‑1.世 界 遺 産 セ ン ター 内で の ダー テ ィル ー ム稼 働

南 硫 黄 島か ら父 島 に到 着 した 物 資 は 、世 界 遺 産 セ ン ター 内 の ダー テ ィル ー ム(燃 蒸 室)に 燥蒸 室 の扉 か ら搬 入 され 、 精密 機 器 や サ ンプ ル 以 外 の 物 資 と ゴ ミ類 は冷 凍 庫 で24時 間 以 上 冷 凍 され た 。冷 凍 で きな い 精密 機 器は ダ ー テ ィル ー ム 内 で 混入 物 を発 見 しや す い よ う白バ ッ

トの上 に置 き、 エ タ ノー ル に よ る拭 き取 りと隊員 各 自に よ る 目視 検 疫 を行 っ た。

精 密機 器類 の 目視 検 疫 の 結 果 、セ ンサ ー カ メ ラや 音 声 ロガ ー の 中 か ら ミナ ミイ オ ウ ヒメ カ タ ゾ ウ ム シ(翅 の破 片)、ク モ の仲 間 、ノ ミガ イ類 、ハ ネ カ ク シ の仲 間 、シ ン ク リノ イ ガ の種 、 ア リの仲 間が 見 つ か った 。

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図22.父 島 へ 到 着 し た 物 資 の 検 疫 作 業 ①

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図23.父 島 へ 到 着 し た 物 資 の 検 疫 作 業 ②

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図24.父 島 へ 到 着 し た 物 資 に 混 入 し て い た ア リ の 仲 間 Figure24.AntSf()undfromthegoodsreturnedtoChichijinaisland

4‑4‑2.サ ン プル 用 ダー テ ィル ー ム

持 ち帰 られ た サ ンプ ル 類(ツ ル グ レン装 置 に か け る土 壌 サ ンプ ル)は 首都 大 学東 京 の施 設 内 の ダー テ ィル ー ム 内で 処 理 され た 。

こ の ダー テ ィル ー ム は扉 を閉 め切 る と室 内 が 高 温 とな るた め 、昆 虫 の 生体 サ ン プル の保 管 のた め に昆 虫飼 育 用 恒 温 室(シ ー ラケ ー ス 製 冷 や し虫家)を 使 用 した。サ ンプル 処理 を行 う 隊員 に とっ て も高 温 状 態 が 続 くの は望 ま し くな い た め、 今 後 の調 査 で は 改 善 が 求 め られ る。

土 壌 サ ンプ ル につ い て は 調 査 後 の保 管 に際 し、生物 の逸 出 防止 と乾燥 重 量測 定 の た め 高温 処 理 を行 い 、 土 壌 を乾 燥 させ た 。

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5.次 回 調 査 に 向 けて の 課 題 の整 理

5‑1.世 界 遺 産 セ ン ター へ のイ エ シ ロア リ侵 入 対 策

世 界 遺 産 セ ン ター で の 物 資 の 管 理 を開 始 して か ら1週 間 経 っ た5H31日 の 朝 、 前 室1と ク リー ン倉 庫 内 にイ エ シ ロア リの侵 入 が 約10匹 確 認 され た。これ らは いず れ も死骸 で あ り、

燥蒸 剤 の成 分 に よ り侵 入 後 に死 亡 した と考 え られ る。 こ のた め、物 資 へ の侵 入 リス ク は比 較 的 低 か った と考 え られ る。

イ エ シ ロア リの侵 入 を受 け、 以 下 の 対 策 を行 っ た(日 時 の詳 細 に つ い て は表2を 参 照)。

・目張 りの 増 強(テ ー プ を ダ ク トテ ー プ へ 変 更 、 目張 り箇所 を増や した)

・通 風 孔 以 外 の 隙 間 をマ ス キ ン グテ ー プ で 塞 い だ

・蛍 光 灯 を外 し、 ダ ク トテ ー プ と ビニ ール で覆 った

・イ エ シ ロア リの侵 入 が初 確 認 され た 時 点 で ク リー ン倉 庫 へ 水 を搬 入 済 み だ っ た た め 、梱包 をや り直 し、 再 度 懐 蒸 を行 った

・そ の後 ク リー ン倉 庫 へ搬 入す る物 資 は全 て厚 手 の ビニ ール 袋 で密 閉 し、イエシ ロア リが倉 庫 内 に侵 入 した 場 合 に物 資 へ 混 入 しな い よ うに梱 包 を徹 底 した

・懐 中電 灯 と粘 着 トラ ップ に よ って 夜 間侵 入 した 場 合の誘 引 を試 み た

上 記 の対 策 を行 った が 、5月31日 の 初確 認 後 も5匹 前後 の侵 入 が 前 室1、 検 査 ・処 置 室 へ 至 る廊 下 、前 室2で2回 確 認 され た。 イ エ シ ロア リは 雨 の 日を 除 い て ほ ぼ 毎夜 飛 翔 して い た が 、 出発 ま で に大 規模 な ス ウォ ー ム の発 生 が な か っ た こ とは 幸運 で あ っ た と言 え る。

今 回 は世 界 遺 産 セ ン ター の使 用 が 初 めて で あ り、イ エ シ ロア リの侵 入 の有 無 や 量 な どにつ い て 予 測 不 可 能 で あ った 。6A5日 に 天 井裏 の構 造 を確 認 した と ころ 、施 設 の屋 根 と壁 部 分 とのわ ず か な隙 間 が侵 入 経 路 で あ る可 能性 が あ る と考 え られ た。 管理 者 で あ る環 境 省 に よ り 隙 間 を塞 ぐ作 業 が2017年 度 に行 われ て い る。

次 の ス ウォ ー ム の 時 期 が来 た 際 に再 び イ エ シ ロ ア リの侵 入 が起 こ ら な い よ うな 状 態 に施 設 の整 備が 必 要 で あ る と言 え る。

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図25.世 界 遺 産 セ ン タ ー に お け る 隙 間 の シ ー リ ン グ 作 業(2018年2月6日 撮 影) Figure25.SealingworkofthegapbetWeenthewallandtheroofoftheWorldHeritageCenter(2018/2/6)

5‑2.世 界 遺 産 セ ン タ ー の 使 用 方 針 の 共 有 に つ い て

/

(21)

今 回 の調 査 準 備 期 間 は他 の 調 査 隊 の 調 査 期 間 と重 な っ て お り、検 査 ・処 置 室 を 共有 して使 用 す る こ と とな った 。 そ の た め 、検 査 ・処 置 室 内 の 床 を養 生 テ ー プ で 半 分 に 区 切 り、物 資 の 保 管 場 所 を分 けて 使 用 した 。 この際 に相 手 の調 査 隊 との 間で 、 生物 持 込 防止 の方 針 に 関す る 共 有 が で きて い なか った の は課 題 の 一 つ と言 え る。今 回 の使 用 は 世 界遺 産 セ ン タ ー が 開所 し て 間が な く、施 設 側 に この よ うな 検 疫 に使 用 す る際 の マ ニ ュ アル が確 立 され て い な か っ た こ と、 よっ て利 用 者 へ 事 前 に通 知 され な か っ た こ とが一 因 とな り、相 手 側 の 物 資 が 検 査 ・処 置 室 へ 搬 入 され る 際 に こ ち らか ら検 疫 の方 針 と土 や 昆 虫類 の 除 去 の必 要 性 につ い て 伝 達 す る

こ と とな った 。

また 、今 回 の事 前 準 備 にお い て ク リー ン倉 庫 の燃 蒸 を行 う際 、 オ ガ サ ワラハ ン ミ ョ ウの飼 育 室 へ の殺 虫剤 の 流 入 が 懸 念 され た た め、燥嚥 の 前 に飼 育 室 へ 通 じ る通風 孔 を塞 ぐ措 置 を し た 。通 風 孔 に は フ ィル ター は設 置 され て い た が 、燥蒸 した 空気 が 実 際 に飼 育 室 へ どの程 度 届

くのか 、換 気 扇 の稼 働 等 が どの よ うに影 響 す る の か等 は未 検 証 で あ る。 次 回 の調 査 で も同様 の措 置 を取 る こ とが 必 須 で あ るか ど うか 、 今 後検 証 が 必 要 と思 わ れ る。

5‑3.検 疫 にお け る シ フ ト作 成 につ い て

今 回 、 目視 検 疫 とエ タ ノー ル 処 理 は世 界 遺 産 セ ン ター 内 の検 査 ・処置 室 に設 置 した机 の上 で 行 った 。荷 物 の パ ッキ ン グ と同 時 に 隊 員 各 自に よ り目視 検 疫 と検 疫 担 当者 に よる確 認 が行 われ た が 、隊員 の数 に対 して机 の数 が少 な く、一度 に 実施 す る こ とが不 可能 だ っ た た め 、1日 の 中で お よそ90分 ご とに5人 程度 ず つ の シ フ トを組 み 、 交 代制 で の 作 業 と した。 しか し、

そ れ で も室 内 は混 雑 す る状 況 とな った 。

NHK隊 の 装備 品 には 機 材 が 多 く、 ほ とん どが再 利 用 品 で冷 凍 の で き な い精 密 機器 で あ っ た た め、 エ タ ノー ル 処 理 と 目視 検 疫 を行 った。 機 材の数 が 多 か っ た た め 当初 の想 定(90分)

よ りも 時 間 を 要 した 。 出 発 前 は各 種 ミー テ ィ ン グや 登 墓 海 洋 訓 練 等 の予 定 が詰 ま っ て お り、

時 間が 限 られ る。 これ らとの バ ッテ ィ ン グに よっ て検 疫 作 業 が疎 か に な る可 能 性を 秘 め て お り、 検 疫 に要 す る時 間 の確 保 、 検 疫 担 当者 を増 員 す るな どの効 率化 を 図 る必 要 が あ る。

5‑4.大 型 調 査 船 内 のサ ンプ ル 逸 出対 策 につ い て

大 型 調 査 船 内 に設 置 した ダー テ ィル ー ム 内 で 一 部 の 生 物 の逸 出 が 起 こっ た。 ダ ー テ ィル ー ム作 成 時 、 室 内 の 隙 間 に対 す る 目張 りは した もの の 、 ツル グ レン装 置 や サ ンプ ル の 容器(ダ ンボ ー ル 箱)に 対 して は対 策 を行 っ てい な か っ た。今 後 同様 の調 査 を行 う際 は ダ ー テ ィル ー ムか ら船 内へ の 逸 出の み な らず 、そ の 前 段 階 と して の サ ンプル か らダ ー テ ィル ー ムへ の逸 出 の防 止 につ い て も留 意 す べ きで あ ろ う。

5‑5.首 都 大 学 東 京 小 笠 原 研 究 施 設 内の ダー テ ィル ー ム にお け る高 温 対 策 に つ い て 今 回 ダ ー テ ィル ー ム と して選 定 した 首 都 大 学 東 京 小 笠 原 研 究 施 設 内 の部 屋 は 日当 た りが 良 く、 高温 とな っ た た めサ ン プル 処 理 を行 うの に適 切 な環 境 とは言 え なか った 。 同 時期 に調

(22)

査 を行 う場 合冷房の可能な部屋 が望ま しいが、その際にサ ンプル の逸 出防止 のため冷房機 器 に昆 虫等の生物 の通 り抜 け られ ない よ うな フィル ターを設置す るな どの工夫 が必要 と考 え られ る。

5‑6.冷 凍 後 の ゴ ミ類 の処 理 につ い て

調 査 後 父 島へ 持 ち帰 られ た 物 資 には 大 量 の ゴ ミ類 が含 ま れ て お り、冷 凍 後 の それ らの分 類 (ペ ッ トボ トル は 蓋 を され て い た が 、冷 凍 後 に全 て 外 す 必 要 が あ る)、 父 島 内 の ク リー ン セ ン ター へ の持 ち込 み 等 に予 想 以 上 に人数 と時 間 を要 した(4、5人 で 半 日程 度)。

冷 凍 後 の物 資 の 洗 浄 や 片 付 けは 調 査 隊 員 を含 む 大 人数 で行 っ た。

5‑7.海 洋 訓練 後 の磯 足袋 の 再利 用 に つ い て

今 回 隊 員 が 南 硫 黄 島 上 陸 時 に使 用 した磯 足 袋 は 、6月10日 の海 洋 訓 練 で使 用 した後 に 再利 用 した 物 で あ った 。海 水 洗 浄 に よる微 小 な動 物 の付 着 へ の効 果 は あ っ た が 、植 物 種 子 等 が 付 着 して い た 場 合 は南 硫 黄 島 へ侵 入 す る リス ク を除 去 で きて い な か っ た と言 え る。

海 洋 訓 練 で は安 全 管 理 上 の観 点 か ら実 際 に上 陸 で 装着 す る もの を使 用 して お り、検 疫 の視 点 か らの リス ク低 減 と矛 盾 した 措 置 に な り、付 着 物 の 除 去 は個 人 の 目視 検 疫 の み とな った 。 今 後 の調 査 で は訓 練 時 に使 用 した もの で は な く新 品 を用 意 す る必 要 が あ るが 、今 回 の よ うに 20名 を超 え る人 数 の場 合 、訓 練 用 と実 際 の 上 陸 用 の磯 足袋 の 両方 を 用意 す る こ とは現 実 的 で

は ない 。 次 回 の 調 査 で この 点 を ど う改 善 す るか とい うこ とは課 題 と して残 っ て い る。

5‑8.植 物 の種 子 に対 す る処 理 方 法 の 課 題 につ い て

植 物 の種 子 に対 す る冷 凍 処 理 につ い て 、環 境 省 の種 子 保 存 マ ニ ュア ル で は、 多 くの種 子 の 長 期 保 存 方 法 と して 冷 凍 が 示 され て い る。 した が って 、冷 凍 処理 は種 子 の 死滅 に必 ず し も有 効 で は ない と言 え る。 しか し、一 部 の植 物 は 「難 保 存 性種 子 」 と され 、 冷凍 に よっ て発 芽 能 力 を喪 失 す る タイ プ の 種 子 を持 つ(環 境省2009)。

小 笠 原 の植 物 種 につ い て は 種 子 の性 質 に関 す る知 見 は ほ とん どな く、冷 凍 処 理 が 実 際 に ど の程 度 の効 果 が あ るの か は 不 明 で あ る。 科 学 委 員 会 下 部 新 た な 外 来 種 の 侵 入 ・拡 散 防止 に 関す る ワー キ ン グ グル ー プ(2016)の 中で も、 ワー キ ン グ グル ー プ 委員 か らの助 言 事 項 と し て 「冷 凍 処 理 で は外 来植 物 の 種 子 を確 実 に死滅 させ る こ とは で きな い 」 と され て い る。

こ の こ とか ら、今 回 実 施 した 冷 凍 処 理 の植 物 の種 子 へ の 冷 凍 効 果 は低 い と考 え られ るが 、 詳 しく は不 明 で あ る と考 え られ る。

今 回 の調 査 で は 出発 時 点 の 物 資 の ほ とん どが 生 物 の 混入 リス クの低 い新 品 で あ り、冷 凍 し た 再 利 用 物 資 と共 に全 物 品 に 目視 に よ る検 疫 を行 っ た。 よ っ て 、南硫 黄 島 へ の種 子持 ち 込 み リス ク は低 か った と考 え られ る。 しか し、 南硫 黄 島 か ら持 ち 帰 っ た後 の物 資 の ゴ ミは焼 却 処 分 、精 密 機器 類 につ い て は 目視 検 疫 を行 っ た が、 そ の他 大 多数 の物 資 に 関 して は冷 凍 処 理 の み 実 施 し、 冷凍 後 の 目視 検 疫 は 実施 して い な い。 だ が、 隊 の 規 模 と物 資 の 量 、 作 業 人数 、所

(23)

要 時 間、使 用 可能 な設 備 等 か ら、現 時 点 で は 持 ち 帰 っ た物 資 の種 子 対策 に 実効 性 の あ る方 法 は確 立 して い ない 。植 物 の種 子 に は高 熱 処 理 が有 効 で あ る こ とが わ か って い るが(科 学 委 員 会 下 部 新 た な外 来種 の侵 入 ・拡 散 防 止 に関 す る ワー キ ン グ グル ー プ2016)、 処 理 可 能 な 素 材 が 限 られ 、 大規 模 に処 理 を行 え る設 備 もな い。 次 回 調 査 時 ま で には 、 この種 子 対 策 に つ い て 再 検 討 す る必 要 が あ る。

6.引 用 文 献

科 学 委 員 会 下 部 新 た な外 来 種 の侵 入 ・拡 散 防止 に 関す る ワー キ ン グ グル ー プ(2016)世 界 自 然 遺 産 地 域 小 笠 原 諸 島 新 た な外 来種 の侵 入 ・拡散 防止 に 関 す る検 討 の成 果 と今 後 の課 題

の整 理,7

環 境 省(2009)絶 滅 危 惧植 物 種 子 の 収集 ・保 存 等 に 関 す るマ ニ ュアル

環 境 省 ・林 野 庁 ・文 化 庁 ・東 京 都 ・小 笠 原 村(2010)世 界 史 自然 遺 産推 薦 地 小 笠原 諸 島 管理 計 画,20

加 藤 英 寿 ・堀越 和 夫 ・朱 宮丈 晴 ・天 野 和 明 ・宗 像 充 ・加 藤 朗 子 ・苅 部 治 紀 ・中 野秀 人 ・可知 直 毅(2008)南 硫 黄 島 自然 環 境 調 査 の 概 要OgasawaraResearch,33:21‑22

(24)

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Measurestopreventu血tentionaltransportofalienspeciesbytheexpeditionto Minami‑lwo一TbIsland

YbshieKAGAl*,TetSuroSASAK【1

1.institUteofBo血ology,NPO,Nishi‑Machi,Chichij㎞a,Ogasawara‑murqTokyo,100‑2101

*kaga@ogasawara 。orjp(authorfbrcorrespondence)

The2007expeditiontoinvestigate出enaturalenvironmentofM血ami‑Iwo‑ToIslandwas血e丘st suchexpeditiontocarryoutco叫)rehensivequamntinemeasuresaimedatpreventingtheunintentional transportofalienspeciestotheOgasawaraIslands.Thequarantineprocedureshnplementedinthe2017 expeditionwerebasedonthemethodsusedin2007.Quaran廿neprocedureswereconductedinthe OgasawaraWorldHeritageCenter,whichwasbuiltinMay2017andhaspermanentquaran血efacilities includingacleanroom,afUmigationroom,etc.Ifavailable,brand‑newgoodsandequipmentwere

purchasedfbrtheexpedition.Goodsthatwerenotnewweretreatedwithfヒeezing,hightemperature, ethanolwashlng,andsea‑waterwashlngina"cleanroom"and/ora"dh寸yroom."Achecklistwas implementedtoensurethatangoodsunderwentthenecessarytreatmentsteps.Ihsectsandmiceonthe

shipwereexte㎜ 血ated.Quara血ieworkwasmonitoredby血spectorsbo山 血temalandextemalto血e

expeditionteam.Ihthisreport,wedescribeoperationaldetaisandissuestobesolved.

Keywords

Alienspecies,cleanroom,countermeasure,Quaiantine

参照

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