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平成24年度 修 ± 論 文

企業の消防計画および震災時の行動マこユアルに関する研究

首都大学東京大学院 都市環境科学研究科 都市システム科学域

 11887407大島 和之

指導教授 玉川 英則 教授

(2)

  企業の消防計画および震災時の行動マニュアルに関する研究

11887407 大島 和之

 首都東京には、政治・経済の中枢機能が集結しており、人口も多く、様々 な用途の建物が密集している。そのため、首都直下で大地震が発生した場合 の被害の大きさは測り知れない。文部科学省の特別機関である地震調査研究 推進本部の長期評価によれば、南関東で「今後30年以内にマグニチュード

7以上の地震が発生する可能性は70%以上」とされ、極めて切迫した状況 である。今後、首都圏で大震災が発生した場合を想定した、事前に行うべき 対策はまだまだ山積みである。

 そんな中、都内の企業には、震災等に備え、小規模な事業所にあっては、

東京都震災対策条例に基づき事業所防災計画を、一定規模以上の事業所には、

消防法に基づき消防計画を作成することとなっている。さらに、平成21年 6月1日には消防法が改正され、階層及び延べ床面積が大規模な建物に占有 する事業所に対して、大規模地震への対応を盛り込んだ消防計画の策定が義 務付けられた。このように、都内の事業所は震災に対する計画を作成し、対 策を実施してきているが、平成23年3月に発生した東目本大震災では首都 圏で515万人の帰宅困難者が出る(内閣府推計)など多数の被害が発生し、

社会全体に混乱が生じた。今回の大震災の教訓を受けて、これまでの事業所 防災計画や消防計画の内容を今後発生する大震災時に備え、更なる実用性の 向上を図る必要があると考えられる。

 そこで、本研究では事業所が作成する消防計画、および任意で作成する震 災時の行動マニュアルに関して事業所の策定状況や内容、また東日本大震災 時での活用状況について実態を確認するため、アンケート調査及びヒアリン グ調査を実施し、震災時においてより実用性の高い消防計画の提案を行なっ

た。

 次頁より、各章の概要について示した。

(3)

 第1章では、研究の背景や既往研究を整理することにより研究の目的及び 仮説を明らかにし、本論文の構成を示した。仮説としては以下の項目を挙げ

た。

(1)消防計画への具体的内容の追記、具体的マニュアルの作成により被害   の軽減、震災対応の向上が見られる可能性。

(2)消防計画に一おける震災対策部分の様式に改善課題が存在する可能性。

(3)消防計画の震災対策部分と比較して、マニュアルの震災発生初期での   利用率、実用性が高いという可能性。

第2章では、本研究の目的に基づき仮説を検証するため、東京都内23区の 事業所を対象としたアンケート調査を実施し、以下のように、集計・分析を

行なった。

(1)単純集計では、東目本大震災時における企業の消防計画及びその地震   災時の行動マニュアルの策定状況や活用状況、被害や対応状況を集計   し分析を行なった。

(2)クロス集計では、従業員規模や上場・非上場に分類し、主に計画策定  有無による震災対応や被害状況の企業間の差を集計し、分析を行なった。

第3章では、ヒアリング調査をアンケート調査の回答企業に対して実施し、

消防計画の追記部分やマニュアルの具体的構成、東目本大震災時の状況、外 部との利害関係やステイタスと計画策定との関係性、計画を策定することに 対する障害や作成しない理由などについて調査を実施した。一

策4章では、本研究から得られた結果及びそれに対する考察を論じた。

 震災時の行動マニュアルによる具体的内容の策定に関しては、震災対応の 向上に一定の効果が見られた。さらに、マニュアルとして定めている内容の

うち特にr災害対策本部の設置」、r安否確認の方法」、r自衛消防隊員以 外の社員の役割」を定めている企業において震災対応の向上が見られ、これ

(4)

施する必要がある。こういった課題や消防計画の雛形が難しいなどの理由か ら東日本大震災においては、BCPなどのマニュアルを参考に行動していた 企業が消防計画でのそれと比較して多数を占めた可能性が示された。

 このように、本研究において明確となった結果により、今後発生が予想さ れる首都直下での大震災の発生に備え、各事業所の実態に合う計画を実現さ せ、どのように被害の軽減につなげていくかを考察し、本研究の結びとする。

(5)

目次

目次

論文要旨 I〜皿

目次・図表目次 1V〜]X

第1章  序章

1−1研究の背景

 1−1・1 今後起こりうる首都直下地震  1−1−2 企業の震災に対する計画 1−2 用語の定義

1−3 既往調査及び既往研究の整理  1−3−1 消防計画に関する既往調査

 1−3−2 震災時の行動マニュアルに関する既往研究 1−4 研究の目的

1 5 消防計画の実用性に関する研究仮説 1−6 本研究の構成

1 1

3 3

4 4

5 5 6

第2章 アンケート調査

2・1 調査の目的 2・2 調査の対象 2・3 調査の概要

 2−3−1 配布方法及び回収  2−2・2 実施時期

2−4 調査の設問項目 2・5 調査の単純集計結果

2−5−1 2 5 2 2−5 3 2−5−4

回答企業の属性について

東日本大震災時の被害状況について 消防計画について

消防計画以外の行動マニュアルについて

8 9

10 10 11 13 13 16 19 25

(6)

 2−6−1 マニュアルの有無と震災対応の関連性  2 6 2 消防計画追記の有無と震災対応の関連性  2 6 3 マニュアルの有無と被害状況の関連性  2−6−4 属性(業種)とマニュアルの関連性  2−6−5 属性(地域)とマニュアルの・関連性  2・6−6 マニュアルの内容と震災対応の関連性 2・7 アンケート調査結果の小括

31 43 50 52 53 55 66 第3章 ヒアリング調査

3−1 調査の目的

3・2 調査の方法と対象  3−2−1 調査の方法  3−2−2 調査の対象 3・3 調査の質問項目 3−4 調査の結果

3−4−1ケース① 千代田区のホテル 3−4・2 ケース② 杉並区の製造業 3−4・3 ケース③ 品川区の卸小売業 3・4−4 ケース④ 江東区の製造業 3−4・5 ケース⑤ 新宿区の建設業 3−5 調査結果の小括

69 70 70 71 72 74 76 78 80 82 第4章

4・1 4−2 4−3 4−4

結論と考察

調査結果のまとめ 仮説に対する結論 全体の考察

今後の課題と展望

84 89 90 92

参考文献 付属資料

(7)

目次

図表目次

第1章

表1−1−!

図1−5−1

消防計画作成となる事業所規模の基準 本研究の構成

1

7

第2章

表2−1−1 表2−4−1 表2−4−2 図2−5−1 図2−5−2 図2−5−3 図2−5−4 図2−5−5 図2−5−6 図2−5−7 図2−5−8 図2−5−9 図2−5−10 図2−5−11 図2−5−12 図2−5−13 図2−5−14 図2−5−15 図2−5−16 図2−5−17 図2−5−18

東京23区の全事業所数とサンプル数 設問項目の大枠

設問項目の詳細一覧 回答企業の上場一般比率 回答企業の業種(間1)

回答企業の所在区(問2)

入居階層数(問3)

従業員の人数(間4)

入居するビルの用途(問5)

防火管理者をおく義務の有無(問6)

帰宅困難度(問7)

オフィス家具等の転倒落下移動の有無(問7)

構造部被害(問7)

けが人の発生(問7)

被害額の程度(問8)

業務停止日数(問9)

消防計画の作成の有無(問10)

消防計画への具体的追記の有無(間11)

消防計画への具体的追記内容(間12)

東日本大震災時における消防計画に基づいた活動の有無(間13)

東日本大震災時有効だった計画内容(問14)

9

11 11 12 13 13 14 14 15 15 16 16 17 17 18 18 19 19 20 20

21

(8)

図2−5−22 図2−5−23 図2−5−24 図2−5−25 図2−5−26 図2−5−27 図2−5−28 図2−5−29 図2−5−30 図2−5−31 図2−5−32 図2−5−33

震災後における消防計画内容の変更・追加(問18)

消防計画変更・追加の内容(問!9)

行動マニュアル等の作成有無(間20)

行動マニュアル等の種類(問21)

行動マニュアル等の内容(問22)・

震災後の行動マニュアル等の内容変更追加(問23)

震災後変更・追加した内容(問24)

震災への対応状況<客の誘導安全確保>(問25)

震災への対応状況<安否確認>(問25)

震災への対応状況<けが人の搬送手当>(問25)

震災への対応状況<まとまりのある行動>(問25)

震災への対応状況<社員の帰宅支援>(問25)

23 24 25 25 26 26 27 28 28 29 29 29

表2−6−1 表2−6−2 表2−6−3 表2−6−4 表2−6−5 表2−6−6 図2−6−1 表2−6−7 図2−6−2 表2−6−8 図2−6−3 表2−6−9

表2−6−10 表2−6−11

表2−6−12 表2−6−13

[行動マニュアル1と[震災対応1の独立性検定結果(全企業)

[行動マニュアル1と[震災対応1の独立性検定結果(一般)

[行動マニュアル1と[安否確認1のクロス表

[行動マニュアル1と[社員への帰宅支援1のクロス表

[行動マニュアル1と[震災対応1の独立性検定結果(上場)

[マニュアルの有無/と[客の誘導安全確保1のクロス表

[マニュアルの有無1と[客の誘導安全確保1の集計結果

[マニュアルの有無1と[まとまりのある行動1のクロス表

[マニュアルの有無1と[まとまりのある行動1の集計結果

[マニュアルの有無1と[社員への帰宅支援1のクロス表

[マニュアルの有無1と[社員への帰宅支援1の集計結果

[マニュアルの有無1と[震災対応1の独立性検定結果

      (従業員規模30人未満)

[行動マニュアル1と[社員への帰宅支援1のクロス表

[マニュアルの有無1と[震災対応1の独立性検定結果        (従業員規模30人以上)

 [マニュアルの有無1と[客の誘導安全確保1のクロス表

[マニュアルの有無1と[震災対応1の独立性検定結果        (従業員規模50人未満)

31

32 32 33 33 34 34 35 35 36 36 37 37

38 39 40

(9)

目次

表2−6−!4

表2−6■5 表2−6−16 表2−6■7 表2−6−18 表2−6−!9 表2−6−20 表2−6−21 図2−6−4 表2−6−22

表2−6−23

表2−6−24

表2−6−25

表2−6−26 表2−6−27 表2−6−28 表2−6−29 表2−6−30 表2−6−31 表2−6−32 表2−6−33

表2−6−35 表2−6−36 図2−6−5 表2−6−37

[マニュアルの有無1と[震災対応1の独立性検定結果        (従業員規模50人以上)

[マニュアルの有無1と[客の誘導安全確保1のクロス表

[マニュアルの有無1と[まとまりのある行動1のクロス表

[追記の有無1と[震災対応1の独立性検定結果(全企業)

[追記の有無1と[震災対応1の独立性検定結果(一般)

[追記の有無1と[震災対応1の独立性検定結果(上場)

[追記の有無1と[社員の帰宅支援1のクロス表

[追記の有無1と[社員の帰宅支援1のクロス表

[追記の有無1と[社員の帰宅支援1(都心3区)の集計結果

[追記の有無1と[震災対応1の独立性検定結果

      (従業員規模30人未満)

[追記の有無1と[震災対応1の独立性検定結果

       (従業員規模30人以上)

[追記の有無1と[震災対応1の独立性検定結果

      (従業員規模50人未満)

[追記の有無1と[震災対応1の独立性検定結果

       (従業員規模50人以上)

 [行動マニュアル1と[被害状況1の独立性検定結果(全企業)

 [行動マニュアル1と[被害状況1の独立性検定結果(一般)

 [行動マニュアル1と[被害状況1の独立性検定結果(上場)

[追記の有無1と[被害状況1の独立性検定結果(全企業)

[追記の有無1と[被害状況1の独立性検定結果(一般)

[追記の有無1と[被害状況1の独立性検定結果(上場)

[マニュアルの有無1と[業種1のクロス表 方面と区名の割り当て

表2−6−34 [地域1と[マニュアル作成率1、[消防計画追記率1、

[転倒落下発生率1のクロス表

[計画の具体的内容1と[震災対応1の独立性検定結果(全企業)

「転倒落下移動防止対策」と「社員への帰宅支援」のクロス表

「転倒落下移動防止対策」と「社員への帰宅支援」の集計結果

「安否確認の方法」と「まとまりのある行動」のクロス表

41 41

42 43 44 44 45 46 46

47 48 48 49 50 50 50

51 51 51

52 53 53 55 56 56 57

(10)

表2−6−40「災害対策本部の設置要領」と「まとまりのある行動」のクロス表

団2−6−7 表2−6−41 図2−6−8 表2−6−42 図2−6−9 表2−6−43 表2−6−44 表2−6−45 図2−6−10

「災害対策本部の設置要領」と「まとまりのある行動」の集計結果  「安否確認の方法」とrまとまりのある行動」のクロス表

「安否確認の方法」と「まとまりのある行動」の集計結果  「社員の役割」・と「まとまりのある行動」のクロス表

「社員の役割」と「まとまりのある行動」の集計結果

[計画の具体的内容1と[震災対応1の独立性検定結果(50人未満)

[計画の具体的内容/と[震災対応1の独立性検定結果(50人以上)

 「自衛消防態勢」と「社員への帰宅支援」のクロス表  「自衛消防態勢」と「社員への帰宅支援」の集計結果

60 60

61 61

62 62 63 64 65 65 第3章

表2−4−1 ヒアリング調査の質問項目 71

(11)

第1章

序論

1−1

1−2 1−3 1−4 1−5 1−6

研究の背景 用語の定義

既往調査及び既往研究の整理

研究の目的

消防計画の実用性に関する研究仮説

本研究の構成

(12)

第1章 序論

1.一1 研究の背景

1−1−1 今後起こりうる首都直下地震

 首都東京には、政治・経済の中枢機能が集結しており、人口も多く、様々な 用途の建物が密集している。そのため、首都直下で大地震が発生した場合の被 害の大きさは測り知れない。文部科学省の特別機関である地震調査研究推進本 部の長期評価によれば、南関東で「今後30年以内にマグニチュード7以上の 地震が発生する可能性は70%以上」とされ、極めて切迫した状況である。今 後、首都圏で大震災が発生した場合を想定した、事前に行うべき対策はまだま だ山積みである。

1−1−2 企業の震災に対する計画

 都内の企業には、震災等に備え、小規模な事業所にあっては、東京都震災対 策条例に基づき事業所防災計画を、一定規模以上(表1−1−1参照)の事 業所には、消防法に基づき消防計画を作成することとなっている。

 飲食店やデパートなど ス数の人が出入りするビル 用途

高齢者施設など

ェ入居する建物 左記以外

事務所など lの出入りが

ュないビル 建物の

菶e人数 10人以上 30人以上 50人以上

表1−1−1 消防計画作成となる事業所規模の基準

 さらに、平成21年6月1日には消防法が改正され、階層及び延べ床面積が 大規模な建物に占有する事業所に対して、大規模地震への対応を盛り込んだ消 防計画の策定が義務付けられた。

 このように、都内の事業所は震災に対する計画を作成し、対策を実施してき

(13)

第1章序論

でいるが、平成23年3月に発生した東日本大震災では帰宅困難者やオフィス 家具の転倒落下移動、けが人の発生など多数の被害が生じ、社会全体に混乱が 生じた。このことから、今回の東日本大震災の教訓を受けて企業における計画 に関しては、これまでの事業所防災計画や消防計画のさらなる実用性の向上を 図り、もしくはそれ以外の震災時・の行動マニュアル等の策定が必要となってく ることが考えられる。しかし、震災時のマニュアルや事業継続計画(BCP)

に関しては現在、直接的に法令化や義務化がされていないのが現状であるため、

各企業で策定状況や内容に大きく差がでてしまう可能性が高い。そのため、事 業所防災計画や消防計画に各事業所の実態に合わせたより実用性を高める具 体的内容の策定をしていくことが事業所全体の防災対策の質を向上させるた めには有効であることが考えられる。

 そこで、本研究では事業所が作成する消防計画等の策定状況や内容などに関 する実態を調査し、震災時においてより実用性の高い消防計画の提案を目指し、

検証していく。

(14)

1−2 用語の定義

本研究における用語に関する定義は以下のとおりである。

 消防計画とは、消防法に基づき、一定規模以上の事業所の代表者が防火管理 者を基本的には社内から選任し、その者に作成させる火災・震災などに対する 事前計画や発生時の対応計画などを定めたものである。

 事業所防災計画とは、東京都震災対策条例に基づき、小規模な事業所(消防 計画の作成基準以下の事業所)が作成する震災に対する計画のこと。主な内容 としては、転倒落下防止などの事前計画、震災時の活動計画、施設再開までの 復旧計画などを定める。

 事業所とは、企業の中の本社や支社、工場など建物や場所ごとに分けた単位 であり、消防計画は基本的に各企業の事業所ごとの作成が求められる。

 アンケート調査の質問項目におけるビルの用途として、特定用途とは特定多 数の人が出入りする飲食店や物品販売店などのビルのことであり、非特定用途

とは常に同様の人員のみで人の出入りが比較的少ない事務所ビルのことであ

る。

 本研究における行動マニュアルとは、消防計画以外の「震災に関する計画」

のことであり、BCP(事業継続計画)や各地方白治体などで出されている震 災マニュアル(企業用)のことを指している。

 BCP(business continuityplan)とは、事業継続計画のことであり、大 規模な災害・事故・システム障害が発生した場合に、企業や行政組織が基幹事 業を継続し、早期に事業を再開するために策定する行動計画である。事前に業 務の優先度を確定し、バックアップシステムの整備や対応要員の確保などの対 応策を立てておくことで、被害などを最小限にとどめることができる。

 また、本研究における一般企業とは、上場企業以外の企業を意味することと

する。

(15)

第1章序論

1−3 既往調査及び既往研究の整理 1−3−1 消防計画に関する既往調査

 消防計画に関する既往調査としては、総務省消防庁(2010)が公表した

「改正消防法に基づく消防計画に関する調査検討事業報告書」の中で、「消防 計画の改善・見直しに関するアンケート調査」を全国の消防本部、および事業 所を対象に実施している。

 そこであげられている問題点として、消防本部からの意見としては以下のよ うなものがある。

① 消防計画の形式化、形骸化が見られ、届出自体が目的になっている。

② 行動マニュアルのような作りになっておらず震災時に誰が何をすればいいか  分からず、混乱を招く恐れがある。

③ ひな形主義で消防署に大きく依存しているため、消防計画を作成する防火管  理者が、内容をよく理解していない。

④ ③と同じ理由で実態に合っていない場合が多い(実災害に対応できない)

⑤ 地震時は初動対応範囲が広いため、EV閉じ込め対応や超高層向けマニュア  ル、病院の避難マニュアルなど用途や業態別の対応ができていない。

 また、事業所からの意見としては

① 消防署の査察の際に計画が実態に合うようアドバイスしてほしい

② 従業員やテナント全員への消防計画の内容の周知が困難

 などが挙げられ、消防計画と実態の乖離を危惧する声も多くあげられていた。

 そのほか、消防計画と震災に関連する学術論文は見られなかった。

1−3−2 震災時の行動マニュアルに関する既往研究

 消防計画以外の震災時のマニュアル等に関する既往研究としては、指田(1 998)による「ISOの考え方に削った地震対策危機管理マニュアルの開発」

や建部ら(2008)による「大地震時における中小企業の事業継続計画に関 する研究」などの防災マニュアルや事業継続計画の在り方に関する研究などが あり、東日本大震災後の計画に関する企業への調査としては株式会社野村総合

(16)

るアンケート調査」や産労研究所(2011)の東日本大震災から3ヶ月後の 各企業の「地震・防災対策と従業員支援等に関する実態調査」などがあるが、

消防計画および震災時のマニュアルと東日本大震災の対応や被害との関連性 に関する研究は見られない。

1−4 研究の目的

 前項で述べた総務省消防庁による既往調査より、現在、全国的に見ると事業 所の作成する消防計画は形式化、形骸化が見受けられ、内容に関しても実態に 合っていない場合があり、実災害に対応できない企業が存在する可能性が否定 できない。特に、震災発生初期に社員全体が動けるような具体的な内容になっ ていない場合があるなど実用面において改善していく余地があることが考え

られる。そこで、本研究では消防計画および企業が作成する防災マニュアルの 震災前後における作成実態と実際の企業の震災対応等を調査し、震災発生初動 期における消防計画の実用性の向上に関しての知見を得るため、検証を行って

いく。

1−5 消防計画の実用性に関する研究仮説

本研究の仮説を以下のように示す。

(1)消防計画への具体的内容の追記、具体的マニュアルの作成により事業所   での被害の軽減、震災対応の向上が見られる可能性。

(2)消防計画における震災対策部分の様式に改善課題が存在する可能性。

(3)消防計画の震災対策部分と比較して、マニュアルの震災発生初期での利   用率、実用性が高いという可能性。

以上の研究仮説を実証するため、調査を行っていく。

(17)

第1章序論

1−6 本研究の構成

 本研究を構成する各章の概要については、以下のとおりである。(図1−5

−1)

第1章 序論

 本研究に関する背景と既往研究及び現行の消防計画やその他の震災マニュ アルに関する現状等を整理し、本研究の目的を明確にした上で、研究の構成と 手法を述べる。

第2章 アンケート調査

 東京23区内の企業を対象としたアンケート調査について集計・分析する。

アンケート調査で得られたデータの単純集計とともに設問間のクロス集計を 行い、結果を分析していく。

第3章 ヒアリング調査

 アンケート調査だけでは把握できない詳細な計画策定内容や東日本大震災 時の状況などを把握する目的で、アンケート調査の回答企業を対象として実施

したヒアリング調査における結果とそれに対する考察を行う。

第4章 結論と考察

 アンケート調査、ヒアリング調査の結果の要点を整理し、本研究の目的に対 しての結論とそれに対する考察を行う。

(18)

第1章 序章 1−1 研究の背景 1−2 用語の定義

1−3 既往調査及び既往研究の整理 1−4 研究の目的

1−5 消防計画の実用性に関する研究仮説

1−6 本研究の構成

第2章 アンケート調査 2−1 調査の目的

2−2 調査の対象 2−3 調査の概要 2−4 調査の設問項目 2−5 調査の単純集計結果 2−6 調査のクロス集計結果

2−7 アンケート調査結果の小括

第3章 ヒアリング調査 3−1 調査の目的

3−2 調査の概要 3−3 調査の質問項目 3−4 調査の結果 3−5 調査結果の小括

第4章 結論と考察 4−1 調査結果のまとめ 4−2 研究仮説に対する結論 4−3 全体の考察

4−4 今後の課題と展望

図 1−5−1 本研究の構成

(19)

第2章

アンケート調査

2−1

2−2 2−3 2−4 2−5 2−6 2−7

調査の目的 調査の対象 調査の概要 調査の設問項目 調査の単純集計結果 調査のクロス集計結果

アンケート調査結果の小指

(20)

第2章 アンケート調査

2−1 調査の目的

 本研究の目的に基づき、東日本大震災時における企業の消防計画および震災 時の行動マニュアルの策定状況や活用状況、初動対応として有効に使えたかど うかなどを調査するため、東京23区の企業を対象としてアンケート調査を行 った。また、消防計画を消防機関が雛形として公表しているものに、事業所の 実態に合わせ、具体的に追記を行なっている事業所や防災マニュアルを独自に 作っている事業所の割合、そういった事業所とそうでない事業所で東日本大震 災時に被害や対応状況でどのような違いが出たのかなど分析するため、アンケ ートの質問項目として載せた。

 (アンケート質間項目の作成に関しては、企業の消防計画や震災時の行動マ ニュアル自体が企業の機密事項となっている場合が多く、直接入手することや 内容の聴取自体が困難であるため、全国の自治体等から出されているBCPや その他防災マニュアルの作成例を参考に選択肢を作成した。)

 回答者としては、各事業所の防火管理者に対して回答を依頼した。

(21)

第2章アンケート調査

2−2 調査の対象

 都内23区の事業所、2000社(上場企業1000社、上場企業以外の企 業を中心とした一般企業1000社)を無作為抽出で選出した。

 上場企業に関・しては株式会社アットステージが公表している「上場企業本社 マップ」に掲載されている東京23区内の上場企業リストよりサンプルを無作

為抽出した。

 一般企業に関しては、NTTタウンページ株式会杜が公表している「iタウン ページ」の東京23区内の企業リストよりサンプルを無作為抽出した。

 23区ごとの企業数の差を考慮し、総務省統計局が公表している「経済セン サス」より以下の表2−1−1のとおり23区ごとの事業所数からその割合に 合わせてそれぞれの区におけるサンプル数を決定した。

表2−1−1 東京23区の全事業所数とサンプル数

区名 全事業所数 サンプル

@数 区名 全事業所数

サンプル

@数

23区合計 553,684 渋谷区 26,520 96

千代田区 35,566 130 中野区 14,367 52

中央区 41,454 150 杉並区 21,762 79

港区 42,664 154 豊島区 18,934 68

新宿区 35,154 127 北区 15,060 54

文京区 15,960 58 荒川区 1O,951 40

台東区 26,484 96 板橋区 21,062 76

墨田区 18,084 65 練馬区 22,183 80

江東区 20,294 73 足立区 28,943 105

品川区 22,584 82 葛飾区 20,112 73

目黒区 12,707 46 江戸川区 23,599 85

大田区 33,931 123

世田谷区 24,766 90 合計 2,000

(22)

2−3 調査の概要

2−3−1 配布方法及び回収

 調査票の配布方法に関しては、郵送調査法にて実施した。2000社の選定 企業に返信用封筒を同封のうえ、アンケート調査票を送付し、回収期限を約1 ヶ月として返信を依頼した。

 回収率は14.9%(297社/2000社)という状況であった。

2−3−2 実施時期

 平成24年7月18日〜22日で全対象企業へ発送し、

収期限とした。

8月15日までを回

(23)

第2章 アンケート調査

2−4  調査の設問項目

 アンケート調査の設問項目の大枠を表2−4−1、

一4−2に示した。

      表2−4−1 設問項目の大枠

設問項目の詳細を表2

設問項目 設問数

1 回答企業の属性について 6

2 東日本大震災時の被害状況について 3

3 消防計画について 10

4 消防計画以外の行動マニュアルについて 5

5 東日本大震災時の対応状況について 1

表2−4−2 設問項目の詳細一覧

◆回答企業の属性について 問13  東日本大震災時における チ防計画に基づいた活動の有無

間1 業種 問14 震災時有効だった計画内容

間2 所在する区名 問15 社員への周知方法

問3 入居する建物の

K層と入居階 問16 防災訓練の計画への反映 問4 勤務人員 問17   M7級の地震で

立つと思われる計画内容 問5 入居するビルの用途 問18 震災後における消防計画内容の

@ 変更・追加の実施状況 問6 防火管理者をおく義務の有無 問19 変更・追加の内容

◆東日本大震災時の被害状況について ◆消防計画以外の行動マニュアルについて

問7 被害の内容 問20 行動マニュアル等の作成有無

間8 直接的な被害額 間21 定めていた行動マニュアル等の種類

問9 業務停止日数 問22 行動マニュアルの内容

◆消防計画について 間23 震災後における行動マニュアル等の

@ 内容変更・追加の実施状況

問10 消防計画の作成の有無 問24 変更・追加の内容 問11 消防計画への具体的追記

@内容の記載の有無 ◆東日本大震災時の対応状況について

(24)

2−5 調査の単純集計結果

 企業へのアンケートによる単純集計結果を、以下に示した。

アンケートの集計・分析に関しては、統計解析ソフトウェア「PASW Statistics18」 (SPSS Japan)を使用した。

 まず、回答企業の上場企業及び一般企業の割合を図2−5−1に示す。

N=297

一般173 上場124

図2−5−1 回答企業の上場一般比率

 図2−5−1より回答企業の上場企業・一般企業の割合は一般企業が約6 0%、上場企業では約40%と一般企業からの回答が多い結果となった。

(25)

第2章アンケート調査

2−5−1 回答企業の属性について

8 業種 N:297

6

肇、

2

建設讐 製造業 通信業 運輸業卸小売業金融保険不動産業サービス その他  業  業

図2−5−2 回答企業の業種(問1)

 図2−5−2より回答企業の業種は、「製造業」、「卸小売業」、「サービス業」

の3業種が約7割を占めており、他の業種に比べ回答数が多い結果であった。

区名  6

@5

@4

x数3 2 1

一      N=297

干      世      聖代中 新品目大田渋中形裏茎台墨江豊 飛板線星FI

凬?寫̀宿川黒田谷谷,並飾尿東田東島北川橋馬皿川 諡諡諡諡諡諡諡諡諡諡諡諡諡諡諡諡諡諡諡諡諡諡

(26)

 図2−5−3より、回答企業では、配布数の多かった千代田区、中央区、

港区などで回答数も多い結果となった。特に千代田区では配布数に対して回 答数が4割近い結果となった。

入居店敷(一般)

度融

4

1〜2階層    3Hg階層    10階□以上       1〜2階0     3〜9階層    10階層以上

@     入居略数      入居店数

図2−5−4 入居階層数(問3)

 図2−5−4よりビル内の入居階層数は、一般企業では、大半が1から2 階層であったのに対し、上場企業では、3〜9階層が最も多く規模の大きさ

に差が見られた。

従業員規模(一銭)

1

N=173

8 1−1∩人 11}『n人 21H6n人 一1m人 1n1人ωト 1−10人  11}30人  31H60人 61−100人 101人以上

     性実員掲模

従業員撮横(上場)

N=124

1

6

1},o▲ 31〜60人 61〜,on▲ 1m−300▲ m1▲㎜・・

1}30人  31〜60人 61列00人 101−300人 301人以上

    従業員模模

図2−5−5 従業員の人数(問4)

 図2−5−5より一般企業では従業員数が1〜30人の企業が8割を占めて おり、規模が比較的小さい企業が回答企業の大半を占めていた。これは、総務

(27)

第2章アンケート調査

省統計局が公表している「経済センサス」における従業員規模別の事業所数の 割合と類似しており、現状と近い結果となったことが考えられる。それと比較 して、上場企業では、従業員数100人以上の企業が7割を占めており、入居 階層数と同様に一般企業とは規模の差が見られた。

図2−5−6 入居するビルの用途(問5)

 図2−5−6より回答企業が入居しているビルの用途としては、特定用途(不 特定多数の人が出入りする飲食店や物品販売店などの入居するビル)と非特定 用途(常に同様の人員で人の出入りが比較的少ない事務所が占有しているなど のビル)でほぼ同数という結果となった。

■防火管理義務 あり 国防火管理義務

なし

図2−5−7 防火管理者をおく義務の有無(問6)

(28)

2−5−2 東日本大震災時の被害状況について

帰宅困難度(一難) 帰宅困難度(上場)

仙。 6

N=173 5 N=124

8

4

40

2

20

.睡 1

国 一、 」囮・

3

o

o O{焔=20  20くO{焔=20  20く ={40 40{ ={60 60{x≡{80 80く =く100={40 40{ ={60 60{x≡{80 80く =く100 o ○くポ昌20  20く■=く40 40く資=く60 60くH=く80 80く炉{100

眉宅困難度 触(畳宅出来なかうた社員/全社員貫100)%

○くポ昌20  20く■=く40 40く資=く60 60くH=く80 80く炉{100

尼宅困電度上握(締宅出来なかoた祉員/全祉員 100)%

図2−5−8 帰宅困難度(問7)

 図2−5−8より独自に「帰宅困難度」という指標を設定し、全杜員中の 帰宅出来なかった杜員の割合を六段階で分類し、その企業数を一般企業、上 場企業で比較した。一般企業では、帰宅困難者が発生していない企業が半数 以上を占め、全体的に見ても帰宅困難者の発生は少ない傾向が見られた。逆 に上場企業では、帰宅困難者が発生していない企業はほとんど見られず、2 割から6割の社員が帰宅困難となった企業が半数近くを占めるなど多くの帰 宅困難者が発生した傾向が見られた。

図2−5−9 オフィス家具等の転倒落下移動の有無(問7)

(29)

第2章アンケート調査

 図2−5−9よりオフィス家具等の転倒落下移動の被害については、一般企 業、上場企業ともに35%前後の企業で発生しており、同割合での発生となっ

た。

図2−5−10 構造部被害(問7)

 図2−5−10より、壁のひび割れのような主要構造部の破損などの「構造 部被害」は全体的に少なく、一般企業で約15%、上場企業で約10%という

結果であった。

けが人の発生く上場)

■あり 雷なし

N=124

※一般企業はけが人なし(0%)

図2−5−11 けが人の発生(問7)

(30)

検害額の程度

N:297

なし   1万〜9万  10万一99万100万一999万1000万以上

@        検害碩の程度

図2−5−12 被害額の程度(問8)

 図2−5−12より、東日本大震災による被害額であるが、ほとんどの企業 で金銭的な被害は受けておらず、高額な被害を受けている企業は少数にとどま

った。

業績停止日数

N二297

0  1  2  3  4  5  7

@    業書停止日数

図2−5−13 業務停止日数(問9)

 図2−5−13より、業務停止日数に関する被害についても業務が停止した 企業はほとんど見られなかった。これは、震災の発生が金曜日だったことも原

因として考えられる。

(31)

第2章 アンケート調査

2−5−3 消防計画について

■作成している 騒作成していない

■作成してい

■作成してい・い

図2−5−14 消防計画の作成の有無(問10)

 図2−5−14より防火管理義務(消防計画作成義務)がある企業のうち、

実際に作成している企業は、一般企業で約6割、上場企業で約9割となった。

図2−5−15 消防計画への具体的追記の有無(問11)

 図2−5−15より事業所の実態に合わせて消防計画(震災対策部分)の

(32)

これについては、消防計画のひな型(震災対策部分)に追記が行いにくい要 因がある可能性が考えられる。

15卜,

145−140−

llポ

20r25−

1 gl15・

・40 42

35 A

裏1機

生一耳廿

}

量、 i■

≡…

5

1

茱、

姜蓄、

X .■

図2−5−16 消防計画への具体的追記内容(問12)

 図2−5−16より消防計画に事業所の実態に合わせて具体的内容を追記 している企業では「社員や社員の家族への安否確認の方法」や「帰宅要領」、

「災害対策本部の設置要領」や「社員の役割」を定めているという回答が多 い結果となった。

■できた 幽できなかった

■できた

■できなかった

図2−5−17 東目本大震災時における消防計画に基づいた活動の有無(問13)

 図2−5−17より東日本大震災時、消防計画に基づいた活動ができたと 回答した企業は、半数に満たなかった。

(33)

第2章 アンケート調査

60 50」

 143

・・!

30 20 10 0

51

28

葵繋

48

13

41

7

  1

3

図2−5−18 東目本大震災時有効だった計画内容(問14)

図2−5−18より、東目本大震災時に消防計画に基づいた活動ができた と回答した企業に対して、有効だった消防計画の内容を調査したところ、「非 常用物品の事前準備」や「身の安全確保対策」、「オフィス家具などの転倒落 下移動防止対策」、「帰宅困難者対策」が有効だったと回答した企業が多数を

占めた。

100 80 60 40 20 0

78

60

25

N=163

図2−5−19 消防計画の社員への周知方法(問15)

(34)

 図2−5−19より、消防計画の社員への周知方法としては、「計画内容を 口頭で社員に指導している」が最も多く、「社員の役割などを紙へ一スで配布」

が次いで多い結果となった。

一ω

■している

■していない

図2−5−20 防災訓練の消防計画への反映(間16)

 図2−5−20より、企業の防災訓練(自衛消防訓練)の結果を消防計画 に反映している企業は、一般企業で4割弱、上場企業で5割強と上場企業の 方が多い結果となった。

160 140 120 100 80 60 40 20 0

図2−5−21 今後の大地震で役立つと思う計画内容(問17)

(35)

第2章 アンケート調査

 図2−5−21より、今後首都圏でM7以上の大震災が発生した際に役立 つと思う計画内容を調査したところ、「非常用物品の事前準備」や「身の安全 確保対策」、「オフィス家具などの転倒落下移動防止対策」、「帰宅困難者対策」

が多数を占めており、問14で回答のあった「東日本大震災時有効だった計 画内容」と同様の傾向が見られた。

図2−5−22 震災後における消防計画内容の変更・追加(問18)

 図2−5−22より東日本大震災後約1年半たった調査時でも消防計画の 内容に変更・追加を実施した企業は、変更・追加を実施していない企業と比 較して少ない結果となった。

(36)

45 40 35 30 25 20 15 10 5 0

22

5

22

8

30

6 2

図2−5−23 消防計画変更・追加の内容(問19)

 図2−5−23より東日本大震災後に消防計画を変更・追加したと回答した 企業では、「非常用物品の事前準備」や「帰宅困難者対策」に関する内容を追加

したと回答した企業が比較的多数を占めていた。

(37)

第2章アンケート調査

2−5−4 消防計画以外の行動マニュアルについて

■作成している

■作成していない

■作成している

■作成していない

図2−5−24 行動マニュアル等の作成有無(問20)

 図2−5−24より消防計画以外に震災に関する行動マニュアルを作成して いた企業は、一般企業で約10%、上場企業で約65%と差が見られた。

〃〆〆N,1.1  や イ ク

図2−5−25 行動マニュアル等の種類(間21)

 図2−5−25より、震災に関する行動マニュアルを作成している企業にお いて、BCP(事業継続計画)を作成していると回答した企業より、社員行動 マニュアルを作成していると回答した企業の方が多数を占める結果となった。

(38)

90 80 70 60 50 40 30 20 10 0

73

18 47

59 54  52

26

4

図2−5−26 行動マニュアル等の内容(間22)

図2−5−26より震災に関する行動マニュアルを作成している企業では、

その内容として「災害対策本部の設置要領」や「社員や社員の家族への安否 確認の方法」、「自衛消防隊員以外の社員の役割」を定めているという回答が 多い結果となった。

図2−5−27 震災後の行動マニュアル等の内容変更追加(問23)

(39)

第2章 アンケート調査

 図2−5−27より東日本大震災後に震災に関するマニュアルの内容を変更・追 加した企業は、変更していない介業より多数を占めた。消防計画での同様の質問よ

り変更した企業が多かったことからマニュアルを震災時に実用的に使用している 可能性が考えられる。

50 45 40 35 30 25 20 15 10 5 0

図2−5−28 震災後変更・追加した内容(問24)

 図2−5−28より震災に関する行動マニュアルを変更・追加した企業では、

変更・追加した内容として、「社員や社員の家族への安否確認の方法」や「社員 の一斉帰宅の抑制など帰宅困難者対策」、「災害対策本部の設置要領」などが多 数を占めた。

(40)

2−5−5 東日本大震災時の対応状況について

 最後の項目として、東日本大震災時の対応状況として、回答者(防火防災管 理担当者)の自己評価で各震災対応項目に対して「できた」「できなかった」「ど ちらともいえない」「発生なし」のうちから選択してもらった。そのうち「でき た」「できなかった」のみに絞り、その割合を項目別に図2−5−29〜図2−

5−33に示した。

■できた 雷できなかった

回 国

区2−5−29 震災への対応状況<客の誘導安全確保>(問25)

■できた 農できなかった

図2−5−30 震災への対応状況<安否確認>(問25)

(41)

第2章 アンケート調査

■できた 麗できなかった

図2−5−31 震災への対応状況<けが人の搬送手当>(問25)

■できた 国できなかった

図2−5−32 震災への対応状況<まとまりのある行動>(問25)

<社員の帰宅支援>

■できた

圏できなかった ■できた

雷できなかった

図2−5−33 震災への対応状況<社員の帰宅支援>(問25)

(42)

 図2−5−29〜図2−5−33より各震災対応に関する項目すべてにおい

て、上場企業と比較して一般企業において、rできた」と回答している企業が多 数を占めた。

これは、上場企業と比較して一般企業で従業員の規模が顕著に少ない傾向にあ るため、まとまりのある行動を始め、各震災対応がスムーズに実施できたこと が考えらえる。

以上が、単純集計の結果である。次頁からは各設間間におけるクロス集計の結 果を示していく。

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